JP2021106758A - ヘッドレスト付き椅子 - Google Patents

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星治 南
祐治 東田
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祐治 東田
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Abstract

【課題】ヘッドレストが背もたれに対して相対的に前向き回動する椅子において、ヘッドレストと頭とのずれを無くして使用感を向上させる。【解決手段】ヘッドレスト4は本体72を備えており、左右の連結部材81,82によって背もたれ3に上下動自在及び前後回動可能に連結されている。下連結部材82は円弧溝85を有しており、ヘッドレスト4は、使用者の頭と当接する部分(ヘッドポイント)よりも下方でかつサイド円弧溝85の曲率半径の中心85aを回動中心として回動する。回動中心85aは使用者の首の近くに位置しているため、ヘッドレスト4が前向き回動するにおいて、使用者の頭との当接点であるヘッドポイント125はあまり変化しない。このため、ヘッドレスト4が使用者の頭に対してずれ動くことはなくて、使用感に優れている。【選択図】図15

Description

本願発明は、可動式のヘッドレストを備えた椅子に関するものである。
椅子において、ヘッドレストの高さや前後位置を調節可能にすることは広く行われている。例えば特許文献1,2には、ヘッドレストを支持部材に高さ調節可能でかつ上下回動可能に取り付けた構成が開示されている。
特開2003−79474号公報 特開2004−57397号公報
特許文献1,2では、ヘッドレストの回動支点(回動中心)は当該ヘッドレストの後面よりも後ろに位置しているが、この構成では、ヘッドレストを回動させると、使用者の頭とヘッドレストとの当接点が上下動するため、最適な高さを維持するためにはヘッドレストの高さを変更せねばならないことになり、従って、ヘッドレストの調節に手間が掛かるという問題がある。
また、ヘッドレストの最適な状態を把握するため、頭をヘッドレストに当てた状態で当ヘッドレストを回動操作することがあるが、この場合、頭をヘッドレストに当てた状態で当該ヘッドレストを回動操作すると、ヘッドレストが頭に対して上下方向にずれ動く「頭ずれ」の現象が生じて、使用者に違和感を与えるおそれがあった。
更に、背もたれが後傾するリクライニング椅子において、背もたれの後傾動に連動してヘッドレストを背もたれに対して相対的に前向き回動させることが提案されているが、この場合も、ヘッドレストの回動支点が当該ヘッドレストの後面よりも後ろに位置していると、使用者の頭とヘッドレストと当接面が下向き動することにより「頭ずれ」の現象が発生して、使用者に違和感を与えかねないと云える。
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
本願発明は様々な構成を有しており、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は上位概念を成すもので、
「背もたれの上方に、ヘッドレストが前記背もたれに対して相対的に前向き回動し得るように配置されている」
という構成において、
「前記ヘッドレストの回動中心を、使用者の頭が当たる部位であるヘッドポイントよりも下方でかつ、当該ヘッドレストの最後面よりも前方に位置させている」
という特徴を備えている。
ここで、ヘッドレストの前面(例えばクッション体の前面)が側面視で前向きに膨れている場合は、当該前面の頂点部が使用者の頭(後頭部)が当たる部位であるヘッドポイントになる。他方、ヘッドレストの前面が側面視で膨れていない場合は、通常は、概ね上下中間高さ位置がヘッドポイントになるが、個人差があってヘッドレストの前面の下部に頭が当たる場合もあるので、ヘッドポイントが前面の最下部になり得ると想定して、ヘッドレストの回動中心をヘッドレストの下端よりも下方に配置したらよい。
請求項2の発明は、請求項1において、
「前記ヘッドレストは、前記背もたれの上方に配置された本体と、前記本体の前面に配置され、使用者の頭を支持するヘッドサポート体とを備えており、前記回動中心が、少なくとも当該本体の左右中央部の前面よりも前方に位置している」
という構成になっている。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記ヘッドレストは、当該ヘッドレストの肉厚部内に配置したガイド手段を介して前記背もたれに取り付けられており、前記ヘッドレストの回動中心が前記ガイド手段よりも前に位置している」
という構成になっている。
本願発明において、ヘッドレストは背もたれに取り付けることもできるし、背もたれが取り付いている背支柱等のバックサポート体に取り付けることもできる。従って、請求項3の場合は、本体は、背もたれに取り付けることもできるし、背支柱等のバックサポート体に取り付けることもできる。
請求項4は請求項3の展開例であり、
「前記ヘッドレストは平面視で前向きに凹んだ本体を備えて、前記ガイド手段が、前記ヘッドレストの左右両端寄り部位の2か所に配置されており、前記ヘッドレストの回動中心は、少なくとも前記本体の左右中間部の前面よりも前に位置している」
という構成になっている。
請求項5の発明は、請求項2〜4のうちのいずれかにおいて、
「前記ガイド手段は、側面視で前向きに凹んだ円弧状ガイド部になっており、前記円弧状ガイド部の曲率半径の中心が前記ヘッドレストの回動中心になっている」
という構成を採用している。
請求項6の発明は、請求項2〜5のうちのいずれかにおいて、
「前記背もたれの上端に、前記本体の内部に入り込む天部材が配置されており、前記天部材と、正面視で上面が上向きに膨れるように緩く湾曲しており、側面視では上に向けて前後幅が狭まるように緩く窄んでいる」
