JP5373342B2 - ロッキング椅子 - Google Patents

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本願発明は、背もたれがばね手段に抗して後傾動するロッキング椅子に関し、更に詳しくは、背もたれの後傾動に連動して座が前進動する椅子に関するものである。
背もたれが後傾動するロッキング椅子では、ロッキング状態での快適性・満足度を高めるための種々の工夫が成されている。その一つとして、特許文献1には、着座した人が背もたれに凭れ掛かると、背もたれが後傾しつつ下降すると共に座は全体的に後傾しつつ前進動する椅子が開示されている。
ロッキングによって座が前進することの利点として、背もたれの後傾角度が小さくても身体が伸び勝手になるため、背もたれのみが後傾する場合に比べて単位後傾角度当たりの休息機能が高くできることが挙げられる。また、特許文献1では背もたれはその下端が前進する状態で後傾しているが、この傾動態様によると、ロッキングに際して着座者の上半身が後ろに大きくのけ反ることはないため、例えばパソコン操作のように机上作業を行うに際してロッキング時に身体が机から大きく離れることがなく、このためロッキング姿勢を採りながら作業を行い続けることができる。
そして、特許文献1では、座は前進状態において、前端の高さは変わらずに後端が低くなることで全体として後傾しており、このように座が後傾することにより、背もたれが下降しても当該背もたれの下端と座の後端との間隔寸法は殆ど変わらないため、背もたれと背中との相対的な滑りはなく、その結果、いわゆるシャツ捲れ(或いは背ずれ)の現象を防止できると解される。
特開2000−236977号公報
さて、今日のオフィスワークでは、パソコン操作やCAD操作のようにマウスを操作する作業が相当の割合を占めている。そして、人が椅子に腰掛けてマウスの操作を行う場合、ロッキング状態でマウスを操作することがよくある。
この場合、人は机上に置いたモニター(ディスプレイ)を見ながらマウスを操作しているが、ロッキング状態では、胴部は後傾しているが頭はモニターを正視するために直立状に起こしておかねばならず、このような胴部と頭との姿勢の不一致によって首が疲れ易くなる問題があった。このロッキング状態での胴部と頭との姿勢の不一致は、背もたれの後傾角度が大きくなるほど顕著に現れる。また、ロッキング姿勢を採りながら机上での作業を行いたたいとの要望は潜在的に高いと言えるが、一般的な椅子はロッキングによって着座者の上半身が後ろに大きくのけ反るため、ロッキングによって着座者の肩は机から大きく離れ、その結果、キーボード操作や筆記作業はできなくなるといった問題があった。これらの問題は、基本的には特許文献1のように背もたれと座どう連動させることで改善できると言える。
しかし、特許文献1では座は全体として後傾するに過ぎないため、座が後傾する角度の分だけ背もたれの後傾角度が減少したのと同じ結果になってしまい、その結果、背もたれの後傾角度をできるだけ小さくしつつできるだけ安楽性を高めるという効果を十分に達成できていないと言える。換言すると、ロッキングに際して座が全体として後傾するだけでは、背もたれが後傾するに際しての単位角度当たりの新楽性を十分に高くできないと言える。
更に、ロッキング時には身体が伸び勝手になるため、臀部は背もたれを支点にして前向きに押される傾向を呈しており、その結果、特許文献1のようにロッキング時に座が前進しつつ後傾するに過ぎない構成では、着座者は臀部(及び大腿部)が座に対して前向きに滑るような感覚を受けることが予想され、このためロッキング時のフィット性が必ずしも十分と言い難い可能性がある。また、特許文献1は背もたれと座とを連動させるためにスライド機構とリンク機構とを組み合わせており、全体として構造が複雑になっているという点も問題であった。
本願発明はこのような現状を改善しようとするものであるが、本願には様々の特徴と利点が含まれている。
本願発明の椅子は、前後動自在な座と後傾動自在な背もたれとを備えており、前記座は、前後に区分された第1部分と第2部分とから成っており、後ろ側に位置した第2部分は第1部分に対して後傾可能であり、前記座と背もたれとが、背もたれはその上端は後退して下端は前進するように後傾しつつ全体として下降すると共に座は全体として前進しつつ第2部分が第1部分に対して後傾するように連動手段を介して連結されている構成であって、前記座の第1部分は、前記背もたれが後傾しても回動することなく側面視姿勢を変えずに前進するように座受け部で支持されており、前記背もたれの後傾時には前記座の第2部分のみが第1部分に対して後傾する。
本願発明は更に様々の構成を有している。それらの構成を請求項2〜4で例示している。このうち請求項2の発明は、請求項1において、前記座受け部は脚で支持されたベースと、前記ベースに前後動自在に連結された第1中間金具とを備えており、前記座の第1部分は前記第1中間金具に取り付けられている一方、前記座の第2部分は、前記第1中間金具に後傾動可能に連結された第2中間金具に取り付けられており、前記第2中間金具に固定された背支柱に背もたれを取り付けることにより、前記座の第2部分の後傾動と背もたれの後傾及び下降動とを連動させており、更に、前記背もたれが後傾しつつ下降するようにガイドする固定式バックサポートを備えている。
請求項3の発明は、請求項2において、前記バックサポートは背もたれの裏側に立ち上がったフレーム状又は支柱状の形態であり、前記背もたれは、当該背もたれの上下中間部を支点にして後傾しつつ下降動するようにバックサポートに連結されている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちの何れかにおいて、更に、前記座の外側に配置された肘支柱の上端に肘当てが取り付けられている肘掛け装置を有しており、前記肘支柱は、その下端を中心にして側面視で後傾するように座又は座受け部に取り付けられており、かつ、前記背もたれの後傾動の仮想中心を座面から20〜30cmの高さに位置せしめている。
