JP4036437B2 - 椅子 - Google Patents

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JP4036437B2 JP2002054858A JP2002054858A JP4036437B2 JP 4036437 B2 JP4036437 B2 JP 4036437B2 JP 2002054858 A JP2002054858 A JP 2002054858A JP 2002054858 A JP2002054858 A JP 2002054858A JP 4036437 B2 JP4036437 B2 JP 4036437B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、背部を備えた椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
椅子において、主として着座した人を腰椎に負担が掛からない正しい姿勢に保持するため、背部のうち特に腰に当たる部分を押し出すようにしたランバーサポート装置を設けることが行われている。
【0003】
その一例として、特許第3038174号公報には、背もたれ板をバックフレーム(公報の名称では背支稈)に固定すると共に、バックフレームに、側面視前向き凸で緩く湾曲した突出部材を上下動自在に設ける一方、背もたれ板のうち前記突出部材に当たる部分を撓み変形可能とすることが記載されている。この場合、突出部材は正面視で左右中央部に配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に背部にはクッションが張られており、背部に凭れ掛かった状態での快適さを向上するためには、クッション材によるクッション性だけでなく、背部が全体として後方に撓むように変形することによるフィット性を確保するのが好ましい。
【0005】
しかし、前記公報のように背もたれ板の左右中間部だけを突出部材で支持した構造では、着座した人がいわば背骨を突き出されるような現象が生じて、人に違和感を感じさせる虞があった。特に、背部を後傾させたロッキング状態では、ひとの体圧が背もたれに強く作用するため、その反作用として、背骨(或いは腰椎)を突き上げられるような現象が陳著に現れることが懸念されていた。
【0006】
この点について、本願発明者は、背もたれ板を押圧部材によって前方に押し出してランバーサポート機能を発揮させるにおいて、押圧部材を椅子の正面視で縦長中心線を挟んだ左右両側に配置して、背もたれ板が押圧部材の間で撓み変形することを許容させると、ランバーサポート機能を損なうことなくフィット性を向上できるという着想に至った。
【0007】
本発明は、このような知見・研究を基礎にして成されたもので、身体へのフィット性を確実ならしめたランバーサポート機能付き椅子を提供することを主たる課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の椅子は、背部を、着座した人の背もたれ荷重を受ける背もたれ板とこの背もたれ板を部分的に前方に押し出すランバーサポート機構と備えられた構成としており、前記ランバーサポート機構は、背もたれ板のうち主として着座した人の腰部が当たる部分を左右両側の2ヵ所において押し出す左右の押圧手段と、左右押圧手段を作動させるために人が手で操作する操作手段と、前記操作手段の操作によって左右押圧手段を強制的に同期して作動させる連結手段とを備えている。
【0009】
そして、前記左右の押圧手段は、上部又は下部を中心にして前後方向に回動することによって前記背もたれ板を前方に押し出したり戻したりするテコ式の支持アームと、この支持アームを回動中心から適宜距離だけ離れた部位において後方から支持する回転式偏心カムとを備えており、前記偏心カムの外周面には軸心からの距離が異なる複数の偏心カム面が形成されている。
一方、前記連結手段は、前記左右回転式偏心カムが固定されていて水平状の軸線回りに回転し得る作動連動軸を備えており、この作動連動軸に、当該作動連動軸と前記回転式変換カムとを一方向のみに回転させるラチェットギアとが固定されている。
