JP2003262737A - 光ファイバテープ心線の分離方法及び分離工具セット - Google Patents
光ファイバテープ心線の分離方法及び分離工具セットInfo
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Abstract
テープ心線を光ファイバ心線に分離することのできる作
業性に優れた分離方法を提供する。 【解決手段】 溝状部内に保持した光ファイバテープ心
線を長手方向に移動させることにより光ファイバテープ
心線を加傷し、加傷部分に板状の分離工具を挿入して加
傷部分に沿って及びその延長方向に移動させることによ
り、分離の不完全な部分、及び加傷工具を使用できない
テープ心線の引出し根元部分まで確実に分離することの
できる分離方法及びその分離方法に使用する分離工具セ
ットを提供する。
Description
された多心線からなる光ファイバテープ心線を個々の光
ファイバ心線に分離する方法、及びその分離方法に使用
する分離工具セットに関する。
いる。一般住宅に光ファイバを引き込む場合、多くの光
ファイバ心線が収容されたスロット型アクセスケーブル
から必要な光ファイバ心線を取り出して、各戸の軒先ま
で光ファイバ心線を配線(引き落とし)するためのドロ
ップケーブルに接続する。図14(a)にスロット型ア
クセスケーブルの一例を示す。光ファイバケーブル30
が支持線31により連結部材32を介して吊り下げられ
ている。この光ファイバケーブル30は外被(シース)
33と、ケーブルコア35と、このコアに設けられたS
Zスロット34に収容された光ファイバテープ心線の積
層体から成る。光ファイバテープ心線は、複数の光ファ
イバ心線を平面的に配列し一体的に被覆した多心線であ
る。
A'線方向断面図を示す。図をわかり易くするため、断
面部のハッチングは省略している。支持線31は単鋼線
39を複数本撚り合わせて構成されており、複数のスロ
ット34内には、複数の光ファイバ心線を一体的化した
光ファイバテープ心線36が、多数収容されている(例
えば、図14(b)では、4心線光ファイバテープ心線
を5層に積層したものを示している)。図14(c)は
各戸毎に光ファイバ心線を引き落とすためのドロップケ
ーブルの一例を示す断面図である。ドロップケーブル
は、光ファイバ心線42及び2本の銅線43とからなる
ケーブル本体部と、ケーブル本体を支持する支持線41
とからなる。
1加入1心線が最低単位となるため、スロット型アクセ
スケーブルから任意の一つの光ファイバ心線を取り出し
て、ドロップケーブルに接続することが望ましい。その
ためにはスロット型アクセスケーブルに収容されている
光ファイバテープ心線36を単心の光ファイバ心線に分
離し、接続する光ファイバ心線を取り出す必要がある。
光ファイバ心線を取り出すためには、図示するように外
被33を剥き、SZスロット34から光ファイバテープ
心線36を取り出し、これを個々の心線に分離し、分離
された心線を切断してドロップケーブルに接続する作業
を行なう。
離する分離工具としては、2つの基板に加傷刃及び剪断
コマを埋め込んだ分離工具(特許第2768783号、
特開平7−113915)が知られている。
来の分離工具では、ケーブル中間部で心線を取り出して
分岐するために、外皮を除去したケーブルから光ファイ
バテープ心線を中間部で取りだし単心線に分離すること
が困難である。すなわち、作業は多数のテープ心線を収
容したケーブルから、一つのテープ心線を切断すること
なく一部を引っ張りだして行なう必要があるため、従来
の分離工具では、光ファイバテープ心線を分離作業の際
に、分離工具先端部と、他の光ファイバテープ心線やケ
ープル部材とが干渉して、作業性が悪く、ケーブルの外
皮除去部の端部(根元)まで、分離するのが困難であっ
た。
刃のみを設けたコンパクトな分離工具を使用すると、剪
