JP2005000793A - 添加剤除去方法及び溶液製膜方法 - Google Patents

添加剤除去方法及び溶液製膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回収ガス処理設備の大型化を図ることなくガス中の気化添加剤を効率良く除去する。
【解決手段】ドープ17を流延速度35m/minで流延ダイ23から流延バンド22上に乾燥後の膜厚が80μmとなるように流延した。フイルム26をテンタ乾燥機27で搬送しながら乾燥させた。乾燥ゾーン15から送風機51を用いて1200m/minのガス風量を抜き出し、吸着装置55により気化溶媒と気化添加剤との吸着除去処理を行った。さらに、送風機41を用いて300m/minのガス風量を抜き出し、20℃に冷却された冷却機42によりTPP43を液化させ除去した。これらガスを併せて乾燥ゾーン15にガス風量1500m/minとして送り出した。従来の乾燥ゾーン内のTPP濃度は7mg/mであったが、本発明では、5.6mg/mに減少した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、添加剤除去方法及びその添加剤除去方法を用いた溶液製膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアシレート、特に57.5〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテートから形成されたフイルム(以下、TACフイルムと称する)は、その強靭性と難燃性とから写真感光材料の支持体などとして利用されている。また、TACフイルムは、光学的等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムやカラーフィルタの用途に適している。
【0003】
TACフイルムは、一般的に溶液製膜方法により製造されている。溶液製膜方法は、メルトキャスト法などの他の製造方法と比較して、光学的性質や物性が優れたフイルムを製造することができる。溶液製膜方法は、ポリマーを溶媒(主に有機溶媒)に溶解してドープを調製した後に、このドープをバンドやドラムなどの支持体に流延して製膜するものである。なお、乾燥工程で揮発するドープ中の溶媒は、環境保全あるいは経済性の観点から回収されている。
【0004】
ところで、乾燥工程で揮発する添加剤などの高沸点物質は、乾燥室内で凝縮して液化すると、製品フイルムへ付着するなどの問題を起こす。そこで、乾燥工程中から排気される溶媒と添加剤等とを含んだガスは、一般的には吸着設備、吸収設備で回収され、その際、溶媒とともに添加剤をも除去される。また、より有機溶媒を効率的に回収するには、前記設備に導入されるガス温度を低くして、各設備に備えられた吸着剤に吸着しやすくする必要がある。
【0005】
そのため、まず、主として添加剤のみを除去することが望まれるが、その方法としては、バグフィルタ方式がある(例えば、特許文献1参照。)。しかし、バグフィルタは、添加剤を吸着すると、いずれ閉塞してしまうため連続的に運転するためには、少なくとも2基の吸着装置が必要となるため、その方式は非常に複雑であり、装置のサイズが大きくなるために高コスト化を招いていた。また、前処理活性炭を用いて添加剤を除去する方法も知られているが、前処理活性炭の目詰まりの問題が生じていた。なお、目詰まりが発生した前処理活性炭の再利用は困難であり、この方法においても高コスト化を招いていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−254341号公報 (第3−5頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、良好な光学特性や面状が均一なフイルムを製造が要求されており、乾燥室内の不純物の除去を極めて厳密に行う必要が生じてきた。そこで、気化した添加剤が凝縮によって液化してフイルム表面に付着することを抑制するために、乾燥室内に給排気するガス風量を大きくする必要がある。しかしながら、ガス風量を大きくすると吸着装置内の吸着層の取り替え頻度が上昇し、コスト高の原因となっていた。また、生産能力アップのためフイルム製膜速度を速くしようとすると、その分だけ溶媒処理能力も不足してくるため、同様に吸着などの切り替え頻度が上昇し、コスト高となる。さらに、多量のガス風量を処理するため、回収設備を大型化する必要があり、この点についても、コスト高の原因となっていた。
【0008】
