JP4278858B2 - 溶液製膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板などに使用されるセルロースアシレートフイルムを製造する溶液製膜方法及び溶液製膜フイルム並びにこれを用いた偏光板,液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアシレート、特に57.5ないし62.5%の平均酢化度を有するセルロースアセテートは、その強靭性と難燃性から、フイルムの形状にして写真感光材料の支持体として利用されている。セルロースアセテートフイルムは、光学的等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フイルムおよびカラーフィルターの用途に適している。
【0003】
一般に、セルロースアセテートフイルムの製造方法は、溶液製膜法により行なわれている。溶液製膜法は、メルトキャスト法などの他の製造方法と比較して、光学的性質や物性が優れたフイルムを製造することができる。溶液製膜法は、始めに、セルロースアセテートを溶剤中に溶解した溶液(以下、ドープと称する)を調整する。次に、ドープを、ドラムやスチールバンドなどの支持体上に流延した後、溶剤を蒸発させて、フイルムを形成する方法である。特に、セルロースアセテートを原料に使用した場合、そのドープの調製には、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが溶剤として用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、塩化メチレンなどハロゲン化炭化水素は、その揮発性有機物として環境上大きな問題となっており、使用の減少と環境への排出の削減が求められている。揮発性有機物は、フイルムの製造工程において、ガスを発生し、大気中に放出されてしまう。そこで、このガスを高効率で回収し、製造工程外に排出される有機物の量を減少させると共に、ガスを再利用する必要がある。
【0005】
また、酢酸メチル,ケトン類など代替溶剤を用いて極低温又は高温、高圧で、セルロースアシレートを溶解する方法も提案されている。しかし、これら代替溶剤は、その引火性や分解性のために、実用プロセスとしては問題が多い。また、これらの溶剤を混合した場合、それら溶剤から発生するガスを通常の活性炭を用いて吸着回収すると、溶剤が分解,変成することがある。また、吸着層内で、溶剤が着火することもある。
【0006】
さらに、混合溶剤の一部が分解した場合、組成変化が生じてしまう。この場合、分解した成分を新たに補充して、混合溶剤の成分を調整することが必要になる。さらに、代替溶剤に酢酸メチルなどの酢酸エステルを使用した場合、酢酸エステルから酢酸が容易に分解する。酢酸などの酸成分が、フイルムに残留した場合には、耐久性を著しく損ねる。さらに、酸成分は、製造装置の腐食などを引き起こす可能性があり、問題となる。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、吸着剤に吸着された揮発溶剤を脱着する際に、該揮発溶剤を分解,変成させない溶液製膜方法及びこの方法により製膜したフイルム、並びにこのフイルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【議題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、セルロースアシレートを溶剤に溶解した溶液を支持体上に流延してフィルムとし、このフィルムを前記支持体から剥がし、剥がされた前記フィルムを複数のローラに巻き掛けて搬送しながら乾燥する溶液製膜方法において、前記複数のローラが備えられる第1ゾーンの第1ガスよりも、前記支持体を含み前記第1ゾーンの上流の第2ゾーンの第2ガスは、蒸発して気体となっている前記溶剤の濃度が高く、前記第1ガスに含まれる気体の溶剤を吸着剤に吸着させて、溶剤が吸着された後の第1ガスを第1ゾーンに戻す第1ガス循環工程と、第2ガスから、蒸発した溶剤を凝縮することにより回収して、溶剤が除かれた第2ガスを第2ゾーンに戻す第2ガス循環工程と、を有し、第1ガス循環工程は、吸着剤に吸着された気体の溶剤を、相対湿度80%以下の非凝縮性ガスで脱着する脱着工程と、溶剤を脱着した非凝縮性ガスから溶剤を凝縮して回収する回収工程と、を含むことを特徴として構成されている。
【0009】
溶剤が吸着された後の第1ガスは80〜150℃の範囲に加熱されて前記第1ゾーンに戻されることが好ましく、溶剤を脱着する非凝縮性ガスは、吸着剤に吸着された気体の溶剤が分解しない温度範囲に加熱されてあることが好ましい。
【0010】
第1ガス循環工程は、溶剤が吸着材に吸着される前の第1ガスから水分を除去する脱湿工程を含むことが好ましい。
【0011】
