JP2003252948A - ポリウレタン系エマルジョンの製造方法 - Google Patents

ポリウレタン系エマルジョンの製造方法

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尚清 猪俣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性に優れ、かつ経時的な着色の起こら
ないポリウレタン系エマルジョンの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 水性媒体中において、ポリウレタンプレ
ポリマー(A)に、分子中にアミノ酸基を含有するビニ
ルアルコール系重合体(B)、ならびに分子中に1級ア
ミノ基、2級アミノ基、1級水酸基および2級水酸基か
ら選ばれる少なくとも1種の活性水素原子を有する官能
基を含有する低分子化合物(C)を反応させることを特
徴とするポリウレタン系エマルジョンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン系エ
マルジョンの製造方法に関する。詳しくは、耐溶剤性に
優れ、かつ経時的な着色の起こらないポリウレタン系エ
マルジョンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンはその優れた機械的
性質、耐摩耗性、耐薬品性、接着性などの特性を活かし
て、ゴムとプラスチックスの境界分野を埋める樹脂とし
て、塗料、接着剤、人工皮革などの幅広い用途分野に浸
透している。その中で、環境保全、省資源、安全性とい
った社会ニーズに対応すべく、ポリウレタン系エマルジ
ョンが急激に発展してきている。ウレタン樹脂の水中へ
の乳化分散技術、アイオノマー化による自己乳化分散技
術、さらには水中での高分子量化技術などの進歩により
高性能のポリウレタン系エマルジョンが出現し、その性
能は今日では溶剤系ポリウレタン樹脂に匹敵するレベル
になり、各種の用途分野で実用化されるに至っている。
【0003】しかしながら、ポリウレタン系エマルジョ
ンを水性化するために乳化剤を使用すると、エマルジョ
ンを皮膜化した際に乳化剤がブリードして皮膜の接着性
を阻害する場合がある。この問題点は、ポリウレタンプ
レポリマー中にイオン基を導入し、自己乳化型とするこ
とで解決されるが、この方法ではポリウレタン系エマル
ジョンをイオン基により親水化しているため、該ポリウ
レタン系エマルジョンを各種の水性エマルジョンとブレ
ンドして使用した場合にその親水性が失われ、混和性に
問題を生じる場合がある。特願平10−282401号
公報では、アミノ基を有するポリビニルアルコールによ
り安定化されたポリウレタン系エマルジョンが提案さ
れ、これにより上記問題点は大幅に改善された。しか
し、該ポリウレタン系エマルジョンはアミノ基を有する
が故に、経時的な着色が起こる問題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の課題を解決するためになされたものであ
り、耐溶剤性に優れ、かつ経時的な着色の起こらないポ
リウレタン系エマルジョンの製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、水性媒
体中において、ポリウレタンプレポリマー(A)に、分
子中にアミノ酸基を含有するビニルアルコール系重合体
(B)、ならびに分子中に1級アミノ基、2級アミノ
基、1級水酸基および2級水酸基から選ばれる少なくと
も1種の活性水素原子を有する官能基を含有する低分子
化合物(C)を反応させてポリウレタン系エマルジョン
を製造することにより、上記の課題が達成されることを
見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられるポリウレタンプレポリマー
(A)は、実質的に、高分子ポリオール、有機ジイソシ
アネートおよび必要に応じて鎖伸長剤を、溶媒の存在下
または不存在下で反応させて得られる、分子中にイソシ
アネート基を1個以上有するポリウレタンプレポリマー
である。
【0007】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられる高分子ポリオールとしては、ポリエステルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステル
ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール
などを挙げることができ、ポリウレタンプレポリマーは
これらの高分子ポリオールの1種または2種以上から構
成される。
【0008】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられるポリエステルポリオールは、例えば、常法に
従って、ポリカルボン酸およびそのエステルまたは無水
物などのエステル形成性誘導体に代表されるポリカルボ
ン酸成分とポリオール成分とを直接エステル反応させる
か、またはエステル交換反応させることによって得られ
る。
【0009】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられるポリエステルポリオールの製造原料であるポ
リカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク
酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3
−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,
8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸
などの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、テレフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸
などのトリカルボン酸;およびそれらのエステル形成性
誘導体などを挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることができる。ポリウレタンプレポ
リマー(A)の製造に用いられるポリエステルポリオー
ルは、そのポリカルボン酸成分として、脂肪族カルボン
酸またはそのエステル形成性誘導体を主とし、場合によ
り少量の3官能以上のポリカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体を含むポリカルボン酸成分を用いて製造
されたものであることが好ましい。
【0010】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられるポリエステルポリオールの製造原料であるポ
リオール成分としては、例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オ
クタンジオール、1,10−デカンジオールなどの脂肪
族ジオール;シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキ
サンジオールなどの脂環式ジオール;グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ブタントリオール、ヘキサントリ
オール、トリメチロールブタン、トリメチロールペンタ
ンなどのトリオール;ペンタエリスリトールなどのテト
ラオールなどを挙げることができ、これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。ポリウレタンプレ
ポリマー(A)の製造に用いられるポリエステルポリオ
ールは、そのポリオール成分として、脂肪族ポリオール
を主とし、場合により少量の3官能以上のポリオールを
含むポリオール成分を用いて製造されたものであること
が好ましい。
【0011】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられるポリカーボネートポリオールとしては、例え
ば、ポリオールとジアルキルカーボネート、アルキレン
カーボネートおよびジアリールカーボネートなどのカー
ボネート化合物との反応により得られるものが挙げられ
る。ポリカーボネートポリオールを構成するポリオール
成分としては、ポリエステルポリオールの構成成分とし
て先に例示したポリオールを用いることができる。ま
た、ジアルキルカーボネートとしてはジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネートなどを、アルキレンカーボ
ネートとしてはエチレンカーボネートなどを、ジアリー
ルカーボネートとしてはジフェニルカーボネートなどが
挙げられる。
【0012】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられるポリエステルポリカーボネートポリオールと
しては、例えば、ポリオール、ポリカルボン酸およびカ
ーボネート化合物を同時に反応させて得られたもの、予
め製造しておいたポリエステルポリオールとカーボネー
ト化合物を反応させて得られたもの、予め製造しておい
たポリカーボネートポリオールとポリオールおよびポリ
カルボン酸とを反応させて得られたもの、予め製造して
おいたポリエステルポリオールとポリカーボネートポリ
オールとを反応させて得られたものなどを挙げることが
できる。
【0013】また、ポリウレタンプレポリマー(A)の
製造に用いられるポリエーテルポリオールとしては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコールなどを挙げることができ、
これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0014】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられる高分子ポリオール成分の数平均分子量は50
0〜10000であることが必要であり、700〜50
00であることが好ましく、750〜4000であるこ
とがさらに好ましい。本発明のポリウレタン系エマルジ
ョンの製造方法において、数平均分子量が500〜10
000の範囲から外れた高分子ポリオールを用いて製造
されたポリウレタンプレポリマーを使用する場合、得ら
れるポリウレタン系エマルジョンからなるポリウレタン
組成物はその耐寒性、耐熱性、耐溶剤性などが低下した
ものになりやすい。
【0015】さらに、ポリウレタンプレポリマー(A)
の製造に用いられる高分子ポリオール成分は、1分子当
たりの水酸基の数fが2.0≦f≦4.0の範囲である
ことが好ましい。より好ましくは2.0≦f≦3.0の
範囲である。本発明のポリウレタン系エマルジョンの製
造方法において、1分子当たりの水酸基数fが前記した
2.0≦f≦4.0の範囲にある高分子ポリオール成分
を用いて製造されたポリウレタンプレポリマーを使用す
る場合、得られるポリウレタン系エマルジョンからなる
ポリウレタン組成物の耐熱性、耐溶剤性が良好になる。
【0016】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
用いられる有機ジイソシアネート成分としては、通常の
ポリウレタン系エマルジョンの製造に従来用いられてい
る有機ジイソシアネートのいずれもが使用できるが、分
子量500以下の脂環式ジイソシアネート、脂肪族ジイ
ソシアネート、芳香族ジイソシアネートのうち1種また
は2種以上が好ましく使用される。とりわけ、脂肪族ジ
イソシアネート、脂環式ジイソシアネートが好ましく使