背もたれの後傾動の仮想中心の前後位置は、座の前端から後ろ側に15〜25cm程度が好ましいといえる。
なお、請求項1に記載している「前後に区分」とは、第1部分と第2部分とを有するという意味であり、両者が互いに分離していることは意味していない(分離していても良いが。)。また、第1部分と第2部分との境界は明確に視認できなくても良い。
《請求項1の効果》
本願発明では、ロッキング時には、背もたれの下降動及び後傾動に連動して座は全体的に前進しつつ第2部分が後傾するが、第2部分が後傾することにより、臀部が沈み込む傾向を呈して高いフィット性を確保できる。また、座の第2部分が後傾することにより、座の後端と背もたれの下端との間隔が広がることを防止又は抑制していわゆるシャツ捲れを防止又は抑制しつつ、座の第2部分と背もたれとの成す角度をできるだけ大きくできるため、座の全体が後傾する場合に比べてロッキング時の安楽性を向上できる(ロッキングに際しての座の前端による大腿部の突き上げ感もない。)。
そして、背もたれはその上端と下端との間の位置を中心にして傾動するものであり、ロッキングに際して着座者の上半身が後ろに大きく後退することはないため、ロッキング状態で机上のモニターを易いのみならず、ロッキング姿勢を採りながら机上のキーボード操作を行うといったことも可能になるのであり、従って、本願発明の椅子は現在のオフィスワークに好適であると言える。更に述べると、ロッキング時に座の第2部分(後部)が後傾することにより、ロッキング時において身体の安定性・フィット性に優れているため、着座者はロッキング状態でもいわば椅子に深く腰掛けた状態で机上作業を行えるのであり、この点が本願発明の大きな特徴の一つである。
また、背もたれは後傾しても後ろへの動きが少ないので、他人が椅子の後ろを通るに際してロッキング状態であっても邪魔になる度合いを著しく低くすることができ、また、上半身が大きくのけ反ることがないため、身体を非ロッキング状態に戻すに際して高い腹筋力を必要とせず、このため一般的に男性に比べて腹筋が弱い女性にも好適である。
更に、女性は見た目の問題で身体を大きく反らすロッキング姿勢を避ける傾向が高いが、本願発明では目立たない状態でロッキング(リクライニング)できるため、女性が使用する椅子としても好適である。
また、背もたれはその上端と下端との間の中途部を中心にして傾動するものであるため、非ロッキング状態とロッキングとで着座者の上半身の姿勢が大きく変わることが抑制され、その結果、背もたれの角度調節も無くすことが可能になる。これにより、構造の簡素化とコストダウンとに貢献し得る(勿論、角度調節装置を設けることは可能である。)。
《請求項2に特有の効果》
請求項2のように構成すると、第2中間金具の動きで座と背もたれとが連動するため、座と背もたれとの連動構造がごく簡単になる。このように構造が単純化することにより、優れた利点を有する椅子でありながら、コストダウンや動きの確実性を実現できる。
さて、特許文献1のようにロッキングに際して座の全体に後傾する場合は、座の後傾動を支持するロッキングばねは高いばね力のものを使用せねばならず、また、座に作用した荷重はそのままロッキングばねに作用するため、仮にロッキングばねのばね力が一定であると、体重の大小によってロッキング(ばねの反力)が硬過ぎたり柔らかすぎたりする不具合があり、そこで、ロッキングの初期弾性力を身体の大きさに応じて調節せねばならない。
これに対して請求項2では、着座者の体重のかなりの割合は座のうち後傾しない第1部分で支持されているため、着座者の体重が大きく相違しても第2中間金具に作用する曲げモーメントはさほど変化はせず(すなわち、使用者に体重差があっても第2中間金具のモーメントの差としてあまり現れず)、このため、使用者の体重が大きく相違しても、一定のばね力のロッキングばねによって適度の反力が付与される。これにより、ロッキングの弾力調節装置を無くすことが可能になり、その結果、コストダウンや使用者の手間省略に貢献できる(請求項1も同様である。)。
《請求項3に特有の効果》
請求項3のように構成すると、背もたれの傾動支点が高い位置にあることにより、ロッキングに際して背もたれに大きなモーメントが作用することを著しく抑制でき、これに加えて、既述のとおり、座は第2部分のみが後傾するものであって着座者の体重差によって第2部分の回動モーメントが大きく変化することがないのであり、これら着座者の体重差があっても背もたれと座とに大きなモーメントの違いとして現れなないことにより、ロッキングばねの初期弾性力を調節することなく様々の体重の人に適度のロッキング反力が付与される。従って、ロッキングばねの初期弾性力の調節装置を無くすことを、より確実に実現できる。
《請求項4に特有の効果》
請求項4の構成では、肘掛け装置は前後に回動(スイング)するため、椅子を机の内部に深く入り込ませることが可能になる。また、腕は肘当てに載せたままで前後動させることが可能であるため、キーボード操作やマウス操作を行うに際して疲労を抑制できる。
さて、ロッキング状態でもキーボード操作やマウス操作を行う場合、腕を大きく伸ばさねばならないと作業者に不快感を与える虞がある。これに対して請求項4では、背もたれは肘当ての上面付近を仮想中心にして回動するように設定されているため、腕の位置と姿勢を殆ど変化させることなく非ロッキング状態とロッキング状態とに移行できるのであり、このため机上作業に使用する椅子としてとくに好適である
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図13では第1実施形態を示しており、図14以下では他の実施形態を示している。以下、順次説明する。なお、以下の説明で方向を示すため「前後」「手前」「後ろ」「左右」といった文言を使用するが、これらの文言は着座した人の姿勢を基準にしている。「正面視」は着座者と対向した方向から見た状態になる。
