JP5495672B2 - 気体の再生方法及び設備 - Google Patents

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Description

本発明は、対象物から所定の化合物を取り出すために、気体を対象物へ接触させ、この接触後の気体から当該化合物の取り出しに再利用可能な気体をつくる気体の再生方法及び設備に関する。
ポリマーフィルム(以下「フィルム」とする)は、優れた光透過性や柔軟性を有し、軽量薄膜化が可能であることから、光学機能性フィルムとして多岐に利用されている。この中でも、セルロースアシレート等を用いたセルロースエステル系フィルムは、前述の特性に加えて、さらに強靭性や低複屈折率を有している。このセルロースエステル系フィルムは、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フィルムや光学補償フィルムとして利用されている。
このフィルムの製造方法として溶液製膜方法がある。溶液製膜方法では、まず、流延室においてポリマーと溶剤とが含まれたドープを連続的に流出し支持体上に流延膜を形成する。そして、流延膜が自己支持性を有するものとなった後に、支持体から流延膜を剥ぎ取って湿潤フィルムとする。その後、テンタ室内で湿潤フィルムを搬送させながら乾燥させてフィルムを得る。最後に、フィルムは、乾燥室を経て、巻取装置によって巻き取られる。
溶液製膜方法において、所定の乾燥処理又は自然乾燥により、流延膜、湿潤フィルム、またはフィルムから溶剤が蒸発する。この結果、流延室、テンタ室または乾燥室内には、ガス状の溶剤が充満する。各室内の雰囲気における溶剤の濃度が増大するにつれて、各室における溶剤の蒸発効率は低下してしまう。
そこで、各室内の雰囲気における溶剤の濃度の増大を防ぐために、凝縮処理や吸着処理が行われる。このような凝縮処理や吸着処理を行うことにより、各室における溶剤の蒸発効率を維持または向上することができる。
凝縮工程では、各室内の雰囲気の一部を回収し、この回収された気体(以下、回収気体と称する)を凝縮機に送る。凝縮機では回収気体を冷却する。回収気体の冷却により、回収気体に含まれる溶剤は凝縮し、回収される。凝縮機により溶剤の一部が除去された回収気体は、所定の温度になるまで加熱される。加熱された回収気体は、新たな気体となって各室へ供給される。
また、特許文献1に記載される吸着処理では、各室内の雰囲気の一部を回収し、回収気体を吸着塔に収納された吸着剤に通すことで、回収気体に含まれる溶剤を吸着する。そして、吸着処理により溶剤が取り除かれた回収気体は、新たな気体となって各室へ供給される。更に、溶剤を吸着した吸着剤には脱着工程が施される。脱着処理では、溶剤を吸着した吸着剤に過熱蒸気を通し、吸着剤から溶剤を脱着させる。脱着処理により、吸着剤を吸着処理に再利用することができる。脱着した溶剤は過熱蒸気とともに凝縮機に送られ、凝縮処理が施される。この凝縮処理により、溶剤を含む過熱蒸気は、凝縮液となってしまうものの、蒸留処理により凝縮液から溶剤や水を取り出すことができる。その後、取り出した水を加熱することで、再び過熱蒸気をつくることができる。
特開2003−165129号公報
上述したように、乾燥に用いる気体や脱着に用いる蒸気を再生するための凝縮処理は、資源の再利用を図るために行われている。ところが、この凝縮処理では、回収気体の冷却及び再加熱を行うことから、多大のエネルギーが消費される。したがって、この凝縮処理には、省エネルギーの点で未だ課題が残されている。更に、溶液製膜方法を用いてポリマーフィルムを連続して製造する場合には、凝縮処理を連続で行う必要がある。このため、ポリマーフィルムの連続製造と省エネルギーとの両立が問題となっていた。
本発明は、エネルギー効率に優れた気体の再生方法及び設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、工程中から排出され、化合物を含み、前記化合物の凝縮開始温度がTr1である気体を、前記化合物の凝縮開始温度がTr1よりも低いTr0となるようにすることで、前記工程に供給する気体へと再生する気体の再生方法において、前記化合物はジクロロメタンと酢酸メチルとのいずれか一方であり、前記排出された気体を第1気体と第2気体とに分割する分割工程と、温度が前記凝縮開始温度Tr0よりも低くなるまで前記第1気体のみを冷却することにより、前記第1気体から前記化合物を凝縮して回収する冷却工程と、前記冷却工程前の前記第1気体と前記冷却工程後の前記第1気体との間で、ヒートパイプを用いた熱交換を行うことにより、前記冷却工程前の第1気体を冷却し、前記冷却工程後の前記第1気体を加熱する熱交換工程と、前記分割工程からの前記第2気体と前記熱交換工程によって加熱された前記第1気体とを混合して、前記工程に供給する気体とする混合工程とを有することを特徴とする。
前記混合工程での混合により得られた混合物を加熱する加熱工程を有することが好ましい。前記工程では、前記化合物を含む対象物へ、前記化合物の凝縮開始温度がTr0である気体をあてて、前記工程中から排出される気体は前記対象物から蒸発した前記化合物を含むことが好ましい。また、前記対象物はセルロースアシレートと溶剤とを含むポリマーフィルムであり、前記化合物は前記溶剤であることが好ましい。
