JP2015080652A - 椅子 - Google Patents

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Abstract

【課題】着座者の背中に違和感を与えることなく座り心地を良くした椅子を提供する。
【解決手段】支持構造体に支持される背凭れを備え、背凭れは上下方向に延在する背板を有した椅子である。背板は背凭れ支持部に対向して配置され、かつ、その表面と直交する方向への弾性変形許容度が背板の他の部位に比べて相対的に大である変形部を有する。変形部の近傍でかつ変形部の左右方向外側に対応する部位であるとともに、背板と背凭れ支持部とが対向する部位に、背凭れ支持部に対して背板を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部20を有している。
【選択図】図6

Description

本発明は、背凭れを備える椅子に関する。
従来、背凭れを備えた椅子として、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されたものが知られている。これらの特許文献に開示された椅子では、背凭れを構成する部材の一つである背板に、面方向と直交する方向への弾性変形が他部位より大きくなる変形部が形成されている。
特許文献1には、背板の上端部よりやや下方であり、かつ、左右方向略中央部にあたる領域に、上端部において前記背板に連結(一体化)され、下端部が背板と切り離されて遊端部となっている変形部が形成された、椅子が開示されている。
また、特許文献2、特許文献3には、背板に多数の開口部を形成することによって、面方向と直交する方向への弾性変形許容度を高めた椅子が開示されている。
このような変形部を形成したことにより、前記の椅子では着座者が背凭れに荷重をかけた際に背中の後方への沈み込みが助長されるようになり、座り心地が良くなっている。
特許第4477667号公報 特許第4888965号公報 特許第5276304号公報
ところで、このように着座者の背中の後方への沈み込みを助長する背凭れの構造を実現するには、背板は左右両側部において支持構造体に強固に接続され、支持されている必要がある。
しかし、背板の左右両側部を支持構造体に強固に接続すると、背板は後方へ大きく変形する左右方向中央部の変形部と、後方へほとんど変形することのない左右両側部とに分断されてしまい、両部位の間には段差などの大きな不連続部分が形成されてしまう。このような大きな不連続部分は、着座者の背中に違和感を与える要素となり、人によっては不快感を覚えてしまうおそれがある。
本発明は前記課題に鑑みてなされたもので、支持構造体に対して変形し易い変形部を背板に形成するにあたり、この変形部と背板の変形部を除いた本体部(背板本体)との間に大きな不連続部分が形成されてしまうのを防止し、これによって着座者の背中に違和感を与えることなく、座り心地を良くした椅子を提供することを目的としている。
本発明の椅子は、支持構造体と、前記支持構造体に支持される背凭れと、を備え、前記背凭れは、上下方向に延在する背板を有した椅子において、前記支持構造体は、上下方向に延在する背凭れ支持部を有し、前記背板は、その裏面が少なくとも一部で前記背凭れ支持部に対向して配置され、かつ、その表面と直交する方向への弾性変形許容度が背板の他の部位に比べて相対的に大である変形部を有し、前記変形部の近傍でかつ該変形部の左右方向外側に対応する部位であるとともに、前記背板と前記背凭れ支持部とが対向する部位に、前記背凭れ支持部に対して前記背板を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部を有していることを特徴とする。
この椅子によれば、背板に設けた変形部の近傍でかつ該変形部の左右方向外側に対応する部位に、背凭れ支持部に対して背板を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部を有しているので、着座者が背中を背凭れに凭れた際、変形部の左右方向外側の部位が変形部の後方への弾性変形に追従するのを前記前後動部が補助し、変形部の左右方向外側の部位を後方へ案内する。したがって、変形部の弾性変形に追従させて変形部の左右方向外側の部位を後方へ変形させることにより、変形部とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されるのを防止することができる。
また、前記椅子において、前記前後動部は、前記背板と前記背凭れ支持部との一方に形成された嵌合突部と、他方に形成され、前記嵌合突部を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部と、を有して構成されているのが好ましい。
この構成によれば、前後動部を嵌合突部と嵌合凹部とによって構成しているので、背凭れ支持部に対して背板を取り付ける際の前後動部を組み立てる作業が、嵌合突部と嵌合凹部とを移動可能に嵌合させるだけでよく、したがってその作業が容易になる。
また、前記椅子において、前記前後動部には、前記嵌合突部が前記嵌合凹部から抜け出るのを防止する抜け止め部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、抜け止め部によって嵌合突部が嵌合凹部から不測に抜け出るのが防止されているため、背凭れ支持部から背板が不測に外れてしまうのを確実に防止することができる。したがって、背板と背凭れ支持部とを接続する部位が別に設けられていない場合でも、背板に対する背凭れ支持部の支持強度をある程度確保することができる。
また、前記椅子において、前記前後動部には、前記嵌合突部が前記嵌合凹部に嵌合している状態で、前記嵌合凹部に対して前記嵌合突部を回動可能にする回動部が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、前後動部に、その嵌合凹部に対して嵌合突部を回動可能にする回動部を設けているので、前後動部を支点として背板を背凭れ支持部に対して左右方向に回動させた際、前後動部自体が変形部に対してその外側または内側に移動する前に、嵌合突部が回動部の範囲内で嵌合凹部に対して回動する。したがって、変形部の左右方向外側の部位に左右方向への回動力が加えられても、変形部とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されるのを抑制することができる。