という構成になっている。
本願発明では、ヘッドレストの回動中心がヘッドポイントよりも下方でかつ当該ヘッドレストの後面よりも前に位置しているため、ヘッドレストが前向き回動するにおいて、使用者の頭(後頭部)との当接点であるヘッドポイントが下方に移動することを防止又は大幅に抑制できる。これにより、使用者の頭とヘッドレストとが相対的に滑る「頭ずれ」の現象を防止又は抑制して、使用感を向上できる。換言すると、使用者の頭に対するヘッドレストの追従性を向上できる。
請求項2の構成を採用すると、ヘッドサポートをユニット化して組み付け性を向上できる。
請求項3のように、ヘッドレストの回動中心を、ヘッドレストの肉厚部内に配置したガイド手段よりも前に位置させると、ヘッドレストの回動中心を使用者の首に寄せることが容易に実現できるため、ガイド手段が見えないことによって美観を確保しつつ、頭ずれ現象をしっかりと防止できて好適である。
背もたれは、身体へのフィット性を確保するため平面視で前向きに凹んだ形態になっていることが多いが、請求項4の構成を採用すると、背もたれが平面視で前向きに凹んでいる場合に、ヘッドレストと背もたれとのデザイン的一体性を確保できる利点がある。また、ヘッドレストは左右2か所で支持されているため、安定性にも優れている。
さて、ヘッドレストはヒンジや横長ピンによって背もたれ等に連結することも可能であるが、この場合は、回動中心は使用者の首よりもかなり後ろになるため、ヘッドレストの前向き回動により、ヘッドレストがおじぎ状態になって、使用者の頭に対してずれるおそれがある。
これに対して請求項5のように、ガイド手段を円弧状ガイド部に形成してその曲率半径の中心をヘッドレストの回動中心に設定すると、ヘッドレストは上昇しながら前向き回動するため、ヘッドレストの動きを使用者の頭の動きに追従させることが確実化できて、頭ずれの現象を的確に防止できる利点がある。
ヘッドレストの本体と背もたれとの一体性を高めるには、ヘッドレストと背もたれとを重ね合わせつつ相対動するように構成する必要があるが、請求項6のように背もたれに天部材を設けてこれに本体の下端部を嵌め込むと、重なり合いを確実化して美観を向上できる。また、天部材は、正面視で上面が上向きに膨れるように緩く湾曲していると共に、側面視では上に向けて前後幅が狭まるように緩く窄んでいるため、本体が前後回動するにおいて、本体と天部材とのこじれを無くして、本体の前後回動を確実化できる利点がある。
実施形態の外観を示す図で、(A)は前方からの見た斜視図、(B)は側面図、(C)は後ろから見た斜視図である。 (A)(B)は一部部材を分離した斜視図、(B)は骨組みを示す斜視図である。 (A)は全体の分離斜視図、(B)は座アウターシェルを分離した斜視図、(C)は座アウターシェルの部分拡大図、(D)はワイヤーケーブルとホルダーとの分離斜視図である。 (A)は背シェル体と傾動フレームとの分離斜視図、(B)は傾動フレームの斜視図である。 (A)は背部全体の分離斜視図、(B)は背シェル体の分離斜視図である。 背シェル体の斜視図である。 (A)(B)はヘッドレストの分離斜視図、(C)はナットの保持構造を示す分離斜視図である。 (A)はヘッドレストの分離斜視図、(B)はヘッドレストの本体を後ろから見た斜視図、(C)はスライドブロックを保持する角形凹所の拡大斜視図である。 ヘッドレストと背シェル体とを前方から見た分離斜視図、(B)はヘッドレストと背シェル体を後ろから見た分離斜視図である。 ヘッドレストと背シェル体を後ろから見た分離斜視図である。 ヘッドレストと背シェル体を前から見た分離斜視図である。 (A)は連動手段と背シェル体との分離斜視図、(B)〜(D)は連結部材の斜視図である。 図6のXIII-XIII視方向から見た断面図である。 図7(B)のXIV-XIV視方向から見た断面図である。 図6の XV-XV視方向から見た断面図である。 (A)はヘッドレストの平面図、(B)はヘッドレストの底面図、(C)は実施形態の動きを説明するための模式図、(D)は比較例の動きを示す模式図である。 作用を示す図で、(A)はワイヤーが緩むメカニズムを示す概略側面図、(B)はワイヤーが緩んだ状態での連結部材の動きを示す側断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本願では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用しているが、これは、椅子に普通に腰掛けた人から見た状態を基準にしている。正面図は着座した人と対向した方向である。
(1).椅子の概略
まず、主として図1〜図5を参照して、椅子の概略を説明する。図1のとおり、椅子は、主要要素として、脚装置1、座2、背もたれ3を備えており、背もたれ3の上方にヘッドレスト4を配置している。また、本実施形態の椅子は、肘掛け5を標準品として装備している。脚装置1は、ガスシリンダより成る脚支柱6と放射方向に延びる枝部とを有しており、各枝部の先端にはキャスタを設けている。脚支柱6の上端には、上向きに開口した略箱状のベース7が固定されている。
図3(B)に示すように、ベース7の前端部には、樹脂製やアルミダイキャスト製のフロントブロック8がボルトで固定されており、フロントブロック8には、左右一対のフロントリンク9がフロント軸を介して後傾動可能に取り付けられている。フロントリンク9は、人が着座していないニュートラル状態で、側面視で鉛直線に対して少し後傾している。
