JP3967150B2 - 椅子 - Google Patents

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JP3967150B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座が前後スライド可能な椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
事務用等のいわゆる回転椅子は、座が背もたれに連動して動くシンクロ式椅子と、そうでない椅子とに大別される。このうちシンクロ式椅子では、一般に三点リンク機構を採用していることが多い。
【0003】
すなわち、脚支柱の上端に取り付くベース(支基)の前部と座とを第1軸で連結し、背もたれが取り付く背支持フレームの先端部とベースとを第2軸で連結し、座と背支持フレームとを第3軸で回動自在に連結し、更に、第1軸又は第2軸が嵌まっている穴を前後長手の長穴とすることにより、背もたれの後傾動に連動して座が後退しつつ後傾するように構成していることが多い。
【0004】
他方、椅子において、使用者の体格に応じて座と背もたれとの相対的な位置関係を設定できる等のために、座の前後位置を調節可能とすることが行われている。また、背もたれとシンクロして座が前後スライドするものもある。
【0005】
この場合、シンクロタイプでない椅子の場合は、ベースに座を前後移動調節可能に取り付けており、シンクロタイプの椅子の場合は、ベースの上方に、背支持フレームに連動して後傾動及び後退動する中間支持体を配置し、この中間支持体に座を前後移動調節可能に取付けることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、座板や中間支持体やベースに前後スライド可能に装着する場合、中間支持体やベースに座を前後スライド可能に取付けるための手段として、従来は、例えば蟻溝方式のようなレール部材を左右に配置した構造になっており、このため、構造が複雑になる傾向があった。
【0007】
また、従来は、座の前後スライド機構と座のクッション性との関係については特段の注意は払われておらず、座のクッション性は、専ら座に張られたクッション材によって確保する考え方が主流であったが、クッション材だけでは人の臀部に対するフィット性の確保に限界があった。
【0008】
本発明は、このような現状を改善するとを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る椅子は、脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上方に配置した中間支持体と、前記中間支持体の上方に配置した座とを備えており、前記中間支持体は、前後方向及び左右方向に広がる形状に形成されており、この中間支持体の左右両側縁に前後方向に延びる雄形レール部を形成している。
【0010】
一方前記座は、合成樹脂製の座板とその上面に張られたクッションとを備えていると共に、着座した人の押圧力によって下向きに沈み込むように撓み変形することが許容されており、この座板の左右両側部に、前記雄形レール部を左右外側から包み込む雌形レール部形成されており、前記雌形レール部と雄形レール部とを嵌合させることによって座が前後スライド可能になっている。
【0011】
そして、摩擦抵抗の小さい樹脂材からなる摺動促進体が、前記雌形レール部と雄形レール部とで上下から挟まれるように配置されており、摺動促進体には上向き又は下向きの爪が突設されている一方、前記雌形レール部又は雄形レール部に、前記摺動促進体の爪が嵌まる係合穴を形成している。
【0012】
請求項の発明では、請求項において、前記中間支持体と座板とはともにポリプロピレン樹脂より成っており、前記摺動促進体はPOM樹脂よりなっている。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明によると、座は着座した人の荷重によって沈み込むように撓み変形し得るため、人の臀部に対するフィット性が格段に向上して、このため快適な座り心地を得ることができる。
【0014】