(1).第1実施形態の概要
図1は全体の概略側面図であり、まず、この図1に基づいて概要を説明する。本実施形態は事務用のいわゆる回転椅子に適用しており、椅子は、主要要素として、ガスシリンダより成る脚支柱1、座受け部2、座3、背もたれ4、背支柱5、バックサポート6、肘掛け装置7を有している。背支柱5と背もたれ4との間には、着座者の腰部が当てる部分を前向きに押すランバーサポート8が配置されており、このランバーサポート8は背支柱5で後ろから高さ調節可能に支持されている。
脚支柱1は脚装置の一部を構成するものであり、脚支柱1は、放射状に延びる複数本(一般に5本)の枝足を有する脚本体の中心部に嵌着されている。座受け部2は、脚支柱1の上端に固定されたベース9と、ベース9に第1ピン(第1支軸)10を介して前後スライド自在に取り付けられた第1中間金具11と、第1中間金具11の後端部に左右横長の第2ピン(第1支軸)13で連結された第2中間金具12とを有しており、座3はアウターシェル14を介して第1中間金具11と第2中間金具12とで支持されている。座受け部2は更に、ベース8の下面に固定された下ブラケット15を有しており、この下ブラケット15にバックサポート6が固定されている。
第1ピン10は、ベース9に形成した前後長手で水平姿勢の第1長穴16にスライド自在に嵌まっており、かつ、第2ピン13もベース9に形成した前後長手で水平姿勢の第2長穴17にスライド自在に嵌まっている。このため、第1中間金具11と第2中間金具12及びこれで支持されたアウターシェル14と座3とは前後スライド可能になっており、かつ、第2中間金具12は第2ピン13を中心にして傾動し得る。
アウターシェル14はその前寄りの2/3ほどを占める第1部分14aと、後ろ寄りの1/3ほどを占める第2部分14bとに分離しており、第1部分14aは第1中間金具11に取り付けられて第2部分14bは第2中間金具12に取り付けられている。更に、座3も前寄り2/3程度の範囲を占める第1部分3aと、後ろ寄りの1/3ほどを占める第2部分3bとからなっており、両部分3a,3bは、第2部分3bが第1部分3aに対して後傾動するように屈曲可能に連続している。
そして座3の第1部分3aはアウターシェル14の第1部分14aに固定されて、座3の第2部分3bはアウターシェル14の第2部分14bに固定されている。従って、座3は全体として前後スライドしつつ、第2部分3bは第1部分3aに対して側面視で後傾動し得る。なお、第1部分3aと第2部分3bとの前後寸法の割合は、おおむね5:5〜7:3程度が好適と言える。
背もたれ4のうち上端寄りの部位の背面は背支柱5の上端部に固定されており、また、背もたれ4の下端には下向きストッパー18aが設けられており、下向きストッパー18aは、背支柱5に設けた横向きストッパー18bに後ろから上下動可能に当接している。このため、ランバーサポート8を上下動させて背もたれ4の突出態様を変化させることができる。
背支柱5のうち上端寄りの部位(背もたれ4のおおよそ上下中間部)にはガイド体19が固定されており、このガイド体19は、バックサポート6の上端に設けたガイドピン20に上下スライド自在に嵌まっている。従って、着座者が背もたれ4に凭れ掛かると、背もたれ4は、その上端が後退して下端は前進するように傾動しつつ全体的に下降し、座3は全体として前進しつつ第2部分3bが後傾動する。
肘掛け装置7は、下ブラケット15に固定された肘支柱21と、肘支柱21に高さ調節可能に取り付けられた昇降体22と、昇降体22の上端に取り付けられた肘当て23とを有している。肘当て23は平面視で細長い形状であり、昇降体22に水平旋回自在に取り付けられている。また、肘支柱21は下ブラケット15に前後回動自在に取り付けられている。より正確には、前向きに回動し切った状態では鉛直線に対して若干の角度θ1で前倒れしており、後傾し切った状態では、前倒れ角度θ1よりも大きい角度θ2で後傾(後ろ倒れ)するようになっている。全体の回動角度(θ1+θ2)は25°程度に設定している(20〜30°が好ましい。)。
着座者が腕を肘当て23に載せたままでキーボート等の作業を行う場合、肘当て23の高さは机天板のDと同じ程度がそれよりやや高くせねばならいが、肘掛け装置7がスイングしない固定式であると、肘当て23が天板Dにつかえて椅子を机の内部に深く入り込ませることができなくなる。これに対して本実施形態では、肘掛け装置7が前後に傾動(回動)するため、椅子を机の内部に深く入り込ませることができる。その結果、好みの作業位置を選択できる。
肘掛け装置7は、ばねが組み込まれたアブソーバ24で前傾方向に付勢されている。また、肘当て23は、肘掛け装置7に内蔵した姿勢保持装置により、一端部が座3の上方に位置する横長姿勢に戻るように付勢されている。また、肘当て23は横長姿勢ではその長手方向(左右方向)に抵抗無しでスライドさせ得る。更に、肘当て23は、前後方向に延びる縦長姿勢ではその姿勢が保持されるように設定している。
(2).座受け部の詳細
次に、図2〜図9も参照して座受け部2と座3との詳細な構造を説明する。まず座受け部2の詳細を説明する。図2は縦断側面図、図3はアウターシェル14を仮想線で表示した平面図、図4はアウターシェル14と座用インナーシェル26との分離平面図、図5は主要部材の分離側断面図、図6は全体を表示した状態での図4のVI-VI 視断面図、図7は全体を表示した状態での図4のVII-VII 視断面図、図8は図7のVI-VI 視断面図、図9は図3のIX-IX 視断面図である。
例えば図6から理解できるように、ベース9は上向き開口した樋状(あるいは箱状)の形態であり、その後部内面に補ブラケット27を溶接によって固着し、ベース9と補助ブラケット27に固着されたブッシュ28に脚支柱1の上端を嵌着している。図示していないが、座受け部2には脚支柱1のプッシュバルブを操作するレバーが取り付けられている。