同じく図3(B)に明示するように、ベース7の左右両側には、傾動フレーム10の前向きアーム部11が配置されており、前向きアーム部11の先端が中空軸11aによってベース7に後傾動自在に連結されている。また、傾動フレーム10の後部に左右の支柱部12を設けており、支柱部12に背もたれ3と肘掛け5とが取り付けられている。傾動フレーム10を構成する前向きアーム部11の前端部は、既述のとおり左右長手の中空軸を介してベース7に連結されており、従って、背もたれ3は傾動フレーム10の前端部を中心にして後傾動する。そして、中空軸にはばね手段の一例としてのトーションバー(図示せず)が内蔵されており、傾動フレーム10は、トーションバーの弾性に抗して後傾動する。
例えば図4に示すように、傾動フレーム10において、左右の支柱部12には、平面視で後ろに膨らむ(前に凹む)ように緩く湾曲した下ステー13と上ステー14とが一体に繋がっており、左右支柱部12と上下ステー部13,14とによって傾動フレーム10の基部が構成されて、基部の左右両端部に、別体の前向きアーム部11が固定されている。もとより、前向きアーム部11を基部に一体に形成することは可能である。なお、傾動フレーム10の基部と前向きアーム部11とは、それぞれアルミダイキャスト品であるが、樹脂製品も採用可能である。
図3(A)に示すように、座2は、樹脂製の座板(座インナーシェル)15にクッション体16を張った構造であり、座板15がその下方に配置された座受けシェル17に固定されている。そして、座受けシェル17の前部下面に左右一対ずつのフロント軸受け部17aを設けて、フロント軸受け部17aにフロントリンク9の上端部をフロントピン18によって連結している一方、座受けシェル17の後部下面に左右一対ずつのリア軸受け部19,20を設けて、リア軸受け部19,20に、傾動フレーム10の前向きアーム部11から突設したリアリンク21の上端をリアピン22で連結している。従って、座2は、背もたれ3が後傾すると一緒に後退及び後傾動する。
図3に示すように、左右一対のリア軸受け部19,20のうち内側に位置したリア軸受け部20から補助リンク23を下向きに突設し、左右の補助リンク23に、リクライニング時にヘッドレスト4を操作する連動手段としてワイヤーケーブル24の一端を係止している。正確には、ワイヤーケーブル24は、撓み変形自在なチューブ25にワイヤー26を摺動自在に挿通した構造であり、チューブ25の一端に設けた下係止具27をホルダー35によってアーム部11に保持する一方、ワイヤー26の一端に設けた下ボール28を補助リンク23の下端に係止している。
従って、補助リンク23の下端には、ボール挿通穴29が左右内向きに開口していると共に、ボール挿通穴29に連通したワイヤー挿通溝30が後ろ向きに開口している。ホルダー35は、ビス31によって傾動フレーム10の前向きアーム部11に固定されている。
また、図3(D)に示すように、ホルダー35は、ワイヤーケーブル24の下係止具27が部分的に嵌まるように正面視でコ字形になっており、前向きアーム部11の内側面に向けて開口させると共に、その内部に形成したリブ32に下係止具27の環状溝33を嵌め込むことにより、下係止具27を傾動フレーム10の前向きアーム部11に対して前後左右に移動不能に保持している。
傾動フレーム10が後傾して背もたれ3がリクライニングすると、座受けシェル17及び座2は、傾動フレーム10に対して相対的に後退し、リクライニング時には、ワイヤーケーブル24のワイヤー26が緩む。この点を、図17(A)を参照して説明する。
さて、傾動フレーム10は中空軸11aの軸心を支点にして回動するが、座受けシェル17はリアリンク21に対してリアピン22で連結されているため、リアピン22は中空軸11aの中心を支点にして下向き回動する。また、ホルダー35も前向きアーム部11と一体に下向き回動(下降)する。
他方、座受けシェル17の前端部は、ベース7に対して回動可能に連結されたリアリンク9にフロントピン18で連結されているため、フロントリング9は引き作用を受けて後傾するが、リアピン22と前向きアーム部11の回動支点O1よりも後ろに位置していて、リアピン22から前向きアーム部11の回動軸心までのスパンよりも、リアピン22からフロントリンク9の回動軸心までスパンが長いことにより、前向きアーム部11の回動角度よりもフロントリンク9の回動角度が小さいため、リアピン22の下降量よりもフロントピン18の下降量が少なくなっており、従って、座受けシェル17(及び座2)は、前向きアーム部11(傾動フレーム10に)対して、相対的に後退及び後傾しつつ下降動する。
このように、座受けシェル17が前向きアーム部11に対して相対的に後退することにより、補助リンク23の下端とホルダー35との間隔は、L1からL2へと縮小変化する。すると、ワイヤー26に(L1−L2)の寸法の緩みが発生する。この緩みを利用して、ヘッドレスト4を背もたれ3に対して前向き回動(前向き移動)させている。この点は、詳細を後述する。
なお、図示は省略するが、フロントリンク9が取り付いている中空軸11aには、リクライニング時の弾性抵抗を調節するくさび部材(ベース7とフロントブロック8とで囲われた内部に配置されている)が被嵌しており、フロント軸の一端部に設けたハンドル34(図3(A)(B)参照)の回転操作により、既述したトーションバーに対する所期弾性力を変化させてリクライニングに対する抵抗を調節できる。
図5に示すように、背もたれ3は、合成樹脂製の下部シェル体36及び上部シェル体37とから成る背シェル体38を備えており、図2(A)に示すように、背シェル体38の前面に配置されたクッション体39が配置されている。背シェル体38とクッション体39との全体が、袋状の表皮材(図示せず)によって覆われている。各図において表皮材は省略しているため、シェル体38に形成されたリブや穴、凹みなどが図面で現れているが、実際には、これらは表皮材で覆われていて露出はしない。