人が着座すると、座板には、その左右側部を中心部に向けて引っ張るようなテンションが作用するが、本発明では、座板の左右両側縁部に形成した雌形レール部で中間支持体の雄形レール部を左右外側から包み込んだ状態になっているため、人が着座したことによって座板に作用するテンションは雌雄のレールの嵌合を強化するように作用することになり、このため、人が着座した際の衝撃によって雌雄のレールの嵌合が外れるようなことはない。
【0015】
このための、座の前後スライド機能を損なうことなく座り心地を向上することができる。そして、摺動促進体を設けているため、座を軽快に前後スライドさせることができ、特に、シンクロ式の椅子において座を中間支持体に対して相対的に前後動させる椅子において有益である。
【0016】
請求項のように中間支持体と座板とを汎用性の高いポリプロピレン樹脂製とすると、成形が容易であると共に廃棄後のリサイクルも容易となり、更に、POM(ポリアセタール)樹脂は摩擦係数がごく小さいため、摺動促進体として好適である。
【0017】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図15では第1実施形態を示している。まず、第1実施形態から説明する。
【0018】
(1).全体の概要
図1〜図15では第1実施形態を示している。このうち図1は椅子の正面図、図2は右側面図、図3は背面図である。
【0019】
これらの図に示すように、椅子は、キャスター及び脚支柱(ガスシリンダ)1を備えた脚2と、脚支柱2の上端に固定したベース3と、ベース3の上方に配置した中間支持体4と、中間支持体4で支持した座5と、ベース3に後傾動自在に取付けた背支持フレーム6と、背支持フレーム6に取付けた背もたれ7と、背もたれ7に取付けたヘッドレスト装置8と、座5の左右両側に配置した肘掛け装置9とを備えている。
【0020】
背もたれ7は、合成樹脂製の背もたれ板(背インナー部材)10と、その前面に重ねたクッション11と、背もたれ板10の裏側に空間を隔てて配置した裏カバー(背アウター部材)12とを備えている。
【0021】
詳細は省略するが、背もたれ板10と裏カバー12との間には、背もたれ板10のうち主として着座した人の腰に当たる部分を押し出すランバーサポート機構を配置している。ランバーサポート機構は裏カバー12を囲うように延びるハンドル14を備えており、このハンドル14を操作することにより、背もたれ板10の前向き突出量と押し出し高さ位置とを調節することができる。
【0022】
肘掛け装置9は、肘支柱15と、これに高さ調節自在及び回転自在に被嵌した昇降筒16と、昇降筒16の上端に上下回動自在に取付けた肘当て17とを備えている。肘支柱15は若干の角度で前傾している。
【0023】
(2).ロッキング機構の概要
次に、ロッキング機構や座の支持機構などを、図4以下の図面を参照して説明する。まず、図4〜図12に基づいて、ロッキング機構を説明する。
【0024】
図4は中央縦断側面図、図5は中間支持体の平面図、図6はベース3の側部の箇所で切断した状態の部分的な右側断面、図7は分離した状態の右側面図、図9〜図12は部材の斜視図である。
【0025】
例えば図8〜10に示すように、ベース3は上向きに開口したケース状に形成されており、後部寄りの箇所に脚支柱1が嵌着している。また、ベース3の左右側板の前部には、前後長手で側面視後傾状の長穴20が空いており、これに第1軸(スライド軸)21がブッシュ22を介して貫通している。
【0026】
ベース3の前後ほぼ中間部には第2軸23が貫通しており、この第2軸23で背支持フレーム6の前端がベース3に連結されている。第2軸23は背支持フレーム6に抜け不能に保持されている。左右の背支持フレーム6の前後中途部には上向き突起24が形成されており、左右の突起24は第3軸25で連結されている。
【0027】
また、前記第2軸23には、ばね手段の一例として、左右一対のキックばね(ねじりコイルばね)26がばね受け27を介して被嵌している。キックばね26の前向き端部は受け部材28で上方から支持されており、キックばね26の後方に延びる他端は第3軸25の下方まで延びている。
【0028】
図4に示すように、ばね受け27には側面視で略U字状で前向きに延びる荷重受け部27aが形成されている。そして、詳細は省略するが、キックばね26の前向き端部は、ばね受け27の荷重受け部27aで上方から支持されている。
【0029】
また、ばね受け27の荷重受け部27aにはボルト受け29が旋回不能に嵌まっており、このボルト受け29に上方から調節用ボルト30が回転不能に嵌まっている。調節用ボルト30はベース3に貫通しており、これに摘まみ31が下方からねじ込まれている。
