JP2003257425A - ニッケル水素蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

ニッケル水素蓄電池およびその製造方法

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量かつサイクル性能の優れたニッケル水
素蓄電池であって、高率放電特性に優れたニッケル水素
蓄電池を提供する。また初期活性化が速やかに進み、能
率の高いニッケル水素蓄電池の製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に高次コバルト化合物を設けた水酸
化ニッケルを主成分とする活物質粉末を有する正極と、
水素吸蔵合金からなる活物質粉末を有する負極を備えた
ニッケル水素畜電池において、前記活物質粉末同士を高
次コバルト化合物で結合する。該ニッケル水素蓄電池の
製造方法であって、充放電操作を繰り返し行う初期活性
化の過程において、少なくとも1回過放電を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コバルト化合物を
含む表面層を設けた水酸化ニッケル粉末を、酸化剤を用
いて酸化処理された活物質粉末を有する正極と、水素吸
蔵合金からなる活物質粉末を有する負極を備えたニッケ
ル水素蓄電池およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル水素蓄電池は、同じアルカリ蓄
電池の1種であるニッケルカドミウム蓄電池に比べて高
いエネルギー密度を有し、しかも有害なカドミウムを含
まず環境汚染の虞が少ないことから、携帯電話、小型電
動工具およびパーソナルコンピュータ等の携帯用小型電
子機器類用の電源として広く利用されており、これらの
小型電子機器類の普及とともに需要が飛躍的に増大して
いる、また、上述の携帯用小型電子機器類は、小型化、
軽量化の進歩により電源の設置スペースが大きく制限さ
れるようになっており、その一方、多機能化に伴って消
費電力が増大している。このため、このような小型電子
機器類に用いられるニッケル水素蓄電池においては、小
型化と高容量化という、背反し合う課題を同時に達成す
る必要に迫られている。
【0003】ところで、ニッケル水素蓄電池は、一般
に、水酸化ニッケルを主成分とする活物質を備えた正極
と、水素吸蔵合金を備えた負極とで構成している。ニッ
ケル水素蓄電池においては、特に大電流放電において正
極の利用率が負極の利用率に比べて高い。そのため、負
極に過剰な容量を(放電リザーブ)設けて、放電時に正
極が未放電の容量を持ったままで放電終了となることが
ないようにしている。
【0004】また、ニッケル水素蓄電池は、過充電時に
おいて、正極側で酸素ガスが発生する。この酸素ガス
は、密閉型蓄電池においては内圧上昇を招くため、結果
的に液漏れに伴う電池寿命の短縮化の原因となる虞があ
る。そのため、ニッケル水素蓄電池では、正極で生成し
た酸素ガスを負極の水素吸蔵合金により吸収するため
に、負極側に過剰に充電可能な容量(充電リザーブ)を設
けている。
【0005】以上のような事情から、ニッケル水素蓄電
池においては、正極の容量に比べて負極の容量を大きく
設定しており、充放電容量が正極の容量により規制され
るようにしている(正極規制方式)。
【0006】従って、ニッケル水素蓄電池の放電容量の
向上は、正極の容量を増大することによって達成できる
わけであるが、正極の容量を増やすと、それに伴い放電
リザーブおよび充電リザーブの量が増大する。従って、
電池の放電容量の向上に寄与しない負極の容量も同時に
増やす必要がある。このことから、正極の容量増大によ
って電池の放電容量を向上することには制約がある。
【0007】こうした課題を解決する目的で、例えば特
願2000-307130号公報に、水酸化ニッケルを含む芯層
と、コバルト化合物を含みかつ芯層を被覆する表面層と
を備えた粉末を電池組立前に酸化剤を用いて予め酸化処
理することにより負極のリザーブ量を削減し、電池の高
容量化を図る方法を提案している。
【0008】このような、予め酸化処理を施された活物
質を適用した正極を用いれば、導電剤の前躯体であるコ
バルト化合物を電池組立前に良導電性の高次コバルト化
合物(酸化数3価のコバルトの化合物でオキシ水酸化コ
バルトともいう)に変換され、また、同時に水酸化ニッ
ケルの1部も酸化されて高次ニッケル化合物(酸化数3
価のニッケルの化合物でオキシ水酸化ニッケルともい
う)に変換されているため、電池組立後の初充電の過程
で形成される負極リザーブの生成を削減することが可能
である.
