JP2003250649A - 椅 子 - Google Patents

椅 子

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JP2003250649A
JP2003250649A JP2002054859A JP2002054859A JP2003250649A JP 2003250649 A JP2003250649 A JP 2003250649A JP 2002054859 A JP2002054859 A JP 2002054859A JP 2002054859 A JP2002054859 A JP 2002054859A JP 2003250649 A JP2003250649 A JP 2003250649A
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康司 片山
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裕 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】座を前後スライドさせ得る椅子において、身体
に対する座板のフィット性を確保しつつ、座板のスライ
ドをスムースに行えるようにする。 【手段】座板48は、椅子の正面視で左右方向に広がる翼
状に形成された中間支持体4の左右両側縁で支持されて
いる。中間支持体4には雄形レール部47が形成されて、
座板48の左右両側縁部には雌形レール部50が形成されて
いる。更に、雌形レール部50には、摩擦抵抗の小さいP
OM樹脂のように摩擦抵抗の小さい樹脂からなる摺動促
進体45を装着している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座が前後スライド
可能な椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】事務用等のいわゆる回転椅子は、座が背
もたれに連動して動くシンクロ式椅子と、そうでない椅
子とに大別される。このうちシンクロ式椅子では、一般
に三点リンク機構を採用していることが多い。
【0003】すなわち、脚支柱の上端に取り付くベース
(支基)の前部と座とを第1軸で連結し、背もたれが取
り付く背支持フレームの先端部とベースとを第2軸で連
結し、座と背支持フレームとを第3軸で回動自在に連結
し、更に、第1軸又は第2軸が嵌まっている穴を前後長
手の長穴とすることにより、背もたれの後傾動に連動し
て座が後退しつつ後傾するように構成していることが多
い。
【0004】他方、椅子において、使用者の体格に応じ
て座と背もたれとの相対的な位置関係を設定できる等の
ために、座の前後位置を調節可能とすることが行われて
いる。また、背もたれとシンクロして座が前後スライド
するものもある。
【0005】この場合、シンクロタイプでない椅子の場
合は、ベースに座を前後移動調節可能に取り付けてお
り、シンクロタイプの椅子の場合は、ベースの上方に、
背支持フレームに連動して後傾動及び後退動する中間支
持体を配置し、この中間支持体に座を前後移動調節可能
に取付けることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、座板や中間
支持体やベースに前後スライド可能に装着する場合、中
間支持体やベースに座を前後スライド可能に取付けるた
めの手段として、従来は、例えば蟻溝方式のようなレー
ル部材を左右に配置した構造になっており、このため、
構造が複雑になる傾向があった。
【0007】また、従来は、座の前後スライド機構と座
のクッション性との関係については特段の注意は払われ
ておらず、座のクッション性は、専ら座に張られたクッ
ション材によって確保する考え方が主流であったが、ク
ッション材だけでは人の臀部に対するフィット性の確保
に限界があった。
【0008】本発明は、このような現状を改善する個他
とをかだいとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の椅子は、脚の上
