JP2003260303A - 回収溶剤処理方法及び溶液製膜方法 - Google Patents

回収溶剤処理方法及び溶液製膜方法

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JP2003260303A JP2002065221A JP2002065221A JP2003260303A JP 2003260303 A JP2003260303 A JP 2003260303A JP 2002065221 A JP2002065221 A JP 2002065221A JP 2002065221 A JP2002065221 A JP 2002065221A JP 2003260303 A JP2003260303 A JP 2003260303A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収溶剤を溶剤として再利用することができ
るようにする。 【解決手段】 凝縮器65によりガスに含まれている溶
剤を吸着回収する。この回収溶剤66を抽出塔80に1
500kg/hrで上方から送り込む。抽出塔80に
2.8Nの水酸化ナトリウム水溶液84を1kg/hr
でポンプ83により、下方から送り込む。回収溶剤66
は、沈降しながら水酸化ナトリウム水溶液84と接触し
て中和する。中和された溶剤85を抽出塔80の下方か
ら抜き取る。溶剤85を蒸留塔81に送り込み、精留し
て精製溶剤68のみを単離する。精製溶剤68中の酸の
規定度は、5×10-7Nになり、溶剤として再利用が可
能になる。蒸留塔81に残存した液は、缶出液87とし
て抜き出す。缶出液87に酸89を添加して、廃液69
のpHを6〜8とすることで廃棄処理を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収溶剤処理方法
及びその方法を用いた溶液製膜方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレート、特に57.5〜
62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテ
ートから形成されたフイルム(以下、TACフイルムと
称する)は、その強靭性と難燃性とから写真感光材料の
支持体などとして利用されている。また、TACフイル
ムは、光学的等方性に優れていることから、近年市場の
拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムやカ
ラーフィルタの用途に適している。
【0003】TACフイルムは、一般的に溶液製膜方法
により製造されている。溶液製膜方法は、メルトキャス
ト法などの他の製造方法と比較して、光学的性質や物性
が優れたフイルムを製造することができる。溶液製膜方
法は、ポリマーを溶剤(主に有機溶剤)に溶解してドー
プを調製した後に、このドープをバンドやドラムなどの
支持体に流延して製膜するものである。なお、乾燥工程
で揮発するドープ中の溶剤は、環境保全あるいは経済性
の観点から回収されている。そして、この回収された溶
剤の水分を除去して成分を調整した後に、この回収溶剤
を再度ドープ調製溶剤として用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように回収溶剤をドープ調製溶剤として用いる場合に、
フイルムの乾燥工程で揮発した溶剤ガスを回収して吸着
処理した溶剤(主に有機溶剤が用いられている)には、
溶液製膜工程で発生した酸成分が含まれている。この酸
成分としては、乾燥工程で溶媒の熱分解により発生する
酸、ガスの吸着回収工程での溶媒の加水分解により発生
する酸などが挙げられる。また、酸成分を多量に含む溶
剤をドープ調製溶剤に用いた場合、その酸により溶液製
膜工程に用いられている製膜ラインを腐食させる場合も
あり、ドープ調製溶剤に含まれる酸成分を調整すること
は極めて重要な問題である。
【0005】本発明は、回収溶剤を再利用することがで
きるようにした回収溶剤処理方法及びその方法を用いた
溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、回収溶剤
の酸成分について鋭意研究したところ、回収溶剤の蒸留
処理前にアルカリを過剰に添加して、回収溶剤に含まれ
ている酸成分を中和することで、フイルムを写真感光材
料として用いた場合に、感光材料への悪影響を与えるこ
となく回収溶剤の再利用が図れることを見出した。ま
た、蒸留分離後の排水は酸を加えて中和することで廃棄
が可能になる。
【0007】本発明の回収溶剤処理方法は、溶剤を含む
ガスを回収して、その溶剤を再利用する回収溶剤処理方
法であって、前記溶剤を含むガスからその溶剤を回収す
