JP6214332B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、背凭れを備える椅子に関する。
従来、座(座体)と背凭れとを備えた椅子として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1に開示された椅子では、その座または背凭れを構成する板状の中シェルと外シェルとが、面方向に対向した状態で接合されている。すなわち、これら中シェルと外シェルとは、その一方に形成された軸部と他方に形成された窪み部とが嵌合することにより、接合した状態に固定されている。
軸部には鉤部が形成されており、この鉤部が窪み部の傾斜端縁に嵌合することと、傾斜端縁の奥に余剰空間が形成されていることにより、軸部は窪み部に対してその深さ方向に突没可能に嵌合するとともに、窪み部から不測に抜け出ることが防止されている。
このような構造は、着座者が着座して荷重(体重)をかけた際に、板状の部材自体の弾性変形許容度のみに依拠することなく、着座感に柔らかさを与えることができるという優れた効果を奏する。
特許第3116204号公報
ところで、座や背凭れのうち特に背凭れは、部位ごとに望ましい変形量が異なる部材である。例えば、動きが多い肩や腰を支持する部位は、これら肩や腰の動きに応じて変位量が多くなる。したがって、前記のシェル間(板状の部材間)における移動量(変位量)も、肩や腰を支持する部位では充分に大きく確保されていることが望ましい。
移動量(変位量)を充分に大きく確保するためには、例えば前記の軸部の長さや窪み部の深さを適宜に調整し、窪み部に対する軸部の移動可能な量を調整することが考えられる。しかし、このような構造は、単に軸部の移動の許容範囲を定めることができるのみであり、他部位と比較した相対的な移動量を適切に設定することは困難である。
本発明は前記課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、背凭れ支持部に対向して配置される板部材の背凭れ支持部に対する移動量(変位量)を適切に設定できるようにし、これによって座り心地を良くした椅子を提供することにある。
本発明の椅子は、支持構造体と、前記支持構造体に支持される背凭れと、を備え、前記支持構造体が、上下方向に延在する背凭れ支持部を有し、前記背凭れが、上下方向に延在してその裏面が前記背凭れ支持部に対向して配置される板部材を有してなる椅子において、前記背凭れ支持部と前記板部材とは、前記板部材の上下方向における一方の端部の近傍に配設された枢支部により、前記板部材の面方向に沿うとともに水平方向に沿う軸を回動軸としたその軸回りに、前記板部材が前記背凭れ支持部に対して回動可能に支持され、前記枢支部よりも上下方向における他方の端部の側に離間する部位に、前記背凭れ支持部に対して前記板部材を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部が設けられ、前記前後動部は、前記板部材と前記背凭れ支持部との一方に形成された嵌合突部と、他方に形成され、前記嵌合突部を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部と、を有し、前記前後動部は、前記嵌合突部の先端部及び前記嵌合凹部の先端部のみで係止可能とされ、前記背凭れ支持部に対して前記板部材が離間する方向に回動した際に、前記嵌合突部の前記嵌合凹部からの抜けが規制されていることを特徴とする。
この椅子によれば、背凭れ支持部と板部材とを、上下方向における一方の端部の近傍において枢支部により互いに枢支し、他方の端部の側に離間する部位に、背凭れ支持部に対して板部材を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部を設けたので、前後動部を枢支部から遠く離間させていることにより、前後動部を構成する嵌合突部と嵌合凹部との間の相対移動量(変位量)を他の部位よりも相対的に大きくすることができる。したがって、前後動部の位置を適宜に調整することにより、背凭れ支持部に対向して配置される板部材の背凭れ支持部に対する移動量(変位量)を適切に設定することができ、これによって座り心地を良くすることができる。
また、前記椅子において、前記背凭れ支持部は強度部材であり、前記板部材は、前記背凭れ支持部の表面側にて前後方向に弾性変形する弾性部材からなることが好ましい。
