JP4033462B2 - 溶液製膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液製膜方法に関し、さらに詳しくは廃水処理を容易に行う溶液製膜方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアシレート、特に57.5%〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテート(以下、TACと称する)から形成されたTACフイルムは、その強靭性と難燃性とから写真感光材料の支持体(ベースフイルム)等に利用されている。また、TACフイルムは、光学的等方性に優れていることから、近年市場が拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムやカラーフィルタの用途に適している。
【0003】
TACフイルムは、一般的に溶液製膜方法により製造されている。溶液製膜方法は、メルトキャスト法などの他の製造方法と比較して、光学的性質や物性が優れたフイルムを製造することができる。溶液製膜方法は、ポリマーを溶媒(主に有機溶媒)に溶解してドープ(ポリマー溶液)を調製した後に、ドープをバンドやドラムなどの支持体に流延し、乾燥させて製膜する方法である。なお、この乾燥工程で揮発するドープ中の溶媒は、環境保全あるいは経済性の点から回収されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
また、回収した溶媒は、揮発してガスとなっており、そのガスを液化凝縮して蒸留塔で蒸留を行い、水と有機溶媒とを分離している。その水を排出する際には有機溶媒の含有率が排出基準値以下となるまで処理している。
【0005】
【非特許文献1】
発明協会公開技報公技番号2001−1745号 (第61頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在、環境中に放出される有機溶媒、特に含塩素系溶媒については環境保護の観点から、排出基準値の低下が求められている。廃水中の溶媒を曝気によりガス化し水処理する方法では、ガス化した溶媒を回収するための専用の回収装置が必要であり、コスト高の原因となる。
【0007】
本発明の目的は、水中に含まれている溶媒を効率良く除去回収して、大気汚染等の環境汚染を防止することができるようにした溶液製膜方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ポリマーと溶媒とを含むドープを支持体上に流延して流延膜を形成し、フイルムとして剥がす流延工程と、支持体から剥がされたフイルムを延伸乾燥する第1乾燥工程と、第1乾燥工程後のフイルムを複数のローラに巻きかけて搬送しながら乾燥する第2乾燥工程とを有する溶液製膜方法において、流延工程と第1乾燥工程とが行われる第1ゾーンのガスを第1凝縮機におくり、第1の空気と第1の溶媒とに分けて、第1の空気を第1ゾーンに送るとともに、第1の溶媒を精製して第1精製液とする第1回収工程と、第2乾燥工程が行われる第2ゾーンのガスを吸着塔におくり、第2の空気と第2の溶媒とに分けて、第2の空気を第2ゾーンに送るとともに、脱着された第2の溶媒を第2凝縮機で回収した後精製して第2精製液とする第2回収工程と、第1精製液と第2精製液とを共に、再利用のため成分調整する成分調整工程と、第1回収工程の精製での廃水と第2回収工程の精製での廃水とを合わせて、爆気装置により爆気する爆気工程と、を有し、爆気工程で揮発した溶媒を第2ゾーンからのガスとともに前記吸着塔で吸着させ、第1凝縮機に送る前記第1ゾーンのガスと、前記第1ゾーンにおくる前記第1の空気との間で熱交換をし、吸着塔におくる第2ゾーンのガスと、第2ゾーンにおくる前記第2の空気との間で熱交換をすることを特徴として構成されている。
【0009】
第1凝縮機は、第1ゾーンで揮発した第1の溶媒を凝縮回収し、第2凝縮機は、第2ゾーンで揮発した第2の溶媒を吸着回収することが好ましく、前記溶媒は互いに異なるふたつの成分を含む混合物であり、第2乾燥工程では、第1乾燥工程よりも高い温度かつ長い時間、乾燥を行うことが好ましい。前記ポリマーにセルロースアシレートを用いることが好ましく、より好ましくはセルロースアセテートを用いることであり、最も好ましくはセルローストリアセテートを用いることである。また、前記溶媒の前記成分のうち一方はジクロロメタンであることが好ましい。さらに、前記ドープが添加剤を含むものであって、前記添加剤に少なくともトリフェニルホスフェートを用いることが好ましい。さらには、前記曝気の際に、トレイ式曝気装置を用いることが好ましい。さらには、前記吸着塔の吸着手段には活性炭を用いることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
[ポリマー]
