JP2003261578A - カルボン酸またはアミドの還元によるアルコールまたはアミン類の製造方法 - Google Patents

カルボン酸またはアミドの還元によるアルコールまたはアミン類の製造方法

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JP2003261578A JP2002063939A JP2002063939A JP2003261578A JP 2003261578 A JP2003261578 A JP 2003261578A JP 2002063939 A JP2002063939 A JP 2002063939A JP 2002063939 A JP2002063939 A JP 2002063939A JP 2003261578 A JP2003261578 A JP 2003261578A
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランを用いる還元反応により、シリルエー
テル、アルコールまたはアミン類を室温で製造できる方
法を提供する。 【解決手段】 2〜4個のルテニウム原子にカルボニル
基が配位した多核ルテニウムカルボニル錯体を触媒と
し、この触媒をあらかじめシランで活性化することによ
り活性触媒種を作成し、下記の一般式(I)で示される
少なくとも1個の水素原子を保有するシランを還元剤と
して用いて、下記の一般式(II)で示されるカルボン酸
から、下記の一般式(III)で示すシリルエーテル、お
よび、下記の一般式(IV)で示す一級アルコールを製造
する方法、および、下記の一般式(V)で示すアミドか
ら、下記の一般式(VI)で示すアミンを製造する方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品の原料、溶
媒、触媒、配位子等に幅広く利用される有用な化合物で
あるシリルエーテル類、一級アルコール類およびアミン
類の製造方法を、シランを還元剤として用いて製造する
新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カルボン酸の還元反応による一級
アルコールの製造方法、および、アミドの還元反応によ
るアミンの製造方法としては、リチウムアルミニウムヒ
ドリドや、ボラン等の強力な還元剤を用いる方法(例え
ば、W.R.Brown、Organic Reactions、6、470(1941))
が、主に用いられてきた。しかしながら、これらの反応
では使用する還元剤が禁水性であり、不活性ガス雰囲気
下無水条件で取り扱わなければならないほか、分離が困
難な多量のアルミニウムあるいはホウ素生成物を副生
し、操作性、安全面ならびに経済面で欠点を有してい
る。
【0003】一方、近年、より取り扱いが容易な還元剤
としてシラン類を用いたカルボン酸から1級アルコール
の合成法、アミドからアミンの合成法が報告されてい
る。しかし、シランを還元剤とするカルボン酸の還元反
応によるアルコールの合成法は、これまでに知られてい
ない。カルボン酸をトリクロロシランとアミンを用いて
還元する反応は報告されている(G. S. Li, D. F. Ehle
r, R. A. Benkeser, Org. Syn. 56, 83 (1977))が、生
成物はアルコールではなくアルカンである。
【0004】遷移金属触媒の存在下で、シランを還元剤
として用いるカルボン酸の還元法としては、渕上らの報
告(萩原恵美子、上野貴史、渕上高正、日本化学会第7
9春季年会1H3 12)が公知であるが、100℃という高
温を要する上、ジシリルアセタールが生成物であり、そ
の還元生成物であるシリルエーテルは得られていない。
【0005】シラン類を用いた還元反応によるアミドか
らアミンの合成法としては、これまでに(1)トリプロ
ピルアミン存在下、トリクロロシランを用いる方法(R.