【0009】しかしながら、上記の手段を用いて高容量
を達成した電池は、以下に説明する種々の問題を有して
いた。まず、第一に放電リザーブが削減された結果、負
極の容量と正極の容量との比(負極容量/正極容量)が
小さくなる。このようなニッケル水素蓄電池を1時間率
[電流1It(A)]や1/3時間率[電流3It(A)]
のような大電流放電に供すると負極容量規制になる。こ
のため正極に未放電の容量が残ったまま放電終了に至っ
てしまう。このような状態で繰り返し電池を使用すると
正極に未放電部分が蓄積されて過充電状態となり、電池
寿命の短縮を招く。
【0010】また、正極の活物質粒子間の導電機能が、
活物質粒子に酸化処理を施すによって粒子表面に形成し
た高次コバルト化合物の物理的接触のみによるため、導
電機能が劣り、特に大電流放電時に放電電圧の低下を招
く虞があった。
【0011】さらに、水素吸蔵合金からなる負極におい
ては、合金製造時とその後の貯蔵および電極製造工程に
おいて、合金表面に合金構成成分の酸化物や水酸化物の
皮膜が形成されるため、活性化工程の充放電操作時、こ
の皮膜が大きな反応抵抗として作用する欠点があった。
【0012】このため、従来の電池においては充電時の
過電圧が大きいため、合金に水素が吸蔵されにくく、負
極の活性度が充分に上がらないという問題があった。こ
の問題の解決には、初期活性化の過程で充電電流を十分
に小さくして過電圧を小さくする方法が可能であるが、
1充電に10〜30時間が必要とする。さらに、初期活
性化のための充放電操作を多数回繰り返すことが必要
で、生産能率が大幅に低下してしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来電池の問題点に鑑みてなされたものであり、高容量
でサイクル特性に優れたニッケル水素蓄電池であって、
高率放電特性にも優れたニッケル水素蓄電池を実現する
ものである。また、該ニッケル水素蓄電池を短時間で初
期活性化する製造方法を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係るニッケル水
素蓄電池は、水酸化ニッケルを主成分とする芯層と高次
コバルト化合物を主成分とする表面層とを備えた活物質
粉末を発泡ニッケル等の多孔性金属基板に充填してなる
正極と水素吸蔵合金電極からなる負極を備えるニッケル
水素蓄電池であって、前記活物質粉末同士を、高次コバ
ルト化合物で結合してなる正極を備える。
【0015】本発明に係るニッケル水素蓄電池の製造方
法は、水酸化ニッケルを主成分とする芯層とコバルト化
合物を含む表面層とを備え、前記コバルト化合物が高次
コバルト化合物である活物質粉末を有する正極と、水素
吸蔵合金からなる活物質粉末を有する負極を備えたニッ
ケル水素蓄電池の充放電操作を繰り返し行うことによっ
て初期活性化する電池の製造方法において、前記操作中
に少なくとも1回過放電操作を実施して前記高次コバル
ト化合物の一部を還元し、酸化数2価のコバルト化合物
(水酸化コバルト)を生成させる。
【0016】前記過放電によって生成させた水酸化コバ
ルトは、アルカリ電解液への溶解と同電解液からの析出
を繰り返す。この過程で、隣り合う活物質粉末同士は水
酸化コバルトで結合される。続く充電の過程で、前記水
酸化コバルトを酸化して導電性の高次コバルト化合物に
変える。生成した高次コバルト化合物は、その前駆体で
ある水酸化コバルト同様隣り合う活物質粉末同士を結合
する。酸化処理によって形成させた個々の活物質粉末表
面の高次コバルト化合物と過放電操作とそれに続く充電
操作によって新たに形成させた高次コバルト化合物とが
結びつき、正極内に一体となった高次コバルト化合物か
らなる導電性ネットワークが形成される。
【0017】図1は、本発明に係るニッケル水素蓄電池
の正極内における隣り合う活物質粉末同士のコンタクト
の様子を模式的に示した図である。図1において、1は
水酸化ニッケルを主成分とする芯層、2は酸化剤を用い
て前記活物質粉末を酸化処理することによって形成させ
た高次コバルト化合物からなる表面層、3は前記過放電
処理とそれに続く充電によって新たに形成させた高次コ
バルト化合物である。図2は従来電池の正極内における
隣り合う活物質粉末同士のコンタクトの様子を模式的に
示した図である。図2に示すように、従来電池の正極に
おいては隣り合う活物質粉末同士は単に物理的に接触し
ているのみであるが、本発明に係る電池の場合は、隣り
合う活物質粉末同士が新たに形成させた高次コバルト化
合物によって結合されているので、高い導電機能を有す
る。
【0018】なお、高次コバルト化合物を表面層として