剤が、炭素数3ないし12のケトンと炭素数2ないし12のエステルとの少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。非凝縮性ガスは、窒素、ヘリウム、炭酸ガス、ネオン、アルゴンのいずれかひとつであることが好ましく、前記吸着剤として、活性炭,シリカゲル,ゼオライトのうち少なくともいずれか1つを用いることが好ましい。
【0012】
さらには、前記吸着工程の前に、前記揮発溶剤を脱湿する脱湿工程をさらに含む方法であっても良い。また、前記吸着工程の前に、前記揮発溶剤を冷却して、該揮発溶剤に含まれる高沸点な溶剤成分を除去する除去工程をさらに含む方法でも良い。
【0013】
前記吸着剤から脱着して回収された溶剤をシリカゲルまたはゼオライトにより脱水することが好ましい。または、前記溶剤を膜分離法により脱水することが好ましい。
【0014】
前記セルロースアシレートが、セルロースアセテートであることが好ましい。この場合において、該セルロースアセテートの酢化度が、57.5ないし62.5%であることが好ましい。
【0015】
また、前記溶剤が、酢酸メチル,アセトン,ジオキソランのうちから少なくとも1つであることが好ましい。さらに、その溶剤には、炭素数1ないし6のアルコール,炭素数3ないし12のケトン,炭素数2ないし12のエステル,炭素数2ないし12のエーテルを少なくとも1つを補助溶剤として含むものでも良い。
【0016】
前記溶液に、疎水性可塑剤を、前記セルロースアシレートに対して1ないし20重量%含んでも良い。さらに、前記溶液に、紫外線吸収剤を、前記セルロースアシレートに対して0.1ないし5重量%含むものでも良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
[セルロースアシレート]
本発明には、セルロースアシレートが使用され、特に、セルロースアセテートを使用することが好ましい。また、セルロースアセテートは、その平均酢化度が、57.5ないし62.5%のセルロースアセテートを使用することができる。酢化度とは、セルロース単位重量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。本発明では、セルロースアシレート粒子を使用し、使用する粒子の90重量%以上が0.1ないし4mmの粒子径、好ましくは1ないし4mmを有する。また、好ましくは95重量%以上、より好ましくは、97重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上、最も好ましくは、99重量%以上の粒子が0.1ないし4mmの粒子径を有する。さらに、使用する粒子の50重量%以上が2ないし3mmの粒子径を有することが好ましい。より好ましくは、70重量%以上、さらに好ましくは、80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上の粒子が2ないし3mmの粒子径を有する。セルロースアシレートの粒子形状は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
【0019】
[溶剤]
本発明に用いることができる溶剤は、エステル、ケトン、エーテルなどが使用できる。溶剤は、市販品の純度であれば、特に制限される要因はない。溶剤は、単独(100重量%)で使用しても良いし、炭素数1ないし6のアルコール,ケトン,エステル,エーテルを混合して使用するものでもよい。使用できる溶剤の例には、エステル類(例えば、酢酸メチル,メチルホルメート,エチルアセテート,アミルアセテート,ブチルアセテートなど)、ケトン類(例えば、アセトン,メチルエチルケトン,シクロヘキサノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン,ジオキソラン,テトラヒドロフラン,ジエチルエーテル,メチル−t−ブチルエーテルなど)などが挙げられる。
【0020】
[添加剤]
本発明で用いることのできる添加剤としては、可塑剤,紫外線吸収剤などがある。可塑剤としては、リン酸エステル系(例えば、トリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,クレジルジフェニルホスフェート,オクチルジフェニルホスフェート,ジフェニルビフェニルホスフェート,トリオクチルホスフェート,トリブチルホスフェートなど)、フタル酸エステル系(例えば、ジエチルフタレート,ジメトキシエチルフタレート,ジメチルフタレート,ジオクチルフタレートなど)、グリコール酸エステル系(例えば、トリアセチン,トリブチリン,ブチルフタリルブチルグリコレート,エチルフタリルエチルグリコレート,メチルフタリルエチルグリコレート,ブチルフタリルブチルグリコレートなど)及びその他の可塑剤を用いることができる。これら可塑剤は単独使用または併用して使用しても良い。望ましくは、疎水性可塑剤を、セルロースアシレートに対して1ないし20重量%をドープ中に含むように調製することが望ましい。さらに、特開平11−80381号公報、同11−124445号公報、同11−248940号公報に記載されている可塑剤も添加することができる。
