JP2003297350A - ニッケル水素蓄電池とその製造方法 - Google Patents

ニッケル水素蓄電池とその製造方法

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JP2003297350A
JP2003297350A JP2002097233A JP2002097233A JP2003297350A JP 2003297350 A JP2003297350 A JP 2003297350A JP 2002097233 A JP2002097233 A JP 2002097233A JP 2002097233 A JP2002097233 A JP 2002097233A JP 2003297350 A JP2003297350 A JP 2003297350A
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battery
hydrogen storage
charging
rate
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Shuchiku Ko
修竹 黄
Toshiki Tanaka
俊樹 田中
Minoru Kurokuzuhara
実 黒葛原
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水酸化ニッケルを主成分とする粉末を活物質
とする正極と、希土類元素とニッケル(Ni)を主構成
成分とし、CaCu5型結晶構造を有する水素吸蔵合金
粉末を活物質とする負極を備えたニッケル水素蓄電池を
速やかに初期活性化し、且つ、高率放電特性の優れたニ
ッケル水素蓄電池を提供する。 【解決手段】 Mnを含有し、希土類元素とニッケル
(Ni)を主構成成分とし、CaCu5型結晶構造を有
する水素吸蔵合金粉末であって、磁化率が1.5emu
/g以上である水素吸蔵合金粉末を有する負極を備えた
ニッケル水素蓄電池とする。充電放電を繰り返し行うニ
ッケル水素蓄電池の初期活性化方法において、充電操作
1回当たりの充電電気量が定格容量の130%を超え
ず、少なくとも1回、充電後の電池を温度60〜70℃
においてエージングすることによって水素吸蔵合金の磁
化率を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Mnを含有し、希
土類元素とニッケル(Ni)を主構成成分とし、CaC
5型の結晶構造を有する水素吸蔵合金粉末からなる活
物質粉末を有する負極を備えたニッケル水素蓄電池とそ
の製造方法に関するものであり、特に高率放電特性に優
れたニッケル水素蓄電池を提供することを目的とするも
のである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ蓄電池の1種であるニッケル水
素蓄電池は、同じアルカリ蓄電池の1種であるニッケル
カドミウム蓄電池に比べて高いエネルギー密度を有し、
しかも有害なカドミウムを含まず環境汚染の虞が少ない
ことから、携帯電話、小型電動工具および小型パーソナ
ルコンピュータ等の携帯用小型電子機器類用の電源とし
て広く利用されており、これらの小型電子機器類の普及
とともに需要が飛躍的に増大している。また、ハイブリ
ッド型電気自動車(HEV)の駆動用電源としても実用
化されている。前記電動工具、小型電子機器およびHE
V用の電源にはいずれも優れた高率放電性能が求められ
る。
【0003】ところで、ニッケル水素蓄電池は、電池を
組み立ててすぐに正常に作動するわけではない。化成と
称する初期活性化処理を経て初めて規定の電気的特性を
発揮する。通常、電池の充電操作および放電操作を繰り
返し行うことによって初期の活性化を図る(以下、化成
と記述する)。また、1回目の充電操作を行う以前に温
度40〜70℃において放置操作(以下、エージングと
記述する)を行うこともある。
【0004】ニッケル水素蓄電池の負極にはLaNi5
やMmNi5(Mmはミッシュメタルを示す)に代表さ