る第1の工程と、前記回収溶剤を中和する第2の工程
と、前記中和された回収溶剤を単離する第3の工程とを
含む。また、前記第3の工程で、前記中和された回収溶
剤を蒸留により単離することが好ましい。
【0008】前記第1の工程で回収された溶剤が酸性で
ある場合であって、前記第2の工程で、前記酸性溶剤と
アルカリとを混合し、その酸性溶剤を中和することが好
ましい。この場合において、前記アルカリが、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムからなる群より選ばれたもの
であることが好ましい。なお、この際の回収溶剤の規定
度は、水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定により測定す
る。
【0009】前記第3の工程で、単離された溶剤中の酸
の規定度を6.0×10-7N以下にすることが好まし
い。なお、この際に単離された溶剤中の酸の規定度も、
水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定により測定する。前
述したいずれか1つ記載の回収溶剤処理方法であって、
前記第3の工程で前記中和された回収溶剤を単離した際
に、分離後の廃液のpHが6〜8の範囲になるように酸
を添加することが好ましい。なお、前記酸の添加は、前
記第3の工程の後に行なってもよい。この場合におい
て、前記酸が、硫酸、塩酸からなる群より選ばれたもの
であることが好ましい。
【0010】本発明の溶液製膜方法は、ポリマーを溶剤
に溶解した溶液を流延して、フイルムを製膜する溶液製
膜方法において、前記フイルムを乾燥する際に発生する
溶剤を含むガスから、前述したいずれか1つ記載の回収
溶剤処理方法によりその溶剤を単離して、ポリマーを溶
解する溶剤として再利用する。また、前記ポリマーがセ
ルロースアシレートであることが好ましく、より好まし
くはセルロースアセテートであり、最も好ましくはセル
ローストリアセテートである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る溶液製膜方法に用い
る製膜ラインを図1に示し、フイルムの製造方法につい
て説明する。さらに、本発明に係る回収溶剤処理方法に
用いるラインを図2に示し、回収溶剤処理方法について
説明する。
【0012】[ポリマー]本発明に用いられるポリマー
は特に限定されない。しかしながら、セルロースアシレ
ートを用いることが好ましく、特に、セルロースアセテ
ートを使用することが好ましい。さらに、このセルロー
スアセテートの中では、その平均酢化度が57.5ない
し62.5%のセルローストリアセテートを使用するこ
とが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位重量当
りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−
817−91(セルロースアセテート等の試験方法)に
おけるアセチル化度の測定および計算に従う。本発明で
は、セルロースアシレート粒子を使用し、使用する粒子
の90重量%以上が0.1ないし4mmの粒子径、好ま
しくは1ないし4mmを有する。また、好ましくは95
重量%以上、より好ましくは97重量%以上、さらに好
ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以
上の粒子が0.1ないし4mmの粒子径を有する。さら
に、使用する粒子の50重量%以上が2ないし3mmの
粒子径を有することが好ましい。より好ましくは70重
量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ま
しくは90重量%以上の粒子が2ないし3mmの粒子径
を有する。セルロースアシレートの粒子形状は、なるべ
く球に近い形状を有することが好ましい。
【0013】[溶剤]本発明に用いられる溶剤として
は、ハロゲン化炭化水素、エステル類、ケトン類、エー
テル類、アルコール類などがあるが、特に限定されな
い。溶剤は、市販品の純度であれば、特に制限される要
因はない。溶剤は、単独(100重量%)で使用しても
良いし、炭素数1ないし6のアルコール、ケトン、エス
テル、エーテルを混合して使用するものでもよい。使用
できる溶剤の例には、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩
化メチレンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、
メチルホルメート、エチルアセテート、アミルアセテー
ト、ブチルアセテートなど)、ケトン類(例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、
エーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル,メチル−t−ブチ
ルエーテルなど)、アルコール類(例えば、メタノー
ル、エタノールなど)などが挙げられる。
【0014】[添加剤]本発明で用いられる添加剤とし
ては、可塑剤、紫外線吸収剤などがある。可塑剤として
は、リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニル
ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフ
ェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート(以下、TPPと称する)、トリブチルホスフェー
トなど)、フタル酸エステル系(例えば、ジエチルフタ
レート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレ
ート、ジオクチルフタレートなど)、グリコール酸エス
テル系(例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチル
フタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグ
リコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレートなど)及びその他の可塑
剤を用いることができる。
【0015】ドープには、紫外線吸収剤を添加すること
もできる。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベ
ンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合
物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化
合物、ニッケル錯塩系化合物及びその他の紫外線吸収剤
を用いることができる。特に好ましい紫外線吸収剤は、
ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物
である。
【0016】さらにドープには、必要に応じて種々の添
加剤、例えば、離型剤、剥離促進剤、フッ素系界面活性
剤などをドープの調製前から調製後のいずれかの段階で
添加してもよい。
【0017】[溶液製膜方法]フイルム製膜装置10
は、バンドゾーン11と乾燥ゾーン12とに分けられ
る。ドープ13が仕込まれている仕込みタンク14が、
ポンプ15とフィルタ16とを介してフイルム製膜装置
10に接続している。また、仕込みタンク14には、撹
拌棒17が取り付けられ、ドープ13を均一にする。ド
ープ13は、前述したTAC粒子と溶剤とを混合し、T
AC粒子を溶剤により膨潤させ作成する。また、ドープ
には、可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を混合する
こともできる。本発明において、ドープを調製する溶剤
には、市販品の溶剤にフイルム製膜装置10から回収さ
れた溶剤を混合して使用することができる。溶剤の回収
については、後述する。
【0018】図1において、バンドゾーン11には、ロ
ーラ20、21に掛け渡された流延バンド22が設けら
れており、この流延バンド22は、図示しない駆動装置
により回転する。流延バンド22の上には、流延ダイ2
3が設けられている。ドープ13は、仕込みタンク14
からポンプ15により送液され、フィルタ16で不純物
が除去された後に流延ダイ23に送られる。流延ダイ2
3は、ドープ13を流延バンド22上に流延する。ドー
プ13は流延バンド22で搬送されながら徐々に乾燥
し、剥ぎ取りローラ24によって流延バンド22から剥
ぎ取られフイルム25が形成される。さらに、フイルム
25は、テンタ26により所定の幅に引き伸ばされ、搬
送されながら乾燥される。
【0019】バンドゾーン11内では、ドープ13中の
溶剤は、揮発してガスとなって熱交換器40に送り出さ
れる。バンドゾーン11内では、乾燥初期であるため多
量の溶剤が揮発する。多量の揮発した有機溶剤を含んだ
ガスは凝縮器41で凝縮液化され、液体は、回収溶剤4
2として凝縮回収される。また、液化しなかったガス
は、送風器43により熱交換器40に送られて、加熱器
45で加熱されて再度バンドゾーン11に送られ、乾燥
風として再利用される。
【0020】回収溶剤42は、溶剤処理装置45に送ら
れ水分が除去された精製溶剤46と廃液47とに分離さ
れる。廃液47は、廃棄処理がなされる。溶剤処理装置
45における精製溶剤46と廃液47との分離は、溶剤