断コマが無いため、テープ心線に傷が入っただけで完全
に分離されない部分が発生するおそれがあった。特に、
クロージャ内での分離作業のように狭い作業スペースで
の作業では、このような状態が発生しやすいという問題
があった。
みて為されたもので、作業性に優れ、光ファイバテープ
心線の中間部において光ファイバ心線に確実に分離する
ことのできる光ファイバテープ心線分離方法及びその方
法に使用する分離工具セットを提供することを目的とす
る。
持した光ファイバテープ心線を長手方向に移動させるこ
とにより光ファイバテープ心線を加傷し、加傷部分に板
状の分離工具を挿入して加傷部分に沿ってまたはその延
長方向に移動させることにより、分離の不完全な部分、
及び加傷工具を使用できないテープ心線の引出し根元部
分まで確実に分離することのできる分離方法及び分離工
具セットを提供することにより、上記課題を達成する。
ープ心線分離方法は、複数の光ファイバ心線を平面的に
配列し一体的に被覆した多心線からなる光ファイバテー
プ心線を光ファイバケーブルから取りだし、光ファイバ
テープ心線を単心の光ファイバ心線に分離する方法であ
って、(a)光ファイバテープ心線の一部を左右及び上
下方向の動きを規制しつつ長手方向に摺動可能に保持す
る工程と、(b)光ファイバテープ心線を左右及び上下
方向の動きを規制しつつ長手方向に相対的に移動させる
ことにより、分割刃により前記光ファイバテープ心線の
分割位置を長手方向に加傷する工程と、(c)光ファイ
バテープ心線の加傷部に板状の分離工具を挿入し、挿入
した分離工具を前記光ファイバテープ心線の長手方向に
移動させることにより、光ファイバテープ心線を分離す
る工程とを備えることを特徴とする。
離することができなかった部分、加傷工程で加傷できな
い部分を、分離工程により分離工具により完全に分離す
ることが可能となる。
プ心線分離方法は、分離工程(c)において使用される
前記分離工具が、0.04mm<k<0.3mmの範囲
の厚さkからなる板状の部材を備えることを特徴とす
る。分離工具の厚さが薄いと、光ファイバ心線分離工具
により削るおそれがあり、分離工具の厚さが厚いと分離
作業中に大きな力を負荷して光ファイバ心線にダメージ
を与える恐れがある。本実施態様の厚さの分離工具で
は、これらの危険を回避することが可能である。
プ心線分離工具セットは、複数の光ファイバ心線を平面
的に配列し被覆材により一体的に被覆した多心線からな
る光ファイバテープ心線を光ファイバケーブルから取り
だし、連続する光ファイバテープ心線の一部を単心の光
ファイバ心線に分離する分離工具セットであって、
(a)光ファイバテープ心線の単心の光ファイバ心線に
分離する位置を、光ファイバテープ心線の長手方向に加
傷する加傷工具と、(b)加傷工具により加傷された加
傷部に挿入する板状部を備え、加傷部に挿入した板状部
をテープ心線の長手方向に移動することにより光ファイ
バテープ心線を単心の光ファイバ心線に分離する分離工
具とを備えることを特徴とする。
プ心線分離工具セットは、分離工具の板状部が、0.0
4mm<k<0.3mmの範囲の厚さkからなることを
特徴とする。分離工具の厚さが薄いと、光ファイバ心線
分離工具により削るおそれがあり、分離工具の厚さが厚
いと分離作業中に大きな力を負荷して光ファイバ心線に
ダメージを与える恐れがある。本実施態様の厚さの分離
工具では、これらの危険を回避することが可能である。
プ心線分離工具セットは、前記分離工具が、前記加傷工
具に取りつけられていることを特徴とする。この態様に
より、加傷具と分離工具を一つの工具とすることがで
き、作業時の携帯工具数を減らすことが可能となる他、
分離工具の紛失を防ぐことができる。
プ心線分離工具セットは、加傷工具と、分離工具とが一
体的に構成されていることを特徴とする。
から図13を用いて説明する。図1は、本発明の分離方
