JP2003261990A - 建造物用の部材固定具 - Google Patents

建造物用の部材固定具

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JP2003261990A
JP2003261990A JP2002062292A JP2002062292A JP2003261990A JP 2003261990 A JP2003261990 A JP 2003261990A JP 2002062292 A JP2002062292 A JP 2002062292A JP 2002062292 A JP2002062292 A JP 2002062292A JP 2003261990 A JP2003261990 A JP 2003261990A
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正一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建造物を構成する部材を締結によって別部
材と固定する場合、締結を緩み難くすると共に、部材に
かかる締結力を分散させた状態で別部材と固定すること
により、締結箇所での部材の破断を抑制し、部材が有す
る耐力を有効に活用することで建造物の強度を向上させ
る。 【解決手段】 部材固定具15は、頭部付ボルト18、
ナット19、荷重分散リング16、座部材17で構成さ
れている。荷重分散リング16の中央には貫通穴25、
最外周部には平面形状の支持部27、貫通穴25の端部
と支持部27を曲面形状の押圧部28が形成されてい
る。部材固定具15を用いて木材1と接合金具11を締
結する場合、木材1の一方側に座ぐり4を設け、支持部
27と押圧部28を座ぐり4に対面させた状態で、接合
金具11、貫通穴25、木材1の貫通穴2に頭部付ボル
ト18を挿通させ、木材1の他端側に延出した頭部付ボ
ルト18に座部材17を介在させてナット19を締結す
る。これにより、締結箇所で木材1が破断し難くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物を構成する
部材として、特に、弾性を有する部材を別部材に締結さ
せる建造物用の部材固定具に関する。特に、木構造によ
る建造物の軸組みで、骨部材となる木材同士を接合金具
を用いて接合したり、土台となる木材を基礎に締結して
固定する場合に用いる建造物用の部材固定具に関する。
【0002】
【従来の技術】木構造による建造物の軸組みには、「継
手」や「仕口」等、いわゆる複数の木材を接合させる箇
所や、土台となる木材(土台用木材)を基礎に固定させ
る箇所が随所に設けられる。このような箇所では、ボル
ト/ナットや、複数の木材を一箇所で接合させるための
接合金具が用いられている。土台用木材を基礎に固定す
る場合、土台用木材は、基礎に一端部を埋め込んだボル
トの雄ネジ部を土台用木材に挿通させ、土台用木材から
延出された部分の雄ネジ部と汎用の座金を介してナット
を締結して基礎に固定される。また、複数の木材を接合
する場合には、羽子板ボルト、筋交プレート、短ざく金
具、箱金物等のような接合金具が用いられ、木材の合わ
せ方によって対応した形状の金具が用いられる。この種
の接合金具には、一部または全部においてプレート状に
形成された支持部が設けられ、支持部の面で木材を支え
るようになっている。ここでは、説明の便宜上、支柱と
なる第1の木材156と梁となる第2の木材160を、
羽子板ボルト151を用いて接合する場合について簡単
に説明する。羽子板ボルト151は、図14に示すよう
に、支持部152と、支持部152と一体なった軸部1
53で形成されている。羽子板ボルト151の軸部15
3は、第1の木材156を挿通可能とし、雄ネジ154
を有している。羽子板ボルト151は、軸部153の雄
ネジ154にナット155を締結させることにより、第
1の木材156に対して固着される。羽子板ボルト15
1の支持部152には、第2の木材160を羽子板ボル
ト151に締結させる締結用ボルト157のネジ穴(貫
通穴)が設けられている。第1と第2の木材156、1
60を接合する場合、軸部153とナット155を締結
することにより第1の木材156に対して羽子板ボルト
151を固着させ、第2の木材160の端部を第1の木
材156に突合わせた状態で、羽子板ボルト151の支
持部152が、第2の木材160の取付け部に配置され
る(図14参照)。締結用ボルト157は、羽子板ボル
ト151の支持部152を第2の木材160に配置した
面側からネジ穴を介して第2の木材160に挿通し、支
持部152を配置した面の反対側から延出された締結用
ボルト157の軸部153に座金158を介在してナッ
ト159と締結させる。座金158には、座面が平面的
に形成された、いわゆる汎用品のものが用いられる。こ
れにより、第1や第2の木材156、160は、ボルト
/ナット、接合金具等によって接合される。一般に、木
構造による建造物の軸組みにおいて、基礎に土台用木材
を固定する箇所や、複数の木材を接合させる箇所で、ボ
ルト/ナットや接合金具等を用いて木材の固定や木材の
接合を行うと、軸組みは堅固な状態になる。すなわち、
ボルト/ナットによる木材と基礎、あるいは木材と接合
金具の締結では、木材は、基礎あるいは接合金具と座金
の間に挟まれた状態で、ボルトの軸方向に作用するボル
ト/ナットの締結力によって堅固に固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、木構造によ