本発明に用いられるポリマーは特に限定されるものではない。しかしながら、セルロースアシレートを用いることが好ましく、特にセルロースアセテートを使用することが好ましい。さらに、セルロースアセテートの中では、平均酢化度が57.5%〜62.5%のセルローストリアセテート(TAC)を使用することが最も好ましい。酢化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。本発明では、セルロースアシレート粒子を使用し、使用する粒子の90重量%以上が0.1ないし4mmの粒子径、好ましくは1ないし4mmを有する。また、好ましくは95重量%以上、より好ましくは97重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、最も好ましくは99重量%以上の粒子が0.1ないし4mmの粒子径を有する。さらに、使用する粒子の50重量%以上が2ないし3mmの粒子径を有することが好ましい。より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の粒子が2ないし3mmの粒子径を有する。セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球に近い形状を有することが好ましい。
【0012】
また、他に用いられるポリマーの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等の各種ポリエステル、ポリエチレン等の各種ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド等を挙げることができる。なお、ポリマーにセルローストリアセテートを用いる場合には、その原料が綿花リンタのものと木材パルプのものがあり、それらを単独で用いても良いし、木材パルプのものであっても良いし、また、両者を混合したものでも良い。
【0013】
[溶媒]
本発明に用いられる溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類,アルコール類,エステル類,ケトン類,エーテル類,などの有機溶媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。溶媒は、市販品の純度であれば、特に問題は生じない。溶媒は、単独(100重量%)で使用しても良いし、アルコール類,エステル類,ケトン類,エーテル類であって炭素数2ないし6(アルコール類は、炭素数1のメタノールも含む)のものを混合して使用するものでも良い。使用できる溶媒の例には、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタンなど),アルコール類(例えば、メタノール,エタノール,n−ブタノールなど),エステル類(例えば、酢酸メチル,メチルホルメート,エチルアセテート,アミルアセテート,ブチルアセテートなど),ケトン類(例えば、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンなど),エーテル類(例えば、ジオキサン,ジオキソラン,テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,メチル−t−ブチルエーテルなど)などが挙げられる。
【0014】
[添加剤]
本発明で用いられる添加剤としては、可塑剤,紫外線吸収剤などが挙げられる。可塑剤としては、リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェート(TPP),トリクレジルホスフェート,クレジルジフェニルホスフェート,オクチルジフェニルホスフェート,ジフェニルビフェニルホスフェート(BDP),トリオクチルホスフェート,トリブチルホスフェートなど),フタル酸エステル系(例えば、ジエチルフタレート,ジメトキシエチルフタレート,ジメチルフタレート,ジオクチルフタレートなど),グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチン,トリブチリン,ブチルフタリルブチルグリコレート,エチルフタリルエチルグリコレート,メチルフタリルエチルグリコレート,ブチルフタリルブチルグリコレートなど)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物,サリチル酸エステル系化合物,ベンゾフェノン系化合物,シアノアクリレート系化合物,ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。特に好ましくは、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物である。
【0016】
さらに、ドープには、必要に応じて種々の添加剤、例えば離型剤,剥離促進剤,フッ素系界面活性剤などを添加することもできる。前述したこれら添加剤は、ポリマーを溶媒に溶解させる際に、添加しても良いし、フイルム製膜設備中でドープを移送している際に、混合しても良い。また、添加剤は液状や固体のまま添加しても良いし、溶媒に溶解して溶液としてドープに混合しても良い。
