JP2003253527A - 視認性の良好な糸 - Google Patents
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Abstract
ことを目的とする。 【解決手段】 表面に規則的または不規則の山谷構造が
設けられている不透明な芯糸と、前記芯糸を被覆してい
る透明な鞘部とを有することを特徴とする糸。
Description
って、芯糸の表面に規則的または不規則の山谷構造が設
けられていることを特長とする糸に関する。
り魚信を捕らえていた。浮きは視認性に富むが、風、
波、潮流などの影響を受けて動き流される。これが、魚
信を捕らえにくくし、それゆえに釣りを難しくしてい
る。近年、釣りの漁法が多様化するに従い、風、波、潮
流などの外来因子の影響を受けやすい浮きを指標とせ
ず、釣糸、特に道糸の動きを指標として魚信を捕らえる
ことが行われている。また、釣糸の動きを利用して釣糸
の先にある仕掛けの位置を変えたり、仕掛けの動きを操
作したり、仕掛けにかかった獲物の動きを道糸で判断し
たりすることも、盛んに行われるようになってきた。そ
のため、釣糸の持つべき特性として、視認性の良さが望
まれるようになってきている。
ことにより、釣糸を着色し、視認性を向上することが行
われている。しかし、この場合、大量の顔料等の含有に
より釣糸の強度が低下するなど、釣糸として要求される
特性を損なうおそれがあるという問題点があった。特
に、従来、酸化チタンを大量に含む白色の釣糸が視認性
の良い釣糸として用いられていたが、酸化チタンは活性
が高く、釣糸を構成する糸条と化学反応し、時間の経過
とともに釣糸の物性の低下をもたらす。かかる問題点を
解決すべく、酸化チタンを大量に含む白色の芯糸を合成
樹脂で被覆した芯鞘構造の釣糸が開発されている。かか
る釣糸においては、酸化チタンが空気に実質的に触れな
いため、釣糸の劣化速度が遅くなる。しかし、上述の芯
鞘構造の釣糸であっても、その視認性はいまだ十分であ
るとはいえず、また、劣化速度も酸化チタンを含有しな
い釣糸と比較した場合、明らかに劣るため、さらなる改
善の余地があった。以上に釣糸の分野における従来技術
を述べてきたが、他の分野においても、視認性の良い糸
については同様の問題点が生じていた。
れた糸を提供することを目的とする。
達成すべく鋭意検討した結果、不透明な芯糸が透明な樹
脂で被覆されている芯鞘構造の糸(以下、単に「芯鞘構
造の糸」という。)において、芯糸の表面に山谷構造を
設けると視認性が向上するという思いがけない知見を得
た。すなわち、芯糸の表面に規則的または不規則の山谷
構造が設けられている芯鞘構造の糸は、芯糸の表面に前
記山谷構造が設けられていない芯鞘構造の糸に比べ、芯
糸における酸化チタンなどの顔料の含有量が同じであれ
ば、視認性が向上する。
充分な場合、芯糸の表面に規則的または不規則の山谷構
造が設けられている芯鞘構造の糸は、芯糸の表面に前記
山谷構造が設けられていない芯鞘構造の糸に比べ、芯糸
における酸化チタンなどの顔料の含有量を少なくするこ
とができる。その結果、糸の耐久性が従来のものより向
上するという利点がある。本発明者は、さらに検討を重
ねて本発明を完成した。
的または不規則の山谷構造が設けられている不透明な芯
糸を透明な鞘部が被覆していることを特徴とする糸、
(2) 芯糸の表面積と、表面に山谷構造が設けられて
いない糸の表面積の比が、1.02以上であることを特
徴とする前記(1)に記載の糸、(3) 芯糸が、酸化
チタンを含有していることを特徴とする前記(1)また
は(2)に記載の糸、(4) 芯糸が、ポリアミド系繊
維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタ
ン系繊維およびフッ素系繊維の群からなる少なくとも1
種類の繊維からなることを特徴とする前記(1)〜
