JP2005131251A - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】座のクッション性・フィット性は保持しつつ、使用者の体重の違いに対応させる。
【手段】座インナーシェル18は、着座者の体重によって沈み込み変形するようにスリット群を形成している。座インナーシェル18の下方には座アウターシェル7が配置されており、座アウターシェル7の周縁部で座インナーシェル18の周縁部が支持され、非着座状態では座インナーシェル18と座アウターシェル7との間には空間が空いている。座インナーシェル18がある程度まで変形すると座アウターシェル7によってそれ以上の変形が阻止されて、座インナーシェル18の破断が防止される。
【選択図】 図12

Description

本発明は、椅子に関するものである。
例えば事務用に多用される回転椅子の座は、合成樹脂製の座インナーシェルの上面にクッション材を積層した構造になっていることが多い。しかし、座インナーシェルが剛体構造であると、着座者へのフィット性とクッション性とが十分でないという問題がある。
そこで本願出願人は、例えば特許文献1において、座インナーシェルに多数のスリットを形成すると共に、座インナーシェルの左右側部を支持部材で支持し、座インナーシェルの下方に空間を空けることにより、座インナーシェルが着座者の重量で下向きに沈むように大きく弾性変形するものを開示した。
前記先願に係る座インナーシェルは、本願出願人が例えば「トリノ」や「レビーノ」の商品名で販売している椅子に使用されており、高いフィット性とクッション性から市場において高い評価を受けている。
特開2000−93250号
ところで、椅子の使用者の体重は様々であり、また、静かに腰掛ける人や勢い良く腰掛ける人など、着座の仕方も使用者によって様々である。従って、座インナーシェルに掛かる荷重の大きさは使用者によって大きく相違する。
本願発明は、座インナーシェルを弾性変形させることによってフィット性・クッション性を確保するという前記先願の考え方は踏襲しつつ、座インナーシェルに掛かる荷重が使用者によって大きく相違するという実情についても考慮し、着座の体重の違い等に関係なく、座インナーシェルの耐久性と着座者への高いフィット性・クッション性を確保することを課題とするものである。
請求項1の発明に係る椅子は、合成樹脂製の座インナーシェル(座板)を、着座者の荷重にて下向きに沈むように弾性変形する形態にすると共に、座板の下方に、当該座インナーシェルがある程度まで変形するとこれに当接して座インナーシェルが過度に変形することを阻止する変形規制手段を、座インナーシェルが面接触状態で当接し得るように設けている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記座インナーシェルの下方には、非着座状態でインナーシェルとの間に空間が開いている上向き凹状のアウターシェルが配置されており、このアウターシェルにて座インナーシェルの少なくとも左右両側縁を支持すると共に、座アウターシェルを前記変形規制手段と成している。座アウターシェルは板金製でも良いが合成樹脂製が好ましい。
請求項3の発明では、前記座アウターシェルは、その下方に配置した支持部材に前後位置調節可能に取り付けられている。
請求項4の発明では、請求項2又は請求項3において、前記座インナーシェルには、当該座インナーシェルが大きく弾性変形することを許容するためのスリット群が形成されている一方、前記クッション材は、金型内に座インナーシェルを保持した状態で素材樹脂を金型のキャビティに注入するインサート成形によって座インナーシェルに張られており、インサート成形に際してクッション材の素材樹脂をスリットから座インナーシェルの下面側にはみ出させることにより、座インナーシェルの下面に、面的な広がりを持つ下部クッション層が形成されている、
本発明によると、座インナーシェルが着座者の重量によって大きく弾性変形(伸び変形)することを許容しつつ、弾性限度以上に変形して塑性変形したり破断したりすることを防止できる。このため、体重の軽い人であっても座インナーシェルが的確に変形してフィット性とクッション性を確保できる状態に座インナーシェルの弾性変形率を設定しても、体重の重い人が勢い良く腰掛けても塑性変形したり破断したりすることはない。