用される。有機ジイソシアネートの例としては、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソ
シアネートなどを挙げることができ、これらのうち1種
または2種以上を用いることができる。
【0017】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
おいては、必要に応じて鎖伸長剤成分を用いることがで
きる。用いうる鎖伸長剤成分としては、通常のポリウレ
タン系エマルジョンの製造に従来用いられている鎖伸長
剤のいずれもが使用できるが、イソシアネート基と反応
し得る活性水素原子を分子中に2個以上有する分子量3
00以下の低分子化合物を用いるのが好ましい。例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4
−シクロヘキサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエ
チル)テレフタレート、キシリレングリコールなどのジ
オール類;トリメチロールプロパンなどのトリオール
類;ペンタエリスリトールなどのペンタオール類;ヒド
ラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、キシ
リレンジアミン、イソホロンジアミン、ピペラジンおよ
びその誘導体、フェニレンジアミン、トリレンジアミ
ン、キシレンジアミン、アジピン酸ジヒドラジド、イソ
フタル酸ジヒドラジドなどのジアミン類;アミノエチル
アルコール、アミノプロピルアルコールなどのアミノア
ルコール類などが挙げられ、これらのうち1種または2
種以上を用いることができる。
【0018】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造
は、従来公知の方法で行うことができ、例えば30〜1
50℃の温度条件下、有機溶媒の存在下または不存在下
で行うことができる。この際使用できる有機溶媒として
は、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、エ
マルジョン製造後の溶媒除去の容易性を考慮すると、ア
セトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの沸点が
100℃未満の溶媒が好ましい。また、プレポリマー製
造後に、粘度低下などを目的として、上記の有機溶媒を
添加、あるいは追加しても良い。
【0019】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造の
際には、必要に応じて反応触媒を添加することができ、
このような触媒としては例えば、オクチル酸スズ、モノ
ブチルスズトリアセテート、モノブチルスズモノオクチ
レート、モノブチルスズモノアセテート、モノブチルス
ズマレイン酸塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチル
スズジオクトエート、ジブチルスズジステアレート、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレイン酸塩な
どの有機スズ化合物;テトライソプロピルチタネート、
テトラ−n−ブチルチタネートなどの有機チタン化合
物;トリエチルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミン、トリエチレンジアミンなどの3級アミンなど
を挙げることができる。
【0020】ポリウレタンプレポリマー(A)の製造に
あたっては、高分子ポリオールおよび鎖伸長剤が有して
いる活性水素原子の全量に基づいて、活性水素原子1当
量当たりのイソシアネート基の当量Rが、1.05≦R
≦3.0の範囲であることが好ましく、1.1≦R≦
2.5の範囲であることがより好ましい。Rが1.05
未満である場合には、ポリウレタンプレポリマーと後述
するアミノ酸基を有するビニルアルコール系重合体との
反応性が低下し、本発明の製造方法で得られるポリウレ
タン系エマルジョンからなるポリウレタン組成物の耐熱
性、耐溶剤性などが十分に改善されず、またポリウレタ
ンプレポリマーの粘度が高いために水中への乳化分散が
困難である。Rが3.0を越える場合には、ポリウレタ
ンプレポリマーと後述するアミノ酸基を有するビニルア
ルコール系重合体ならびにアミノ基または水酸基を有す
る低分子化合物との反応の際に、エマルジョンが不安定
化してゲル化しやすくなる。
【0021】ポリウレタンプレポリマー(A)は、その
分子中に共有結合により結合したアニオン性基を有する
ものであってもよい。ポリウレタンプレポリマー分子中
に共有結合により結合したアニオン性基を導入する方法
としては、ポリウレタンプレポリマーの製造に際して、
アニオン性基を有する活性水素原子含有化合物を併用す
る方法が挙げられる。ここで、アニオン性基を有する活
性水素原子含有化合物としては、分子内に水酸基または
アミノ基などの活性水素原子を有する官能基を1個以上
含有し、かつカルボン酸、スルホン酸、カルボン酸塩、
スルホン酸塩などのアニオン性基を含有するものが挙げ
られ、2,2−ジメチロールプロピオン酸が好適に用い
られる。ポリウレタンプレポリマー(A)にアニオン性
基としてカルボン酸、スルホン酸などの酸基を導入した
場合、通常はトリエチルアミン、トリメチルアミン、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質を添
加してそれらの酸基を塩にする。
【0022】前記アニオン性基を有する活性水素原子含
有化合物の使用量は特に制限されないが、通常、ポリウ
レタンプレポリマー(A)に対して0.1〜10重量
%、好ましくは0.3〜8重量%である。
【0023】また、ポリウレタンプレポリマー(A)の