備えるニッケル電極用活物質粉末は、水酸化ニッケル粉
末の表面に水酸化コバルトを析出させた後、アルカリ水
溶液中で次亜塩素酸塩等の酸化剤を用いて化学的な酸化
処理を施すことによって合成することができる。
【0019】本発明でいう過放電操作とは、電池の端子
電圧が通常の放電における終止電圧である1.0Vにま
で低下した後にさらに放電を行う操作を指す。本発明に
おいては、前記過放電操作における過放電電気量が電池
の定格容量の2〜10%とすることが望ましい。定電流
にて過放電を行い、その時間を規定することによって過
放電電気量を制御することができる。
【0020】本発明に係るニッケル水素蓄電池の初期活
性化処理においては、前記過放電操作に先だって、電池
を通常の放電(放電終止電圧を1.0Vとした放電)終
了後に40〜80℃の温度範囲で、5〜24時間放置す
ることが望ましい。該高温における放置によって水素吸
蔵合金表面にある合金の酸化物や水酸化物の被膜を除去
することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係るニッケル水素蓄電池
の正極に用いる活物質粉末は、水酸化ニッケルを主成分
とする芯層の表面に水酸化コバルトなどのコバルト化合
物の表面層を設けた粉末を、酸化剤を用いて化学的酸化
処理を施すことによって、粉末に含まれるコバルトを高
次コバルト化合物としている。また、前記コバルト化合
物の酸化と同時に芯層を構成する水酸化ニッケルの1部
を酸化して高次ニッケル化合物とすることもできる。
【0022】本発明に係るニッケル水素蓄電池の正極
は、前記活物質粉末を発泡ニッケル等の多孔性金属製基
板に充填したものであって、活物質粉末同士を高次コバ
ル化合物によって結合させている。
【0023】本発明に係るニッケル水素蓄電池の製造方
法は、高率放電特性の優れた高容量のニッケル水素蓄電
池を製造するためのものであり、次のような工程を経て
製造することができる。前記正極および負極に水素吸蔵
合金電極を備えるニッケル水素蓄電池を初期活性化の過
程において少なくとも1回過放電操作を実施する。該過
放電操作によって、前記高次コバルト化合物の一部を水
酸化コバルトに還元する。過放電後の充電によって水酸
化コバルトを高次コバルト化合部に変える。この過程で
活物質粉末同士を高次コバルト化合物で結合し、正極内
に高次コバルト化合物からなる導電性ネットワークを形
成させる。
【0024】従来一般的に採用されていた高次コバルト
化合物を生成させる方法は、水酸化コバルト等のコバル
ト化合物を含有する活物質粉末を適用したニッケル電極
を電池に組み込んだ後に、充電によって前記水酸化コバ
ルトを高次コバルト化合物に酸化する方法である。該方
法の場合、負極に前記酸化反応に消費される充電電気量
に相当する量の放電リザーブが生成する。これに対し
て、ニッケル電極の活物質粉末を予め酸化剤を用いて酸
化処理すれば、充電による水酸化コバルトの酸化が不要
なので、放電リザーブの生成量を削減することができ
る。
【0025】また、負極の放電リザーブを削減できる結
果、その削減分を負極の充電リザーブに充当することが
可能になる。したがって、この正極を用いたニッケル水
素蓄電池は、過充電時に生じるガス(酸素ガスなど)を負
極の充電リザーブにより効果的に吸収することができる
ため、内圧上昇を起こしにくくなり、結果的に充放電サ
イクル寿命が改善され得る。
【0026】酸化処理によって表面に高次コバルト化合
物を生成させた活物質粉末を適用した正極の場合、前記
図2に示したように、過放電操作を行う前の時点で隣り
合うニッケル電極用活物質粉末同士は、単に物理的に接
触しているのみである。このためにニッケル電極の集電
機能が劣り、大電流放電における放電特性が劣ってい
る。これに対して本発明に係るニッケル水素蓄電池にお
いては、正極の活物質粉末同士を高次コバルト化合物で
結合し、正極内に導電性ネットワークを形成しているの
で、正極の導電機能に優れ、高率放電特性の優れた電池
とすることができる。
【0027】前記過放電操作における過放電電気量は、
高次コバルト化合物の一部を還元し、それに続く充電で
ニッケル電極内に高次コバルト化合物の導電性ネットワ
ークを形成するに足りる量であればよい。1回の過放電
操作における過放電電気量が大きいと、水素吸蔵合金が
不可逆領域まで還元されてしまい電池容量が小さくな
る。また、後記の如く正極の導電機能を損ねたり、放電
リザーブの増大を招く等の悪影響を及ぼす虞がある。従
って、1回の過放電操作における過放電電気量は、導電
性ネットワークを形成するに足りる量であって、出来る
だけ少ない方が良い。
【0028】ニッケル電極活物質粉末に占めるコバルト