れるCaCu5型結晶構造を有する水素吸蔵合金粉末が
広く用いられている。該水素吸蔵合金粉末(以下合金粉
末と記述する)をそのまま電極に組み込んでも活物質と
しての活性に乏しい。従来、合金粉末が活性に乏しいの
は、その表面に希土類元素の酸化物や水酸化物の被膜が
存在して電極反応を阻害するためと考えられ、前記合金
粉末をアルカリ電解液中においてエージングすることに
よって、表面に存在する希土類元素の水酸化物や酸化物
の被膜を溶出除去する方法が提案されている。該エージ
ングは、また、アルカリ電解液によるエッチングによっ
て合金粉末表面の希土類元素の溶出を促し、表面にNi
に富む層(以下Niリッチ層と記述する)を形成させて
活物質としての活性を高める効果があるとされる。
【0005】しかし、従来のエージングをもってしても
なお電池組立後の充放電サイクル経過数の少ない段階で
は、十分な放電性能を得にくい。その主要な原因の1つ
は、水素吸蔵合金の表面に存在するNiの酸化物や水酸
化物がアルカリ電解液中で安定であるために消失せず、
エージング後においても水素吸蔵合金の表面がNiの酸
化物や水酸化物の被膜で覆われており、該被膜が電極反
応を阻害するためと考えられる。
【0006】ニッケル水素蓄電池の化成において、1回
目の充電は通常低率で行う。例えば、30時間率{1/
30It(A)}〜50時間率{1/50It(A)}
の低率で充電を開始し、引き続き5時間率{1/5It
(A)}〜10時間率{1/10It(A)}で行うの
が普通である。1回の充電を温度40〜60℃の高温で
実施する提案もあるが、通常常温で行う。1回目の充電
を低率で開始することや高温で充電することは正極に高
次コバルト化合物(オキシ水酸化コバルトともいう)の
導電性ネットワークを構築するのに有効である。この化
成方法は、正極であるニッケル電極の性能を高めるのに
は有効な方法であるが、負極である水素吸蔵合金電極の
活性化に対しては効果がなく、結果として電池の放電特
性の向上に関して十分な結果が得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術の欠点に鑑みなされたものであって、希土類元素と
ニッケル(Ni)を主構成成分とし、CaCu5型結晶
構造を有する水素吸蔵合金粉末を負極に適用した化成方
法の改良によって、充放電サイクル経過数の少ない段階
から高率放電特性の優れたニッケル水素蓄電池を提供せ
んとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、マンガン(M
n)を含有し、希土類元素とニッケル(Ni)を主構成
成分とし、CaCu5型結晶構造を有する水素吸蔵合金
粉末を負極に用いたニッケル水素蓄電池であって、電池
組立後の化成によって前記水素吸蔵合金粉末の磁化率を
1.5emu/g以上に高め、前記課題を解決するもの
である。
【0009】そのために化成の過程において、少なくと
も1回、電池の定格容量の105〜130%充電した電
池を温度60〜70℃で20〜30時間放置する(以下
高温エージングと記述する)。本発明においては、さら
に、該高温エージングに先立って温度40〜50℃にお
いて1時間率{1It(A)}〜1/3時間率{3It
(A)}という高率にて電池の定格容量の80〜130
%充電する(以下高温高率充電と記述する)ことが望ま
しい。
【0010】前記のように、充電後の電池を高温エージ
ングすることによって、水素吸蔵合金の表面の改質を図
り、水素吸蔵合金電極の機能を高める。また、高温エー
ジングに先だって高温高率充電することによって、さら
に水素吸蔵合金の表面の改質効果を高める。このことに
よって、電池の高率放電特性の向上を図る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るニッケル水素蓄電池
は、Mnを含有し、希土類元素とニッケル(Ni)を主
構成成分とし、CaCu5型結晶構造を有する水素吸蔵
合金粉末を負極に用いたニッケル水素蓄電池であって、
前記水素吸蔵合金粉末の磁化率を1.5emu/g以上