製造に際し、必要に応じて、分子量200〜10,00
0のポリオキシエチレングリコールおよびそのモノアル
キルエーテルなどのノニオン性基含有化合物を併用する
こともできる。
【0024】ポリウレタンプレポリマー(A)の乳化
は、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの乳化分散装置
を用いて行われる。この際、ポリウレタンプレポリマー
(A)中のイソシアネート基と水との反応を抑制するた
め、乳化温度は40℃以下であることが好ましく、30
℃以下であることがより好ましい。
【0025】本発明の製造方法においてポリウレタン系
エマルジョンは、ポリウレタンプレポリマー(A)の乳
化と同時に、またはその乳化後に、アミノ酸基を有する
ビニルアルコール系重合体(B)(以下、アミノ酸基含
有PVA系重合体(B)と略記することがある)、なら
びに分子中に1級アミノ基、2級アミノ基、1級水酸基
および2級水酸基から選ばれる少なくとも1種の活性水
素原子を有する官能基を含有する低分子化合物(C)
(以下、活性水素原子含有低分子化合物(C)と略記す
ることがある)を添加、反応させて得られる。アミノ酸
基含有PVA系重合体(B)および活性水素原子含有低
分子化合物(C)の添加は、同時に行っても良く、また
別途に行っても良い。好ましくは、アミノ酸基含有PV
A系重合体(B)を添加した後に、活性水素原子含有低
分子化合物(C)が添加される。
【0026】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)のア
ミノ酸基の含有量には、特に制限はなく、重合度などに
より好適な範囲が変化するが、一般に、0.1〜15モ
ル%が好ましく、0.2〜10モル%がより好ましい。
アミノ酸基含有量が0.1モル%よりも少ない場合に
は、ポリウレタンプレポリマーとの反応性が低下し、本
発明の製造方法で得られるポリウレタン系エマルジョン
からなるポリウレタン系組成物の耐溶剤性などが十分に
改善されない。また、アミノ酸基含有量が15モル%を
越える場合には、ポリウレタンプレポリマーとの反応の
際にエマルジョンが不安定化し、系がゲル化しやすくな
る。
【0027】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)のけ
ん化度は、60モル%以上が好ましく、70モル%以上
がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。け
ん化度が60モル%未満の場合には、本発明の製造方法
で得られるポリウレタン系エマルジョンからなるポリウ
レタン系組成物の耐溶剤性が不十分になる恐れがある。
また、アミノ酸基含有PVA系重合体(B)の重合度は
100〜8000であることが好適であり、200〜5
000であることがより好適である。
【0028】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)は、
アミノ酸基を有する単量体単位を除くと、実質的にビニ
ルアルコール単位またはビニルアルコール単位とビニル
エステル単位から構成される。ここで、ビニルエステル
としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、2−
エチルヘキサン酸ビニルなどの単量体が挙げられ、通
常、酢酸ビニルである。
【0029】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)は、
本発明の効果を損なわない限り、ビニルエステル単位、
ビニルアルコール単位およびアミノ酸基を有する単量体
単位以外の単量体単位を1種類以上有していてもよい。
そのような単量体単位としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレンなどのオレフィン;塩化ビニル、臭化
ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリ
デン、テトラフルオロエチレンなどのハロゲン化オレフ
ィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアク
リル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどのメタクリル酸エステル;アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどのアクリル
アミド系単量体;メタクリルアミド、N,N−ジメチル
メタクリルアミドなどのメタクリルアミド系単量体;N
−ビニルピロリドン;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン
系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フマル
酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの
(無水)カルボン酸基を有する単量体;アリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸スル
ホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、p−スチレ
ンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体および
そのナトリウムまたはカリウム塩;アクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなど
のアミノ基を有する単量体およびその4級化物;エチル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレ
ンなどのジエン系単量体などの単量体単位が挙げられ