また、前記椅子において、前記背板は、前記前後動部とは異なる部位において前記背凭れ支持部に連結されていることが好ましい。
この構成によれば、背凭れ支持部と背板との間の相互の接続強度を高めることができる。
また、前記椅子において、前記背板は、前記前後動部より上方において前記背凭れ支持部に連結されていることが好ましい。
この構成によれば、前後動部に対して嵌合突部と嵌合凹部との嵌合が外れる方向への外力が作用しても、前後動部から離間した部位となる上方の連結部分でその外力を分散させつつ、背凭れ支持部で背板を支持することができる。したがって、背凭れ支持部と背板との間の相互の接続強度をより高めることができる。
本発明の椅子によれば、着座者が背中を背凭れに凭れた際、変形部の左右方向外側の部位が変形部の後方への弾性変形に追従して後方へ移動するのを前後動部が案内するようにしたので、変形部とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されてしまうのを防止することができる。したがって、着座者の背中に違和感を与えることなく、座り心地を良くすることができる。
本発明に係る椅子の第1実施形態の概略構成を示す側面図である。 図1に示した椅子の背面図である。 アウターカバーの内面を示す正面図である。 図3のA−A線矢視断面に対応した部位の背凭れ部の側断面図である。 図3のB−B線矢視断面に対応した部位の背凭れ部の側断面図である。 (a)〜(c)は前後動部の概略構成を示す要部断面図である。 背凭れ本体の背面図である。 (a)は背板の正面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図、(c)は(a)のD−D線矢視断面図である。 第2実施形態の椅子におけるアウターカバーの内面を示す正面図である。 第2実施形態の椅子における背凭れ本体の背面図である。 (a)〜(c)は前後動部の概略構成を示す要部断面図である。
以下、本発明に係る椅子の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下の説明においては、椅子1に正規姿勢で着座した人の正面が向く向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子に正規姿勢で着座した人の上方の向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子1に正規姿勢で着座した人の左側の向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。すなわち、鉛直方向を上下方向と呼び、水平方向を左右方向と呼ぶ。
図1は本発明に係る椅子の第1実施形態の概略構成を示す側面図、図2は図1に示した椅子の背面図であり、これらの図において符号1は椅子である。この椅子1は、フロア上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体4と、支基3の上面に取り付けられて座体4を支持する座受部材5と、支基3から後部上方側に延出して座体4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ部6と、を備えて構成されている。
脚部2は、キャスタ7a付きの多岐脚7と、多岐脚7の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱8とを備え、脚柱8の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱8の昇降調整機構と背凭れ部6の傾動調整機構が内蔵されている。背凭れ部6は、側面視略L字状の支持フレーム9と、支持フレーム9の上部側に取り付けられたアウターカバー10と、アウターカバー10の前面側に設けられて座体4に着座した着座者の背中を直接支持する背凭れ本体11とを備えて構成されている。ここで、アウターカバー10は、本発明における背凭れ支持部となるものである。なお、支持フレーム9の前部下端は支基3内の傾動調整機構に連結されている。また、脚部2、支基3、座体4、座受部材5、支持フレーム9、およびアウターカバー10(背凭れ支持部)により、本発明の支持構造体が構成されている。
背凭れ部6を構成するアウターカバー10は、樹脂や金属等の板材からなるもので、その内面を示す正面図である図3に示すように、その内面側略中央部に形成された一対の取付部10aが一対の支持フレーム9、9の上端部に係合することにより、これら支持フレーム9、9に支持された略矩形板状のものである。このアウターカバー10には、その内面側に複数のリブ12が形成されており、これによってアウターカバー10は、着座者の体重を支える強度部材となっている。リブ12は、上下方向および水平方向に沿って複数形成されるとともに、上部側では斜め方向にも形成され、さらにアウターカバー10の外周部ではその外形に沿って環状に形成されており、これによって着座者の体重がかかってもこれを良好に支持できるようになっている。
また、アウターカバー10には、その上端部に第1枢支部13が形成され、左右両側部にそれぞれ嵌合突部14が形成されている。本実施形態では、第1枢支部13は左右方向に4つ略等間隔で形成され、嵌合突部14は上下方向に3つずつ形成されている。
4つの第1枢支部13のうち、内側の2つの第1枢支部13は、図3、および図3のA−A線矢視断面に対応した部位の背凭れ部6の側断面図である図4に示すように、アウターカバー10の内面から前方に突出して形成された一対の支持板13a、13aと、これら支持板13a、13a間に挟持された四角柱状の係止ブロック13bとによって構成されている。なお、係止ブロック13bには、図4に示すようにその前面側(背板15側)に開口する穴部が形成されている。
また、4つの第1枢支部13のうち、外側の2つの第1枢支部13も、図3、および図3のB−B線矢視断面に対応した部位の背凭れ部6の側断面図である図5に示すように、アウターカバー10の内面から前方に突出して形成された一対の支持板13a、13aと、これら支持板13a、13a間に挟持された四角柱状の係止ブロック13bとによって構成されている。ただし、図5に示した外側の第1枢支部13は、図4に示した内側の第1枢支部13に比べて、その前後方向の寸法が少し短く形成されている。
