JP2010100962A - 人工毛髪用繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高温で加熱セットされた直後の形態の安定性に優れた新規な人工毛髪用繊維を提供することにある。
【解決手段】ポリエチレンナフタレート繊維からなることを特徴とする人工毛髪用繊維により、上記発明の目的を達成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規な人工毛髪用繊維に関するものである。さらに詳しくは、ポリエチレンナフタレート繊維からなる、加熱セットが容易である新規な人工毛髪用繊維に関するものである。
従来、かつら、ヘヤーウイッグ、エクステンション、ヘヤーバンドなどに用いられる人工毛髪の素材として、種々の合成繊維が用いられている。しかしながら、従来ポリビニルクロライド繊維が多用されているが、強度が低いため、ウェービング処理を施して整毛すると僅かなひっかかりで切れやすいという問題があった。
さらには、ポリビニルクロライド繊維は加熱セットに対する耐久性も低いため、入浴、シャワー、サウナ、太陽光下などの条件下でカールやウェーブが消滅しやすい。そのため人工毛髪を部分的に着用した場合、人工毛髪の部分だけ変色を生じるので一見して人工毛髪であることが判るという問題もあった。また整毛中の摩擦で静電気が発生しやすいため、逆毛を生じたりほこりが付着したりしやすい。
このような問題を解消するため、抗張力、耐熱性などの特性に優れた、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリアルキレンテレフタレートからなる繊維が種々検討されている。例えば、特定の断面形状を有し、繊維表面に凹凸を付与されたポリアルキレンテレフタレート繊維を用いた人工毛髪用繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなポリアルキレンテレフタレートからなる人工毛髪用繊維は、ポリビニルクロライド繊維と比較して、ひとたび加熱セットされた後の、日常的な使用における形態保持性は優れている。しかしながら、加熱セットにより、高温で変形を付与した直後における形態保持性は十分満足のいくものではなかった。通常、人毛の加熱セットに用いられるのと同等のヘヤーアイロン等を用いて、ポリアルキレンテレフタレートからなる人工毛髪繊維の加熱セットを行う場合、加熱セットされた直後の該繊維の温度は120℃〜140℃に達する。したがって、ポリアルキレンテレフタレート繊維からなる人工毛髪用繊維に対し、かかる方法により変形を付与した後、ヘヤーアイロンを外すと、加熱されたポリアルキレンテレフタレート繊維が、その固化点温度まで冷却される間に、その自重により、付与された変形が解消され、カールやウェーブが消滅する課題があった。そのため、ポリアルキレンテレフタレート繊維からなる人工毛髪繊維にカールやウェーブ等の変形を付与する場合、該ポリアルキレンテレフタレート繊維がその固化点温度以下に冷却されるまで、変形された形態を固定化する等の特別な処置が必要となり、加熱セットの容易さにおいて十分に満足できるものではなかった。
特開2007−146306号公報
本願発明は上記背景のもとになされたもので、その目的は、高温で加熱セットされた直後の形態の安定性に優れ、加熱セット操作も容易な新規な人工毛髪用繊維を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエチレンナフタレート繊維を用いることで、高温での加熱セットによるカールやウェーブの付与の容易な人工毛髪用繊維が得られることを発明した。
かくして本発明によれば、主にポリエチレンナフタレート繊維からなる人工毛髪用繊維が提供される。なお、ここでいう人工毛髪とは、かつら、ヘヤーウイッグ、エクステンション付け毛、ヘヤーバンドなどの毛髪を補う目的又はおしゃれなどの目的で、毛髪部又は頭部に装着する様々な製品の全部又は一部を構成する繊維材料のことをいう。
本発明の人工毛髪用繊維は、一般的なポリアルキレンテレフタレート繊維と比較してガラス転移温度の高いポリエチレンナフタレート繊維からなるため、ヘヤーアイロン等により120℃〜140℃の高温で加熱セットされた場合でも、ヘヤーアイロンから外された後、速やかに固化するため、加熱セット直後の形態保持性に優れる。したがって、かつら、ヘヤーウイッグ、エクステンション、ヘヤーバンドなどの毛髪を補う目的、あるいはおしゃれなどの目的で、毛髪部又は頭部に装着する様々な人工毛髪製品として極めて有用なものである。