法の概念を示すイメージ斜視図である。まず、テープ心
線36を、加傷工具を用いて加傷し、加傷部17〜19
を形成する。図1では表されていないが、テープ心線の
裏面にも加傷部17〜19に対応する位置に加傷部が形
成されている。次にテープ心線を分離するための分離工
具6をテープ心線36の加傷部17に挿入し、挿入した
分離工具6をテープ心線の長手方向に移動させる。これ
により、テープ心線から光ファイバ心線を分離する。ま
た、ケーブルからテープ心線を引き出して分離する場
合、ケーブルの各部が邪魔をして、引き出したテーブル
心線の根元の部分まで加傷工具を移動できないこともあ
り、根元部分までテープ心線を加傷することができない
場合も生じる。このような場合には、加傷部を超えて、
延長部分まで分離工具6を移動させることにより、テー
プ心線の根元まで完全に分離する。これにより、加傷工
具が使用できない部分の分離も可能となる。
分離する本発明の一実施例にかかる分離工具セットの斜
視図である。(a)は光ファイバテープ心線を加傷する
加傷工具の一例の外観を示す斜視図であり、(b)は溝
状部7を含む第2の部材2の先端部を拡大して示す拡大
部分斜視図である。(c)は加傷した光ファイバテープ
心線を単心線に分離する分離工具の一例を示す斜視図で
ある。図2(a)の加傷工具は、第1の部材1と、第2
の部材2とが、クロスされてほぼ中央部で軸3により回
転可能に固定された構成となっている。第2の部材2の
先端部には溝状部7が設けられており、第1の部材と第
2の部材が互いに係合したときに溝状部7の上部開口が
第1の部材により閉じられ、光ファイブテープ心線が溝
状部7内に保持される。
プ心線」と略称する)を単心線に分離する際には、第2
の部材2に設けられた溝状部7にテープ心線を収容して
第1の部材1及び第2の部材2により挟み込み、テープ
心線を長手方向に摺動可能に保持する。第1の部材1及
び第2の部材2の他端部には、第1の把持部10及び第
2の把持部20が設けられている。把持部10及び20
を互いに近づける方向に回転させ閉じると、溝上部7が
設けられた他端部が閉じ、溝状部7内にテープ心線の一
部が摺動可能に保持される。
する場合、溝状部7内にテープ心線を収容し保持ながら
テープ心線を長手方向に摺動させるように、加傷工具ま
たはテープ心線を移動させる。図2(b)に示すよう
に、溝状部7は、テープ心線の幅wより僅かに大きい幅
w+αを有している。溝状部7は、テープ心線の左右及
び上下の動きを規制しつつ長手方向に摺動通過させるも
のであるため、テープ心線の形状に適合する形状とする
ことが好ましい。テープ心線と加傷工具は相対的に移動
すれば良いので、摺動操作は、加傷工具を固定してテー
プ心線を移動させるようにしても、またテープ心線を固
定して加傷工具を移動させるようにしてもよい。本実施
例では、溝状部7を第2部材2の長手方向と略直角方向
に設けた構造をその1例として示している。しかし、テ
ープ心線を摺動させるための操作性の観点から、図2
(a)に破線8で示すような斜めに配置する構成として
もよい。このような構成により、加傷工具を体に密着さ
せた状態でテープ心線を摺動させることが容易となり、
さらに安定した分離操作が可能となる
み摺動したときに、テープ心線の皮膜を加傷し分離する
ための分割刃が設けられている。本実施例では、4個の
光ファイバ心線を一体化したテープ心線を4つの単心線
に分割する3個の分割刃11〜13を設けた構成を示し
ている。分割刃11〜13の幅方向の位置は、テープ心
線を構成する隣接する光ファイバ心線の中間位置に一つ
づつ配置され、各分割刃11〜13は光ファイバテープ
心線の長手方向に所定の間隔を持って配置される。
滑らかに分割するためにテープ心線を挟みこむ第1の部
材1と第2の部材2の双方に対抗するように設けること
が好ましいが、何れか一方に上記加傷刃3が設ける構成