嵌合突部14は、後述する前後動部20の概略構成を示す要部断面図である図6(a)〜(c)に示すように、保持部33上に形成された円筒状の突部本体14aと、この突部本体14aの先端部に形成された突部側係止部14bとからなっている。突部側係止部14bは、突部本体14aの先端部から外側に円環状に突出して形成された部位であり、後述する嵌合凹部18の凹部側係止部18bに係止する部位である。
背凭れ部6を構成する背凭れ本体11は、本発明における背凭れとなるもので、図4、図5および背凭れ本体11の背面図である図7に示すように、背板15とこれの表面側全面及び裏面側外周部を覆うシート状の張材16とを有して構成されている。張材16は、樹脂等によって形成された伸縮性、可撓性を有するもので、その裏面にウレタン等からなるクッション材(図示せず)を有している。クッション材も、張材16と同様に伸縮性、可撓性を有したもので、張材16の裏面に溶着され、その状態で背板15を覆っている。
背板15は、樹脂や金属等の弾性変形可能な板材からなり、その正面図である図8(a)に示すように、図3に示したアウターカバー10と略同形の略矩形板状のものである。この背板15には、図7に示したようにその裏面側の上端部に前記アウターカバー10の第1枢支部13に係止する第2枢支部17が形成され、左右両側部にそれぞれ前記嵌合突部14と嵌合する嵌合凹部18が形成されている。なお、背板15の第2枢支部17が形成された部位には、該第2枢支部17の前後方向の変位を可能にするための切欠(図示せず)が形成されており、したがって第2枢支部17は、図8(a)に示すようにこの切欠を通して背板15の前面(表面)側からも見えている。
第2枢支部17も、第1枢支部13と同様に左右方向に4つ略等間隔で形成されており、これら4つの第2枢支部17のうち内側の2つの第2枢支部17は、図4に示すように前記第1枢支部13の支持板13aの先端部にそれぞれ当接してこれらを支持する一対の受け板17aと、受け板17aの後方(アウターカバー10側)に設けられた係止片17bとを有して構成されている。係止片17bは、背板15の裏面に形成された左右方向に延びるリブ15aから下方に延びて形成されており、その下端部に、背板15の前側に向けて突出する係止部17cを有している。
係止片17bは、その先端側がアウターカバー10の前記第1枢支部13の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で係止部17cが第1枢支部13の係止ブロック13bに係脱可能に係止させられたことにより、第1枢支部13に係止している。すなわち、第2枢支部17は、受け板17a、17aが第1枢支部13の支持板13a、13aの先端部に当接してこれらをそれぞれ支持し、係止片17bが一対の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で係止部17cが係止ブロック13bに回動可能に係止させられたことにより、第1枢支部13に係脱可能に係止している。
また、4つの第2枢支部17のうち、外側の2つの第2枢支部17も、図5に示すように、前記第1枢支部13の支持板13aの先端部にそれぞれ当接してこれらを支持する一対の受け板17aと、受け板17aの後方(アウターカバー10側)に設けられた係止片17bとを有して構成されている。ただし、外側の2つの第2枢支部17では、係止片17bに係止部17cが形成されておらず、したがって係止片17bは、一対の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で単に係止ブロック13bに当接させられている。
このように第2枢支部17が第1枢支部13に係脱可能に係止していることにより、背板15は第2枢支部17を形成した上端側を回動軸としたその軸回りに、アウターカバー10に回動可能、かつ着脱可能に取り付けられ、支持されている。そして、これら第1枢支部13と第2枢支部17とによって枢支部19が形成されている。
また、嵌合凹部18は、図6(a)〜(c)に示すように円筒状の凹部本体18aと、この凹部本体18aの先端部に形成された凹部側係止部18bとからなっている。凹部本体18aは、その内部孔内に前記嵌合突部14の突部本体14aを移動可能に嵌合させるようになっており、したがってこの内部孔が、実質的な凹部本体18aとなっている。
凹部側係止部18bは、凹部本体18aの先端部から内側に円環状に突出して形成された部位であり、前記嵌合突部14の突部側係止部14bに係止する部位である。
このような構成のもとに、嵌合凹部18の凹部側係止部18bと嵌合突部14の突部側係止部14bとは、本発明に係る抜け止め部となっている。
ここで、円筒状の凹部本体18aは、図8(a)に示すようにその周方向に4分割されており、これによって4分割された各側壁は、それぞれ周方向外方に弾性変形可能になっている。したがって、図6(a)〜(c)に示したように嵌合突部14を凹部本体18aの内部孔内に挿通し、突部側係止部14bを凹部側係止部18bに係止させるべくこれを乗り越えさせる際、前記の4分割された各側壁が周方向外方に弾性変形することにより、嵌合突部14を凹部本体18aの内部孔内に容易に挿通する。また、突部側係止部14bが凹部側係止部18bを乗り越えた後には、前記の各側壁が弾性復帰することで、突部側係止部14bと凹部側係止部18bとは良好に係止する。
ここで、凹部側係止部18bに突部側係止部14bが係止した状態では、円筒状の凹部本体18aの先端と嵌合突部14側の保持部33との間は所定長さL分、離間している。したがって、背板15がアウターカバー10に向かって変形した際には、嵌合凹部18は嵌合突部14に対して前記所定長さLに相当する距離分、相対的に移動可能になっている。すなわち、所定長さLに相当する距離が、嵌合凹部18に対する嵌合突部14の、前後方向への変位可能量となっている。