図2に示すように、下部シェル体36の前面にはランバーパッド40が上下スライド自在に配置されている。他方、図4に明示するように、傾動フレーム10を構成する上ステー14に設けた溝枠部41に、下方に露出した摘み42aを有するスライドレバー42が左右動自在に装着されており、スライドレバー42とランバーパッド40とがばね鋼等の弾性線材43によって連結されている。従って、スライドレバー42を左右動させると、ランバーパッド40が上下動する。
なお、本実施形態では背シェル体38を上下のシェル36,37で構成したが、全体を一体の構成とすることもできる。
(2).背もたれ
次に、従前の図に加えて図6以下の部面も参照して背もたれ3及びヘッドレスト4を説明する。まず、背もたれ3について説明する。
背もたれ3は、既述のように背シェル体38は上下のシェル36,37で構成されているが、例えば図2に示すように、背シェル体38は、左右幅が下から上に向けて緩く拡大する略台形状の形態を成している。図5(B)から理解できるように、上部シェル体37の下部37aが下部シェル体36の上部36aに後ろから重なっている。従って、下部シェル体36には後ろ段部36bが形成されて、上部シェル体37には前段部37bが形成されている。
そして、上部シェル体37の下端に複数の位置決め突起44aを設けている一方、下部シェル体36の後ろ段部36bには、位置決め突起44aが嵌入する位置決め穴44bを形成している。上背シェル37と下部シェル体36とは、重なり合っている部分が左右複数本のビスで固定されている。ビスは後ろから挿通されており、下部シェル体36の前面に配置したナット45にねじ込まれている。
例えば図5に明示されているように、下部シェル体36の下部は手前に張り出しており、例えば図4に示すように、左右の張り出し部の前端に、下方に開口した蟻溝状の雌形レール部46を形成している一方、傾動フレーム10における支柱部12の後面に、雌形レール部46が上から嵌合する蟻ホゾ状の雄形レール部47を一体に形成しており、雌形レール部46に雄形レール部47を上から嵌合させている。下部シェル体36は、傾動フレーム10の上ステー14に複数本のボルトで締結されている。
図4(A)に示すように、支柱部12は上向きに開口した中空構造になっており、その内部に有底筒状の受け部材(図示せず)が嵌め込まれており、受け部材に後ろ向き開口するように形成したタップ穴に前向きボルトを後ろからねじ込むことにより、受け部材を支柱部12に固定している。また、肘掛け5は、受け部材に嵌入するボス部を有する本体と、本体の上面に装着したパッドとを有しており、本体は、上から挿通したボルトによって受け部材に固定されている。
傾動フレーム10における上ステー14の上面には、既述の溝枠部41や位置決めリブ48が突設されている一方、下部シェル体36の下面には、溝枠部41や位置決めリブ48に被嵌する長溝49が形成されている。下部シェル体36は、ボルトに傾動フレーム10の上ステー14に強固に固定されている。
(3).ランバーサポート装置・ワイヤーケーブル通線構造
図4(A)から理解できるように、長溝49の上底部には、スライドレバー42に上向き突設した連結部42bがスライド自在に嵌入する長穴50を空けており、連結部42aに弾性線材43の一端が係止されている(図4(B)では、弾性線材43は連結部42aから分離した状態に表示している。)。
例えば図6に示すように、下部シェル体36の下端部には、最下段に位置した左右長手の底板51とその上方に位置した棚状板52とが形成されており、スライドレバー42の連結部42aは、底板51と棚状板52とで囲われた下部横長空間53に露出している。そして、下部シェル体36の左右中間部に、左右のセンターリブ54で挟まれたセンターガイド溝55が形成されており、センターガイド溝55に、後ろ向き開口コ字形のセンターガイド56が装着されており、弾性線材43はセンターガイド56の内部に配置されている。
そして、図2(B)に示すように、ランバーパッド40の後面に、後ろ向き開口コ字形で上下長手のガイドレール部58を形成して、このガイドレール部58を図6に明示するセンターガイド溝55に上下スライド自在に嵌め入れて、ガイドレール部58の上端に弾性線材43の上端を係止している。従って、スライドレバー42を左右動させると、弾性線材43の押し引き作用によってランバーパッド40が上下動する。
下部シェル体36には、弾性線材43のスライドをガイドする湾曲したガイド樋59が、棚状板52に食い込んだ状態で形成されている。また、図2(B)に示すように、ランバーパッド40の左右両端にサイドガイド片60が突設されている一方、図6に明示するように、下部シェル体36には、サイドガイド片60が前向き移動不能で上下動自在に嵌まるサイドガイド61を形成している。
背シェル体38を構成する下部シェル体36に、横長リブの一環として底板51と棚状板52とが形成されているが、上下のシェル体36,37には、同じく横長リブの一環として左右長手の第1リブ62が多段に形成されている。また、センターリブ54は縦長リブの一環を成しているが、縦長リブの一環として、上下長手の多数の第2リブ63が形成されている。これら縦横の多数のリブにより、背シェル体38は頑丈な構造になっている。
また、図6に示すように、上下シェル体36,37の左右両端寄りの2か所の部位に、第1リブ62及び第2リブ63に前向きの切り欠き64を形成することにより、ワイヤーケーブル24を配置するワイヤー通路を形成している。従って、ワイヤーケーブル24は、クッション体39から逃げた状態で配置されており、着座した人の荷重がワイヤーケーブル24に作用することはない。ワイヤー通路は、ランパーパッド40と緩衝しないように、下部シェル体36の下部ではランパーパッド40の外側に形成されている。
また、図6に示すように、ワイヤーケーブル24が通る通路のうち背シェル体38のおおよそ上下中間部に、ワイヤーケーブル24が前向き移動することを阻止するフック64aを形成している。ワイヤーケーブル24を押し込むと、フック64aがいったん弾性変形してから戻り変形することにより、フック64aでワイヤーケーブル24が抱持される。
