JP5824677B2 - 有機溶剤ガス処理装置および処理方法 - Google Patents

有機溶剤ガス処理装置および処理方法 Download PDF

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    • B01D53/06Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by adsorption, e.g. preparative gas chromatography with moving adsorbents, e.g. rotating beds

Description

本発明は、工場などから排出された、有機溶剤を含む排気ガスから溶剤を回収する有機溶剤ガス処理装置および処理方法に関する。
液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、電池といった電子部品では、一括大量に生産するために、インクジェット法、グラビア法、ダイコーティング法といった印刷工程や塗布工程を利用した製造方法が行われている。これらの工程では、大気圧環境で作業ができるという利点がある一方、使用する材料を液状化しなければならないという制約がある。
材料を液状化するために、さまざまな溶剤が利用される。しかし、これらの溶剤は材料を所定の層として形成した後は不要となるため、気化蒸発させる。すなわち、塗布工程を有する工場からは、溶剤を含んだ大量の排気ガスが排出される。使用される溶剤の中には、150℃以上の高沸点の有機溶剤が含まれる場合があり、これらの有機溶剤を含んだ排気ガスをそのまま排出するのは、環境衛生上好ましくない。そこで、排ガス中の高沸点の有機溶剤を回収する有機溶剤ガス処理装置が提案されている。
特許文献1には、溶剤を含む被処理ガスを、ゼオライトや活性炭などの吸着剤を有する吸着ロータを用いて、溶剤を含む被処理ガスから溶剤を除去する装置の基本構成が開示されている。この装置は、被処理ガスからの溶剤の除去を連続的に行うための装置である。
図3に、特許文献1に開示された発明の概略を示す。有機溶剤ガス処理装置100は、吸着ロータ101と、冷却除湿手段105と、ヒータ106と、凝縮器107を含む。吸着ロータ101は、疎水性ゼオライト等の有機溶剤吸着剤を有しており、吸着ゾーン102、パージゾーン103および脱着ゾーン104に分割されている。
有機溶剤蒸気と空気の混合物である有機溶剤ガス120は、まず、吸着ゾーン102に送られる。有機溶剤ガス120は、吸着ゾーン102を通過する際に、有機溶剤成分が吸着剤に吸着され、有機溶剤成分と空気に分離され浄化される。そして吸着ゾーン102を出た浄化空気121は大気に放出される。
一方、大気中から導入された脱着用空気122は、冷却除湿手段105を通過され、水分を分離され、低温の乾燥した空気となる。この脱着用空気122は、パージゾーン103を通過することで、パージゾーン103を冷却する。冷却されたパージゾーン103の吸着剤は、吸着ゾーン102に向かい、有機溶剤ガス120から溶剤を除去する。
パージゾーン103を通過して、温度が上昇した脱着用空気122は、ヒータ106でさらに温度を上げて、脱着ゾーン104に送られる。脱着ゾーン104では、吸着剤の温度が上げられることで、吸着剤が有機溶剤を脱着する。これで、吸着ゾーン102で吸着剤に吸着した有機溶剤を吸着剤から脱着させることができる。そして、上記のように、吸着剤はパージゾーン103で温度を下げられ、再び有機溶剤を吸着できる状態となり、吸着ゾーン102に向かう。
脱着ゾーン104を通過した有機溶剤を含む脱着用空気122は、凝縮器107によって冷却され有機溶剤が凝縮分離される。凝縮された有機溶剤は保管タンク108に貯留される。凝縮器107を通過して有機溶剤が凝縮分離された脱着用空気122は、再び有機溶剤ガス120に合流され、吸着ゾーン102を通過させる。脱着用空気122中に残留している有機溶剤を再度除去するためである。