とすることも可能である。また、3本の分割刃11〜3
は横方向の位置をずらされて配置され、止めネジ4で固
定されている。本実施例では、分割刃として針状の加傷
刃を示しているが、針状に限らず、一定の長さがある板
状の加傷刃でもよく、その本数は対象とする光ファイバ
テープ心線の心線数と分割する態様に応じて設定するこ
とができる。また、この実施例では、溝状部7を第2の
部材のみに設けているが、第1の部材に設けてもよく、
また、溝状部7を分割して第1の部材及び第2の部材の
双方に設けてもよい。
2とは略角型の構成としている。必ずしもこのような略
角型にする必要はないが、このような角型形状とすると
人手で保持した際に、回転しにくい点という利点を有す
る。第1の部材1とその把持部10、第2の部材2とそ
の把持部20は、人手で取扱いが容易なように中間部で
回転軸3を備えた、てこ状部材を構成している。この構
成により、少ない力でテープ心線を挟み保持できる。
は、位置合わせピン23、ガイドピン21、ガイドピン
22が設けられている。位置合わせピン23は第1の部
材1と第2の部材2が適正に嵌合するためのピンであ
り、第1の部材には対応する位置に図示しないピン孔が
設けられている。また、ガイドピン21と22は上記溝
状部7に光ファイバテープ心線が適正に挿入されるよう
に担保するガイドピンであり、第1の部材1の対応する
位置には図示しないピン孔が設けられている。加傷工具
は現場で人手により使用されるので、人手による保持が
容易なような寸法、好ましくは全長150mm程度であ
る。
ファイバテープ心線を矢印5で示す方向に人手あるいは
機械的に引抜くことにより、光ファイバテープ心線に傷
を付け、例えば4心線光ファイバテープ心線を単心線×
4本に分離する。光ファイバテープ心線を引き抜くので
はなく、光ファイバテープ心線を固定し、工具を移動さ
せることにより単心線に分離することも可能である。こ
の例では、4心線光ファイバテープ心線を示している
が、例えば2心線から32心線程度のテープ心線等各種
のテープ心線内を分離することが可能である。また、4
心線、8心線、16心線、32心線等を2心線毎に分け
ることも可能である。テープ心線に一体化された心線の
数に合わせて、溝状部の幅、分割刃の数を心線の数に合
わせて変更する必要がある。
分離は、加傷工具による摺動操作のみにより完全に分離
されることが望ましい。しかし、(a)に示すようなテ
ープ心線の摺動位置に分割刃を設けたのみの加傷工具
は、簡単な構造で小型化できるという利点を有する反
面、剪断コマを有しないため、長い距離を分離する場合
等にテープ心線に傷を付けただけで分離されない部分が
発生するおそれがある。しかし、常に完全に分離するこ
とができることは必ずしも必要はなく、傷をつけられた
テープ心線を、その後簡単に分離することができればよ
い。
に分離されていない部分を分離するための分離工具6を
示す斜視図である。テープ心線の加傷した部分の一部に
分離工具6を挿入し、長手方向に移動させることにより
加傷部に沿って光ファイバテープ心線を完全に分離す
る。さらに、ケーブルの各部が干渉して加傷工具の動き
が制限されるために加傷工具を使用できず、必要な部分
を分離することができない場合もある。このような場合
には、挿入した分離工具を加傷部から更に延長して長手
方向に摺動することにより、必要位置まで分離すること
もできる。尚、テープ心線の加傷部に分離工具を挿入し
やすくするため、破線9に示すように分離工具6の先端
を少し丸みを帯びた鋭角な形状とすることも可能であ
る。
付けた状態を示す正面図であり、図4は図3に示すB−
B'線方向の断面の一部を示す図である。溝状部7に第
2の部材2に設けられた分割刃11〜13が下から上に
突出しており、第1の部材1に設けられた分割刃14〜
16が上から下に突出している。また、分割刃11及び
14がねじ4により固定されている状態が示されてい