る建造物の軸組みでは、木材を固定するために締結した
ボルト/ナットは、締結してから時間が経過するにつれ
て緩む。これは、最初にボルトやナットを締結した後に
でも木材は乾燥し続け、原木の径方向に収縮する(やせ
る)ことに起因する。すなわち、締結中に木材がやせて
しまった分の隙間が生じるからである。このため、ボル
トやナットに対する少なくとも1回以上の締め直し(通
称、「増し締め」という)が、最初の締結の後に必要と
なってくる。しかしながら、軸組みには、建造物の壁、
床、屋根等となる被覆物が、覆い被せられることが多く
あり、建造物の構築後の「増し締め」が容易に行えない
場合がある。一般的に、「増し締め」は、最初にボルト
やナットを締結してから数日後、すなわち、建造物を構
築していく途中の段階で被覆物が軸組みにほとんど覆い
被せられていない状態の時に行なわれる。この後の「増
し締め」は、軸組みの一部だけに行なわれる。したがっ
て、建造物の軸組み全体に対する締結は十分でない場合
がある。建造物の軸組みに対してボルトやナットの締結
に緩みがあると、基礎に対する軸組みの取付けが不安定
になる。また、木材の接合箇所で堅固な状態に木材が固
定されなくなる。すると、軸組みによって支持される建
造物の強度が低下する。一方、建造物は、常時、風雨、
台風、雪、気温の変化による膨張/圧縮、地震等の自然
現象によって発生する外部的な荷重を受ける。このよう
な外部的な荷重が、種々の方向から建造物に大きく付与
され続けると、建造物の軸組みを構成する木材の随所に
負荷(荷重の一部または全部)がかかり続け、木材はい
ずれ疲労する。また、特に、緩んだ状態でボルト/ナッ
トが締結されている場合、ボルトの軸方向と直交する方
向(一例として図14の矢印方向)に外部的な荷重が大
きく木材にかかると、木材は接合金具に対して相対移動
(一例として図14に示す移動量x)し易くなる。する
と、ボルトの軸部が、湾曲状に撓みながら木材に食い込
む(図14の二点鎖線の状態)。この結果、木材は破断
する。すなわち、従来方法のボルト/ナットによる木材
と基礎、あるいは木材と接合金具の締結では、木材は、
ボルト/ナットによってボルトの軸方向だけの締結力で
固定されている。この状態で、種々の方向から外部的な
荷重が繰り返し木材に加わったり、一度に過大な荷重が
木材に対して局部的にかかると、ボルトの軸部の一方が
基礎や接合金具側に固定された状態で、ボルトの軸部の
他方が木材に取り付けられたまま木材が相対移動する。
この時、ボルトの軸部は、簡単に撓んでしまい、ボルト
が挿通する貫通穴の内周面を押圧する。押圧された箇所
の木材には、引張り応力、圧縮応力、剪断応力、抗力等
の応力が、局部的に集中する。これらの応力が、木材に
とって耐え難く過大なものになった時、木材に割裂等の
破断が生じたり、ボルト、ナットや接合金具に破損が生
じる。すると、建造物の強度が低下したり、建造物の建
立状態が不安定になり、建造物に崩壊の恐れが出てく
る。特に、最近の時流では、高い強度の建造物を構築す
ることが、要望されている。本発明は、このような問題
点を解決するために創案されたものであり、本発明が解
決しようとする課題は、建造物を構成する部材として、
弾性を有する部材を締結で別部材に固定する場合、締結
を緩み難くすると共に、部材にかかる締結力を分散させ
た状態で別部材と固定することにより、締結箇所での部
材の破断を抑制し、加えて、部材が有する耐力を有効に
活用することで、建造物の強度の向上を図ることであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの
建造物用の部材固定具である。請求項1に記載の建造物
用の部材固定具では、締結によって建造物用の被締結部
材を別部材に固定させる建造物用の部材固定具であっ
て、前記被締結部材を前記別部材に重ね合わせた時に、
前記別部材と前記被締結部材の厚さより大きい長さの軸
状に形成された第1の締結具と、所定径及び所定厚さの
リング状に形成され、第1の締結具を挿通可能とする補
助固定具とで構成されている。補助固定具は、当該補助
固定具の外周側となる位置で、第1の締結具の中心軸と
同方向に前記被締結部材を当接させる第1の支持部と、
当該補助固定具の内周側を頂部とし、第1の支持部から
内周側に向けて当該補助固定具の厚みが増大するように
窄んだ形状に形成された第1の押圧部とを備えている。
例えば、第1の締結具と締結可能な締結部が別部材に設
けられている場合、第1の締結具を挿通するための貫通
穴を設けた建造物用の被締結部材の少なくとも一方側
に、第1の支持部や第1の押圧部を対面させて補助固定
具が配置される。別部材は、被締結部材の他方側に配置
される。この状態で、第1の締結具を補助固定具と被締
結部材を貫通させて、第1の締結具は別部材と締結され
る。このような場合には、第1の押圧部が被締結部材を
押圧する箇所にかかる分の、第1の締結具と別部材との
締結力は、第1の押圧部によって第1の締結具の中心軸
以外の方向にも分散された状態で被締結部材を押圧す
る。同時に、被締結部材から第1の押圧部への抗力が、
第1の押圧部と被締結部材との当接箇所に付与される。
また、第1の支持部と被締結部材との当接箇所にかかる
分の、第1の締結具と別部材との締結力は、第1の締結
具の中心軸方向だけに作用する締結力の場合と比べて小
さくなり、この小さくなった分の締結力と同じ大きさの
抗力が、被締結部材から第1の支持部に付与される。こ
のように、第1の締結具と別部材との締結力は、第1の
締結具の中心軸以外の方向にも分散されるようになる。