このように、円筒形状の吸着ロータ101を回転させながら、溶剤の吸着・脱着を繰り返すことで、連続的に溶剤の回収を行うことができる。
特開2009−066578号公報
上記の溶剤除去のための装置は、連続的に有機溶剤ガスから溶剤を回収できる点で有用な構成を有している。しかし、以下のような課題を有していた。
まず、脱着用空気122を冷却してパージゾーン103に通し、パージゾーン103を通過した脱着用空気122をヒータ106で加熱して脱着ゾーン104へ通し、さらに凝縮器107で冷却して有機成分を液化するようにしているため、吸着ロータ101の前後に冷却除湿手段105、ヒータ106をエアリークなく配置する必要があり、その制御も複雑となる。
また、有機溶剤ガス120を回収するためには、空気を冷却、加熱、冷却する冷熱工程を通すことになり、エネルギー消費量も大きくなる。
また、凝縮器107を通過した冷却された脱着用空気122を有機溶剤ガス120に混合して処理しているので、吸着ロータ101への風量負荷が多くなり、空気温度や処理風量も変動しやすくなり、吸着効率に影響する。
本発明は上記のような課題に鑑みて想到されたものである。すなわち、吸着ロータを用いて行う有機溶剤ガス処理の連続運転において、より簡便な構成で、またエネルギー使用効率の高い有機溶剤ガス処理装置および処理方法を提供することを目的とする。
具体的には、本発明の有機溶剤ガス処理装置は、
円筒形の両底面をフィルタ面として、前記円筒形の長手方向の回転軸を枢軸とする吸着ロータと、
前記フィルタ面を、吸着ゾーン、再生ゾーンおよびパージゾーンの3つの領域に分割する回転しないゾーンフレームと、
前記吸着ロータを前記吸着ゾーンから前記再生ゾーンの方向に回転させる回転手段と、
前記吸着ゾーンの上流側に配設されたクーラーユニットと、有機溶剤を含有した被処理ガスを前記再生ゾーンの入り口に導く被処理ガス流路と、
前記被処理ガスは塗工機から排出され、110℃以上180℃以下であり、
前記再生ゾーンの出口から排出された高濃度被処理ガスを前記クーラーユニットまで導く液化ガス流路と、
前記クーラーユニットの出口から排出された低濃度被処理ガスを前記吸着ゾーンの入口まで導く吸着ガス流路と、
前記吸着ゾーンの出口から排出された浄化ガスを前記パージゾーンの入口までガスを導くパージガス流路と、
前記パージゾーンの出口から排出されたパージガスを工場に返す再利用ガス流路を有することを特徴とする。
さらに本発明の有機溶剤ガスの処理方法は、
回転する吸着ロータを、吸着ゾーンと、再生ゾーンと、パージゾーンに分割し、有機溶剤を含む被処理ガスを前記各ゾーンに順次通過させて前記被処理ガスから有機溶剤を分離する有機溶剤含有ガスの処理方法において、
塗工機から排出された110℃以上180℃以下である前記被処理ガスに前記再生ゾーンを通過させ高濃度の被処理ガスを得るフィルタ再生工程と、
前記高濃度の被処理ガスを冷却し前記有機溶剤を液化して脱離させ低濃度被処理ガスを得る液化工程と、
前記低濃度被処理ガスに前記吸着ゾーンを通過させ浄化ガスを得る溶剤吸着工程と、
前記浄化空気の一部に前記パージゾーンを通過させるフィルタパージ工程を含み、
前記パージゾーンの出口から排出されたパージガスを工場に返すことを特徴とする。
本発明の構成によれば、従来の構成と比較して、再生ゾーン(従来でいう脱着ゾーン)の上流側の加熱ヒータが不要となり、部品構成や制御装置を簡略化できる。
また、再生ゾーン(従来の脱着ゾーン)を通過したあとのリターン空気と有機溶剤ガスを混合させて吸着ゾーンを通過させることがないので、処理風量を一定に保ち、吸着効率の向上、安定化を図ることができる。
また、塗工機等から排出される高温の有機溶剤ガスを予備冷却するための熱交換器や冷却装置が不要となるので、部品構成や制御装置を簡略化できる。