この構成によれば、背凭れ支持部を強度部材とし、板部材を前記背凭れ支持部の表面側にて前後方向に弾性変形する弾性部材によって形成したので、板部材の弾性変形と前後動部を構成する嵌合突部と嵌合凹部との相対移動による板部材の移動とが相俟って、板部材が背凭れ支持部に対してより大きく変形するようになる。したがって、より良好な着座感が得られ、座り心地が良くなる。
また、前記椅子において、前記背凭れは、その下部に前方へ突出する凸形状の突出部を有し、前記枢支部は、前記板部材の上端部の近傍に配設されているのが好ましい。
この構成によれば、枢支部を板部材の上端部の近傍に配設したので、背凭れ支持部に対する板部材の相対移動量を板部材の下方に行くほど大きくすることができる。したがって、動きの多い着座者の背中の下方においてより着座感を柔軟にすることができるとともに、背中の下方を突出部で局部的に、かつ柔軟に支持することができる。
また、前記椅子において、前記前後動部は前記背凭れの上下方向に複数設けられ、前記背凭れにおける前記突出部近傍に形成された前記前後動部は、前記嵌合凹部に対する前記嵌合突部の前後方向への変位可能量が、他の部位に形成された前記前後動部に比べて大となるように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、背凭れにおける突出部近傍に形成された前後動部を、嵌合凹部に対する嵌合突部の前後方向への変位可能量が、他の部位に形成された前後動部に比べて大となるようにしたので、背凭れ支持部に対する板部材の相対移動量が大である突出部近傍において、さらに相対移動量の許容量そのものも大とすることができる。したがって、最も柔軟に支持されることが望ましい着座者の腰近傍の部位において、より着座感を柔軟にし、座り心地を良くすることができる。
本発明の椅子によれば、前後動部を枢支部から遠く離間させていることにより、前後動部を構成する嵌合突部と嵌合凹部との間の相対移動量(変位量)を他の部位よりも相対的に大きくすることができる。したがって、前後動部の位置を適宜に調整することにより、背凭れ支持部に対向して配置される板部材の背凭れ支持部に対する移動量(変位量)を適切に設定することができ、これによって座り心地を良くすることができる。
本発明に係る椅子の第1実施形態の概略構成を示す側面図である。 図1に示した椅子の背面図である。 アウターカバーの内面を示す正面図である。 図3のA−A線矢視断面に対応した部位の背凭れ部の側断面図である。 図3のB−B線矢視断面に対応した部位の背凭れ部の側断面図である。 (a)〜(c)は前後動部の概略構成を示す要部断面図である。 背凭れ本体の背面図である。 (a)は背板の正面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図、(c)は(a)のD−D線矢視断面図である。 第2実施形態の椅子におけるアウターカバーの内面を示す正面図である。 第2実施形態の椅子における背凭れ本体の背面図である。 (a)〜(c)は前後動部の概略構成を示す要部断面図である。
以下、本発明に係る椅子の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下の説明においては、椅子1に正規姿勢で着座した人の正面が向く向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子に正規姿勢で着座した人の上方の向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子1に正規姿勢で着座した人の左側の向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。すなわち、鉛直方向を上下方向と呼び、水平方向を左右方向と呼ぶ。
図1は本発明に係る椅子の第1実施形態の概略構成を示す側面図、図2は図1に示した椅子の背面図であり、これらの図において符号1は椅子である。この椅子1は、フロア上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体4と、支基3の上面に取り付けられて座体4を支持する座受部材5と、支基3から後部上方側に延出して座体4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ部6と、を備えて構成されている。