このため、補助固定具が被締結部材に必要以上に食い込
むのを抑え、締め過ぎによる被締結部材の破壊が回避さ
れる。また、請求項1に記載の建造物用の部材固定具を
用いて建造物の軸組みを構成する場合、建造物用の被締
結部材が、例えば木材等であれば、締結時に被締結部材
の形状が変化しても、第1の締結具と別部材との締結は
緩み難くなる。すなわち、建造物用の被締結部材が木材
の場合、木材は弾性を有する材料であることから、弾性
力となる第1の押圧部や第1の支持部への抗力は、第1
の締結具の中心軸以外の方向にも分散された状態で付与
される。この時、補助固定具は、種々の方向で被締結部
材と密着した状態で保持されている。このため、締結時
に、第1の締結具の中心軸方向に対して多少の隙間が生
じても、第1の締結具と別部材との締結は緩み難くくな
る。また、このような状態で、種々の方向から外部的な
荷重が木材にかかっても、第1の締結具の変形によって
締結箇所での木材の破断は抑制される。したがって、請
求項1に記載の建造物用の部材固定具を用いて建造物の
軸組みが構成されていれば、種々の方向から外部的な荷
重が軸組みに付与されても、軸組みは、木材と別部材と
の締結箇所は破壊し難くく、締結箇所以外において木材
が耐力の限界に達するまで耐得うることができる。この
結果、建造物の強度は向上する。
【0005】また、本発明の第2発明は、請求項2に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
2に記載の建造物用の部材固定具では、前記被締結部材
を前記別部材に重ね合わせた時に、前記別部材と前記被
締結部材の厚さより大きい長さの軸状に形成された第1
の締結具と、所定径及び所定厚さのリング状に形成され
ている補助固定具とで構成されている。さらに、補助固
定具には、当該補助固定具の外周側となる位置で、第1
の締結具の中心軸と同方向に前記被締結部材を当接させ
る第1の支持部と、当該補助固定具の内周側を頂部と
し、第1の支持部から内周側に向けて当該補助固定具の
厚みが増大するように窄んだ形状に形成された第1の押
圧部とを備えており、第1の締結具と補助固定具は、一
体で設けられている。例えば、第1の締結具と締結可能
な締結部が別部材に設けられている場合、建造物用の被
締結部材に補助固定具を当接可能に配置した状態で、第
1の締結具を建造物用の被締結部材に挿通し、第1の締
結具と別部材を締結する。これにより、請求項1と同
様、第1の締結具と別部材との締結力は、第1の締結具
の中心軸以外の方向にも分散された状態になり、種々の
方向から外部的な荷重が建造物用の被締結部材にかかっ
ても、締結箇所での建造物用の被締結部材の破断は抑制
される。
【0006】また、本発明の第3発明は、請求項3に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
3に記載の建造物用の部材固定具では、第1の締結具と
締結可能とし所定径及び所定厚さで形成された第2の締
結具が、少なくとも1つ設けられている。これにより、
一方側から第1の締結具を建造物用の被締結部材、別部
材や補助固定具に挿通させ、他方側に延出された第1の
締結具に第2の締結具を締結させて、建造物用の被締結
部材と別部材を固定することができる。また、第2の締
結具は所定径及び所定厚さで形成されているため、締結
時に第2の締結具と当接する箇所で発生する抗力に対す
る荷重分布は、極端に第1の締結具の中心軸近傍に集中
しなくなる。この結果、第2の締結具から建造物用の被
締結部材に受ける荷重(抗力)は分散された状態になる
ため、外部的な荷重が種々の方向から建造物用の被締結
部材にかかっても被締結部材は破断し難くい。
【0007】また、本発明の第4発明は、請求項4に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
4に記載の建造物用の部材固定具では、第1の押圧部や
第1の支持部は、前記被締結部材より高い剛性を有する
材料で形成されている。これにより、建造物用の被締結
部材が、例えば木材等のような柔らかい材料である場
合、第1の押圧部や第1の支持部は、締結時に被締結部
材から第1の押圧部や第1の支持部に付与される抗力、
すなわち弾性力によって、被締結部材と密着し易くな
る。このため、締結は緩み難くくなる。
【0008】また、本発明の第5発明は、請求項5に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
5に記載の建造物用の部材固定具では、この建造物用の
部材固定具には、第1の締結具を挿通可能とし軟質性の
材料によって所定径及び所定厚さのリング状に形成され
た座部材を備えている。これにより、座部材は、例え
ば、樹脂、ウレタン、ベークライト等のような金属より
も軟質性を有する材料で形成され、いわゆる座金として
用いられる。このため、締結時に建造物用の被締結部材
等と当接する箇所で発生する抗力は、締結力の一部が座
部材で緩衝される分、分散され易くなり、抗力に対する
荷重分布も、極端に第1の締結具の中心軸近傍に集中し
難くなる。この結果、建造物用の被締結部材は破断し難
くくなる。
【0009】また、本発明の第6発明は、請求項6に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
6に記載の建造物用の部材固定具では、第2の締結具
は、当該第2の締結具の外周側となる位置で、第1の締
結具の中心軸と同方向に前記被締結部材を当接させる第
2の支持部と、当該第2の締結具の内周側を頂部とし、