更に、前記操作手段は、前記作動連動軸を回転させるための回動式ハンドルを備えており、ハンドルの回動操作によって前記作動連動軸が間欠的に回転させられる。
【0010】
【0011】
【発明の作用・効果】
本発明によると、左右の押圧手段は同期して作動するため、使用者に違和感や不快感を与えることなく、ランバーサポート機能を確実に発揮することができる。
【0012】
また、押圧手段を左右に配置しているため、背もたれ板が撓み変形することが許容されて、着座した人の背部(腰部)を包み込むような状態を実現できて、ランバーサポート機能を保持しつつフィット性を向上させることができる。
【0013】
また、テコ式の支持アームをその回動中心から適宜離れた部位において偏心カムで支持するもので、支持アームの回動中心から背もたれ板の支持点までの距離を、支持アームの回動中心から偏心カムまでの距離よりも大きくすることにより、小形のカムで背もたれ板を大きく押し出すことができるため、押圧手段をコンパクト化することができる。
【0014】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(1).概要(図1〜図5)
先ず、図1〜図5に基づいて椅子の概要を説明する。図1は右側面図、図2は正面図、図3は背面図、図4は部材の分離斜視図、図5は部分的な縦断側面図である。
【0016】
椅子は、脚支柱(ガスシリンダ)1を立設した脚2と、座3と、肘掛け装置4と、背部5と、ヘッドレスト6とを備えている。脚支柱1の上端には上向きに開口したベース7が固定されており、ベース7の上方に正面視で翼状に広がる中間部材8と、座3とが配置されている。
【0017】
詳細は省略するが、座3は、合成樹脂製の座板(座インナー部材)にクッションを張った構造になっており、座板の左右両側部を中間部材に対して前後動自在に装着している。
【0018】
中間部材8の前部と後部とには、左右一対ずつのブラケット部8a,8bを下向きに突設しており、前ブラケット部8aを左右長手の第1軸9でベース7に連結している。第1軸9がベース7に嵌まる穴10は前後長手の長穴になっている。
【0019】
ベース7の前後略中間部には、揺動フレーム11の前部が左右長手の第2軸12によって連結されている。また、揺動フレーム11の前後中途部には、中間部材8の後部ブラケット8bが左右長手の第3軸13によって連結されている。
図4及び図5に示すように、第2軸12のうちベース7の内部に位置した部位には弾性支持手段の一例として、左右2本のねじりばね(キックばね)14が振り分けて配置されており、これらねじりばね14の一端部を受け部材15で上方から支持し、ねじりばね14の他端には中間部材8の後部ブラケット8bが上方から当たっている。
【0020】
従って、揺動フレーム11はねじりばね14の弾性に抗して後傾し、かつ、中間部材8及び座3は揺動フレーム11の後傾動に連動して後傾しつつ後退する(すなわち、座3が背部5にシンクロする)。ねじりばね14の初期弾性力は、受け部材15に係合したつまみ16で調節できる。
【0021】
揺動フレーム11は、後部に立ち上がり部11aを有する側面視略L字状に形成されており、本実施形態では、アルミのような軽合金(鉄のような他の金属でも良い)のダイキャストや合成樹脂の成形によって製造されている。
【0022】
背部5は、揺動フレーム11に取付けたバックフレーム20(背支柱)20と、バックフレーム20の手前側に配置した背もたれ板(背インナー部材)21と、バックフレーム20の裏側に配置した裏カバー(背アウター部材)22とを備えている。背もたれ板21の前面にはクッション23を張っている。
【0023】
(2).背部の基本構造
次に、主として図6〜図10に基づいて背部5の詳細を説明する。図6は背もたれ板21を省略した状態での背部5の正面図、図7はクッション23を省略した状態での縦断側面図、図8及び図9は背もたれ板21の取付け状態を示す斜視図、図10のうち(A)は平断面図、(B)は背もたれ板21と裏カバー22との分離平面図である。
【0024】