このため、体重の軽重に関係なく使用者に高いフィット性とクッション性とを与えつつ、座インナーシェルについて高い耐久性を確保することができる。
ところで、特開2003−384617号公報には、座インナーシェルの下面のうち前後方向の中心線に沿って延びる部分に筋状のクッション部を設けて、ある程度まで座インナーシェルが弾性変形すると、クッション部が座支持用フレームを構成する横長のパイプに当たるようにした技術が開示されている。
しかし、この公報の構成では、座インナーシェルの後部が点接触の状態で座支持用フレームで支持されるに過ぎないため、座インナーシェルが座支持用フレームに当たるとゴツゴツした感じを与える虞がある。更に述べると、座インナーシェルは座支持用フレームに点接触状に当たることによって上向き凸状に曲がることが予想され、このため、着座者が突き上げ感を受けることが懸念される。
これに対して本願発明では、変形規制手段は面的な広がりを持っているため、座インナーシェルが変形規制手段に当接しても形状が大きく変わることはなく、このため、着座者への突き上げ感のような違和感を与えることはない。このため、座インナーシェルが変形規制手段に当たってそれ以上の変形が阻止されても着座者に違和感を与えることはない。すなわち座り心地が悪化することはない。
請求項2のように構成すると、座インナーシェルを弾性変形可能な状態に支持する座アウターシェルが変形規制手段を兼用するため、それだけ構造を簡単化することができる。
また、座の前後位置を着座者の足の長さに合わせて調節できるタイプの椅子があるが、請求項3のように構成すると,座アウターシェルは座の前後動調節手段と座インナーシェルの支持手段と変形規制手段との三者を兼用するため、高機能の椅子でありながら構成を簡単することができる。
請求項4のように構成すると、座インナーシェルの下面側に設けた下部クッション層のダンパー作用(緩衝作用)により、座インナーシェルの弾性変形停止が徐々に行われるため、座り心地が一層良い。この場合、下部クッション層は面的な広がりを持っているため、座インナーシェルの弾性変形停止に際しての突き上げ感はなく、また、下部クッション層はクッション材をインサート成形するに際して同時に形成されるため、加工コストを抑制できる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1).第1実施形態(図1〜図15)
図1〜図15では第1実施形態を示している。このうち図1は椅子の側面図であり、この図に示すように、椅子は、キャスター付きの脚1と、座2と、背もたれ3と、肘掛け装置4とを備えている。脚1は伸長自在及び回転自在な脚支柱5を備えており、脚支柱5の上端には支基ベース6が固定されている。
座2は、アウターシェル7を介して座用フレーム体7に取付けられており、座用フレーム体7の前端部は支基ベース6の前端部に第1軸9によって後傾動及び後退動自在に取付けられている。この例では、座用フレーム体8が背用フレーム体3に記載した支持部材に該当する。
また、支基ベース6の後部寄り部位には背用フレーム体10の前端部が第3軸11によって後傾動可能に連結されており、背用フレーム体10の後部には背支柱12を設け、この背支柱12に背もたれ3を取付けている。背もたれ3と背支柱12との間にはランバーサポート13を昇降自在に配置している。
更に、背用フレーム体10のうち第3軸11よりも後方の部位と座用フレーム体7の後部とは第2軸14によって相対回動可能に連結されている。このため、背もたれ3が後傾動するとこれに連動して座2も一緒に後傾しつつ後退する。以下、図2以下の図面を参照して詳述する。
a.座及び背もたれの支持機構の概要
まず、図2〜図5に基づいて座及び背もたれの支持機構の概要を説明する。図2は主要部材の分離斜視図、図3は座部の縦断側面図、図4は図3のIV−IV視平面図、図5は図4と同じ高さ位置で見た後部の平面図である。
例えば図2から明らかなように、支基ベース6は底板と左右の側板6aとを備えた上向き開口の箱状に形成されており、その後部にインナーブラケット15を固着し、インナーブラケット15を介して脚支柱5の上端を固定している。支基ベース6における左右側板6aの前部には、第1軸9を軸支するための切り開き穴16が前向きに開口するように形成されている。