【0021】
また、ドープには、紫外線吸収剤を添加することもできる。特に、好ましくは一種または二種以上の紫外線吸収剤を含有することである。液晶用紫外線吸収剤は、液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。例えば、オキシベンゾフェノン系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物,サリチル酸エステル系化合物,ベンゾフェノン系化合物,シアノアクリレート系化合物,ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物又はベンゾフェノン系化合物である。中でも、ベンゾトリアゾール系化合物は、セルロースエステルに対する不要な着色が少ないことから、好ましい。さらには、特開平8−29619号公報に記載されているベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、あるいは同8−239509号公報に記載されている紫外線吸収剤も添加することができる。その他、公知の紫外線吸収剤を添加しても良い。
【0022】
好ましい紫外線防止剤として、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールと、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ―tert―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンと、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートと、N,N´−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)と、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5―ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンと、トリス−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトとなどが挙げられる。特に、2,6―ジ―tert−ブチル−p−クレゾールと、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5―ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]と、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]とが好ましい。また例えば、N,N´−ビス[3−(3,5−ジ―tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどのヒドラジン系化合物の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ―tert−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系加工安定剤を併用してもよい。これら紫外線吸収剤のドープへの添加量は、セルロースアシレートに対して重量割合で0.1ないし5重量%が好ましい。さらに、好ましくは、0.1ないし3重量%であり、最も、好ましくは0.2ないし1重量%である。
【0023】
[吸着剤]
本発明で使用できる吸着剤は、活性炭,ゼオライト,シリカゲルなどがあげられる。例えば、活性炭は粒状活性炭,繊維状活性炭などが利用される。前者は例えば武田薬品性製の白鷺炭、後者は東洋紡製のKフィルター(いずれも商標)が代表的である。また、ゼオライトに関しては東ソー製の合成ゼオライト,HSZシリーズ(いずれも商標)が代表的である。さらに、シリカゲルについては豊田化工製トヨタシリカゲルB型(商標)があげられる。さらには、それぞれのハニカムローター型に加工した東洋紡製ゼオライトハニカム,ニチアス製のゼオライトブロックなども使用することができる。しかしながら、本発明にかかる吸着剤は、これらに限定されず、ドープから揮発する溶剤を吸脱着するものであれば良い。
【0024】
[溶液製膜工程]
溶液製膜法によるフイルムの製膜について、図1を参照して説明する。フイルム製膜装置10は、バンド及びテンタゾーン11と乾燥ゾーン12とから構成されている。ドープを均一に撹拌する撹拌機13は、送液器14とフィルタ15とを介してフイルム製膜装置10に接続している。また、撹拌機13には、ドープを均一にするための撹拌棒16が、設けられている。