前記工程では、前記化合物を含む対象物へ、前記化合物の凝縮開始温度がTr0の気体をあてて、前記工程中から排出される気体は前記対象物から脱着した前記化合物を含むことが好ましい。また、前記対象物は前記化合物が吸着した活性炭であり、前記気体は水蒸気を含むことが好ましい。
また、本発明は、工程中から排出され、化合物を含み、前記化合物の凝縮開始温度がTr1である気体を、前記化合物の凝縮開始温度がTr1よりも低いTr0となるようにすることで、前記工程に供給する気体へと再生する気体の再生設備において、前記化合物はジクロロメタンと酢酸メチルとのいずれか一方であり、前記排出された気体を第1気体と第2気体とに分割する分割装置と、前記第1気体が流通する第1流路及び前記第2気体が流通する第2流路と接続し、前記第1気体と前記分割装置からの前記第2気体とを混合する混合装置と、前記第1流路に設けられ、温度が前記凝縮開始温度Tr0よりも低い温度となるまで前記第1気体のみを冷却することにより、前記第1気体から前記化合物を凝縮する凝縮装置と、前記第1流路に設けられ、前記凝縮した前記化合物を回収する回収装置と、前記凝縮装置より上流の前記第1流路と前記凝縮装置より下流の前記第1流路とに亘って設けられ、前記凝縮装置に向かう前記第1気体と前記凝縮装置から前記混合装置に向かう前記第1気体との間で熱交換することにより前記凝縮装置に向かう前記第1気体を冷却するとともに前記混合装置に向かう前記第1気体を加熱するヒートパイプとを有することを特徴とする。
前記ヒートパイプと前記混合装置との間に設けられ、前記ヒートパイプで加熱された前記第1気体を加熱する加熱装置を有することが好ましい。気体の再生設備は、前記化合物を含む対象物から前記化合物を蒸発させるために、前記対象物へ前記化合物の前記凝縮開始温度がTr0である気体をあてる乾燥装置と接続してもよい。また、気体の再生設備は、前記化合物を含む対象物から前記化合物を脱着させるために、前記対象物へ前記化合物の前記凝縮開始温度がTr0である気体をあてる脱着装置と接続してもよい。
本発明によれば、排出された気体において化合物の凝縮に寄与しない熱エネルギーの放出量を抑えることが可能となる。したがって、本発明によれば、気体の再生について省エネルギーを実現することができる。
本発明の第1実施形態である脱着蒸気の再生方法の概要を示す工程図である。 第1の脱着蒸気の再生方法を行う第1の脱着蒸気再生設備の概要を示す説明図である。 脱着蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 溶剤含有蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 分割工程により生成した第1蒸気及び第2蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 凝縮工程により第1蒸気が喪失した熱エネルギー量を示す説明図である。 混合工程により得られる混合物が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 混合物の加熱により得られる脱着蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 本発明の第2実施形態である脱着蒸気の再生方法の概要を示す工程図である。 第2の脱着蒸気の再生方法を行う第2の脱着蒸気再生設備の概要を示す説明図である。 本発明の第3実施形態である乾燥空気の再生方法の概要を示す工程図である。 乾燥空気の再生方法を行う乾燥空気再生設備の概要を示す説明図である。 第2の生産ユニットの概要を示す説明図である。 第3の生産ユニットの概要を示す説明図である。 従来の脱着蒸気の再生方法において、吸着剤から溶剤を脱着した後の溶剤含有蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 従来の脱着蒸気の再生方法において、溶剤が凝縮するまで冷却させた後の溶剤含有蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。 従来の脱着蒸気の再生方法において、凝縮後の溶剤含有蒸気の加熱により得られる脱着蒸気が有する熱エネルギー量を示す説明図である。
図1に示すように、脱着気体の再生方法10は、回収工程11と、分割工程12と、凝縮工程13と、混合工程14と、加熱工程15と、供給工程16とを有する。なお、脱着気体の再生方法10に脱着工程18を含めてもよい。脱着工程18では、溶剤を吸着した吸着剤(以下、処理後吸着剤)21に過熱蒸気22を接触させる。過熱蒸気22との接触により、処理後吸着剤21に吸着された溶剤が脱着する結果、処理後吸着剤21は、溶剤の吸着に利用可能な処理前吸着剤23となり、過熱蒸気22は脱着した溶剤を含む溶剤含有蒸気24となる。回収工程11では脱着工程18で生じた溶剤含有蒸気24を回収する。分割工程12では回収された溶剤含有蒸気24を、第1蒸気24a及び第2蒸気24bに分割する。凝縮工程13では、第1蒸気24aから溶剤27が凝縮するまで、第1蒸気24aを冷却する。混合工程14では、水や蒸気を含む残留物と第2蒸気24bとを混合して、混合物29をつくる。加熱工程15では、混合物29を加熱して過熱蒸気22をつくる。供給工程16では、脱着工程18が行われる装置へ過熱蒸気22を供給する。各工程11〜16を繰り返し行うことで、脱着工程18によって生じた溶剤含有蒸気24から、脱着工程18で再利用可能な過熱蒸気22を再生することが可能となる。なお、混合物29は、気体と液体と気体及び液体が共存するものとのいずれであってもよい。また、溶剤27は、後述するドープの調製のために再利用してもよい。