また、嵌合凹部18を構成する円筒状の凹部本体18aには、その先端部、すなわち凹部側係止部18bと凹部本体18aの先端との間に、本発明における回動部となるクリアランス部18cが形成されている。このクリアランス部(回動部)18cは、凹部本体18aの先端部の内周面が先端側に行くに連れて漸次拡径するように略テーパ状に切り欠かれて形成されている。したがってクリアランス部18cは、嵌合突部14が嵌合凹部18に嵌合している状態で、嵌合凹部18に対して嵌合突部14を全方位(360°の方向)に所定角度回動可能にしている。このようなクリアランス部18cを形成したことにより、前後動部20を支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部18はクリアランス部18cの範囲内で嵌合突部14に対して相対的に回動可能になっている。すなわち、嵌合突部14はクリアランス部18cの範囲内で嵌合凹部18に対して回動可能になっている。
このような構成の嵌合突部14と嵌合凹部18とにより、本発明に係る前後動部20が形成されている。すなわち、前後動部20は、背凭れ本体11の上端部側に配置された枢支部19よりも下端部側に離間する部位に配置されて、アウターカバー10に対して背板15を前後方向に変位させ、かつ案内するようになっている。本実施形態では、前後動部20は左右に3つずつ、合計6箇所に形成されている。なお、本実施形態ではアウターカバー10に嵌合突部14を形成し、背板15に嵌合凹部18を形成したが、逆に、アウターカバー10に嵌合凹部18を形成し、背板15に嵌合突部14を形成することで、前後動部20を形成してもよい。
このような前後動部20と前記の枢支部19とを備えることにより、本実施形態のアウターカバー10と背板15とは、互いに着脱可能に一体化されている。すなわち、アウターカバー10に対してその第1枢支部13に背板15の対応する第2枢支部17がそれぞれ係止させられ、その状態で第2枢支部17側(上端側)を回動軸にして背板15の下端側がアウターカバー10に向けて回動させられ、アウターカバー10の嵌合突部14にそれぞれ対応する背板15の嵌合凹部18が嵌合させられる。これにより、アウターカバー10に対して背板15が回動可能に取り付けられ、したがってアウターカバー10と背板15とが着脱可能に一体化されている。
また、背板15には、図7、図8(a)に示すように上下方向に延びる一対の縦スリット21が背板15の左右両側に形成されている。これら縦スリット21、21は、前記嵌合凹部18の上側の二つ(二対)の近傍で、かつこれらより背板15の左右方向中央部に形成配置され、また、前記第2枢支部17の下側近傍部より前記嵌合凹部18の上から二つ目の近傍部にまで延びて形成されている。なお、前記嵌合凹部18の上から二つ目は、背板15の上下方向の長さの、下からほぼ1/4の長さとなる位置に形成されている。
これら一対の縦スリット21、21間は、着座者の背中である腰(臀部およびその近傍)から肩までの間が主に当接する部位であり、背板15の他の部位、すなわち縦スリット21、21間を除いた部位である背板本体22より変形が容易な変形部23となっている。背板本体22には、その左右両側、すなわち嵌合凹部18の外側にリブ(図示せず)が形成されている。
したがって、背板本体22では、このようなリブや、さらには前記枢支部19を構成する第1枢支部13と第2枢支部17との間の係止、および前記前後動部20を構成する嵌合突部14と嵌合凹部18と間の嵌合により、その変形許容度が小さくなるように構成されている。ただし、変形部23の左右方向外側では、前後動部20によって背板15が前後方向に変位させられ、案内されるようになっている。一方、一対の縦スリット21、21によって背板本体22から分離されている変形部23では、アウターカバー10との間に該変形部23の前後方向の変形を規制する部材が設けられていないため、背板本体22に比べて変形が容易になっている。
本実施形態では、一対の縦スリット21、21は左右対称に形成配置されており、これら縦スリット21、21間の幅が、上端から下端側(下部)の所定位置に行くに連れて漸次狭くなるように形成されている。そして、下部の所定位置で縦スリット21、21間の幅が最も狭くなった後、この所定位置よりさらに下端側に行くに連れて漸次広くなるように形成されている。なお、縦スリット21、21は、本実施形態では直線状に形成されることなく、曲線状(流線形状)に形成されている。
ここで、縦スリット21、21間に形成された変形部23には、図8(a)のC−C線矢視断面図である図8(b)に示すように、背凭れ本体11の下部となる部位、すなわち背板15の下端よりやや上方(前記嵌合凹部18の上から二つ目の位置よりやや上)の部位に、突出部24が形成されている。すなわち、この突出部24は、図7、図8(a)に示した、縦スリット21、21間の間隔が最も狭くなっている所定位置に形成されている。このような突出部24は、図8(b)に示すように背板15がその上下方向に沿って上端から下端側に行くに連れて漸次前方へ突出し、その後さらに下端側に行くに連れて漸次後方に引っ込むことにより、前方へ突出した凸形状となっている。
なお、この突出部24は、全体的に変形部23の上下の部位や縦スリット21、21の外側の背板本体22より前方へ突出しているものの、図8(a)のD−D線矢視断面図である図8(c)に示すように、左右方向では同じ高さで前方へ突出することなく、左右両側24aで相対的に大きく突出し、中央部24bでは相対的に小さく突出している。したがって、突出部24は、見かけ上は左右両側24aが前方に突出し、中央部24bが相対的に後方に引っ込んだ湾曲形状となっている。
このような突出部24の形成位置は、図1に示した椅子1に人が正規に着座したときの、着座者の臀部から腰の上方までの範囲の適所が当たる位置となる。したがって、この突出部24は、背板15上にクッション材、張材16が被着されて背凭れ本体11とされることにより、この背凭れ本体11において例えばランバーサポート部を形成する部位となる。すなわち、図1に示した椅子1に人が正規に着座したとき、着座者の腰およびその近傍を後方から押圧して着座者の背骨をS字状に維持するように機能する。
ここで、前記の前後動部20は、図7、図8(a)に示すように変形部23の左右方向外側にて、それぞれ上下方向に3つずつ形成されている。図6(a)は、これら前後動部20のうちの左右一方の側の最上部に形成された前後動部20を示しており、図6(b)は、左右一方の側の中央部、すなわち前記突出部24の近傍に形成された前後動部20を示しており、図6(c)は、左右一方の側の最下部に形成された前後動部20を示している。
本実施形態では、図6(a)〜(c)に示したように全ての前後動部20で、その嵌合凹部18に対する嵌合突部14の前後方向への変位可能量Lが同じに形成されている。したがって、背板本体22の前後動部20の近傍部では、上部、中間部、下部の全てで、アウターカバー10側への変形許容量が同じになっている。