第2の支持部から内周側に向けて当該第2の締結具の厚
みが増大するように窄んだ形状に形成された第2の押圧
部とを備えている。第1の締結具として、例えば、軸状
の雄ネジ等を用いる場合には、重ね合わさせた状態の建
造物用の被締結部材と別部材に雄ネジを挿通し、雄ネジ
と複数の第2の締結具を締結させて、建造物用の被締結
部材と別部材を固定することができる。すなわち、第1
の締結具を被締結部材に挿通する時に、被締結部材に対
して入口側となる面と、出口側となる面の両面に、それ
ぞれ第2の締結具の第2の支持部と第2の押圧部を対面
させた状態で、第1の締結具と複数の第2の締結具とを
締結させる。このため、締結力によって発生する抗力
は、被締結部材の両面側において分散された状態で付与
される。すると、締結箇所では、建造物用の被締結部材
は、一層破断し難くくなる。また、種々の方向から外部
的な荷重が被締結部材にかかっても、第1の締結具の変
形によって締結箇所での被締結部材の破断は抑制され
る。
【0010】また、本発明の第7発明は、請求項7に記
載されたとおりの建造物用の部材固定具である。請求項
7に記載の建造物用の部材固定具では、第1の押圧部の
外周は、曲面またはテーパ状の面で形成されている。ま
た、本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおり
の建造物用の部材固定具である。請求項8に記載の建造
物用の部材固定具では、第2の押圧部の外周は、曲面ま
たはテーパ状の面で形成されている。これにより、建造
物用の被締結部材と別部材を固定するための締結力は、
第1の締結具の中心軸以外の方向にも分散される。この
結果、外部的な荷重が種々の方向から建造物用の被締結
部材にかかっても、被締結部材は破断し難い。また、建
造物用の被締結部材が、例えば、木材等のような弾性を
有する材料であれば、締結時に、第1の締結具の中心軸
方向に対して多少の隙間が生じても、補助固定具は、被
締結部材と密着した状態で維持し易くなり、すなわち第
1の締結具と別部材との締結は緩み難くくなる。また、
締結箇所では、建造物用の被締結部材は、破断し難くく
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基いて説明する。図1〜図5は、本発明の建造物用
の部材固定具の第1の実施の形態を示す図である。本発
明の実施の形態は、木構造による建造物の軸組みを構成
する木材に対して、一方の木材と他方の木材を接合金具
を用いて接合する場合、これらの各木材1と接合金具1
1を締結するための建造物用の部材固定具(以下、「部
材固定具」という)15について示す。図1は、部材固
定具15の構成を示す概略図である。図2は、図1の矢
印方向から見た部材固定具15の荷重分散リング16を
示す図である。図3は、部材固定具15で締結する前の
木材1と接合金具11の状態を示す図である。図4は、
部材固定具15で締結した後の木材1と接合金具11の
状態を示す図である。図5は、部材固定具15の締結時
に木材1にかかる荷重分布を示すイメージ図である。本
発明の実施の形態では、木材1が本発明の建造物用の被
締結部材に対応し、接合金具11が本発明の別部材に対
応する。
【0012】部材固定具15は、図1に示すように、頭
部付ボルト18、ナット19、荷重分散リング16、座
部材17で構成されている。なお、頭部付ボルト18が
本発明の第1の締結具に対応し、ナット19が本発明の
第2の締結具に対応し、荷重分散リング16が本発明の
補助固定具に対応する。頭部付ボルト18は、六角形状
の頭部20と、雄ネジ22を有した軸部21で形成され
ている。六角形状のナット19は、軸部21の雄ネジ2
2と締結可能な雌ネジ23を有している。頭部付ボルト
18の軸部21は、木材1と接合金具11とを重ね合
せ、荷重分散リング16、座部材17を頭部20とナッ
ト19の間に介在させた状態で、頭部付ボルト18とナ
ット19が十分に締結できる長さで形成されている(図
3参照)。また、軸部21は、接合金具11の取付け穴
12の穴径に対応した軸径になっている。なお、頭部付
ボルト18の頭部20やナット19の形状を六角とした
が、頭部付ボルト18とナット19が強固に締結できれ
ば、頭部付ボルトの頭部とナットの形状は種々変更可能
である。
【0013】荷重分散リング16は、金属の材料で一体
に形成されている。荷重分散リング16は、図2に示す
ように、所定径及び所定厚さの外周部24を備えたリン
グ状に形成され、頭部付ボルト18の軸部21が挿通す
るための貫通穴25を有している。貫通穴25の中心軸
を中心とし、当該荷重分散リング16の外周より内側に
形成される面の一方側は、締結時に頭部付ボルト18の
頭部20が当接するための締結面26になっている。そ
して、他方側には、締結された状態の木材1と当接する
支持部27や押圧部28、面取り部29が形成されてい
る。本発明の第1の支持部に相当する支持部27は、貫
通穴25を中心として当該荷重分散リング16の最外周
の部分となり、平面形状で形成されている。貫通穴25
の端部の面取りとして面取り部29が形成されている。
本発明の第1の押圧部に相当する押圧部28は、支持部
27の最も内側となる箇所から面取り部29の最外周縁
にかけて、貫通穴25の中心軸寄りに凹んだ所定曲率の
曲面形状の面で形成されている(図2参照)。なお、本
実施の形態では、貫通穴25の端部に面取り部29を形
成したが、面取り部29をほとんど無くした状態で支持
部27と貫通穴25の端部とを押圧部28で形成しても
良い(図6a参照)。また、押圧部28を貫通穴25の