また、パージゾーンを通過した空気は基本的に浄化された空気であるので、塗工機等へ戻し、再利用することができる。その際、パージゾーンを通過したことで温度が上昇しているので、少し加熱するだけで、塗工機等へ供給する高温空気にすることができる。すなわち、塗工機等と有機溶剤ガス処理装置において、高温気流を循環使用することができ、エネルギーの効率利用が可能となる。
本発明の実施の形態1の有機溶剤ガス処理装置を示す概略構成図 本発明の実施の形態2の有機溶剤ガス処理装置を示す概略構成図 従来の有機溶剤ガス処理装置を示す概略構成図
(実施の形態1)
図1に本実施の形態の有機溶剤ガス処理装置1の構成を示す。本発明の有機溶剤ガス処理装置1は、吸着ロータ2と、クーラーユニット3と、吸着ロータ2を回転させる回転手段4と、工場の塗工機等の再利用地点27から送られてくる被処理ガスを再生ゾーンに導く被処理ガス流路10と、再生ゾーンからクーラーユニット3までをつなぐ液化ガス流路11と、クーラーユニット3から吸着ゾーンまでをつなぐ吸着ガス流路12と、吸着ゾーンからパージゾーンまでをつなぐパージガス流路13を含む。
吸着ロータ2は、上面および下面に蓋のない、円筒形のロータ中に疎水性ゼオライトや活性炭等の有機溶剤吸着剤を担持させたフィルタが充填された構造をしている。従って、上面(若しくは下面)方向から気体を流入させると吸着剤を通過し、下面(若しくは上面)方向に気体が抜ける。吸着ロータ2の上面および下面をフィルタ面と呼ぶ。吸着ロータ2は、円筒形の長手方向の対称軸(すなわち、上面および下面の中心を結ぶ軸)を枢軸として回転される。溶剤の吸着および脱着を循環的に行うためである。
吸着ロータ2の上面および下面(フィルタ面)は、パージゾーン5、再生ゾーン6、吸着ゾーン7の3つのゾーンに分割される。ここで分割されるとは、吸着ロータ2上に固定的に3つのゾーンを形成するのではなく、回転する吸着ロータ2の上面および下面に対して固定された3つのゾーンを決めることを意味する。したがって、吸着ロータ2の上面および下面の特定の点を見れば、吸着ロータ2の回転に従って、3つのゾーンを順に通過することになる。
より具体的には、これらの3つのゾーンを形成するのは、回転する吸着ロータ2の上面および下面に対して固定的に設けられたゾーンフレーム8である。ゾーンフレーム8は、回転する吸着ロータ2の上面および下面に平行に設けられた枠である。ゾーンフレーム8は、被処理ガスを吸着ロータ2の上面若しくは下面のどの領域に吹き込むかを決めるものである。
従って、上面若しくは下面の前にその領域の境界を仕切る壁を設けるだけでなく、吸着ロータ2の被処理ガスの入口若しくは出口が吸着ロータ2の上面若しくは下面に形成されていればよい。すなわち、吸着ロータ2のそれぞれのゾーンの上面および下面(フィルタ面)に対して、被処理ガスを送風する送出口があればよい。また、ゾーンフレーム8はそれぞれのゾーンを所定の気密度で仕切るようにしてもよい。
また、吸着ロータ2の上面および下面でゾーンフレーム8は対向して形成される。すなわち、一方の面で被処理ガスの入口とされた領域は、他方の面では、同じ領域の出口とされる。吸着ロータ2内では、被処理ガスはほぼ直進するからである。より具体的な例を示すと、例えば吸着ロータ2の上面側(一方のフィルタ面)で吸着ゾーン7とされた領域は下面側(他方のフィルタ面)でも吸着ゾーン7とされる。
3つのゾーンの並べ方は特に制限されない。しかし、吸着ロータ2は、吸着ゾーン7の次に再生ゾーン6になるように回転させる。吸着ゾーン7で吸着剤に吸着させた有機溶剤を再生ゾーン6で脱離させるからである。