る。図5は、テープ心線36が挟時されつつ矢印方向に
摺動されることにより、光ファイバ心線の単線に分離さ
れる状態を示している。テープ心線36の分離にあたっ
ては、図5に示すように加傷工具によりテープ心線36
を挟みこみ、テープ心線36が保持された状態で溝部7
内を通過するように、テープ心線36または分離工具2
を移動させる。これにより、テープ心線36の上下面が
加傷され、分割刃に対応した加傷部17、18、19等
が形成される。
置について説明する。図6は、本発明の一実施形態にか
かる溝状部7の分割刃の配置を説明するための図であ
り、溝状部7を開口部から見た平面図である。テープ心
線36を破線で示している。分割刃11〜13は、それ
ぞれのテープ心線36の幅方向に光ファイバ心線を単心
に分割する間隔b1〜b4を持って配置され、摺動方向
(テープ心線の長手方向)に所定の間隔a1、a2を持っ
て配置される。b1〜b4は、光ファイバ心線の径等によ
って定まる。長手方向の間隔a1、a2は、同じ間隔であ
っても異なっても良く、テープを分割する際の摺動操作
時にかかる応力、摺動摩擦等を考慮して定められる。
する理由は、a1=0およびa2=0にすると、テープ心
線の幅方向の同一位置に同時に複数の分割刃が挿入され
るため、加傷の際の摩擦が大きくなるからである。挿入
が分割時の摩擦力が大きいと、分割作業に大きな力を必
要とし、工具の微妙な動かし方によっては、テープ心線
に大きな力がかかってしまう。その力によってテープ心
線に曲げが入り、損失の増加を引き起こすおそれが高く
なる。本件発明者は、種々の試行を重ね、分割刃の間隔
が1.5mm以上となることが好ましいとの結論を得
た。この間隔により、分割時の摩擦力が小さくなり、ク
ロージャ内での単心分離作業で問題となるような損失は
発生せず、安全確実に単心分離を行なうことが可能とな
る。
図である。溝状部7内に収容されるテープ心線36を破
線で示している。“t”はテープ心線の厚みを表し、
“c1”は第1の部材1から突出する分割刃14〜16
のテープ心線36の上面への挿入深さを、“c2”は第
2の部材2から突出する分割刃11〜13のテープ心線
36の下面への挿入深さを表している。
いて説明する。本発明の加傷工具に設けられた分割刃を
用いてテープ心線の分割を行なうため、分割刃の挿入量
(深さ)の設定が重要となる。分割刃の挿入量をテープ
心線の厚さtよりも多くすると、テープ心線を完全に分
割することができる。分割刃をテープ心線の上面側また
は下面側の片方に設けると、容易に分割刃の挿入量を厚
さt以上にすることが可能となる。しかし、分割刃を片
方にのみ設けてその挿入量を厚さt以上の深さにする
と、テープ心線の摺動に大きな力を必要とし、光ファイ
バ心線にダメージを与えるおそれや、分割位置がずれる
恐れがある。そのため、分割刃をテープ心線の上面側ま
たは下面側の片方に設けることも可能ではあるが、テー
プ心線を正確かつ損傷を与えないように分割するという
観点から、テープ心線の上面側及び下面側の双方に設け
て、両面からテープ心線を加傷することが好ましい。
割刃の挿入量の合計がテープ心線の厚みよりも多けれ
ば、完全に分離することが可能となる。しかし、挿入量
が多いと上下の分割刃が干渉するため、両分割刃の挿入
深さの合計を厚さ「t」以上にするには、上下の刃を前
後にずらす等の工夫が必要となる。一方、挿入深さが浅
過ぎるとテープ心線を分離することができない。しか
し、上下の分割刃の挿入深さの合計を正確に厚さ「t」
にすることも困難である。
の試行を重ね、0.09≦d/t≦0.5のときに分離
性がよく、かつダメージもない良好で安定した分離が可
能となるとの結論を得た。「t」はテープ心線の厚みを
表し、「d」は挿入深さを表す。また、上下双方に分割
刃を設け、上下の分割刃の挿入深さを同じにするものと
した場合の関係を示している。上下の分割刃の長さを変
