JP2017078245A - 人工毛髪用合成繊維 - Google Patents
人工毛髪用合成繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017078245A JP2017078245A JP2015208083A JP2015208083A JP2017078245A JP 2017078245 A JP2017078245 A JP 2017078245A JP 2015208083 A JP2015208083 A JP 2015208083A JP 2015208083 A JP2015208083 A JP 2015208083A JP 2017078245 A JP2017078245 A JP 2017078245A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- artificial hair
- fiber
- synthetic fiber
- polyester
- dyeing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
Description
だがポリエステル繊維には、ポリエステル自体の屈折率が高く、表面光沢が強すぎるという問題があった。これらの問題を、その基本的特性として有しているのである。
しかし、このようなかせ状の繊維束を用いて特に高圧染色を行った場合には、繊維が絡みやすいという問題があった。アルカリ減量工程や染色工程などの途中工程にて繊維が絡んだりもつれたりするために、人工毛髪用繊維としての品質が大きく損なわれる、という問題があったのである。
さらには、微細孔形成剤が金属を含有する化合物であることや、単繊維繊度が20〜200dtexであることが好ましい。
もう一つの本発明の人工毛髪用合成繊維の製造方法は、ポリエステルを紡糸、延伸する人工毛髪用合成繊維の製造方法であって、延伸後に150〜250℃の範囲の収縮熱処理を行うことを特徴とする。
さらには、このような本発明の人工毛髪用合成繊維を、減量処理により凹凸を形成し、染色する人工毛髪の製造方法である。特には減量処理がアルカリ溶液であるものや、染色が高温高圧染色であることが好ましい。
ここで本発明の人工毛髪用合成繊維に用いられるポリエステル繊維としては、強度等の物性や経済性の観点からは、汎用的に用いられているポリアルキレンテレフタレート繊維であることが好ましい。
このような本発明の合成繊維として最適なポリアルキレンテレフタレート繊維は、テレフタル酸を主たる二官能性カルボン酸とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールを主たるグリコール成分とする芳香族ポリエステル、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートであることが特に好ましい。
このような本発明の人工毛髪用合成繊維は、その単繊維繊度としては20〜200dtexの範囲であることが好ましい。さらには110dtex以下、特に好ましくは30〜90dtexの範囲であることが好ましく、天然様の効果を発現させることが容易となる。また、単繊維繊度は1種類ではなく、例えば、30dtexと70dtexの2種類の単繊維繊度の混合等、数種類の繊維をミックスすることも好ましい。
またこのような人工毛髪用合成繊維は、その後の処理工程では繊維束状態であることが好ましく、繊維束のフィラメント数としては10,000〜100,000フィラメント(本)であることが好ましい。
ポリエステルとしては先に述べたように特にはポリアルキレンテレフタレートであることが好ましく、他に第三成分を含有することも好ましい。
そして減量処理後の本発明の人工毛髪用合成繊維は、繊維表面に凹凸を有するために、繊維間摩擦が高くなり、かせ状の形態にされた繊維が拘束された状態になる。このように拘束された状態にて、処理工程に供されると、従来は繊維束内の相対的に繊維間の拘束が弱い部分が不均一に収縮し、繊維の湾曲が発生していた。
(1)固有粘度
ポリマーサンプル0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール(容量比1/1)に溶解し、35℃における還元粘度(dl/g)を測定した。
(2)単糸繊度
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(3)180℃乾熱収縮率
JIS L 1013:1999 8.18.2 A法に記載の方法により測定した。
(4)熱水収縮率
JIS L 1013:1999 8.18.1 A法に記載の方法により測定した。
(5)人工毛髪の表面光沢の評価
自然光下において視覚で確認し、人毛に近い表面光沢を有するものを適当(○)、表面反射が大きく、ギラツキ感のあるものを不適当(×)と判断した。
(6)人工毛髪用繊維の湾曲の評価
250gのかせ状の繊維束中に湾曲した部分が3箇所未満の場合(○)、3箇所以上湾曲部を含む場合(×)と判断した。
なお、(5)及び(6)の評価において、○が2個の場合を総合評価○、○が1個の場合を△、○が0個の場合を×とした。
(合成繊維の製造)
ベンゼンスルホン酸ナトリウム−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)をポリマー中に0.5重量%分散せしめ、酸化チタンを0.3重量%含有した固有粘度0.60dl/gのポリエチレンテレフタレートチップを真空下160℃で5時間乾燥した。該チップを、290℃でエクストルーダ型混練機、計量ギヤポンプ、を有する紡糸機を用い、図1の形状の紡出孔を30ホール有する紡糸口金より52g/分溶融吐出し、紡糸口金下5cmの所で50℃温水で冷却後、78m/minで巻き取り、未延伸原糸を得た。得られた未延伸糸を70℃の温水中で4.4倍に延伸し、次いで90℃の温水中で、1.07倍で延伸した後、表面温度200℃の加熱ローラーで熱処理を施しながら、0.98倍で収縮させ、3000dtex/30filの延伸糸として巻取り、人工毛髪用合成繊維(延伸糸)とした。得られた人工毛髪用合成繊維の物性を表1に示す。