本発明の人工毛髪用繊維を構成するポリエチレンナフタレートは、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主たる二官能性カルボン酸とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレンナフタレートである。該ポリエチレンナフタレートには、本発明の目的を阻害しない範囲内、具体的には全酸成分に対して15モル%以下、好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下の共重合成分が共重合されていてもよい。好ましく用いられる共重合成分としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホン酸、4,4’-ジカルボキシフェノキシメタン、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、リン酸、ホスホン酸、有機基を有するリン酸、有機基を有するホスホン酸などのその他の2価以上の多価カルボン酸;グリコール酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸などのヒドロオキシカルボン酸;1,2−プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p,p’−ビス(ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分を例示することができる。なかでも、難燃性の点から、リン酸、ホスホン酸などのリン化合物が好ましい。また、少量であればトリメシン酸、トリメリット酸、硼酸、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三官能性化合物を共重合したものであってもよい。
ポリエチレンナフタレートには、改質の目的で他の熱可塑性合成樹脂、例えばナイロン6、ナイロン66などのポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマーなどの含フッ素ポリマー類などを、0.5〜50重量%の範囲で混合していてもよい。
さらに上記のポリエチレンナフタレート中には、使用中の人工毛髪の変褪色を防止する目的で公知の紫外線吸収剤を含有させてもよい。好ましく使用される紫外線吸収剤としては、例えば2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔3,5−ビス(2,2−ジメチルプロピル)−2−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(3−ターシャリーブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ターシャリーブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン30〜50モル%とメタクリル酸メチル70〜30モル%とのランダムコポリマー、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、酸化鉄微粒子などを例示することができる。
なかでも、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、酸化鉄微粒子などは、溶融状態のポリエステルに添加・混合する際の耐熱性が良好で高い耐光性が得られるので好ましい。また、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン30〜50モル%とメタクリル酸メチル70〜30モル%とのランダムコポリマーは、高分子量なのでポリエステル繊維中からのブリードアウトが少なく、安定した耐光性が得られるので好ましい。なお、これらの各種紫外線吸収剤の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、使用中の火災による危険から人体を守るため、ポリエチレンナフタレート中、燐系、ハロゲン系、三酸化アンチモンなどの公知の有機又は無機質の難燃剤を含ませてもよい。また、繊維の帯電によるまとわり付きや絡まり、あるいは埃の付着を防止する目的で、ポリエチレンナフタレート自体を変性しても、あるいは帯電防止剤をポリエチレンナフタレート中に配合してもよい。