図6に示すように、上端に位置した第1リブ62に、ワイヤーケーブル24の他端に設けた上係止具67を上下動不能に装着する保持溝68が形成されている。すなわち、上係止具67の環状溝33が保持溝68の内周縁に嵌合することにより、上係止具57は上下動不能に保持されている。
図6に示すように、下部シェル体36における底板51の左右中間部に、ワイヤーケーブル24を下部横長空間53に引き込む下部切り欠き65が形成されている。棚状板52の左右両端部の側方には、棚状板52の上下の空間に連通したサイド通路66が形成されている。なお、下部切り欠き65は左右方向に離れた複数箇所に形成することも可能である。
図4(B)に示すように、傾動フレーム10の下ステー13は断面逆L形になっており、その下面にセンターカバー69及びサイドカバー70を配置することにより、下ステー13に前向きに開口した横長凹部が形成されており、横長凹部にワイヤーケーブル24を部分的に這わせている。そして、ワイヤーケーブル24は、横長凹部から上に引き出して背シェル体38の内部に引き込んでいる。なお、センターカバー69はビス71によって下ステー13に固定され、サイドカバー70は、下ステー13に係止すると共にセンターカバー69で押さえ保持されている。
(4).ヘッドレストの基本構造・首振り機構
既述のとおり、背もたれ3は左右幅が上に向けて小さくなるように略台形の形態を成しているが、例えば図1に示すように、ヘッドレスト4は、背もたれ3の左右幅を小さくしつつ延長したような形態を成している。従って、デザイン的に背もたれ3と高い一体性を有している。
そして、図5に示すように、ヘッドレスト4は、上部シェル体37に前後回動可能に連結された本体72と、本体72の前面に上下動自在に配置された可動プレート73と、可動プレート73の前面に張られたクッション体74と、本体72を後ろから覆う裏カバー75とを備えている。裏カバー75は、係合爪を利用したスナップ係合によって本体72に取り付けている。上部シェル体37の上面には天キャップ76が重ね配置されている。
本実施形態では、本体72と可動プレート73とクッション体39と裏カバー45とが可動体としてのヘッドレスト4を構成しており、他の部材を含めてヘッドレスト装置が構成されている。
また、可動プレート73とクッション体74とにより、使用者の頭を支える可動式のヘッドサポート体が構成されているが、昇降式でない場合は、ヘッドサポート体としてのクッション体74を本体72の前面に配置した構成にしてもよい。この場合は可動プレート73を省略することも可能である。また、体圧支持体として、クッション体74以外で構成する態様を有り得る。例えば、フレーム状等の支持体に体圧支持体としてメッシュ材を張った構造も採用できる。従って、可動プレート72は支持体の一例であり、クッション体74は体圧支持体の一例である。つまり、ヘッドサポート体は、支持体と体圧支持体から構成される場合と、体圧支持体だけで構成される場合もあり得る。
本実施形態では、可動プレート73とクッション体74とからなるヘッドサポート体は昇降式であるため、昇降部であるヘッドサポート体と、非昇降部である本体72及び裏カバー75とは、それぞれ別辺の表皮材で覆われている。本体72の前面のうち、可動プレート73の昇降によって露出する部分は表皮材によって覆われている。可動プレート73とクッション体74とについて述べると、クッション体74のみを表皮材で覆ってもよいし、両者を纏めて表皮材で覆ってもよい。いずれにしてしも、一体に昇降するため、両者によってヘッドサポート体が構成されている。昇降式でない場合は、本体72とヘッドサポート体(クッション体74)を一体的に表皮材で覆ってもよい。
図9に示すように、上部シェル体37の上面には位置決め突起78を設けている一方、天キャップ76には位置決め突起78に嵌合する下向き開口の長溝79が形成されており、図10に示すように、天キャップ76は複数本のビス80が上部シェル体37に固定されている。背もたれ3は平面視で前向きに凹む(後ろ向きに膨れる)ように緩く湾曲しているが、ヘッドレスト4も、背もたれ3と同様に、平面視で前向きに凹むように緩く湾曲している。
天キャップ76は請求項に記載した天部材の一例であり、例えば図11から明瞭に把握できるように、正面視では上面が左右両側に向けて低くなるように緩く湾曲し、側面視では前後幅が上に向けて小さくなるように緩く窄まっている。天キャップ76のこのよう形態に対応して、上部シェル体37の置決め突起78も、正面視では左右両側が低くなるように上面が湾曲し、側面視では上向きに窄まっている(図14も参照)。
例えば図5から把握できるように、上部シェル体37の上面は正面視で上向きに膨らむように僅かに湾曲している一方、ヘッドレスト4における本体32の下面は、正面視で上向きに凹むように僅かに湾曲している。
次に、ヘッドレスト4の前後傾動機構(首振り機構)を説明する。例えば図11,12に示すように、本体72は、左右両端寄りの2か所の部位が、上下の連結部材81,82により、前後回動し得るように上部シェル体37に取り付けられている。
すなわち、まず、図11,15に示すように、上連結部材81の略上半部は上下長手の板状部81aになって、略下半部は、側面視で前向きに凹んだ円弧ボス部81bになっており、板状部81aは、本体72に形成された下向き開口の凹所83に下方から入り込んで、上下2本のビス84(図15参照)によって本体72に固定されている。
他方、図12や図15に示すように、下連結部材82は、上連結部材81の円弧ボス部81bが横から嵌まるサイド円弧溝(メイン円弧溝)85を有するホルダー部82aと、ホルダー部82aから下向き突出した板状部82bとを有している。板状部82bは、上部シェル体37に形成された凹所86に嵌め込まれて、ビス87によって上部シェル体37に固定されている。