例えば図6に示すように、第1中間金具11はベース9に上方から被さる正面視下向き開口コの字形になっており、第1ピン10と第2ピン13とは側板11aに貫通しており、また、例えば図2ろ図5に示すように、第1長穴16と第2長穴17とはベース9の側板9aに形成されている。第1長穴16には樹脂製のブッシュを装着しているが、第2長穴17にブッシュを装着することも可能である。
例えば図2に示すように、ベース9は前板9bを有しており、前板9bにビスで固定された前部ばね受け29と第1ピン10で後ろから支持された後部ばね受け30との間にロッキングばね31を介在させている。後部ばね受け30には第1ピン10が嵌まる後ろ向き開口の溝が形成されている。また、ベース9の底板は前後ばね受け29,30及びロッキングばね31の下方の部位において段部9になっており、この段部で前後ばね受け29,30が回転不能に保持されている。
図6に示すように、第1中間金具11の左右横幅はベース9の左右横幅よりもかなり大きい寸法になっている。他方、下ブラケット15は上向き開口コの字状で第1中間金具11と同じ程度の横幅寸法になっており、その内部の左右両端部にバックサポート6の水平部6aが溶接されている。バックサポート6はスチールパイプ製であるが、板金製やダイキャスト製等とすることも可能である。
第2中間金具12は、天板と左右側板12aとを有する正面視下向き開口コの字の形態になっており、左右側板12aは第1中間金具11の外側に位置していて第2ピン13が側板12aに貫通している。左右の側板12aは、天板から前向きに突出しており、この前向き突出部に第2ピン13が貫通している。
(3).座の構造及び取り付け手段
図6、図7から理解できるように、アウターシェル14は全体として正面視で上向きに開口した浅いトレー状の形態になっており、かつ、図2に示すように、後端部は上向きに緩く湾曲しつつ立ち上がった壁状になっている。他方、座3は座インナーシェル26の上面にクッション32を張った構造になっており、座インナーシェル26は全体として正面視で上向き開口の浅いトレー状の形態をなしている。クッション32は図示しない表皮材で上から覆われている。
また、図4に示すように、座インナーシェル26には、着座者の体圧が強く作用する部分を中心にして多数のスリット33が形成されており、このスリット33の群により、着座者の体圧によって下向きに伸び変形することが許容されており、その結果、高いフィット性が得られる。そして、座インナーシェル26は座3に対応して第1部分26aと第2部分26bとに分離しており、これにより、座3が屈曲することが許容されている。座3の屈曲の中心線(折り目線)は、おおよそ着座者の尾てい骨が当たる箇所(或いはそれより僅かに前)のあたりに設定している。
本実施形態ではクッション32は全体にわたって連続しているが、クッション32も第1部分と第2部分とに分離して、座3の全体を分離構成することも可能である。なお、アウターシェル14と座インナーシェル26とはポリプロピレン等の樹脂を素材とした射出成形品である。
図4及び図6に示すように、座インナーシェル26とアウターシェル14とは、その左右端部に設けた雄型係合部34と雌型係合部35との嵌め合わせによって一体に連結されている。雄型係合部34と雌型係合部35とは、雌型係合部35を雄型係合部34に上方から嵌め入れて、次いで、座インナーシェル26を後ろ側にスライドさせると互いに噛み合って上下抜け不能に保持されるようになっている。もちろん、両者の固定方法は、単なる上下方向からの強制嵌合を採用することもできるし、ビス等のファスナを使用した固定を採用することも可能である。
図2に示すように、アウターシェル14における第1部分14aの前端寄り部位には、第1中間金具11の天板に手前から嵌合する左右一対のフロント係合爪36が形成されている。また、図3に示すように、第1中間金具11には、フロント係合爪36が左右ずれ不能に嵌まるフロント切欠き部37が形成されている。また、アウターシェル14における第1部分14aの後端部には、第1中間金具11の後端に形成したリア切欠き部38に嵌まるリアストッパー39が形成されている。従って、アウターシェル14の第1部分14aは第1中間金具11に前後左右ずれ不能で上向き抜け不能に保持されている。
他方、図2及び図3に示すように、第2中間金具12の天板の下面には、天板から後ろ向きにはみ出るストッパー板41がビス42で固定されており、このストッパー板41の後端縁に左右2カ所の切欠き部43が形成されている一方、アウターシェル14における第2部分14bには、ストッパー板41の切欠き部43に後ろ側から嵌合するリア係合爪44が形成されている。従って、アウターシェル14は前後の係合爪36,44によって上向き抜け不能に保持されている。なお、組み立てにおいて、アウターシェル14を中間金具11,12にセットしてから、ストッパー板41をリア係合爪44に嵌め込み、それからストッパー板41をビス42で第1中間金具12に固定することになる。
図4及び図7に示すように、アウターシェル14の第1部分14aと第2部分14bとは左右のヒンジ部14cを介して一体に連続している。ヒンジ部14cは正面視で水平姿勢になっており、このため、アウターシェル14はヒンジ部14cを中心にして屈曲する。換言すると、第2部分14bはヒンジ部14cを支点として後傾する。
図8でヒンジ部14cの断面形状の例を示している。(A)では特段の細工を施さずに両部分14a,14bを等しい厚さにしている。(B)では下面に台形溝(又はV溝)を形成して薄肉化しており、(C)では上面に台形溝(又はV溝)を形成して薄肉化している。(B)及び(C)では屈曲しやすくなる。アウターシェル14を構成する両部分14a,14bの下面には縦横に延びる多数のリブを45を形成している。
(4).肘支柱の取り付け構造