【0017】
[溶液製膜方法]
図1に本発明の溶液製膜方法に用いられるフイルム製膜設備10を示して説明する。前述したドープ11が仕込まれているミキシングタンク12にポンプ13が接続している。ドープ11は、ポンプ13により濾過装置14内を通液して不純物が除去された後に、流延ダイ15に送液される。なお、ミキシングタンク12には、図示しない駆動装置(モータ)により回転する撹拌翼16が備えられ、ドープ11を撹拌して均一にしていることが好ましい。
【0018】
流延ダイ15は、バンドゾーン20内の流延バンド21上に設けられている。流延バンド21は、図示しない駆動装置により回転駆動する回転ローラ22,23に伴って無端走行する。流延ダイ15から流延バンド21上に流延されたドープ11は、流延バンド21上で流延膜24となる。流延膜24は、流延バンド21上で乾燥して自己支持性を有した後に、剥取ローラ25に支持されながら剥ぎ取られ、フイルム26となる。フイルム26はテンタ乾燥機27で延伸乾燥すると、ツレシワの発生が抑制されたフイルム26を得ることができ、より好ましい。なお、図1では、ドープ11の流延を、無端走行している流延バンド21上に行っている。本発明では、その他の方法、例えば流延ドラム上にドープを流延する方法などにより行っても良い。
【0019】
バンドゾーン20には、そのゾーン20内のガスを処理するための第1ガス処理ライン30が取り付けられている。バンドゾーン20内のガスは、ドープ11から揮発した溶媒及びそれに伴って揮発した添加剤などが含まれている。第1ガス処理ライン30に吸引されたガスは、熱交換器31により、そのガスより低温な処理済ガスと熱交換が行われ温度が低下する。なお、処理後ガスは後に説明する。第1ガスは、凝縮機32により有機溶媒や添加剤などが凝縮液化(固体として析出する場合もある)して除去されて処理済ガスとなる。処理済ガスは、送風機33により熱交換器31に送られ前述したガスと熱交換が行われ、温度が上昇する。なお、熱交換器31によってバンドゾーン20内に送風する乾燥風としての温度に達しないときは、さらに加熱機34により加熱した後に、バンドゾーン20内に乾燥風として送風することが好ましい。
【0020】
また、前述した凝縮された溶媒、添加剤は回収物35として回収物処理装置36に送られ、精製液37と廃水38とに分離される。なお、本発明において精製液37は、溶媒のみ場合と、溶媒と添加剤とが含まれている場合と、の両方の意味で用いる。精製液37と廃水38とは、それぞれの処理が行われるがそれらについては、後に説明する。なお、本発明において、多量の有機溶媒を処理する第1ガス処理ライン30中の熱交換器31〜加熱機34は、完全密閉の処理室39内に設置されていることが、環境保護の点から好ましい。
【0021】
フイルム26は、テンタ乾燥機27から乾燥ゾーン50に送り出される。乾燥ゾーン50には、多数のローラ51が備えられており、フイルム26は、これらローラ51に巻き掛かりながら走行して乾燥される。また、乾燥ゾーン50内の雰囲気ガスは、第2ガス処理ライン52に送り出される。ガスは、熱交換器53により後述する処理済ガスと熱交換が行われ、温度が低下する。さらに、ガスは、送風機54により冷却機55,活性炭層56,除湿機57に送風されて吸着前処理が行われる。そして、ガスは、送風機58により切替機59を介して吸着塔60,61,62のいずれかに送風される。ガス中に含まれていた有機溶媒や添加剤などが吸着塔60〜62の吸着剤に吸着され、ガスは処理済ガスとなる。処理済ガスは、温度調節機63,送風機64,熱交換器53,加熱機65に送風されて乾燥風として乾燥ゾーン50内に送風される。乾燥風の温度は、乾燥ゾーン50内が50℃〜150℃となるように温度調節されていることが好ましい。
【0022】
吸着塔60〜62に吸着された有機溶媒,添加剤など(以下、吸着物とも称する)は切替機66を介して吸着塔60〜62の少なくともいずれか1つに脱着ガス67を送り脱着する。なお、脱着ガス67には、ヘリウム,窒素などが用いられるがそれらに限定されるものではない。吸着物は脱着ガスと共に、凝縮機68に送られて吸着回収される。回収物69は回収物処理装置70に送られ精製液71と廃水72とに分離される。精製液71は、前述した精製液37と共に成分調整装置73に送液されて、ドープ調製用の溶媒(または溶液)として成分が調整されて再利用されることが低コストで製膜が可能となると共に大気中への有機溶媒の放出を最小限にできるため環境保護の点からも好ましい。
【0023】
乾燥ゾーン50で乾燥されたフイルム26は、巻取機74で巻き取られる。なお、フイルム26を巻き取る前に図示しない冷却ゾーンで冷却することが好ましい。このとき、冷却温度は室温程度であることがフイルムの変成を抑制できるためにより好ましいが、フイルムの冷却温度は、それに限定されるものではない。また、巻き取り前にフイルム表面に凹凸を形成するナーリング処理を行ったり、耳切を行いフイルムの幅を調整したりすることもできる。