座用フレーム体7は、前後方向に延びる左右一対の金属板製縦部材(サイドメンバー)17と、左右縦部材17の前部に固着された左右長手で丸パイプ製の第1軸9と、左右縦部材17の後部に固着された左右長手で丸パイプ製の第2軸14とから成っている。両軸11,14は縦部材17に貫通すると共に溶接によって縦部材17に固着されている。
座用フレーム体8の縦部材17には左右外側に広がるフランジ17aが形成されており、このフランジ17aに座アウターシェル7が前後動可能に取り付けられる(詳細は後述する)。座アウターシェル7は合成樹脂製(例えばポリプロピレン製)である。
図3に示すように、座2は合成樹脂製のインナーシェル18にクッション19を張った構造になっている。言うまでもないが、クッション19はクロス等の表皮材で覆われている。
背用フレーム体10は、支基ベース6の後部下方から略後方に向けて延びる金属板製の縦部材(サイドメンバー)21と、左右縦部材21の前端部に固着した第3軸11とを備えている。縦部材21は断面外向き開口コ字状に形成されており、第3軸11は縦部材21に貫通すると共に溶接によって固着されている。左右の縦部材21は互いの間隔を広げながら後傾状に伸びており、且つ、リア部21aを介して一体に連結されている。リア部21aから背支柱12が立ち上がっている。
前記インナーブラケット15は、支基ベース6の底面と略直角を成す前壁15aを備えており、この前壁15aの手前側に左右動式後部ばね受け22と前後動式後部ばね受け23とを配置し、前後動式後部ばね受け23により、第1軸9の後退動を支持するばね(コイルばね)26を後方から支持している。左右動式後部ばね受け22はインナーブラケット15の前壁15aで支持している。
左右動式後部ばね受け22は前後動式後部ばね受け23の内部に嵌合しており、かつ、両後部ばね受け22,23の圧接面(カム面)24は平面視で各軸9,11,14に対して傾斜した傾斜面になっている。そして、左右長手のハンドル25が左右式後部ばね受け22に螺合しており、ハンドル25を回転させるとばね26の弾性力を調節できる。
図5に部分的に示すように、背用フレーム体10のリア部21aと支基ベース6の後部との間には、背用フレーム体10の後傾角度調節及び後傾ロック用のガスシリンダ27を配置しているが、本願発明との関連は薄いので説明は省略する。
b.各軸の取り付け構造
第1軸9のうち支基ベース6の内部の部位には、左右のフロントブッシュ31(図4参照)が被嵌している。図示していないが、左右フロントブッシュ31は合成樹脂製でそれぞれ上下2つのパーツに分離にしており、上下パーツの合わせ面に、第1軸9がガタ付きなく前後スライドし得る長穴(長溝)を形成している。
また、左右フロントブッシュ31には、支基ベース6の切り開き穴16に嵌合している。左右フロントブッシュ31の間には前部ばね受け32が左右動不能に配置されている。前部ばね受け32は、第1軸9が後方から嵌まるように側面視で後向き開口の略U字状に形成されている。
左右フロントブッシュ31と前部ばね受け32とは、側面視前向き開口コ字状で金属板製のフロント金具33の内部にきっちり嵌まっており、かつ、フロント金具33と左右フロントブッシュ31とはねじ34で支基ベース6の底板に締結されている。詳細は省略するが、第1軸9は、前ばね受け32又は左右フロントブッシュ31に対して左右動不能に係合している。
なお、図3に示すように、インナーブラケット15の後部上面には合成樹脂製の後傾規制用ストッパー39を設けており、背もたれが後傾し切ると第3軸11が後傾規制用ストッパーに当たって、最大後傾角度が規制されるように設定している。
第3軸11は、上センターブッシュ40と下センターブッシュ41とで上下から挟まれており、これら上下センターブッシュ40,41をフラップ付きで樋状のセンター金具42で下方から覆い、センター金具42をねじ42′で支基ベース6の下面に締結している。