本発明は、回収ガスの処理設備の大型化を図ることなく、効率的に高沸点物質である添加剤を除去できるようにした添加剤除去方法及びその方法を用いた溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、乾燥室から排出されるガスの一部を冷却して、添加剤などの高沸点物質のみを除去して乾燥室に戻す設備を作ることで、溶媒回収設備を増強することなく乾燥風量を増やすことができることを見出した。
【0010】
本発明の添加剤除去方法は、添加剤と気化した溶媒とを含むガスを回収する際に、そのガス中に含まれる前記添加剤の除去方法において、前記ガスの一部を冷却手段で冷却し、前記添加剤を凝縮して除去する添加剤除去工程を含む。また、前記冷却手段で前記ガスの一部を冷却する温度を、10℃〜50℃の範囲とすることが好ましい。さらに、前記ガスの他の一部は、溶媒回収手段を用いて前記溶媒と前記添加剤除去工程で除去されなかった添加剤とを除去する溶媒回収工程を含むことが好ましい。さらには、前記ガスの他の一部の風量が、50体積%以上100体積%未満であることがより好ましい。また、前記添加剤の沸点が、120℃以上のもの、またはトリフェニルホスフェートであることが好ましい。
【0011】
本発明の溶液製膜方法は、ポリマーと添加剤と含むドープを流延して、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、前記フイルムを乾燥する乾燥工程の際に発生する前記ガスを前記添加剤除去方法を用いて処理する処理工程を含む。また、本発明の溶液製膜方法は、ポリマーと添加剤と含むドープを流延して、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、前記フイルムを乾燥する乾燥工程の際に発生する前記ガスを前記添加剤除去方法を用いて処理する処理工程と、前記溶媒回収工程で除去された溶媒を前記ドープ調製用溶媒として再利用する溶媒再利用工程とを含む。さらに、前記処理工程で処理されたガスを、前記乾燥工程で乾燥ガスとして再利用することが好ましい。さらには、前記ポリマーにセルロースアシレートを用いたことが好ましく、より好ましくはセルロースアセテートであり、最も好ましくはセルローストリアセテートを用いることである。
【0012】
【発明の実施の形態】
[ポリマー]
本発明に用いられるポリマーは特に限定されない。しかしながら、セルロースアシレートを用いることが好ましく、特に、セルロースアセテートを使用することが好ましい。さらに、このセルロースアセテートの中では、その平均酢化度が57.5ないし62.5%のセルローストリアセテート(TAC)を使用することが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。本発明では、セルロースアシレート粒子を使用し、使用する粒子の90重量%以上が0.1ないし4mmの粒子径、好ましくは1ないし4mmを有する。また、好ましくは95重量%以上、より好ましくは97重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以上の粒子が0.1ないし4mmの粒子径を有する。さらに、使用する粒子の50重量%以上が2ないし3mmの粒子径を有することが好ましい。より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の粒子が2ないし3mmの粒子径を有する。また、セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球に近い形状を有することが好ましい。
【0013】
[溶媒]
本発明に用いられる溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類などがあるが、特に限定されない。溶媒は、市販品の純度であれば、特に制限される要因はない。溶媒は、単独(100重量%)で使用しても良いし、炭素数1ないし6のアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類を混合して使用するものでもよい。使用できる溶媒の例には、ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、メチルホルメート、エチルアセテート、アミルアセテート、ブチルアセテートなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル,メチル−t−ブチルエーテルなど)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)などが挙げられる。