【0024】
前述した廃水38,72中は、先に回収物処理装置36,70により有機溶媒,添加剤などは除去されているが、水はその性質により若干の有機溶媒を含んでいる。そこで、以下に説明する水処理方法を行い、更に廃水38,72中に含有している有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、トレイ式曝気装置(以下、曝気装置と称する)80を用いることが好ましいが、それに限定されるものではない。トレイ式曝気装置80は、水と曝気ガスとの接触面積が他の装置と比較して、大きくなるために効率良く水中に含まれた有機溶媒を除去することができる。
【0025】
曝気装置80には多数のトレイ80a,80bが設けられている。廃水(以下、廃水38,72を併せた意味で用いるがいずれか一方のみでも良い)81は、曝気装置80の上部から流れる。トレイ80a上で一時貯水されて一定量に達すると、その下のトレイ80b上に貯水される。この現象を繰り返しながら曝気装置80の下部に到達する(図ではトレイを2つ示したが、その数に限定されるものではない。)。その間に、曝気ガス82が曝気装置80内に送風される。曝気ガス82は、廃水81中の有機溶媒を揮発させ、溶媒ガス83として曝気装置80から排出する。曝気ガス82により廃水81中に含有している有機溶媒の濃度は更に低下し、処理済水84としてフイルム製膜設備10から排出されても、環境への影響が、ほとんど生じないレベルとなる。
【0026】
具体的には、廃水81の量が1000kg/時間〜10000kg/時間の範囲のとき、曝気ガス82の送風量を900m3 /時間〜1800m3 /時間の範囲として行うことが挙げられるが、本発明の溶液製膜方法に用いられる装置、条件は前述したものに限定されるものではない。
【0027】
溶媒ガス83中に微量に含まれている有機溶媒成分をフイルム製膜設備10のガス処理ライン30,52の少なくともいずれかに戻すことで、フイルム製膜設備10の系外に直接排出されることがなくなるために好ましい。最も好ましいのは、第2ガス回収ライン52中の吸着塔60〜62に送り、有機溶媒成分を吸着除去することである。溶媒ガス83を切替機59に送り、切替機59は吸着塔60〜62のいずれか1つに溶媒ガス83を送風する。
【0028】
吸着塔60〜62で有機溶媒成分が吸着除去されたガスは、吸着塔60〜62に取り付けられているバルブ85(吸着塔61,62では図示は省略した)を開けて大気86中に放出する。このガス中に含まれている有機溶媒成分は測定限界値程度まで希釈されているため、環境を汚染するおそれは生じない。
【0029】
吸着塔60〜62に吸着された有機溶媒成分は、前述した脱着ガス67を用いて脱離処理を行っても良いが、再生装置87を取り付けて(吸着塔61,62では図示を省略した)吸着剤の再生を行っても良い。再生装置には、吸着塔60〜62内を減圧にする減圧装置や、加熱して脱離させる加熱装置を用いることが好ましい。また、吸着塔60〜62内に充填されている吸着剤には活性炭を用いることが、耐久性の点から好ましい。なお、本発明において用いられる活性炭は、繊維状活性炭,粒状活性炭などを用いることができ、特に繊維状活性炭を用いると、消費エネルギーの点から効率良く溶媒の吸着除去を行うことができる。また、吸着剤には活性炭以外のゼオライト,シリカゲルなどを用いることもできる。
【0030】
前記水処理方法によれば、溶媒を含有した水を処理する方法において、前記水を曝気して前記溶媒を揮発し、前記揮発溶媒を溶液製膜に用いられる廃ガス処理装置として必要な吸着装置に吸着させるから、効率良く溶媒の除去回収が可能となり、大気汚染等の環境汚染を防止した廃水を排出することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0032】
ドープ11は、下記の処方のものから調製した。
セルローストリアセテート(酢化度61.2%) 16重量部
トリフェニルホスフェート(TPP) 1.5重量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(BDP) 0.5重量部
ベンゾトリアゾール系UV吸収剤 0.2重量部
酸化ケイ素系マット剤(1次粒子径20nm) 0.1重量部
塩化メチレン(ジクロロメタン) 69重量部
メタノール 10重量部
n−ブタノール 2.6重量部
剥離促進剤 0.1重量部
【0033】