とする。
【0012】前記水素吸蔵合金粉末の磁化率が高いとい
うことは、合金中の磁性を有する元素であるNiが、金
属の状態で存在する比率が高いことを示している。通
常、マンガン(Mn)を含有し、希土類元素とニッケル
(Ni)を主構成成分とし、CaCu5型結晶構造を有
する水素吸蔵合金粉末の磁化率は0.1〜0.8emu
/gという低い値を示す。このように磁化率の値が低い
のは、主としてNiが希土類元素やMnと合金化してい
るためである。電池を高温エージングすることによって
水素吸蔵合金粉末の表面の希土類元素を溶出させ、表面
にNiリッチな層を形成させることができる。該Niリ
ッチな層の形成は水素吸蔵合金の活性を高める作用があ
る。前記水素吸蔵合金の磁化率の高さは、水素吸蔵合金
表面のNiリッチな層の形成の度合いを図る尺度であ
る。
【0013】ただし、Mnを含有する水素吸蔵合金を適
用した電池の場合、高温エージングのみでは、前記磁化
率を高める効果が顕著ではない。本発明のように、高温
エージングの前に電池の定格容量の105〜130%充
電を行うことによって、磁化率向上の効果をさらに高め
ることができる。その理由は明らかではないが充電状態
にある電池を高温エージングすることが磁化率向上に有
効に作用しているものと考えられる。
【0014】本発明に係るニッケル水素蓄電池の化成方
法は、水酸化ニッケルを主成分とする活物質粉末を有す
る正極と、水素吸蔵合金からなる活物質粉末を有する負
極を備えたニッケル水素蓄電池を充電と放電を繰り返し
行うことによって活性化する化成方法であって、化成の
過程で少なくとも1回電池の定格容量の105〜130
%充電した電池を温度60〜70℃で20〜30時間高
温エージングを行う。また、前記高温エージングに先だ
って、温度40〜50℃において1時間率{1It
(A)}〜1/3時間率{3It(A)}で定格容量の
80〜130%充電することが望ましい。
【0015】前記化成の過程で充電後の電池を高温エー
ジングすることによって、負極の特性が飛躍的に向上す
る。その機構は明らかではないが、高温エージングする
ことによって水素吸蔵合金の磁化率の値が飛躍的に高く
なるところから、水素吸蔵合金の表面に存在した希土類
元素の酸化物や水酸化物が除去された以外に、Niの酸
化物や水酸化物も除去され、表面に金属状Niに富む層
が生成したものと推定される。
【0016】さらに、高温エージングに先だって高温高
率充電を実施すると、充電時の負極の分極が大きく、負
極の電位が卑な方向にシフトするために、Niの酸化物
や水酸化物の還元が促されるものと考えられる。また、
負極表面のアルカリ濃度が高まるのでNiの酸化物や水
酸化物および希土類元素やMnの溶出を促す効果もある
と推定される。
【0017】ニッケル水素蓄電池の化成においては、通
常1回の充電操作における充電電気量を電池の定格容量
の130%を超えないように設定する。充電電気量が電
池の定格容量の130%を超えると充電過剰となり、電
解液の電気分解によるガス発生量の増大等、電池にとっ
て悪影響を及ぼすので好ましくない。また、充電電気量
が電池の定格容量の105%未満では充電不足を招くの
で好ましくない。従って、1回の充電における総充電電
気量を電池の定格容量の105%〜130%とし、本発
明の場合、前記1回の充電による総充電電気量のうち高
温高率充電による充電電気量を電池の定格容量の80〜
130%とすることが望ましい。
【0018】前記高温エージングおよびそれに先だって
高温高率充電を実施して水素吸蔵合金電極の活性を高め
ることによって、その後の充放電を高率で行うことがで
きる。本発明に係る本発明に係るニッケル水素蓄電池の
化成方法は、電池組立後に3〜5回の充放電操作を繰り
返し実施する。前記高温エージング、高温高率充電操作
を初回から3〜5回目までの充放電操作のうちどこに配
置してもよいが、出来るだけ早期に実施して、後の充放
電を高率でできるようにすることによって、化成のスピ
ードを上げ、化成を短時間で終了させることができる。