【0014】
[添加剤]
本発明で用いられる添加剤としては、可塑剤、紫外線吸収剤などがある。本発明に用いられる添加剤は、沸点が120℃以上のものを用いることが好ましい。添加剤の沸点が120℃未満であると、後述する添加剤除去方法を行う際に、溶媒と添加剤が同時に液化してしまい、その処理が困難になる場合があるからである。可塑剤としては、リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなど)、フタル酸エステル系(例えば、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなど)及びその他の可塑剤を用いることができる。なお、本発明に用いられる添加剤のうちの1つにトリフェニルホスフェートを用いることが好ましい。
【0015】
ドープには、紫外線吸収剤を添加することもできる。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物及びその他の紫外線吸収剤を用いることができる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。
【0016】
さらにドープには、必要に応じて種々の添加剤、例えば、離型剤、剥離促進剤、フッ素系界面活性剤などをドープの調製前から調製後のいずれかの段階で添加してもよい。
【0017】
[溶液製膜方法]
図1に示すフイルム製膜ライン10は、ドープ用タンク11,送液ポンプ12,濾過装置13,バンドゾーン14,乾燥ゾーン15,巻取機16などから構成されている。ドープ17が仕込まれているドープ用タンク11には、撹拌翼18が取り付けられ、ドープ17を均一にしている。ドープ17は、前述したTAC粒子と溶媒とを混合し、TAC粒子を溶媒により膨潤させ作成する。また、ドープには、可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤も混合仕込まれている。本発明において、ドープを調製する溶媒には、市販品の溶媒にフイルム製膜ライン10から回収された溶媒を混合して使用することができる。溶媒の回収については、後述する。
【0018】
バンドゾーン14には、回転ローラ20,21に掛け渡された流延バンド22が設けられており、この流延バンド22は、図示しない駆動装置により回転ローラ20,21が回転することにより無端走行している。流延バンド22の上には、流延ダイ23が設けられている。ドープ17は、ドープ用タンク11から送液ポンプ12により送液され、濾過装置13で不純物が除去された後に流延ダイ23に送られる。流延ダイ23によりドープ17を流延バンド22上に流延する。なお、このときの流延幅は2000mm以上とすることが好ましく、1400mm以上の流延にも本発明は好ましく適用可能である。ドープ17は流延バンド22上に流延膜24を形成し、搬送されながら徐々に乾燥し、剥取ローラ25によって流延バンド22から剥ぎ取られフイルム26が形成される。さらに、フイルム26は、テンタ乾燥機27により所定の幅に引き伸ばされ、搬送されながら乾燥する。
【0019】
バンドゾーン14で発生したガスは、ドープ17を流延した直後の乾燥初期段階であるため、低沸点である溶媒が多量に揮発(以下、気化溶媒と称する)して含まれている。気化溶媒は、凝縮回収装置30により凝縮して液化する。液体は、回収溶媒31として溶媒処理装置32に送られ精製溶媒33と廃液34とに分けられる。また、液化しなかったガスは、再度バンドゾーン14に送られ、乾燥風として再利用される。
【0020】
テンタ乾燥機27から乾燥ゾーン15に送られたフイルム26は、複数のローラ28に巻き掛けられ搬送されながら乾燥する。乾燥後のフイルム26は、巻取機16に巻き取られる。乾燥ゾーン15内の温度は、50℃〜150℃の範囲に制御されていることが、フイルムの均一な乾燥のために好ましい。
【0021】
[添加剤除去方法による処理工程及び溶媒回収工程]
バンドゾーン14で発生したガスは、前述したように気化溶媒が多量に含まれている。しかしながら、乾燥工程に用いられる乾燥ゾーン15では、ガス中に含まれているものは、添加剤と気化溶媒とが含まれている。そこで、乾燥ゾーン15には、添加剤除去ライン40と溶媒回収ライン50とを取り付け、それぞれを効率良く除去する。添加剤除去ライン40は、送風機(以下、第1送風機と称する)41と冷却機42とが備えられ、冷却機42は、溶媒回収ライン50に接続している。また、溶媒回収ライン50は、送風機(以下、第2送風機と称する)51と冷却機52と除湿機53と送風機54と吸着装置55と温度調節機56と送風機57と加熱機58とが備えられている。
