JP3175222B2 - 人工毛髪 - Google Patents

人工毛髪

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JP3175222B2 JP24321991A JP24321991A JP3175222B2 JP 3175222 B2 JP3175222 B2 JP 3175222B2 JP 24321991 A JP24321991 A JP 24321991A JP 24321991 A JP24321991 A JP 24321991A JP 3175222 B2 JP3175222 B2 JP 3175222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面光沢が抑制された良
好な艶消し性を示す表面突起を有するポリエステルフィ
ラメントから成る人工毛髪に関するものである。
【0002】
【従来の技術】かつら、ヘヤーウイッグ、付け毛あるい
はヘヤーバンドなどに用いられる人工毛髪の素材とし
て、近年、ポリエチレンテレフタレートに代表される飽
和ポリエステルを主成分とする繊維が、その優れた抗張
力、耐熱性、セット保持性の良さなどの点から広く用い
られるようになった。飽和ポリエステルを主成分とする
繊維を人工毛髪として用いる場合には易セット性、セッ
ト保持性、櫛通り性、光による退色が少ないなどの特性
のほか、特に人毛に近い適度な艶消し性と色が必要とさ
れるが、常法で製糸したポリエステル繊維そのままでは
糸表面が平坦で、かつ光の屈折率が高いためため、表面
光沢が強く、人工毛髪に適用することができない。この
点を改良するため、従来よりポリエステル繊維表面の艶
消し技術の提案が行なわれてきた。例えばポリエステル
繊維表面に多数の擦過傷を生じさせ粗面化し、艶消し人
工毛髪を得る方法が知られている。しかしながらこの方
法により得られた艶消し繊維は繊維表面に生じた擦過傷
のために繊維の強度が低下するという欠点を有してい
た。更に、特開昭61−245301号公報にはポリエ
ステルモノフィラメントをアルカリ性液で粗面化処理す
ることにより、表面光沢の抑制された艶消し人工毛髪を
得る方法が開示されている。また、特開昭63−127
16号公報には酸化硅素を主成分とする微粒子などを含
有するポリエステル系繊維をアルカリ性液で処理し、表
面に特定の微細な凹凸を形成させた人工毛髪用ポリエス
テル繊維およびその製造方法が開示されている。しかし
ながら、これらの繊維およびその製造方法は、いずれも
苛性ソーダ水溶液や酸性液などの腐食性の強い薬液で繊
維を処理する必要があるため、特別な処理工程および廃
液処理が必要となり、このため製造コスト高の要因とな
っていた。また、作業に危険を伴なったり製造装置が腐
食するなどの問題をも有していた。
【0003】一方、表面に突起を有するポリエステル繊
維として、特公平2−50876号公報には表面に特定
形状の凸部を特定個数有し、繊度が20デニール以下の
モノフィラメントからなるポリエステル製スクリーン印
刷用の紗が公知である。かかるモノフィラメントは、
クリーン印刷用の紗の製織時における白粉スカムの発生
を少なくするものであり、用途および目的が明らかに異
なるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した種々
の問題を有する特別なアルカリ性の薬液処理を行なう必
要のない、表面光沢の抑制され艶消し性に優れたポリエ
ステルフィラメントから成る人工毛髪の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、平均粒径が1.16μm〜10μmの不活性粒子を
含有し、糸表面からの高さが0.5μm以上、8μm以
下である表面突起を糸表面積1平方ミリメートル当たり
103 個以上、105 個以下有するポリエステルフィラ
メントから成る人工毛髪によって達成できる。以下、本