【0019】高次コバルト化合物からなる導電性ネット
ワークを備えるニッケル電極の場合、初回の充電操作に
よって前記導電性ネットワークを形成させる。該導電性
ネットワークの形成には、低率での充電を必要とするこ
とおよび導電性ネットワークを形成した後でないと高率
充電することができない。また、充電操作を全く行って
いない水素吸蔵合金電極は、活性が低く高率充電するこ
とができない。従って、前記高温高率充電操作に先だっ
て、低率の充電操作を組み入れる必要がある。
【0020】前記高温高率充電操作を初回の充電に組み
入れる場合は、高温高率充電に先だって低率での充電操
作を組み入れる。例えば、温度40〜50℃にて、30
時間率{1/30It(A)}〜50時間率{1/50
It(A)}にて電池の定格容量の10〜30%充電し
た後に、同温度において高温高率充電を実施する。
【0021】また、電池に組み込んだ後の水素吸蔵合金
粉末の表面は、通常合金の水酸化物など絶縁性の被膜で
覆われている。該被膜は、水素吸蔵合金電極の電気伝導
および電極反応を阻害する。電池をエージングすると、
前記被膜のうち希土類元素の酸化物や水酸化物を溶出除
去する効果がある。従って、化成に先だって例えば温度
40〜50℃にて10〜20時間エージングすることが
望ましい。
【0022】本発明に係るニッケル水素蓄電池の化成方
法においては、充電後の電池を温度60〜70℃におい
て高温エージングする。該高温エージングは、1回また
は複数回に分けて実施してもよい。但し、電池を前記高
温エージング実施において電池を前記温度範囲に維持す
る合計時間は、前記20〜30時間の範囲に設定する。
【0023】高温エージングの温度が60℃未満であっ
たり、電池温度を前記範囲内に維持する合計時間が20
時間未満の場合には、高温エージングの効果が得られな
いかまたは小さい。高温エージングの温度が70℃を超
えたり、電池温度を前記範囲内に維持する合計時間が3
0時間を超えると負極水素吸蔵合金の腐食が進むので好
ましくない。また、高温エージングの温度が70℃を超
えると電極の構成材料である結着剤に劣化を招く等の悪
影響が生じる虞がある。
【0024】前記高温高率充電は、1時間率{1It
(A)}〜1/3時間率{3It(A)}にて電池の定
格容量の80〜110%充電し、前記のように1回の充
電に於けるトータルの充電電気量が定格容量の105〜
130%となるようにすることが望ましい。高率充電に
よる充電電気量が定格容量の80%未満の場合は、高率
充電実施の効果が小さい。
【0025】本発明に適用する水素吸蔵合金は、MmN
wAlxCoyMnz(Mmはミッシュメタルであり、L
a、Ce、PrおよびNdからなる希士類元素の混合物
である)で表され、wが3.0〜5.0、xが0.1〜
0.6、yが0.1〜0.9、zが0.1〜0.7の範
囲にあるものが望ましい。高い容量を得るためにはwが
上記の範囲内にあることが望ましい。x、yおよびzが
0.1以下の場合は、水素吸蔵合金の耐食性が低い欠点
がある。また、x、yおよびzが上記上限値を超えると
水素吸蔵合金の容量と電極の活物質としての活性が低い
欠点がある。
【0026】以下に本発明の好適な態様を実施例に基づ
いて説明する。尚本発明は、水酸化ニッケルを主成分と
する活物質粉末を有するニッケル電極と、Mnを含有し
希土類元素とニッケル(Ni)を主構成成分とし、Ca
Cu5型結晶構造を有する水素吸蔵合金からなる活物質
粉末を有する水素吸蔵合金電極を備えたニッケル水素蓄
電池全てに適用可能な活性化方法であって、水素吸蔵合
金の組成等電極構成材料の詳細等は、以下の実施例に記
載の内容に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】(ニッケル電極活物質粉末の作製)定法に従
いコバルトおよび亜鉛をそれぞれ水酸化物換算で3重量
%および5重量%固溶状態で含有させた高密度水酸化ニ
ッケルを核とし、表面に水酸化コバルトの被覆層を形成
させた平均粒径が10μmの水酸化ニッケルを主成分と
するニッケル電極活物質粉末を用意した。なお、該活物