【0022】
第1送風機41により乾燥ゾーン15内のガスの一部を冷却機42に送風する。冷却機42によりガス温度を10℃〜50℃の範囲とし、高沸点物質である添加剤43を凝縮する。添加剤43が冷却機42内に一定量溜まると凝縮効率が悪化するのでその中を洗浄する。このため、冷却機42は、添加剤除去ライン40中に複数台設けて、ガス路を切り替えて用いることがフイルム製膜を連続的に行うことが可能となるためにより好ましい。また、冷却機42で凝縮しなかったガスは、加熱機58に送風して乾燥風として好ましい温度に調整した後に、再度乾燥ゾーン15内に送風し乾燥風として用いることが、ライン外に気化溶媒を放出されることが無く環境保全の点から好ましい。また、ガスを循環して利用するために、新たな乾燥風を調整する設備を設ける必要が無くなるため、コストの低下を図ることもできる。なお、本発明の添加剤除去方法を溶液製膜方法に用いた場合について説明した。しかしながら、本発明の添加剤除去方法は、他の製造方法、例えば溶融製膜方法などに適用することも可能である。
【0023】
第2送風機51により溶媒回収ライン50に送風された乾燥ゾーン15内のガスは、冷却機52により冷却される。このときの冷却温度は、10℃〜50℃の範囲であることが好ましい。この温度範囲にすることで、下流側に設けられている除湿機53の除湿剤(例えば、シリカゲルなど)、吸着装置55の吸着剤(例えば、活性炭など)への気化溶媒,添加剤の吸着性が向上する。冷却機52で冷却されたガスは、除湿機53により水分を除去する。これは、ガス中に水分が含まれていると、吸着剤の寿命の低下を招くおそれがあるからである。除湿されたガスは、送風機54により吸着装置55に送風され吸着剤に気化溶媒,添加剤が吸着して除去される。
【0024】
その後、ガスは、温度調節機56で温度調節がなされ、送風機57により一定風速で加熱機58に送風され、前述した添加剤除去ライン40からのガスと併せて50℃〜150℃の範囲に温度調整がされた後に、乾燥風として乾燥ゾーン15に送られる。なお、本発明において、第2送風機51で送風されるガス量は、乾燥ゾーン15から送り出されるガス量の50体積%以上100体積%未満であることが好ましい。50体積%未満であると、ガス中に含有している気化溶媒の量が多量となり、このガスを乾燥ゾーン15で乾燥風として用いると、フイルム26の乾燥が遅くなるおそれがあるからである。また、100体積%であると、吸着装置55の上流側に添加剤のみを除去することにより、吸着装置55の吸着能力の低下を抑制するという本発明の利点が得られないからである。
【0025】
本発明に係る添加剤除去方法及びその方法を用いた溶液製膜方法に用いられる添加剤除去ライン40及び溶媒回収ライン50の形態は図示したものに限定されるものではない。例えば、冷却機52と加熱機58との機能を併せ持つ熱交換器をライン中に設けることも可能である。この場合には、工程の省エネルギー化を図ることができる。
【0026】
[溶媒再利用方法]
吸着装置55には、添加剤及び気化溶媒が吸着されている。気化溶媒は、溶媒再利用ライン70によりドープ調製用溶媒として再利用することが、ライン外に溶媒が放出されることが抑制され環境保全のために好ましい。また、溶媒を再利用するため、フイルム製膜における溶媒の使用量を減少させることも可能となる。
【0027】
気化溶媒を脱着ガス71により脱着し、凝縮機72に送り出される。脱着ガス71は凝縮機72で凝縮液化され、液体は回収溶媒73として吸着回収される。また、液化しないガス成分は、再度、送風機54に送り出され、吸着装置55で処理される。回収溶媒73は、溶媒処理装置74に送られて、精製溶媒75と廃液76とに分離される。精製溶媒75は、前述した精製溶媒33と共に溶媒成分調整装置77に送られ、組成比が調整された後に、ドープ17用の溶媒として用いられる。
【0028】
[他の実施形態]
さらに、本発明に係る添加剤除去方法に用いられる添加剤除去ライン及び溶媒回収ラインの他の実施形態について図2,図3を用いて説明する。なお、それらの説明の際に図1に示したものと同じ箇所の説明は省略する。
【0029】