化合物の比率は、最大でも25重量%であり、通常は5
〜10重量%である。本発明では、高次コバルト化合物
のうち、1/4〜1/2程度が還元されればよい、ニッ
ケル水素蓄電池の定格容量は、水酸化ニッケルの充填量
によって規定されている。従って、ニッケル電極に含ま
れる高次コバルト化合物の量は、電池の定格容量によっ
てその範囲が決まる。このような理由により、本発明に
おいては、1回の過放電操作における過放電電気量を2
〜10%とすることが好ましい。
【0029】また、本発明においては、前記過放電操作
の効果を高めるために、過放電操作に先だって電池を高
温放置することが望ましい。前記放置操作を実施するこ
とによって、水素吸蔵合金表面に被膜として存在する水
素吸蔵合金の酸化物または水酸化物を金属に還元する他
に、合金表面をエッチングする。
【0030】前記エッチングにおいて合金表面の希土類
元素が優先的に溶出し、表面に希土類元素のプアーな層
が生成する。前記高温放置操作を行わずに過放電操作を
実施すると水素吸蔵合金の表面に非導電性の希土類元素
の水酸化物が生成する。本発明によれば、過放電操作に
先だって水素合金粉末の表面に希土類元素のプアーな層
を生成させているので、過放電操作を行っても前記希土
類元素の水酸化物の生成が抑制され、そのために、水素
吸蔵合金電極の導電性を保つことができる。
【0031】放置温度の下限は、水素吸蔵合金の酸化物
または水酸化物皮膜が除去され、さらに水素吸蔵合金の
表面をエッチングし得る温度という観点から決定され
る。この点からは、放置温度の下限値を40℃とするこ
とが好ましい。
【0032】放置温度の上限は、正極および負極を形成
している結着剤が耐え得る温度であることが望ましい。
結着剤は一般的にCMC(カルボキシメチルセルロ一
ス)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PV
A(ポリビニルアルコール)、PNVA(ポリNビニルア
セトアミド)、天然系高分子増粘剤(キサンタンガム)な
どを用いる。これらの高分子材料の高温での変質を避け
るためには、放置温度を80℃以下にすることが望まし
い。さらに、前記高分子材料の結着力は、65℃を超え
る温度に長時間放置すると低下する虞がある。結着剤の
結着力が大幅に低下した場合、水素吸蔵合金粉末もしく
は水酸化ニッケル粉末が基体から脱落して、容量低下、
さらには微短絡などを招く恐れがある。従って、放置温
度の上限を65℃以下とすることがさらに好ましい。
【0033】前記高温放置における放置時間も、温度の
選定と同様の観点である水素吸蔵合金の酸化物または水
酸化物皮膜が除去できることおよび結着剤の結着力が大
幅に低下しないことを条件に選定される。このような観
点から、放置時間を5〜24時間に設定することが望ま
しい。
【0034】前記過放電に先立つ高温放置によって、水
素吸蔵合金の水酸化物が電解液中に溶出するので、水素
吸蔵合金粉末表面をさらにクリーンにして負極の活性を
も高めることができる。
【0035】本発明においては、前記過放電操作後の次
の充電は、20時間率{電流が1/20It(A)}以下
のレートで、電池の定格容量の5〜30%1段目の充電
をし、次いで10時間率[電流が1/10It(A)]〜
1時間率[電流が1It(A)]のレートで一段目の充電
と合わせて電池の定格容量の105〜170%まで充電
する多段階充電を行う。
【0036】過放電操作後の次の充電操作において、1
段目の充電を20時間率以下の低率で行うのは、高率で
充電した場合、正極電位が急激に立ち上がってしまい、
Ni 2+からNi3+への酸化反応よりも卑な電位で進行す
るCo2+からCo3+への酸化反応が充分に進行しないた
めである。前記一段目の充電操作において一旦還元され
たコバルト化合物が酸化され、正極であるニッケル電極
内に高次コバルト化合物からなる緻密な導電性ネットワ
ークが形成される。
【0037】この多段充電は、活性化サイクルの時間短
縮を目的としているため、二段目以降の充電電流のレー
トを、1時間率{電流が1It(A)}程度とすること
が好ましい。これ以上の高率で充電を行った場合、未活
性の正、負極が十分に充電を受け入れず、結果として活
性化が不十分となったり、活性化サイクル数の増大を招
いたりする恐れがある。
【0038】尚、過放電後の充電操作において、全充電
電気量が電池の定格容量の105%未満では充電不足と
なり活性化が進みにくい。また、全充電電気量が電池の
定格容量の170%を超えると、正極内にγ−NiOO
Hが生成したり、負極の水素吸蔵合金に腐食が発生した
りして、電池性能が低下する虞があるので好ましくな