質粉末の表面に形成させた前記水酸化コバルトの被覆層
の比率を6重量%とした。
【0028】(ニッケル電極の作製)得られたニッケル
電極活物質紛末80重量部に、濃度が0.7重量%のカ
ルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液20重量部
を添加混連して、ニッケル電極活物質ペーストを作製し
た。該ペーストを厚さ1.4mm、目付量500g/m
2の発泡ニッケル製多孔体基板に充填して乾燥した後、
プレスして厚さを0.6mmに調整し、長尺帯状のニッ
ケル電極用原板を得た。該原板を所定の寸法に裁断して
ニッケル電極とした。
【0029】(水素吸蔵合金電極の作製)MmNi3.6
Al0.29Co0.75Mn0.36の組成で示される、平均粒径
35μm、最大粒径が50μm以下の粒径の水素吸蔵合
金粉末を用いた。該水素吸蔵合金の試料約0.3gを磁
化率測定に供した。磁化率の測定には、振動試料型磁力
計(Magnetmeter)を用いた。該水素吸蔵合
金の磁化率の測定結果は0.1emu/gであった。
【0030】この水素吸蔵合金粉末100重量部に対し
て、増粘剤であるメチルセルロース(MC)の1wt%
水溶液13重量部と、結着剤であるポリテトラフルオロ
エチレン粉末の1.5重量部とを加えて混練しペースト
を調製した。このペーストを厚さ60μm、開口率45
%の鋼板製パンチングメタルの両面に塗布して乾燥した
後、プレスして厚さを0.6mmに調整し、長尺帯状の
水素吸蔵合金電極用原板を得た。該原板を所定の寸法に
裁断して水素吸蔵合金電極とした。該水素吸蔵合金電極
の活物質充填容量を前記ニッケル電極活物質充填容量の
1.6倍とした。
【0031】(ニッケル水素蓄電池の作製)前記ニッケ
ル電極と水素吸蔵合金電極とを、親水化処理を施したポ
リプロピレン樹脂繊維の不織布からなる厚さ0.12m
mのセパレータを挟んで渦巻状に巻き取り、電極群を製
造した。該電極群を円筒状金属ケース内に収納し、7モ
ル/dm3の水酸化カリウム水溶液と1モル/dm3の水
酸化リチウム水溶液とからなる電解液を所定量注入し
た。次いで、安全弁を備えた金属製蓋体を用いて金属ケ
ースを封口し、定格容量1650mAhのAAサイズの
円筒型ニッケル水素蓄電池を得た。
【0032】得られたニッケル水素蓄電池を温度40℃
において12時間エージングした後、以下に記述する条
件にて化成をおこなった。なお、1回の充電操作におけ
る全充電電気量を定格容量の120%に固定した。同一
化成条件の電池を各々5個づつ容易し、化成終了後1個
の電池を解体して負極の水素吸蔵合金粉末を回収した。
回収した試料約0.3gを磁化率測定に供した。磁化率
の測定には、前記同様振動試料型磁力計(Magnet
meter)を用いた。他の電池を低温高率放電試験に
供した。
【0033】(化成) (実施例1)前記試作電池を温度40℃において初回充
電した。初回充電は、二段階の充電とし、一段目の充電
を電流55mA{1/30It(A)}で6時間(定格
容量の20%充電)、二段目を電流1650mA{1I
t(A)}で1時間(定格容量の100%充電)とし
た。
【0034】前記初回充電後の電池を温度60℃におい
て20時間高温エージングした後、温度20℃において
放電に供した。放電操作は、放電電流を165mA{1
/10It(A)}の定電流放電で、放電終止電圧を
1.0Vとした。
【0035】2サイクル目以降5サイクル目まで、温度
20℃において電流330mA{1/5It(A)}で
定格容量の120%充電、電流330mA{1/5It
(A)}、終止電圧1.0Vとした放電を1サイクルと
し、充放電操作を繰り返し実施した。
【0036】(実施例2)実施例1において、初回充電
の二段目の充電を0.85時間で打ち切った(初回充電
の全充電電気量を電池の定格容量の105%とした)。
そ例外は、実施例1と同じとした。
【0037】(比較例1)実施例1において、高温エー
ジングを初回充電後ではなく、初回放電後に実施した。