吸着ロータ2を回転させるために、回転手段4(矢印だけで示す)が用意される。回転手段4は、吸着ロータ2の対称軸を枢軸として回転させる。回転させる方法は、ベルト駆動、ギア駆動など特に限定されないが、回転速度は一定の速度であることが必要である。この回転の周期が吸着剤の溶剤の吸着、再生(脱着)、リセット(パージ)の周期を決めるからである。したがって、吸着ロータ2の回転にムラがあると、溶剤の脱着が不十分な状態で吸着剤がパージゾーン5に送られ、浄化ガスとして再利用される空気に有機溶剤成分が混入するおそれもある。
クーラーユニット3は、エバポレータや冷水コイルといった、冷却機能を有する装置であり、空気中の液体を冷却することで凝縮させ除湿する。クーラーユニット3で除去した液体(有機溶剤)は保管タンク9に保管される。
本発明の有機溶剤ガス処理装置1は、従来の装置と比較して、被処理ガスの取り回しが異なる。従って、ガスの通過する流路に特徴がある。流路は具体的にはダクトで形成されるが、建築物の一部を流路として用いてもよい。また、流路は全て密閉されている必要はなく、分岐があってもよい。また必要に応じて開口部分や、熱交換器などが配設されていてもよい。また、流路の周囲には適宜断熱材などを配設してもよい。
流路には、少なくとも、工場等から送られてくる被処理ガスを再生ゾーン6に導く被処理ガス流路10と、再生ゾーン6からクーラーユニット3までをつなぐ液化ガス流路11と、クーラーユニット3から吸着ゾーン7までをつなぐ吸着ガス流路12と、吸着ゾーン7からパージゾーン5までをつなぐパージガス流路13が形成されている。
なお、本発明の有機溶剤ガス処理装置1においては、大気に放出してよい浄化された被処理ガス(以後「浄化ガス」と呼ぶ。)の一部を、工場の塗工機等の再利用地点27に戻してエネルギーの再利用を行い、エネルギー効率を向上させることができる。この際に戻す流路を再利用ガス流路20とする。また、浄化ガスを大気に放出する流路を大気放出流路21とする。また、図1、2では、記載を省略したが、各流路には、送風圧を得るために送風ファンが適宜配置されてよい。
次に本発明の有機溶剤ガス処理装置1の動作について説明する。被処理ガスは、工場等の再利用地点27から排出される。特に近年の大量生産では、基材上に機能材料を塗布する工程が、よく行われる。従って、工場の中でも、塗工機(塗布装置)に供給された乾燥のための空気に有機溶剤が混入する場合が多い。また、これらは乾燥のための空気なので、比較的高温である場合が多い。
また、本発明の有機溶剤ガス処理装置1では、被処理ガスの温度は高くてよい。後述するように、最初に吸着ゾーン7を通過させないからである。ただし、吸着ロータ2の耐熱温度以下でなければならない。吸着ロータ2がダメージを負ってしまうからである。より具体的には被処理ガスの温度は、110℃から180℃に調整されるのがよい。
従来の有機溶剤ガス処理装置では、溶剤の吸着性を向上させるために、この被処理ガスの温度は低下させる必要があった。温度が高いと蒸発しやすいからである。しかし、本発明では、高温の被処理ガスをそのまま脱離ガス(従来技術では脱着用空気)として利用する。そこで、まず被処理ガス流路10にて、再生ゾーン6に被処理ガスを導入する。
被処理ガス流路10は、再生ゾーン6の入口に被処理ガスを放出する放出口があればよい。すなわち、少なくとも高温の被処理ガスを放出する放出口を有する流路は被処理ガス流路10である。
再生ゾーン6は、吸着ロータ2の回転の上流である吸着ゾーン7で、有機溶剤を吸着させた吸着剤が回ってくるゾーンである。この吸着剤に吸着された有機溶剤を高温の被処理ガスで温めて脱離させ、吸着剤を再生する。したがって、これはフィルタ再生工程である。
再生ゾーン6を出た被処理ガスは、吸着剤が吸着させていた溶剤の部分だけ溶剤の含有量が増加する。そこで、再生ゾーン6を出た被処理ガスを高濃度被処理ガスと呼ぶ。高濃度被処理ガスは液化ガス流路11を通ってクーラーユニット3に至る。液化ガス流路11は、再生ゾーン6の出口からクーラーユニット3の入口までの流路である。途中に分岐や、開口部、熱交換器を有していてもよい。