図2に示すように、溶液製膜設備30は、配管31a及び31bにより乾燥空気再生設備32と接続する。また、乾燥空気再生設備32は、配管33a及び33bにより脱着蒸気再生設備34と接続する。
(溶液製膜設備)
溶液製膜設備30は、ポリマー35及び溶剤27を含むドープ36から、フィルム37を製造するものであり、流延室41とテンタ室42と乾燥室43とを有する。流延室41では、ドープ36を用いて流延膜47を形成する膜形成工程、及び流延膜47の剥ぎ取り工程が行われる。流延室41は、走行するエンドレスバンド48と、エンドレスバンド48に向けてドープ36を連続的に流出するダイ49と、流延膜47をエンドレスバンド48から剥ぎ取る剥ぎ取りローラ50とを有する。流延室41内は乾燥空気で充満しているため、流延室41内にある流延膜47から溶剤が蒸発する。溶剤の蒸発により自己支持性を有するものとなった流延膜47は、剥ぎ取りローラ50によりエンドレスバンド48から剥ぎ取られる。
エンドレスバンド48から剥ぎ取られた流延膜47は、湿潤フィルム53として乾燥空気400が充満するテンタ室42へ案内される。テンタ室42では、湿潤フィルム53の耳部を把持して搬送しながら、湿潤フィルム53を乾燥するものである。テンタ室42における乾燥処理により、湿潤フィルム53から溶剤が蒸発し、湿潤フィルム53はフィルム37となる。フィルム37は、テンタ室42から、乾燥空気400が充満する乾燥室43へ送られる。
乾燥室43では、フィルム37が乾燥空気400に接触する乾燥処理が行われる。この乾燥処理により、フィルム37から溶剤が蒸発する。乾燥室43から送り出されたフィルム37は、巻取り装置により巻き芯に巻き取られる。
(乾燥空気再生設備)
乾燥空気再生設備32は、乾燥室43内の乾燥空気400の一部を溶剤含有空気401として回収し、新たな乾燥空気400を乾燥室43へ供給するものであり、吸着塔56a〜56bを有する。乾燥室43では、フィルム37から溶剤が蒸発するため、溶剤含有空気401には溶剤が含まれる。
吸着塔56a及び吸着塔56bには、吸着剤58a及び吸着剤58bがそれぞれ着脱自在に収納されている。各吸着塔56a〜56b及び乾燥室43の間には、溶剤含有空気401が流通する配管31a、及び乾燥空気400が流通する配管31bが設けられる。配管31a及び配管31bには、それぞれ切り替え弁60a及び60bが設けられている。図示しない制御部は、切り替え弁60a及び60bの操作により、吸着塔56a及び吸着塔56bのうちいずれか一方を溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給元にする。溶剤含有空気401が吸着剤56aや吸着剤56bと接触すると、溶剤含有空気401に含まれる溶剤が吸着剤56aや吸着剤56bに吸着される。この吸着処理により、溶剤含有空気401から新たな乾燥空気400を得ることができる。
配管33a及び33bは、各吸着塔56a〜56b及び脱着蒸気再生設備34と接続する。配管33aは溶剤含有蒸気24が流通するものであり、配管33bは過熱蒸気22が流通するものである。各配管33a及び33bには、それぞれ切り替え弁62a及び62bが設けられている。図示しない制御部は、切り替え弁62a及び62bの操作により、吸着塔56a及び吸着塔56bのうちいずれか一方を、溶剤含有蒸気24の回収先及び過熱蒸気22の供給源にする。溶剤を吸着した吸着剤56aや吸着剤56bが過熱蒸気22に接触すると、吸着していた溶剤が脱着される。この脱着処理により、溶剤を吸着した吸着剤56aや吸着剤56bは、再び吸着処理に利用可能な状態となり、過熱蒸気22は溶剤含有蒸気24となる。
(脱着蒸気再生設備)
脱着蒸気再生設備34は、吸着塔56a、56bから溶剤含有蒸気24を回収して、吸着塔56a、56bへ過熱蒸気22を供給するものであり、吸着塔56a、56bから溶剤含有蒸気24を回収する回収ブロワ66と、吸着塔56a、56bへ過熱蒸気22を供給する供給ブロワ67と、回収ブロワ66及び供給ブロワ67の間に設けられる生産ユニット68とを有する。配管33a、33bにより、生産ユニット68は吸着塔56a及び吸着塔56bと接続する。回収ブロワ66は、配管33aに設けられる。供給ブロワ67は、配管33bに設けられる。
(生産ユニット)