い。
【0039】以下に、本発明の好適な態様を実施例に基
づいて説明する。尚本発明に係るニッケル水素蓄電池の
製造方法は、水酸化ニッケルを主成分とする芯層とコバ
ルト化合物を含む表面層とを備え、酸化剤を用いて酸化
処理された活物質粉末を有する正極と、水素吸蔵合金か
らなる活物質粉末を有する負極を備えたニッケル水素蓄
電池全てに適用可能な活性化方法であって、電極の構成
材料の詳細等は以下の実施例に記載の内容に限定される
ものではない。
【0040】
【実施例】(ニッケル電極活物質粉末の作製)定法に従い
コバルトおよび亜鉛をそれぞれ水酸化物換算で1重量%
および5重量%固溶状態で含有させた高密度水酸化ニッ
ケルを核とし、表面に水酸化コバルトの被覆層を形成さ
せた平均粒径が8μmの水酸化ニッケル系ニッケル電極
活物質粉末を用意した。この水酸化ニッケル系材料粉末
において、水酸化コバルトの被覆層の量を10重量%と
した。
【0041】さらに、前記水酸化ニッケル系材料粉末
を、温度が50℃、濃度が15重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液中に投入してゆっくり攪拌しながら、酸化剤で
ある濃度5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下して
酸化処理を行った。酸化処理後の材料粉末に含まれるコ
バルトとニッケルを合わせた平均酸化数が2.15とな
るように水酸化ニッケル材料粉末の投入量に対する酸化
剤の添加量比率を調整した。
【0042】硫酸第一鉄法により得られた正極活物質の
平均酸化数を測定した.その結果酸化処理後の材料粉末
に含まれるコバルトとニッケルをあわせた平均酸化数は
2.14であり、目的とするニッケル電極用活物質粉末
を得た。前記ニッケル電極用活物質粉末には、ニッケル
とコバルトの2種類の遷移金属元素が含まれるが、Co
2+/Co3+の酸化還元電位の方がNi2+/Ni3+の酸化
還元電位よりも卑であるため、コバルトの方が優先的に
酸化される。従って、得られた活物質粉末は、表面がコ
バルトの高次化合物で被覆され、かつ、芯層の水酸化ニ
ッケルの一部が酸化された水酸化ニッケルを主成分とす
る粉末である。
【0043】(ニッケル電極の作製)得られたニッケル電
極活物質粉末100重量部に、濃度が0.7重量%のC
MC水溶液を添加混練して、ニッケル電極活物質ペース
トを作製した。該ぺーストを厚さ1.4mmの発泡ニッ
ケル製多孔性基板に充填し乾燥した後、プレスして厚さ
を0.6mmに調整し、長尺帯状のニッケル電極用原板
を得た。該原板を所定の寸法に裁断してニッケル電極と
した。
【0044】前記ニッケル電極の活物質充填容量は、下
記に示すNi2+→Ni3+の1電子反応を仮定して次の式
に基づいて、ニッケル電極に充填した活物質中のNi元
素1g当たり、456.47mAhと算定した。該算定
量から求められる前記ニッケル電極の活物質充填容量
は、1650mAhであった。
【0045】
【化1】
【0046】一方、MmNiAlCoMn(Mmはミッ
シュメタルであり、La,Ce,PrおよびNdからな
る希土類元素の混合物である)の組成で示される、50
μm以下の粒径の水素吸蔵合金粉末を用意し、この水素
吸蔵合金粉末に対して増粘剤であるCMCの水溶液と結
着剤であるポリテトラフルオロエチレンの水性分散液を
加えて混練しペ一ストを調製した。このペーストをパン
チングメタルの両面に塗布して乾燥した後、プレスして
厚さを0.6mmに調整し、長尺帯状の水素吸蔵合金電
極用原板を得た。該原板を所定の寸法に裁断して水素吸
蔵合金電極とした。該水素吸蔵合金電極の活物質充填容
量を前記ニッケル電極活物質充填容量の1.5倍の24
75mAhとした。
【0047】(ニッケル水素蓄電池の作製)前記ニッケル
電極と水素吸蔵合金電極とを、ポリオレフィン系樹脂繊
維の不織布からなる厚さ0.15mmのセパレー夕を挾
んで渦巻状に巻き取り、電極群を製造した。該電極群を
円筒状金属ケース内に収納し、7モル/dmの水酸化
カリウム水溶液と1モル/dmの水酸化リチウム水溶
液とからなる電解液を所定量注入した。次いで、安全弁
を備えた金属製蓋体を用いて金属ケースを封口し、定格
容量1650mAhのAAサイズの円筒型ニッケル水素
蓄電池を得た。
【0048】得られたニッケル水素蓄電池を以下に記述
する条件にて評価試験に供した。 (初期活性化) (初回充電、初回放電)前記試作電池を、温度20℃にお
いて初回の充電に供した。初回充電において一段目の充
電の充電電流を82.5mA{1/20It(A)}で
6時間、二段目の充電の充電電流を330mA[1/5