図2には、乾燥ゾーン15に添加剤除去ライン及び溶媒回収ライン(以下、これらを併せて第2ラインと称する)80取り付けたものを示す。乾燥ゾーン15内のガスは送風機81により第2ライン80に送られる。送風機81から添加剤除去用の冷却機82とガス温度低下用の冷却機52とにガスが送られる。この場合にも、冷却機52に全ガス量の50体積%以上100体積%未満のガス量が送られることが好ましい。冷却機52により冷却されたガスは、除湿機53で水分が除去され送風機54により吸着装置55に送られ、添加剤と気化溶媒とが吸着除去される。その後、ガスは温度調節機56で温度調節がされた後に、送風機57により好ましいガス量を加熱機84に送風する。また、冷却機82に送風されたガスは、10℃〜50℃にガスを冷却することにより、添加剤83を液化除去する。液化しなかったガスは、送風機57から送られたガスと併せて加熱機84で乾燥ゾーン15の乾燥風に好ましい温度まで加熱され、乾燥風として乾燥ゾーン15に送られる。本実施形態では、乾燥ゾーン15からガスを抜き出す送風機を1台のみ用いるため、送風能力を増大させる必要があるが、吸着処理と冷却処理とに送風するガスの比率を一定にすることが容易となり、乾燥ゾーン15内に送られる乾燥風の組成の変動を抑制することが可能となる。
【0030】
図3にも、乾燥ゾーン15に添加剤除去ライン及び溶媒回収ライン(以下、これらを併せて第3ラインと称する)90を取り付けたものを示す。乾燥ゾーン15内のガスは送風機91により第3ライン90に送られる。送風機91から冷却機92にガスが送られる。冷却機92により液化した添加剤93は、第3ライン90外で取り出す。液化しなかったガスのうち50体積%以上100体積%未満のガスを除湿機53に送り、残りのガスは加熱機95に送る。ガスは、除湿機53で水分が除去されて送風機94により吸着装置55に送られる。ガスから添加剤と気化溶媒とが吸着除去される。その後、ガスは温度調節機56で温度調節がされた後に、送風機57により好ましいガス量を加熱機95に送風する。冷却機92から送られたガスと併せて加熱機95で乾燥ゾーン15の乾燥風に好ましい温度まで加熱され、乾燥風として乾燥ゾーン15に送られる。冷却機を1台設けることにより、本発明を実施することが可能となるので、設備の小型化を図ることが可能となる。なお、いずれの実施形態においても、冷却機特に添加剤除去用冷却機をライン中に複数台取り付け、切り替えて用いることにより、フイルム製膜を連続して行うことが可能となるため、より好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0032】
実施例で用いたドープ17は、下記の組成比で公開技術公報2001−1745号の24頁〜25頁に記載の高温溶解を用いて調製した。3MPaの圧力下で140℃,10分間加熱処理を行い、ドープ17を得た。
セルローストリアセテート(パルプ原料)
(酢化度60.9%,重合度305) 13重量部
セルローストリアセテート(リンター原料)
(酢化度61.0%,重合度320) 3重量部
トリフェニルホスフェート(TPP) 2重量部
ビフェニルジフェニルフォスフェート(BDP) 1重量部
ベンゾトリアゾール系UV吸収剤 0.2重量部
酸化ケイ素マット剤(1次粒子系20nm) 0.1重量部
塩化メチレン(ジクロロメタン) 67重量部
メタノール 9重量部
n−ブタノール 1重量部
【0033】
フイルム製膜には、図1に示したフイルム製膜ライン10を用いた。36℃のドープ17を流延速度35m/minで流延ダイ23から流延バンド22上に乾燥後の膜厚が80μmとなるように流延した。流延バンド22から剥取ローラ25により剥ぎ取ったフイルム26をテンタ乾燥機27で搬送しながら130℃で1分乾燥させた。50℃〜130℃に制御されているバンドゾーン14から発生したガスは、凝縮回収装置30を用いて気化溶媒回収処理を行った。また、乾燥風量を700m/minとした。
【0034】
そして、ローラ28で搬送される乾燥ゾーン15でフイルム26をさらに乾燥した。乾燥ゾーン15の温度を、140℃に保持した。乾燥ゾーン15から第2送風機51を用いて従来と同じ1200m/minのガス風量を抜き出し、吸着装置55により添加剤と気化溶媒との吸着除去処理を行った。さらに、第1送風機41を用いて300m/minのガス風量を抜き出し、このガスから20℃に冷却された冷却機42により可塑剤(TPP及びBDP)を液化させ除去した。これらガスを併せて加熱機58で145℃に加熱して乾燥ゾーン15にガス風量1500m/minとして送り出した。従来の乾燥ゾーン内の可塑剤濃度は7mg/mであったが、本発明の方法を用いることで、5.6mg/mに減少し、乾燥ゾーン15内で可塑剤が凝縮して液化する現象は見られなかった。また、気化溶媒も乾燥ゾーン15内で凝縮して液化する現象は見られなかった。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の添加剤除去方法によれば、添加剤と気化した溶媒とを含むガスを回収する際に、そのガス中に含まれる前記添加剤の除去方法において、前記ガスの一部を冷却手段で冷却し、前記添加剤を液化して除去する添加剤除去工程を含むから、前記気化溶媒を吸着する際に、吸着能力が低下する時間を延ばすことが可能となる。