(3)に記載の糸、に関する。
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂またはフッ素系樹脂からなることを特
徴とする前記(1)〜(4)に記載の糸、(6) 芯糸
と鞘部が、同一の素材からなることを特徴とする前記
(1)〜(5)に記載の糸、(7) 芯糸が白色である
ことを特徴とする前記(1)〜(6)に記載の糸、
(8) 鞘部が着色されていることを特徴とする前記
(7)に記載の糸、(9) 釣糸であることを特徴とす
る前記(1)〜(8)に記載の糸、に関する。
面に規則的または不規則の山谷構造が設けられているこ
とが特長である。具体的には、例えば、本発明において
用いる芯糸には長手方向に沿って複数本の溝部が形成さ
れている。深さや幅などの溝部の形状は、複数の溝部の
それぞれで異なっていてもよいし、同じでもよい。各溝
部の形状が同じであるならば、表面に長手方向に沿った
規則的な山谷構造を有する芯糸となる。各溝部の形状が
異なるならば、表面に長手方向に沿った不規則的な山谷
構造を有する芯糸となる。
は、複数の凸凹を備えた断面形状を有する。図1および
2に、本発明において用いる芯糸の断面図を示した。但
し、かかる態様は本発明の具体的実施態様であり、本発
明はこれに限定されない。図1および2から明らかなよ
うに、芯糸1は外接円3に複数の溝部が刻まれた断面形
状を有している。この山(図1および2の突起部)谷
(図1および2の溝部)構造は、好ましくは芯糸1の長
手方向に互いに平行に伸びていくように形成されてい
る。山部または谷部の数は特に限定されないが、製造上
困難とならない程度に多いほうが好ましい。
は外接円3の円周に均等に配置されており、かかる山谷
構造は本発明における好ましい態様として挙げられる。
しかし、山部または谷部は外接円3の円周に均等に配置
されていなくてもよい。また、図1においては、山部お
よび谷部は直線から構成されており、図2においては、
山部および谷部は滑らかに連続しており、その断面が曲
線から構成されている。本発明においては、いずれの態
様でもよく、または、他の態様、例えば、山部および谷
部の一部が直線から構成されている態様であってもよ
い。なかでも、本発明で用いる芯糸は、その断面が曲線
から構成されていること、すなわち、山部および谷部は
滑らかに連続していることが好ましい。
面積と、表面に山谷構造が刻まれていない糸の長手方向
の表面積の比は、約1.02〜20程度、好ましくは約
1.8〜10程度、より好ましくは約2〜7程度である
ことが好ましい。ここで、前記「表面に山谷構造が設け
られていない糸」は、図1および2の外接円3で示す断
面形状を有する糸である。また、本発明において用いる
芯糸は、その断面において、谷部の深さ(図1および2
の符号4)が、外接円3の半径の約0.5〜25%程
度、さらには約1〜20%程度、特に約1〜15%程度
であることが好ましい。さらに、本発明において用いる
芯糸は、山部が台地を形成し、山の頂上部が平坦な形
状、例えば図3に示すような断面を有していてもよい。
も特長である。芯糸の光透過性は、低いほど好ましく、
具体的には、約70%以下、好ましくは約50%以下、
より好ましくは約30%以下である。本発明において、
不透明な糸として公知のものを用いてよい。中でも、光
の透過率を下げるための無機微粒子を含有している糸を
芯糸として用いることが好ましい。かかる光の透過率を
下げるための無機微粒子としては、公知のものを用いて
よいが、具体的にはTiO2、SiO2、ZnO2など
が挙げられる。かかる無機微粒子は、太陽光線の中の可
視光線〜赤外線を効率よく反射する点で好ましい。特に
TiO2が不透明性に優れ、かつ粒子が細かくなるなど
の取り扱いのし易さ、価格面、太陽光線に対する安定性
などの諸機能等の点からより好ましい。
径が約0.2〜2.5μm程度、より好ましくは約0.
