JP4067347B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、座板の前後位置を調節可能な椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
座の前後位置を調節可能とすることは自動車用シートにおいて最もポピュラーに行われているが、回転椅子のような事務用椅子においても、使用者の体格や執務状態に応じて座の前後位置を調節できるようにすることが提案されている。
【0003】
その例として、特開2002−119353号公報には、脚の上端に固定されたベースの左右側板に、上向き開口の凹部が前後方向に断続した側面視凹凸状の有段ガイド部を形成する一方、座板には、前記有段ガイド部の凹部に嵌まるピンを設けて、座板を全体的に持ち上げるとピンが有段ガイド部の凹部から離反して前後移動自在となるように構成された椅子が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報は、いわば座板のガイド手段と前後位置調節手段とを一体化したものであり、構造を簡単にできる利点はあるが、例えば椅子の持ち運びなどにおいて座板に手を掛けて上向きに持ち上げると、意図していないにもかかわらず座板の前後位置が変わってしまう虞があった。
【0005】
また、座板が全体的に持ち上がるということは、それだけ座板がガタ付きやすくなる虞もあった。
【0006】
本発明は、このような現状を改善することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る椅子は、座と、前記座を前後スライド自在に支持する座受け部とが備えられており、前記座には上係合手段を設けて前記座受け部には下係合手段を設けており、前記上下係合手段の係合位置を変えることによって座の前後位置が段階的に調節可能になっている。
【0008】
そして、前記上係合手段は、下係合手段から係合解除する方向に弾性に抗して逃げ移動し得るように座板に設けており、人が手で上係合手段を下係合手段から離反する方向に移動させるか、又は、座板を前後方向に押し引きして上係合手段を強制的に下係合手段から離反動させることにより、座板の前後位置を調節可能となっている。
【0009】
更に、上記の構成において、椅子は、脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上方に配置した中間支持体と、前記中間支持体の上方に配置した座と、前記中間支持体に後傾動自在に設けた背支持フレームと、前記背支持フレームに取付けた背もたれと、背支持フレームの後傾動を弾性的に支持するばね手段とを備えており、前記ベースと中間支持体とで前記座受け部が構成されていて、背もたれの後傾動に連動して中間支持体が少なくとも後退動するようになっている。
【0010】
そして、前記座は中間支持体に前後スライド自在に装着されており、この座に、下向き凹状又は突状の係合部が前後方向に連続する前記上係合手段を、弾性に抗して上向き動し得るように設けている一方、前記ベースには、前記上係合手段に下方から係合する前記下係合手段を、背もたれの後傾動に連動して中間支持体よりも大きく後退動し得るように設けている。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記座は、合成樹脂製の座板とその上面に張ったクッションとから成っており、前記座板のうち人が手前側から指先を届かせ得る部位に、下向きの係止凹部が前後方向に断続した上係合手段を一体成形すると共に、上係合手段を囲う平面視後ろ向き開口コ字状のスリットを形成することにより、座板のうち上係合手段を設けた部位を、その後部を中心にして上向きに容易に起こし変形させ得る変形容易部と成している。
【0012】
一方、前記ベースには、前記上係合手段の係止凹部に下方から嵌まるピンを備えた下係合手段が設けられており、下係合手段のピンに対する上係合手段の係止凹部の嵌合位置を変えることによって座の前後位置が調節されるようになっている。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明は、座板の前後動ガイド手段とは別に上下の係合手段を設けているため、座板に手を掛けて上向きの力をかけても座板の前後位置が簡単に変わることはなく、また、座板のガタ付きも少なくすることができる。
【0014】