る。また、前記のアミノ酸基含有PVA系重合体は、チ
オール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化
合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単
量体を重合することによって得られる末端に官能基を有
するものでもよい。
【0030】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)は様
々な方法により得ることができる。その製造方法として
は(1)アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を
有する単量体および酢酸ビニルなどのビニルエステル系
単量体を共重合させて、側鎖にエポキシ基を有するビニ
ルエステル系重合体を製造し、さらに該重合体の側鎖に
存在するエポキシ基とアミノ酸基を有するチオール化合
物との間でNaOHなどを触媒として付加反応を行わせ
て、該重合体の側鎖にアミノ酸基を導入した後、該重合
体をけん化する方法、(2)ビニルアルコール系重合体
の水酸基と反応しうる官能基およびアミノ酸基を有する
化合物をビニルアルコール系重合体に反応させる方法な
どが挙げられる。中でも、アミノ酸基の導入に用いられ
る官能基を有する化合物の工業的入手性およびコスト、
ならびに官能基導入反応の収率などを考慮すると、前記
(1)の製造方法が好ましい。
【0031】前記(1)の製造方法において、エポキシ
基を有する単量体としては、アリルグリシジルエーテ
ル、メタリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシ−
5−ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,
2−エポキシ−9−デセン、8−ヒドロキシ−6,7−
エポキシ−1−オクテン、8−アセトキシ−6,7−エ
ポキシ−1−オクテン、N−(2,3−エポキシ)プロ
ピルアクリルアミド、N−(2,3−エポキシ)プロピ
ルメタクリルアミド、4−アクリルアミドフェニルグリ
シジルエーテル、3−アクリルアミドフェニルグリシジ
ルエーテル、4−メタクリルアミドフェニルグリシジル
エーテル、3−メタクリルアミドフェニルグリシジルエ
ーテル、N−グリシドキシメチルアクリルアミド、N−
グリシドキシメチルメタクリルアミド、N−グリシドキ
シエチルアクリルアミド、N−グリシドキシエチルメタ
クリルアミド、N−グリシドキシプロピルアクリルアミ
ド、N−グリシドキシプロピルメタクリルアミド、N−
グリシドキシブチルアクリルアミド、N−グリシドキシ
ブチルメタクリルアミド、4−アクリルアミドメチル−
2,5−ジメチル−フェニルグリシジルエーテル、4−
メタクリルアミドメチル−2,5−ジメチル−フェニル
グリシジルエーテル、アクリルアミドプロピルジメチル
(2,3−エポキシ)プロピルアンモニウムクロリド、
メタクリルアミドプロピルジメチル(2,3−エポキ
シ)プロピルアンモニウムクロリド、メタクリル酸グリ
シジルなどが用いられる。
【0032】また、前記(1)の製造方法において、ア
ミノ酸基を有するチオール化合物としては、システイ
ン、ぺニシルアミン、グルタチオン、N−メチルシステ
イン、N,N−ジメチルシステインなどが例示される。
また、これらの化合物の塩、酢酸エステルおよび安息香
酸エステルなどのエステル誘導体ならびにチオエステル
誘導体も使用できる。
【0033】前記(1)の製造方法において、チオール
基もしくはチオエステル基とエポキシ基との反応は、無
溶媒で、またはチオール基もしくはチオエステル基を有
する化合物およびエポキシ基を有する化合物を溶解もし
くは膨潤させる溶媒中で実施される。このような溶媒と
しては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、
n−ブタノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族類;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;n−ヘ
キサンなどの炭化水素類が挙げられ、これらの溶媒は単
独でもしくは2種以上を混合して使用される。反応条件
は、エポキシ基を有する化合物の構造やチオール基もし
くはチオエステル基を有する化合物の構造により異なる
が、通常、溶媒を使用する場合においては、ポリマー濃
度5〜90%、チオール基またはチオエステル基/エポ
キシ基=1.0〜5.0(モル比)、反応温度0〜25
0℃、反応時間0.01〜20時間である。ここで、チ
オール基とエポキシ基とを反応させる場合には、トリエ
チルアミン、ピリジンなどの3級アミン;トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン;
水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド、ナトリウムメトキ
シドなどの塩基性化合物が、チオエステル基とエポキシ
基とを反応させる場合には、トリブチルアンモニウムク
ロリド、トリブチルアンモニウムブロミドなどの4級ア
ンモニウム塩が、それぞれ反応触媒として有効である。
また、チオール基の酸化を防止するために、反応系を脱
気または窒素置換したり、酸化防止剤などを添加するこ
ともできる。
【0034】前記(1)の製造方法において、チオール
基またはチオエステル基とエポキシ基との反応の後、ビ
ニルエステル系重合体のけん化反応を行う際には、通常
のビニルエステル系重合体のけん化に用いられる塩基性
触媒または酸触媒を用いたけん化反応がそのまま適用で
きる。すなわち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒やp−トルエン
スルホン酸などの酸性触媒を用い、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類ま
たはエチレングリコールなどのグリコール類を溶媒とす
るけん化反応が適用可能である。ここで、上記のけん化
反応の溶媒には、ビニルエステル系重合体や触媒の溶解
性を向上させるために、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、トルエン、アセトン、水などの溶媒を適
宜混合してもよい。けん化反応の条件は、使用するビニ
ルエステル系重合体の構造や目的とするビニルアルコー
ル系重合体のけん化度によって適宜調整されるが、通
常、けん化反応触媒/重合体中のビニルエステル系単量
体単位=0.001〜1.2(モル比)、反応温度20
〜180℃、反応時間0.1〜20時間の範囲で実施さ
れる。
【0035】前記(1)の製造方法で得られるアミノ酸
基含有PVA系重合体(B)は、主として分子鎖中に化
2の一般式で表される単位を有する。
【0036】
【化2】 (ここで、R、R、R、RおよびRは、それ
ぞれ水素原子または炭素数8以下の置換基を有していて
もよい炭化水素基を表し、Aは2価の炭化水素基、また
は窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少な
くとも1種の原子を含む2価の炭化水素基を、Sは硫黄
原子を、Xはアミノ酸基を含有する1価の基をそれぞれ
表す。)
【0037】化2の一般式で表される単位中のAは、2
価の炭化水素基、または窒素原子、酸素原子および硫黄
原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む2価の炭
化水素基であればその構造に特に制限はなく、−(CH
CH−(n=1〜10、好適には1〜8)、−
CHOCH−、−OCH−、−CONH−φ−O
CH−、−CONHCH−、−CONHCHOC
−、−CONHCHOCHCH−、−CON
HCHOCHCHCH−、−CONHCH
CHCHCHCH−、−CONHCH−φ
(CH−CH−などが例示される(なお、φは
フェニレン基を意味する)。
【0038】また化2の一般式で表される単位中のX
は、アミノ酸基を含有する1価の基であればその構造に
特に制限はなく、−CHCH(NH)−COOH、
−C(CHCH(NH)−COOH、−CH
CH(NH(CH))−COOH、−CHCH(N
(CH)−COOH、−CHCH(CONHC
COOH)−NHCOCHCHCH(NH
COOHおよびこれらの塩やベタインなどが例示され
る。
【0039】アミノ酸基含有PVA系重合体(B)の使
用量は、ポリウレタンプレポリマー(A)100重量部
に対し、0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜15
重量部である。アミノ酸基含有PVA系重合体(B)の
使用量が0.2重量部未満の場合には、本発明の製造方
法で得られるポリウレタン系エマルジョンからなるポリ
ウレタン系組成物の耐溶剤性が低下する恐れがあり、使
用量が20重量部を越える場合には、ポリウレタンプレ
ポリマーとの反応の際にエマルジョンが不安定化し、系
がゲル化する恐れがある。また、ポリウレタンプレポリ
マー(A)との反応に際してアミノ酸基含有PVA系重
合体(B)は、通常、水溶液にして添加されるが、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、
酢酸ブチルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドンなどのアミド類などの有機溶媒
や、これら有機溶媒と水との混合溶媒に溶解させて添加
しても良い。
【0040】本発明において活性水素原子含有低分子化
合物(C)としては、イソシアネート基と反応しうる活
性水素原子を分子中に含有する分子量300以下の低分
子化合物を用いるのが好ましい。例えば、ジエチレント
リアミンなどのトリアミン類;ヒドラジン、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン、キシレンジアミ
ン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ドなどのジアミン類;エチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、モルホリンなどのモノアミン類;アミノ
エチルアルコール、アミノプロピルアルコールなどのア
ミノアルコール類;エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス−(β
−ヒドロキシエチル)テレフタレート、キシリレングリ
コールなどのジオール類などが挙げられ、これらのうち
1種または2種以上を用いることができる。
【0041】活性水素原子含有低分子化合物(C)の使
用量は特に制限されないが、通常、活性水素原子含有低
分子化合物(C)中の活性水素原子の量が、ポリウレタ
ンプレポリマー(A)のイソシアネート基1当量あた
り、0.7〜1.2当量となる範囲で用いられ、好まし
くは0.75〜1.15当量、より好ましくは0.8〜
1.1当量となる範囲で用いられる。前記活性水素原子
の量が、0.7当量未満または1.2当量を越える場合
には、ポリウレタン系エマルジョンの鎖伸長が十分に行
われず、ポリウレタン系エマルジョンからなるポリウレ
タン系組成物の耐溶剤性が不十分となる懸念がある。
【0042】本発明の製造方法においてポリウレタン系
エマルジョンは、通常、固形分濃度が20〜65重量%
に調整されるが、これに限定されるものではない。ま
た、ポリウレタンプレポリマー(A)の製造において有
機溶媒を用いた場合には、必要に応じて、蒸留分離また
はストリッピング操作により有機溶媒を除去することが