3〜1μm程度、さらに好ましくは約0.3〜0.5μ
m程度であることが好適である。十分な遮光性能を得る
とともに、無機微粒子の凝集を極力抑えるためには、上
記範囲が好ましい。また、例えば、TiO2は二次凝集
の生じにくいノンコーティング微量タイプのものを用い
るのが好ましい。上記無機微粒子は、本発明の芯糸全体
の重量に対し、約0.1〜20重量%程度、好ましくは
約0.1〜10重量%程度、さらに好ましくは約0.3
〜5重量%程度含有していることが好適である。
ず、公知の合成繊維を用いてよい。具体的に、前記芯糸
としては、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系、ア
クリル系、ポリウレタン系、フッ素系、ポリビニルアル
コール系、ポリオレフィン系などの合成繊維が挙げられ
る。また、芯糸としては、ポリスルホン酸繊維、ポリス
ルフィド繊維などを用いてもよい。中でも、本発明にお
ける芯糸として、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊
維、アクリル系繊維、ウレタン系繊維またはフッ素系繊
維を用いることが好ましい。上記合成繊維は公知の方法
により容易に製造することができる。例えば、ポリアミ
ド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ウレ
タン系繊維またはフッ素系繊維は、下記に詳述する樹脂
から公知の紡糸方法を用いて製造することができる。
明における芯糸として、引っ張り強度が約20g/d以
上の高強力繊維を用いてもよい。高強力繊維としては、
引っ張り強度が好ましくは約25g/d程度以上、より
好ましくは約30g/d程度以上のものがよい。上限値
は、好ましくは約50g/d程度である。ここで、引張
り強度は、例えば、JIS L 1013(1992)
「化学フィラメント糸試験方法」に従った方法にて、万
能試験機 オートグラフAG−100kNI(商品名
島津製作所製)で測定する。かかる高強力繊維として、
具体的には、例えば、超高分子量ポリエチレン繊維、芳
香族ポリアミド繊維、ヘテロ環高性能繊維、全芳香族ポ
リエステル繊維、高強力ポリビニルアルコール系繊維等
が挙げられる。より具体的には、全芳香族ポリアミド繊
維としては、例えば、パラ系全芳香族ポリアミド繊維ま
たはメタ系全芳香族ポリアミド繊維などが挙げられる。
ヘテロ環高性能繊維としては、例えば、ポリ−p−フェ
ニレンベンゾビスチアゾール(PBZT)繊維またはポ
リ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)
繊維などが挙げられる。全芳香族ポリエステル繊維とし
ては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸の自己縮合ポリ
エステル、テレフタル酸とハイドロキノンからなるポリ
エステルまたはp−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸からなるポリエステルからなる繊維
などが挙げられる。
造することができる。また、超高分子量ポリエチレン繊
維としてダイニーマ(商品名 東洋紡績株式会社製)、
全芳香族ポリアミド繊維として、ポリパラフェニレンテ
レフタルアミド繊維であるケブラー(商品名 東レ・デ
ュポン株式会社製)もしくはコポリパラフェニレン−
3,4’−ジフェニルエーテルテレフタルアミド繊維で
あるテクノーラ(商品名帝人株式会社製)、ヘテロ環高
性能繊維としてポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
ール繊維であるザイロン(商品名 東洋紡績株式会社
製)、全芳香族ポリエステル繊維としてベクトラン(商
品名 株式会社クラレ製)、高強力ポリビニルアルコー
ル系繊維としてクラロンK−II(高強力タイプ)(商品
名 株式会社クラレ製)などの市販品を用いてもよい。
ト、モノフィラメントまたはモノマルチフィラメント
(以下、「フィラメント」と総称する。)の形態で用い
るのが好ましい。ここで、モノマルチフィラメントと
は、通常は前記モノフィラメント複数本を合糸したフィ
ラメントをいう。
有されていてもよい。添加剤としては、例えば各種公知
の耐磨耗剤、艶消し剤、改質剤もしくは顔料などが挙げ
られる。顔料としては、より詳しくは、無機顔料、有機
顔料または有機染料などが挙げられ、より具体的には、
例えば、酸化チタン、カドミウム化合物、カーボンブラ
ック、アゾ化合物、シアニン染料または多環顔料などが
好適に用いられる。本発明に係る芯糸には、上記任意の
2種以上の添加剤が含有されていてもよい。また、本発
明に係る芯糸には、磁性材料、導電性物質、高誘電率を
有する物質などが配合されていてもよい。添加剤の含有
量は、その種類などによって異なるので、一概には言え
ないが、本発明の芯糸全体の重量に対し、約1〜50重