中心軸寄りに凹んだ曲面形状の面で形成したが、例え
ば、図6b及び図6cに示すように、他の面形状である
場合も良く、本発明の第1の支持部の形状は種々変更可
能である。図6bでは、押圧部35が、支持部27の最
も内側となる箇所から面取り部29の最外周縁にかけて
所定傾斜度のテーパ状の面で形成されている場合であ
る。図6cでは、押圧部36が、支持部27の最も内側
となる箇所から面取り部29の最外周縁にかけて、外側
に膨らんだ所定曲率の曲面形状の面で形成されている場
合である。また、本実施の形態では、荷重分散リング1
6の締結面26をフラットな面で形成したが、図6dに
示すように、他の面形状である場合も良く、本発明の補
助固定具が押圧する部分の形状は種々変更可能である。
図6dでは、頭部付ボルト18の頭部20やナット19
を埋設するための座ぐり37が、図2の締結面26に相
当する箇所の中央に形成されている場合である。補助固
定具の第1の支持部の形状は、木材1や接合金具11の
厚さ(図3の上下方向)、木材1が有する耐力の大き
さ、締結時の締付けトルク等の接合条件に対応させた面
形状で形成することが好ましい。また、補助固定具の外
径や厚さは、木材1や接合金具11の厚さ(図3の上下
方向)、木材1が有する耐力の大きさ、締結時の締付け
トルク等の接合条件に対応させた補助固定具の大きさで
形成することが好ましい。
【0014】座部材17は、所定径及び所定厚さの円盤
状に形成され、頭部付ボルト18の軸部21が挿通する
ための貫通穴32を有している(図3参照)。座部材1
7は、例えば、ウレタン、樹脂等の軟性材料で形成され
ている。なお、本実施の形態は、接合金具11とナット
19の間に座部材17を設けたが、座部材17は省略し
ても良く、座部材の配設は適宜変更可能である。また、
座部材17の形状は、円盤形状に限定されるものではな
く、種々変更可能である。
【0015】次に、部材固定具15を用いて木材1と接
合金具11を締結する方法を説明する。接合金具11を
木材1に接合させる箇所で、接合金具11の取付け穴1
2の位置に合わせて、頭部付ボルト18の軸部21を挿
通させる貫通穴2を木材1に設ける(図3参照)。この
貫通穴2を設けた木材の一方側の面に、貫通穴2が中心
位置になるように、所定深さの座ぐり4を設ける。本実
施の形態の座ぐり4は、荷重分散リング16が嵌合状態
で埋設できる大きさで形成され、支持部27と締結面2
6との厚みに対応させた深さで形成される。なお、荷重
分散リング16の一部が埋設する深さであっても良く、
座ぐりの深さや大きさは適宜変更可能である。
【0016】次に、荷重分散リング16の支持部27と
押圧部28が座ぐり4の底面5に対面するように、接合
金具11の取付け穴12と荷重分散リング16を頭部付
ボルト18に挿通した状態で、座ぐり4の付設側から頭
部付ボルト18の軸部21を木材1の貫通穴2に挿通さ
せる(図3参照)。その後、貫通穴2から延出された頭
部付ボルト18の軸部21に座部材17を挿通する。そ
して、座部材17が木材1に当接し、かつ支持部27が
座ぐり4の底面5を押圧する状態になるまで、軸部21
に対してナット19を締め付ける。この時、押圧部28
は、座ぐり4の底面5と貫通穴2の内周面3で形成され
るエッジ部6を押圧する。これにより、ほぼ直角形状の
エッジ部6は、押圧部28の面形状に創成された形状、
すなわち曲面形状に変形する(図4に示す状態)。
【0017】したがって、支持部27が座ぐり4の底面
5を押圧しながら、押圧部28がエッジ部6を曲面形状
に変形するまで押圧して頭部付ボルト18とナット19
を締結することで、木材1の乾燥によって木材1が部分
的にやせても(図4に示す木材の上下方向の間隔が短く
なる)、頭部付ボルト18とナット19との締結は緩み
難くくなる。また、木材1と荷重分散リング16は密着
した状態になる(図5参照)。この結果、木材1は、部
材固定具15によって接合金具11と堅固な状態で接合
することができる。
【0018】さらに、このような締結方法で頭部付ボル
ト18の軸方向に頭部付ボルト18とナット19を締め
付けると、頭部付ボルト18とナット19による締結力
(以下、「締結力」という)は、頭部付ボルト18の軸
方向以外の方向にも分散される(図5参照)。すなわ
ち、締結力は、頭部付ボルト18の軸方向に支持部27
が木材1を押圧する締結力の成分、押圧部28の表面に
沿った方向に木材1を押圧する締結力の成分に分散され
る。締結時には、ナット19が座部材17に密着しなが
ら木材1を押圧し、座部材17からの抗力(反力)が、
分散された荷重分布で木材1に付与される。また、頭部
付ボルト18の軸方向と直交する方向から外力が木材1
に加わった場合、外周部24は、木材1から伝わる外力
を抗力として頭部付ボルト18の中心軸を軸とするラジ
アル方向に外力を分散させる。このため、頭部付ボルト
18は、木材1に加わった外力によって変形することは
なく、外力による木材1の局所的な破断が抑制されるよ
うになる。例えば、図5に示す矢印A方向(または矢印
B方向)の外力が木材1に加わった場合、木材1から荷
重分散リング16の外周部24に及ぼす抗力(木材から
の反力)や、押圧部28の表面に沿った方向に木材1を
押圧する締結力の一部は矢印A1方向(または矢印B1
方向)に作用している。このような方向の外力が木材1
に加わることによって木材1に振動が発生する場合もあ
る。この場合、この振動が、例えば引張り/圧縮強度等
のような木材1の耐力の限界内の範囲であれば、木材1
は一時的に弾性変形を行い、外力が木材1に加わる前の