端に設けたベースと、ベースの上方に配置した中間支持
体と、中間支持体の上方に配置した座とを備えており、
前記中間支持体は、前後方向及び左右方向に広がる形状
に形成されており、この中間支持体の左右両側縁に前後
方向に延びる雄形レール部を形成している。
【0010】一方゛前記座は、合成樹脂製の座板(イン
ナーシェル板)と、その上面に張ったクッションとを備
えており、前記座板は着座した人の押圧力によって下向
きに沈み込むように撓み変形することが許容されてお
り、この座板の左右両側部に、前記雄形レール部を左右
外側から包み込む雌形レール部を形成しており、これら
雌形レール部と雄形レール部とを嵌合させることによ
り、座を前後スライド可能としている。
【0011】請求項2の発明では、前記雌形レール部と
雄形レール部とのうち少なくとも何れか一方に、当該雌
雄のレールの摺動抵抗を小さくするため、摩擦抵抗の小
さい樹脂材からなる摺動促進体を装着するといった摺動
促進手段を設けている。
【0012】請求項3の発明では、請求項2において、
前記中間支持体と座板とはともにポリプロピレン樹脂よ
り成っており、前記摺動促進体はPOM樹脂よりなって
いる。
【0013】
【発明の作用・効果】本発明によると、座は着座した人
の荷重によって沈み込むように撓み変形し得るため、人
の臀部に対するフィット性が格段に向上して、このため
快適な座り心地を得ることができる。
【0014】人が着座すると、座板には、その左右側部
を中心部に向けて引っ張るようなテンションが作用する
が、本発明では、座板の左右両側縁部に形成した雌形レ
ール部で中間支持体の雄形レール部を左右外側から包み
込んだ状態になっているため、人が着座したことによっ
て座板に作用するテンションは雌雄のレールの嵌合を強
化するように作用することになり、このため、人が着座
した際の衝撃によって雌雄のレールの嵌合が外れるよう
なことはない。
【0015】このための、座の前後スライド機能を損な
うことなく座り心地を向上することができる。請求項2
のように摺動促進体を設けると、座を軽快に前後スライ
ドさせることができ、特に、シンクロ式の椅子において
座を中間支持体に対して相対的に前後動させる椅子にお
いて有益である。
【0016】請求項3のように中間支持体と座板とを汎
用性の高いポリプロピレン樹脂製とすると、成形が容易
であると共に廃棄後のリサイクルも容易となり、更に、
POM(ポリアセタール)樹脂は摩擦係数がごく小さい
ため、摺動促進体として好適である。
【0017】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。
【0018】(1).第1実施形態(図1〜図15) .全体の概要 図1〜図15では第1実施形態を示している。このうち
図1は椅子の正面図、図2は右側面図、図3は背面図で
ある。
【0019】これらの図に示すように、椅子は、キャス
ター及び脚支柱(ガスシリンダ)1を備えた脚2と、脚
支柱2の上端に固定したベース3と、ベース3の上方に
配置した中間支持体4と、中間支持体4で支持した座5
と、ベース3に後傾動自在に取付けた背支持フレーム6
と、背支持フレーム6に取付けた背もたれ7と、背もた
れ7に取付けたヘッドレスト装置8と、座5の左右両側
に配置した肘掛け装置9とを備えている。
【0020】背もたれ7は、合成樹脂製の背もたれ板
(背インナー部材)10と、その前面に重ねたクッショ
ン11と、背もたれ板10の裏側に空間を隔てて配置し
た裏カバー(背アウター部材)12とを備えている。
【0021】詳細は省略するが、背もたれ板10と裏カ
バー12との間には、背もたれ板10のうち主として着
座した人の腰に当たる部分を押し出すランバーサポート
機構を配置している。ランバーサポート機構は裏カバー
12を囲うように延びるハンドル14を備えており、こ
のハンドル14を操作することにより、背もたれ板10
の前向き突出量と押し出し高さ位置とを調節することが
できる。
【0022】肘掛け装置9は、肘支柱15と、これに高
さ調節自在及び回転自在に被嵌した昇降筒16と、昇降
筒16の上端に上下回動自在に取付けた肘当て17とを