える場合は、両分割刃の挿入量の合計が、0.18≦d
/t≦1.0の範囲内となることが好ましい。現実に
は、挿入深さの合計を正確に厚さ「t」にすることは困
難な場合もあるために、加傷工具の分割刃による加傷だ
けでは、加傷部の一部または全体に亘り完全に分離され
ない部分が残る場合もある。
に移動させることにより、テープ心線36の上面及び下
面に生じる加傷部17〜19及び27〜29のイメージ
を示す。図8では、下面の加傷部27〜29が見えるよ
うに、テープ心線36の端面を示しているが、実際に
は、連続するテープ心線の中間部分を加傷し、単心の光
ファイバ心線25に分離することができる。各分割刃1
1〜13及び14〜16はテープ心線の長手方向に所定
の間隔を置いて設けられている。そのため、各分割刃に
よる切込み最先端位置が、テープ心線の幅方向に対して
所定の角度をもって斜めにずれた位置となる。また、分
割刃11−14、12−15、13−16の組の挿入深
さ(上下)が厚さ「t」以下の場合には、図8に示すよ
うに突出量に応じて加傷され、完全には分離されない場
合もある。
傷した後、厚みの異なる分離工具6を加傷部に挿入し
て、そこから、さらに400mm加傷部の延長方向に分
離工具6を移動して、全長500mmに亘ってテープ心
線を分離することにより得られた光ファイバ心線につい
ての損失変動を示す実験結果である。使用する分離工具
6の材質は、JIS G 4401 炭素工具鋼であ
り、厚さ以外の寸法は、75mmx12.5mmの板状
部材である。図9は、この実験において、分離工具6を
挿入して分離した順番を示している。まず、(a)に示
すように、中央部分の加傷部18、28(矢印)に分
離工具6を挿入して中央から2つに分離し、その後、
(b)に示す矢印の加傷部19、29から分離し、最
後に(c)に示す矢印から分離した。
部分を構成する板状部材の厚さが0.04mm以下の場
合には、損失変動は小さいものの、単心線の着色層が削
れており、光ファイバ鍼線を傷つけるおそれがある。一
方厚さが0.30mm以上の場合には、厚すぎて分離に
強い力を必要とするため、光ファイバ心線に大きな損失
(3.7dB)を与える。以上の結果から、分離工具6
の挿入部の厚さは、0.04mmより大きく、0.30
mmより薄いことが好ましい。特に、厚さを0.06m
m〜0.20mmの範囲とすることにより、1dB以下
の損失増加により単心線分離が可能となる。
1の部材1と第2の部材2に分割した溝状部50及び5
1を設けた分離工具を示している。図12は、本発明の
さらに他の実施形態を示す斜視図であり、複数の溝状部
52〜54を有している。溝状部52〜54は、多心線
からなるテープ心線の種類に応じて設けられている。図
12では、外側から内側にかけて、心線数が多いテープ
心線を分離するための溝状部が設けられている。しか
し、その逆に外側の溝状部52を心線数の多いテープ心
線のための溝状部とすることも可能である。図13は、
本発明に係る分離工具のさらに他の実施形態を示す図で
ある。この実施形態では、図2の例と異なりハンドル部
がなく、第1の部材1と第2の部材2は、それぞれの端
部で回転軸3で相互に連結され、例えば人手により第1
の部材1と第2の部材2を押し付けて光ファイバ心線の
分離を行なう構造である。工具の部材が簡略されて図示
されており、図2の実施例と機構的には何ら変わりはな
い。
加傷工具と、分離工具とを組み合わせて使用することに
より、長い距離に亘り光ファイバテープ心線を分離する
場合であっても、さらに加傷工具を使用することができ
ない狭いスペースであっても、テープ心線を単心線に分
離することが可能となる。また、分離工具の板状挿入部
の厚さを上述の所定の範囲とすることにより、光ファイ
バ心線の損失を抑えたより確実な分離作業が可能とな
る。特に、板状部材の厚みkを0.06mm<k<0.