の沸点の違いを利用した蒸留分離により水分を除去する
方法により行なわれる。なお、蒸留分離の代表的な装置
として、連続精留装置が挙げられるが、この装置に限定
されるものではない。また、その装置を用いずに、例え
ばシリカゲルなどに水分を除去することによって精製溶
剤46を得ることもできる。
【0021】テンタ26から乾燥ゾーン12に送られた
フイルム25は、乾燥ゾーン12内で、複数のローラ2
7に巻き掛けられて乾燥する。乾燥後のフイルム25
は、巻き取り機28に巻き取られる。乾燥ゾーン12内
の温度は、50〜150℃の範囲に制御されていること
が、フイルムの均一な乾燥のために好ましい。
【0022】乾燥ゾーン12内で揮発した溶剤を含み熱
風であるガス(以下、熱風ガスとも称する)50は、熱
交換器51に送り込まれた後に、送風器52により冷却
器53に送風される。冷却器53により冷却されたガス
50は、前処理活性炭54により添加剤除去工程で除去
されなかった揮発した添加剤の一部が除かれる。次に、
除湿器55によってガス50中に含まれる水分が除去さ
れる。さらに、ガス50は、送風器56により吸着層5
7、58、59のいずれかに切替バルブ(図示しない)
により選択的に送られ、ガス50中に含まれていた揮発
した有機溶剤が吸着層57、58、59によって吸着さ
れる。また、吸着処理後のガスは、温度調節器60によ
り所定の温度に調節される。その後にガス(以下、冷風
ガスとも称する)61は、送風器62により熱交換器5
1に送り込まれ、前述した熱風ガス50と熱交換がなさ
れ加熱された後に、加熱器63によって所定の温度まで
加熱され、再度、乾燥ゾーン12内に送り込まれ、乾燥
風として再利用される。
【0023】吸着層57、58、59に吸着された揮発
有機溶剤成分は、脱着ガス64により脱着し、凝縮器6
5へ送り出される。脱着ガス64は凝縮器65で凝縮液
化され、液体は回収溶剤66として吸着回収される。ま
た、液化しないガス成分は、再度、送風器56に送り出
され、吸着層57、58、59に送り込まれる。
【0024】回収溶剤66は、回収溶剤処理装置67に
送られ水分が除去された精製溶剤68と廃液69とに分
離される。なお、この回収溶剤処理装置67による精製
溶剤68と廃液69との分離方法については、後に図2
を用いて詳細に説明する。精製溶剤46、68は、溶剤
成分調整装置70に送られ、混合されるた後に、ドープ
調製溶剤として再利用される。
【0025】[回収溶剤処理方法]図2に示すように回
収溶剤処理装置67には、抽出塔80、蒸留塔81が備
えられている。始めに、凝縮器65で吸着回収された回
収溶剤66は、抽出塔80に送られて中和処理がなされ
る。なお、抽出塔80に回収溶剤66を送り込む際に、
酸性の回収溶剤66の一部を抜き取り公知の中和滴定法
により、その規定度Na1を測定する。
【0026】抽出塔80には、アルカリ溶液タンク82
がポンプ83を介して、抽出塔80の下方に接続してい
る。アルカリ溶液タンク82には、回収溶剤66の酸成
分を中和するためにアルカリ溶液84が注入されてい
る。アルカリ溶液84の必要量(アルカリ溶液84の規
定度Nb ×添加量)は、前述した回収溶剤66の酸(酸
の規定度Na1×処理量)を中和処理するために過剰に添
加することが好ましい。アルカリ溶液84を過剰に加え
ないと、回収溶剤66中の酸成分の中和が完了しない場
合がある。また、アルカリ溶液84の溶質であるアルカ
リ成分は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを用
いることが好ましい。また、溶媒にはこれら溶質の溶解
性及び工程における回収溶剤との分離の点から水を用い
ることが好ましいが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】回収溶剤66は、抽出塔80の上方から送
り込まれ、下方へ沈降しながらアルカリ溶液84と接触
して中和される。そして、中和済みの溶剤85として、
抽出塔80の下方から抜き出される。また、アルカリ溶
液84は、抽出塔80の上方からオーバーフローしてア
ルカリ廃液86として廃棄処理される。溶剤85は、次
に蒸留塔81に送り込まれ、溶剤85に含まれている溶
剤の中でドープ調製溶剤として用いる成分を蒸留するこ
とにより精製溶剤68が得られる。本発明において、蒸
留法は特に限定されるものではないが、精製溶剤68の
純度を考慮した場合に、精留を行なうことが好ましい。
この精製溶剤68を公知の中和滴定を行なうことで、そ
の規定度Na2を測定する。本発明において、この規定度
a2が6.0×10-7N以下であることが、ドープ調製
溶剤として再利用するために好ましい。
【0028】図2において、回収溶剤66を中和するた