備えている。肘支柱15は若干の角度で前傾している。
【0023】.ロッキング機構の概要 次に、ロッキング機構や座の支持機構などを、図4以下
の図面を参照して説明する。まず、図4〜図12に基づ
いて、ロッキング機構を説明する。
【0024】図4は中央縦断側面図、図5は中間支持体
の平面図、図6はベース3の側部の箇所で切断した状態
の部分的な右側断面、図7は分離した状態の右側面図、
図9〜図12は部材の斜視図である。
【0025】例えば図8〜10に示すように、ベース3
は上向きに開口したケース状に形成されており、後部寄
りの箇所に脚支柱1が嵌着している。また、ベース3の
左右側板の前部には、前後長手で側面視後傾状の長穴2
0が空いており、これに第1軸(スライド軸)21がブ
ッシュ22を介して貫通している。
【0026】ベース3の前後ほぼ中間部には第2軸23
が貫通しており、この第2軸23で背支持フレーム6の
前端がベース3に連結されている。第2軸23は背支持
フレーム6に抜け不能に保持されている。左右の背支持
フレーム6の前後中途部には上向き突起24が形成され
ており、左右の突起24は第3軸25で連結されてい
る。
【0027】また、前記第2軸23には、ばね手段の一
例として、左右一対のキックばね(ねじりコイルばね)
26がばね受け27を介して被嵌している。キックばね
26の前向き端部は受け部材28で上方から支持されて
おり、キックばね26の後方に延びる他端は第3軸25
の下方まで延びている。
【0028】図4に示すように、ばね受け27には側面
視で略U字状で前向きに延びる荷重受け部27aが形成
されている。そして、詳細は省略するが、キックばね2
6の前向き端部は、ばね受け27の荷重受け部27aで
上方から支持されている。
【0029】また、ばね受け27の荷重受け部27aに
はボルト受け29が旋回不能に嵌まっており、このボル
ト受け29に上方から調節用ボルト30が回転不能に嵌
まっている。調節用ボルト30はベース3に貫通してお
り、これに摘まみ31が下方からねじ込まれている。
【0030】中間支持体4はポリプロピレンのような合
成樹脂製であり、全体としては板状で、正面視で上向き
凹状に形成されている。より正確に述べると、中間支持
体4は、その左右中間部は水平状で、その左右両側の部
分は外側に向けて上向きに傾斜した羽根部となってお
り、全体として翼状に形成されている。また、中間支持
体4には、主として補強のため、前後方向及び左右方向
に延びる多数本のリブ32が形成されている。
【0031】中間支持体4の前部と後部とには、ベース
3の左右外側に位置する左右一対ずつの軸受け部33,
34を下向きに突設しており、前軸受け部33を前記第
1軸21でベース3に連結されている。また、後軸受け
部34には前記第3軸25が貫通している。詳細は省略
するが、前部軸受け33の外面にはキャップ42を装着
しており、このキャップ42によって第1軸21の抜け
を防止している。
【0032】背支持フレーム6はキックばね26の弾性
に抗して後傾し、かつ、中間支持体4及び座5は背支持
フレーム11の後傾動に連動して後傾しつつ後退する
(すなわち、座5が背もたれ7にシンクロする)。
【0033】ベース3における巾狭の後部の左右側板に
は、ロッキング時における第3軸25との干渉を防止す
るため、上向きの切り欠き35を形成している。中間支
持体4の後端には、ベース3の後面に沿って延びる後部
カバー36を設けている。
【0034】.中間支持体及び座の詳細 例えば図8〜図11に明示するように、中間支持体4の
左右両側縁は、前後方向に延びる雄形レール部47を形
成している。
【0035】他方、図4に示すように、座5はポリプピ
ピレンのような合成樹脂製の座板(座インナー部材)4
8と、その上面に張ったクッション49とから成ってお
り、図11や図13に示すように、座板48の左右側部
には、中間支持体4の雄形レール部47に対して外側か
らスライド自在に嵌まる雌形レール部50を形成してい
る。
【0036】座板48には、その撓み変形を容易ならし
めるため、向きや長さの異なる多数のスリット群51を
形成している。この場合、着座した人の体圧が強く作用