次に、本発明にかかるポリエチレンナフタレート繊維の横断面形状はメガネ型であってクビレ度が2.5〜8.0であることが好ましい。ここでメガネ型とはほぼ同一の半径を有する2つの円が、その2つの円の中心間の距離が0より長く、双方の円の半径の和より短い状態であり、且つ一の円が他の円の中に完全に取り込まれていない状態、即ちその2つの円の円周の交点が2つ存在する状態のことを言う。またその2つの円の半径の比が0.90〜1.10であることが好ましい。また2つの円の中心間距離が双方の円の半径の和の0.6〜0.9倍であることが好ましい。クビレ度が2.5未満の場合には櫛通り性が悪く、また光沢もギラツキ感が生じるため好ましくない。逆に8.0を超えるとメガネ部が割れやすく実用性に好ましくない。ここでクビレ度とは、図1に示す、くぼみ部径a、短軸径bで特徴づけられるメガネ断面形状において、b/aで表した値である。また双方の円の直径が異なる場合には、bの値は円の直径が短いほうの値を採用するものとする。
繊維がこのような特殊な横断面形状を有することによって、毛髪特有のしなやかな手触りを実現できるだけでなく、繊維と他の物質が接触した際に接触点(面積)を減らすことができるので、自然の毛髪のように櫛どおし性が良好で、カールセットの際にも加熱セット終了後にスルリと容易に機械からはずすことができ、且つはずした直後に急速に冷却されることができるので、後述するカール率も良好なものとなる。その結果高温で加熱セットされても形態安定性が良好であり、加熱セット操作も容易なものとなる。
また、上記ポリエチレンナフタレート繊維は、その繊維表面に凹凸を有することが好ましい。その場合、その凹部分の開口部の最大長(長手方向の径)が2〜20μmの範囲にある凹部を糸表面積100平方μm当たり10〜30個有していることが好ましい。
該凹部を形成する開口部の最大長が2μm未満の場合には艶消し効果が低下することがある。一方、開口部の最大長が20μmを越える場合には繊維表面のざらつきが肉眼で分かるようになるだけでなく、糸物性も低下するため好ましくない。特に5〜15μmの範囲である凹部が好ましい。さらに、個数が該凹部の数が100平方μm当たり10個より少ない場合には艶消し効果が減少し、逆に30個を越える場合には繊維にハリと艶がなくなりすぎて死毛調となるため好ましくない。特に10〜20個存在することが好ましい。
ここで、開口部の最大長及び単位面積当たりの存在個数は、走査型電子顕微鏡を用い、該繊維表面を1000倍の倍率で10視野数を撮影した写真から計測したものの平均値である。繊維表面に存在する凹部の数が100平方μm当たり10〜30個であっても、開口部の最大長が2〜20μmの範囲になければ、良好な光沢が得られず、一方、凹部の開口部最大長が2〜30μmの範囲にあっても、繊維表面に存在する凹部の数が100平方μm当たり10〜30個の範囲になければ、同様に光沢が人毛にほど遠くなるので好ましくない。
ポリエチレンナフタレート繊維表面にこのような形状の凹部を形成する方法は特に限定されず、従来公知のブラスト加工、アルカリ減量加工法など任意の方法を採用することができる。なかでもポリエチレンナフタレート中に微細孔形成剤を含有させた繊維をアルカリ減量処理することにより、繊維表面に微細孔を形成させる方法が好ましい。微細孔形成剤としては、シリカゾル、酸化アルミニウムを含有する乾式法シリカ、粒子表面のシラノール基を封鎖した乾式法シリカ、アルミナゾル、微粒子状アルミナ、極微粒子状酸化チタン、微粒子状炭酸カルシウム、有機スルホン酸化合物などを例示することができ、これらの平均粒径、添加量、アルカリ減量処理条件を適宜選択することにより凹部の形状を制御することができる。なかでも、微細孔形成剤が金属を含有する化合物である場合には、アルカリ減量処理により良好な形状の凹部が形成できるので特に好ましい。
次に本発明の人工毛髪用繊維の単繊維繊度は、20〜110dtex、好ましくは30〜90dtexの範囲であることが、天然様の効果を発現させる点から望ましい。また、単繊維繊度は1種類ではなく、例えば、30dtexと70dtexの2種類の単繊維繊度の混合等、数種類の繊維をミックスすることも出来る。
本発明にかかるポリエチレンナフタレート繊維は、着色していなくても構わないが、必要に応じて染色処理を行う。染料としては分散染料であっても構わないが、使用中の人工毛髪の変褪色の点から、耐光堅牢度が5級以上の染料を使用することが好ましい。染色の方法としては、公知の染色キャリヤー剤を併用してもよいが、染色キャリヤー剤を必要としない高圧染色法がより好ましい。なお、染色前のポリエチレンナフタレート繊維中にはカーボンブラックなどの各種顔料が添加されていてもよく、この場合には染色時の染料が節約できるばかりでなく、用途によっては染色を行う必要がなくなるので好ましい。