クーラーユニット3は、高濃度被処理ガスを冷却し、その含有する有機溶剤を脱離させる。すなわち、本発明の有機溶剤ガス処理装置1では、高温の被処理ガスで吸着剤に吸着した溶剤を脱離させ、その後に被処理ガスを冷却し溶剤を脱離させる。このようにするので、クーラーユニット3が1つだけでよい。なお、高濃度被処理ガスを冷却し含有する有機溶剤を液化するのは液化工程と呼ぶ。
溶剤を脱離させた被処理ガスは、有機溶剤の含有量が低くなっているので、低濃度被処理ガスと呼ぶ。低濃度被処理ガスは、また低温にもなっている。低濃度被処理ガスは吸着ガス流路12を通って、吸着ゾーン7に送られる。
吸着ガス流路12は、クーラーユニット3の出口から吸着ゾーン7の入口までの流路である。途中に分岐、開口、熱交換器等を有していてもよい。
吸着ゾーン7では、吸着剤に低濃度被処理ガス中の有機溶剤が吸着され浄化される。そして吸着ゾーン7を通過した低濃度被処理ガスは、浄化ガスとなる。したがって、この工程は溶剤吸着工程と呼ぶ。浄化ガスは大気放出流路21を通って、大気中に放出される。大気放出流路21は、吸着ゾーン7から大気に向かう流路である。途中に分岐、開口部、熱交換器等が配置されていてもよい。
なお、大気放出流路21は、吸着ゾーン7の出口側に入口を有する流路があればよい。すなわち、全ての浄化ガスを工場内で再利用したとしても、吸着ゾーン7の出口側に入口を有する流路があれば、大気放出流路21となる。
また、浄化ガスの一部は、大気放出流路21の途中若しくは、直接に吸着ゾーン7の出口側からパージガス流路13を通って、パージゾーン5に戻される。パージガス流路13は、吸着ゾーン7からパージゾーン5までの流路である。その一部は大気放出流路21と重複した部分があってもよい。また、開口、分岐、熱交換器等が間に配設されていてもよい。
パージゾーン5は、再生ゾーン6の次の領域であり、高温の被処理ガスにより吸着剤に吸着した有機溶剤は脱離されている。しかし、吸着剤自体は高温になっているため、そのまま吸着ゾーン7に送ったのでは溶剤の吸着性が悪い。そこで、浄化ガスの一部を用いて、吸着剤を冷却するための領域である。この工程はフィルタパージ工程と呼ぶ。
パージゾーン5を通過した浄化ガスは再生ゾーン6で奪った熱によって温度が若干高くなっている。工場側では温度の高い乾燥空気を欲しているので、この温度の上がった空気を工場側で再利用すればエネルギーの利用効率を高くすることができる。そこで、パージゾーン5を通過し温度の高くなった浄化ガスを本実施の形態では再利用ガスと呼ぶ。再利用ガスは再利用ガス流路20を通って、工場等の再利用地点27に返される。
再利用ガス流路20は、パージゾーン5の出口から再利用地点27までの流路である。再利用ガス流路20は、パージゾーン5の出口側に入口のある流路であればよい。また再利用地点27までの間に分岐、開口、熱交換器などが配設されていてもよい。なお、再利用地点27は高温の浄化ガスを必要とされる場所であれば、特に限定されるものではない。例えば、他の工場の塗工機や乾燥処理装置といった高温の空気が必要とされる場所であればよい。
再利用ガスは、そもそも浄化ガスであり、また、パージゾーン5を通過しているため、温度が高くなっている。そこで、再利用地点27で高温の空気を必要とする際には、加熱装置25を通すことで、わずかなエネルギーで高温の乾燥空気を得る事ができる。例えば、ここで必要とされる高温の空気は温度が100℃以上の空気である。
なお、本発明では、高温の被処理ガスに最初に再生ゾーン6を通過させ、高濃度被処理ガスとし、高濃度被処理ガスを冷却して有機溶剤を脱離させた後の低濃度被処理ガスに吸着ゾーン7を通過させる。したがって、再生ゾーン6に流入させる被処理ガス流量と、吸着ゾーン7に流入させる低濃度被処理ガス流量を同じにすることができる。