する部分ほどスリット群51の密度を高くすることによ
り、人の臀部へのフィット性を高めている。
【0037】雌雄レール部50,47の相対的な摺動を
より滑らかにするため、雌形レール部50に、POM樹
脂(ポリアセタール)のような摩擦係数が小さい合成樹
脂で略L字状に形成されたらなる摺動促進体45を装着
している。
【0038】摺動促進体45の上面には適宜間隔で爪4
5aが突設されており、この爪45aを、座板48に形
成した係合穴46に嵌め入れている。摺動促進体45に
は上方から荷重が掛かっているので、このような簡単な
嵌め込みによっても外れることはない。
【0039】なお、摺動促進体45は雄形レール部47
に取付けても良いし、雄形レール部47と雌形レール部
50との両方に取付けても良い。
【0040】図4及び図5に示すように、中間支持体4
の後部上面には左右雄型レール47の間まで延びる1枚
の補強板52が重ねられて、ビス53で固定されてい
る。
【0041】人が着座することによって座板48は下向
きに凹むように変形し、これに伴って、雌形レール部5
0は雄形レール部47を強く嵌合するように作用するた
め、体重によって雌雄レール部47,50の嵌合が外れ
ることは全くない。
【0042】更に、座板48は中間支持体4によって両
端支持の状態で支持されているため、着座した人の体重
により、中間支持体4の左右量羽根部には、図13に示
すように、下向きの力F1と水平内向きの力F2とが作
用し、その合力F3は椅子の正面視で斜め下向きの力に
なっている。
【0043】そして、中間支持体4の羽根部は正面視で
外側に向けて高くなるように傾斜しているため、着座し
た人の荷重は中間支持体4の羽根部を左右方向に圧縮す
るような力になっており、このため、中間支持体4の強
度が高い(仮に座板48が完全な剛体であると、中間支
持体4の左右羽部には下向き曲げ力が作用するに過ぎな
いため、強度が低くなる)。
【0044】また、座板48に作用した荷重によって中
間支持体4の左右雄形レール部47はその間隔が狭まる
ように変形する傾向を呈するが、本実施形態のように補
強板52の左右両端を中間支持体4の雄形レール部47
に当接又は密接させると、中間支持体4のうち特に強く
荷重が作用する部分において変形が阻止されるため、座
5をよりスムースにスライドさせることができる。
【0045】.座と中間支持体との相対動機構 座5は中間支持体4よりも大きい寸法で後退動するよう
に設定されている。この点を、上記各図の他に図16も
参照して説明する。
【0046】図4や図9に示すように、第1軸21のう
ち左右中間部には、側面視く字状(ベルクランク状)の
リンク体(てこ部材)54が回動自在に嵌まっている。
【0047】リンク体54の下部には左右外向きに突出
するガイド軸55が一体に形成されており(別体のもの
を嵌め込んでも良い)、このガイド軸55は、ベース3
に一体に又は別体に設けた左右下係止体56の側面に形
成された側面視後傾状のガイド溝57にスライド自在に
嵌まっている。従って、着座した人が背もたれ7に凭れ
掛かることによって第1軸21が後退すると、リンク体
54はその上端が後方に移動するように回動する。
【0048】リンク体54の上端には、左右長手の駆動
ピン58が左右外側にはみ出た状態で貫通している一
方、座板48の前部下面には、前記駆動ピン58の左右
端部が嵌合する複数(3個の)の嵌合溝59を備えた係
合ブラケット60を一体成形している。
【0049】従って、背もたれ7が後傾して第1軸21
が後退すると、リンク体54が回動して、座5は中間支
持体4よりも大きい寸法で後退動する。なお、係合ブラ
ケット60は座板48とは別体に製造して、ねじ止め等
の適宜の手段で座板48に固定することも可能である。
【0050】リンク体54は中間支持体4に設けた逃が
し穴61から上向きに延びており、このため、中間支持
体4の前後動を許容した状態でリンク体54を回動させ
ることができる。
【0051】例えば図11から理解できるように、座板
48の下面のうち左右係合ブラケット60の外側には、
駆動ピン58の抜けを防止するためのサイドストッパー
63を一体に設けている。