得られた本発明の人工毛髪用合成繊維を、束ねて250gのかせ状にした後、加熱した水酸化ナトリウム50g/リットル水溶液中で98℃下、40分処理することにより、18%減量処理を施し、表面に凹凸を有する人工毛髪用合成繊維とした。
さらにその後、ドラム式高温高圧染色機で、130℃で40分高圧染色処理を実施し人工毛髪とした。品質を評価した結果を表1に示す。得られた製品は、湾曲が少なく、人毛様の光沢を有する優れた品質であった。
後処理1と同じく、得られた人工毛髪用合成繊維を用い、束ねて250gのかせ状にした。ただしその後、水酸化ナトリウムを含まない通常の98℃熱水中で40分処理を施した(減量率0%)。この繊維は、繊維表面に凹凸を有さない平滑な表面の繊維のままであったが、収縮率等の物性は先の繊維と同等であった。
その後、ドラム式高温高圧染色機で、130℃で40分高圧染色処理を実施した。品質を評価した。得られた繊維は、繊維の湾曲は少ないものの、ギラツキ感(繊維表面の光沢)が強く人工毛髪としては不適当なものであった。
この繊維が、同等の熱履歴を経ているにもかかわらず繊維湾曲の発現が少ない理由は、繊維表面に凹凸がなく、繊維間の摩擦が比較的小さいため、染色加工の際の熱収縮において、繊維が相互に自由に動きやすく、均一に収縮が起こるためと推定される。
実施例1と同等の条件で得た未延伸糸を70℃の温水中で4.4倍に延伸し、次いで90℃の温水中で、1.07倍で延伸した後、表面温度180℃の加熱ローラーで緊張熱処理を施した後に3000dtex/30filの延伸糸として巻取った。得られた延伸糸の物性を表1に示す。このものの180℃乾熱収縮率と熱水収縮率の差は、7.7%と大きなものであった。
得られた繊維を、束ねて250gのかせ状にした後、加熱した水酸化ナトリウム50g/リットル水溶液中で98℃下、40分処理することにより、18%減量処理を施した。
その後、ドラム式高温高圧染色機で、130℃で40分高圧染色処理を実施した。品質を評価した結果を表1に併せて示す。得られた製品には、光沢は優れるものの、繊維束中に多数の湾曲が見られ、人工毛髪としては品質に劣るものであった。
b;短軸径
Claims (7)
- 微細孔形成剤を有するポリエステル繊維であって、180℃乾熱収縮率と熱水収縮率の差が5.0%未満であることを特徴とする人工毛髪用合成繊維。
- 微細孔形成剤が金属を含有する化合物である請求項1記載の人工毛髪用合成繊維。
- 単繊維繊度が20〜200dtexである請求項1または2に記載の人工毛髪用合成繊維。
- ポリエステルを紡糸、延伸する人工毛髪用合成繊維の製造方法であって、ポリエステルが微細孔形成剤を含有する高分子であり、延伸後に150〜250℃の範囲の収縮熱処理を行うことを特徴とする人工毛髪用合成繊維の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の人工毛髪用合成繊維を、減量処理により凹凸を形成し、染色する人工毛髪用合成繊維の製造方法。
- 減量処理がアルカリ溶液によるものである請求項5記載の人工毛髪用合成繊維の製造方法。
- 染色が高温高圧染色である請求項5または6に記載の人工毛髪用合成繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015208083A JP2017078245A (ja) | 2015-10-22 | 2015-10-22 | 人工毛髪用合成繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015208083A JP2017078245A (ja) | 2015-10-22 | 2015-10-22 | 人工毛髪用合成繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017078245A true JP2017078245A (ja) | 2017-04-27 |
Family
ID=58666059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015208083A Pending JP2017078245A (ja) | 2015-10-22 | 2015-10-22 | 人工毛髪用合成繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017078245A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018184027A1 (en) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | Nt Of America Corporation | Synthetic hair extensions and methods for making the same |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6059170A (ja) * | 1983-09-02 | 1985-04-05 | 東レ株式会社 | 高発色性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法 |
JPH02139406A (ja) * | 1988-11-21 | 1990-05-29 | Kuraray Co Ltd | 易セット性人工毛髪及びその製造方法 |
JP2006219795A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Teijin Fibers Ltd | 人工毛髪用繊維 |