本実施形態のリア軸受け部材は、背用フレーム体10の左右縦部材21に架け渡すように配置されたブリッジ部材43と、第3軸11を左右2ヶ所で上下から挟む合成樹脂製の上下リアブッシュ44と、リアブッシュ44をブリッジ部材43に押さえ固定するリア金具45と、リア金具45をブリッジ部材43に締結するねじ46とで構成されている。ブリッジ部材43は縦部材21に溶接で固着されている。
なお、ブリッジ部材43には左右張り出し部43cを設けており、この張り出し部43cに肘掛け装置4の肘支柱を固定するようになっているが、本願発明との関連はないので説明は省略する。
c.座アウターシェル及び座インナーシェル
次に、座アウターシェル7及び座インナーシェル18について、図6〜図12も参照して説明する。図6のうち(A)は座アウターシェル7の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、図7は座インナーシェル18の平面図、図8のうち(A)は座アウターシェル7と座インナーシェル18との分離縦断側面図、(B)は座インナーシェル18を座アウターシェル7に取り付けた状態での縦断側面図、図9は座インナーシェル18の取り付け状態を図8(A)のIX−IX視箇所で見た断面図、図10は図9のX-X 視分離断面図、図11は座アウターシェル7の取り付け状態を図6のXI-XI 視箇所で見た断面図、図12は座アウターシェル7の取り付け状態を図6のXII-XII 視箇所で見た断面図である。
座アウターシェル7と座インナーシェル18とは合成樹脂製(例えばポリプロピレン製)で、それぞれ正面視で上向き凹状に形成されている。そして、図8,図11,図12から明らかなように、座アウターシェル7の深さを座インナーシェル18の深さよりも深く設定しており、このため、座インナーシェル18の外周部を座アウターシェル7の外周部に当てた状態で、座アウターシェル7と座インナーシェル18との間には空間が空いている。このため、着座によって座インナーシェル18が弾性変形して沈み込むことが許容される。
座アウターシェル7の略前半部でかつ前後長手中心線に沿った部位には、座用フレーム体8を覆う幅寸法の上向き枠部7aが形成されている。これは、座用フレーム体8との干渉を回避するためであるが、勿論、無くてもよい。
座アウターシェル7の下面には、座用フレーム体8における左右縦部材17のフランジ17aを抱き込むガイド爪50の群が形成されている。このため、座アウターシェル7及び座3はその前後位置を調節することができる(前後位置の調節手段は後述する)。
座インナーシェル18を座アウターシェル7に取り付ける方法として、先ず、例えば図9及び図10に示すように、座アウターシェル7の左右両側部上面に正面視矢尻形の係止爪51を前後方向に沿って適宜間隔で複数個突設する一方、座インナーシェル18には、係止爪51が逃げ嵌合する凹所52と、凹所52の手前側に位置した段状受け部53とを形成している。
従って、凹所52を係止爪51に嵌めた状態で座インナーシェル18を後方にずらすと、座インナーシェル18の受け部53が座アウターシェル7の係止爪51と係合して、座インナーシェル18は座アウターシェル7から上向き移動不能に保持される。
座インナーシェル18を手前側に移動不能に保持する手段としては、座アウターシェル7における上向き枠部7aの天板のうち前部に左右一対の角形係合穴54を形成する一方、座インナーシェル18には、角形係合穴54に嵌まり込む側面視下向き山形のストッパー部55を形成している。ストッパー部55は平面視で後ろ向き開口コ字状のスリット56で囲われており、このため、ストッパー部54は上下方向に撓み変形し得る。
座インナーシェル18の前部には、座アウターシェル7における上向き枠部7aの前端縁に下方から係合するフロント爪57と、座アウターシェル7の上面にら当接する足体58とを一体に設けている。
座インナーシェル18の受け部53を座アウターシェル7の係止爪51に係合させてから、座インナーシェル18の前部を下向きに押すと、ストッパー部55が弾性に抗して変形したのち角形係合穴54に嵌合すると共に、座インナーシェル18のフロント爪57が座アウターシェル7の上向き枠部7aに下方から係合し、これにより、座インナーシェル18は座アウターシェル7に離脱不能に取り付けられる。