生産ユニット68は、溶剤含有蒸気24に所定の処理を施して、脱着処理に利用可能な過熱蒸気22をつくるものであり、配管33aと接続する分割弁71と、配管33bと接続する合流箱72と、分割弁71及び合流箱72を接続する第1配管73a及び第2配管73bと、第1配管37aに設けられる凝縮装置75及び蒸留装置76と、供給ブロワ67及び合流箱72の間の配管33bに設けられるヒータ77とを有する。分割弁71は、溶剤含有蒸気24を第1蒸気24a及び第2蒸気24bに分割する。分割された第1蒸気24aは、分割弁71から合流箱72に向かって第1配管73aを流通する。分割された第2蒸気24bは、分割弁71から合流箱72に向かって第2配管73bを流通する。
凝縮装置75は、第1蒸気24aを冷却して、第1蒸気24aに含まれる溶剤や水を凝縮するものであり、第1蒸気24aが導入されるケーシング75aと、ケーシング75aの内部に設けられ、冷水404が流通する冷却管75bと、ケーシング75aの外部に設けられ、冷却管75bと接続する冷却機75cを有する。ケーシング75aに導入された第1蒸気24aは、冷水404が流通する冷却管75bとの接触により冷却される。第1蒸気24aの冷却により、第1蒸気24aから水や溶剤が凝縮し、冷水404は温水405となる。凝縮した水や溶剤は凝縮液となって、第1蒸気24aとともに凝縮装置75から送り出される。また、温水405は冷却機75cにより冷却され、新たな冷水404となる。そして、新たな冷水404は冷却管75bへ供給される。
蒸留装置76は、凝縮液に蒸留処理を行い、凝縮液から水と溶剤27とを取り出すものであり、第1蒸気24aの流れ方向において、凝縮装置75よりも下流側に設けられる。蒸留処理により得られた水は、第1蒸気24aとともに、合流箱72へ送られる。蒸留処理により得られた溶剤27は、溶剤27はドープ36の調製に再利用される。
合流箱72は、第1蒸気24a、水及び第2蒸気24bを混合して、混合物29をつくる。混合物29は、液体と、気体と、液体及び気体が共存するものとのいずれでもよい。ヒータ77は、混合物29を加熱して過熱蒸気22をつくる。制御部82は、分割弁71の開閉操作、ヒータ77による過熱蒸気22の温度を調節する。
次に、乾燥空気再生設備32にて行われる吸着処理及び脱着処理について説明する。図示しない制御部は、切り替え弁60a、60b、62a及び62bの操作により、溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給元は吸着塔56aとなっており、過熱蒸気22の回収先及び溶剤含有蒸気24の供給元は吸着塔56bとなっている。溶剤含有空気401は吸着塔56aへ供給される。吸着塔56aでは、溶剤含有空気401に対し吸着処理が行われる。吸着処理により、溶剤含有空気401は新たな乾燥空気400となる。吸着塔56aから送り出された乾燥空気400は、配管31bを介して、乾燥室43へ供給する。これにより、乾燥室43内の雰囲気における溶剤の濃度を調節することができる。
吸着塔56aにおいて、吸着処理が施された溶剤含有空気401の量が一定値になると、図示しない制御部は、切り替え弁60a、60b、62a及び62bの操作により、溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給元は吸着塔56bに切り替えられ、過熱蒸気22の回収先及び溶剤含有蒸気24の供給元は吸着塔56aに切り替えられる。これにより、溶剤含有空気401は吸着塔56bへ供給される。吸着塔56bでは、吸着塔56aと同様の吸着処理が行われる。吸着塔56aと同様の吸着処理を溶剤含有空気401に施すことにより得られた乾燥空気400は、配管31bを介して乾燥室43へ供給される。
吸着塔56aには過熱蒸気22が供給され、吸着剤58bに脱着処理が施される。吸着塔56aにおける脱着処理により、吸着剤58aに吸着した溶剤が脱着する。脱着した溶剤は、過熱蒸気22とともに、溶剤含有蒸気24となって、生産ユニット68へ送られる。また、生産ユニット68は、新たな過熱蒸気22を吸着塔56aへ供給する。
吸着塔56bにおいて、吸着処理が施された溶剤含有空気401の量が一定値になると、図示しない制御部により、溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給元は再び吸着塔56aに切り替えられ、過熱蒸気22の回収先及び溶剤含有蒸気24の供給元は再び吸着塔56bに切り替えられる。このように、各気体の回収先及び供給元を適宜切り替えることにより、各吸着塔56a〜56bにおいて吸着処理、脱着処理が交互に行われる。なお、合流箱72において、第1蒸気24a、水、及び第2蒸気24bを混合したが、本発明はこれに限られず、第1蒸気24a及び第2蒸気24bを混合してもよいし、水及び第2蒸気24bを混合してもよい。
次に、本発明の作用について説明する。図2に示すように、脱着蒸気再生設備34から乾燥空気再生設備32へ供給される過熱蒸気22が有する熱エネルギーQ1は、(c・m0・T0)と表される。ここで、cは過熱蒸気22の比熱、m0は過熱蒸気22の質量、そして、T0は過熱蒸気22の温度である。過熱蒸気22の熱エネルギーQ1は、図3に示すように、過熱蒸気22の質量m及び過熱蒸気22の比熱cの積を縦軸にとり、過熱蒸気22の温度Tを横軸にとったときグラフにおいて、ハッチング部H0の面積で表される。また、脱着蒸気再生設備34から乾燥空気再生設備32へ供給される過熱蒸気22における溶剤27の凝縮温度TrはTr0である。ここで、溶剤27の凝縮温度Trとは、溶剤を含む気体を冷却していったときに、気体に含まれる溶剤の凝縮が開始する温度をいう。