そして、座板に設けた上係合手段が弾性に抗して移動することを利用して下係合手段に係脱させるものであるため、簡単な構造でありながら座板の前後移動調節を容易に行うことができる。
【0015】
ところで、背もたれの後傾動に連動して座板が少なくとも後傾動するシンクロタイプの椅子では、ロッキング時の安楽状態を向上できると共に、ロッキング時に座板と背もたれとが離反することによるいわゆるシャツめくれの現象を抑制できる。
【0016】
そして、本願発明では、シンクロタイプの椅子において座板の後退量を大きくさせてシャツ捲れ現象を的確に防止できるが、この場合、下係合手段が、座板の前後位置調節手段とロッキング時の座板後退手段とを兼用するため、シャツ捲れ現象防止機能と座板の前後位置調節機能とを備えた椅子でありながら、構造の複雑化を抑制することができる。
【0017】
上係合手段としては、座板とは別体に構成してこれを座板に取付けることも可能であるが、請求項2のように構成すると、上係合手段は座板に一体成形されているため、構造が簡単になると共に組み立てや部材管理の手間を軽減することができる。また、上係合手段を設けている部位をスリットで囲って変形容易部と成しているため、座の前後移動調節の容易性が損なわれることはない。
【0018】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(1).第1実施形態(図1〜図13)
(1)-1.全体の概要
図1〜図13では第1実施形態(主たる実施形態)を示している。このうち図1は椅子の正面図、図2は右側面図、図3は背面図である。
【0020】
これらの図に示すように、椅子は、キャスター及び脚支柱(ガスシリンダ)1を備えた脚2と、脚支柱1の上端に固定したベース3と、ベース3の上方に配置した中間支持体4と、中間支持体4で支持した座5と、ベース3に後傾動自在に取付けた背支持フレーム6と、背支持フレーム6に取付けた背もたれ7と、背もたれ7に取付けたヘッドレスト装置8と、座5の左右両側に配置した肘掛け装置9とを備えている。
【0021】
背もたれ7は、合成樹脂製の背もたれ板(背インナー部材)10と、その前面に重ねたクッション11と、背もたれ板10の裏側に空間を隔てて配置した裏カバー(背アウター部材)12とを備えている。
【0022】
詳細は省略するが、背もたれ板10と裏カバー12との間には、背もたれ板10のうち主として着座した人の腰に当たる部分を押し出すランバーサポート機構を配置している。ランバーサポート機構は裏カバー12を囲うように延びるハンドル14を備えており、このハンドル14を操作することにより、背もたれ板10の前向き突出量と押し出し高さ位置とを調節することができる。
【0023】
肘掛け装置9は、肘支柱15と、これに高さ調節自在及び回転自在に被嵌した昇降筒16と、昇降筒16の上端に上下回動自在に取付けた肘当て17とを備えている。
【0024】
(1)-2.ロッキング機構の概要
次に、ロッキング機構や座の支持機構など、本願発明に関する部分の詳細を図4以下の図面を参照して説明する。まず、図4〜図10に基づいて、ロッキング機構を説明する。
【0025】
図4は中央縦断側面図、図5はベース3の側部の箇所で切断した状態の部分的な右側断面、図6は分離した状態の右側面図、図7〜図10は部材の斜視図である。
【0026】
例えば図7〜9に示すように、ベース3は上向きに開口したケース状に形成されており、後部寄りの箇所に脚支柱1が嵌着している。また、ベース3の左右側板の前部には、前後長手で側面視後傾状の長穴20が空いており、これに第1軸(スライド軸)21がブッシュ22を介して貫通している。
【0027】
ベース3の前後ほぼ中間部には第2軸23が貫通しており、この第2軸23で背支持フレーム6の前端がベース3に連結されている。第2軸23はねじ(図示せず)で背支持フレーム6に抜け不能に保持されている。
【0028】
背支持フレーム6は側面視で略L字状に形成されており、本実施形態では、アルミのような軽合金(鉄のような他の金属でも良い)のダイキャスト品を使用している。左右の背支持フレーム6の前後中途部には上向き突起24が形成されており、左右の突起24は第3軸25で連結されている。
【0029】
また、前記第2軸23には、ばね手段の一例として、左右一対のキックばね(ねじりコイルばね)26がばね受け27を介して被嵌している。キックばね26の前向き端部は受け部材28で上方から支持されており、キックばね26の後方に延びる他端は第3軸25の下方まで延びている。