量%程度、好ましくは約1〜20重量%程度が好適であ
る。
していてもよい。この中空構造は糸を軽量化し、更に不
透明性を向上させるのに好適である。中空構造は、中空
部と中空部との間に架橋部が存在する構造が好ましい。
言い換えれば架橋部を介して2つ以上の中空部を有する
構造が好ましい。例えば、中空構造を有する芯糸の一実
施態様として、図4に示すような架橋部22を介して中
空部21が8つ設けられている断面を有する糸条が挙げ
られる。このように架橋部を設けることにより、中空部
の潰れを防ぐことができるなどの利点がある。中空部の
数は、芯糸の強度と形状の保持という観点から3程度以
上がより好ましい。また、中空部の数の上限は特に限定
するものではないが、製造が困難とならない程度が好ま
しく、おおむね20個程度とするのが好ましい。
面積に対する中空部の面積の割合(以下、中空率とい
う)は、約1〜50%程度が好ましく、約5〜35%程
度がより好ましく、約10〜25%程度がさらに好まし
い。なお、中空率は、より具体的には次式;中空率
(%)=(中空部の面積の総和/芯糸の断面積)×10
0(式1)により算出される。下記式中の面積は、光学
顕微鏡、例えばニコン社製マイクロフォトS光学顕微鏡
に、顕微鏡写真撮影装置を取り付け、芯糸断面の断面形
状を撮影し、測定することができる。
によって被覆されている。通常は、図5にその断面形状
を示したように、芯糸の長手方向の表面は鞘部によって
完全に被覆され、芯糸の表面が空気と接しないことが好
ましい。本発明にかかる糸の鞘部分は、透明な合成樹脂
から構成されていることが好ましい。かかる鞘部の合成
樹脂としては、特に限定されず、公知の合成樹脂を用い
てよい。具体的には、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹
脂もしくはその共重合変性物、ポリウレタン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、ポリスチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂またはエポキシ樹脂等が挙げられる。中
でも、鞘部の合成樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂またはフッ素系樹脂であることが好ましい。
繊維形成性ポリアミドはもちろん、少なくともフィルム
形成可能なポリアミドであることが特に好ましい。該ポ
リアミド系樹脂は、ホモポリマーでも、その共重合体あ
るいは変性物でもよい。すなわち、塗料や接着剤に適用
されるポリアミド系樹脂も包含される。具体的には、例
えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイ
ロン6,10などの脂肪族ポリアミドもしくはその共重
合体、または芳香族ジアミンとジカルボン酸により形成
される半芳香族ポリアミドもしくはその共重合体などが
挙げられる。かかるポリアミドの中でも、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,10などの
脂肪族ポリアミド系樹脂が上記目的を達成するための性
能をバランスよく有しており、本発明には好ましく適用
される。
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリン2,
6ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシ
フェニル)エタン、4,4’−ジカルボキシフェニルも
しくは5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族
ジカルボン酸、アジピン酸もしくはセバシン酸などの脂
肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ポリエチレングリコールまたはテトラメチレ
ングリコールなどのジオール化合物とから重縮合される
ポリエステルもしくはその共重合体などが挙げられる。
リロニトリルと、他のポリマーとのコポリマーであるア
クリル系樹脂が挙げられる。上記他のポリマーとして
は、例えばメタクリレート、アクリレートまたは酢酸ビ
ニル等が挙げられ、該他のポリマーは約5重量%程度以
下の割合で含有されていることが好ましい。
ば、低密度、中密度もしくは高密度ポリエチレン、超高
分子量ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂ま
たはメタロセン触媒系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂な
どのポリエチレン樹脂が挙げられる。また、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂、
エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メ
チルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体
などのポリエチレン共重合体樹脂も、上記ポリオレフィ
ン樹脂として挙げられる。さらに、ポリプロピレン樹
脂、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂、リアクターT
POまたはTPOも、上記ポリオレフィン樹脂として用
いることができる。また、架橋ポリエチレン、エチレン
−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマーからなる各種熱可塑性オレフィン、ブタ
ジエン、イソプレンとスチレンをベースとした各種熱可
塑性エラストマー類なども、上記ポリオレフィン樹脂と
して用いることができる。
ば、ジイソシアネートとグリコールとで構成されてお
り、主鎖中にウレタン結合を有する重合体が挙げられ
る。上記ジイソシアネートとしては、例えばエチレンジ
イソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイ
ソシアネート等が挙げられる。また、グリコールとして
は、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールまた
はキシリレングリコール等が挙げられる。このようなポ
リウレタン系樹脂は、ホモポリマーでもよいし、コポリ
マーであってもかまわない。
樹脂をいう。具体的には、例えば、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリモノクロロトリ
フルオロエチレンもしくはポリヘキサフルオロプロピレ
ンまたはその共重合体などが挙げられる。
例えば耐磨耗剤、艶消し剤、改質剤もしくは顔料などの
公知の添加剤が含有されていてもよい。また、上記合成
樹脂には、磁性材料、導電性物質、高誘電率を有する物
質などが含有されていてもよい。かかる添加剤として
は、上記のような添加剤のうち1種類のみが単独で含有
されていてもよいし、任意の組み合わせの2種類以上が
含有されていてもよい。
係る糸は、その断面が上記芯糸の相似形である場合な
ど、複数の凸凹を備えた断面形状を有していてもよい
が、略円形状の断面を有するほうが好ましい。本発明に
係る糸を釣糸として用いた場合、その断面が略円形状で
あるほうが、水中に入ったときに水を抱き込みにくく、
水中での抵抗が少なくなるからである。
ける芯糸の面積比は約50%以上であることが、視認性
の向上の観点から好ましい。また、その断面における芯
糸の面積比は約80%以下であることが、製造上の観点
から好ましい。また、本発明に係る糸においては、芯糸
と鞘部分の素材が同一であることが、製造上の観点から
好ましい。
る色で着色することが可能である。この場合、今まで存
在しなかった色の糸が作成できるという利点がある。す
なわち、芯糸に用いる色と鞘部に用いる色との組み合わ
せより、それらをそれぞれ単独で用いる場合とは異なっ
た色の糸にすることができる。これにより、光線状況な
どに応じて最も視認性の良い色調の糸を提供できるとい
う利点がある。具体的には、芯糸は白色であることが好
ましい。さらに、鞘部は着色されていることがより好ま
しい。前記鞘部の着色は、特に限定されないが、例えば
黄色、橙色、赤、桃色、水色、黄緑色などが好ましい。
このような糸は、発色が良く、視認性がさらに向上する
という利点がある。
れず、二軸押出機を用いる方法など公知の方法を用いて
よい。より具体的には、芯糸を構成する合成樹脂(以
下、芯成分ポリマーという)を、複数の凸凹を備えた断
面を有する形状孔(口金)に導入し、同時に、芯成分ポ
リマーを包むように鞘部を構成する合成樹脂(以下、鞘
成分ポリマーという)を導入させ、芯鞘複合流を形成さ
せる。この複合流を吐出孔から複合吐出させ、溶融紡糸
することにより、表面に山谷構造を有する芯糸が合成樹
脂で被覆されている本発明に係る糸を得ることができ
る。また、芯糸が中空構造を有する場合は、芯成分ポリ
マーを吐出させる口金の形状を、中空構造の断面形状に
見合ったスリットを有する形状とすることで本発明に係
る糸が得られる。
に、芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーの吐出量を調整す
ることで、本発明に係る糸の断面における芯糸の面積比
を所望の値に設定することができる。また、上述の表面
に山谷構造を有する芯糸を安定に紡糸するため、芯成分
ポリマーの粘度は、鞘成分ポリマーの粘度に比べ低粘度
とすることが好ましい。かかる粘度差としては、溶液粘
度(95%濃硫酸の溶液粘度)で約0.1cps以上と
することが好ましく、例えば、鞘成分ポリマーとして溶
液粘度が約2.75〜3.00cps程度の6ナイロン
を用いる場合、芯成分ポリマーとして溶液粘度が約2.