【0030】
中間支持体4はポリプロピレンのような合成樹脂製であり、全体としては板状で、正面視で上向き凹状に形成されている。より正確に述べると、中間支持体4は、その左右中間部は水平状で、その左右両側の部分は外側に向けて上向きに傾斜した羽根部となっており、全体として翼状に形成されている。また、中間支持体4には、主として補強のため、前後方向及び左右方向に延びる多数本のリブ32が形成されている。
【0031】
中間支持体4の前部と後部とには、ベース3の左右外側に位置する左右一対ずつの軸受け部33,34を下向きに突設しており、前軸受け部33を前記第1軸21でベース3に連結されている。また、後軸受け部34には前記第3軸25が貫通している。詳細は省略するが、前部軸受け33の外面にはキャップ42を装着しており、このキャップ42によって第1軸21の抜けを防止している。
【0032】
背支持フレーム6はキックばね26の弾性に抗して後傾し、かつ、中間支持体4及び座5は背支持フレーム11の後傾動に連動して後傾しつつ後退する(すなわち、座5が背もたれ7にシンクロして動く。)。
【0033】
ベース3における巾狭の後部の左右側板には、ロッキング時における第3軸25との干渉を防止するため、上向きの切り欠き35を形成している。中間支持体4の後端には、ベース3の後面に沿って延びる後部カバー36を設けている。
【0034】
(3).中間支持体及び座の詳細
例えば図8〜図11に明示するように、中間支持体4の左右両側縁は、前後方向に延びる雄形レール部47形成されている。
【0035】
他方、図4に示すように、座5はポリプピピレンのような合成樹脂製の座板(座インナー部材)48と、その上面に張ったクッション49とから成っており、図11や図13に示すように、座板48の左右側部には、中間支持体4の雄形レール部47に対して左右外側から前後スライド自在に嵌まる雌形レール部50を形成している。
【0036】
座板48には、その撓み変形を容易ならしめるため、向きや長さの異なる多数のスリット群51を形成している。この場合、着座した人の体圧が強く作用する部分ほどスリット群51の密度を高くすることにより、人の臀部へのフィット性を高めている。
【0037】
雌雄レール部50,47の相対的な摺動をより滑らかにするため、雌雄レール50,47の間に摺動促進体45が配置されている。摺動促進体は、POM樹脂(ポリアセタール)のような摩擦係数が小さい合成樹脂で略L字状に形成されており、雌形レール部50に装着されている。
【0038】
摺動促進体45の上面には適宜間隔で爪45aが突設されており、この爪45aを、座板48に形成した係合穴46に嵌め入れている。摺動促進体45には上方から荷重が掛かっているので、このような簡単な嵌め込みによっても外れることはない。
【0039】
なお、摺動促進体45は雄形レール部47に取付けても良いし、雄形レール部47と雌形レール部50との両方に取付けても良い。
【0040】
図4及び図5に示すように、中間支持体4の後部上面には左右雄型レール47の間まで延びる1枚の補強板52が重ねられて、ビス53で固定されている。
【0041】
人が着座することによって座板48は下向きに凹むように変形し、これに伴って、雌形レール部50は雄形レール部47強く嵌合するように作用するため、体重によって雌雄レール部47,50の嵌合が外れることは全くない。
【0042】
更に、座板48は中間支持体4によって両端支持の状態で支持されているため、着座した人の体重により、中間支持体4の左右羽根部には、図13に示すように、下向きの力F1と水平内向きの力F2とが作用し、その合力F3は椅子の正面視で斜め下向きの力になっている。
【0043】
そして、中間支持体4の羽根部は正面視で外側に向けて高くなるように傾斜しているため、着座した人の荷重は中間支持体4の羽根部を左右方向に圧縮するような力になっており、このため、中間支持体4の強度が高い(仮に座板48が完全な剛体であると、中間支持体4の左右羽部には下向き曲げ力が作用するに過ぎないため、強度が低くなる)。
【0044】
また、座板48に作用した荷重によって中間支持体4の左右雄形レール部47はその間隔が狭まるように変形する傾向を呈するが、本実施形態のように補強板52の左右両端を中間支持体4の雄形レール部47に当接又は密接させると、中間支持体4のうち特に強く荷重が作用する部分において変形が阻止されるため、座5をよりスムースにスライドさせることができる。