2mmとすることにより、分離作業に伴う損失増加を1
dB以下に抑えることができるという優れた効果を得る
ことが可能となる。
である。
明の一実施例にかかる分離工具セットの斜視図であり、
(a)は加傷工具の斜視図、(b)は溝状部の拡大斜視
図、(c)は分離工具の斜視図である。
から見た図である。本発明にかかる第2の部材2の先端
部及び溝状部7を示す拡大部分斜視図である。
断面図である。
ることにより、光ファイバ心線の単線に分離される状態
を示す斜視図である。
位置を説明するための図であり、溝状部を開口部方向か
ら見た平面図である。
ことにより、テープ心線36の上面及び下面に生じる加
傷部のイメージを示す斜視図である。図4に示すC−
C'線方向の断面図である。
全に分離する場合の概念図である。
た順序を示す。
斜視図である。
部50及び51を設けた本発明の他の実施例にかかる分
離工具を示す斜視図である。
ある。
を示す斜視図である。
を示す図であり、(b)は(a)に示すA−A'線方向
の断面図、(c)は各戸毎に光ファイバ心線を引き落と
すためのドロップケーブルの一例を示す断面図である。
のガイドピン 23 上部材と下部材とを適正に位置決めするためのピ
ン 30 光ファイバケーブル 35 光ファイバケーブルのコア 36 光ファイバテープ心線 37 光ファイバ心線
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の光ファイバ心線を平面的に配列し
一体的に被覆した多心線からなる光ファイバテープ心線
を光ファイバケーブルから取りだし、光ファイバテープ
心線を単心の光ファイバ心線に分離する方法であって、
(a) 前記光ファイバテープ心線の一部を左右及び上
下方向の動きを規制しつつ長手方向に摺動可能に保持す
る工程と、(b) 前記光ファイバテープ心線を左右及
び上下方向の動きを規制しつつ長手方向に相対的に移動
させることにより、分割刃により前記光ファイバテープ
心線の分割位置を長手方向に加傷する工程と、(c)
前記光ファイバテープ心線の加傷部に板状の分離工具を
挿入し、挿入した前記分離工具を前記光ファイバテープ
心線の長手方向に移動させることにより、前記光ファイ
バテープ心線を分離する工程と、を備えることを特徴と
する光ファイバテープ心線の分離方法。 - 【請求項2】 前記分離工程(c)において使用される
前記分離工具は、0.04mm<k<0.3mmの範囲
の厚さkからなる板状の部材を備えることを特徴とする
請求項1に記載の光ファイバテープ心線の分離方法。 - 【請求項3】 複数の光ファイバ心線を平面的に配列し
被覆材により一体的に被覆した多心線からなる光ファイ
バテープ心線を光ファイバケーブルから取りだし、連続
する光ファイバテープ心線の一部を単心の光ファイバ心
線に分離する分離工具セットであって、(a) 前記光
ファイバテープ心線の単心の前記光ファイバ心線に分離
する位置を、前記光ファイバテープ心線の長手方向に加
傷する加傷工具と、(b) 前記加傷工具により加傷さ
れた加傷部に挿入する板状部を備え、前記加傷部に挿入
した前記板状部を前記テープ心線の長手方向に移動する
ことにより前記光ファイバテープ心線を単心の光ファイ
バ心線に分離する分離工具と、を備えることを特徴とす
る分離工具セット。 - 【請求項4】 前記分離工具の前記板状部は、0.04
mm<k<0.3mmの範囲の厚さkからなることを特
徴とする請求項3に記載の分離工具セット。 - 【請求項5】 前記分離工具は、前記加傷工具に取りつ
けられていることを特徴とする請求項3または4のいず
れか1項に記載の分離工具セット。 - 【請求項6】 前記加傷工具と、前記分離工具とが一体
的に構成されていることを特徴とする請求項3または4
のいずれか1項に記載の分離工具セット。
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-
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- 2002-03-12 JP JP2002067459A patent/JP2003262737A/ja active Pending
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