また、本実施形態では、図7、図8(a)に示すように縦スリット21、21にはそれぞれ、横可撓片25が設けられている。横可撓片25は、縦スリット21、21の上下方向中間部よりやや下側に設けられており、縦スリット21、21で分断された左側と右側、すなわち背板本体22と変形部23との間に設けられている。この横可撓片25は、縦スリット21の幅よりも長寸に形成された弾性変形可能なもので、一端側が背板本体22に接続し、他端側が変形部23に接続することにより、背板本体22と変形部23とを互いに連結している。なお、この横可撓片25は背板15と一体成型されており、したがって背板15と同じ材質で形成されている。ただし、二色成型を行うことで、横可撓片25を他の背板部分とは異なる材質で形成してもよい。
なお、本実施形態では横可撓片25が配設される箇所では縦スリットの幅が他の箇所より広く形成されており、したがって横可撓片25はこの広く形成された縦スリットの幅よりさらに長寸(幅広)に形成されている。このような横可撓片25は、椅子1に人が着座し、着座者が背凭れ本体11(背凭れ部6)に背を凭れて体重をかけた際に、変形部23が背板本体22に対して後方に過度に変形するのを、制限するように機能する。すなわち、変形部23が背板本体22に対して大きく変形すべく縦スリット21が大きく開くのを、横可撓片25は制限するようにその幅が適宜な長さに形成されている。
また、背板15には、一対の縦スリット21、21のそれぞれの中間部間、本実施形態では前記横可撓片25が設けられた位置よりやや上側に、これら縦スリット21、21間を連通させる横スリット26が左右方向に形成されている。これによって変形部23は、横スリット26で分断された下側が第1変形部27とされ、上側が第2変形部28とされている。なお、前記突出部24は第1変形部27に設けられている。
このようにして形成された第1変形部27は、縦スリット21、21、横スリット26によって3方が背板本体22や第2変形部28から分断されていることにより、背板本体22との連結部となる下端部を回動軸としたその軸回りに、前後方向に回動可能、すなわち弾性変形可能になっている。同様に第2変形部28も、背板本体22との連結部となる上端部を回動軸としたその軸回りに、前後方向に回動可能(弾性変形可能)になっている。したがって、これら第1変形部27、第2変形部28は、基本的にはそれぞれ独立して変形するようになっている。
横スリット26は、本実施形態では三つの直線部と二つの湾曲部とが左右方向に交互に配置された非直線状に形成されている。そして、三つの直線部に、それぞれ縦可撓片29が設けられている。縦可撓片29は、横スリット26で分断された下側と上側、すなわち第1変形部27と第2変形部28との間に設けられている。この縦可撓片29は、前記横可撓片25と同様に、横スリット26の幅よりも長寸に形成された弾性変形可能なもので、一端側が第1変形部27に接続し、他端側が第2変形部28に接続することにより、第1変形部27と第2変形部28とを互いに連結している。なお、この縦可撓片29も背板15と一体成型されており、したがって背板15と同じ材質で形成されている。ただし、二色成型を行うことで、縦可撓片29を他の背板部分とは異なる材質で形成してもよい。
このような縦可撓片29も、椅子1に人が着座し、着座者が背凭れ本体11(背凭れ部6)に背を凭れて体重をかけた際に、変形部23が背板本体22に対して後方に過度に変形するのを制限するように機能する。すなわち、第1変形部27と第2変形部28とが共に背板本体22に対して大きく変形すべく横スリット26が大きく開くのを、縦可撓片29は制限するようにその幅が適宜な長さに構成されている。
また、変形部23には、これを構成する第1変形部27、第2変形部28のそれぞれに、上下方向に延びる補助スリット30が形成されている。第1変形部27には、一対の縦スリット21、21間を5分割するようにして4つの補助スリット30が、左右方向に等間隔で並列配置されている。これら補助スリット30は、縦スリット21の下端の高さから突出部24を通って横可撓片25が配置された位置の近傍の高さまで、上下に延びて形成されている。すなわち、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側に形成配置されている。
一方、第2変形部28にも、一対の縦スリット21、21間を5分割するようにして4つの補助スリット30が左右方向に等間隔で並列配置されている。これら補助スリット30は、縦スリット21の上端部およびその近傍の高さにて、上下に延びて形成されている。すなわち、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側に形成配置されている。
このような補助スリット30は、第1変形部27、第2変形部28のいずれにおいても、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側、すなわち第1変形部27、第2変形部28が変形する際の回動軸となる側に形成配置されているので、第1変形部27、第2変形部28のいずれにおいても、回動軸側でより変形を起こり易くする。したがって、第1変形部27内、第2変形部28内において、それぞれの上端側と下端側とで撓み量に大きな差が生じるのを抑えることができる。
また、背板15は、図4、図8(b)に示すように、第2変形部28(変形部23)より上の上端部31が後方に向かって湾曲して形成されている。この背板15の上端部31は、第2変形部28(変形部23)の上端部との間において段差の無い連続した同一面に形成されている。
このような構成からなる背板15には、図4に示したようにクッション材を裏面に溶着した張材16が背板15の表面(正面)側に被着され、さらにこの張材16の外周側が図7に示すように背板15の裏面側に張り回されている。そして、この張材16の上下方向における略中央部の左右両端部が紐32によって連結されることにより、張材16は背板15の表面(正面)側全面を覆ってこれに着脱可能に被着されている。その際、張材16やクッション材は伸縮性、可撓性を有しているので、背板15の表面形状に倣って変形する。