A. Benkeser, G. S. Li, E. C. Mozdzen, J. Organome
t. Chem., 178, 21(1979))が公知であるが、芳香族カ
ルボン酸に限定されるほか、水に不安定で容易に有害な
塩酸を発生するトリクロロシランと過剰のアミンを用い
るなど、操作性、安全性、汎用性に問題がある。
【0006】遷移金属触媒の存在下で、シランを還元剤
として用いるアミドの還元によるアミンの合成法として
は、(1)クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフ
ィン)ロジウムを触媒として用いる方法(R. Kuwano,
M. Takahashi, Y. Ito, Tetrahedron Lett., 39, 1017
(1998))、(2)クロロ(1,5−シクロオクタジエ
ン)ロジウム二量化物およびトリフェニルホスフィンを
触媒として用いる方法(紙谷昌弘、道端嗣海、信友麻
美、楠井啓介、太田哲男、古川功、第46回有機金属討論
会、PB201)、(3)第7〜10族遷移金属触媒を用い
る方法(M. Igarashiand T. Fuchikami, Tetrahedron L
ett., 42, 1945 (2001)および特開2001−122833)が公
知である。
【0007】しかしながら、(1)、(2)の方法では
使用できるヒドロシラン類がジヒドロシラン、トリヒド
ロシランに限られ、取り扱いが容易なトリアルキルシラ
ンを用いることができない。また、(3)の方法は100
℃という高温を必要とするほか、多くの実施例において
アミンやハロゲン化アルキルのような助触媒を必要と
し、操作性に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シラ
ンを還元剤として室温下の温和な条件で1級アルコール
やアミンを製造することのできる新しい方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このたび、
特定の触媒を用いることにより室温という温和な条件
で、シランを還元剤としてカルボン酸の還元によるシリ
ルエーテルを経由する1級アルコールの製造と、シラン
を還元剤として用いたアミドの還元によるアミンの製造
とが達成できることを見出し、上記の目的を達成したも
のである。
【0010】かくして、本発明に従えば、2〜4個のル
テニウム原子にカルボニル基が配位した多核ルテニウム
カルボニル錯体を主触媒とし、少なくとも1個の水素原
子を保有するシランを還元剤として、(1)カルボン酸
からシリルエーテルを製造する方法、(2)得られたシ
リルエーテルを反応後ただちに加水分解することによ
り、アルコールを製造する方法、および(3)アミドか
らアミンを製造する方法、が提供される。
【0011】本発明の方法において使用される触媒とし
て特に優れた多核カルボニル錯体は、上記の(A)、
(B)で表されるアセナフチレンまたはアズレンの配位
した3核ルテニウムカルボニル錯体である。
【0012】本発明の方法の好ましい態様においては、
還元剤として用いる少なくとも1個の水素原子を有する
シランで触媒の多核ルテニウム錯体を活性化する。な
お、本明細書および図面に示す化学構造式においては、
慣用的な表現方法に従い炭素原子や水素原子を省略して
いることがある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において触媒として用いら
れる2〜4個のルテニウム原子にカルボニル基が配位し
た多核ルテニウムカルボニル錯体の例は図1に示されて
いる。この多核カルボニル錯体は、本発明に従う触媒の
活性化法により、反応活性触媒種を生成する。後述の実
施例からも明らかなように、この反応活性触媒種は、室
温下で、(1)カルボン酸からシリルエーテルを製造
し、(2)得られたシリルエーテルを反応後ただちに加
水分解することにより、アルコールを製造し、また
(3)アミドからアミンを製造することができる。しか
しながら、同じく多核ルテニウムカルボニル錯体として
従来用いられているRu3(CO)12は、同じような触媒
活性化法を用いても、室温で以上のような反応の触媒と
しては機能しない。
【0014】本発明において触媒としては、とくにアセ
ナフチレンまたはアズレンが配位した3核ルテニウムカ
ルボニル錯体が、還元反応を効率的に進める点からとく
に優れている。このような3核ルテニウムカルボニル錯
体が触媒が還元を促進する理由は、アセナフチレンやア
ズレンが3核ルテニウムカルボニル種とフレキシブルな
相互作用をするため、Ru原子が容易に変異してSi原
子を導入しやすくなるからと考えられる。少量の溶媒
中、シランで処理することにより活性種を発生する理由
は、このSi原子の導入をあらかじめカルボン酸やアミ
ドのない状態でおこない、アセナフチレンあるいはアズ
レン誘導体を配位子とし、Ru−H結合をもつ多核反応
活性種を出すことによる。Ru3(CO)12においては、
このSi原子の導入を容易にするアセナフチレンやアズ
レンがないため、室温での反応活性をもたない。本発明