(脱着工程)
図2に示すように、乾燥空気再生設備32へ供給された過熱蒸気22が溶剤を吸着した吸着剤と接触すると、過熱蒸気22により吸着剤に吸着された溶剤は脱着され、そして、脱着した溶剤は過熱蒸気22とともに溶剤含有蒸気24となる。この結果、図4に示すように、溶剤含有蒸気24が有する熱エネルギーはほとんど変わらないが、溶剤含有蒸気24の凝縮温度Trは、Tr1へと高くなる。
(回収工程及び分割工程)
図2に示すように、乾燥空気再生設備32にて生成した溶剤含有蒸気24は、回収ブロワ66により分割弁71へ送られる。分割弁71は、溶剤含有蒸気24を第1蒸気24a及び第2蒸気24bに分割する。図5に示すように、第1蒸気24aの質量をmaとすると、第1蒸気24aが有する熱エネルギーは、c・ma・T0で表され、第2蒸気24bが有する熱エネルギーは、c・(m0−ma)・T0で表される。第1蒸気24a及び第2蒸気24bの凝縮温度Trは、それぞれTr1のままである。
(凝縮工程)
図2に示すように、凝縮装置75に送られた第1蒸気24aは、温度Tr2になるまで冷却される。この冷却により、図6に示すように、第1蒸気24aは熱エネルギーΔQ1を失う。熱エネルギーΔQ1は、{c・ma・(T0−Tr2)}であり、ハッチング部H1の面積に相当する。更に、温度Tr2は冷却前の第1蒸気24aの凝縮温度Tr1よりも低いため、この冷却により所定量の溶剤が第1蒸気24aから凝縮、冷却された第1蒸気24aの凝縮温度もTr2となる。なお、第2蒸気24bの凝縮温度はTr1のままである。
(混合工程)
図2に示すように、合流箱72では、第1蒸気24a、水、及び第2蒸気24bが合流し、混合物29となる。図7に示すように、混合物29の温度は、温度Tr2よりも高く温度T0よりも低いT3である。また、分割工程12における第1蒸気24aの質量ma、及び凝縮工程13における温度Tr2が、溶剤の蒸気圧曲線に基づいて適正な値に調節されているため、混合物29における凝縮温度はTr0となる。
(加熱工程)
図2に示すように、ヒータ77の加熱により、混合物29から、温度がT0であり凝縮温度がTr0の過熱蒸気22を得ることができる。図8に示すように、混合物29が得た熱エネルギーΔQ2は、{c・ma・(T0−T3)}と表され、ハッチング部H2の面積に相当する。
一方、従来の方法において、温度T0、凝縮温度Tr1の溶剤含有蒸気24から、温度T0、凝縮温度Tr0の過熱蒸気22を得るためには、温度T0、凝縮温度Tr1の溶剤含有蒸気24を回収する処理(図15参照)と、溶剤含有蒸気24全体を温度Tr0まで冷却する処理(図16参照)と、温度T0になるまで溶剤含有蒸気24全体を加熱する処理(図17参照)とが必要にある。しかしながら、この凝縮処理において、溶剤含有蒸気24から奪われる熱エネルギーのうち、溶剤含有蒸気24から溶剤の凝縮に寄与しない熱エネルギーΔQcは、c・m0・(T0−Tr1)で表され、図16のハッチング部Hcの面積に相当する。更に、凝縮処理の後に行われる加熱処理では、溶剤含有蒸気24へ熱エネルギーΔQcと同量の熱エネルギーを与えなければならない。したがって、溶剤含有蒸気24から過熱蒸気22を得る際、省エネルギーを実現するためには、溶剤含有蒸気24から過熱蒸気22を得るために必要な熱エネルギーに対する熱エネルギーΔQcの割合を小さくしなければならない。
本発明では、分割工程12により、溶剤含有蒸気24を第1蒸気24a及び第2蒸気24bに分割した後、一方の第1蒸気24aのみに凝縮工程13を行うため、溶剤含有蒸気24から過熱蒸気22を得るために必要な熱エネルギーに対する熱エネルギーΔQcの割合を小さくすることができる。したがって、本発明によれば、溶剤含有蒸気24から過熱蒸気22を得る際、省エネルギーを実現することができる。
上記実施形態では、乾燥室43から溶剤含有空気401を回収して、乾燥室43へ乾燥空気400を供給したが、本発明はこれに限られず、溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給先は、流延室41、テンタ室42、または乾燥室43のうちいずれか1つでもよいし、流延室41、テンタ室42、または乾燥室43のうち複数の組み合わせでもよい。
なお、ドープ36に添加剤が含まれている場合には、溶剤含有空気401には溶剤とともに添加剤が含まれている場合がある。添加剤を含む溶剤含有空気401をそのまま乾燥空気再生設備32へ供給すると、脱着塔の内壁などに添加剤が付着してしまう。そこで、配管31aに、凝縮装置75と同様の添加剤除去装置を設けてもよい。この添加剤除去装置は、溶剤含有空気401が導入されるケーシングと、ケーシング内に設けられた冷却管と、ケーシングの外部に設けられ、冷却管と接続する冷却部とを有する。ケーシング内に導入された溶剤含有空気401は冷却管との接触により冷却され、溶剤含有空気401に含まれる添加剤が冷却管の外壁に付着する。こうして、添加剤除去装置は、溶剤含有空気401に含まれる添加剤を取り出すことができる。