また、本実施の形態の構成は、吸着ロータ2を繰り返し利用するために、被処理ガスとは別の空気若しくはガスを用いる必要が無いため、吸着ロータ2への風量負荷が過多になりにくい。すなわち、無理な運転をしなくても処理量を上げることができる。
また、被処理ガスと低濃度被処理ガスの流量を同じにできるということは、再生ゾーン6と吸着ゾーン7の面積を同じにすることができる。処理風量を一定に保ち、吸着効率を安定化させることができるという効果を奏する。また、クーラーユニット3が1つであり、上記のように3つのゾーンを全て同じ面積にすることができるので、装置全体の運転制御も簡単に行うことができる。
また、吸着ロータ2の観点からは、溶剤吸着工程で吸着剤に有機溶剤を吸着させ、フィルタ再生工程で有機溶剤を脱離させ、フィルタパージ工程で、再び有機溶剤が吸着可能となるように吸着剤が再生される。脱離された有機溶剤は液化工程で回収される。この工程を循環することで、吸着ロータ2は連続的に有機溶剤を処理することができる。
(実施の形態2)
図2に本実施の形態に係る有機溶剤ガス処理装置31の構成を示す。実施の形態1と同じ部分については同じ符号で表す。本実施の形態で説明する有機溶剤ガス処理装置31も吸着ロータ2の使い方は実施の形態1と同じである。すなわち、高温の被処理ガスに最初に再生ゾーン6を通過させ、高濃度となった被処理ガスから有機溶剤を脱離させ、低濃度となった被処理ガスに吸着ゾーン7を通過させて浄化ガスとする。浄化ガスの一部にパージゾーン5を通過させて、吸着ロータ2をリセットする。
実施の形態1と本実施の形態との差異の部分について説明を行う。本実施の形態では、液化ガス流路11の途中に熱交換器35が配置されている点、再利用ガスとして浄化ガスをそのまま分岐させるための再利用ガス流路33が配設されている点、パージゾーン5を通過したガスを高濃度被処理ガスと混合させるための、還流路37が配設されている点が実施の形態1との違いである。
有機溶剤を除去した浄化ガスの再利用地点27では、製造のタイミングによって必要な浄化ガスの量が異なる。実施の形態1ではパージゾーン5を通過した浄化ガスだけを再利用できていた。そこでより多くの浄化ガスを再利用できるようにしたのが、本実施の形態である。
具体的には、再利用ガスの分岐を大気放出流路21から直接分岐させる。このようにすることで、処理される浄化ガスの流量の範囲内で所望の浄化ガスを得る事ができる。大気放出流路21からの分岐を本実施の形態では再利用ガス流路33と呼ぶ。本実施の形態の再利用ガス流路33は実施の形態1の再利用ガス流路20とほぼ同じであるが、パージゾーン5を通過しているか、通過していないかの違いがある。
再利用ガス流路33は、熱交換器35を通過した後、加熱装置25で加熱される。熱交換器35は、高濃度被処理ガスが流れる液化ガス流路11の途中に配設されている。高濃度被処理ガスは高温であるため、この再利用ガスとの間で熱交換が行われると、高温の浄化ガスを所望する再利用ガスの温度は上がる。一方、冷却して有機溶剤を脱離させたい高濃度被処理ガスの温度は下がる。従って、エネルギーの効率的な利用ができる。
なお、熱交換の結果、液化ガス流路11内で有機溶剤が結露する場合もあるので、熱交換器35内若しくは熱交換器35から出た部分で、液化ガス流路11には液体排泄用のベントを設けてもよい。
パージゾーン5を通過した浄化ガスは、還流路37によって液化ガス流路11に合流される。還流路37はパージゾーン5の出口から液化ガス流路11の間の流路であって、分岐、開口、熱交換器などが配設されていてもよい。
液化ガス流路11を通過する高濃度被処理ガスは温度が高いので、パージゾーン5を通過した浄化ガスの一部を混入させて若干温度を下げる。こうすることで、熱交換器35での冷却効果も加わって、クーラーユニット3の冷却負荷を軽くすることができる。また、本実施の形態では、高温の高濃度被処理ガスの熱を再利用ガスに振り分けているので、実施の形態1と比較して加熱装置25の消費エネルギーも小さくできる。