既述のとおり、背部5は、金属製のバックフレーム20と合成樹脂製の背もたれ板21と同じく合成樹脂製の裏カバー22とを備えており、バックフレーム20にランバーサポート機構25を上下動自在に取付けている。
【0025】
図6に示すように、バックフレーム20は左右の縦フレーム20aを備えており、バックフレーム20の左右縦フレーム20aの下端部は、揺動フレーム11の立ち上がり部11aに設けた穴に嵌め込まれている。縦フレーム20aは図示しないねじで揺動フレーム11の立ち上がり部に固定されている。
【0026】
左右の縦フレーム20aは上部ステー20bと下部ステー20cとで連結されている。図7に示すように、上部ステー20bは断面コ字状である。他方、下部ステー20cは上下幅寸法がやや大きい板金製であり、その上部には、縦フレーム20aの延び方向と直交した方向に曲がった支持片20c′を設けている。また、下向きに開口した切欠き溝20dを形成している。下部ステー20cは、裏カバー22に突設した突出部17にねじで固定されている。
【0027】
なお、上下のステー20b,20cは他の断面形状でも良い。また、上下ステー20b,20cの間に中間ステーを設けても良い。
【0028】
例えば図6に示すように、裏カバー22の上部には前向きに突出した左右長手の水平リブ27を形成しており、この水平リブ27に連設した状態で左右一対の下向き開口筒部28が形成されており、この下向き開口筒部28に、バックフレーム20における縦フレーム20aの上端を嵌め込み、ねじ29で固定している。
【0029】
また、図6及び図7から理解できるように、裏カバー22の下部でかつ左右中間部の前面には、左右のブラケット板30を介して係止バー31を一体に形成している。
【0030】
また、例えば図6と図8から理解できるように、背もたれ板21の上部には、裏カバー22の水平リブ27よりも上方に位置する左右長手の水平片33を後ろ向きに突設しており、水平片33の左右両端部に、円柱状の上取付け部34を下向きに突設し、これを、裏カバー22の水平リブ27に連設した円筒状の上受け部35に上方から嵌め込んでいる。
【0031】
この場合、上取付け部34と背もたれ板21とは補強のために板状部34aによって一体に接続されている一方、裏カバー22の上受け部35には、板状部34aが嵌合するスリット36を形成している。
【0032】
また、上取付け部34の先端には、上受け部35の下端面に引っ掛かり係合する上係合爪37を一体に設けている。このため、上取付け部34を上受け部35に嵌め込むと、背もたれ板21は上向き抜け不能に保持される。係合爪37を外側から内側に押しやった状態で背もたれ板21を上向きに押し上げると、背もたれ板21を取り外すことができる。
【0033】
裏カバー22の左右両側部には、背もたれ板21の裏面に向けて突出する縦リブ38が形成されているが、係合爪37の箇所では縦リブ38は高さがごく低い切り欠き部38aとなっていて、係合爪37の押し曲げ操作に支障が無いように配慮されている(完全に途切れても良い)。
【0034】
背もたれ板21の下部には、下取付け部の一例として、バックフレーム20と係止バー31との間に上方から嵌まり込む下部係合爪39を一体に形成している。下部係合爪39は、背もたれ板21が手前側に移動し得るように上下方向に長く延びており、その下端は、係止バー31に引っ掛かる爪39aが形成されている。この爪39aにより、背もたれ板21の前向き移動限度が規制される。
【0035】
また、図9に示すように、背もたれ板21には下係合爪39の上部を囲うようなスリット40が形成されており、このため、下係合爪38を前後移動させるように容易に変形させることができる。背もたれ板21の上昇動に際して下部係合爪39がバックフレーム20の下部ステー20cに干渉しないように、下部ステー20cには前記したように切欠き溝20dが形成されている。
【0036】
背もたれ板21を取付ける場合は、先に下部係止爪39を停止バー31と裏カバー22との間に挿入してから、上部取付け部34を裏カバー22の上受け部35に弾性に抗して嵌め込むことになる。取り外しは逆の手順で行う。
【0037】