発明を詳細に説明する。本発明の人工毛髪とは、かつら
あるいはヘヤーウイッグあるいは付け毛またはヘヤーバ
ンドなど毛髪を補う目的、あるいはおしゃれなどの目的
で毛髪部または頭部に装着する様々な物の全部あるいは
一部分を構成する繊維材料をさすものである。本発明の
人工毛髪を構成するところのポリエステルフィラメント
のポリエステルとは、テレフタル酸を主たる二官能性カ
ルボン酸とし、エチレングリコールを主たるグリコール
成分とするポリエステルが好ましいが、テレフタル酸の
一部あるいは全部を2,6−ナフタレンジカルボン酸、
4,4´−ジカルボキシフェノキシメタン、イソフタル
酸などに置き換えたもの、また、エチレングリコールの
一部あるいは全部をジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ビスフェノールAのEO付加物、ブタンジ
オールなどに置き換えたものであってもよい。また、少
量であればトリメシン酸、トリメリット酸、硼酸、グリ
セリン、トリメチロールプロパンなどの三官能化合物を
共重合したものでもよい。
【0006】また、該ポリエステルは、改質の目的で他
の熱可塑性合成樹脂、例えばナイロン6,ナイロン6・
6などのポリアミド類、ポリエチレン,ポリプロピレン
などのポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリフッ化ビニリデン,エチレン・テトラフルオロ
エチレンコポリマーなどの含フッ素ポリマー類などを
0.5重量%から50重量%の範囲でブレンド使用する
こともできる。
【0007】本発明のフィラメントの表面突起は、本来
のフィラメント表面を基底にした概ね円錐小丘状や台丘
状および半球状などの突起のことであり、従来のアルカ
リ性薬液などでフィラメント表面をエッチングして付与
した凹凸とは明確に異なるものである。本発明のフィラ
メント表面に存在するところの高さ0.5μm以上、8
μm以下で糸表面積1平方ミリメートル当たり10
以上、10個以下の表面突起の高さおよび単位面積当
たりの存在個数はELIONIX社のESM−3200
およびPMS−1を用い計測したものである。
【0008】本発明の人工毛髪を構成するところのポリ
エステルフィラメント表面には、高さ0.5μm以上、
8μm以下の表面突起が、糸表面積1平方ミリメートル
当たり10個以上、10個以下存在することが必須
である。表面突起の個数が糸表面積1平方ミリメートル
当たり10個以上、10個以下であっても、糸表面
の突起高さが0.5μmより低いと艶消し効果が不十分
となり、本発明の目的を達成できない。同様に、突起高
さが8μmを越えると表面のざらつきが肉眼で見えるよ
うになり、艶消し状態が不良となる。
【0009】一方、糸表面の表面突起の高さが0.5μ
m以上、8μm以下であっても、糸表面積1平方ミリメ
ートル当たりの表面突起の存在個数が10個より少な
いと艶消し効果が不十分となる。また、存在個数が10
個より多いと隣接する突起と突起が重なり合うため
に、効果が不十分となる。ここで、表面突起のうち、高
さ1μm以上の表面突起が糸表面積1平方ミリメートル
当たり50個以上で、かつ高さ2μm以上の表面突起が
糸表面積1平方ミリメートル当たり10個以上存在する
と艶消し効果が一層顕著となるので、好ましい。
【0010】本発明のフィラメント表面の突起は、平均
粒径が1.16μm以上、10μm以下の不活性粒子を
0.1重量%以上、10重量%以下含有するポリエチレ
ンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステルチップを常法により溶融紡糸・延伸するこ
とにより得ることができる。本発明のポリエステルフィ
ラメントが含有するところの不活性粒子の平均粒径は株
式会社堀場製作所製のCAPA−500を用いて測定し
たものである。該不活性粒子の含有量は艶消し効果、お
よびモノフィラメントとしての物理特性の点から、0.