図12,15に示すように、上連結部材81の円弧部81bと下連結部材82のホルダー部82aとの間には、摩擦係数が小さい樹脂で作られたブッシュ88が介在している。本実施形態では、上連結部材81が下連結部材82に対して上下スライドすることにより、本体72が背もたれ3に対して上昇しつつ前傾動する。従って、円弧ボス部81bとサイド円弧溝85とは、請求項に記載したガイド手段の一例としての円弧状ガイド部が構成されている。
また、図15に示すように、連結部材81,82の円弧ボス部81bとサイド円弧溝85とは、本体32と上部シェル体37との重合面を挟んで上下両側に広がっている。そして、下連結部材82におけるサイド円弧溝85の曲率半径の中心85aがヘッドレスト4の回動中心になるが、回動中心85aは、ガイド手段である円弧ボス部81bと円弧溝85よりも前に位置している。
そして、図15及び図17(B)に示すように、回動中心85aは、連結部材81,82の箇所では本体72の下端部の前端の近傍に位置している一方、本体72が湾曲していることから、図16(A(B)に示すように、本体72(或いはヘッドレスト4)の左右中間部では、回動中心85aは本体72の下端の前端よりも大きく手前にはみ出している(使用者の首の後面のあたりに位置している。)。概ね、ヘッドレスト4の回動中心85aが使用者の首の当たりに位置するように設定している。
例えば図13のとおり、本実施形態では、クッション体74は、側面視(及び平面視)で前向きに膨れているため、使用者の頭はクッション体74のうち側面視で最も前に位置した頂点部かその近傍の高さ位置に当たる。従って、本実施形態では、クッション体74のうち左右中間部でかつ前向きに突出した頂点部がヘッドポイント125になる。そして、図15のとおり、ヘッドレスト4の回動中心85aはクッション体74よりも下方に位置しているため、必然的に、回動中心85aはヘッドポイント125よりも下方に位置している。
図12(C)に明示するように、上連結部材81には、ワイヤーケーブル24の上ボール89が上から嵌まり込むボール保持穴90と、ワイヤー26の上端部が通るワイヤー挿通溝91とが、互いに連通した状態に形成されている。図6を参照して説明したように、ワイヤーケーブル24の上係止具67は上部シェル体37のホルダー溝68に嵌合しているため、ワイヤー26の引っ張りにより、ヘッドレスト4は後ろ向きに回動しきった状態に保持され、ワイヤー26が緩むと、ヘッドレスト4はばね100に押されて上昇しながら前向きに回動する。
この場合、ヘッドレストが上昇すると本体32と上部シェル体37との間に隙間が空くことになり、その隙間は後ろ側で大きくなるが、図13〜15に明示するように、本体32は天キャップ76に嵌まっているため、隙間が目立つことはない。また、天キャップ76は側面視で上に窄まっていると共に正面視では左右両側が低くなるように湾曲しているため、本体32の前後回動に際して本体32と天キャップ76との間にこじれが生じることはなく、本体32をスムースに回動させることができる。
連動手段としてワイヤーケーブル24を使用する場合、上ボール89は本体32の任意に部位に係止できるが、実施形態のように上連結部材81に係止すると、構造を簡素化できる利点がある。
(5).ヘッドレストの付勢構造
図11〜図13に示すように、天キャップ76の左右中間部に逃がし穴92を形成し、逃がし穴92に上から嵌め入れた固定ガイド体93を、ビス94によって上部シェル体37の位置決め突起78に固定している。図12(A)に明示するように、固定ガイド体93は左右側板93aを有しており、左右側板93aの内面にセンター円弧溝95を形成している。センター円弧溝95も、円弧状ガイド部の一環を成している。そして、センター円弧溝95の曲率半径の中心は、下連結部材82に形成したサイド円弧溝85の曲率半径の中心85aと一致している。
固定ガイド体93の内部には、左右側板96aを有する可動ガイド体96が配置されており、左右側板96aに、固定ガイド体93のセンター円弧溝95にスライド自在に嵌まり合うガイド軸97を横向き突設している。また、図13に示すように、可動ガイド体96の上端はビス98によって本体72に固定されている。ビス98は可動ガイド体96に後ろから挿通されており、本体72に前面に配置したナット99にねじ込まれている。
図13に示すように、可動ガイド体96はばね(圧縮コイルばね)100によって上向きに付勢されている。上部シェル体37の上面には、ばね100が嵌まるばね受け凹所101(図12(A)も参照)が形成されている。また、可動ガイド体96の下面には、ばね100の上端を横ずれしないように保持する受け皿102が重なっており、受け皿102の左右両端にも、固定ガイド体93のセンター円弧溝95にスライド自在に嵌まる丸棒状のガイド軸103を形成している。
可動ガイド体96のガイド軸97と受け皿102のガイド軸103とは棒状になっているため、可動ガイド体96と受け皿102とは、ガイド軸96,103の軸心回りに回動するように姿勢変更しつつ、固定ガイド体93のセンター円弧溝95にガイドされて上下動することができる。従って、本体72が上下連結部材81,82にガイドされて前後回動することが許容されている。
本実施形態では、非リクライニング状態では、上連結部材81がワイヤー26で下向きに引っ張られていることにより、ヘッドレスト装置4は、ばね100に抗して後ろ向きに回動した状態に保持される。そして、既に説明したように、リクライニング状態では、座受けシェル17が傾動フレーム10に対して相対的に後退することにより、ワイヤー26が緩んで、ヘッドレスト装置4はばね100によって前向き回動する。