背もたれ板21の背面と下部係合爪39との間の間隔はバックフレーム20における下部横長部材20cの直径よりも大きいため、背もたれ板20がその下部において前後動することが許容されており、このため、背もたれ板20は側面視でも撓み変形が可能なっており、その結果、着座した人に対するフィット感が高い利点がある。
【0038】
ヘッドレスト6は左右の支柱42を備えており、左右の支柱42は、図10に示すように、裏カバー22の水平リブ27に形成した受け筒部45に差し込まれている。また、支柱42の下端は、バックフレーム20における下部ステー20cの支持片20c′に形成された穴(図示せず)に差し込まれている。
【0039】
(3).ランバーサポート機構の構造
次に、主として図11以下の図面を参照してランバーサポート機構25について説明する。図11は正面図、図12は部分的な斜視図、図13は部分的な一部破断正面図、図14は図13のXIV-XIV 視断面図、図15は図13のXV−XV視断面図、図16は図13の XVI-XVI視断面図、図17は図13の XVII-XVII平断面図である。
【0040】
ランバーサポート機構25は、バックフレーム20の縦フレーム20aに上下動自在に装着したスライダー45と、左右のスライダー45を一体に連結する連結板(連結部材)46と、スライダー45に設けた支持アーム47(押圧手段を構成している)と、水平状に延びる操作連動軸48と、操作手段の一例としてのハンドル49とを備えている。
【0041】
例えば図12に示すように、スライダー45の内部には合成樹脂製の2つ割り式のスライド促進体50が装着されている。また、図14や図15に示すように、スライド促進体50には、裏カバー22のリブ52に当接する撓み爪51を設けている。撓み爪51は、その弾性変形により、リブ52に接近・離脱する方向に移動可能になっている一方、リブ52には切欠き(鋸歯状等の連続式凹凸を形成しても良い)52aを適宜間隔で形成している。
【0042】
従って、スライダー45に対して上向き又は下向きのある程度の力を掛けると、撓み爪51を弾性変形させてランバーサポート機構25を上下動させることができ、かつ、上下方向の外力がなくなると、ランバーサポート機構25はその高さに停止する。これにより、身長の違いに関係なく、着座した人の腰を的確に支持することができる。
【0043】
スライダー45及びスライド促進体50には、操作連動軸48の左右端部が回転可能に貫通している。操作連動軸48は左右スライダー45の間でクランク状に曲げられており、図18(C)に示すように、操作連動軸48のクランク部を連結板46に当てることにより、一方方向の回転限度が規制されている。
【0044】
例えば図17に示すように、スライダー45の左右側面部には、平断面略コ字状で上下に延びる受けケース53が固定されており、この受けケース53に、平断面略コ字状で後ろ向きに開口した前記支持アーム47が前方から被さっている。そして、支持アーム47の上部に前記操作連動軸48の左右端部が貫通している。換言すると、支持アーム47は操作連動軸48によって回動自在に軸支されている。
【0045】
従って、支持アーム47は操作連動軸48を中心にして回動する。操作連動軸48の端部は受けケース53に貫通しており、受けケース53は操作連動軸48に対する軸受けの役割を果たしている。
【0046】
受けケース53の上下中途部には、連結手段を構成する作動連動軸(共通支軸)54が貫通しており、作動連動軸54のうち受けケース53の内部に位置した部位に、ラチェットギア(歯車)55と偏心カム56とが一体に固定されている。従って、作動連動軸54とラチェットギア55と偏心カム56と一体に回転する。
【0047】
受けケース53は左右に2個配置されているが作動連動軸54は1本である。従って、左右2個ずつのラチェットギア55と偏心カム56とは強制的に同期して回転することになる。図16に示すように、操作連動軸54は、連結板46にねじ止め等によって設けた受け部材63で支持されている。
【0048】
また、連結板46には、受け部材63を介して板ばね64が押さえ固定されており、この板ばね64により、操作連動軸48のクランク部48aを押さえている。
【0049】