【0030】
図4に示すように、ばね受け27には側面視で略U字状で前向きに延びる荷重受け部27aが形成されている。そして、詳細は省略するが、キックばね26の前向き端部は、ばね受け27の荷重受け部27aで上方から支持されている。
【0031】
また、ばね受け27の荷重受け部27aにはボルト受け29が旋回不能に嵌まっており、このボルト受け29に上方から調節用ボルト30が回転不能に嵌まっている。調節用ボルト30はベース3に貫通しており、これに摘まみ31が下方からねじ込まれている。
【0032】
中間支持体4は合成樹脂製であり、全体としては板状で、正面視で上向き凹状に形成されている。より正確に述べると、中間支持体4は、その左右中間部は水平状で、その左右両側の部分は外側に向けて上向きに傾斜した羽根部となっており、全体として翼状に形成されている。また、中間支持体4には、主として補強のため、前後方向及び左右方向に延びる多数本のリブが形成されている。
【0033】
中間支持体4の前部と後部とには、ベース3の左右外側に位置する左右一対ずつの軸受け部33,34を下向きに突設しており、前軸受け部33を前記第1軸21でベース3に連結されている。また、後軸受け部34には前記第3軸25が貫通している。
【0034】
従って、背支持フレーム6はキックばね26の弾性に抗して後傾し、かつ、中間支持体4及び座5は背支持フレーム11の後傾動に連動して後傾しつつ後退する(すなわち、座5が背もたれ7にシンクロする)。中間支持体4の後端には、ベース3の後面に沿って延びる後部カバー36を設けている。
【0035】
(1)-3.中間支持体と座の構造
次に、従前の図に加えて図11及び図12も参照して中間支持体4と座5とについて説明する。図11は座板及び下カバーの平面図、図12は座板の要部底面図である。
【0036】
例えば図7〜図10に明示するように、中間支持体4の左右両側縁には、前後方向に延びる雄形レール部37を形成している。他方、図4に示すように、座5は、ポリプロピレンのような合成樹脂を素材とした座板(座インナー部材)38と、その上面に張ったクッション39とから成っており、図10に示すように、座板48の左右側部には、中間支持体4の雄形レール部37に対して外側からスライド自在に嵌まる雌形レール部40を形成している。
【0037】
座板38には、その撓み変形を容易ならしめるため、向きや長さの異なる多数のスリット群41を形成している。この場合、着座した人の体圧が強く作用する部分ほどスリット群41の密度を高くすることにより、人の臀部へのフィット性を高めている。
【0038】
図4に示すように、中間支持体4の後部上面には左右雄型レール部37の間まで延びる1枚の補強板42が重ねられており、ビスで固定されている。
【0039】
(1)-4.座と中間支持体との相対動機構及び座板の前後位置調節機構
座5は中間支持体4よりも大きい寸法で後退動するように設定されている。この点を、上記各図の他に図13も参照して説明する。
【0040】
図4や図8に示すように、第1軸21のうち左右中間部には、下係合手段を兼用する側面視く字状(ベルクランク状)のリンク体(てこ部材)44が回動自在に嵌まっている。
【0041】
リンク体44の下部には左右外向きに突出するガイド軸45が一体に形成されており、このガイド軸45は、ベース3に一体に又は別体に設けた左右下係止体46の側面に形成された側面視後傾状のガイド溝47にスライド自在に嵌まっている。従って、着座した人が背もたれ7にもたれかかることによって第1軸21が後退すると、リンク体44はその上端が後方に移動するように回動する。
【0042】
リンク体44の上端には、左右長手の駆動ピン48が左右外側にはみ出た状態で貫通している一方、座板38の前部下面には、上係合手段の一例として、前記駆動ピン48の左右端部が嵌合する複数(3個の)の係合凹所49を備えた係合ブラケット50が一体成形している。
【0043】
従って、背もたれ7が後傾して第1軸21が後退すると、リンク体44が回動して、座5は中間支持体4よりも大きい寸法で後退動する。隣合った係合凹所49の間の部位は側面視で円弧状になっている。
【0044】
リンク体44は中間支持体4に設けた逃がし穴51から上向きに延びており、このため、中間支持体4の前後動を許容した状態でリンク体44を回動させることができる。なお、駆動ピン48を設けることに代えて、リンク体44の上端にピン部を一体に設けても良い。