【0045】
(4).座と中間支持体との相対動機構
座5は中間支持体4よりも大きい寸法で後退動するように設定されている。この点を説明する。
【0046】
図4や図9に示すように、第1軸21のうち左右中間部には、側面視く字状(ベルクランク状)のリンク体(てこ部材)54が回動自在に嵌まっている。
【0047】
リンク体54の下部には左右外向きに突出するガイド軸55が一体に形成されており(別体のものを嵌め込んでも良い)、このガイド軸55は、ベース3に一体に又は別体に設けた左右下係止体56の側面に形成された側面視後傾状のガイド溝57にスライド自在に嵌まっている。従って、着座した人が背もたれ7に凭れ掛かることによって第1軸21が後退すると、リンク体54はその上端が後方に移動するように回動する。
【0048】
リンク体54の上端には、左右長手の駆動ピン58が左右外側にはみ出た状態で貫通している一方、座板48の前部下面には、前記駆動ピン58の左右端部が嵌合する複数(3個の)の嵌合溝59を備えた係合ブラケット60を一体成形している。
【0049】
従って、背もたれ7が後傾して第1軸21が後退すると、リンク体54が回動して、座5は中間支持体4よりも大きい寸法で後退動する。なお、係合ブラケット60は座板48とは別体に製造して、ねじ止め等の適宜の手段で座板48に固定することも可能である。
【0050】
リンク体54は中間支持体4に設けた逃がし穴61から上向きに延びており、このため、中間支持体4の前後動を許容した状態でリンク体54を回動させることができる。
【0051】
例えば図11から理解できるように、座板48の下面のうち左右係合ブラケット60の外側には、駆動ピン58の抜けを防止するためのサイドストッパー63を一体に設けている。
【0052】
座板4には、その周辺部を下方から覆う下カバー64が取付けられており、この下カバー64の前端部には、下向き凹状の引手穴65を形成している。座板48は撓み変形させることができるため、着座した人が腰を浮かした状態で下カバー64の引手穴65に指を掛けて持ち上げると、駆動ピン58と嵌合溝59との嵌合状態を解除できる。
【0053】
従って、座板48の前部を持ち上げて前後移動させて、駆動ピン58の嵌合位置を変えることにより、座3を着座した人の身体の大きさに応じて前後移動調節することができる。
【0054】
図4に示すように、係合ブラケット60の前部は、座板48の後退位置を規制するためのフロントストッパー60aになっており、係合ブラケット60の後部は、座板48の前身位置を規制するためのリアストッパー60bになっており、これらのストッパー60a,60bは、その間の部位よりも下向き高さが高くなっている。
【0055】
また、リアストッパー60bの後面は傾斜面60cになっており、このため、座板48の雌形レール部50を中間支持体4の雄形レール部47に嵌め込むにおいて、傾斜面60cのガイド作用により、座板48の弾性変形を利用して係合ブラケット60は駆動ピン58を簡単に乗り越えることができる。
【0056】
(5).肘掛け装置の取付け
次に、図5、図7及び図12に加えて図13も参照して肘掛け装置9の取付けについて説明する。図13は図5のXIII−XIII視断面図である。
【0057】
肘掛け装置9を構成する肘支柱15は金属製で正面視で略L字状に形成されており、その水平状部の先端を斜めにカットして、これに取付け板67を溶接等によって固着している。取付け板67はカバー68′で覆われている。
【0058】
取付け板67と中間支持体4とに3つの通孔69a,69bが空いており、これらの通孔69a,69bに下方から挿通したボルト70を、補強板52の左右側部に形成した雌ねじ穴71にねじ込んでいる。なお、肘掛け装置9はユーザーの要望に応じて取付ければよい。
【0059】
取付け板67は、中間支持体4の下面に形成した浅い凹所68に嵌まっており、これによって位置決めがなされている。
【0060】
(6).傾動範囲調節機構・ロック機構
例えば図4及び図14に示すように、第3軸25には、筒部を介して一体に連結された左右一対のカム体78が回転自在に被嵌している。
【0061】