図15に示すように、偏心カム56の外周面で支持アーム47を支持するようになっているが、偏心カム56の外周面に軸心からの距離が異なる複数(6個)の偏心カム面56aを形成している。従って、偏心カム56が回転すると、支持アーム47が回動する。支持アーム47のうち偏心カム56が当たる部分47aは、強度を確保するため厚肉になっている。
【0050】
図15から理解できるように、支持アーム47の支持状態が4段階に切り変わるようになっているが、この場合、偏心カム56の偏心カム面56aは作動連動軸54の軸心方向から見て対称状に形成されており、このため、偏心カム56が一方向に回転すると、支持アーム47の回動角度は段階的に大きくなってから、ピークを過ぎると段階的に小さくなる(つまり、支持アーム47の回動角度が急激に変化することはない)。
【0051】
支持アーム47の下端には、背もたれ板21の背面に当たる紡錘状のローラ57を設けている。また、図7に示すように、背もたれ板21のうちローラ57が当たる部分の周辺図にはスリット58の群を多段に形成している。これは、背もたれ板21の変形を容易ならしめるためである。
【0052】
図14や図15に示すように、受けケース53の内部には、操作連動軸48の端部にキー式係合等によって固定されたシーソー式回動部材59が配置されており、回動部材59に、ラチェットギア55に噛合する爪材60を摺動自在に取付けている。従って、回動部材59を回動させるとラチェットギア55と偏心カム56とが回転する。
【0053】
この場合、回動部材59を図14の矢印方向に回動させるとラチェットギア55が右側面視で反時計回り方向のみに間欠的に回転するように、ラチェットギア55の歯を非対称台形状に形成し、かつ、受けケース53に、ラチェットギア55の逆転を阻止する弾性ストッパー61を取付けている。従って、ラチェットギア55と支持アーム56とは一方向にのみ回転する。
【0054】
左右の回動部材59はハンドル49の左右端部にねじ62で固定されている。ハンドル49は裏カバー22を後ろ側から覆うように形成されている。また、ハンドル49の左右端部に立ち上がり部49aを設け、立ち上がり部49aの上端が回動部材59にねじで固定されている。ハンドル49と裏カバー22との間には、当該ハンドル49を人が握ったり、ハンドル49に服やタオルなどを掛けたりすることのできる程度の空間が空いている。
【0055】
前記したように、操作連動軸48のクランク部48aは板ばね64で押さえられているため、回動部材59(及びハンドル49)も、板ばね64の弾性力によって図14の矢印と反対方向に回動し勝手に付勢されている。
【0056】
(4).ランバーサポート機構の動き
ハンドル49を手で持って手前側に回動させると、回動部材59が回動して偏心カム56が一方向に間欠的に回転するため、すなわち、偏心カム56はロータリー式になっているため、支持アーム47が回動することによって背もたれ板21を少しずつ押すことができ、これにより、背もたれ板21のうち主として人の腰に当たる部分を段階的に突出させることができる。
【0057】
この場合、実施形態では支持アーム47の押し出し状態を4段階に変えることができるが、偏心カム56のカム面56aが対称状に形成されているため、背もたれ板21を最大突出位置まで押し出してから次にハンドル49を回動させると、背もたれ板21は2番目に大きい突出位置に後退し、更にハンドル49を回動操作すると、次の低い段階に変化する。すなわち、背もたれ板21の突出(前進)量が少しずつ変化する。このため、着座した人が背部5にもたれ掛かった状態でハンドル49を操作しても、着座した人に衝撃が掛かることはない。
【0058】
ハンドル49を手で持ってある程度の力を掛けて上下方向に押し引きすると、前記した撓み爪51と溝52aとの作用により、ランバーサポート機構25を上下動させることができる。
【0059】
本実施形態のようにハンドル49の左右端部に立ち上がり部(端部から見ると垂下部となる)49aを設けると、着座した状態でハンドル49を簡単に掴むことができるため、着座した状態のままでランバーサポート機構25の高さ調節や突出量調節を簡単に行うことができる利点がある。
【0060】