【0045】
例えば図10から良く理解できるように、座板38の下面のうち左右係合ブラケット50の外側には、駆動ピン48の抜けを防止するためのサイドストッパー53を一体に設けている。
【0046】
左右係合ブラケット50の前端は補強リブによって一体に繋がっており、かつ、座板38に、左右係合ブラケット50と補強リブとの外側とを囲うスリット54を形成することにより、左右係合ブラケット50を設けた部位を、後端部を中心にして上向きに容易に起こし変形させ得る変形容易部38aとなしている。
【0047】
補強リブは、一般成人が座板38の手前側から指を伸ばすと触れる程度の部位に位置している。従って、補強リブを指で上向きに押し上げることにより、左右係合ブラケット50を上向きに押し上げ移動させることが可能である。
【0048】
座板4には、その周辺部を下方から覆う下カバー55が取付けられており、この下カバー55の前端部には、下向き凹状の引き手穴56を形成している。また、座板38の前端寄り部位のうちスリット54を挟んで手前側の部位には左右長手の突条57が設けられており、下カバー55の前端部は突条57に重なっている。
【0049】
図13に明示するように、係合ブラケット50の前部は、座板38の後退位置を規制するためのフロントストッパー50aになっており、係合ブラケット50の後部は、座板38の前身位置を規制するためのリアストッパー50bになっており、これらのストッパー50a,50bは、その間の部位よりも下向き高さが高くなっている。
【0050】
また、リアストッパー50bの後面は傾斜面50cになっており、このため、座板38の雌形レール部40を中間支持体4の雄形レール部37に嵌め込むにおいて、傾斜面50cのガイド作用により、座板38の弾性変形を利用して係合ブラケット50は駆動ピン48を簡単に乗り越えることができる。
【0051】
本実施形態の椅子は、背もたれ7の傾動範囲を複数(4つ)の範囲に切り換えることができる傾動調節機構を備えているが、本願発明との直接の関係はないので詳細は省略する。
【0052】
(1)-5.座板の前後位置調節
座板5の前後位置を調節する方法には2つの態様が考えられる。一つは、椅子の使用者が腰を浮かせて、指先で補強リブを押し上げて変形容易部38aを撓み変形させることにより、図13(B)に示すように、左右係合ブラケット50とピン48との係合を解除して前後動させる方法であり、この場合は、座板5の前後位置の調節を至極容易に行うことができる。
【0053】
他の態様は、下カバー55の引き手穴56に指を掛けた状態で座5の前端部を掴んで押し引きする方法であり、この場合は、座板38の変形容易部38aが容易に撓み変形することと、前後に隣合った係合凹所49の間の部位が側面視円弧状であることとにより、任意の係合凹所49をピン48に係脱させることができる。
【0054】
なお、座板48も全体的に撓み変形し得るため、座板5の前端部を掴んで前後動させる場合、座板38が全体的に変形することも、係合凹所49とピン48との係脱に寄与している。
【0055】
そして、座板38は中間支持体4に対して上下離反不能に装着されているため、座5が上下方向にガタついたり、座5の縁に手をかけて持ち上げることによって座5の前後位置が意図することなく変化するような不都合はない。
【0056】
本実施形態のように左右の係合ブラケット50を補強リブで繋ぐと、変形容易部38aのねじれ現象を防止して、左右の係合ブラケット50をピン48に対して的確に係脱させることができる利点がある。
【0057】
図12に一点差線で示すように、スリット54をサイドストッパー53の外側に設けることも可能であるが、この場合は、サイドストッパー53の下向き突出寸法を大きくしないと、係合ブラケット50を上向きに起こしたときにピン48がサイドストッパー53から外れてしまう虞がある。
【0058】
これに対してスリット54をサイドストッパー53の内側に設けると、サイドストッパー53の下向き高さ寸法を大きくしなくても、ピン48を左右抜け不能に保持した状態で係合ブラケット50を上向きに起こせる利点がある。
【0059】
(2).第2実施形態(図14〜図15)
図14では第2実施形態を示している。この実施形態は基本的には第1実施形態と同じであり、左右係合ブラケット50を繋ぐ補強リブに操作片59を装着している点で相違している。