【0052】座板4には、その周辺部を下方から覆う下
カバー64が取付けられており、この下カバー64の前
端部には、下向き凹状の引手穴65を形成している。座
板48は撓み変形させることができるため、着座した人
が腰を浮かした状態で下カバー64の引手穴65に指を
掛けて持ち上げると、駆動ピン58と嵌合溝59との嵌
合状態を解除できる。
【0053】従って、座板48の前部を持ち上げて前後
移動させて、駆動ピン58の嵌合位置を変えることによ
り、座3を着座した人の身体の大きさに応じて前後移動
調節することができる。
【0054】図4に示すように、係合ブラケット60の
前部は、座板48の後退位置を規制するためのフロント
ストッパー60aになっており、係合ブラケット60の
後部は、座板48の前身位置を規制するためのリアスト
ッパー60bになっており、これらのストッパー60
a,60bは、その間の部位よりも下向き高さが高くな
っている。
【0055】また、リアストッパー60bの後面は傾斜
面60cになっており、このため、座板48の雌形レー
ル部50を中間支持体4の雄形レール部47に嵌め込む
において、傾斜面60cのガイド作用により、座板48
の弾性変形を利用して係合ブラケット60は駆動ピン5
8を簡単に乗り越えることができる。
【0056】.肘掛け装置の取付け 次に、図5、図7及び図12に加えて図13も参照して
肘掛け装置9の取付けについて説明する。図13は図5
のXIII−XIII視断面図である。
【0057】肘掛け装置9を構成する肘支柱15は金属
製で正面視で略L字状に形成されており、その水平状部
の先端を斜めにカットして、これに取付け板67を溶接
等によって固着している。取付け板67はカバー68′
で覆われている。
【0058】取付け板67と中間支持体4とに3つの通
孔69a,69bが空いており、これらの通孔69a,
69bに下方から挿通したボルト70を、補強板52の
左右側部に形成した雌ねじ穴71にねじ込んでいる。な
お、肘掛け装置9はユーザーの要望に応じて取付ければ
よい。
【0059】取付け板67は、中間支持体4の下面に形
成した浅い凹所68に嵌まっており、これによって位置
決めがなされている。
【0060】.傾動範囲調節機構・ロック機構 例えば図4及び図14に示すように、第3軸25には、
筒部を介して一体に連結された左右一対のカム体78が
回転自在に被嵌している。
【0061】このカム体78は、ベース3の受け部79
に当接することにより、背もたれ7の傾動範囲を複数
(4つ)の範囲に切り換えることができる。本願発明の
の関連は薄いので詳述しないが、図4に示すように、中
間支持体4の下面に左右横向きに設けた後部操作軸78
aを操作すると、カム体78の角度を変更することがで
きる。
【0062】また、図13に示すように、左右係止体5
6の上面には側面視鋸歯状の凹凸80が形成されている
一方、第1軸21には、前記凹凸80に係脱し得るロッ
クアーム81が回動自在に嵌まっている。
【0063】図4に示すように、中間支持体4の下面に
左右横向きに設けた前部操作軸81aを回転操作する
と、ロックアーム81を回動させることにより、背もた
れ7を後傾動不能にロックすることができる。但し、こ
の点も本願発明との関連は薄いので詳細は省略する。
【0064】(2).第2実施形態(図15〜図23) 次に、図15〜図23に表示された第2実施形態につい
て説明する。本実施形態も基本的な構成は第1実施形態
と同様であり、図15の斜視図(裏返して後方から見た
斜視図)に示すように、第1実施形態と同じ基本構造の
中間支持体4を備えている。
【0065】.第1軸の抜け防止構造 本実施形態では、第1軸21の抜け防止構造に特別の工
夫をこらしている。この点を、図16〜図20に基づい
て説明する。図16は下方から見た分離斜視図、図17
の両分図はいずれもキャップの斜視図、図18のうち
(A)は前軸受け部33の部分底面図、(B)は前軸受
け部33の側面図、図19は図20(A)の XIX-XIX視
断面図、図20のうち(A)は図18(B)のA−A視
断面図、(B)は図18(A)の及び図19のB−B視
断面図である。