前記特許第3038174号の場合、背もたれ板の左右中間部が突起で支持されているため、背もたれ板が撓み変形することは殆どなく、このためフィットに乏しいという問題があるが、本実施形態では、背もたれ板21の左右両端部を支持アーム47で押し出すものであるため、背もたれ板21は平面視で後ろ向きに突出するように撓み変形することができ、このため、フィット性とクッション性とに優れている。
【0061】
また、左右のラチェットギア55と偏心カム56との対を作動連動軸54によって強制的に連動させているので、例えば片手だけでハンドル49を操作したために一方の側の回動土材59だけに力が強く掛かったような場合でも、左右の支持アーム47は同期して確実に回動することになり、このため、ランバーサポート機能を確実に発揮することができる。
【0062】
(5).実施形態の利点
本実施形態のように、裏カバー22と背もたれ板21とのうち少なくともいずれか一方に水平リブ27又は水平片33を設けると、内部に物が落ち込むことを防止できる利点がある。
【0063】
また、左右縦リブ38の切り欠き部38aは、縦リブ38がハンドル49の水平端部49bと干渉しないように、ハンドル49の水平端部49bが上下動する範囲に延びている。このようにすると、ハンドル49の上下動操作機能を損なうことなく、背もたれ板21と裏カバー22との間の空間が外側に過度に露出することを防止して、体裁を向上できる。
【0064】
ところで、図6に示すように人が指Fをリブ38の切欠き38aに差し込むことがないとも言えない。この場合、ハンドル49を高い位置から低い位置に下降させるときに、このような指詰めが生じると予想される。
【0065】
その場合、指Fを、切欠き38aの下端縁とハンドル49との間に挟む虞がないとも言えない。この点について、図6及び図12に一点鎖線で示すように、支持アーム47の外側面に、正面視で斜め下向きに傾斜したガイドリブ65を形成すると、ハンドル49が下降するに際して、ガイドリブ65によって指先Fを外側に押しやることができるため、指を挟むことを防止できる。
【0066】
もちろん、ハンドル49を下降し切った状態で、当該ハンドル49の下方に指先を保持できる隙間が残るように切欠き38aを形成しても良いのである。
【0067】
ローラ57を支持アーム47に取付けるに当たっては、支持アーム47の左右側板に形成したくびれ状穴に、ローラ57の左右両端部に形成した頭付きボス57aを強制的に嵌め込んでおり、このため、ローラ57をワンタッチ的に取付けることができる。
【0068】
なお、必ずしもローラ57を設ける必要はなく、支持アーム47を背もたれ板21に当てるだけでも良いが、ローラ47を使用すると上下高さ調節をスムースに行える。
【0069】
本実施形態のように、てこ式の支持アーム47の上下中途部位を偏心カム56で支持すると、ローラ57の前後移動寸法は、偏心カム56の偏心寸法(回転中心から各カム面56aまでの距離の差)よりも増幅されるため、コンパクトな構造でありながら(すなわち小型の偏心カム56を使用したものでありながら)、背もたれ板21を大きく押し出すことができる。
【0070】
ところで、回動部材59によってギア55を確実に回転させるには、回動部材59を大きく回動させる必要があるが、回動部材59が図14の矢印方向に回動し切った状態から原点姿勢に完全に戻っていないと、ハンドル49を操作してもギア55が回転しない状態が発生する虞がある。
【0071】
この点については、板ばね64のようなばね手段により、操作連動軸48のような作動部材を一定方向に付勢しておくと、回動部材59及びハンドル49のような操作部材が原点姿勢に強制的に戻されるため、ハンドル49等の操作部材の操作を確実化することができる。ばね手段としては板ばねには限らず、キックばね(鶴巻ばね)やコイルばね、或いはゴム等の弾性体などを使用しても良い。
【0072】
(6).その他
本発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えばバックフレーム20はその全体を板金製にしたりするなど様々の形態・構造を採用できる。バックフレーム20と揺動ハンドルとを一体化しても良いのである。