したがって、背凭れ本体11の正面側の表面、すなわち張材16の表面には、下地である背板15の表面形状がほぼそのままに反映される。すなわち、背凭れ本体11の正面(張材16の表面)には、背板15の突出部24に倣って前方へ突出する凸形状の突出部(図示せず)が形成される。また、背板15の変形部23に対応して、背凭れ本体11にも変形部(図示せず)が形成される。
また、このようにして張材16を被着した背板15、すなわち背板15と張材16(クッション材を含む)とからなる背凭れ本体11は、前述したように背板15がアウターカバー10に取り付けられることで背凭れ部6となる。すなわち、背板15がその上端部近傍に配設された枢支部19によって背板15の面方向に沿うとともに水平方向に沿う軸を回動軸としたその軸回りに、アウターカバー10に対して回動可能に支持され、さらに前後動部20によって背板15とアウターカバー10とが互いに連結されることにより、背凭れ部6となる。これにより、図1に示したように背凭れ部6が支持フレーム9に支持された椅子1が構成される。
このような椅子1にあっては、背板15に形成した変形部23の近傍でかつ該変形部23の左右方向外側に対応する部位に、アウターカバー10に対して背板15を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部20を有しているので、着座者が背中を背凭れ本体11に凭れた際、変形部23の左右方向外側の部位が変形部23の後方への弾性変形に追従するのを前記前後動部20が補助し、変形部23の左右方向外側の部位を後方へ案内する。したがって、変形部23の弾性変形に追従させて変形部23の左右方向外側の部位を後方へ変形させることにより、変形部23とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されるのを防止することができる。よって、着座者の背中に違和感を与えることなく、座り心地を良くすることができる。
特に、本実施形態では一対の縦スリット21、21間に変形部23を形成しているので、変形部23が後方へ弾性変形した際、変形部23の左右方向外側の部位が変形部23のさらに左右方向外側へ逃げてしまうと、縦スリット21がその幅を拡げてしまうことで変形部23とその左右方向外側の部位との間により大きな隙間(不連続部分)が形成され、着座者の背中により大きな違和感を与えてしまうおそれがある。しかし、前後動部20によって変形部23の左右方向外側の部位をさらに外側に逃がすことなく、後方へ案内するようにしたので、縦スリット21の幅が拡がるのを抑え、したがって大きな不連続部分が形成されるのを防止することができる。これにより、前述したように着座者の背中に違和感を与えることなく、座り心地を良くすることができる。
また、前後動部20を嵌合突部14と該嵌合突部14を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部18とによって構成しているので、アウターカバー10に対して背板15を取り付ける際の前後動部20を組み立てる作業を、単に嵌合突部14と嵌合凹部18とを移動可能に嵌合させるだけでよく、したがってその作業を容易にすることができる。
また、前後動部20に、嵌合突部14が嵌合凹部18から抜け出るのを防止する抜け止め部を設け、この抜け止め部によって嵌合突部14が嵌合凹部18から不測に抜け出るのを防止しているので、アウターカバー10から背板15が不測に外れてしまうのを確実に防止することができる。したがって、背板15とアウターカバー10とを接続(連結)する部位がたとえ前後動部20以外に設けられていない場合でも、背板15に対するアウターカバー10の支持強度をある程度確保することができる。
また、前後動部20に、嵌合突部14が嵌合凹部18に嵌合している状態で、嵌合凹部18に対して嵌合突部14を回動可能にするクリアランス部18c(回動部)を設けているので、前後動部20を支点として背板15をアウターカバー10に対して左右方向に回動させた際、前後動部20自体が変形部23に対してその外側または内側に移動する前に、嵌合突部14がクリアランス部18cの範囲内で嵌合凹部18に対して回動する。したがって、変形部23の左右方向外側の部位に左右方向への回動力が加えられても、変形部23とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されるのを抑制することができる。
また、背板15を、前後動部20とは異なる部位にある枢支部19によってアウターカバー10に連結しているので、アウターカバー10と背板15との間の相互の接続強度を高めることができる。
さらに、前後動部20より上方に位置する枢支部19によって背板15をアウターカバー10に連結しているので、前後動部20に対して嵌合突部14と嵌合凹部18との嵌合が外れる方向への外力が作用しても、前後動部20から離間した部位となる上方の枢支部19でその外力を分散させつつ、アウターカバー10で背板15を支持することができる。したがって、アウターカバー10と背板15との間の相互の接続強度をより高めることができる。
また、図7、図8(a)に示したように背凭れ本体11(背凭れ)を構成する背板15の、縦スリット21、21間に形成された変形部23に突出部24を設け、該突出部24が設けられた部位での縦スリット21、21間の幅を、該突出部24が設けられた部位より上での縦スリット21、21間の幅より狭く形成しているので、変形部23では、図8(c)に示す突出部24を形成した部位での左右両側24aに対する中央部24bの変形(撓み)の度合いが、突出部24を形成した位置より上側の部位に比べて小となる。すなわち、突出部24では、この突出部24を形成した位置より上側の部位に比べて、左右両側24aに対して中央部24bが変形しにくく(撓みにくく)なっている。
したがって、突出部24は、着座時に変形部23全体での変形に伴って全体的に後方へ弾性変形するものの、突出部24だけの局部的な変形の度合い(左右両側24aに対する中央部24bの変形の度合い)は、突出部24より上側の部位に比べて小さくなる。よって、大きな支持力を必要とする突出部24は、着座時に変形部23全体で後方へ弾性変形することを許容するため、着座時に着座者に対して大きな圧迫感を与えることがなく、また、局部的な変形が少ないことにより、所望の強い支持力を発揮するようになる。したがって、本実施形態の椅子1は、背板15に変形部23を設けるにもかかわらず、突出部24によって例えば着座者の腰およびその近傍を適切に押圧支持することができる。