その以外は、実施例1と同じとした。 (比較例2)実施例1において、初回充電の2段目充電
を0.5時間で打ち切った(初回充電の全充電電気量を
電池の定格容量の70%とした)。それ以外は、実施例
1と同じとした。
【0038】(実施例3)実施例1において、高温エー
ジングの温度を70℃とした。それ以外は、実施例1と
同じとした。
【0039】(比較例3)実施例1において、高温エー
ジングの時間を10時間とした。それ以外は、実施例1
と同じとした。 (実施例4)実施例1において、高温エージングの時間
を30時間とした。それ以外は、実施例1と同じとし
た。 (実施例5)実施例1において、高温エージングの時間
を40時間とした。それ以外は、実施例1と同じとし
た。
【0040】(比較例4)実施例1において、エージン
グの温度を20℃とした。それ以外は、実施例1と同じ
とした。 (比較例5)実施例1において、エージングの温度を4
0℃とした。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0041】(実施例6)実施例1において、初回充電
の二段目の充電を電流550mA{1/3It
(A)}、充電時間を3時間(定格容量の100%充
電)として実施した。それ以外は、実施例1と同一の条
件とした。 (実施例7)実施例1において、初回充電の二段目の充
電を電流4950mA{3It(A)}、充電時間を1
/3時間(定格容量の100%充電)として実施した。
それ以外は、実施例1と同一の条件とした。 (実施例8)実施例1において、初回充電の一段目充電
を12時間(電池の定格容量の40%充電)、二段目の
充電を0.8時間(定格容量の80%充電)とした。そ
れ以外は実施例1と同じとした。 (実施例9)実施例1において、初回充電の一段目充電
を18時間(電池の定格容量の60%充電)、二段目の
充電を0.6時間(定格容量の60%充電)とした。そ
れ以外は実施例1と同じとした。
【0042】(実施例10)初回充電を温度40℃にお
いて一段目の充電を電流55mA{1/30It
(A)}で6時間(定格容量の20%充電)、二段目を
電流330mA{1/5It(A)}で5時間(定格容
量の100%充電)とした。実施例1と同じ条件で初回
の放電を行った後、温度40℃において電流1650m
A{1It(A)}で1.2時間(定格容量の120%
充電)充電した。2回目の充電を行った後に温度40℃
において20時間高温エージングを行った。2回目の放
電以降は実施例1と同じとした。
【0043】(実施例11)実施例1において、初回充
電の一段目および二段目の充電を温度20℃で行った。
それ以外は、実施例1と同じとした。 (実施例12)実施例1において、初回充電の一段目お
よび二段目の充電を温度50℃で行った。それ以外は、
実施例1と同じとした。 (実施例13)実施例1において、初回充電の一段目お
よび二段目の充電を温度60℃で行った。それ以外は、
実施例1と同じとした。
【0044】前記実施例電池および比較例電池の化成方
法と化成後の水素吸蔵合金粉末の磁化率を表1にまとめ
て示す。
【表1】
【0045】表1に示す如く、本発明に係る実施例電池
の化成後の水素吸蔵合金粉末の磁化率は、何れも1.5
emu/gを上回っている。これに対して、比較例電池
のそれは全て1.4emu/gを下回る低い値である。
このことから、充電後の電池(定格容量の105%以上
充電)を高温エージングすることが水素吸蔵合金の磁化
率向上に有効であることが判る。また、エージングの温
度は60℃以上、時間は20時間以上が良いことが判
る。さらに、後記の如く本発明に係る磁化率が1.5e
mu/g以上の水素吸蔵合金を有する負極を備えたニッ
ケル水素蓄電池は、化成の進行が速く、かつ、高率放電
特性が優れている。
【0046】実施例電池のうち、実施例6、実施例9お
よび実施例11の磁化率がやや低いところから、エージ
ング前の充電を1時間率以上の高率、高率充電の充電電
気量を電池の定格容量の80%以上、充電実施温度を4
0℃以上で実施することが磁化率向上にとって望ましい