座インナーシェル18を取り外す場合は、指先でフロント爪57を手前に引いて上向き枠部7aとの係合を解除し、次いで、座インナーシェル18の前部に指先を当てて上向きに起こすことによってストッパー部55を角形係合穴54から離脱させ、それから座インナーシェル18を手前に引いたら良い。
座インナーシェル18には、人の臀部にフィットした状態で弾性変形するように多数のスリットの群を形成している。この変形促進用スリット59の形態は前記した特許文献1に記載したものと同じで、前後方向に延びるセンタースリット59の群と、その左右外側に位置した中間スリット60の群と、その左右外側に配置したサイドスリット61の群とで構成されている。センタースリット59とサイドスリット61は前後方向に延びており、中間スリット60の群は傾斜状に延びている。
そして、着座者の臀部が当たる部分にスリット59〜61を集中的に形成することにより、体圧が強く作用する部分がより大きく沈み込み変形するように設定している。座アウターシェル7の上向き枠部7aと座インナーシェル18との間には僅かの隙間しかないが、座インナーシェル18の前部は殆ど変形しないので、座アウターシェル7の上向き枠部7aと僅かしか隙間が空いてなくても(或いは上向き枠部7aに当たっていても)、差し支えない。
図6に示すように、座アウターシェル7の傾斜部には、取り扱い説明書や保証書のような紙片類62を格納するポケット部63を形成している。このポケット部63は、平面視で二山状の下片(載置片)63aと、平面視で一山状の上片(押さえ片)63bとで構成されており、両片63a,63bは、座インナーシェル7を射出成形法で製造するにおいて金型の食い切りを利用して形成されており、このため平面視で重なってはいない。上片63bの付け根部には、指を挿入して紙片類62を外側に押し出すための穴64が空いている。
既述のように、座インナーシェル18は着座者の臀部が当たる部分において最も大きく沈み込み変形し、この変形により、クッション性とフィット性とが付与される。
そして、座インナーシェル18は無限に変形するのではなく、図12に一点鎖線で示すように、ある程度まで変形すると座アウターシェル7に当たるため、塑性変形したり破断したりすることはない。また、座インナーシェル18は座アウターシェル7にて広い面積で支持されるため、座インナーシェル18が座アウターシェル7に当たるに際してゴツゴツした感じはなく、フィット性は損なわれない。
d.座の前後位置調節手段
次に、座2の前後位置調節手段の一例を図13〜図15に基づいて説明する。図13は分離平面図、図14は一部の部材を分離した平面図、図15のうち(A)はレバー66の斜視図、(B)は図14のB−B視断面図、(C)は図14のC−C視断面図、(D)は図14のD−D視断面図、(E)は(D)のE−E視断面図である。
本実施形態では、座用フレーム体8における一方の縦部材17のフランジ17aに複数の切欠き67を形成して、任意の切欠きにレバー66の係止部66aを嵌脱させることにより、座2の前後位置を調節できるようにしている。
レバー66は丸棒製であり、前後方向に延びる回動軸部66bと、回動軸部66bの前端から下向きに延びる前部下向き部66cと、前部下向き部66cの下端から外側方向に向けて延びる水平部66dと、回動軸部66bの後端から下向きに延びる後部下向き部66eとを備えており、後部下向き部66eに係止部66aを形成し、水平部66dにグリップ66fを取り付けている。
回動軸部66bは、座アウターシェル7に上向き突設した前後複数の受け突起68で支持されていると共に、座アウターシェル7に突設した爪対69で上向き動しない状態に保持されている(なお、回動軸部66bは上方から押し込むことにより、爪対69で保持される)。
図15(B)に示すように、左右の爪対69の左右両側に、座インナーシェル18に形成した左右一対の足体18aを配置することにより、爪対69が大きく開いて回動軸部66bが抜け出ることを防止している。このため、レバー66を強く回動させたりしても回動軸部66bが抜け出ることはない。このような軸の抜け防止機構は、本願の請求項とは関係なく、重なるように配置された部材の片方にレバー類を取付けるにおいて広く適用することができる。