に従う上記の(1)、(2)および(3)の還元反応
は、図2に示す反応スキームにより総括的に表すことが
できる。
【0015】図2に示す反応スキームの式(1)、
(2)および(3)において、(I)は還元剤であるシ
ランを表し、従来知られたものから適宜選択することが
できる。すなわち、反応式(1)、(2)および(3)
のいずれにおいても式(I)中、R1、R2およびR3
互いに同一または別個の各種の官能基または原子から選
ばれ、好ましい官能基または原子の例としては、水素原
子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、シクロアル
キル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルアミ
ノ基、アリール基、アリールアミノ基、ビニル基、シロ
キシ基、オルガノシロキシ基、オルガノシリル基、複素
環基(ピリジル基など)が挙げられる。アルキル基、ア
ルコキシ基、チオアルキル基、アルキルアミノ基、オル
ガノシロキシ基、オルガノシリル基などにおける炭素数
は特に限定されるものではないが、一般に炭素数1〜1
8であり、枝分かれや環状構造があってもよい。R1
2およびR3としてとくに好ましいのは、これらがいず
れもメチル基、エチル基などの炭素数1〜4の低級アル
キル基の場合である。また、以下に示す分子内に2つの
シリル基をもつシラン(R3がオルガノシリル基である
場合に相当)も反応に用いることができる。式VIIにお
けるnは特に限定されるものではないが、一般に1〜4
が好ましい。
【0016】
【化12】
【0017】図2に示す反応式(1)、(2)および
(3)において、(II)はカルボン酸を表し、工業的に
容易に入手可能な化合物から選ぶことができるものであ
る。すなわち、式(1)および(2)において式(II)
中、Rは既知のカルボン酸を構成するような各種の官能
基または原子から選ばれ、このRは反応に関与しない。
式(II)のRとして(したがって式(III)および(I
V)のRとしても)好ましい官能基または原子の例として
は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、
シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、チオ
アルキル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリール
アミノ基、シロキシ基、オルガノシロキシ基、オルガノ
シリル基、複素環基(ピリジル基など)が挙げられる。
アルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキル
アミノ基、オルガノシロキシ基、オルガノシリル基など
における炭素数は特に限定されるものではないが、一般
に炭素数1〜18であり、枝分かれや環状構造があって
もよい。
【0018】図2に示す反応式(3)において、(V)
はアミドを表わし工業的に容易に入手可能な化合物から
選ぶことができるものである。すなわち、反応式(3)
において式(V)中、Rは既知のアミドを構成するよう
な各種の官能基または原子から選ばれ、このRは反応に
関与しないものである。式(V)のRとして(したがっ
て式(VI)のRとしても)好ましい官能基または原子の
例としては、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、チオアルキル基、アルキルアミノ基、アリール基、
アリールアミノ基、シロキシ基、オルガノシロキシ基、
オルガノシリル基、複素環基(ピリジル基など)が挙げ
られる。アルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基、
アルキルアミノ基、オルガノシロキシ基、オルガノシリ
ル基などにおける炭素数は特に限定されるものではない
が、一般に炭素数1〜18であり、枝分かれがあっても
よい。また、反応式(3)における式(V)中、R4
よびR5も、Rとともに既知のアミドを構成するような
各種の官能基または官能基から選ぶことができる。R 4
とR5は互いに同一である場合が多いが、別異であって
もよい。式(V)のR4とR5として(したがって、式
(VI)のR4とR5としても)好ましい官能基または原子
の例としては、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキ
シ基、チオアルキル基、アルキルアミノ基、アリール
基、アリールアミノ基、シロキシ基、オルガノシロキシ
基、オルガノシリル基、複素環基(ピリジル基など)が
挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、チオアルキル
基、アルキルアミノ基、オルガノシロキシ基、オルガノ
シリル基などにおける炭素数は特に限定されるものでは
ないが、一般に炭素数1〜18であり、枝分かれや環状
構造があってもよい。
【0019】本発明に従えば、このようなカルボン酸あ
るいはアミドを、特定の触媒の存在下にシランにより還
元することにより、対応するシリルエーテルあるいはア