ことがわかる。また、実施例13のように、60℃の充
電は水素吸蔵合金を腐食する虞があるので好ましくな
い。
【0047】(化成中の正極活物質利用率の推移)実施
例1、実施例2、比較例1および比較例2に係るニッケ
ル水素蓄電池の化成工程における正極活物質利用率の推
移を図1に示す。なお、1サイクル目の活物質利用率
は、約80%であり図示しなかった。図1に示した如
く、実施例1、実施例2に係る電池の方が比較例1およ
び比較例2に係る電池に比べて高い活物質利用率を示し
ている。このことから、電池の定格容量の105%以上
充電した電池を高温エージングした方が化成の進行が良
いことを示している。
【0048】図2に実施例3、比較例3、実施例4、比
較例4および比較例5に係る電池の化成工程における正
極活物質利用率の推移を図2に示す。図2に示した如
く、本発明の実施例に係る電池の方が比較例に係る電池
に比べて高い活物質利用率を示している。この差は、比
較例3の場合、高温エージングの時間が不足しているた
めに水素吸蔵合金電極の活性化の進行が遅いためと考え
られる。また、比較例4および比較例5の場合は、エー
ジングの温度が低いために水素吸蔵合金電極の活性化の
進行が遅いものと考えられる。この結果から高温エージ
ングの温度は60℃以上、エージング時間は20時間以
上が良いことが判る。
【0049】図3に実施例6、実施例7、実施例8およ
び実施例9に係る電池の化成工程における正極活物質利
用率の推移を図3に示す。図3に示した如く、実施例に
係る電池のうちでは、実施例6および実施例9の特性が
やや低い。実施例6の場合は、高温エージング前の充電
のレートが3時間率と低い。実施例9の場合は、高温エ
ージング前の高率充電の充電電気量が少ない。このこと
が、特性の差として現れているものと考えられる。この
ことから。高温エージング前の充電を、1時間率以上の
高率で行うことおよび高率充電による充電電気量を電池
の定格容量の80%以上にすることが望ましいことが判
る。
【0050】(低温高率放電試験)化成を終了した前記
実施例および比較例に係る電池を、温度20℃において
6サイクル目の充電を行った。充電は、電流330mA
{1/5It(A)}で定格容量の120%充電した。
充電後の電池を、温度−20℃、放電電流1650mA
{1It(A)}で、終止電圧1.0Vで放電した。各
々の電池の該放電における放電容量と330mA{1/
5It(A)}、終止電圧1.0V放電における放電容
量の比率を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示した如く、本発明に係る実施例電
池は、いずれの電池も比較例電池にと比較して高い低温
高率放電特性を示す。また、前記化成後の水素吸蔵合金
の磁化率が高く、化成の過程に於ける活物質の利用率の
高いものが低温高率放電においても優れた特性を示す傾
向がある。このことから、低温高率放電特性を向上させ
るためにも、化成の過程において充電後の電池を高温エ
ージングするの有効であり、さらに高温エージング前に
孤立充電を実施することが望ましい。
【0053】なお、詳細は省略するが、高温エージング
およびそれに先立つ高率充電を少なくとも1回実施すれ
ば十分な効果が得られる。該操作を2回以上繰り返して
も電池の特性に悪影響はないものの、更なる特性の向上
は望めない。従って、高温エージングおよび高率充電
は、化成の過程で1少なくとも1回行えば良い。
【0054】(充放電サイクル試験)本発明に係る電池
である実施例1、実施例4および実施例5に係る電池を
温度20℃において電流1650mA{1It(A)}
で定格容量の120%充電した後、放電電流1650m
A{1It(A)}で、終止電圧1.0Vで放電した。
該充放電を1サイクルとし、充放電サイクルを繰り返し
実施した。その結果を図4に示す。
【0055】図4に示したように、実施例5に係る電池
の容量が実施例1および実施例4に係る電池に比べてサ
イクル性能がやや劣る。実施例5に係る電池の場合、高
温エージングが40時間と長い。高温エージングにおい