また、座アウターシェル7には、水平部66cを座アウターシェル7の下方に配置するための第1逃がし穴70と、係止部66aを座アウターシェル7の下方に露出させるための第2逃がし穴71とが形成されている。
座アウターシェル7には、第2逃がし穴71の縁から立ち上がる起立片72aを形成して、この起立片72aで支持したばね73により、レバー66の後部下向き66eを押している。また、(B)(E)(F)に示すように、座アウターシェル7には、レバー66の係止部66aを前後移動不能に保持する樋状の規制部72bを一体に形成している。従って、座2に対して前後方向の強い力が作用しても係止部66aがずれ動くことはなく、強度に優れている。
図から容易に理解できるように、グリップ66fを上向きに引くとレバー66は回転軸部66bの軸心回りに回動し、係止部66aは座用フレーム体8の切欠き67から離脱し、これにより、座2の前後位置を自在に変更できる。
ところで、座の前後位置を調節できる椅子において、前後位置調節用レバーは、従来は座インナーシェルに取り付けていることが多かった。しかし、レバーの取り付け構造が厄介になったり、操作性が悪かったりすることがあった。
これに対して本実施形態のように構成すると、レバー66は単純な回動式であるため操作性に優れており、また、座アウターシェル7に一体成形した受け部68等を利用して取り付けるものであるため部材点数の増大もない。更に、座用フレーム体8に形成した切欠きを係止手段と成すものであるため、構造は単純で加工も容易である。
受け部68等の支持部を座アウターシェル7の下面から下向き突設して、レバー66の全体を座アウターシェル7の下側に配置することも可能であるが、本実施形態のように回動軸部66bを座アウターシェル7の上側に配置すると、座アウターシェル7の下面をスッキリさせることができて美観に優れ、しかも、穴70を利用してレバー66の前後動をしっかりと阻止でき、更に、レバー66が不測に脱落することも皆無とすることができる等の様々の利点がある。
レバー66が係合する係合手段(係合部)は切欠き67には限らず、突起や穴などの他の態様も採用できる。また、レバー66は水平回動方式とすることも可能である。
e.座アウターシェルの特徴
座の前後位置を調節できる椅子においては、従来は、座インナーシェルを座用フレーム体に前後移動調節可能に取り付けていることが多い。しかし、これでは座インナーシェルを下方から覆うカバーが別に必要になるという問題や、座用フレーム体の左右横幅を大きくしなければならないといった問題などがある。
これに対して本実施形態のように剛体構造の座アウターシェル7を座用フレーム体8に前後動可能に取り付けて、座アウターシェル7に座インナーシェル18を取り付ける構造にすると、座用フレーム体8の左右横幅をできるだけ小さくできるため、座2の支持機構がコンパクトになり、しかも、座アウターシェル7は座インナーシェル18を覆うカバーを兼用するため美観に優れている利点がある。また、座インナーシェル18の弾性変形規制を座アウターシェル7で行えるため、特段の部材を必要としない利点もある。
図3に示すように、支基ベース6の前端は座フレーム体8の上面からやや突出している(これは、座2の下限高さをなるべく低くするためである)。このため、座アウターシェル7における後端のガイド爪50から順に座用フレーム体8のフランジ17aに嵌め込むと、途中で座アウターシェル7が支基ベース6の上端に当たってしまう。
そこで、座用フレーム体8のフランジ17aに、座アウターシェル7における後部の3個のガイド爪50が上方から逃げ移動し得る切欠き75(図4参照)を形成して、後部の3個のガイド爪50をこの切欠き17の箇所で座用フレーム8の上面よりも下方に位置させてから、座アウターシェル7を後方移動させて各ガイド爪50で座用フレーム体8のフランジ17aを抱き込むようにしてしている。
従って、座用フレーム体8の切欠き75の前後長さL2(図4参照)は座アウターシェル7における後部の3個のガイド爪50の前後距離L1(図1参照)よりも大きく、かつ、座用フレーム体8における切欠き75よりも手前の部分の前後長さL4は、座アウターシェル7における前後3個ずつのガイド爪50の群の間隔寸法L3よりも小さく設定されている。
(2).他の実施形態(図16〜図17)