【0025】
前記セルロースアシレート粒子と溶剤とを混合して、セルロースアシレート粒子を溶剤により膨潤させ、ドープを調整する。また、ドープには、疎水性可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を混合することもできる。始めに、ドープを撹拌機13に注入し、撹拌棒16を回転させることで、ドープを均一にしている。
【0026】
製膜装置10のバンド及びテンタゾーン11内には、ローラ20,21に掛け渡された流延バンド22が設けられており、この流延バンド22は、図示しない駆動装置により回転駆動される。流延バンド22の上方には、ドープを流延するための流延ダイ23が設けられている。流延ダイ23から、前記ドープを流延バンド22上に流延する。ドープは流延バンド22に伴って移動しながら、溶剤が揮発して、徐々に乾燥し、フイルム24が形成される。揮発した溶剤は、揮発溶剤としてバンド及びテンタゾーン11内の大気に含まれている。バンド及びテンタゾーン11内では、この揮発溶剤は、高濃度になっている(以下、このような高濃度の揮発溶剤を含んでいる大気を、高濃度ガスと称する)。流延バンド22上のフイルム24は、ローラ25によって剥ぎ取られた後、テンタ26によってクリップまたはピンによりフイルム24両端を保持しつつ搬送され乾燥ゾーン12に送られる。
【0027】
乾燥ゾーン12内で、フイルム24は、複数のローラ27に巻き掛けられ、搬送される。乾燥ゾーン12内には、80ないし150℃に加熱された、乾燥風が送り込まれている。このため、フイルム24に残存している溶剤が、徐々に揮発して、フイルム24を乾燥する。この乾燥ゾーン12内では、揮発溶剤は、バンド及びテンタゾーン11の大気と比較して低濃度である(以下、このような低濃度の揮発溶剤を含んでいる大気を低濃度ガスと称する)。最後に、フイルム24は、リコイラ28によって巻き取られ、このフイルム24から、偏光板または液晶表示装置が製造される。
【0028】
[溶剤回収工程]
本発明では、前記高濃度ガスは、凝縮によって回収し、また、前記低濃度ガスは、吸着剤によって回収する。始めに、バンド及びテンタゾーン11で発生した前記高濃度ガスの回収方法を説明する。高濃度ガスは、送風器30によってバンド及びテンタゾーン11から凝縮器31に送り出される。高濃度ガスは、凝縮器31によって凝縮液化される。液体は、回収溶剤32として回収され、液化しなかったガスは、通常の大気と同様の組成である。このガスは、加熱器33によって再度加熱され、乾燥風として、バンド及びテンタゾーン11に戻される。バンド及びテンタゾーン11で発生した高濃度ガスは、回収溶剤32として回収される。また、回収されない成分は、装置間を循環することで、大気中に有毒である揮発性有機物は、放出されない。
【0029】
この場合、凝縮器31には、公知の凝縮器を使用することが出来る。凝縮器での凝縮温度は、また、酢酸メチルを主溶剤とする場合には−30ないし+20℃程度、好ましくは−20ないし+10℃程度が適当である。この凝縮器での凝縮温度は、ドープを調整した溶剤によって最適な温度範囲が決定されるため、この温度に限定される訳ではない。
【0030】
次に、乾燥ゾーン12で発生する低濃度ガスの回収方法を説明する。乾燥ゾーン12内に発生した低濃度ガスは、送風器40によって、冷却器41に送られる。低濃度ガスは、冷却器41によって冷却され、高沸点な溶剤成分が取り除かれる。高沸点な溶剤成分を予め取り除くと、後述する吸着層43,44,45への低濃度ガスの吸着効率が良くなる。続いて、低濃度ガスは、脱湿器42に送られ、水分が除去される。低濃度ガスから、水分を除去することで吸着層43,44,45におけるガスの分解が抑制される。また、吸着層43,44,45に送られる前に回転ローター式の吸脱着装置を介してガス濃度を高めてから吸着層43,44,45に送る方法も可能であり、この場合は吸着効率が高まる。
【0031】
なお、吸着層への吸着方法は、単に吸着剤を粒状物や繊維状ロールとして吸着塔内に充填する固定床方式、繊維状の吸着剤をハニカムローターとして回転させながら吸脱着を繰り返す半固定床方式のほかに球状の活性炭やその他の吸着剤を用いた流動床方式も利用することができる。流動床方式においては吸着剤粒子が絶えず流動していることから温度が均一に制御できるメリットがある。特に高濃度のケトン系の溶剤を吸着回収する際には固定床ではデッドスペースで過酸化物の形成と発火の危険性があるため、流動床方式は有効である。
【0032】
さらに、低濃度ガスは、吸着層43,44,45のいずれか1つに送られる。吸着層43,44,45には、前記吸着剤の少なくとも1種類が充填されている。また、通常、吸着層は、複数本(図1においては、3本)が備えられている。それら吸着層43,44,45の一端には、それぞれに対応してバルブ(図示しない)が設けられ、脱湿器42と接続している。また、吸着層43,44,45の他端にも、それぞれ対応するバルブ(図示しない)が設けられ、加熱器49と接続している。