上記実施形態では、混合工程14によって得られた混合物に対して加熱工程15を行ったが、本発明はこれに限られず、図9に示すように、混合工程14を行う前の第1蒸気24aについてのみ加熱工程15を行なう脱着蒸気の再生方法100としてもよい。図10に示すように、脱着蒸気再生設備104は、脱着蒸気の再生方法100を行うものであり、回収ブロワ66と、供給ブロワ67と、生産ユニット105とを有する。生産ユニット105はヒータ77が第1配管73aの蒸留装置76よりも下流側に設けられていること以外は、生産ユニット68(図2参照)と同様の構成を有する。
上記実施形態では、本発明は、溶剤を吸着した吸着剤から溶剤を脱着するための脱着蒸気の再生方法に限られず、フィルムに含まれる溶剤を蒸発させるための乾燥空気の再生方法でもよい。図11に示すように、乾燥空気の再生方法120は、回収工程11と、分割工程12と、凝縮工程13と、混合工程14と、加熱工程15と、供給工程16とを有する。なお、乾燥空気の再生方法120に乾燥工程128を含めてもよい。乾燥工程128では、ポリマー及び溶剤を含むドープの流出により支持体に形成した流延膜47へ乾燥空気400をあてて、流延膜47に含まれる溶剤を蒸発させる。溶剤の蒸発により、流延膜47は湿潤フィルム53となり、乾燥空気400は溶剤含有空気401となる。回収工程11では乾燥工程128で生じた溶剤含有空気401を回収する。分割工程12では回収された溶剤含有空気401を第1空気401a及び第2空気401bに分割する。凝縮工程13では、第1空気401aを冷却して、第1空気401aから溶剤27を凝縮する。混合工程14では、凝縮工程13を経た第1空気401aと第2蒸気24bとを混合して、混合空気129をつくる。加熱工程15では、混合空気129を加熱して乾燥空気400をつくる。供給工程16では、乾燥工程128が行われる装置へ乾燥空気400を供給する。乾燥空気の再生方法120を行うことで、乾燥工程128によって生じた溶剤含有空気401から、乾燥工程128で利用可能な乾燥空気400を再生することが可能となる。
図12に示すように、乾燥空気再生設備134は、乾燥空気の再生方法120を行うものであり、脱着蒸気再生設備34と同様の構成を有する。乾燥空気再生設備134に設けられる回収ブロワ66は、配管133aにより、流延室41と接続する。乾燥空気再生設備134に設けられる供給ブロワ67は、配管133bにより、流延室41と接続する。配管133aは溶剤含有空気401が流通するものであり、配管133bは乾燥空気400が流通するものである。
なお、本発明は、生産ユニット68に限られず、図13に示す生産ユニット168を用いてもよい。生産ユニット168は、ケーシング169、170を有する。ケーシング169の内部には、仕切り173が設けられる。仕切り板173は、ケーシング169の内部を、第1室171及び第2室172に仕切る。仕切り173には分岐口173aが設けられる。ケーシング169には、開口部169a〜169dが設けられる。第1室171は、開口部169aを介して、乾燥空気再生設備32(図2参照)と接続する。第2室172は、開口部169bを介して、乾燥空気再生設備32(図2参照)と接続する。第2室172には、ヒータ177が設けられる。
ケーシング170の内部には仕切り部材180が設けられる。仕切り部材180は、ケーシング170の内部を第1室181〜第3室183に仕切る。ケーシング170には開口部170a〜170bが設けられる。第1室181は、開口部170a及び開口部169cを介して、第1室171と接続する。第3室183は、開口部170b及び開口部169dを介して、第2室172と接続する。仕切り部材180のうち、第1室181及び第2室182を仕切る部分には第1開口部180aが設けられる。また、仕切り部材180のうち、第2室182及び第3室183を仕切る部分には第2開口部180bが、第1室181及び第3室183を仕切る部分には第3開口部(図示しない)が設けられる。ヒートパイプ187は、第3開口部に挿入され、第1室181及び第3室183にかけて配される。第2室181には、凝縮装置75が設けられる。凝縮装置75には、蒸留装置76が接続する。
また、第1室171には、図示しない送風機が設けられる。送風機は、開口部169cを介して第1室181へ送り出される第1蒸気24aの流量、及び分岐口173aを介して第2室172へ送り出される第2蒸気24bの流量を調節する。
次に、生産ユニット168における本発明の作用を説明する。回収ブロワ67により、乾燥空気再生設備32から脱着蒸気再生設備34へ溶剤含有蒸気24が送り出される。脱着蒸気再生設備34へ送り出された溶剤含有蒸気24は、第1室171に導入される。第1室171では、第1室171に導入された溶剤含有蒸気24を、第1蒸気24a及び第2蒸気24bに分割する分割工程12(図1参照)が行われる。第1蒸気24aはケーシング170へ送られ、第2蒸気24bは第2室172へ送られる。ケーシング170へ送られた第1蒸気24aは、第1室181〜第3室183と順次送られる。