1重量%以上、10重量%以下が好ましい
【0011】本発明のポリエステルフィラメントが含有
するところの不活性粒子とは、有機粒子、無機粒子いず
れでもよく、例えば炭酸カルシウム,酸化硅素,酸化チ
タン,酸化アルミニウムなどの酸化物、燐酸カルシウ
ム,燐酸一水素カルシウム,燐酸二水素カルシウム,燐
酸カリウム,燐酸一水素カリウム,燐酸二水素カリウム
などの燐酸塩、硫酸バリウム,硫酸カルシウムなどの硫
酸塩、架橋ポリスチレンなどを挙げることができるが、
特に酸化硅素を主成分とする一次粒径が数十から数百n
mなどの微粒子が集合した凝集性粒子や球状の単分散性
粒子が取扱い易さや該フィラメントよりなる人工毛髪の
発色性などの面から好ましい。凝集性の酸化硅素粒子を
用いると該フィラメント表面に様々な形状の混在した突
起を形成させることができ、更には染色時に粒子内部に
も染料が侵入するため、人工毛髪のいわゆる白ちゃけを
防ぐことができる。一方、球状の単分散性酸化硅素粒子
を用いると表面突起の形状が比較的均一となり、よって
粒子を選択することで目的に応じた艶消し効果を発現す
ることができる。また、更には凝集性の酸化硅素粒子と
単分散性酸化硅素粒子を適宜使い分けたり、組み合わせ
て用いることもできる。また、上記した各種の粒子2種
以上を適宜、組み合わせて用いることもできる。
【0012】該フィラメントの糸断面形状はいかなるも
のでもよく、例えば丸、楕円、3角、T、Y、H、+、
5葉,6葉,7葉,8葉などの多葉形状、正方形、長方
形、菱形、繭型、馬蹄型などを挙げることができ、ま
た、これらの形状を一部変更したものであってもよい。
また、使用に当たってはこれら各種断面形状のフィラメ
ントを適宜組み合わせて用いることができる。
【0013】本発明の人工毛髪を構成するところのポリ
エステルフィラメント一本の太さは20デニール以上、
100デニールであることが、天然様の効果を発現させ
る点から望ましい。更に好ましくは25デニール以上、
80デニールである。本発明の人工毛髪をヘヤーバンド
として用いるときは、単一デニールのフィラメントを束
ねて用いても良いが、かつらあるいはヘヤーウイッグま
たは付け毛などとして用いる場合は30デニールから5
0デニールの範囲の太さのフィラメントを適宜組み合わ
せ、ミックスして用いることが好ましい。
【0014】本発明のポリエステルフィラメントは必要
に応じて着色処理を行って使用することができる。着色
を染色によって行う場合の染料としては分散染料を使用
できるが、染色後の耐光堅牢度が5級以上のものが使用
中の人工毛髪の変・退色が少ないので、好ましい。ま
た、染色は公知の染色キャリヤー剤を併用しても良い
が、染色キャリヤー剤を必要としない高圧染色が好まし
い。また、染色前の該ポリエステルフィラメントにカー
ボンブラックや各種顔料などが添加されていてもよく、
この場合には染色時の染料が節約できばかりでなく、
用途によっては染色を行なう必要がないなど、好ましい
ものである。
【0015】また、該人工毛髪には使用中の人工毛髪の
変・退色を防止するため公知の紫外線吸収剤を含有させ
ることができる。紫外線吸収剤としては、例えば2,2
−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔3,5−ビス
(2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシフェニ
ル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−ターシャリーブチ
ル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ターシャリーブ
チル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベン
ゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤および2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシ
エトキシ)ベンゾフェノン30〜50モル%とメタクリ
ル酸メチル70〜30モル%とのランダムコポリマー、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,
4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾフェノ
ン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メト
キシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸
収剤および酸化鉄微粒子などを挙げることができる。こ
れらの紫外線吸収剤中でもビス(5−ベンゾイル−4−
ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンおよび2,
2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノールおよび2−〔2−ヒドロキシ−3,5−
ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−
ベンゾトリアゾールおよび酸化鉄微粒子などが溶融状態
のポリエステルに添加・混合する際の耐熱性が良好で高
い耐光性が得られるため、好ましく用いることができ
る。また、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキ
シエトキシ)ベンゾフェノン30〜50モル%とメタク
リル酸メチル70〜30モル%とのランダムコポリマー
は高分子量でありポリエステルフィラメント中からのブ
リードアウトが少なく安定した耐光性が得られるため、
好ましく用いることができる。また、これらの各種紫外
線吸収剤の2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0016】該人工毛髪には使用中の火災による危険か
ら人体を守るため、燐系,ハロゲン系,三酸化アンチモ
ンなどの公知の有機または無機質の難燃剤が含まれてい
てもよい。また、該人工毛髪には、フィラメントの帯電
によるまとわり付きや絡まり、あるいは埃の付着を防止
する目的で、毛髪を構成するポリエステルを変性、ある
いは帯電防止剤を表面付与したものでもよい。
【0017】かくして、本発明の表面突起を有するポリ
エステルフィラメントからなる人工毛髪は表面の光沢が
抑制されているため、かつらあるいはヘヤーウイッグあ
るいは付け毛またはヘヤーバンドなど毛髪を補う目的、
あるいはおしゃれなどの目的で毛髪部または頭部に装着
する様々な物の全部あるいは一部分を構成する繊維材料
など、光によるキラ付き感の嫌われる様々な分野におい
て好適に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。なお、実施例中の艶消し性の評価は、フィラメ
ント5000本を束ね、直射日光の当たる屋内の窓際で
視覚判定し、繊維軸方向に直線的かつ連続した強い光沢
を示したものは人工毛髪として不適当なもの、また、く
すんだサラサラ感のある人の毛髪に類似した良好な艶消
し性を示したものを人工毛髪として好適なものと判定し
たものである。
【0019】実施例1 平均粒径2.36μmの凝集性酸化硅素粒子を1.5重
量%含有する極限粘度(フェノールとテトラクロルエタ
ン1:1の混合溶剤中25℃で測定)0.67のポリエ
チレンテレフタレートチップを真空下160℃で8時間
乾燥した。該チップを、290℃でエクストルーダ型混
練機と計量ギヤポンプおよび50メッシュのガラスビー
ズと150メッシュの金網より成る濾過層とを有する紡
糸機により、孔径0.3mmの紡出孔を30ホール有す
る紡糸口金より溶融紡糸し、次いでトータル5.0倍に
延伸し、更に8%のリラックス処理を施した後に巻取っ
た。得られたポリエステルフイラメントの糸表面には、
高さ0.5μm以上、8μm以下の表面突起が糸表面積
1平方ミリメートル当たり約17000個存在し、その
表面突起のうち1μm以上の高さの表面突起が約200
0個で、更にその表面突起のうち2μm以上の高さの表
面突起が約1200個存在していた。また、糸強度は
3.8g/デニールで、糸の直径は60μmであった。
このフィラメントを高圧スミス染色機を用い、次に示す
染料液にて浴比20:1、130℃で60分間の条件で
染色を行ない、次いでハイドロサルファイト1.5g/
l,苛性ソ−ダ1g/l,アミラジン1g/lを含む水
溶液中(浴比20:1)にて80℃で20分間還元洗浄
を行ない、染め上がりフィラメントを得た。このフィラ
メントの艶消し性を評価したところ、くすんだサラサラ
感のある人の毛髪に類似した良好な艶消し性を示し、人