【0033】
脱湿器42と吸着層43,44,45と加熱器49との間の1組のバルブが選択的に開けられると、低濃度ガスは、そのバルブに対応する吸着層に送られる。低濃度ガスに含まれる揮発溶剤は、吸着層に充填された吸着剤に吸着される。揮発溶剤を含まなくなったガスは、加熱器49に送られ、加熱され、乾燥ゾーン12に乾燥風として送られる。
【0034】
また、複数の吸着層43,44,45の中で、その対応するバルブが閉じられている吸着層は、図示しない吸着剤再生装置によって吸着物の脱着と、吸着剤の再生とが行なわる。吸着層43,44,45の一端には、脱着ガス46が、送り込まれるために、それぞれ対応する配管とバルブ(図示しない)とが設けられている。さらに、吸着層43,44,45の他端には、凝縮器47と接続されている。脱着ガス46は、吸着層43,44,45に保持されていた吸着物を脱着させて、凝縮器47に送り出す。凝縮器47で、低濃度ガスは、凝縮液化する。液体は、溶剤48として回収される。また、その他のガスは、加熱器49に、送られ、再度加熱され、乾燥風として乾燥ゾーン12に送り込まれる。
【0035】
本発明の脱着ガス46には、相対湿度80%以下の非凝縮性ガスが使用される。脱着ガスが水蒸気を多量に含むと、吸着層に吸着している揮発溶剤を分解することがあり、好ましくない。例えば、ドープの溶剤に酢酸メチルを使用した場合、酢酸メチルは、水によって容易に分解され酢酸を生成する。酢酸を含んだガスが、乾燥室に送られると、フイルムに付着してフイルムの性能を低下させる問題を生じる。また、酢酸を含む溶剤は、回収されても再使用することが出来ないため、排気処理に特別な設備が必要になる。本発明において、非凝縮性ガスとしては、例えば窒素,ヘリウム,炭酸ガス,ネオン,アルゴンなどが好ましい。特に、好ましくは、窒素を使用することである。また、脱着ガスを加熱しておくことは、吸着剤から吸着物の脱着を効率良く行える。この場合、60ないし180℃が、好ましい。より好ましくは、70ないし140℃であり、最も好ましくは、80ないし120℃である。しかしながら、非凝縮性ガスを高温にしすぎると、揮発性溶剤が分解して問題を生じる。
【0036】
また、吸着層43,44,45は、吸着された揮発溶剤の酸度が、80ppm以下であることが好ましい。さらに、好ましくは、70ppm以下であり、最も、好ましくは60ppm以下である。また、酸度とは、溶剤中に含有される酸の量である。この場合には、主に酢酸の量と同等の意味である。酸度の分析方法には、ガスクロマトグラフィー法,滴定法などの酸定量を行なう公知の方法が使用できる。
【0037】
また、吸着後の揮発溶剤の変成は、吸着前の揮発溶剤に対して、5%以下であることが好ましい。例えば、ドープを調整する溶剤に、酢酸メチル80重量部,エタノール10重量部,ブタノール5重量部の混合溶液を使用し、揮発した揮発溶剤を100℃の窒素ガスで脱着する方法が使用できる。しかしながら、本発明はこの条件に限定される訳ではない。
【0038】
また、吸着物の脱着には、脱着ガスを使用しないで、減圧にして脱着する、圧力スイング方式を使用することも可能である。圧力スイング方式によれば、加熱再生に比べて短時間で脱着できる。また、脱着に熱を用いない分、省エネルギーになる。圧力は、1ないし50kPaが好ましい。さらに、好ましくは、2ないし30kPaであり、最も好ましくは、5ないし20kPaである。圧力の真空度を、高めることは、脱着の面からは有利であるが、コストの面から、あまり真空度を高めることが好ましくない。
【0039】
前記回収溶剤32,48は、水分を除去したのちに再利用に使用しても良い。また、回収溶剤32,48を保存する時には、あらかじめ脱水することが、回収溶剤の酸度が増加することを抑制するため好ましい。脱水方法には、回収溶剤をシリカゲル,ゼオライトなどの公知の吸着剤に吸着させる方法がある。この場合、膜分離法により、回収溶剤の脱水を行なうこともできる。膜分離法には、代表的にはパーベーパレーション法が挙げられるが、他の公知の膜分離法であっても良い。また、回収溶剤の保存は、不活性ガスを充填し、温度を10ないし50℃に維持することが好ましい。
【0040】
また、吸着によって回収される溶剤48の量は、20%以下が好ましい。更に好ましくは、10%以下であり、最も好ましくは、5%以下である。吸着剤での回収を増加させると、吸着剤からの脱着および吸着剤の再生の工程が煩雑になり、コストの面から不利になる。
【0041】