It(A)]で4時間、一段目と二段目合わせて定格容
量に対して110%の充電を行った. 前記初回充電後
の電池を通常の条件で放電した。放電は、放電電流16
5mA{1/10It(A)}の定電流で実施し、端子
電圧が1.0Vを切った時点で終了した。
【0049】(高温放置)前記初回の充放電操作1サイク
ルを実施した電池を以下の条件で放置した。放置温度
を、温度25℃、40℃、60℃および80℃の4水準
の条件で12時間放置した。また、放置せずにただちに
2回目の充電を実施した電池を用意した。
【0050】さらに、放置温度6O℃については、放置
時間を前記12時間とした他、1時間、5時間、24時
間および36時間の4水準の条件を追加して放置した。
【0051】(2サイクル目の充電、2サイクル目の放
電および過放電操作)前記電池1〜電池21を充電した
後、電池5と電池20は放電操作、これを除く他の電池
については放電および過放電操作に供した。充電は、充
電電流を330mA[1/5It(A)]とし、電池の定
格容量の110%を充電した。放電操作は、放電電流1
65mA{1/10It(A)}の定電流で実施し、端子
電圧が1.0Vを切った時点で終了とした。過放電操作
は、前記放電操作に引き続き同一の電流で放電を継続さ
せ、過放電電気量が所定の値になった時点でタイマーに
より終止させた。
【0052】過放電電気量は、定格容量の5%とした。
また、温度60℃において12時間放置した電池につい
ては1%、2%、5%、10%および15%の5水準と
した、該電池をそれぞれ電池6、電池7、電池13、電
池15および電池16とする。
【0053】(3サイクル目の充電操作)一段充電を実施
した電池と二段充電を実施した電池を用意した。過放電
操作を行わなかったもの(後記表1の電池5、電池2
0)と過放電操作を行ったもののうち1種(表1の電池
8)を一段充電とした。一段充電は、充電電流を165
mA[1/10It(A)]とし、電池の定格容量の11
0%を充電した。二段充電は、一段目の充電の充電電流
を、82.5mA{1/20It(A)}、二段目の充
電電流を165mA{1/10It(A)}に固定し
た。また、60℃、12時間放置後5%の過放電を行っ
た電池については、一段目の放電電流を33mA{1/
50It(A)}、82.5mA{1/20It
(A)}および132mA{1/12.5It(A)}
の5水準とした。また、その他に165mA{1/10
It(A)}一段充電のものも用意した。一段目の充電
電気量を定格容量の30%、二段目の充電電気量を定格
容量の80%、一段目と二段目の充電合わせて110%
とした。さらに、一段目の充電を充電電流82.5mA
{1/20It(A)}で行ったものについては、充電
電気量の定格容量に対する比率を2%、5%、10%の
3水準として一段目の充電を追加実施した。
【0054】(3サイクル目の放電操作)電流165m
A{1/10It(A)]で、終止電圧を1.0Vとし
て定電流放電を行った。
【0055】(4および5サイクル目の充放電操作)次
いで、これらの電池を330mA{1/5It(A)}
で110%定電流充電し、続いて165mA[1/10I
t(A)]で定電流放電した。該充放電サイクルを1サ
イクルとし、4および5サイクル目の2サイクル充放電
操作を繰り返し実施した。5サイクル目の充放電操作実
施をもって初期活性化を終了した。以上記述した初期活
性化のうち主要工程を表1にまとめた。
【0056】
【表1】
【0057】(初期活性化における放電容量の推移)図3
に前記電池5、電池8、電池13、電池20、電池21
の初期充放電サイクルに於ける放電容量(定格容量に対
する比率(%)で表示した)の推移を示す。図3に示す
ように、本発明に係る実施例電池である電池13と電池
21の、3サイクル目以降の放電容量の立ち上がりが大
である。これは2サイクル目に実施した前記過放電操作
の効果によるものである。また、電池13と電池21を
比較すると電池13の方が放電容量の立ち上がりが大で
ある。これは、過放電操作に先だって実施した前記放置
操作の効果によるものである。電池8の場合、3サイク
ル目以降の放電容量の立ち上がりが電池13に比べて劣
っている。電池8も電池13同様過放電操作を実施して
いるが、過放電後の充電を10時間率〔充電電流165
mA[1/10It(A)]〕と電池13の20時間率
〔充電電流82.5mA[1/20It(A)]〕に比べ
て高率で行ったために、過放電によって高次コバルト酸
化物の一部が還元された後、充電による導電性ネットワ
ークの形成が不十分であったためと考えられる。このこ
とから、過放電操作後の充電は20時間率[電流1/2