【0066】本実施形態において、前軸受け部33には
外側と下方とに開口した空所39が形成されており、そ
の内部に、軸受け筒部40を形成している。
【0067】他方、キャップ42は、前軸受け部33の
空所39を塞ぐように、底板付きの断面L字状に形成さ
れており、かつ、前後縁には、上方と前後方向とに開口
した係合溝42aを形成している。前軸受け部33の凹
所39には、前記キャップ42の係合溝42aと嵌合す
る係合突条39aが形成されている。
【0068】また、キャップ42における底板42bの
前後両端には、側面視で鉤状の係合爪42cを上向きに
突設している。これに対して、前軸受け部33における
凹所39の前後内面板には、前記係合爪42cが下方か
ら上昇動すると互いに係合する係合段部39bを形成し
ている。係合爪42cは係合段部39bの箇所で左右外
側に移動不能に保持されている。
【0069】キャップ42の取付け手段としては、水平
方向から移動させて凹所39に嵌め込まれるように、キ
ャップ42と前軸受け図33とに爪や係合穴からなる係
合手段を設けることも可能であるが、この場合、第1軸
21に対してその軸方向の外力が作用すると、その外力
が係合手段による係合を解除する方向に作用するので、
キャップ42を簡単に取付けできる状態では、第1軸2
1の抜け防止機能が弱くなる。
【0070】さりとて、キャップ42が簡単には外れな
いように係合手段による係合力を強化すると、キャップ
42を着脱(特に取り外し)が頗る厄介となる。すなわ
ち、キャップ42の着脱の容易性と第1軸21の抜け防
止機能とが相反することになる。
【0071】これに対して本実施形態では、キャップ4
2は、前軸受け部33に下方から上向き移動させること
によって装着するものであるため、係合段部39bに対
する係合爪42cの係合強度を高くしなくても、係合溝
42aと係合突条39aとの嵌合及び係合爪42cと係
合段部39bとの嵌まり合いにより、外向き方向(水平
方向)には外れない状態に確実に保持される。従って、
着脱の容易性と第1軸21の抜け防止機能とを同時に達
成できる。
【0072】なお、係合段部39の上方は上向きに開口
した空所になっている。これは、射出成形法によって製
造するにおいて、金型のいわゆる抜き違いによって係合
段部39bを形成するためである。凹所39には補強リ
ブ39cを形成している。
【0073】係合突条39aを長く形成して、当該係合
突条39aと係合溝42aとの嵌合のみによって横向き
移動不能に保持しても良い。更に、キャップ42の底板
42bと前軸受け部33の下面とに、横向き移動不能に
保持するストッパー手段を設けても良い。
【0074】.座板のスライド構造 図21の断面図に示すように、本実施形態では、中間支
持体4における雄形レール部47の先端に下向き鉤部4
7aを形成する一方、座板48における雌形レール部5
0の内端部には上向き鉤部50aを形成して、これらの
鉤部47a,50aを互いに嵌め合わせている。
【0075】換言すると、雄形レール部47と雌形レー
ル部50とに、水平方向に噛み合う嵌合手段を設けてい
る。雌形レール部50に摺動促進体45を装着している
点は第1実施形態と同じである。
【0076】本実施形態のように雄形レール部47と雌
形レール部50とを水平方向に噛み合わせると、当該両
レール47,50の噛み合わせが確実になるため、座板
48に大きな荷重や衝撃がかかっても、雌形レール部5
0が雄形レール部47から外れることを確実に防止でき
る利点である。
【0077】.脚支柱の操作機構 図22及び図23では、ガスシリンダよりなる脚支柱1
の操作機構を示している。すなわち、脚支柱1の上端か
ら突出しているプッシュロッド1aを押圧操作するため
の機構の一例を示している。
【0078】本実施形態では、1つの特徴として、脚支
柱1を覆うように、金属板製の中間部材82を配置し、
更に、その後方には受け部材83を配置している。中間
部材82と受け部材83とは、ベース3に形成した前後
長手のリブ群3aに嵌まるように側板を備えている。
【0079】押さえ部材83はねじ84でベース3のリ
ブ群3aに固定されているが、中間部材82は前後方向