次に、本発明に係る椅子の第2実施形態を説明する。第2実施形態の椅子が第1実施形態の椅子と異なるところは、前後動部の構成にある。
すなわち、本実施形態の前後動部40は、アウターカバー10の内面を示す正面図である図9に示す嵌合突部41(41a〜41c)と、背凭れ本体11の背面図である図10に示す嵌合凹部42(42a〜42c)とを有して構成されている。
また、本実施形態では、前後動部の概略構成を示す要部断面図である図11(a)〜(c)に示すように、アウターカバー10や背板15における位置に応じて、前後動部の構成が異なっている。図11(a)は、図9、図10に示した嵌合突部41、嵌合凹部42からなる前後動部40のうちの最上部に形成された左右一対の前後動部40(40a)の一方を示しており、図11(b)は、中央部、すなわち前記突出部24の近傍に形成された前後動部40(40b)の一方を示しており、図11(c)は、最下部に形成された前後動部40(40c)の一方を示している。
図11(a)に示す前後動部40(40a)は、アウターカバー10に形成された嵌合突部41aと、背板15に形成されて嵌合突部41aを前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部42aと、を有して構成されている。嵌合突部41aは、図9、図11(a)に示すようにアウターカバー10に形成された一対の保持板43、43と、これら保持板43、43間に挟持された柱状の係合軸44とによって形成されている。係合軸44は、図11(a)に示すようにその先端側の横断面形状が略半円形状となるように湾曲して形成されている。また、後端側、および一方の側面側が平坦面とされ、これら後端側の平坦面と一方の側面側の平坦面とが鋭角な角部44aを形成している。この角部44aは、後述する嵌合凹部42aの係合片46の係合爪46aに係合する、係合部として機能している。
一方、嵌合凹部42aは、図10、図11(a)に示すように背板15に形成された3方を囲む正面視コ字状の嵌合壁45と、この嵌合壁45の開放された一方に配置された係合片46とによって形成されている。嵌合壁45の、係合片46に隣り合う一対の壁体には、図11(a)に示すように嵌合突部41aの係合軸44を受け入れるための切欠45aが形成されている。係合片46は、先端側が嵌合壁45に対して接離可能に弾性変形するよう形成されており、その先端部に、前記係合軸44の角部44a(係合部)に係合する係合爪46aが形成されている。
このような構成のもとに、嵌合突部41aの係合軸44が嵌合凹部42aの嵌合壁45と係合片46との間に嵌合して、前後動部40aが形成されている。その際、嵌合壁45の切欠45aは係合軸44の背板15側への移動を許容する深さに形成されており、これによって係合軸44(嵌合突部41a)は嵌合凹部42aに対して移動可能に嵌合している。また、係合軸44が嵌合凹部42aに嵌合した後には、係合軸44の角部44aが係合片46の係合爪46aに係合し、これによって係合軸44が嵌合凹部42aから抜けでないようになっている。したがって、係合軸44の角部44aと嵌合凹部42aの係合爪46aとは、本発明に係る抜け止め部となっている。
また、嵌合凹部42aを構成する係合片46や嵌合壁45の切欠45aと、係合軸44との間には、クリアランス部47が形成されている。このようなクリアランス部47が形成されていることにより、前後動部40aを支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部42aはクリアランス部47の範囲内で嵌合突部41aに対して相対的に回動可能になっている。すなわち、嵌合突部41aはクリアランス部47の範囲内で嵌合凹部42aに対して回動可能になっている。
図11(b)に示す前後動部40(40b)は、アウターカバー10に形成された嵌合突部41bと、背板15に形成されて嵌合突部41bを前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部42bと、を有して構成されている。嵌合突部41bは、図9、図11(b)に示すように対向する一対の板部を有して形成された台座48と、この台座48の受け面48a上に一体に設けられた係合突起49とによって形成されている。台座48の受け面48aは、側面視して凹状の湾曲面になっている。係合突起49は、嵌合凹部42bに移動可能に嵌合する部位であり、その先端部に両側へ延出する係合爪49aが形成されている。
一方、嵌合凹部42bは、図10、図11(b)に示すように背板15に形成された弾性変形可能な一対の挟持板50、50によって形成されている。図11(b)に示すようにこれら挟持板50、50には、その先端部に内側へ折り返してなる係合部50aが形成されている。また、これら挟持板50、50の先端面は、側面視して、前記嵌合突部41bの台座48の受け面48aの湾曲形状に対応した、凸状の湾曲面になっている。
このような構成のもとに、嵌合突部41bの係合突起49が嵌合凹部42bの一対の挟持板50、50間に挟持されてこれと嵌合することにより、前後動部40bが形成されている。その際、嵌合突部41bの台座48の受け面48aと嵌合凹部42bの挟持板50、50の先端面との間のクリアランス部51は、係合突起49の背板15側への移動を許容する充分な大きさに形成されており、これによって係合突起49(嵌合突部41b)は嵌合凹部42bに対して移動可能に嵌合している。
また、係合突起49が嵌合凹部42bに嵌合した後には、係合突起49の係合爪49aが挟持板50、50の係合部50aに係合し、これによって係合突起49が嵌合凹部42bから抜けでないようになっている。したがって、係合突起49の係合爪49aと嵌合凹部42bの挟持板50の係合部50aとは、本発明に係る抜け止め部となっている。
また、嵌合突部41bの台座48の受け面48aと嵌合凹部42bの挟持板50、50の先端面とが互いに対応する凹凸の湾曲面となっているので、前後動部40bを支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部42bの先端面は嵌合突部41bの台座48の受け面48aに面接触した後、互いに回動可能になっている。すなわち、嵌合突部41bは嵌合凹部42bに対して回動可能になっており、これら嵌合突部41bと嵌合凹部42bとによって回動部が形成されている。