ミンが得られる。得られたシリルエーテルを還元後ただ
ちに加水分解すれば、カルボン酸からアルコールが得ら
れる。触媒は記述したような多核ルテニウム錯体であ
る。触媒は単独でも作用を示すが、反応の速度を増加さ
せ、生成物の収率をあげるために、本発明に従う触媒の
活性化法を用いることが好ましい。
【0020】本発明に従う活性化法は、触媒を少量の溶
媒に溶かし、シランを加えて短時間攪拌するものであ
る。溶媒は、ジオキサンが特に優れているが、一般的に
はテトラヒドロピラン、オキセパン、ジエチルエーテル
等のエーテル系溶媒、ベンゼン等の炭化水素系溶媒も用
いることができる。反応温度は、0℃から50℃の範囲が
用いられるが、特に室温で行なうことが操作性の上でよ
い。活性化時間は、30分から24時間の任意の時間である
が、特に30分から1時間の時間が良好な結果が得られ
る。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の特徴をさらに明らかにする
ため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。実施例1:3−フェニルプロピル−ジメチルエチルシリ
ルエーテルの合成 三方コックを付けた2つ口の30mLナス型フラスコを窒
素置換した後、触媒〔(Acenaphthylene)Ru(C
O)〕を6.0mg(9.3×10−3mmol)と1,4−
ジオキサン0.18mL、ジメチルエチルシラン0.47mL
(3.5mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して触媒
を溶解させた後、ジヒドロけい皮酸135mg(0.91mm
ol)を加えた。溶液を1時間攪拌させた後、1,4−
ジオキサンおよび過剰のジメチルエチルシランを留去し
た。残った液体を減圧蒸留することにより、透明液体11
5mg(0.52mmol)を得た。この透明な液体につい
H NMR,13C NMR、29Si NMRに
よる測定を行った。以下に結果を示す。 H NMR:CDCl中、内部標準CHCl δ(ppm) 7.18−7.31(m,Ph,5H) 3.62(t,J=7.9Hz,SiOCH,2H) 2.67(dd,J=7.6,7.9Hz,PhC
,2H) 1.85(m,PhCH ,2H) 0.96(t,J=7.9Hz,SiCH ,3
H) 0.58(q,J=7.9Hz,SiC CH,2
H) 0.09(s,SiCH,3H) 13C NMR:CDCl中、内部標準CHCl δ(ppm) 142.1(ipso−C) 128.4,128.3(meta−C,ort
ho−C) 125.7(para−C) 62.0(SiOCH) 34.3(PhCH) 32.1(PhCH ) 8.0(SiCH ) 6.7(SiCH) −2.7(SiCH 29Si NMR:CDCl中、内部標準テトラメチ
ルシラン δ(ppm) 18.5 以上の結果から上記透明液体は3−フェニルプロピル−
ジメチルエチルシリルエーテルであることが確認され
た。
【0022】以下の実施例はカルボン酸の還元反応にお
いては、上記の実施例1のような方法により生成するシ
リルエーテルを加水分解してアルコールとして精製した
例である。またアミドの還元反応においては生成物のア
ミンを精製した例である。これらの結果を表1にまとめ
て示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2:3−フェニルプロピルアルコー
ルの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を16.5mg
(25.2×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.45mL、ジメチルエチルシラン0.84mL
(6.3mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、ジヒドロけい皮酸380mg
(2.55mmol)を加えた。溶液を30分攪拌させ
た後、10%硫酸水溶液を7mL加え,三時間激しく攪
拌した。生成物を塩化メチレンで抽出した後,NaHC
水溶液で中和、飽和食塩水で洗浄した。有機層のみ
を分離した後MgSOで脱水処理してろ過した。溶媒
を減圧下留去して得られた液体を用いてヘキサン/酢酸
エチルを展開溶媒としてシリカゲル充填カラムクロマト
グラフィーを行うことで、3−フェニルプロピルアルコ
ール248mg(1.82mmol、72%)を精製し
た。これらの結果をエントリー1として表1に示す。
【0025】実施例3:デシルアルコールの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を6.65mg
(10.2×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.18mL、ジメチルエチルシラン0.80mL
(6.1mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、カプリン酸175.7mg(1.