例えば図3,図5,図9に示すように、肘支柱21は内向き水平部21aを有しており、この水平部21aが、下ブラケット15の側面に溶接によって固着されたサイドブラケット46にブッシュ46aを介して前後回動自在に取り付けられている。水平部21aのうちサイドブラケット46の外側に位置した箇所には下向きアーム47が固着されており、下向きアーム47の下端とサイドブラケット46とにアブソーバ24がピン48,49を介して相対回動可能に連結されている。サイドブラケット46には、アブソーバ24を逃がすための穴(図示せず)が空いている。
なお、アブソーバ24に代えてガスシリンダを使用することも可能である。この場合、ガスシリンダのプッシュバルブを操作する操作手段を設けて、この操作手段をワイヤーによって遠隔的に操作できるように構成し、かつ、ワイヤーの引き操作を行うボタンやレバー等の操作具を例えば肘当て23や昇降体22に設けることも可能である。このようにすると、肘支柱21を任意の姿勢に固定したり、自由に前後スイングする状態に切り換えたりすることができるため、使い勝手がよくなる。
(5).背部の構造
次に、従前の図に加えて図10及び図11も参照して背もたれ4とその取り付け構造を説明する。図10は背面図、図11のうち(A)は縦断側面図、(B)は腰部の分離断面図であある。図11に示すように、背もたれ4は、樹脂製の背インナーシェル51とその前面に張ったクッション52とを有してお、クッション52と背インナーシェル51とは袋状の表皮材で覆われている。
そして、図10に示すように、背支柱5は縦長中心線を挟んだ左右両側に2本配置されており、背支柱5の上端には左右横長の上部材5aが固着されており、上部材5aに背インナーシェル51が固定されている。図11に示すように、背インナーシェル51には背支柱5の上部材52に重なる背面リブ53が一体に形成されており、上部材52に背面リブ53を固定している。
左右の背支柱5の下部は後傾姿勢になっている一方、第2中間金具12の後面には側面視傾斜姿勢のリア板54が溶接されており、背支柱5はリア板54に溶接されている。横向きストッパー18bは左右の背支柱5に溶接で固着されている。図示していないが、左右の背支柱5は補強部材で連結されている。
バックサポート6は背支柱5の対の左右両側に1本ずつ配置されており、左右バックサポート6の上端にはアッパーブラケット55を介して左右横長のガイドピン20が取り付けられている。アッパーブラケット55はバックサポート6に溶接してもよいし、ビス止めしても良い。また、ガイドピン20は、アッパーブラケット55に差し込みによって取り付けることも可能である。左右のバックサポート6はその適所が補強材で連結されている。
図11に示すように、ガイド体19はガイドピン20を前後から挟む樹脂製のスライダ57と、背支柱5に固定された前板58と、スライダ57に後ろから嵌まるケース59とから成っている。スライダ57の合わせ面にはガイドピン20に対する上下相対動を許容するための凹所60が相対向して形成されており、また、前板58とケース59とには、スライダ57に形成した突起に嵌まる窓穴61が空いている。前後のスライダ57は互いに重なった状態でケース59に嵌まっており、かつ、スライダ57の突起が前板58とケース59とに嵌まった状態で、それら前板58とケース59とがビス62で締結されている。
このため、ガイド体19はガイドピン20に対して上下スライド自在に嵌まっており、かつ、背支柱5及び背もたれ4はバックサポート6に対して相対的に回動し得る。なお、バックサポート6に雌型のガイド体19を設けて、背支柱5にガイドピン20を設けることも可能である。当然ながら、他の構造のガイド手段も採用できる。
(6).まとめ
図12はロッキング状態での縦断側面図である。概略で述べたように、着座した人が背もたれ4に凭れ掛かると、背もたれ4は第2ピン13を中心にして後傾するが、第2ピン13が前進するため、背もたれ4はその上下略中間部を中心にして後傾しつつ全体的に下降し、かつ、座3は全体として前進しつつ第2部分3aは後傾する(第1部分14aは水平スライドする。)。従って、本実施形態では、第1及び第2の中間金具11,12、ベース9の長穴16,17、アウターシェル14、背支柱5、バックサポート6が請求項1に記載した連動手段を構成している。
図13のうち(A)は上記実施形態の椅子と机上のモニターとの関係を示した模式図(側面図)で(B)は使用状態の模式的平面図である。ロッキングに際して座3が前進することにより、ロッキングの満足度をできるだけ高いものとすることができる。また、着座者の上半身が大きくのけ反ることはないため、人はロッキング状態で頭Hをたいして起こさなくとも机上のモニターMを正視することができるのであり、このため、首や肩の疲れを抑制できる。
背もたれ4と第2中間金具12と背支柱5とは一体の構造体と観念することができ、従って、背もたれ4は第2長穴17とガイドピン20とのガイド作用によって傾動するが、第2長穴17は水平状の姿勢であってガイド体10は上下方向に移動するため、背もたれ4は、例えばブランコが揺動すように仮想中心を中心にして回動(スイング)するのと同じ状態になっている。そして、本実施形態では、図1に示すように、背もたれ4が揺動(回動、スイング)するに際しての仮想中心64を、肘当て23の上面の付近に位置させている。
肘当て23は前後動し、また、仮想中心64自体もも背もたれ4の傾動によって移動するが、いずれにしても、仮想中心64は前進し切った位置の肘当て23の上面付近と後退し切った肘当て23の上面付近との間に位置するように設定している。また、着座者を一般的な体格の人と仮定すると、背もたれ4の回動仮想中心64は、着座者の腹部(特に臍のあたり)の前面近傍に位置している。更に、座3を基準すると、仮想中心64は、座3の前後中間部の付近の前後位置で、座面からの高さが20〜30cm程度になるように設定している。
いずれにしても、背もたれ4の傾動の仮想中心64が背もたれ4の前方で座の上方に位置していることにより、ロッキングしても着座者の上半身が全体的に後ろに後退することはないのであり、このため、ロッキング状態にいても机の天板Dから殆ど離れることはない。その結果、ロッキング状態のままでマウスmの操作やキーボードKの操作を軽快に行うことができるのである。