このカム体78は、ベース3の受け部79に当接することにより、背もたれ7の傾動範囲を複数(4つ)の範囲に切り換えることができる。本願発明の関連は薄いので詳述しないが、図4に示すように、中間支持体4の下面に左右横向きに設けた後部操作軸78aを操作すると、カム体78の角度を変更することができる。
【0062】
また、図13に示すように、左右係止体56の上面には側面視鋸歯状の凹凸80が形成されている一方、第1軸21には、前記凹凸80に係脱し得るロックアーム81が回動自在に嵌まっている。
【0063】
図4に示すように、中間支持体4の下面に左右横向きに設けた前部操作軸81aを回転操作すると、ロックアーム81を回動させることにより、背もたれ7を後傾動不能にロックすることができる。但し、この点も本願発明との関連は薄いので詳細は省略する。
【0064】
(7).第2実施形態(図15〜図23)
次に、図15〜図23に表示された第2実施形態について説明する。本実施形態も基本的な構成は第1実施形態と同様であり、図15の斜視図(裏返して後方から見た斜視図)に示すように、第1実施形態と同じ基本構造の中間支持体4を備えている。
【0065】
(8).第1軸の抜け防止構造
本実施形態では、第1軸21の抜け防止構造に特別の工夫をこらしている。この点を、図16〜図20に基づいて説明する。図16は下方から見た分離斜視図、図17の両分図はいずれもキャップの斜視図、図18のうち(A)は前軸受け部33の部分底面図、(B)は前軸受け部33の側面図、図19は図20(A)の XIX-XIX視断面図、図20のうち(A)は図18(B)のA−A視断面図、(B)は図18(A)の及び図19のB−B視断面図である。
【0066】
本実施形態において、前軸受け部33には外側と下方とに開口した空所39が形成されており、その内部に、軸受け筒部40を形成している。
【0067】
他方、キャップ42は、前軸受け部33の空所39を塞ぐように、底板付きの断面L字状に形成されており、かつ、前後縁には、上方と前後方向とに開口した係合溝42aを形成している。前軸受け部33の凹所39には、前記キャップ42の係合溝42aと嵌合する係合突条39aが形成されている。
【0068】
また、キャップ42における底板42bの前後両端には、側面視で鉤状の係合爪42cを上向きに突設している。これに対して、前軸受け部33における凹所39の前後内面板には、前記係合爪42cが下方から上昇動すると互いに係合する係合段部39bを形成している。係合爪42cは係合段部39bの箇所で左右外側に移動不能に保持されている。
【0069】
キャップ42の取付け手段としては、水平方向から移動させて凹所39に嵌め込まれるように、キャップ42と前軸受け図33とに爪や係合穴からなる係合手段を設けることも可能であるが、この場合、第1軸21に対してその軸方向の外力が作用すると、その外力が係合手段による係合を解除する方向に作用するので、キャップ42を簡単に取付けできる状態では、第1軸21の抜け防止機能が弱くなる。
【0070】
さりとて、キャップ42が簡単には外れないように係合手段による係合力を強化すると、キャップ42を着脱(特に取り外し)が頗る厄介となる。すなわち、キャップ42の着脱の容易性と第1軸21の抜け防止機能とが相反することになる。
【0071】
これに対して本実施形態では、キャップ42は、前軸受け部33に下方から上向き移動させることによって装着するものであるため、係合段部39bに対する係合爪42cの係合強度を高くしなくても、係合溝42aと係合突条39aとの嵌合及び係合爪42cと係合段部39bとの嵌まり合いにより、外向き方向(水平方向)には外れない状態に確実に保持される。従って、着脱の容易性と第1軸21の抜け防止機能とを同時に達成できる。
【0072】
なお、係合段部39の上方は上向きに開口した空所になっている。これは、射出成形法によって製造するにおいて、金型のいわゆる抜き違いによって係合段部39bを形成するためである。凹所39には補強リブ39cを形成している。
【0073】
係合突条39aを長く形成して、当該係合突条39aと係合溝42aとの嵌合のみによって横向き移動不能に保持しても良い。更に、キャップ42の底板42bと前軸受け部33の下面とに、横向き移動不能に保持するストッパー手段を設けても良い。
【0074】
(9).座板のスライド構造
図21の断面図に示すように、本実施形態では、中間支持体4における雄形レール部47の先端に下向き鉤部47aを形成する一方、座板48における雌形レール部50の内端部には上向き鉤部50aを形成して、これらの鉤部47a,50aを互いに嵌め合わせている。