02mmol)を加えた。溶液を6時間攪拌させた後、
10%硫酸水溶液を7mL加え,三時間激しく攪拌し
た。生成物を塩化メチレンで抽出した後,NaHCO
水溶液で中和、飽和食塩水で洗浄した。有機層のみを分
離した後MgSOで脱水処理してろ過した。溶媒を減
圧下留去して得られた液体を用いてヘキサン/酢酸エチ
ルを展開溶媒としてシリカゲル充填カラムクロマトグラ
フィーを行うことで、デシルアルコール126.8mg
(0.80mmol、80%)を精製した。これらの結
果をエントリー2として表1に示す。
【0026】実施例4:ベンジルアルコールの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を7.07mg
(10.9×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.18mL、ジメチルエチルシラン0.61mL
(4.6mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、安息香酸132.0mg(1.0
8mmol)を加えた。溶液を18時間攪拌させた後、
10%硫酸水溶液を7mL加え,三時間激しく攪拌し
た。生成物を塩化メチレンで抽出した後,NaHCO
水溶液で中和、飽和食塩水で洗浄した。有機層のみを分
離した後MgSOで脱水処理してろ過した。溶媒を減
圧下留去して得られた液体を用いてヘキサン/酢酸エチ
ルを展開溶媒としてシリカゲル充填カラムクロマトグラ
フィーを行うことで、ベンジルアルコール54.2mg
(0.50mmol、46%)を精製した。これらの結
果をエントリー3として表1に示す。
【0027】実施例5:N,N−ジメチル−3−フェニ
ルプロピルアミンの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を6.40mg
(9.8×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.18mL、ジメチルエチルシラン0.32mL
(2.4mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、N,N−ジメチル−ベンゼンプロ
パンアミド0.168mL(0.99mmol)を加え
た。溶液を6時間攪拌させた後、1,4−ジオキサンお
よび過剰のジメチルエチルシランを留去した。残った液
体を減圧蒸留することにより、N,N−ジメチル−3−
フェニルプロピルアミン121.0mg(0.74mm
ol、75%)を精製した。これらの結果をエントリー
4として表1に示す。
【0028】実施例6:N,N−ジエチル−ベンジルア
ミンの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を11.0mg
(16.8×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.30mL、ジメチルエチルシラン0.56mL
(4.2mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、N,N−ジエチル−ベンジルアミ
ド324.3mg(1.83mmol)を加えた。溶液
を30分間攪拌させた後、1,4−ジオキサンおよび過
剰のジメチルエチルシランを留去した。残った液体を蒸
留することによりN,N−ジエチル−ベンジルアミン1
66.4mg(1.00mmol、56%)を精製し
た。これらの結果をエントリー5として表1に示す。
【0029】実施例7:N,N−ジメチル−3−フェニ
ルプロピルアミンの合成 三方コックを付け、攪拌子を入れた2つ口の30mLナ
ス型フラスコを窒素置換した後、触媒〔(Acenap
hthylene)Ru(CO)〕を5.91mg
(9.1×10−3mmol)と1,4−ジオキサン
0.18mL、ジメチルエチルシラン0.30mL
(2.4mmol)を加えた。室温で30分間攪拌して
触媒を溶解させた後、1−ベンジル−2−ピロリジノン
0.146mL(0.91mmol)を加えた。溶液を
6時間攪拌させた後、1,4−ジオキサンおよび過剰の
ジメチルエチルシランを留去した。残った液体を減圧蒸
留することによりN−ベンジルピロリジン66.5mg
(0.41mmol、45%)を精製した。これらの結
果をエントリー6として表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において触媒として用いられる多核ルテ
ニウム錯体を例示する。
【図2】本発明に従い、シリルエーテル、一級アルコー