第2室182では、第1蒸気24aに含まれる溶剤が凝縮するまで第1蒸気24aを冷却する凝縮工程13(図1参照)が行われる。ヒートパイプ187は、凝縮工程13(図1参照)を行う前の第1蒸気24aと、凝縮工程13(図1参照)を行った後の第1蒸気24aとの間で熱交換を行なう。ヒートパイプ187の熱交換により、凝縮工程13(図1参照)を行う前の第1蒸気24aは冷却され、凝縮工程13(図1参照)を行った後の第1蒸気24aは加熱される。第3室183に送られた第1蒸気24aは、ケーシング169の第2室172に送られる。
第2室172では、第2蒸気24b及び凝縮工程13を経た第1蒸気24aを混合する混合工程14(図1参照)が行われ、混合物29(図1参照)が生成する。更に、第2室172では、ヒータ177により、混合物29を加熱する加熱工程15(図1参照)が行われる。加熱工程15(図1参照)により、混合物29から過熱蒸気22が得られる。そして、過熱蒸気22は、供給ブロワ67により、乾燥空気再生設備32へ送られる。
なお、第3室183において、開口部170b及びヒートパイプ187の間に予備ヒータを設けてもよい。予備ヒータは、ヒートパイプ187によって加熱された第1蒸気24aの予備加熱を行うことができる。
なお、図14に示すように、生産ユニット168において、ケーシング169を省略してもよい。この場合には、仕切り部材180のうち、第1室181及び第3室183を仕切る部分に第4開口部180dを設けてもよい。第4開口部180dは、第3開口部よりも開口部170a側または開口部170b側に設けることが好ましい。更に、ヒータ177と同様のヒータを第3室183に設けてもよい。ヒータは、ヒートパイプ187と開口部170bとの間に配することが好ましい。ヒータにより、第1蒸気24a及び第2蒸気24bの混合物29を加熱することができる。なお、ヒータは、ケーシングの外部に設け、開口部170bから送り出された混合物29を加熱してもよい。
上記実施形態では、流延室41から溶剤含有空気401を回収して、乾燥室43へ乾燥空気400を供給したが、本発明はこれに限られず、溶剤含有空気401の回収先及び乾燥空気400の供給先は、流延室41、テンタ室42、または乾燥室43のうちいずれか1つでもよいし、流延室41、テンタ室42、または乾燥室43のうち複数の組み合わせでもよい。
上記実施形態では、溶液製膜設備や乾燥空気再生設備で発生した溶剤を含む気体を回収したが、本発明はこれに限らず、溶液製膜設備や乾燥空気再生設備、その他の製造設備で発生した化合物を含む気体を回収して、回収した気体から化合物を取り出す場合にも適用できる。
上記実施形態では、分割工程12において、溶剤含有蒸気24や溶剤含有空気401を2つに分割したが、本発明はこれに限られず、溶剤含有蒸気24や溶剤含有空気401を3つ以上に分割してもよい。分割工程12において、溶剤含有蒸気24や溶剤含有空気401を3つ以上に分割した場合は、分割された気体のうち、少なくとも1つを除く他の気体についてのみ凝縮工程13を行えばよい。
(ドープ)
ドープ36は、ポリマー35及び溶剤27を含む液である。ドープ36には、ポリマー35を溶剤27に溶解して得られるポリマー溶液、及びポリマー35を溶剤27に分散して得られる分散液の両方が含まれる。ドープ36におけるポリマー35の濃度は、15質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(ポリマー)
フィルム37の原料となるポリマー35としては、例えば、セルロースアシレート、ラクトン環含有重合体、環状オレフィン、ポリカーボネイト等が挙げられる。中でも好ましいのがセルロースアシレート、環状オレフィンであり、中でも好ましいのがアセテート基、プロピオネート基を含むセルロースアシレート、付加重合によって得られた環状オレフィンであり、さらに好ましくは付加重合によって得られた環状オレフィンである。セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。
(溶剤)
溶剤27としては、例えば、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。
これらの中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度など及びフィルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対し2重量%〜25重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない場合の溶剤組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらを適宜混合して用いることがある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶剤が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステル及びアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステル及びアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−及び−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶剤として用いることができる。