【0075】
換言すると、雄形レール部47と雌形レール部50とに、水平方向に噛み合う嵌合手段を設けている。雌形レール部50に摺動促進体45を装着している点は第1実施形態と同じである。
【0076】
本実施形態のように雄形レール部47と雌形レール部50とを水平方向に噛み合わせると、当該両レール47,50の噛み合わせが確実になるため、座板48に大きな荷重や衝撃がかかっても、雌形レール部50が雄形レール部47から外れることを確実に防止できる利点である。
【0077】
(10).脚支柱の操作機構
図22及び図23では、ガスシリンダよりなる脚支柱1の操作機構を示している。すなわち、脚支柱1の上端から突出しているプッシュロッド1aを押圧操作するための機構の一例を示している。
【0078】
本実施形態では、1つの特徴として、脚支柱1を覆うように、金属板製の中間部材82を配置し、更に、その後方には受け部材83を配置している。中間部材82と受け部材83とは、ベース3に形成した前後長手のリブ群3aに嵌まるように側板を備えている。
【0079】
押さえ部材83はねじ84でベース3のリブ群3aに固定されているが、中間部材82は前後方向にスライド可能になっている。そして、中間部材82の後部に側面視略円形の突起85を切り起こし形成する一方、押さえ部材83には、前記突起85に嵌合する切り開き溝86を形成している。このため、中間部材82は、突起85を中心にしてある程度の角度だけ上下回動し得る。
【0080】
中間部材82の前後中途部には上向きの切欠き86が形成されている。これは、座5の後傾動に際して第3軸25との干渉を回避するためである。また、中間部材82の前端には、操作ロッド87の先端部87aが上方から当たる受け片88を折曲げ形成している。
【0081】
前記操作ロッド87は正面視及び平面視でクランク状に折曲げ形成されており、ベース3の側板に受けた上下長手の長穴89から外側に露出している。また、操作ロッド87は、第2軸23に回転自在に被嵌したブッシュ90の外周に部分的に重なる円弧部87bを形成している。そして、ブッシュ90には、操作ロッド87の円弧部87bを一体に保持する押さえ部(或いは抱持部)90aを一体に形成している。
【0082】
このため、操作ロッド87の外向き露出部を上向きに引く、操作ロッド87は第2軸23の軸心回りに回動し、これにより、中間部材82が下向きに回動し、その結果、脚柱1のプッシュロッド1aが押し下げられてロックが解除される。
【0083】
ところで、プッシュロッド1aの操作手段としてはロッド87の先端で直接に押すように構成していることが多いが、そうすると、ロッド87の先端は多少の隙間を持たせた状態でプッシュロッド1aの上方に配置しておかねばなず、すると、プッシュロッド1aと中間支持体4の間の間隔も僅かながら大きくせざるを得ず、その結果、座5の下降下限での高さを低くせざるを得ない。
【0084】
椅子においては、座の上限高さが低くても、身長の高い人は座布団を敷けば対応できるが、身長の低い人にとって下限高さが高いと対応できないので、身長の低い人に合わせて、なるべく座を低い位置まで下降できるようにしておくのが好ましい。しかし、ガスシリンダのストロークには限度がある。
【0085】
このため、座の支持機構部の上下寸法をできるだけ小さくするのが好ましい。しかし、従来のように操作ロッド87で直接にプッシュロッド1aを操作していた従来技術では、支持機構部の高さを低くするのに限度がある。
【0086】
これに対して本実施形態では、プッシュロッド1aの上方には薄い中間部材82が配置されているだけであるため、デッドスペースを極力小さくして、支持機構部の上下高さを低くし、その結果、座の下降下限高さを低くしてユーザーフレンドリーな椅子を提供できるのである。
【0087】
また、従来は、操作ロッド87を回動させるために何らかの軸受け部材をベース等に設けていたため、構造が複雑化していたが、本実施形態では、第2軸23を利用して回動させるものであるため、構造が簡単でかつスムースな回動を実現できる。
【0088】
ブッシュ90はロッド87の取付けのためだけに設けても良いが、キックバネの取付けと兼用すると、部材点数を抑制できて好適である。必ずしも押さえ部材83は必要はなく、中間部材82の後端部に下向き鉤部を折曲げ形成して、これをリブ群1aに対して上向き移動不能に引っ掛けることにより、回動自在でかつ後退動不能に保持するなどしても良い。