ては、水素吸蔵合金の腐食が生じる。従って、エージン
グ時間が長すぎると負極の放電リザーブ量が減少し正極
と負極の容量バランスが崩れる。実施例5の場合は、こ
のためにサイクル特性が低下したと考えられる。尚ここ
では省略したが、温度70℃で20時間エージングした
実施例3の場合も実施例1や実施例4に劣らないサイク
ル特性を示した。このことから、高温エージングは30
時間以内とすることが望ましいことが判る。
【0056】本発明によって得られる効果は、前記のよ
うに主として負極である水素吸蔵合金電極の改質によっ
て得られるものである。前記実施例では、水素吸蔵合金
としてMmNi3.6Al0.29Co0.75Mn0.36で表され
る組成を用いたが、本発明に係るニッケル水素蓄電池の
初期活性化の方法は、本合金と同一のタイプであるLa
Ni5に代表される希土類元素とNiを主成分とするA
5型の水素吸蔵合金を適用したニッケル水素蓄電池に
適用できる方法である。
【発明の効果】
【0057】本発明に係るニッケル水素蓄電池は、電池
組立後の充放電サイクル経過数の少ない段階から優れた
高率放電特性を有するニッケル水素蓄電池である。
【0058】本発明の請求項2によれば、ニッケル水素
蓄電池の初期活性化に要する時間を短縮できると同時
に、化成の過程で水素吸蔵合金の磁化率を高め、高率放
電特性の優れたニッケル水素蓄電池を提供することがで
きる。
【0059】本発明の請求項3によれば、前記請求項2
に係る発明のうち、高率放電特性の向上において大きな
効果を得ることができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例電池および比較例電池の初
期活性化過程における放電容量の推移を示すグラフであ
る。
【図2】本発明に係る実施例電池および比較例電池の初
期活性化過程における放電容量の推移を示すグラフであ
る。
【図3】本発明に係る実施例電池の初期活性化過程にお
ける放電容量の推移を示すグラフである。
【図4】本発明に係る実施例電池の充放電サイクル性能
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H028 BB05 BB14 BB15 EE01 HH01 HH08 HH10 5H050 AA02 BA14 CA03 CB17 EA22 EA23 EA24 GA18 HA01 HA02 HA14 HA16 HA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン(Mn)を含有し、希土類元素
    とニッケル(Ni)を主構成成分とし、CaCu5型結
    晶構造を有する水素吸蔵合金粉末であって、磁化率が
    1.5emu/g以上である水素吸蔵合金粉末を有する
    負極を備えたことを特徴とするニッケル水素蓄電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のニッケル水素蓄電池の製
    造方法であって、電池組立後、充電と放電を繰り返し行
    うことによって電池を活性化する過程で、少なくとも1
    回、電池の定格容量の105〜130%充電した電池を
    温度60〜70℃で20〜30時間放置することを特徴
    とするニッケル水素蓄電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記放置に先立つ充電を、温度40〜5
    0℃において1時間率{1It(A)}〜1/3時間率
    {3It(A)}で定格容量の80〜130%充電する
    ことを特徴とする請求項2記載のニッケル水素蓄電池の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112018456A (zh) * 2019-05-31 2020-12-01 朴力美电动车辆活力株式会社 二次电池的制造方法和镍氢二次电池

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