フイルム製膜は、図1に示したフイルム製膜設備10を用いた。34℃のドープ11を流延速度60m/分で流延ダイ15から流延バンド21上に乾燥後のフイルム膜厚が80μmとなるように流延した。流延バンド21から剥取ローラ25で支持しながらフイルム26を剥ぎ取り、テンタ乾燥機27で100℃,1分間乾燥させた。バンドゾーン20内から凝縮機32,回収物処理装置36を用いてガス処理を行った。フイルム26を、120℃の乾燥ゾーン50に送り込み、ローラ51で搬送しながら10分間乾燥させた。得られたフイルム26を巻取機74でま巻き取った。乾燥ゾーン50内から第2ガス処理ライン52を用いてガス処理を行った。
【0034】
廃水38及び廃水72からなる廃水81は、2000kg/時間の液量で曝気装置80に送液された。この廃水81をGC(ガスクロマトグラフィー)を用いて成分分析を行ったところ、ジクロロメタンを2mg/L含有していた。40℃の廃水81を曝気ガス82で曝気すると溶媒ガス83が得られた。溶媒ガス83の成分分析をGCを用いて行ったところ、ジクロロメタンが3ppm(体積比)含まれていた。溶媒ガス83を活性炭が充填されている吸着塔60で回収して大気中に放出した。なお、活性炭には、繊維状活性炭を用いた。このときの大気放出ガス中のジクロロメタンの含有率をGCで測定したところ、1ppm(体積比)であった。また、処理済水84中のジクロロメタン濃度は0.002mg/Lであり、排水基準である0.2mg/Lより含有溶媒量を少なくすることができた。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延し、乾燥させて、製膜する溶液製膜方法において、前記乾燥する際に発生するガスを凝縮し前記溶媒を分離する第1の分離工程と、前記ガス中の溶媒をガス処理ラインの吸着手段により吸着する第2の分離工程と、前記溶液製膜による廃水を曝気し、前記曝気の際に揮発した溶媒を前記吸着手段を用いて吸着する工程を含むから、効率良く溶媒を除去できるため連続して製膜でき、また大気汚染等の環境汚染を防止した廃水を排出することができる。また、溶媒に有機溶媒、特に含塩素系有機溶媒を用いた場合に、吸着手段として活性炭を用いることで、含塩素系有機溶媒の吸着除去回収を効率良く行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶液製膜方法に用いられるフイルム製膜設備の概略図である。
【符号の説明】
10 フイルム製膜設備
11 ドープ
26 フイルム
30,52 ガス処理ライン
38,72,81 廃水
60,61,62 吸着塔
80 トレイ式曝気装置
82 曝気ガス
83 溶媒ガス
84 処理済水

Claims (4)

  1. ポリマーと溶媒とを含むドープを支持体上に流延して流延膜を形成し、フイルムとして剥がす流延工程と、前記支持体から剥がされた前記フイルムを延伸乾燥する第1乾燥工程と、前記第1乾燥工程後の前記フイルムを複数のローラに巻きかけて搬送しながら乾燥する第2乾燥工程とを有する溶液製膜方法において、
    前記流延工程と前記第1乾燥工程とが行われる第1ゾーンのガスを第1凝縮機におくり、第1の空気と第1の前記溶媒とに分けて、前記第1の空気を前記第1ゾーンに送るとともに、前記第1の溶媒を精製して第1精製液とする第1回収工程と、
    前記第2乾燥工程が行われる第2ゾーンのガスを吸着塔におくり、第2の空気と第2の前記溶媒とに分けて、前記第2の空気を前記第2ゾーンに送るとともに、脱着された前記第2の溶媒を第2凝縮機で回収した後精製して第2精製液とする第2回収工程と、
    前記第1精製液と前記第2精製液とを共に、再利用のため成分調整する成分調整工程と、
    前記第1回収工程の前記精製での廃水と前記第2回収工程の前記精製での廃水とを合わせて、爆気装置により爆気する爆気工程と、
    を有し、
    前記爆気工程で揮発した前記溶媒を前記第2ゾーンからのガスとともに前記吸着塔で吸着させ、
    前記第1凝縮機に送る前記第1ゾーンのガスと、前記第1ゾーンにおくる前記第1の空気との間で熱交換をし、
    前記吸着塔におくる前記第2ゾーンのガスと、前記第2ゾーンにおくる前記第2の空気との間で熱交換をすることを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記第1凝縮機は、前記第1ゾーンで揮発した前記第1の溶媒を凝縮回収し、
    前記第2凝縮機は、前記第2ゾーンで揮発した第2の溶媒を吸着回収することを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 前記溶媒は互いに異なるふたつの成分を含む混合物であり、
    前記第2乾燥工程では、第1乾燥工程よりも高い温度かつ長い時間、乾燥を行うことを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
  4. 前記ポリマーはセルロースアシレートであり、前記ふたつの成分のうちの一方はジクロロメタンであることを特徴とする請求項3記載の溶液製膜方法。
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