ルおよびアミンが製造される反応スキームを概示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 209/50 C07C 209/50 211/27 211/27 C07D 295/02 C07D 295/02 Z // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC52 BA23 BA40 BA44 BE90 FC50 FE11 4H039 CA61 CA71 CA92 CB40 CD10 CD90 4H049 VN01 VP01 VQ02 VQ20 VR23 VR41 VS02 VT17 VT30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜4個のルテニウム原子にカルボニル
    基が配位した多核ルテニウムカルボニル錯体を触媒と
    し、下記の一般式(I)で示される少なくとも1個の水
    素原子を保有するシランを還元剤として用いて、下記の
    一般式(II)で示されるカルボン酸から、下記の一般式
    (III)で示すシリルエーテルを製造する方法。 【化1】 【化2】 【化3】 (式(I)および式(III)において、R1、R2およびR
    3は、互いに同一または別異の官能基または原子から選
    ばれる。式(II)および式(III)において、Rは既知の
    カルボン酸を構成する官能基または原子から選ばれ
    る。)
  2. 【請求項2】 多核ルテニウムカルボニル錯体が、下記
    の式(A)または(B)で表されるアセナフチレンまた
    はアズレンの配位した3核ルテニウムカルボニル錯体か
    ら選ばれる請求項1のシリルエーテルの製造方法。 【化4】 【化5】
  3. 【請求項3】 上記の一般式(I)で示される少なくと
    も1個の水素原子を保有するシランで活性化処理した多
    核ルテニウムカルボニル錯体を触媒として用いることか
    らなる請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの方法により得
    られた上記の一般式(III)で示すシリルエーテルを加
    水分解することによる、下記の一般式(IV)で示す一級
    アルコールを製造する方法。 【化6】
  5. 【請求項5】 2〜4個のルテニウム原子にカルボニル
    基が配位した多核ルテニウムカルボニル錯体を触媒と
    し、下記の一般式(I)で示される少なくとも1個の水
    素原子を保有するシランを還元剤として用いて、下記の
    一般式(V)で示すアミドから、下記の一般式(VI)で
    示すアミンを製造する方法。 【化7】 【化8】 【化9】 (式(I)において、R1、R2およびR3は、互いに同
    一または別異の官能基または原子から選ばれる。式
    (V)および式(VI)において、Rは既知のアミドを構
    成する官能基または原子から選ばれ、R4およびR5は、
    互いに同一または別異の官能基または原子から選ばれ
    る。)
  6. 【請求項6】 多核ルテニウムカルボニル錯体が、下記
    の式(A)または(B)で表されるアセナフチレンまた
    はアズレンの配位した3核ルテニウムカルボニル錯体か
    ら選ばれる請求項5のアミンの製造方法。 【化10】 【化11】
  7. 【請求項7】 一般式(I)で示される少なくとも1個
    の水素原子を保有するシランで活性化処理した多核ルテ
    ニウムカルボニル錯体を触媒として用いることからなる
    請求項5または6に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006282651A (ja) * 2005-03-09 2006-10-19 Kyushu Univ アミド化合物の還元によるアミン化合物の製造方法
JP2007238545A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Kyushu Univ カルボニル基の選択的還元方法
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CN114315889A (zh) * 2021-12-20 2022-04-12 广东万木新材料科技有限公司 一种双官能有机二硅醚类化合物及其合成方法

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