めに抽出塔80にアルカリ溶液84を送液して回収溶剤
66を中和したが、本発明はこの形態に限定されるもの
ではない。例えば、回収溶剤66を仕込みタンク(図示
しない)に注入し、アルカリ性物質を、中和による発熱
に注意しながら仕込みタンクに固体のまま添加する方法
などで行なうこともできる。
【0029】また、図2では、中和済みの溶剤85から
ドープ調製溶剤を単離するために蒸留塔81を用いたが
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、抽出
法や吸収法により中和済み溶剤85からドープ調製溶剤
のみを単離することもできる。
【0030】蒸留塔81で蒸留されなかった溶剤85の
成分は、缶出液87として蒸留塔81から適宜抜き出さ
れる。缶出液87は、缶出液処理用の受け器88に送り
込まれる。受け器88には、酸89が注入されている酸
用タンク90がポンプ91を介して接続している。缶出
液87の一部を公知の中和滴定法により、その規定度N
c を測定する。この規定度Nc の値に基づいて、受け器
88から送り出される廃液69のpHが6〜8になるよ
うに酸89の送液量をポンプ91により調整する。この
ように廃液69を弱酸性から中性にすることで、最終廃
液処理装置(図示しない)による廃液69の処理を容易
にする。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。また、説明
において、実施例1で詳細に説明し、その他の実施例及
び比較例については、実施例1と同じ点については説明
を省略している。
【0032】[実施例1]溶剤には、塩化メチレン(9
2重量%)、メタノール(8重量%)の混合溶剤を用い
た。なお、この混合溶剤は、製膜ラインから回収され処
理された精製溶剤68を90重量%含むものを用いた。
この溶剤に、セルローストリアセテート(酢化度61
%)17重量%、TPP2.7重量%,ベンゾトリアゾ
ール系UV吸収剤1.0重量%を加え、ドープを調製し
た。ドープを膨潤させた後に窒素雰囲気下で、オートク
レープ内に導入して、160℃、0.98MPaで10
分間溶解し、ドープを濾過した。その後に図1に示した
製膜ラインを用いて、50℃で流延バンド22上に流延
した。流延は、乾燥後のフイルムの厚みが80μmにな
るように行った。乾燥した後、流延バンド22からフイ
ルム25を剥ぎ取り、テンタ26で10分間搬送しなが
ら乾燥した。さらに乾燥ゾーン12でフイルム25を1
30℃,30分間乾燥して、サンプルを得た。
【0033】図1に示した製膜ラインで吸着回収された
回収溶剤66を図2に示した回収溶剤処理装置67によ
り精製溶剤68とした。始めに、回収溶剤66の規定度
a1を中和滴定法により測定したところ、Na1=1.0
×10-5(pH=5.0)であった。なお、中和滴定
は、公知の方法により行なった。そして、この回収溶剤
66を1500kg/hrの速度で抽出塔80に送液し
た。
【0034】また、抽出塔80には、水酸化ナトリウム
水溶液(重量百分率=10%、規定度Nb =2.8N)
を抽出塔80に1kg/hrで送液して、回収溶剤66
を中和した。また、中和された塩化メチレンを主に含む
溶剤85をさらに蒸留塔81に送り込み、精留して精製
溶剤68を得た。精製溶剤68の規定度Na2を中和滴定
法により測定したところ、5.0×10-7N(pH=
6.3)であった。また、精製溶剤68の組成をガスク
ロマトグラフィー(以下、GCと称する)により測定し
たところ、副生成物は見られずに、ドープ調製溶剤とし
て再利用が可能であった(○)。
【0035】[実施例2及び実施例3]水酸化ナトリウ
ム水溶液84の送液量をそれぞれ4kg/hr、10k
g/hrとした以外は、実施例1と同じ条件で実験を行
ない評価も行なった。実験結果については、後に表1に
まとめて示す。
【0036】[比較例]水酸化ナトリウム水溶液84の
送液量を0.6kg/hrとした以外は、実施例1と同
じ条件で実験を行ない評価も行なった。精製溶剤68を
GCにより成分比を測定したところ、副生成物であるア
ルデヒドが検出され、ドープ調製溶剤として再利用は不
可能であった(×)。
【0037】
【表1】
【0038】表1から、水酸化ナトリウム水溶液の添加
量を1kg/hr以上にした場合には、精製溶剤の酸の
規定度が6.0×10-7以下となりドープ調製溶剤とし
て再利用が可能であることが分かる。また、水酸化ナト
リウム水溶液の送液量をさらに増やした場合には、当然
精製溶剤の酸の規定度は小さくなるが、この場合には多
量の水酸化ナトリウム水溶液が必要になり、そのアルカ
リ廃液の処理も困難になる。また、抽出塔も大きなもの
でなければ、中和処理が行なえなくなるために、コスト
の点から不利である。そこで、本発明では、前述した水