本発明は、液晶パネル、プラズマパネルといった表示装置や電池の製造工場内で発生する高沸点の溶剤を含む排気ガスからの溶剤回収だけでなく、化学合成を行う工場内で発生する排気から高沸点の溶剤を回収する局面においても利用することができる。
1 有機溶剤ガス処理装置
2 吸着ロータ
3 クーラーユニット
4 回転手段
5 パージゾーン
6 再生ゾーン
7 吸着ゾーン
8 ゾーンフレーム
9 保管タンク
10 被処理ガス流路
11 液化ガス流路
12 吸着ガス流路
13 パージガス流路
20 再利用ガス流路
21 大気放出流路
25 加熱装置
27 再利用地点
31 有機溶剤ガス処理装置
33 再利用ガス流路
35 熱交換器
37 還流路
100 有機溶剤ガス処理装置
101 吸着ロータ
102 吸着ゾーン
103 パージゾーン
104 脱着ゾーン
105 冷却除湿手段
106 ヒータ
107 凝縮器
108 保管タンク
120 有機溶剤ガス
121 浄化空気
122 脱着用空気

Claims (6)

  1. 円筒形の両底面をフィルタ面として、前記円筒形の長手方向の回転軸を枢軸とする吸着ロータと、
    前記フィルタ面を、吸着ゾーン、再生ゾーンおよびパージゾーンの3つの領域に分割する回転しないゾーンフレームと、
    前記吸着ロータを前記吸着ゾーンから前記再生ゾーンの方向に回転させる回転手段と、
    前記吸着ゾーンの上流側に配設されたクーラーユニットと
    機溶剤を含有した被処理ガスを前記再生ゾーンの入り口に導く被処理ガス流路と、
    前記被処理ガスは塗工機から排出され、110℃以上180℃以下であり、
    前記再生ゾーンの出口から排出された高濃度被処理ガスを前記クーラーユニットまで導く液化ガス流路と、
    前記クーラーユニットの出口から排出された低濃度被処理ガスを前記吸着ゾーンの入り口まで導く吸着ガス流路と、
    前記吸着ゾーンの出口から排出された浄化ガスを前記パージゾーンの入り口までガスを導くパージガス流路と、
    前記パージゾーンの出口から排出されたパージガスを工場に返す再利用ガス流路を有する有機溶剤ガス処理装置。
  2. 前記再生ゾーンと前記吸着ゾーンの面積が同一であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤ガス処理装置。
  3. 前記再生ゾーンと前記吸着ゾーンの通過風量が同一であることを特徴とする請求項1または2のいずれかの請求項に記載された有機溶剤ガス処理装置。
  4. 前記再利用ガス流路中にガスを加熱する加熱装置をさらに有することを特徴とする請求項乃至のいずれかの請求項に記載の有機溶剤ガス処理装置。
  5. 前記加熱装置は前記ガスを100℃以上に加熱することを特徴とする請求項に記載された有機溶剤ガス処理装置。
  6. 回転する吸着ロータを、吸着ゾーンと、再生ゾーンと、パージゾーンに分割し、有機溶剤を含む被処理ガスを前記各ゾーンに順次通過させて前記被処理ガスから有機溶剤を分離する有機溶剤含有ガスの処理方法において、
    塗工機から排出された110℃以上180℃以下である前記被処理ガスに前記再生ゾーンを通過させ高濃度被処理ガスを得るフィルタ再生工程と、
    前記高濃度被処理ガスを冷却し前記有機溶剤を液化して脱離させ低濃度被処理ガスを得る液化工程と、
    前記低濃度被処理ガスに前記吸着ゾーンを通過させ浄化ガスを得る溶剤吸着工程と、
    前記浄化ガスの一部に前記パージゾーンを通過させるフィルタパージ工程を含み、前記パージゾーンの出口から排出されたパージガスを工場に返すことを特徴とする有機溶剤ガスの処理方法。
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