回収される溶剤32,48の量は、乾燥によって揮発する揮発溶剤の全量の80%以上が、好ましい。さらに、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。98%を超えると溶剤を凝縮回収するための凝縮温度を、極めて低く設定する必要があり、かえって不効率となる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。また、説明において、実施例1で、詳細に説明し、その他の実施例及び比較例については、実施例1と同じ点については説明を省略している。脱着の条件については、表1に、また、ドープを調整するための溶剤の混合比については表2に、得られた結果は、表3にまとめて示す。これら表は、実施例及び比較例の記載した後に示している。
【0043】
[実施例1]
酢酸メチル80重量部,エタノール10重量部,ブタノール5重量部の混合溶剤を作成した(以下、表2において、溶剤1と称する)。この溶剤に、セルローストリアセテート(酢化度61%)18.5重量部,トリフェニルホスフェート(以下、TPPと称する)1.5重量部,ベンゾトリアゾール系UV吸収剤0.2重量部を加え、ドープ(以下、表1において成分1と称する)を調整した。ドープを膨潤させた後、窒素雰囲気下で、オートクレープ内に導入し、160℃,0.98MPaで10分間溶解した。ドープを濾過した後、50℃で流延バンド上に流延した。流延は、乾燥後のフイルムの厚みが80μmになるように行った。乾燥した後、流延バンドから剥ぎ取り、さらに乾燥ゾーンで130℃,30分間乾燥して、サンプルフイルムを得た。乾燥ゾーンにおいて発生したガスは、その一部を採取し、溶剤ガスとした。また、その他のガスは吸着層に導き10分間吸着させた。吸着層は、活性炭繊維フィルタが、充填されているもの(表1において、吸着層1と称する)を使用した。100℃に加熱した窒素ガス(相対湿度20%以下のものを使用した。なお、実施例2ないし9も同じ相対湿度20%以下の窒素ガスを使用した。)を脱着ガスに使用して、吸着物の脱着を行った。脱着したガスを、凝縮器で凝縮液化し、回収溶剤とした。溶剤ガスおよび回収溶剤はガスクロマトグラフィーにより成分を分析した。溶剤ガスと回収溶剤との分解性は、分解率を計算し、その分解率が5%以上であるものは不良品と判断した。表3に、回収溶剤の酸度と、分解率の適否(5%以上が×、5%未満は○)とを併せて示す。
【0044】
[実施例2]
実施例1の条件において、吸着層に疎水性シリカゲルを充填したもの(表1において、吸着層2と称する)を使用して行った。
【0045】
[実施例3]
実施例1の条件において、吸着層に疎水性ゼオライトを充填したもの(表1において、吸着層3と称する)を使用して行った。
【0046】
[実施例4]
酢酸メチル75重量部,アセトン15重量部,エタノール5重量部,メタノール5重量部の混合溶剤を作成した(以下、表2において、溶剤2と称する)。この溶剤に、セルローストリアセテート(酢化度59.7%)18.5重量部,TPP1.5重量部,ベンゾトリアゾール系UV吸収剤0.2重量部を加え、ドープ(以下、表1において成分2と称する)を調整した。ドープを膨潤させた後、スクリュー押し出し機で、−70℃に冷却した。さらに、静止型混合機を充填した熱交換器に導入し、150℃,0.98MPaで10分間溶解した。ドープを濾過した後、50℃で流延バンド上に流延した。乾燥した後、流延バンドから剥ぎ取り、さらに乾燥ゾーンで130℃,30分間乾燥して、サンプルフイルムを得た。乾燥ゾーンにおいて発生したガスは、その一部を採取し、溶剤ガスとした。また、その他のガスは吸着層に導き10分間吸着させた。吸着層は、活性炭繊維フィルタが、充填されているもの(表1において、吸着層1と称する)を使用した。100℃に加熱した窒素ガスを脱着ガスに使用して、吸着物の脱着を行った。脱着したガスを、凝縮器で凝縮液化し、回収溶剤とした。溶剤ガスおよび回収溶剤の評価を実施例1と同様に行った。
【0047】
[実施例5]
実施例4の条件において、吸着層に疎水性シリカゲルを充填したもの(吸着層2)を使用して行った。
【0048】
[実施例6]
実施例4の条件において、吸着層に疎水性ゼオライトを充填したもの(吸着層3)を使用して行った。
【0049】
[実施例7]
酢酸メチル70重量部,アセトン15重量部,シクロヘキサン15重量部の混合溶剤を作成した(以下、表2において、溶剤3と称する)。この溶剤に、セルローストリアセテート(酢化度59.5%)18.5重量部,TPP1.5重量部,ベンゾトリアゾール系UV吸収剤0.2重量部を加え、ドープ(以下、表1において成分3と称する)を調整した。ドープを膨潤させた後、窒素雰囲気下で、オートクレーブ内に導入し、160℃,0.98MPaで10分間溶解した。ドープを濾過した後、30℃で流延バンド上に流延した。乾燥した後、流延バンドから剥ぎ取り、さらに乾燥ゾーンで130℃で30分間乾燥して、サンプルフイルムを得た。乾燥ゾーンにおいて発生したガスは、その一部を採取し、溶剤ガスとした。また、その他のガスは吸着層に導き10分間吸着させた。吸着層は、活性炭繊維フィルタが、充填されているもの(表1において、吸着層1と称する)を使用した。100℃に加熱した窒素ガスを脱着ガスに使用して、吸着物の脱着を行った。脱着したガスを、凝縮器で凝縮液化し、回収溶剤とした。溶剤ガスおよび回収溶剤の評価を実施例1と同様に行った。