【0036】
本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと添加剤と含むドープを流延して、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、前記フイルムを乾燥する乾燥工程の際に発生する前記ガスの一部を冷却手段で冷却し、前記添加剤を液化して除去する添加剤除去方法を用いて処理する処理工程を含むから、回収ガスの処理設備を大型化を図ることなく、前記溶媒が揮発した気化溶媒を吸着回収する吸着装置の吸着能力が低下する時間を延ばすことが可能となるため、同一条件下でのフイルム製膜を連続的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶液製膜方法に用いられるフイルム製膜ラインの概略図である。
【図2】本発明に係る溶液製膜方法に用いられるフイルム製膜ラインの他の実施形態の要部概略図である。
【図3】本発明に係る溶液製膜方法に用いられるフイルム製膜ラインの他の実施形態の要部概略図である。
【符号の説明】
10 フイルム製膜ライン
15 乾燥ゾーン
17 ドープ
26 フイルム
40 添加剤除去ライン
41,51,81,91 送風機
42,82,92 冷却機
43,83,93 添加剤
50 溶媒回収ライン
55 吸着装置
70 溶媒再利用ライン
80 第2ライン
90 第3ライン

Claims (10)

  1. 添加剤と気化した溶媒とを含むガスを回収する際に、そのガス中に含まれる前記添加剤の除去方法において、
    前記ガスの一部を冷却手段で冷却し、前記添加剤を凝縮して除去する添加剤除去工程を含むことを特徴とする添加剤除去方法。
  2. 前記冷却手段で前記ガスの一部を冷却する温度を、10℃〜50℃の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の添加剤除去方法。
  3. 前記ガスの他の一部は、溶媒回収手段を用いて前記溶媒と前記添加剤除去工程で除去されなかった添加剤とを除去する溶媒回収工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の添加剤除去方法。
  4. 前記ガスの他の一部の風量が、50体積%以上100体積%未満であることを特徴とする請求項3記載の添加剤除去方法。
  5. 前記添加剤の沸点が、120℃以上のものであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の添加剤除去方法。
  6. 前記添加剤がトリフェニルホスフェートであることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の添加剤除去方法。
  7. ポリマーと添加剤と含むドープを流延して、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、
    前記フイルムを乾燥する乾燥工程の際に発生する前記ガスを請求項1ないし6いずれか1つ記載の添加剤除去方法を用いて処理する処理工程を含むことを特徴とする溶液製膜方法。
  8. ポリマーと添加剤と含むドープを流延して、フイルムを製膜する溶液製膜方法において、
    前記フイルムを乾燥する乾燥工程の際に発生する前記ガスを請求項3ないし6いずれか1つ記載の添加剤除去方法を用いて処理する処理工程と、
    前記溶媒回収工程で除去された溶媒を前記ドープ調製用溶媒として再利用する溶媒再利用工程と、
    を含むことを特徴とする溶液製膜方法。
  9. 前記処理工程で処理されたガスを、前記乾燥工程で乾燥ガスとして再利用することを特徴とする請求項7または8記載の溶液製膜方法。
  10. 前記ポリマーにセルロースアシレートを用いたことを特徴とする請求項7ないし9いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
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