酸化ナトリウム水溶液を中和剤として用いた場合には、
本装置においては1〜10kg/hrの送液量が好まし
いことが分かる。しかしながら、本発明においてアルカ
リ溶液の送液量は前述した範囲に限定されるものではな
い。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の溶剤処理回収方
法によれば、溶剤を含むガスを回収して、その溶剤を再
利用する回収溶剤処理方法であって、前記溶剤を含むガ
スからその溶剤を回収する第1の工程と、前記回収溶剤
を中和する第2の工程と、前記中和された回収溶剤を単
離する第3の工程とを含むから、連続して酸性の溶剤の
中和処理が可能になる。
【0040】また、本発明の回収溶剤処理方法によれ
ば、溶剤を含むガスを回収して、その溶剤を再利用する
回収溶剤処理方法であって、前記溶剤を含むガスからそ
の溶剤を回収する第1の工程と、記回収溶剤を中和する
第2の工程と、前記中和された回収溶剤を単離する第3
の工程とを含み、前記第1の工程で回収された溶剤が酸
性である場合であって、前記第2の工程で、前記酸性溶
剤とアルカリとを混合し、その酸性溶剤を中和する際
に、前記酸性溶剤の酸を中和するのに必要なアルカリ量
を過剰なアルカリ溶液を混合するから、回収溶剤の再利
用が可能になる。
【0041】本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマー
を溶剤に溶解した溶液を流延して、フイルムを製膜する
溶液製膜方法において、前記フイルムを乾燥する際に発
生する溶剤を含むガスから、本発明に係る回収溶剤処理
方法によりその溶剤を単離して、ポリマーを溶解する溶
剤として再利用するから、連続してフイルムの製造がで
き、溶剤を回収処理しながら使用するために溶剤使用量
の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶液製膜方法に用いられる製膜ラ
インの概略図である。
【図2】本発明に係る回収溶剤処理方法に用いられる回
収溶剤処理装置の概略図である。
【符号の説明】
10 フイルム製膜装置 13 ドープ 25 フイルム 65 凝縮器 66 回収溶剤 67 溶剤処理装置 68 精製溶剤 69 廃液 80 抽出塔 81 蒸留塔 82 アルカリ溶液 85 溶剤 89 酸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤を含むガスを回収して、その溶剤を
    再利用する回収溶剤処理方法であって、 前記溶剤を含むガスからその溶剤を回収する第1の工程
    と、 前記回収溶剤を中和する第2の工程と、 前記中和された回収溶剤を単離する第3の工程と、を含
    むことを特徴とする回収溶剤処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第3の工程で、前記中和された回収
    溶剤を蒸留により単離することを特徴とする請求項1記
    載の回収溶剤処理方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程で回収された溶剤が酸性
    である場合であって、 前記第2の工程で、前記酸性溶剤とアルカリとを混合
    し、その酸性溶剤を中和することを特徴とする請求項1
    または2記載の回収溶剤処理方法。
  4. 【請求項4】 前記第3の工程で、単離された溶剤中の
    酸の規定度を6.0×10-7N以下にすることを特徴と
    する請求項1ないし3いずれか1つ記載の回収溶剤処理
    方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4いずれか1つ記載の回収
    溶剤処理方法であって、 前記第3の工程で前記中和された回収溶剤を単離した際
    に、分離後の廃液のpHが6〜8の範囲になるように酸
    を添加することを特徴とする回収溶剤処理方法。
  6. 【請求項6】 ポリマーを溶剤に溶解した溶液を流延し
    て、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、 前記フイルムを乾燥する際に発生する溶剤を含むガスか
    ら、請求項1ないし5いずれか1つ記載の回収溶剤処理
    方法によりその溶剤を単離して、ポリマーを溶解する溶
    剤として再利用することを特徴とする溶液製膜方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーがセルロースアシレートで
    あることを特徴とする請求項6記載の溶液製膜方法。
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