できる。
【0043】本発明の製造方法によるポリウレタン系エ
マルジョンは、従来公知の種々のエマルジョンと配合可
能である。配合可能なエマルジョンとしては特に制限さ
れないが、例えば、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、(メタ)アク
リル酸エステル(共)重合体エマルジョン、スチレン−
ブタジエン共重合体エマルジョン、エポキシエマルジョ
ンなどが挙げられる。
【0044】また、本発明の製造方法によるポリウレタ
ン系エマルジョンには、必要に応じて、その乾燥性、セ
ット性、粘度、造膜性などを調整するために、N−メチ
ルピロリドン、トルエン、パークレン、ジクロロベンゼ
ン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤;でんぷ
ん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ナトリウ
ム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブ
チレン共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、
無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体などの
水溶性高分子;尿素/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン
/ホルマリン樹脂、フェノール/ホルマリン樹脂などの
熱硬化性樹脂;クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、木粉などの充填剤;小麦粉などの増量剤;ホウ
酸、硫酸アルミニウムなどの反応促進剤;酸化チタンな
どの顔料;酸化防止剤;紫外線吸収剤;消泡剤;レベリ
ング剤;凍結防止剤;防腐剤;防錆剤などの各種添加剤
を配合することができる。
【0045】本発明の製造方法によるポリウレタン系エ
マルジョンは、経時的な着色が起こらず、かつ耐溶剤性
に優れる。よって、産業用繊維、皮革、室内装飾、アパ
レル、床材(木製、コンクリート、フロアーポリッシ
ュ)、プラスチック部品などのコーティング剤、パッケ
ージ(包装紙など)、ラミネーション(フィルム/ホイ
ル、繊維など)、一般工業用の接着剤(塩ビシート/木
材、塩ビシート/金属、金属/木材)、ガラス繊維収束
剤、インク、塗料などの用途分野に有効である。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限さ
れるものではない。なお、以下の実施例において「部」
および「%」は、特に断わりのない限りそれぞれ「重量
部」および「重量%」を意味する。
【0047】ポリウレタン系エマルジョンの物性は以下
の方法により評価した。 (1)皮膜の耐溶剤性 ポリウレタン系エマルジョンを20℃65%RH下でポ
リエチレンテレフタレート(以下PETと略記する)フ
ィルム上に流延し、7日間乾燥させて厚み500μmの
乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜
き、それを試料として20℃アセトンに24時間浸漬し
た場合の、皮膜の吸液率、溶出率を求めた。 吸液率(%):(浸漬後の皮膜吸液重量/浸漬前の皮膜
絶乾重量)×100 溶出率(%):{1−(浸漬後の皮膜絶乾重量/浸漬前
の皮膜絶乾重量)}×100 浸漬前の皮膜絶乾重量:浸漬前の皮膜重量(含水)−
(浸漬前の皮膜重量(含水)×皮膜含水率(%)/10
0) 皮膜含水率:皮膜(20℃アセトンに浸漬するサンプル
とは別のサンプル)を、105℃で4時間絶乾し、皮膜
の含水率を予め求める。 浸漬後の皮膜絶乾重量:浸漬後の皮膜を105℃で4時
間絶乾した重量。 浸漬後の皮膜吸液重量:浸漬後の皮膜をアセトンから引
き上げた後、皮膜についたアセトンをガーゼで拭き取り
秤量。 (2)皮膜の経時的な着色 ポリウレタン系エマルジョンを20℃65%RH下でP
ETフィルム上に流延し、7日間乾燥させて厚み500
μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜を直射日光下に1週間
放置し、着色状態を目視により観察し、以下の基準によ
り判断した。 ○:着色なし、△:黄色に着色、×:茶色に着色
【0048】実施例で用いた化合物に関する略号を表1
に示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例1 3リットル三ツ口フラスコに、PMPA2000 79
5.6g、IPDI240.1g、DMPA 10.7
gを秤取し、乾燥窒素雰囲気下、90℃で2時間撹拌し
て系中の水酸基を定量的に反応させ、イソシアネート末
端のポリウレタンプレポリマー(アニオン性基含有化合
物:DMPA 1.0重量%)を得た。これにMEK
527.2gを加えて均一に撹拌した後、フラスコ内温
度を40℃に下げ、TEA 8.1gを加えて10分間
撹拌を行い、ポリウレタンプレポリマー溶液を調製し
た。また、別途アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニル
を共重合した後、得られた共重合体にNaOH触媒を用
いてシステインを付加し、さらにけん化することにより
アミノ酸基含有PVA系重合体(重合度500、けん化
度97.5モル%、アミノ酸基変性量1.0モル%、以
下、アミノ酸基含有PVA(B−1)と称する)を調製
した。アミノ酸基含有PVA(B−1)52.7gを蒸
留水1225.9gに溶解し、得られた水溶液をホモミ
キサーで強撹拌する中へ、前記ポリウレタンプレポリマ
ー溶液を添加し、ホモミキサーで1分間撹拌して乳化し
た。さらにDETA 12.4gおよびIPDA 7