【0060】
操作片59は、補強リブに下方から被嵌しており、かつ、爪部59aを、座板38に設けた穴60に下方から係合させている。従って、ねじ止めのような作業を要することなく、ワンタッチ的に取付けることができる。もちろん、ねじのようなファスナーで取り付けても良いし、射出成形法で製造するに際しての金型のいわゆる抜き違いによって一体成形することも可能である。
【0061】
この第2実施形態のように操作片59を設けると、左右係合ブラケット50の起こし操作をより一層容易に行える(変形容易部38aの付け根から操作片59までの距離が長くなるため、係合ブラケット59の起こし操作をより軽い力で行える)。
【0062】
【0063】
【0064】
(3).その他
本発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば、上下係合手段の具体的な形態は様々に具体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る椅子の正面図である。
【図2】右側面図である。
【図3】背面図である。
【図4】要部の中央縦断側面図である。
【図5】ベースの側部の箇所で切断した状態の部分的な右側断面図である。
【図6】分離した状態の要部の右側面図である。
【図7】座板と中間支持体とベースとの上方からの分離斜視図である。
【図8】ベースは中間支持体との上方からの分離斜視図である。
【図9】座板と中間支持体とベースとの下方からの分離斜視図である。
【図10】座板と中間支持体との下方からの分離斜視図である。
【図11】座板と下カバーとの平面図である。
【図12】座板の要部底面図である。
【図13】座の前後位置調節を示す図である。
【図14】第2実施形態を示す図である。
【符号の簡単な説明】
3 ベース
4 中間支持体
5 座
6 背支持フレーム
7 背もたれ
38 座板
54 下係合手段を兼用するリンク体
48 ピン
49 係合凹所
50 上係合手段の一例としての係合ブラケット
52 補強板
53 サイドストッパー
Claims (2)
- 座と、前記座を前後スライド自在に支持する座受け部とが備えられており、前記座には上係合手段を設けて前記座受け部には下係合手段を設けており、前記上下係合手段の係合位置を変えることによって座の前後位置が段階的に調節可能になっており、
前記上係合手段は、下係合手段から係合解除する方向に弾性に抗して逃げ移動し得るように座板に設けており、人が手で上係合手段を下係合手段から離反する方向に移動させるか、又は、座板を前後方向に押し引きして上係合手段を強制的に下係合手段から離反動させることにより、座板の前後位置を調節可能となっている、
という椅子であって、
脚の上端に設けたベースと、前記ベースの上方に配置した中間支持体と、前記中間支持体の上方に配置した座と、前記中間支持体に後傾動自在に設けた背支持フレームと、前記背支持フレームに取付けた背もたれと、前記背支持フレームの後傾動を弾性的に支持するばね手段とを備えており、
前記ベースと中間支持体とで前記座受け部が構成されていて、背もたれの後傾動に連動して中間支持体が少なくとも後退動するようになっており、
前記座は中間支持体に前後スライド自在に装着されており、この座に、下向き凹状又は突状の係合部が前後方向に連続する前記上係合手段を、弾性に抗して上向き動し得るように設けている一方、
前記ベースには、前記上係合手段に下方から係合する前記下係合手段を、背もたれの後傾動に連動して中間支持体よりも大きく後退動し得るように設けている、
椅子。 - 前記座は、合成樹脂製の座板とその上面に張ったクッションとから成っており、前記座板のうち人が手前側から指先を届かせ得る部位に、下向きの係止凹部が前後方向に断続した上係合手段を一体成形すると共に、上係合手段を囲う平面視後ろ向き開口コ字状のスリットを形成することにより、座板のうち上係合手段を設けた部位を、その後部を中心にして上向きに容易に起こし変形させ得る変形容易部と成している一方、
前記ベースには、前記上係合手段の係止凹部に下方から嵌まるピンを備えた下係合手段が設けられており、下係合手段のピンに対する上係合手段の係止凹部の嵌合位置を変えることによって座の前後位置が調節されるようになっている、
請求項1に記載した椅子。
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