0It(A)]以下の低率で行うのが望ましい。
【0058】図4に前記電池1、電池2、電池13、電
池19および電池21の初期充放電サイクルに於ける放
電容量の推移を示す。図4に示すように、電池1、電池
21に比べ、電池2、電池13、電池19の3サイクル
目以降の放電容量の立ち上がりが大である。これは、電
池13を過放電操作に先だって実施した高温放置の効果
によるものである。電池1の場合、エージングの温度が
低かったために、放電容量の立ち上がりが劣っていると
考えられる。
【0059】図5に電池3、電池4、電池13、電池1
7および電池18の初期充放電サイクルに於ける放電容
量の推移を示す。図5に示すように、電池3に比べ、電
池4、電池13、電池17および電池18の、3サイク
ル目以降の放電容量の立ち上がりが大である。この結果
は、放置操作において電池を5時間以上放置することが
望ましいことを示している。また、24時間と36時間
放置では放電容量の立ち上がり効果に差がない。高温で
の放置時間が長くなると水素吸蔵合金の腐食が進などの
悪影響が生じる虞がある。従って、放置時間を5〜24
時間とすることが望ましい。
【0060】(常温高率放電試験)初期5サイクルを経過
した電池5、電池6、電池7、電池15および電池16
を330mA{1/5It(A)}で110%定電流充
電後、温度20℃において4950mA{3It
(A)}で、終止電圧1.0Vで放電した。各々の電池
の該放電における放電容量と330mA{1/5It
(A)}、終止電圧1.0V放電における放電容量の比
率(%)を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2に示す如く、本発明に係る実施例電池
である電池6、電池7、電池15が優れた高率放電特性
を有している。これは、前記過放電操作を実施した効果
によるものである。本発明に係る実施例電池が、過放電
操作によって酸化処理によって生成させた高次コバルト
化合物の一部を還元しているのに対して、電池16の場
合は過放電電気量が大きすぎて、前記高次コバルト化合
物の殆ど全てを還元してしまったために、ニッケル電極
の導電機能が低下したものと考えられる。
【0063】初期5サイクルを経過した電池9、電池1
0、電池11、電池12、電池13および電池14を3
30mA{1/5It(A)}で110%定電流充電
後、温度20℃において4950mA{3It(A)}
で、終止電圧1.0Vで放電した。各々の電池の該放電
における放電容量と330mA{1/5It(A)}、
終止電圧1.0V放電における放電容量の比率(%)を
表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示す如く、電池10と電池14の高
率放電特性が、他の電池の高率放電特性と比較して低
い。過放電操作後の充電レートが高いと、ニッケル電極
内に高次コバルト化合物の再析出による前記導電性ネッ
トワークを形成し難い。電池10の場合は、一段目の低
率充電による充電電気量が不足している。また、電池1
4の場合は一段目の充電レートが高い。このため、電池
10、電池14においては前記導電性ネットワーク形成
が不十分なために高率放電特性が劣ると考えられる。こ
の結果から過放電操作後の一段目の充電レートを1/2
0時間率以下に設定することが望ましく、また、その充
電電気量を定格容量に対して5%以上とすることが望ま
しい。
【0066】(低温高率放電試験)初期5サイクルを経過
した本発明に係る実施例電池13、電池21と比較例の
電池5、電池20を330mA{1/5It(A)}で
110%定電流充電後、温度−20℃において4950
mA{3It(A)}で、終止電圧1.0Vで放電し
た。各々の電池の該放電における放電容量と330mA
{1/5It(A)}、終止電圧1.0V放電における
放電容量の比率を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】本発明に係る実施例である電池13および
電池21は、比較例電池である電池5と電池20に比べ
て高い放電容量を示している。実施例電池の場合は、過
放電操作の効果が出ているものと考えられる。また、実
施例電池のうちでも高温放置操作を行った電池13が、
特に高い放電容量を示している。
【0069】(充放電サイクル試験)前記実施例電池1
3、実施例電池15、実施例電池18と比較例電池16
を初期活性化処理した後、温度20℃において、電流1
650mA{1It(A)}で定格容量の105%充
電、電流1650mA{1It(A)}で終止電圧1.
0V放電を1サイクルとして充放電サイクル試験に供し
た.