(7).第2〜第4実施形態
図14では、アウターシェル14におけるヒンジ部の構造の別例である第2実施形態を示している。このうち(A)の例ではヒンジ手段として蝶番66を使用している。蝶番66のフラップはビスで両部分14a,14bに固定されている。(B)及び(C)では、ピン67とこれに嵌まる軸受け部68とを両部分14a,14bに一体に形成している。(B)の例では軸受け部68は下向きに開口しており、(C)の例では軸受け部68は水平方向に開口している。
図15では第3実施形態を示している。この実施形態はアウターシェル14と座インナーシェル26とのヒンジ手段の別例であり、アウターシェル14の左右両端部と座インナーシェル26の左右両端部とにヒンジ部12c,26aを一体に形成している。従って、この実施形態では座インナーシェル26の両部分26a,26bは一体に連続している。
図16に示す第4実施形態では、連動手段としてリンク機構を採用している。すなわちこの実施形態では、先ず、座3の第1部分3aは鉛直姿勢の第1リンク71と第2リンク72との上端に相対回動可能に連結されており、第1リンク71と第2リンク72とにはそれぞれ第1ピン73,第2ピン74が上下動不能で相対回動自在に連結されており、両ピン73,74は前後長手の第1長穴75に前後スライド自在に嵌まっている。また、両リンク71,72の下端には第3ピン76と第4ピン77が上下相対動不能に連結されており、これら第3ピン76と第4ピン77とは上下長手の第2長穴78に上下スライド自在に嵌まっている。従って、両リンク71,72は一種の平行リンク機構を構成しており、両リンク71,72が前傾すると座3は前進動する。
座3の第2部分3bには下向き部材79を介して第5ピン80が連結されており、第5ピン80は第3長穴81にスライド自在に嵌まっている。従って、座3は全体として前進しつつ、第2部分3bは後傾する。背支柱(或いは背フレーム)5には後ろ側の第6ピン82と手前側の第7ピン83とが連結されており、第6ピン82は傾斜状の第4長穴84にスライド自在に嵌まっており、第7ピン83は水平状の第5長穴85に嵌まっている。かつ、第7ピン93には第2リンク72が上下スライド自在に嵌まっている。
各長穴は例えばベース9に形成されている。また、ロッキングばねはいずれかのピンを支持したらよい。この実施形態では、背もたれ4は後傾しつつ第4長穴84に沿って下降し、すると第2リンク72が前向きに押されて座3が前進動する。
(8).第5実施形態の構造(図17〜図24)
図17〜図24では第5実施形態を示している。図17(A)は非ロッキング状態(ニュートラル状態)での縦断側面図、図18はロッキング状態での縦断側面図、図19は図17の XIX-XIX視断面図、図20は図17の XX-XX視断面図、図21は座インナーシェル26を示す図で、(A)は第2部分26bの背面図、(B)は分離平面図、(C)は第1部分26aの正面図、図22は2つの部分を連結した状態での座インナーシェル26の平面図、図23はアウターシェル14を示す図で、(A)は第2部分14bの平面図、(B)は第2部分14bの正面図、(C)は第1部分14aの平面図、(B)は第1部分14aの正面図、図24のうち(A)はアウターシェル14を組み付け状態平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
本実施形態は基本的な動きは第1実施形態と同様であり、また、背もたれ4の取付け構造は基本的には第1実施形態と同じである。そこで、第1実施形態との相違点に焦点を絞って説明する。
本実施形態の第1の特徴は、図21に示すように、座インナーシェル26の第1部分26aと第2部分26bとが分離していることである。第1部分26aの後端には、左右中間部に位置した下向き鉤状のセンター係合爪87と、その左右外側に位置した下向き鉤状のサイド係合爪88とが形成されている一方、第2部分26bの前端部には、各係合爪87,88に対応したセンターピン89とサイドピン90とが形成されており、図17に明示するように、両部分26a,26bは、係合爪87,88とピン89,90との嵌め合わせによって相対回動可能に連結されている。各ピン89,90は横一列に形成されている。また、各ピン89,90は前向きに延びる左右の突片を介して形成されている。
図22に示すように、連結された状態での座インナーシェル26において第1部分26aと第2部分26bとの間に隙間91が空いている。そして、隙間91はセンター係合爪77及びセンターピン89の左右外側において平面視でスリット33に準じた円弧状の形態を成している。このため、隙間91がスリット33と同様に座インナーシェル26に対するクッション性付与機能を有している。
更に本実施形態に係る座インナーシェル26の特徴として、第2部分26bの左右中間部に下向き足部92を設け、下向き足部92を第1中間金具12で支持している。従って、座インナーシェル26の第2部分26bは下向き足部92の左右両側の部分が着座荷重で下向きに伸びるように変形する(その意義は後述する。)。アウターシェル14には、下向き足部92が下向き露出することを許容するための切欠きが形成されている。
本実施形態の特徴の一つとして、アウターシェル14の第1部分14aと第2部分14bとは分離している。そして、組み立て状態において、両部分14a,14bは左右側部(着座した人が座3の側面を手の平を当てたときに指先が掛かる位置)は互いに重なっている。重なり部を符号14a′,14b′で示している。このように両部分14a,14bに重なり部14a′,14b′を設けているのは、ロッキングに際して両部分14a,14bが相対的に近づき勝手になることから、人が誤って指先を挟まないようにするためである。