軸組みの状態に戻ることが可能となる。つまり、外力が
軸組みに加わっても、軸組みは、木材1の有する弾性力
によって外力が加わる前の軸組みの状態に戻るようにな
る。したがって、外力が軸組みに加わっても、外力によ
る振動は木材1によって緩衝され、外力による木材1の
破断は抑制され易くなる。なお、本実施の形態による
「外力」の概念は、風雨、台風、雪、気温の変化による
膨張/圧縮、地震等の自然現象によって発生する外部的
な荷重を総称するものである。
【0019】以上により、部材固定具15を用いて建造
物の軸組みを構成すれば、種々の方向から外力が軸組み
に付与されても、軸組みは、木材1と接合金具11との
締結箇所では破壊し難くくなる。軸組みが締結箇所で破
断し難くなると、軸組みの耐強度は、締結箇所以外での
木材1の耐力、すなわち引張り/圧縮強度等の強度限界
に達するまでの強度と、ほぼ同じになる。このため、建
造物の強度は向上する。
【0020】次に、本発明の建造物用の部材固定具の第
2の実施の形態を図7に基いて説明する。第1の実施の
形態は、頭部付ボルト18とナット19の間に木材1と
接合金具11とを重ね合せ、荷重分散リング16、座部
材17を介在させ、頭部付ボルト18とナット19を締
結させて木材1と接合金具11を接合したが、第2の実
施の形態は、頭部付ボルト18と荷重分散リング51を
締結させて木材1と接合金具11を接合する場合を示
す。図7は、頭部付ボルト18と荷重分散リング51で
締結された木材1と接合金具11の状態を示す図であ
る。以下では、第1の実施の形態と同一の構成部分につ
いては、同一符号を付し説明を省略する。
【0021】部材固定具は、図7に示すように、頭部付
ボルト18、荷重分散リング51で構成されている。荷
重分散リング51は、金属の材料で形成されている。荷
重分散リング51は、荷重分散リング16の支持部27
に相当する支持部55、押圧部28に相当する押圧部5
6を有している。なお、荷重分散リング51が本発明の
第2の締結具に対応し、支持部55が本発明の第2の支
持部に対応し、押圧部56が本発明の第2の押圧部に対
応する。荷重分散リング51は、図7に示すように、所
定径及び所定厚さの外周部24を備えたリング状に形成
されている。荷重分散リング51の中央には、頭部付ボ
ルト18の雄ネジ22と締結可能な雌ネジ53が貫通し
た状態で形成されている。貫通穴(雌ネジ53)の中心
軸を中心とし、当該荷重分散リング51の外周より内側
に形成される面の一方側には、締付け面54が形成され
ている。締付け面54には、工具を用いて頭部付ボルト
18と当該荷重分散リング51を締結する時に、工具を
取り付けるための締付け溝52が複数箇所(本実施の形
態では2箇所)に設けられている。
【0022】次に、部材固定具を用いて木材1と接合金
具11を締結する方法を説明する。接合金具11を木材
1に接合させる箇所で、接合金具11の取付け穴12の
位置に合わせて、頭部付ボルト18の軸部21を挿通さ
せる貫通穴2を木材1に設ける(図7参照)。この貫通
穴2を設けた木材1の一方側の面に、貫通穴2が中心位
置になるように、所定深さの座ぐり4を設ける。本実施
の形態の座ぐり4は、荷重分散リング51が嵌合状態で
埋設できる大きさで形成され、支持部55と締付け面5
4との厚みに対応させた深さで形成される。
【0023】次に、木材1と接合金具11とを重ね合せ
た状態で、木材1の他方側の面から頭部付ボルト18の
軸部21を挿通する。その後、木材1の一方側の面から
延出された頭部付ボルト18の軸部21の雄ネジ22と
荷重分散リング51の雌ネジ53を締結させ、荷重分散
リング51の支持部55が座ぐり4の底面5を押圧する
状態になるまで、軸部21に対して荷重分散リング51
を締め付ける。この時、押圧部56は、座ぐり4の底面
5と貫通穴2の内周面3で形成されるエッジ部6を押圧
する。これにより、ほぼ直角形状のエッジ部6は、押圧
部56の面形状に創成された形状、すなわち曲面形状に
変形する。
【0024】したがって、第1の実施の形態と同様に、
頭部付ボルト18と荷重分散リング51との締結は緩み
難くくなり、木材1は、部材固定具によって接合金具1
1と堅固に接合することができる。また、このような締
結方法で頭部付ボルト18の軸方向に頭部付ボルト18
と荷重分散リング51を締め付けると、頭部付ボルト1
8と荷重分散リング51による締結力は、頭部付ボルト
18の軸方向以外の方向にも分散される(図5参照)。
このため、外力が木材1にかかった場合でも、頭部付ボ
ルト18等による木材1の局所的な破断が、回避され易
くなる。
【0025】以上により、部材固定具を用いて建造物の
軸組みを構成すれば、種々の方向から外力が軸組みに付
与されても、軸組みは、木材1と接合金具11との締結
箇所では破壊し難くくなる。軸組みが締結箇所で破断し
難くなると、軸組みの耐強度は、締結箇所以外での木材
の耐力、すなわち引張り/圧縮強度等の強度限界に達す
るまでの強度になり易くなる。このため、建造物の強度
は向上する。
【0026】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変
更してもよい。例えば、建造物用の被締結部材を木材と
したが、例えばゴム等の弾性を有する建造物用部材でも
良く、建造物用の被締結部材は種々変更可能である。ま
た、実施の形態では、第1の締結具として頭部付ボルト
18を用いたが、例えば、図8及び図9に示すように、
他の締結具である場合も良く、本発明の第1の締結具は
種々変更可能である。図8では、第1の締結具としての