にスライド可能になっている。そして、中間部材82の
後部に側面視略円形の突起85を切り起こし形成する一
方、押さえ部材83には、前記突起85に嵌合する切り
開き溝86を形成している。このため、中間部材82
は、突起85を中心にしてある程度の角度だけ上下回動
し得る。
【0080】中間部材82の前後中途部には上向きの切
欠き86が形成されている。これは、座5の後傾動に際
して第3軸25との干渉を回避するためである。また、
中間部材82の前端には、操作ロッド87の先端部87
aが上方から当たる受け片88を折曲げ形成している。
【0081】前記操作ロッド87は正面視及び平面視で
クランク状に折曲げ形成されており、ベース3の側板に
受けた上下長手の長穴89から外側に露出している。ま
た、操作ロッド87は、第2軸23に回転自在に被嵌し
たブッシュ90の外周に部分的に重なる円弧部87bを
形成している。そして、ブッシュ90には、操作ロッド
87の円弧部87bを一体に保持する押さえ部(或いは
抱持部)90aを一体に形成している。
【0082】このため、操作ロッド87の外向き露出部
を上向きに引くとと、操作ロッド87は第2軸23の軸
心回りに回動し、これにより、中間部材82が下向きに
回動し、その結果、脚柱1のプッシュロッド1aが押し
下げられてロックが解除される。
【0083】ところで、プッシュロッド1aの操作手段
としてはロッド87の先端で直接に押すように構成して
いることが多いが、そうすると、ロッド87の先端は多
少の隙間を持たせた状態でプッシュロッド1aの上方に
配置しておかねばなちず、すると、プッシュロッド1a
と中間支持体4の間の間隔も僅かながら大きくせざるを
得ず、その結果、座5の下降下限での高さを低くせざる
を得ない。
【0084】椅子においては、座の上限高さが低くて
も、身長の高い人は座布団を敷けば対応できるが、身長
の低い人にとって下限高さが高いと対応できないので、
身長の低い人に合わせて、なるべく座を低い位置まで下
降できるようにしておくのが好ましい。しかし、ガスシ
リンダのストロークには限度がある。
【0085】このため、座の支持機構部の上下寸法をで
きるだけ小さくするのが好ましい。しかし、従来のよう
に操作ロッド87で直接にプッシュロッド1aを操作し
ていた従来技術では、支持機構部の高さを低くするのに
限度がある。
【0086】これに対して本実施形態では、プッシュロ
ッド1aの上方には薄い中間部材82が配置されている
だけであるため、デッドスペースを極力小さくして、支
持機構部の上下高さを低くし、その結果、座の下降下限
高さを低くしてユーザーフレンドリーな椅子を提供でき
るのである。
【0087】また、従来は、操作ロッド87を回動させ
るために何らかの軸受け部材をベース等に設けていたた
め、構造が複雑化していたが、本実施形態では、第2軸
23を利用して回動させるものであるため、構造が簡単
でかつスムースな回動を実現できる。
【0088】ブッシュ90はロッド87の取付けのため
だけに設けても良いが、キックバネの取付けと兼用する
と、部材点数を抑制できて好適である。必ずしも押さえ
部材83は必要はなく、中間部材82の後端部に下向き
鉤部を折曲げ形成して、これをリブ群1aに対して上向
き移動不能に引っ掛けることにより、回動自在でかつ後
退動不能に保持するなどしても良い。
【0089】(3).その他 本発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化すること
ができる。例えば、座を中間支持体に対して相対的に後
退動させる相対動機構としては、実施形態のようなリン
ク体と係合ブラケットとの組合せには限らず、他の様々
の機構を採用することができる。
【0090】シンクロ機構としては、第1軸をスライド
軸とすることに代えて、第2軸をスライド軸としたり
(すなわち、第2軸が嵌まっているベースの穴を長穴に
したり)、後述する関連発明1と同様に、中間支持体に
おける第1軸の貫通穴を長穴とすることもの可能であ
る。もちろん、三点リンク機構以外の他のシンクロ機構
を採用しても良い。
【0091】ロッキング用のばね手段してはキックばね