【0089】
(11).その他
本発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば、座を中間支持体に対して相対的に後退動させる相対動機構としては、実施形態のようなリンク体と係合ブラケットとの組合せには限らず、他の様々の機構を採用することができる。
【0090】
シンクロ機構としては、第1軸をスライド軸とすることに代えて、第2軸をスライド軸としたり(すなわち、第2軸が嵌まっているベースの穴を長穴にしたり)、中間支持体における第1軸の貫通穴を長穴とすることも可能である。もちろん、三点リンク機構以外の他のシンクロ機構を採用しても良い。
【0091】
ロッキング用のばね手段してはキックばねには限らず、圧縮コイルばねやトーションバーのような他のばね体を採用しても良い。また、金属製ばね体とゴム等の軟質弾性体とを併用することも可能である。
【0092】
請求項1においては、中間支持体は板金品のような金属製とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る椅子の正面図である。
【図2】右側面図である。
【図3】背面図である。
【図4】要部の中央縦断側面図である。
【図5】中間支持体の平面図である。
【図6】ベースの側部の箇所で切断した状態の部分的な右側断面図である。
【図7】分離した状態の要部の右側面図である。
【図8】座板と中間支持体とベースとの上方からの分離斜視図である。
【図9】ベースは中間支持体との上方からの分離斜視図である。
【図10】座板と中間支持体とベースとの下方からの分離斜視図である。
【図11】座板と中間支持体との下方からの分離斜視図である。
【図12】中間支持体と補強板と肘支柱との分離斜視図である。
【図13】図5のXIII−XIII視視断面図である。
【図14】ベースを後方から見た斜視図である。
【図15】第2実施形態に係る中間支持体の斜視図である。
【図16】下方か見た分離斜視図である。
【図17】キャップの斜視図である。
【図18】前軸受けを示す図で、 (A)は底面図、 (B)は側面図である。
【図19】図20(A) のXIX-XIX 視断面図である。
【図20】 (A)は図18 (B)の A-A視断面図、 (B)は図18 (A)及び図19の B-B視断面図である。
【図21】雌雄レールの嵌合状態を示す断面図である。
【図22】脚柱の操作機構の分離斜視図である。
【図23】脚柱の操作機構の縦断側面図である。
【符号の簡単な説明】
1 脚支柱
3 ベース
4 中間支持体
5 座
21 第1軸
23 第2軸
25 第3軸
26 ばね手段の一例としてのキックばね
45 摺動促進体
45a 摺動促進体の爪
46 係合穴
47 雄形レール部
50 雄形レール部

Claims (2)

  1. 脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上方に配置した中間支持体と、前記中間支持体の上方に配置した座とを備えており、
    前記中間支持体は、前後方向及び左右方向に広がる形状に形成されており、この中間支持体の左右両側縁に前後方向に延びる雄形レール部を形成している一方、
    前記座は、合成樹脂製の座板とその上面に張られたクッションとを備えていると共に、着座した人の押圧力によって下向きに沈み込むように撓み変形することが許容されており、この座板の左右両側部に、前記雄形レール部を左右外側から包み込む雌形レール部形成されており、前記雌形レール部と雄形レール部とを嵌合させることによって座が前後スライド可能になっている、
    という椅子であって、
    摩擦抵抗の小さい樹脂材からなる摺動促進体が、前記雌形レール部と雄形レール部とで上下から挟まれるように配置されており、摺動促進体には上向き又は下向きの爪が突設されている一方、前記雌形レール部又は雄形レール部に、前記摺動促進体の爪が嵌まる係合穴を形成している、
    椅子。
  2. 前記中間支持体と座板とはともにポリプロピレン樹脂より成っており、前記摺動促進体はPOM樹脂よりなっている、
    請求項1に記載した椅子。
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