軸ボルト61を貫通穴2、25、取付け穴12に挿通
し、第1の実施の形態と同様に、軸ボルト61と2つの
ナット19が、荷重分散リング16を介在させた状態の
木材1と2つの接合金具11を締結している場合であ
る。図9では、木材1の両側で貫通穴2を中心とする位
置にそれぞれ座ぐり72を設け、それぞれの座ぐり72
内に接合金具71と荷重分散リング16を配置して、軸
ボルト61を貫通穴2、25に挿通し、軸ボルト61と
2つのナット19が、荷重分散リング16を介在させた
状態の木材73と接合金具11を締結している場合であ
る。
【0027】また、実施の形態では、第1の締結具と第
2の締結具を締結したが、例えば、図10に示すよう
に、別部材としての接合金具81と第1の締結具を締結
する場合でも良い。図10では、接合金具81に頭部付
ボルト18と締結可能な締結部82を設け、第1の実施
の形態と同様に、第1の締結具としての頭部付ボルト1
8の軸部21を貫通穴2、25に挿通し、頭部付ボルト
18の雄ネジ部22と締結部82が、荷重分散リング1
6を介在させた状態の木材1と接合金具81を締結して
いる場合である。
【0028】また、実施の形態では、第1の締結具とし
ての頭部付ボルト18と補助固定具としての荷重分散リ
ング16をそれぞれ別体で設けたが、例えば、図11に
示すように、第1の締結具と補助固定具を一体で設けた
建造物用の部材固定具であっても良い。図11に示すよ
うに、建造物用の部材固定具としての部材固定具91
は、荷重分散リング16の外周形状に相当する荷重分散
部92、頭部付ボルト18の軸部21に相当する軸部9
3で一体に形成されている。荷重分散部92に一方側に
は、軸部93が設けられ、雄ネジ部99が軸部93に形
成されている。また、荷重分散部92の他方側には、雄
ネジ部99と締結部82を締結させる際、工具を取付け
るための締結用頭部100が多角形状で設けられてい
る。接合金具81には、雄ネジ部99と締結可能な締結
部82を設けられている。なお、締結用頭部100を設
ける代りに、例えば、図7に示すような締結用溝52で
あっても良く、工具を用いて雄ネジ部99と締結部82
が堅固に締結できれば良い。第1の実施の形態と同様、
木材1の貫通穴2に座ぐり4を設け、部材固定具91の
軸部93を貫通穴2に挿通し、荷重分散部92が座ぐり
4に埋設された状態で、軸部93の雄ネジ部99と締結
部82が締結して木材1が接合金具81に固定される。
【0029】また、実施の形態では、一方の木材と他方
の木材を接合金具を用いて、部材固定具で締結させる場
合について説明したが、例えば、図12に示すように、
建造物用の部材固定具を他の使用目的で用いる場合も良
く、建造物用の部材固定具の使用目的は適宜変更可能で
ある。図12では、建造物の基礎85に一端部を埋め込
んだボルト87を軸組みの土台となる木材86に挿通さ
せ、図8で示した荷重分散リング16を配置した時と同
じような要領で、木材86から延出されたボルト87の
他端部から荷重分散リング16を挿通し、ボルト87と
ナット19を締結している場合である。また、実施の形
態では、荷重分散リング16を一体で設けたが、例え
ば、図13a及び図13bに示すように、他の成形方法
で補助固定具を構成する場合も良く、本発明の補助固定
具の構造は種々変更可能である。図13aでは、第1の
実施の形態の貫通穴25に相当する貫通穴94を設け、
板材を曲げて外周部24、締結面26と同じ形状に形成
されたアウタ用板材95と、板材を曲げて支持部27に
相当する支持部97、押圧部28に相当する押圧部98
を形成したインナ用板材96とを組み合わさせて形成さ
れている場合である。図13bでは、図13aに示した
補助固定具に第1の締結具や第2の締結具の一部を埋設
可能とする凹み部102が設けられ、支持部27に相当
する支持部103、押圧部28に相当する押圧部10
4、締結面26に相当する締結面105が形成されてい
る場合である。このように、弾性を有する板材を曲げて
補助固定具を構成すると、第1の締結具や第2の締結具
による締結力が板材を押圧する時、建造物用の被締結部
材から板材への反力は、弾性力として付与される。この
ため、建造物用の被締結部材が剛性の大きい材料であっ
ても、補助固定具と密着し易くなる。このため、建造物
用の被締結部材は堅固に別部材と接合することができ
る。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による建造
物用の部材固定具を用いれば、種々の方向から外力が軸
組みに付与されても、軸組みは、木材と接合金具との締
結箇所では破壊し難くくなる。軸組みが締結箇所で破断
し難くなると、軸組みの耐強度は、締結箇所以外での木
材の耐力、すなわち引張り/圧縮強度等の強度限界に達
するまでの強度になり易くなる。このため、建造物の強
度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に関する部材固定具の構成を
示す概略図である。
【図2】部材固定具の荷重分散リングを示す図である。
【図3】部材固定具で締結する前の木材と接合金具の状
態を示す図である。
【図4】部材固定具で締結した後の木材と接合金具の状
態を示す図である。
【図5】部材固定具の締結時に木材にかかる荷重分布を
示すイメージ図である。
【図6】図6a〜図6dは、変更例による構造で補助固
定具を構成した場合を示す図である。
【図7】第2の実施の形態の部材固定具で締結した後の
木材と接合金具の状態を示す図である。
【図8】変更例による締結方法で木材と接合金具を締結
した場合を示す図である。