【0073】
裏カバー及び背もたれ板も、デザイン等の必要に応じて様々に具体化することができる。ランバーサポート機構を設ける場合、その構造は図示のものに限定されるものではなく、例えば背部の片側だけにハンドルを設けるなど、様々に具体化することができる。
【0074】
【0075】
本実施形態のように支持アームを設けている場合、左右の支持アームを棒状や板状等の連結部材で一体に連結することにより、左右の支持アームが確実に同期して回動するように構成することも可能である。また、作動連動軸は板状でも良い。
【0076】
また、背もたれ板は左右2ヶ所で支持する必然性は必ずしもなく、例えば左右2ヶ所と中央部の1ヶ所との3ヶ所で支持するなどして、3ヶ所を支持する3つの押圧部材を強制的に同期させることも可能である(この場合、身体に対する背もたれ板のフィット性の点からは、中央の押圧部材が弾性に抗して前後動するのが好ましい)。
【0077】
また、ランバーサポート装置は昇降式である必然性はなく、高さが一定であっても良い。
【0078】
背部の構造は背もたれ板にクッションを張った構造である必要はなく、背もたれ板のみでクッションを備えていない形態や、背もたれ板が存在しなくてクッションが直接に押圧部材で支持される構造なども考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る椅子の右側面図である。
【図2】椅子の正面図である。
【図3】背面図である。
【図4】部材の分離斜視図である。
【図5】部分的な縦断側面図である
【図6】背もたれ板を省略した状態での背部の正面図である。
【図7】クッションを省略した状態での縦断側面図である。
【図8】背もたれ板の取付け状態を示す斜視図である。
【図9】背もたれ板の取付け状態を示す斜視図である。
【図10】(A)は平断面図、(B)は背もたれ板と裏カバーとの分離平面図である。
【図11】ランバーサポート機構の正面図である。
【図12】部分的な斜視図である。
【図13】部分的な一部破断正面図である。
【図14】図13のXIV-XIV 視断面図である。
【図15】図13のXV−XV視断面図である。
【図16】図13の XVI-XVI視断面図である。
【図17】図13の XVII-XVII平断面図でる。
【符号の簡単な説明】
5 背部
7 ベース
11 揺動フレーム
20 バックフレーム
21 背もたれ板
22 裏カバー
25 ランバーサポート機構
45 スライドケース
46 連結板
47 支持アーム
48 操作連動軸
49 ハンドル
54 作動連動軸
55 ラチェットギア
56 偏心カム
57 ローラ

Claims (1)

  1. 背部を、着座した人の背もたれ荷重を受ける背もたれ板とこの背もたれ板を部分的に前方に押し出すランバーサポート機構と備えられた構成としており、
    前記ランバーサポート機構は、背もたれ板のうち主として着座した人の腰部が当たる部分を左右両側の2ヵ所において押し出す左右の押圧手段と、左右押圧手段を作動させるために人が手で操作する操作手段と、前記操作手段の操作によって左右押圧手段を強制的に同期して作動させる連結手段とを備えている、
    という椅子であって、
    前記左右の押圧手段は、上部又は下部を中心にして前後方向に回動することによって前記背もたれ板を前方に押し出したり戻したりするテコ式の支持アームと、この支持アームを回動中心から適宜距離だけ離れた部位において後方から支持する回転式偏心カムとを備えており、前記偏心カムの外周面には軸心からの距離が異なる複数の偏心カム面が形成されている一方、
    前記連結手段は、前記左右回転式偏心カムが固定されていて水平状の軸線回りに回転し得る作動連動軸を備えており、この作動連動軸に、当該作動連動軸と前記回転式変換カムとを一方向のみに回転させるラチェットギアとが固定されており、
    更に、前記操作手段は、前記作動連動軸を回転させるための回動式ハンドルを備えており、ハンドルの回動操作によって前記作動連動軸が間欠的に回転させられる、
    椅子。
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