65〜2.80cps程度の6ナイロンを用いることが
好ましい。
以下のような方法も挙げられる。すなわち、上述の表面
に山谷構造を有する糸条を、所定の公知口金を用いて溶
融紡糸するなどの公知の方法により製造し、その後、得
られた糸条の周りを鞘成分ポリマーで被覆するという製
造方法である。かかる製造方法は、芯成分ポリマーと鞘
成分ポリマーの溶融条件が著しく異なる場合に特に有効
である。上記鞘成分ポリマーで芯糸を被覆する方法とし
ては、特に限定されず、例えば、コーティング法、スプ
レー法またはディッピング法など公知の方法を用いてよ
い。
に対し、公知の後処理を付してもよい。通常は、上述の
ように紡糸した後、延伸処理が行われる。紡糸した糸を
一旦巻きとって公知の延撚機を用いて延伸を行っても良
いし、一旦捲き取ることなく延伸を行ういわゆる直接紡
糸延伸法により延伸を行っても良い。また、その他の公
知の加工方法を施しても良い。
糸の用途は、特に限定されず、視認性が要求される用途
であれば、いかなる用途に用いてよい。なかでも、本発
明に係る糸は、釣糸として用いることが好ましい。
に説明するが、本発明はこの例だけに限定されない。芯
成分ポリマーとして、粘度が2.75の6ナイロンを用
い、TiO2を10重量%含有させた。なお、TiO2
は、粒径0.2〜2.5μm、粒度分布0.3〜0.5
μmが50%以上のものを用いた。また、鞘成分ポリマ
ーとして、粘度が2.90の6ナイロンを使用した。得
られる糸の断面を図5で示される形状とすることができ
る形状孔(口金)に上記芯成分ポリマーを導入し、同時
に、芯成分ポリマーを包むように鞘成分ポリマーを円形
状孔(口金)に導入し、芯鞘複合流を形成した。この複
合流を吐出孔から複合吐出させ、紡糸速度130m/分
で複合紡糸した。紡糸された糸条を延撚機により5.8
倍に延伸して巻き取り、図5に示す断面形状を有する本
発明に係る糸を得た。なお、糸の断面において、芯糸が
占める面積は80%であった。TiO2の含有量は、糸
全体に対して約0.5重量%であった。
の芯糸を有する二重構造の釣糸と同様の視認性を有して
いた。なお、前記市販の釣糸には、釣糸全体に対して約
1.0重量%のTiO2が含有されている。得られた本
発明に係る糸と前記市販の釣糸を、2ヶ月間屋外に放置
した。その結果、市販の釣糸の一部は劣化し、ボロボロ
になっていた。市販の釣糸のうち形状を保っている部分
について、結節強力を測定したところ、放置前に比して
10分の1以下になっていた。一方、本発明に係る糸
は、全て形状を保っていた。また、結節強力を測定した
ところ、放置前に比して5分の1程度であった。
芯糸を樹脂で被覆した従来の芯鞘構造の糸よりも優れた
視認性を有する。また、従来の前記糸と同程度の視認性
で十分な場合、本発明によれば、芯糸の顔料の含有量が
少なくて済む結果、顔料の含有による糸の強度の低下が
抑制されるという利点がある。また、その芯糸および鞘
部の色を種々組み合わせることにより、従来よりもより
発色の良い色調の糸を提供できる。かかる発色の良い糸
は、光線状況によって視認性の良い色調を選べるため、
例えば本発明に係る糸を釣糸として用いると釣果の向上
にもつながる。さらに、本発明に係る糸が全体として円
形断面形状を有している場合、本発明に係る糸を釣糸と
して用いると、水の中で抵抗を受けにくいという利点も
生じる。
態様を示す。
の態様を示す。
の態様を示す。
の態様を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 表面に規則的または不規則の山谷構造が
設けられている不透明な芯糸を透明な鞘部が被覆してい
ることを特徴とする糸。 - 【請求項2】 芯糸の表面積と、表面に山谷構造が設け
られていない糸の表面積の比が、1.02以上であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の糸。 - 【請求項3】 芯糸が、酸化チタンを含有していること
を特徴とする請求項1または2に記載の糸。 - 【請求項4】 芯糸が、ポリアミド系繊維、ポリエステ
ル系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維および
フッ素系繊維の群からなる少なくとも1種類の繊維から
なることを特徴とする請求項1〜3に記載の糸。 - 【請求項5】 鞘部が、ポリアミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂または
フッ素系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4に
記載の糸。 - 【請求項6】 芯糸と鞘部が、同一の素材からなること
を特徴とする請求項1〜5に記載の糸。 - 【請求項7】 芯糸が白色であることを特徴とする請求
項1〜6に記載の糸。 - 【請求項8】 鞘部が着色されていることを特徴とする
請求項7に記載の糸。 - 【請求項9】 釣糸であることを特徴とする請求項1〜
8に記載の糸。
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