【図9】変更例による締結方法で木材と接合金具を締結
した場合を示す図である。
【図10】変更例による締結方法で木材と接合金具を締
結した場合を示す図である。
【図11】変更例による締結方法で木材と接合金具を締
結した場合を示す図である。
【図12】軸組みの土台となる木材を基礎と締結した場
合を示す図である。
【図13】図13a及び図13bは、変更例による構造
で補助固定具を構成した場合を示す図である。
【図14】従来技術によって第1の木材と第2の木材を
接合した場合を示す図である。
【符号の説明】 1、73、86…木材(建造物用の被締結部材) 11、81…接合金具(別部材) 16…荷重分散リング(補助固定具) 18…頭部付ボルト(第1の締結具) 19…ナット(第2の締結具) 27…支持部(第1の支持部) 28…押圧部(第1の押圧部) 51…荷重分散リング(第2の締結具) 55…支持部(第2の支持部) 56…押圧部(第2の押圧部) 61…軸ボルト(第1の締結具) 85…基礎(別部材) 87…ボルト(第1の締結具)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結によって建造物用の被締結部材を別
    部材に固定させる建造物用の部材固定具であって、 前記被締結部材を前記別部材に重ね合わせた時に、前記
    別部材と前記被締結部材の厚さより大きい長さの軸状に
    形成された第1の締結具と、所定径及び所定厚さのリン
    グ状に形成され第1の締結具を挿通可能とする補助固定
    具とで構成され、 補助固定具は、当該補助固定具の外周側となる位置で、
    第1の締結具の中心軸と同方向に前記被締結部材を当接
    させる第1の支持部と、当該補助固定具の内周側を頂部
    とし、第1の支持部から内周側に向けて当該補助固定具
    の厚みが増大するように窄んだ形状に形成された第1の
    押圧部とを備えている、ことを特徴とする建造物用の部
    材固定具。
  2. 【請求項2】 締結によって建造物用の被締結部材を別
    部材に固定させる建造物用の部材固定具であって、 前記被締結部材を前記別部材に重ね合わせた時に、前記
    別部材と前記被締結部材の厚さより大きい長さの軸状に
    形成された第1の締結具と、所定径及び所定厚さのリン
    グ状に形成されている補助固定具とで構成され、 さらに、補助固定具には、当該補助固定具の外周側とな
    る位置で、第1の締結具の中心軸と同方向に前記被締結
    部材を当接させる第1の支持部と、当該補助固定具の内
    周側を頂部とし、第1の支持部から内周側に向けて当該
    補助固定具の厚みが増大するように窄んだ形状に形成さ
    れた第1の押圧部とを備えており、 第1の締結具と補助固定具は、一体で設けられている、
    ことを特徴とする建造物用の部材固定具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の建造物用の部
    材固定具であって、第1の締結具と締結可能とし所定径
    及び所定厚さで形成された第2の締結具が、少なくとも
    1つ設けられている、ことを特徴とする建造物用の部材
    固定具。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の建造物用の部
    材固定具であって、第1の支持部や第1の押圧部は、前
    記被締結部材より高い剛性を有する材料で形成されてい
    る、ことを特徴とする建造物用の部材固定具。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の建造物用の部
    材固定具であって、この建造物用の部材固定具には、第
    1の締結具を挿通可能とし軟質性の材料によって所定径
    及び所定厚さのリング状に形成された座部材を備えてい
    る、ことを特徴とする建造物用の部材固定具。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の建造物用の部材固定具
    であって、 第2の締結具は、当該第2の締結具の外周側となる位置
    で、第1の締結具の中心軸と同方向に前記被締結部材を
    当接させる第2の支持部と、当該第2の締結具の内周側
    を頂部とし、第2の支持部から内周側に向けて当該第2
    の締結具の厚みが増大するように窄んだ形状に形成され
    た第2の押圧部とを備えている、ことを特徴とする建造
    物用の部材固定具。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の建造物
    用の部材固定具であって、第1の押圧部の外周は、曲面
    またはテーパ状の面で形成されている、ことを特徴とす
    る建造物用の部材固定具。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の建造物用の部材固定具
    であって、第2の押圧部の外周は、曲面またはテーパ状
    の面で形成されている、ことを特徴とする建造物用の部
    材固定具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114017430A (zh) * 2021-11-25 2022-02-08 上海鹄鸫重工股份有限公司 一种碗状摩擦连接副

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