つまり、図17(B)に示すように、ワイヤー24のワイヤー26が下部において(L1−L2)だけ緩むため、ヘッドレスト4の本体72は、ばね100に押され(L1−L2)だけ上向きに移動するが、下連結部材82のサイド円弧溝85は側面視で前向きに凹んでいるため、本体72を備えた可動式ヘッドレストは、背もたれ3に対して相対的に前向き回動(前向き移動)するのである。
実施形態では、背もたれ3が後傾動しきるよりも少し前にヘッドレスト4が前傾動しきるように設定している。換言すると、背もたれ3の後傾終期にワイヤー26が緩みきるように設定している。従って、背もたれ3の後傾動がワイヤー26によって阻害されることはない。
(6).可動プレートの昇降機構
次に、可動プレート73の昇降機構を説明する。例えば図7や図8(A)に示すように、可動プレート73の左右両端寄り部位の概ね上下中間高さ位置に、側面視横向きT形のスライドブロック106が後ろから重なっている。スライドブロック106の前端部は、可動プレート73の後面に形成した角形凹所107に嵌合している一方、スライドブロック106の後端部は本体72に形成された上下長手のサイドガイド溝108に挿通しており、スライドブロック106の後面に、図8(B)に示す蓋部材109をビス110で固定している。
可動プレート73のうち角形凹所107の手前側には、T形ナット111が回動不能に嵌まるナット保持部112を突設しており、ビス110をT形ナット111にねじ込むことにより、蓋部材109とスライドブロック106とを可動プレート73に共締めしている。図8(C)に明示するように、角形凹所107の左右側縁には、スライドブロック106の姿勢保持向上のため左右の振れ止め突起113を設けている。
図7,8に示すように、可動プレート73に左右中間部でかつ略上下中間部に、前後長手のロッド114が配置されている。ロッド114は、左右に張り出したフランジを有するダンパケース116に回転自在に装着されており、ダンパケース116のフランジは、上下長手のフランジ板115に固定されている。一方、可動プレート73の後面には、ダンパケース116及びフランジ板115が嵌合する凹所117を形成しており、フランジ115板が、図7(A)や図13に示す上下のビス118で可動プレート73に固定されている。可動プレート73において、凹所117の箇所は前向きに突出したランド部117aになっている。
ロッド114の後端部は、本体72に形成された縦長のセンター長穴119に挿通しており、ピニオン(ギア)120がビス122によってロッド114に固定されている。そして、ピニオン120を、センター長穴119に設けたラック121に噛合させている。ロッド114は、ダンパケース116に内蔵したワンウエイクラッチ機構により、可動プレート73の下降動に対しては抵抗を発揮し、可動プレート73の上昇に対しては抵抗が発生しないように設定されている。すなわち、可動プレート73には、ワンウエイタイプのロータリダンパにより、下降動に対してだけ抵抗が付与されている。正確には、ロッド114とダンパケース116とにより、ロータリダンパが構成されている。
なお、ロータリダンパを使用せずに、ピニオン120をラック121に対してある程度の強さで押圧することにより、可動プレート73の上下動に対して抵抗を付与することも可能である。図8(B)に示すように、センター長穴119には、ピニオン120の後ろ向き離脱を阻止するストッパー板119aを設けている。
実施形態では、ダンパ手段としてピニオン120とワンウエイ方式ロータリダンパを使用したが、他のダンパ手段として、ゴムローラのような弾性ローラも使用できる。また、ダンパ手段は、左右のスライド部に設けてもよい。実施形態のヘッドレストは任意の高さに調節できるが、爪と凹部との噛み合わせなどを利用して段階的に高さ調節することも可能である。但し、実施形態のようにダンパ機能付きで任意の高さに調節できる構造を採用すると、使用者の好みにフッィトさせることができると共に、クリック感を無くして高級感を醸し出せる。
(7).まとめ
図16(A)(B)に明示するように、ヘッドレスト4の本体72は平面視で前向きに凹んだ状態に湾曲しているため、本体72が背もたれ3に対して前向き回動することを許容するには、本体72の左右両端が背もたれ3の上端につかえない状態で回動させねばならない。
この場合、図16(D)に示すように、本体72の回動軸心123が本体72の後端にあってかつ固定的であると、非リクライニング状態で背もたれ3と本体72との間に隙間を空けておいて、背もたれ3の後端から突設した軸受け部材124に本体72を連結せねばならないが、この場合は、本体72が点線で示すように背もたれ3に対して前向き回動すると、ヘッドレスト4の装置の前面が使用者の頭に当たる任意の当接点は、下方に大きく移動する。
このため、リクライニングに際して、ヘッドレスト4のクッション体74が使用者の頭を下方に滑り移動する現象(頭ずれ)が発生し、使用者に不快感や違和感を与えるおそれがある。リクライニング姿勢からニュートラル姿勢に戻るときも同様であり、クッション体74が使用者の頭を上方に滑り移動する現象が発生するおそれがある。
これに対して本願実施形態では、図15や図17(B)に示すように、ヘッドレスト4は、ヘッドポイント125よりも下方部位において使用者の首の近くの回動中心85aを中心にして回動するため、ヘッドレスト4を使用者の頭に追従させて回動させることができる。これにより、頭ずれを無くして快適な使用感を得ることができる。
また、本実施形態では、本体72(或いはヘッドレスト4)を湾曲させつつ、左右両側部に連結部材81,82を配置しているが、このように構成すると、連結部材81,82は、本体72の左右中間部を基準にして、できるだけ前に配置しつつヘッドレスト4の内部に格納できるため、ヘッドレスト4の本体部をできるだけ薄くしつつ、回動中心85aを使用者の首のあたりに位置させて、使用者に快適な使用感を与えることができる。