座インナーシェル26の第1部分26aがアウターシェル14の第1部分14aに固定されていて、座インナーシェル26の第2部分26bがアウターシェル14の第2部分14bに固定されていることは第1実施形態と同じである。座インナーシェル26の第1部分26aとアウターシェル14の第1部分14aとの位置決めのため、座インナーシェル26の第1部分26aには下向きボス部93を設けてアウターシェル14の第1部分14aには筒部94を設けている(図17,18ではボス93と筒部94とは表示していない。)。
本実施形態は、中間金具11,12についても特徴を有する。例えば図19に示すように、本実施形態では、ベース9における側板9aの上端に左右外向きの水平片9bを一体に設けて、この水平片9bに樹脂製等のスライド補助体95を固定している一方、第1中間金具11は、左右のサイドメンバー96とこれが固着された中間板97とを有している。中間板97はスライド補助体95の上面に当たっている一方、サイドメンバー96にはスライド補助体95の下面に位置する内向き片を96aを設けており、サイドメンバー96と中間板97とにより、スライド補助体95にスライド自在に嵌まる抱持部を形成している。このように、本実施形態では第1中間金具11は面接触によってベース9で支持されているため、安定性とスライドの円滑性とに優れている。
第1中間金具11を構成するサイドメンバー96の上端には左右外向きの上水平片96bを設けており、アウターシェル14の第1部分14aに固定したガイド体98を上水平片96bにスライド自在に嵌め込んでいる。ガイド体98は樹脂製であり、このためアウターシェル14は第1中間金具11に対してスムースにスライドする。なお、ガイド体98はアウターシェル14の第1部分14aに一体に設けることも可能である。
第2中間金具12は左右側板12aを有する断面下向き開口コの字形でかつ背面板を有している。そして、左右側板12aが第2ピン13で第1中間金具11に連結されている。第2中間金具12の上面にはスペーサ(補助板)99が固定されており、座インナーシェル26の第2部分26bはスペーサ99にビス(図示せず)で固定されており、また、座インナーシェル26における第2部分26bの下向き足部92はスペーサ99の前端部に載っている(非着座状態で足部92はスペーサ99から多少浮いていてもよい。)。
ベース9は前向きに開口しており、その前端部に前板100が上方からのめ込みで配置されており、この前板100に前部ばね受け29が固定されている。他方、第1中間金具12における中間板97には下向きブラケット102が固着されており、下向きブラケット102に後部ばね受け30を固定している。図19に示すように、後部ばね受け30が前部ばね受け29に当接することで中間金具11,12の前進位置が規制されるようになっている。
(9).第5実施形態のまとめ
第2中間金具12には背支柱5が固定されているので、ロッキングによって背もたれ4が下向き動すると、第2中間金具12は後傾しつつ前進し、第2中間金具12の押し作用によって第1中間金具11も前進する。ロッキングによって座3の第2部分3bが第1部分3aに対して後傾するが、第2部分3bは座インナーシェル26のピン89,90を中心に回動するため、第2部分3bの後傾に際して座3の表面に大きな伸びが発生することが抑制される。その結果、人が違和感を受けることがないと共に、クッション32の耐久性も向上できる。
そして、座インナーシェル26の第2部分26bはピン89,90を中心にして後傾するが、ピン89,90がアウターシェル14の底面の上方に位置しているため、座インナーシェル26が屈曲するとアウターシェル14の第2部分14bは第1部分14aに対して相対的に前進動する。そして、アウターシェル14の第1部分14aと第2部分14bとが分離していることにより、当該第1部分14aと第2部分14bとが相対動することが許容され、結果として、座インナーシェル26が屈曲すること(第2部分26bが第1部分26aに対して後傾すること)が許容される。
本実施形態ではロッキングばね31としてコイルばねねを使用ているが、第2ピン13を抱き込む状態でねじりコイルばね(キックばね)を配置すること可能である。この場合は、ねじりコイルばねの一端は第2中間金具12の下面に当接する一方、ねじりコイルばねの他端はアウターシェル14の第1部分14aの下面又は第1中間金具11に当接させたらよい。この構成を採用すると、ロッキング機構をごくコンパクト化できる(ベース9は箱形にする必要がなく、薄型化できる。)。
第2ピン13をトーションバーに置き換えることでもロッキング機構をコンパクト化できる。すなわち、例えばトーションバーの左右中間部は第1中間金具11に固定して、トーションバーの左右両端部は第2中間金具12に固定してもよい。
(10). 本実施形態の利点
さて、座を座インナーシェルにクッションが張られた構造にしている椅子において、クッション性やフィット性を高めるための工夫が従来から成されている。その一例として本願出願人は、特開2000−93250号公報において、座インナーシェル左右両端部をアウターシェル等の支持体に連結すると共に、座インナーシェルのうち特に体圧が強くかかる部分に多数のスリットを形成して伸びを許容したものを開示した。このタイプの座インナーシェルは高いフッィト性とクッション性とを有していて市場でも高い評価を受けている。
この公報のものは、座インナーシェルを両端支持とすることで伸び変形を許容したものであるが、座インナーシェルは基本的には体圧によって下向き凹状に湾曲するものであり、着座者の臀部とのフッィト性はクッションに担わせていると言える。本願発明者はこの点について考察し、座インナーシェルに身体へのフィット機能を保持させると一層高いフィット性を得ることができるとの結論に至った。そして、本実施形態の座インナーシェルを案出したものである。