には限らず、圧縮コイルばねやトーションバーのような
他のばね体を採用しても良い。また、金属製ばね体とゴ
ム等の軟質弾性体とを併用することも可能である。
【0092】請求項1においては、中間支持体は板金品
のような金属製とすることも可能である。雌雄レールの
摺動促進手段としては、摺動促進体を装着することに限
らず、例えば摩擦抵抗がごく小さい合成樹脂液を塗布し
たり、摩擦係数の小さい樹脂層を接着またはインサート
成形するなどしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る椅子の正面図である。
【図2】右側面図である。
【図3】背面図である。
【図4】要部の中央縦断側面図である。
【図5】中間支持体の平面図である。
【図6】ベースの側部の箇所で切断した状態の部分的な
右側断面図である。
【図7】分離した状態の要部の右側面図である。
【図8】座板と中間支持体とベースとの上方からの分離
斜視図である。
【図9】ベースは中間支持体との上方からの分離斜視図
である。
【図10】座板と中間支持体とベースとの下方からの分離
斜視図である。
【図11】座板と中間支持体との下方からの分離斜視図で
ある。
【図12】中間支持体と補強板と肘支柱との分離斜視図で
ある。
【図13】図5のXIII−XIII視視断面図である。
【図14】ベースを後方から見た斜視図である。
【図15】第2実施形態に係る中間支持体の斜視図であ
る。
【図16】下方か見た分離斜視図である。
【図17】キャップの斜視図である。
【図18】前軸受けを示す図で、 (A)は底面図、 (B)は側
面図である。
【図19】図20(A)のXIX-XIX視断面図である。
【図20】 (A)は図18 (B)の A-A視断面図、 (B)は図18
(A)及び図19の B-B視断面図である。
【図21】雌雄レールの嵌合状態を示す断面図である。
【図22】脚柱の操作機構の分離斜視図である。
【図23】脚柱の操作機構の縦断側面図である。
【符号の簡単な説明】
1 脚支柱 3 ベース 4 中間支持体 5 座 21 第1軸 23 第2軸 25 第3軸 26 ばね手段の一例としてのキックばね 45 摺動促進体 47 雄形レール部 50 雄形レール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 裕 大阪市城東区今福東1丁目4番12号 株式 会社イトーキクレビオ内 Fターム(参考) 3B084 BA00 3B091 AA04 AB01 AB03 3B099 AA02 BA03 BA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脚の上端に設けたベースと、ベースの上方
    に配置した中間支持体と、中間支持体の上方に配置した
    座とを備えており、 前記中間支持体は、前後方向及び左右方向に広がる形状
    に形成されており、この中間支持体の左右両側縁に前後
    方向に延びる雄形レール部を形成している一方、 前記座は、合成樹脂製の座板(インナーシェル板)と、
    その上面に張ったクッションとを備えており、前記座板
    は着座した人の押圧力によって下向きに沈み込むように
    撓み変形することが許容される手段を備えており、この
    座板の左右両側部に、前記雄形レール部を左右外側から
    包み込む雌形レール部を形成しており、これら雌形レー
    ル部と雄形レール部とを嵌合させることにより、座を前
    後スライド可能としている、椅子。
  2. 【請求項2】前記雌形レール部と雄形レール部とのうち
    少なくとも何れか一方に、当該雌雄のレールの摺動抵抗
    を小さくするため、摩擦抵抗の小さい樹脂材からなる摺
    動促進体を装着するといった摺動促進手段を設けてい
    る、請求項1に記載した椅子。
  3. 【請求項3】前記中間支持体と座板とはともにポリプロ
    ピレン樹脂より成っており、前記摺動促進体はPOM樹
    脂よりなっている、請求項2に記載した椅子。
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