図16及び図17では他の実施形態を原理的に示している。これらは両者とも座インナーシェル18の下面に下部クッション層74を設けたもので、このうち図16に示す第2実施形態では、着座前の状態で座インナーシェル18と座アウターシェル7との間に下部クッション層74が充満しており、他方、図17に示す第3実施形態では、着座前の状態で座インナーシェル18と座アウターシェル7との間に空間が存在している。
このように下部クッション層74を設けると、座インナーシェル18の変形停止が徐々に行われるため、クッション性に優れている。下部クッション層74は座アウターシェル7の上面に載せただけでも良い。
(3).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば、座インナーシェルの変形規制手段は座アウターシェルを使用することには限らず、専用の部材を設けても良い。また、本願発明は回転椅子以外の他の椅子(例えばパイプ椅子)にも適用できる。
座インナーシェルの変形を容易化する方法としては必ずしもスリット群を形成することには限らず、部分的に薄肉化するなどしても良い。また、座インナーシェルは着座者の臀部が当たる部分が最も大きく沈み込み変形するため、変形規制手段は、臀部が当たる部分をある程度の面積で支持すれば足りる。
また、本願発明の面接触とは、ある程度の広がりをもった状態で荷重を分散して支持するという意味であり、従って、多数の支持突起を点在させて、これらで支持する構成や、ネット状材で支持する構成も含む。
第1実施形態に係る椅子の側面図である。 主要部材の分離斜視図である。 座部の縦断側面図である。 図3のIV−IV視平面図である。 図4と同じ高さ位置で見た後部の平面図である。 (A)は座アウターシェル7の平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。 座インナーシェル18の平面図である。 (A)は座アウターシェルと座インナーシェルとの分離縦断側面図、(B)は組み付け後の縦断側面図である。 図8(A)のIX−IX視箇所で見た座部の断面図である。 図9のX-X 視分離断面図である。 図6のXI-XI 視箇所での座部の断面図である。 図6のXII-XII 視箇所での座部の断面図である。 座の前後調節機構を示す分離平面図である。 一部の部材を分離した平面図である。 座の前後調節機構を示す図である。 第2実施形態の断面図である。 第3実施形態の断面図である。
符号の説明
1 脚
2 座
3 背もたれ
6 支基ベース
7 座アウターシェル
8 座用フレーム体
18 座インナーシェル
19 クッション材

Claims (4)

  1. 合成樹脂製の座インナーシェルを、着座者の荷重にて下向きに沈むように弾性変形する形態にすると共に、座板の下方に、当該座インナーシェルがある程度まで変形するとこれに当接して座インナーシェルが過度に変形することを阻止する変形規制手段を、座インナーシェルが面接触状態で当接し得るように設けている、
    椅子。
  2. 前記座インナーシェルの下方には、非着座状態でインナーシェルとの間に空間が開いている上向き凹状のアウターシェルが配置されており、このアウターシェルにて座インナーシェルの少なくとも左右両側縁を支持すると共に、座アウターシェルを前記変形規制手段と成している、
    請求項1に記載した椅子。
  3. 前記座アウターシェルは、その下方に配置した支持部材に前後位置調節可能に取り付けられている、
    請求項2に記載した椅子。
  4. 前記座インナーシェルには、当該座インナーシェルが大きく弾性変形することを許容するためのスリット群が形成されている一方、前記クッション材は、金型内に座インナーシェルを保持した状態で素材樹脂を金型のキャビティに注入するインサート成形によって座インナーシェルに張られており、インサート成形に際してクッション材の素材樹脂をスリットから座インナーシェルの下面側にはみ出させることにより、座インナーシェルの下面に、面的な広がりを持つ下部クッション層が形成されている、
    請求項2又は請求項3に記載した椅子。
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