【0070】図6にその結果を示す。比較例電池16
は、実施例電池13と15に比べて充放電サイクル性能
が劣っている。比較例電池16の場合は、過放電操作に
於いて過放電電気量を過剰としたために、過放電操作に
おいてコバルトの高次化合物殆ど全てが還元され、この
ために放電リザーブの生成量が多くなった虞がある。こ
のために、充放電サイクル性能の低下に繋がったものと
考えられる。このことからも判る如く、過放電電気量は
ニッケル電極活物質に含まれる高次コバルト化合物の一
部を還元する量に止める必要がある。
【0071】また、実施例電池18も他の実施例電池に
比べ若干サイクル性能が劣っていると同時に内部インピ
ーダンスも高い。これは、長時間の高温放置で水素吸蔵
合金の腐食が生じるため、負極の放電リザーブの増大と
充電リザーブの減少が進み、電池内圧が上昇したためと
考えられる。
【発明の効果】
【0072】本発明の請求項1に係るニッケル水素蓄電
池は、放電容量が大きくサイクル性能の優れた電池であ
って、高率放電特性にも優れたニッケル水素蓄電池であ
る。
【0073】本発明の請求項2によれば、ニッケル水素
蓄電池の放電リザーブ生成の増大を防ぎながら且つ高率
放電特性の優れたニッケル水素畜電池を提供することが
できる。また、ニッケル水素蓄電池の初期活性化を速め
ることができる。
【0074】本発明の請求項3によれば、請求項2にお
いて放電リザーブ生成増大の抑制効果を高めることがで
きる。
【0075】本発明の請求項4によれば、請求項2にお
いて高率放電特性向上効果を一層高めることおよび充放
電サイクル特性の低下を抑制する事ができる。
【0076】本発明の請求項5によれば、請求項2にお
いて高率放電特性向上効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例電池における正極の隣り合
う活物質粉末同士のコンタクトの状態を示す模式図であ
る。
【図2】従来電池における正極の隣り合う活物質粉末同
士のコンタクトの状態を示す模式図である。
【図3】本発明に係る実施例電池および比較例電池の初
期活性化過程における放電容量の推移を示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係る実施例電池および比較電池の初期
活性化過程における放電容量の推移を示すグラフであ
る。
【図5】本発明に係る実施例電池および比較電池の初期
活性化過程における放電容量の推移を示すグラフであ
る。
【図6】本発明に係る実施例電池および比較例電池の充
放電サイクル特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 芯層 2 表面層 3 活物質粉末同士を結合する高次コバルト化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前澤 敏之 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 5H028 AA05 BB03 BB05 BB10 CC08 EE08 HH01 HH10 5H050 AA08 BA14 CA08 CB16 EA02 EA12 EA22 EA23 EA24 FA17 GA07 GA18 HA01 HA14 HA17 HA20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルを主成分とする芯層と高
    次コバルト化合物を主成分とする表面層とを備えた活物
    質粉末を多孔性金属基板に充填してなる正極と水素吸蔵
    合金電極からなる負極を備えるニッケル水素蓄電池であ
    って、前記活物質粉末同士を、高次コバルト化合物で結
    合してなる正極を備えることを特徴とするニッケル水素
    蓄電池。
  2. 【請求項2】 水酸化ニッケルを主成分とする芯層と高
    次コバルト化合物を主成分とする表面層とを備えた活物
    質粉末を多孔性金属基板に充填してなり、前記活物質粉
    末同士を高次コバルト化合物で結合してなる正極を備え
    るニッケル水素蓄電池の製造方法であって、電池に充放
    電操作を施すことによって活性化する初期活性化の過程
    において、前記操作中に少なくとも1回過放電操作を実
    施して、前記高次コバルト化合物の一部を還元し、酸化
    数2価のコバルト化合物を生成させる工程を設けたこと
    を特徴とするニッケル水素蓄電池の製造方法. 【請求頃3】 前記過放電操作一回当たりの過放電電気
    量を電池の定格容量の2〜10%とした請求項2記載の
    ニッケル水素蓄電池の製造方法。 【請求頃4】 前記過放電操作を行う以前に、放電終了
    後の電池を40〜80℃の温度範囲で、5〜24時間放
    置することを特徴とする請求項2および請求項3記載の
    ニッケル水素蓄電池の製造方法。 【請求頃5】 前記過放電操作後、20時間率[電流1
    /20It(A)]以下のレートで電池の定格容量の5
    〜30%充電し,次いでl0時間率[電流1/10It
    (A)]〜1時間率[電流1It(A)]のレートで充電
    し、該充電操作における全充電電気量を電池の定格容量
    の105〜170%とすることを特徴とする請求項2、
    請求項3および請求項4記載のニッケル水素蓄電池の製
    造方法。
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