すなわち本実施形態においては、座インナーシェル26における第2部分26bの左右中間部にその支持手段(高さ位置保持手段)として下向き足部92を設けて、この下向き足部92を第2中間金具12で支持しているため、座インナーシェル26の第2部分26bは下向き足部92の左右両側の部分が独立して下向き凹状に伸び変形する。そして、人の臀部は左右中間部部割れた状態になっており、座インナーシェル26からの反力(抵抗)は左右の尾てい骨の箇所において最も高くなるが、本実施形態では、第2部分26bは下向き足部92の左右両側の箇所において個別に伸び変形し、変形のピークが臀部の形態に応じて2つ存在するため、きわめて高いフィット性を確保できるのである。
本実施形態では座インナーシェル26の中間部を支持する手段として第2部分26bに下向き足部92を設けたが、中間金具11,12やアウターシェル14に支持体を設けることも可能である。また、座インナーシェル26の後部を左右独立して伸び変形させることは椅子全般に広く適用できるのであり、当然ながら、座インナーシェル26は2つの部分に分かれていなくてもよい
(11).その他
上記の各実施形態は本願発明のほんの一例であり、本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば必ずしもアウターシェルは必要ないのであり、例えばアウターシェルを使用せずに、座インナーシェルを直接に中間金具に取り付けることも可能である。
また、座の第2部分はその後端が最も大きく下降するように撓み変形させることも可能である。更に、第2部分を段階的に屈曲させることも可能である。ロッキングを弾性的に支持するばね手段としてはガスシリンダ等も使用できる。
肘掛け装置を設ける場合、背もたれと一体に動く第2中間金具や背支柱に取り付けることも可能である。中間金具は樹脂製とすることも可能である。
第1実施形態に係る椅子の全体の概略側面図である。 図2は縦断側面図である。 アウターシェルを仮想線で表示した平面図である。 アウターシェルと座用インナーシェルとの分離平面図である。 主要部材の分離側断面図である。 全体を表示した状態での図4のVI-VI 視断面図である。 全体を表示した状態での図4のVII-VII 視断面図である。 図7のVI-VI 視断面図である。 図3のIX-IX 視断面図である。 背部の背面図である。 (A)は縦断側面図、(B)は腰部の分離断面図である。 ロッキング状態での縦断側面図である。 椅子と机上のモニターとの関係を示した模式図的側面図である。 第2実施形態を示す図である。 第3実施形態を示す図である。 第4実施形態を示す図である。 第5実施形態を示す図で、(A)は非ロッキング状態(ニュートラル状態)での縦断側面図、(B)は座インナーシェルの部分的な分離断面図である。 ロッキング状態での縦断側面図である。 図17の XIX-XIX視断面図である。 図17の XX-XX視断面図である。 座インナーシェルを示す図で、(A)は第2部分の背面図、(B)は分離平面図、(C)は第1部分の正面図である。 連結状態での座インナーシェルの平面図である。 アウターシェルを示す図で、(A)は第2部分の平面図、(B)は第2部分の正面図、(C)は第1部分の平面図、(B)は第1部分の正面図である。 (A)はアウターシェルの組み付け状態での平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。
2 座受け部
3 座
3a 座の第1部分
3b 座の第2部分
4 背もたれ
5 背支柱
6 バックサポート
7 肘掛け装置
8 ランバーサポート
9 ベース
11 座受け部を構成する第1中間金具
12 座受け部を構成する第2中間金具
14 アウターシェル
14a アウターシェルの第1部分
14b アウターシェルの第2部分
19 ガイド体
20 ガイドピン
21 肘支柱
22 昇降体
23 肘当て
26 座インナーシェル
31 ロッキングばね

Claims (4)

  1. 前後動自在な座と後傾動自在な背もたれとを備えており、前記座は、前後に区分された第1部分と第2部分とから成っており、後ろ側に位置した第2部分は第1部分に対して後傾可能であり、前記座と背もたれとが、背もたれはその上端は後退して下端は前進するように後傾しつつ全体として下降すると共に座は全体として前進しつつ第2部分が第1部分に対して後傾するように連動手段を介して連結されている構成であって、
    前記座の第1部分は、前記背もたれが後傾しても回動することなく側面視姿勢を変えずに前進するように座受け部で支持されており、前記背もたれの後傾時には前記座の第2部分のみが第1部分に対して後傾する、
    ロッキング椅子。
  2. 前記座受け部は脚で支持されたベースと、前記ベースに前後動自在に連結された第1中間金具とを備えており、前記座の第1部分は前記第1中間金具に取り付けられている一方、前記座の第2部分は、前記第1中間金具に後傾動可能に連結された第2中間金具に取り付けられており、前記第2中間金具に固定された背支柱に背もたれを取り付けることにより、前記座の第2部分の後傾動と背もたれの後傾及び下降動とを連動させており、更に、前記背もたれが後傾しつつ下降するようにガイドする固定式バックサポートを備えている、
    請求項1に記載したロッキング椅子。
  3. 前記バックサポートは背もたれの裏側に立ち上がったフレーム状又は支柱状の形態であり、前記背もたれは、当該背もたれの上下中間部を支点にして後傾しつつ下降動するようにバックサポートに連結されている、
    請求項2に記載したロッキング椅子。
  4. 更に、前記座の外側に配置された肘支柱の上端に肘当てが取り付けられている肘掛け装置を有しており、前記肘支柱は、その下端を中心にして側面視で後傾するように座又は座受け部に取り付けられており、かつ、前記背もたれの後傾動の仮想中心を座面から20〜30cmの高さに位置せしめている、
    請求項1〜3のうちの何れかに記載したロッキング椅子。
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