1.5gを蒸留水 435.0gに溶解した水溶液を該
乳化液に加えてホモミキサーで1分間撹拌し、ポリウレ
タンの鎖伸長を行った。その後、MEKをロータリーエ
バポレーターにより除去して固形分濃度40%のポリウ
レタン系エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの
評価結果を表2に示す。
【0051】実施例2 アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルを共重合した
後、得られた共重合体にNaOH触媒を用いてシステイ
ンを付加し、さらにけん化することによりアミノ酸基含
有PVA系重合体(重合度1500、けん化度88モル
%、アミノ酸基変性量3.1モル%、以下、アミノ酸基
含有PVA(B−2)と称する)を調製した。実施例1
で用いたアミノ酸基含有PVA(B−1)を用いる代わ
りに、アミノ酸基含有PVA(B−2)を用いた以外は
実施例1と同様にして固形分濃度40%のポリウレタン
系エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの評価結
果を表2に示す。
【0052】比較例1 アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルを共重合した
後、得られた共重合体にNaOH触媒を用いて2−アミ
ノチオフェノールを付加し、さらにけん化することによ
り芳香族アミノ基含有PVA系重合体(重合度500、
けん化度98モル%、芳香族アミノ基変性量1モル%)
を調製した。実施例1で用いたアミノ酸基含有PVA
(B−1)を用いる代わりに、該芳香族アミノ基含有P
VA系重合体を用いた以外は実施例1と同様にして固形
分濃度40%のポリウレタン系エマルジョンを得た。得
られたエマルジョンの評価結果を表2に示す。
【0053】比較例2 アリルグリシジルエーテルと酢酸ビニルを共重合した
後、得られた共重合体にNaOH触媒を用いて2−メル
カプトエタノールを付加し、さらにけん化することによ
り1級水酸基含有PVA系重合体(重合度500、けん
化度97.5モル%、1級水酸基変性量1.0モル%)
を調製した。実施例1で用いたアミノ酸基含有PVA
(B−1)を用いる代わりに、該1級水酸基含有PVA
系重合体を用いた以外は実施例1と同様にして固形分濃
度40%のポリウレタン系エマルジョンを得た。得られ
たエマルジョンの評価結果を表2に示す。
【0054】比較例3 実施例1で用いたアミノ酸基含有PVA(B−1)を用
いる代わりに、無変性PVA(重合度500、けん化度
98.5モル%:(株)クラレ製PVA−105)を用
いた以外は実施例1と同様にしてエマルジョン調製を試
みたが、乳化後に分離が起こり、安定したエマルジョン
が得られなかった。
【0055】比較例4 実施例1で用いたアミノ酸基含有PVA(B−1)を用
いなかった以外は実施例1と同様にしてエマルジョン調
製を試みたが、乳化時に析出が生じ、安定したエマルジ
ョンが得られなかった。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法によるポリウレタン系
エマルジョンは、耐溶剤性に優れ、かつ経時的な着色の
問題がない。よって、産業用繊維、皮革、室内装飾、ア
パレル、床材(木製、コンクリート、フロアーポリッシ
ュ)、プラスチック部品などのコーティング剤、パッケ
ージ(包装紙など)、ラミネーション(フィルム/ホイ
ル、繊維など)、一般工業用の接着剤(塩ビシート/木
材、塩ビシート/金属、金属/木材)、ガラス繊維収束
剤、インク、塗料などの用途分野に幅広く、かつ有効に
利用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CK051 DE026 GH01 GJ01 HA07 4J034 BA08 CA03 CA04 CA14 CB03 CB07 CB08 CC03 DA03 DA05 DB04 DB05 DB08 DP06 DP17 DP18 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA42 QC10 RA07 RA08 4J100 AD02Q AE18R AG02P AG03P AG04P AG06P AG24P BA03H BA03R BA16H BA16R BA29H BA29R BA51H BA51R BB07P BC54R CA05 CA31 HA08 HC08 HC43 HC70 JA01 JA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中において、ポリウレタンプレ
    ポリマー(A)に、分子中にアミノ酸基を含有するビニ
    ルアルコール系重合体(B)、ならびに分子中に1級ア
    ミノ基、2級アミノ基、1級水酸基および2級水酸基か
    ら選ばれる少なくとも1種の活性水素原子を有する官能
    基を含有する低分子化合物(C)を反応させることを特
    徴とするポリウレタン系エマルジョンの製造方法。
  2. 【請求項2】 アミノ酸基を含有する単位が化1の一般
    式で表される単位である請求項1記載のポリウレタン系
    エマルジョンの製造方法。 【化1】 (ここで、R、R、R、RおよびRは、それ
    ぞれ水素原子または炭素数8以下の置換基を有していて
    もよい炭化水素基を表し、Aは2価の炭化水素基、また
    は窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少な
    くとも1種の原子を含む2価の炭化水素基を、Sは硫黄
    原子を、Xはアミノ酸基を含有する1価の基をそれぞれ
    表す。)
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