JP2007146306A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Teijin Fibers Ltd | 人工毛髪用繊維 |
JP2012207318A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Toray Ind Inc | 人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法 |
WO2014033935A1 (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-06 | 富士ケミカル株式会社 | 人工毛髪及びそれを用いたかつら |
-
2015
- 2015-10-22 JP JP2015208083A patent/JP2017078245A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6059170A (ja) * | 1983-09-02 | 1985-04-05 | 東レ株式会社 | 高発色性ポリエステル系繊維製品およびその製造方法 |
JPH02139406A (ja) * | 1988-11-21 | 1990-05-29 | Kuraray Co Ltd | 易セット性人工毛髪及びその製造方法 |
JP2006219795A (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-24 | Teijin Fibers Ltd | 人工毛髪用繊維 |
JP2007146306A (ja) * | 2005-11-24 | 2007-06-14 | Teijin Fibers Ltd | 人工毛髪用繊維 |
JP2012207318A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Toray Ind Inc | 人工毛髪用ポリエステル繊維およびその製造方法 |
WO2014033935A1 (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-06 | 富士ケミカル株式会社 | 人工毛髪及びそれを用いたかつら |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018184027A1 (en) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | Nt Of America Corporation | Synthetic hair extensions and methods for making the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102277678B1 (ko) | 편심 심초 복합 섬유 및 혼섬사 | |
JP2019112761A (ja) | 形状記憶及び形状復元機能を持つ人工毛髪用繊維、耐燃焼性に優れた人工毛髪用繊維、低光沢な外観を有する人工毛髪用繊維 | |
JP6970399B2 (ja) | 人工毛髪用フィラメントおよび人工毛髪製品 | |
KR100861061B1 (ko) | 난연성 폴리에스테르계 인공 모발용 섬유 | |
JP2011047068A (ja) | 撥水性ポリエステル混繊糸 | |
JPWO2006121054A1 (ja) | 人工毛髪用ポリエステル系繊維 | |
JP2007146306A (ja) | 人工毛髪用繊維 | |
JP2017078245A (ja) | 人工毛髪用合成繊維 | |
JP5467008B2 (ja) | テーパー状人工毛髪とその製造方法及びこれを使用したかつら | |
JPH05140817A (ja) | 人工毛髪用ポリエステルモノフイラメント集束体 | |
JP5065576B2 (ja) | 人工毛髪用繊維 | |
JP2017218698A (ja) | 極細扁平仮撚糸 | |
JP2019007096A (ja) | ポリエステル系複合繊維及び繊維集合体 | |
JPH11222725A (ja) | ポリエステル繊維 | |
JP2018154930A (ja) | 人工毛髪用繊維及びその製造方法 | |
JP6409977B2 (ja) | 扁平断面捲縮糸、該捲縮糸の製造方法及び該捲縮糸を含む織編物 | |
JP5340869B2 (ja) | 潜在捲縮繊維 | |
JP2006200061A (ja) | 異形断面糸及び芯鞘型異形断面糸 | |
JP2010100962A (ja) | 人工毛髪用繊維 | |
JPH05140807A (ja) | 人工毛髪 | |
JP2006219794A (ja) | 人工毛髪用巻き糸体 | |
JP4387230B2 (ja) | ポリエステル複合仮撚加工糸 | |
JP2008057054A (ja) | ポリエステル繊維 | |
WO2020012843A1 (ja) | ポリエステル系繊維、それを用いたパイル布帛、及びそれらの製造方法 | |
JP2010150700A (ja) | 人工毛髪用繊維および人工毛髪製品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20180219 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180821 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190820 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191016 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200204 |