【0050】
[実施例8]
実施例7の条件において、吸着層に疎水性シリカゲルを充填したもの(吸着層2)を使用して行った。
【0051】
[実施例9]
実施例7の条件において、吸着層に疎水性ゼオライトを充填したもの(吸着層3)を使用して行った。
【0052】
実施例1ないし実施例9の揮発溶剤を脱着させる方法を、100℃に加熱した窒素ガスを送る方法から、13KPaに減圧した方法に変更して、実施例10ないし実施例18として行った。対応する関係については、表1にまとめて示す。
【0053】
また、比較例1ないし9は、それぞれ実施例1ないし実施例9と同様にして調整したドープを同様に流延,乾燥,製膜した溶剤ガスを吸着したのち、120℃の水蒸気を吹込み、水蒸気と脱着した溶剤とを凝縮液化して分析した。酸度の測定に当たっては水分を除いた溶剤成分に対する割合とした。対応する関係については、表1にまとめて示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004278858
【0055】
【表2】
Figure 0004278858
【0056】
【表3】
Figure 0004278858
【0057】
表3において、窒素ガスによって吸着物を脱着した実施例1ないし実施例9は、酸度が80ppm以下であり、また溶剤分解性も5%未満であった。また、減圧で分解した、実施例10ないし実施例18も、酸度が80ppm以下であり、溶剤分解性も5%未満であった。これら方法によれば、ドープ中の溶剤を回収しても、再利用に供することが出来る。この場合、酸度は、減圧で脱着した場合の方が、より低いことが判る。水蒸気による脱着である比較例1ないし比較例9においては、酸度も80ppmより大きく、また溶剤分解性も5%以上と良好な結果は得られなかった。
【0058】
[偏光板の作成方法]
実施例1ないし実施例18の方法で作成したフイルムを、偏光板保護膜とする偏光板を作成し、耐久性を評価した。偏光板サンプルは、ポリビニルアルコールを延伸してヨウ素を吸着させた偏光素子の両面に、ポリビニルアルコール系接着剤により貼合して、作製した。この偏光板サンプルを60℃,90%RHの雰囲気下で500時間暴露した。
【0059】
[偏光度の評価方法]
偏光度の評価方法は、分光光度計により可視領域における平行透過率Yp,直行透過率Ycを求め、次式に基づき、偏光度Pを決定する。
P=√((Yp−Yc)/(Yp+Yc))×100 (%)
いずれの偏光板サンプルも、偏光度は99.6%以上であり、十分な耐久性が認められた。
【0060】
[回収溶剤の脱水による効果の評価方法]
製膜工程において回収された溶剤を保存する前に脱水工程を行ない、その酸度を測定し評価を行なった。前記実施例1ないし3から得られた各回収溶剤にそれぞれ水を5%添加して作製したサンプル1ないし3を作製した。そして、サンプル1ないし3の酸度を、ガスクロマトグラフィー法により測定した。
【0061】
前記サンプル1ないし3を使用して、実施例19ないし24と比較例10ないし12の実験を行なった。実施例19ないし21では、サンプル1ないし3をそれぞれシリカゲル(トヨタシリカゲルA型)で処理したのち、密閉容器内で50℃,60日間保存した。また、実施例22ないし24では、サンプル1ないし3をそれぞれポリエーテルイミド系の中空糸を使って外部を10Torrに減圧して脱水操作を行なったのち、密閉容器内で50℃,60日間保存した。さらに脱水による効果を比較するため、サンプル1ないし3をそれぞれそのまま密閉容器内で50℃,60日間保存したものを比較例10ないし12とした。それぞれ密閉容器内で保存した後に、各回収溶剤をガスクロマトグラフィー法により酸度を測定した。測定結果は、保存前の酸度の値を併せて表4に示す。
【0062】
【表4】
Figure 0004278858
【0063】
表4から、回収溶剤を保存する前に脱水処理を行なった実施例19ないし24においては、酸度がほとんど変化していないことが分かる。しかしながら脱水処理を行なわなかった比較例10ないし12では、酸度がいずれも増加している。このことから、回収溶剤の保存には、脱水処理をあらかじめ行なうことが有効であることが分かる。さらに、長時間に亘って回収溶剤を保存するには、密閉容器内を不活性ガスで置換することも効果的である。
【0064】
[脱着におけるガスの相対湿度による回収溶剤の評価]