以上に説明した本発明の人工毛髪用繊維は、ポリエチレンナフタレート繊維からなるため、高温で加熱セットした直後の形態保持性に優れため、ヘヤーアイロン等による加熱セットが容易である。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。なお、実施例中の測定項目は下記の方法で測定した。
(1)人工毛髪用繊維のカール率
140℃に設定されたヘヤーアイロン(株式会社ハッコー製パーミングアイロン径20mm)の一定の長さの区間に初期糸長50cmの人工毛髪を3回捲き付け、10秒間保持した後、ヘヤーアイロンから繊維を外し、水平台上にて末端間の距離L1を測定した。次に該繊維を温度20℃、湿度65%の温調室にて鉛直方向に吊り下げ、24時間静置した後、 同様に末端間の距離L2を測定した。カール率は、下式から計算した。
カール付与直後のカール率=[(初期糸長)−L1]/(初期糸長)
カール付与24時間後のカール率=[(初期糸長)−L2]/(初期糸長)
(2)人工毛髪用繊維の形態保持性
下式に基づき、カールの保持率を計算した。カールの保持率が、より大なるものを形態保持性に優れるものと判定した。
カール保持率=[(カール付与直後のカール率)−(カール付与24時間後のカール率)]/(カール付与直後のカール率)
[実施例1]
ベンゼンスルホン酸ナトリウム−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)[微細孔形成剤として機能する]をポリマー中に0.13重量%分散せしめた極限粘度(フェノールとテトラクロルエタン1:1の混合溶剤中25℃で測定)0.62dL/gのポリエチレンナフタレートチップを真空下170℃で5時間乾燥した。該チップを、320℃でエクストルーダ型混練機、計量ギヤポンプ及び80メッシュのメタルサンドと300メッシュの金網よりなる濾過層を有する紡糸機を用い、図1のメガネ型形状の紡出孔を30ホール有する紡糸口金より溶融吐出し、紡糸口金下5cmの所で50℃温水で冷却後巻き取り紡糸原糸を得た。次いで70℃の温水中で4.4倍に延伸し、さらに150℃で緊張熱処理を施した後に3000dtex/30filの延伸糸として巻取った。得られた繊維はメガネ型の横断面形状を有し、クビレ度は3.5であった。さらに、横断面形状を顕微鏡にて詳細に観察した結果、メガネ型を形成している2つの円形状の直径は同じであり、それらの中心間距離は双方の円の半径の和の0.83倍であった。この繊維に対し、カール率を測定し、形態保持性を評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
ポリエチレンナフタレートチップがベンゼンスルホン酸ナトリウム−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)を含有しないこと以外は実施例1と同様にして人工毛髪用繊維を得た。該繊維に対し、形態保持性を評価した結果を表1に示す。
[比較例1]
ベンゼンスルホン酸ナトリウム−3,5−ジ(カルボン酸Mg1/2)をポリマー中に0.5重量%(テレフタル酸成分に対して0.34モル%)分散せしめた極限粘度(フェノールとテトラクロルエタン1:1の混合溶剤中25℃で測定)0.62のポリエチレンテレフタレートチップを真空下160℃で8時間乾燥した。該チップを、290℃でエクストルーダ型混練機、計量ギヤポンプ及び50メッシュのガラスビーズと150メッシュの金網よりなる濾過層を有する紡糸機を用い、図1の形状の紡出孔を30ホール有する紡糸口金より溶融吐出し、紡糸口金下5cmの所で40℃温水で冷却後巻き取り紡糸原糸を得た。次いで70℃の温水中で4.0倍に延伸し、さらに150℃で緊張熱処理を施した後に3000dtex/30filの延伸糸として巻取った。該繊維に対し、形態保持性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2010100962
本発明の人工毛髪用繊維は、かつら、ヘヤーウイッグ、エクステンション、ヘヤーバンドなどの毛髪部又は頭部に装着する様々な人工毛髪関係の製品用として、極めて好適に使用することができる。
本発明の人工毛髪用繊維の横断面形状の一例である。
符号の説明
a くぼみ部径
b 短軸径

Claims (3)

  1. ポリエチレンナフタレート繊維からなることを特徴とする人工毛髪用繊維。
  2. 繊維の横断面形状がメガネ型で、そのメガネ型が有するクビレ度が2.5〜8.0であることを特徴とする請求項1に記載の人工毛髪用繊維。
  3. ポリエチレンナフタレート繊維の単繊維繊度が20〜110dtexである請求項1〜2のいずれかに記載の人工毛髪用繊維。
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