工毛髪として好適なものであった。 〔染料液〕 Sumikaron Brown 2.5% owf Miketon Polyester Black 0.3% owf Dianix Fast Yellow 1.5% owf Dianix Fast Dark Green 1.0% owf 実施例2 ポリエチレンテレフタレートチップ中の凝集性酸化硅素
粒子の平均粒径を1.16μmに変更した以外は、実施
例1と同様にしてポリエステルフィラメントを得た。フ
イラメントの突起の高さが0.5μm以上、8μm以下
の表面突起は糸表面積1平方ミリメートル当たり約20
000個存在していた。糸強度が3.9g/デニールの
染め上がりフィラメントを得た。このフィラメントの艶
消し性を評価したところ、くすんだサラサラ感のある人
の毛髪に類似した良好な艶消し性を示し、人工毛髪とし
て好適なものであった。
【0020】比較実施例1 ポリエチレンテレフタレートチップが凝集性酸化硅素粒
子を含有しないこと以外は実施例1と同様にしてフイラ
メントを得た。突起の高さ0.5μm以上の表面突起は
存在していなかった。このフィラメントの艶消し性を評
価したところ、直線的かつ連続した強い光沢を示し、人
工毛髪には適用できないものであった。
【0021】比較実施例2 ポリエチレンテレフタレートチップ中の凝集性酸化硅素
粒子の含有量を0.05重量%に変更した以外は実施例
1と同様にしてフィラメントを得た。フイラメント表面
には、高さ0.5μm以上の突起が糸表面積1平方ミリ
メートル当たり約800個存在していたが、艶消し性が
不十分で、人工毛髪には適用できないものであった。
【0022】比較実施例3 ポリエチレンテレフタレートチップ中の凝集性酸化硅素
粒子の含有量を15重量%に変更した以外は、実施例1
と同様にしてフィラメントを得た。高さ0.5μm以
上、8μm以下の突起が糸表面積1平方ミリメートル当
たり約13万個存在していたが、フィラメントは糸強度
が1.8g/デニールと低く、艶消し性も今一歩であり
人工毛髪としては好ましくなかった。
【0023】比較実施例4 ポリエチレンテレフタレートチップ中の凝集性酸化硅素
粒子の平均粒径を0.5μmに変更した以外は、実施例
1と同様にして得たフィラメントは0.5μm以上の表
面突起が糸表面積1平方ミリメートル当たり約300個
であり、艶消し性が不十分で、人工毛髪としては好まし
くないものであった。
【0024】比較実施例5 ポリエチレンテレフタレートチップ中の凝集性酸化硅素
粒子の平均粒径を12μmに変更した以外は、実施例1
と同様にして得たフィラメントは高さ8μm以上の表面
突起が糸表面積1平方ミリメートル当たり約3000個
存在し、肉眼で表面にザラ付きが観察され、糸強度も
1.6g/デニールと低く、人工毛髪としては好ましく
なかった。
【0025】
【発明の効果】糸表面に高さ0.5μm以上、8μm以
下で糸表面積1平方ミリメートル当たり10 3 個以上、
10 5 個以下の表面突起を有する本発明のポリエステル
モノフィラメントは、表面光沢が抑制された良好な艶消
し状態を示し、かつ、腐食性の強い各種薬液でエッチン
グ処理する必要がないなどの優れた特徴を有するもので
あり、かつらあるいはヘヤーウイッグあるいは付け毛ま
たはヘヤーバンドなど毛髪を補う目的、あるいはおしゃ
れなどの目的で毛髪部または頭部に装着する様々な物の
全部あるいは一部分を構成する繊維材料として好適なも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A41G 3/00 D01F 1/10 - 6/94

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が1.16〜10μmの不活性粒
    子を含有し、糸表面からの高さが0.5μm以上、8μ
    m以下である表面突起を糸表面積1平方ミリメートル当
    たり103 個以上、105 個以下有するポリエステルフ
    ィラメントから成る人工毛髪。
  2. 【請求項2】糸表面の表面突起のうち、高さ1μm以上
    の表面突起が糸表面積1平方ミリメートル当たり50個
    以上であり、かつ、高さ2μm以上の表面突起が糸表面
    積1平方ミリメートル当たり10個以上である請求項1
    記載の人工毛髪。
  3. 【請求項3】人工毛髪のポリエステルフィラメント
    の太さが20デニール以上、100デニール以下である
    請求項1または2記載の人工毛髪。
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