前述した実施例1ないし9ではいずれも脱着ガスである窒素ガスの相対湿度は20%以下のものを使用した。比較例13として、実施例1と同じ条件で調整したドープを流延,乾燥,製膜して発生した溶剤ガスを吸着したのち、相対湿度90%の窒素ガスを吹込み、溶剤を回収した。しかしながら回収された溶剤には水が混入して再生溶剤として使用できなかった。
【0065】
また、前述した減圧脱着による実施例10ないし18においては、溶剤ガスが吸着層に吸着される前に脱湿器(図1参照)によって、相対湿度はいずれも50%以下に保たれていた。比較例14として、実施例10と同じ条件で調整したドープを流延,乾燥,製膜して発生した溶剤ガスを吸着層に吸着する前には、脱湿器による脱湿は行なわなかった。このため、比較例14では、溶剤ガスの相対湿度は90%を超えており、回収された溶剤には水が混入して再生溶剤として使用できなかった。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶液製膜方法は、セルロースアシレートを溶剤に溶解した溶液を流延してフイルムを製膜し、該溶液から揮発した揮発溶剤を、吸着剤に吸着した後に、前記吸着剤に吸着された揮発溶剤を脱着する際に、相対湿度が80%以下の非凝縮性ガスを使用するため、回収された揮発溶剤は、分解,変成していない。このため、回収溶剤を、フイルムの製膜に再使用することが出来る。また、この溶液製膜フイルムから作成された偏光板または液晶表示装置は、十分な耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる溶液製膜方法を説明するための概略図である。
【符号の説明】
10 フイルム製膜装置
11 バンド及びテンタゾーン
12 乾燥ゾーン
13 撹拌機
14 ポンプ
15 フィルタ
16 撹拌棒
20,21 ローラ
22 流延バンド
23 流延ダイ
24 フイルム
25,27 パスローラ
26 テンタ
28 リコイラ
30,40 送風器
31,47 凝縮器
32,48 回収溶剤
33,49 加熱器
41 冷却器
42 脱湿器
43,44,45 吸着層
46 脱着ガス

Claims (7)

  1. セルロースアシレートを溶剤に溶解した溶液を支持体上に流延してフィルムとし、このフィルムを前記支持体から剥がし、剥がされた前記フィルムを複数のローラに巻き掛けて搬送しながら乾燥する溶液製膜方法において、
    前記複数のローラが備えられる第1ゾーンの第1ガスよりも、前記支持体を含み前記第1ゾーンの上流の第2ゾーンの第2ガスは、蒸発して気体となっている前記溶剤の濃度が高く、
    前記第1ガスに含まれる気体の前記溶剤を吸着剤に吸着させて、前記溶剤が吸着された後の前記第1ガスを前記第1ゾーンに戻す第1ガス循環工程と、
    前記第2ガスから、蒸発した前記溶剤を凝縮することにより回収して、前記溶剤が除かれた前記第2ガスを前記第2ゾーンに戻す第2ガス循環工程と、
    を有し、
    前記第1ガス循環工程は、
    前記吸着剤に吸着された気体の前記溶剤を、相対湿度80%以下の非凝縮性ガスで脱着する脱着工程と、
    前記溶剤を脱着した非凝縮性ガスから前記溶剤を凝縮して回収する回収工程と、
    を含むことを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記溶剤が吸着された後の前記第1ガスは80〜150℃の範囲に加熱されて前記第1ゾーンに戻されることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 前記溶剤を脱着する前記非凝縮性ガスは、前記吸着剤に吸着された気体の前記溶剤が分解しない温度範囲に加熱されてあることを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜方法。
  4. 前記第1ガス循環工程は、前記溶剤が吸着材に吸着される前の前記第1ガスから水分を除去する脱湿工程を含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  5. 前記溶剤が、炭素数3ないし12のケトンと炭素数2ないし12のエステルとの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  6. 前記非凝縮性ガスは、窒素、ヘリウム、炭酸ガス、ネオン、アルゴンのいずれかひとつであることを特徴とすることを請求項1ないし5いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  7. 前記吸着剤は、活性炭、シリカゲル、ゼオライトのうち少なくともいずれかひとつであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の溶液製膜方法。
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