図11(c)に示す前後動部40(40c)は、図11(a)に示した前後動部40(40a)とほぼ同じ構成に形成されている。すなわち、図11(a)に示した前後動部40(40a)における嵌合突部41aは、一対の保持板43、43間に係合軸44が挟持されて構成されているのに対し、図11(c)に示す前後動部40(40c)では、係合軸44が保持板43、43に代えてリブ12、12間に挟持されている点で異なっている。そして、嵌合凹部42cなどその他の構成については、図11(a)に示した前後動部40(40a)と同じになっている。
このような前後動部40(40a〜40c)を備えたことによって本実施形態の椅子は、前後動部40の位置、すなわち嵌合突部41(41a〜41c)や嵌合凹部42(42a〜42c)の位置を適宜な位置とすることにより、アウターカバー10に対向して配置される背板15のアウターカバー10に対する移動量(変位量)を適切に設定することができ、これによって座り心地を良くすることができる。
また、前後動部40を嵌合突部41と該嵌合突部41を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部42とによって構成しているので、アウターカバー10に対して背板15を取り付ける際の前後動部40を組み立てる作業を、単に嵌合突部41と嵌合凹部42とを移動可能に嵌合させるだけでよく、したがってその作業を容易にすることができる。
また、前後動部40に、嵌合突部41が嵌合凹部42から抜け出るのを防止する抜け止め部を設け、この抜け止め部によって嵌合突部41が嵌合凹部42から不測に抜け出るのを防止しているので、アウターカバー10から背板15が不測に外れてしまうのを確実に防止することができる。したがって、背板15とアウターカバー10とを接続(連結)する部位がたとえ前後動部40以外に設けられていない場合でも、背板15に対するアウターカバー10の支持強度をある程度確保することができる。
また、前後動部40に、嵌合突部41が嵌合凹部42に嵌合している状態で、嵌合凹部42に対して嵌合突部41を回動可能にする回動部を設けているので、前後動部40を支点として背板15をアウターカバー10に対して左右方向に回動させた際、前後動部40自体が変形部23に対してその外側または内側に移動する前に、嵌合突部41が嵌合凹部42に対して回動する。したがって、変形部23の左右方向外側の部位に左右方向への回動力が加えられても、変形部23とその左右方向外側の部位との間に大きな不連続部分が形成されるのを抑制することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では背板15に一対の縦スリット21、21を形成して、これらの間を他の部位より変形が容易な変形部23としたが、本発明はこのような構成の変形部23に限定されることなく、これに代えて、特許文献2、特許文献3に示したように、背板に多数の開口部を形成することによって面方向と直交する方向への弾性変形許容度が高められた変形部など、種々の構成の変形部を採用することができる。
また、前記実施形態ではアウターカバー10に複数のリブ12を形成し、これによってアウターカバー10を着座者の体重を支える強度部材として機能させているが、本発明はこれに限定されることなく、アウターカバー10を強度部材としては充分に機能しない構成としてもよい。その場合には、例えばアウターカバー10の表面側であって、尚且つ背板15の背面側となる位置に、強度部材として機能する板状部材を新たに配設し、この板状部材によって着座者の体重を主に支えるようにするのが好ましい。
また、前後動部の構成についても、前記実施形態に限定されることなく、種々の構成のものを採用することができる。
1…椅子、10…アウターカバー(背凭れ支持部)、11…背凭れ本体(背凭れ)、14、41(41a、41b、41c)…嵌合突部、15…背板、18、42(42a、42b、42c)…嵌合凹部、18c…クリアランス部(回動部)、19…枢支部、20、40(40a、40b、40c)…前後動部、21…縦スリット、22…背板本体、23…変形部、47…クリアランス部(回動部)、51…クリアランス部

Claims (6)

  1. 支持構造体と、前記支持構造体に支持される背凭れと、を備え、前記背凭れは、上下方向に延在する背板を有した椅子において、
    前記支持構造体は、上下方向に延在する背凭れ支持部を有し、
    前記背板は、その裏面が少なくとも一部で前記背凭れ支持部に対向して配置され、かつ、その表面と直交する方向への弾性変形許容度が背板の他の部位に比べて相対的に大である変形部を有し、
    前記変形部の近傍でかつ該変形部の左右方向外側に対応する部位であるとともに、前記背板と前記背凭れ支持部とが対向する部位に、前記背凭れ支持部に対して前記背板を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部を有していることを特徴とする椅子。
  2. 前記前後動部は、前記背板と前記背凭れ支持部との一方に形成された嵌合突部と、他方に形成され、前記嵌合突部を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部と、を有して構成されていることを特徴とする請求項1記載の椅子。
  3. 前記前後動部には、前記嵌合突部が前記嵌合凹部から抜け出るのを防止する抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の椅子。
  4. 前記前後動部には、前記嵌合突部が前記嵌合凹部に嵌合している状態で、前記嵌合凹部に対して前記嵌合突部を回動可能にする回動部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の椅子。
  5. 前記背板は、前記前後動部とは異なる部位において前記背凭れ支持部に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の椅子。
  6. 前記背板は、前記前後動部より上方において前記背凭れ支持部に連結されていることを特徴とする請求項5記載の椅子。
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