なお、溶剤27としては、ポリマー35の良溶媒であることが好ましい。ある物質がポリマー35の貧溶媒であるか良溶媒であるかの判断は次のようにして行う。まず、温度5℃以上30℃以下の範囲内において、ポリマー35が全重量の5質量%となるように当該物質とポリマーとを混合する。そして、その混合物中に不溶解物が有る場合には当該物質は貧溶媒であり、その混合物中に不溶解物がない場合には当該物質は良溶媒であると判断することができる。
10 脱着蒸気の再生方法
11 回収工程
12 分割工程
13 凝縮工程
14 混合工程
15 加熱工程
16 供給工程
22 過熱蒸気
24 溶剤含有蒸気
24a 第1蒸気
25b 第2蒸気
34 脱着蒸気再生設備

Claims (10)

  1. 工程中から排出され、化合物を含み、前記化合物の凝縮開始温度がTr1である気体を、前記化合物の凝縮開始温度がTr1よりも低いTr0となるようにすることで、前記工程に供給する気体へと再生する気体の再生方法において、
    前記化合物はジクロロメタンと酢酸メチルとのいずれか一方であり、
    前記排出された気体を第1気体と第2気体とに分割する分割工程と、
    温度が前記凝縮開始温度Tr0よりも低くなるまで前記第1気体のみを冷却することにより、前記第1気体から前記化合物を凝縮して回収する冷却工程と、
    前記冷却工程前の前記第1気体と前記冷却工程後の前記第1気体との間で、ヒートパイプを用いた熱交換を行うことにより、前記冷却工程前の第1気体を冷却し、前記冷却工程後の前記第1気体を加熱する熱交換工程と、
    前記分割工程からの前記第2気体と前記熱交換工程によって加熱された前記第1気体とを混合して、前記工程に供給する気体とする混合工程とを有することを特徴とする気体の再生方法。
  2. 前記混合工程での混合により得られた混合物を加熱する加熱工程を有することを特徴とする請求項1記載の気体の再生方法。
  3. 前記工程では、前記化合物を含む対象物へ、前記化合物の凝縮開始温度がTr0である気体をあてて、
    前記工程中から排出される気体は前記対象物から蒸発した前記化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の気体の再生方法。
  4. 前記対象物はセルロースアシレートと溶剤とを含むポリマーフィルムであり、
    前記化合物は前記溶剤であることを特徴とする請求項3記載の気体の再生方法。
  5. 前記工程では、前記化合物を含む対象物へ、前記化合物の凝縮開始温度がTr0である気体をあてて、
    前記工程中から排出される気体は前記対象物から脱着した前記化合物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の気体の再生方法。
  6. 前記対象物は前記化合物が吸着した活性炭であり、前記気体は水蒸気を含むことを特徴とする請求項5記載の気体の再生方法。
  7. 工程中から排出され、化合物を含み、前記化合物の凝縮開始温度がTr1である気体を、前記化合物の凝縮開始温度がTr1よりも低いTr0となるようにすることで、前記工程に供給する気体へと再生する気体の再生設備において、
    前記化合物はジクロロメタンと酢酸メチルとのいずれか一方であり、
    前記排出された気体を第1気体と第2気体とに分割する分割装置と、
    前記第1気体が流通する第1流路及び前記第2気体が流通する第2流路と接続し、前記第1気体と前記分割装置からの前記第2気体とを混合する混合装置と、
    前記第1流路に設けられ、温度が前記凝縮開始温度Tr0よりも低い温度となるまで前記第1気体のみを冷却することにより、前記第1気体から前記化合物を凝縮する凝縮装置と、
    前記第1流路に設けられ、前記凝縮した前記化合物を回収する回収装置と、
    前記凝縮装置より上流の前記第1流路と前記凝縮装置より下流の前記第1流路とに亘って設けられ、前記凝縮装置に向かう前記第1気体と前記凝縮装置から前記混合装置に向かう前記第1気体との間で熱交換することにより前記凝縮装置に向かう前記第1気体を冷却するとともに前記混合装置に向かう前記第1気体を加熱するヒートパイプとを有することを特徴とする気体の再生設備。
  8. 前記ヒートパイプと前記混合装置との間に設けられ、前記ヒートパイプで加熱された前記第1気体を加熱する加熱装置を有することを特徴とする請求項7記載の気体の再生設備。
  9. 前記化合物を含む対象物から前記化合物を蒸発させるために、前記対象物へ前記化合物の前記凝縮開始温度がTr0である気体をあてる乾燥装置と接続することを特徴とする請求項7または8記載の気体の再生設備。
  10. 前記化合物を含む対象物から前記化合物を脱着させるために、前記対象物へ前記化合物の前記凝縮開始温度がTr0である気体をあてる脱着装置と接続することを特徴とする請求項7または8記載の気体の再生設備。
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