図16(C)では、ヘッドレスト4の回動支点123を本体72の下端の前端に配置した状態を示しており、この図から、回動中心123をできるだけ前に位置させると、使用者の頭との当接点であるヘッドポイント125の上下動を抑制できることを理解できる。つまり、ヘッドレストの下端のうち最後端よりも手前に回動中心123を位置させるだけでも、頭ずれを抑制できることを理解できる。
そして、本実施形態は、図16(C)の回動支点123がサイド円弧溝85に沿って上下動しながら回動中心85aを中心にして動くもので、ヘッドレスト4は側面視姿勢を変えながら上下動する。これにより、使用者の頭に対する追従性を格段に向上できる。
また、本実施形態では、ヘッドレスト4の本体72は背もたれ3の上面に設けた天キャップ76に嵌まっているため、ヘッドレスト4が回動しても、ヘッドレスト4の本体32と背もたれ3との間にできた隙間が目立つこととはない。従って、リクライニング時にもヘッドレスト4と背もたれ3とのデザイン的一体性を保持して、高い商品価値を椅子に付与できる。
請求項に記載した天部材として、天キャップ76と同様の突起部を背シェル体38に一体形成することも可能であるが、この場合は、背シェル体38(上部シェル体37)の成型が面倒になるおそれがある。これに対して、実施形態のように背シェル体38とは別体の天キャップ76を使用すると、天キャップ76も上部シェル体37の位置決め突起78も容易に型抜きできる状態に形成できるため、加工面で有利である。
また、本実施形態では、ヘッドレストは、左右の連結部材81,82と、左右中間部に位置したばね100との三点支持構造になっている。このため、1本のばね100でヘッドレスト4を軽快に動かすことができる。
本願発明は、他にも様々に具体化できる。例えば、リクライニングに連動してヘッドレストを回動させる連動手段としては、リンク機構も採用できる。実施形態のように連動手段としてワイヤーケーブルを使用する場合、ワイヤーの引っ張りによってヘッドレストを前向き回動させることも可能である。
図16(A)(B)に示すように、実施形態においてクッション体74の前面は、左右中間部が最も前に出るように平面視で前向きに膨れた形状になっているが、クッション体74の前面も平面視で前向きに凹んだ形状に形成することは可能である。
ヘッドレストを上下動させつつ前後傾動させる連動部材としては、円弧状に湾曲したパイプとこれに嵌まった円弧状棒体との組み合わせも採用可能である。また、本体と背シェル体とのうちいずれか一方に円弧穴(或いは円弧溝)を一体に形成して、他方に円弧状ボス体を固定するといったことも可能である。
更に、ヘッドレストは、ヒンジやピンを利用して背もたれ又は他の支持体(例えば背支柱等のバックサポート)に対して回動可能に連結することも可能である。この場合も、回動中心は、ヘッドポイントより下方でかつヘッドレストの最後面よりも前方(使用者の首(頚椎)あたり)に配置するのが好ましい。また、ヘッドレストは背もたれから離れた状態に配置されていてもよい。
本願発明は、ヘッドレスト付き椅子に具体化できる。従って、産業上利用できる。
2 座
3 背もたれ
10 傾動フレーム
24 連動手段を構成するワイヤーケーブル
72 ヘッドレストの本体
73 ヘッドサポートを構成する可動プレート
74 ヘッドサポートを構成するクッション体
75 ヘッドレストの裏カバー
81,82 連結部材
81a 円弧状ガイド部を構成する円弧部
85 円弧状ガイド部を構成するサイド円弧溝(メイン円弧溝)
85a ヘッドレストの回動中心(円弧溝の曲率半径の中心)
95 円弧状ガイド部を補助的に構成するセンター円弧溝
97,102 ガイド軸
100 ばね
125 ヘッドポイント

Claims (6)

  1. 背もたれの上方に、ヘッドレストが前記背もたれに対して相対的に前向き回動し得るように配置されている構成であって,
    前記ヘッドレストの回動中心を、使用者の頭が当たる部位であるヘッドポイントよりも下方でかつ、当該ヘッドレストの最後面よりも前方に位置させている、
    ヘッドレスト付き椅子。
  2. 前記ヘッドレストは、前記背もたれの上方に配置された本体と、前記本体の前面に配置
    され、使用者の頭を支持するヘッドサポート体とを備えており、前記回動中心が、少なくとも当該本体の左右中央部の前面よりも前方に位置している、
    請求項1に記載したヘッドレスト付き椅子。
  3. 前記ヘッドレストは、当該ヘッドレストの肉厚部内に配置したガイド手段を介して前記背もたれに取り付けられており、前記ヘッドレストの回動中心が前記ガイド手段よりも前に位置している、
    請求項1又は2に記載したヘッドレスト付き椅子。
  4. 前記本体は平面視で前向きに凹んだ形態であり、前記ガイド手段が、前記ヘッドレストの左右両端寄り部位の2か所に配置されており、前記ヘッドレストの回動中心は、少なくとも前記本体の左右中間部の前面よりも前に位置している、
    請求項3に記載したヘッドレスト付き椅子。
  5. 前記ガイド手段は、側面視で前向きに凹んだ円弧状ガイド部になっており、前記円弧状ガイド部の曲率半径の中心が前記ヘッドレストの回動中心になっている、
    請求項2〜4のうちのいずれかに記載したヘッドレスト付き椅子。
  6. 前記背もたれの上端に、前記本体の内部に入り込む天部材が配置されており、前記天部材は、正面視で上面が上向きに膨れるように緩く湾曲しており、側面視では上に向けて前後幅が狭まるように緩く窄んでいる、
    請求項2〜5のうちのいずれかに記載したヘッドレスト付き椅子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023092391A1 (zh) * 2021-11-25 2023-06-01 安吉富和家具有限公司 一种椅子倚靠结构及椅子

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