脚部2は、キャスタ7a付きの多岐脚7と、多岐脚7の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱8とを備え、脚柱8の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱8の昇降調整機構と背凭れ部6の傾動調整機構が内蔵されている。背凭れ部6は、側面視略L字状の支持フレーム9と、支持フレーム9の上部側に取り付けられたアウターカバー10と、アウターカバー10の前面側に設けられて座体4に着座した着座者の背中を直接支持する背凭れ本体11とを備えて構成されている。ここで、アウターカバー10は、本発明における背凭れ支持部となるものである。なお、支持フレーム9の前部下端は支基3内の傾動調整機構に連結されている。また、脚部2、支基3、座体4、座受部材5、支持フレーム9、およびアウターカバー10(背凭れ支持部)により、本発明の支持構造体が構成されている。
背凭れ部6を構成するアウターカバー10は、樹脂や金属等の板材からなるもので、その内面を示す正面図である図3に示すように、その内面側略中央部に形成された一対の取付部10aが一対の支持フレーム9、9の上端部に係合することにより、これら支持フレーム9、9に支持された略矩形板状のものである。このアウターカバー10には、その内面側に複数のリブ12が形成されており、これによってアウターカバー10は、着座者の体重を支える強度部材となっている。リブ12は、上下方向および水平方向に沿って複数形成されるとともに、上部側では斜め方向にも形成され、さらにアウターカバー10の外周部ではその外形に沿って環状に形成されており、これによって着座者の体重がかかってもこれを良好に支持できるようになっている。
また、アウターカバー10には、その上端部に第1枢支部13が形成され、左右両側部にそれぞれ嵌合突部14が形成されている。本実施形態では、第1枢支部13は左右方向に4つ略等間隔で形成され、嵌合突部14は上下方向に3つずつ形成されている。
4つの第1枢支部13のうち、内側の2つの第1枢支部13は、図3、および図3のA−A線矢視断面に対応した部位の背凭れ部6の側断面図である図4に示すように、アウターカバー10の内面から前方に突出して形成された一対の支持板13a、13aと、これら支持板13a、13a間に挟持された四角柱状の係止ブロック13bとによって構成されている。なお、係止ブロック13bには、図4に示すようにその前面側(背板15側)に開口する穴部が形成されている。
また、4つの第1枢支部13のうち、外側の2つの第1枢支部13も、図3、および図3のB−B線矢視断面に対応した部位の背凭れ部6の側断面図である図5に示すように、アウターカバー10の内面から前方に突出して形成された一対の支持板13a、13aと、これら支持板13a、13a間に挟持された四角柱状の係止ブロック13bとによって構成されている。ただし、図5に示した外側の第1枢支部13は、図4に示した内側の第1枢支部13に比べて、その前後方向の寸法が少し短く形成されている。
嵌合突部14は、後述する前後動部20の概略構成を示す要部断面図である図6(a)〜(c)に示すように、保持部33上に形成された円筒状の突部本体14aと、この突部本体14aの先端部に形成された突部側係止部14bとからなっている。突部側係止部14bは、突部本体14aの先端部から外側に円環状に突出して形成された部位であり、後述する嵌合凹部18の凹部側係止部18bに係止する部位である。
背凭れ部6を構成する背凭れ本体11は、本発明における背凭れとなるもので、図4、図5および背凭れ本体11の背面図である図7に示すように、本発明における板部材である背板15とこれの表面側全面及び裏面側外周部を覆うシート状の張材16とを有して構成されている。張材16は、樹脂等によって形成された伸縮性、可撓性を有するもので、その裏面にウレタン等からなるクッション材(図示せず)を有している。クッション材も、張材16と同様に伸縮性、可撓性を有したもので、張材16の裏面に溶着され、その状態で背板15を覆っている。
背板15は、樹脂や金属等の弾性変形可能な板材からなり、その正面図である図8(a)に示すように、図3に示したアウターカバー10と略同形の略矩形板状のものである。この背板15には、図7に示したようにその裏面側の上端部に前記アウターカバー10の第1枢支部13に係止する第2枢支部17が形成され、左右両側部にそれぞれ前記嵌合突部14と嵌合する嵌合凹部18が形成されている。なお、背板15の第2枢支部17が形成された部位には、該第2枢支部17の前後方向の変位を可能にするための切欠(図示せず)が形成されており、したがって第2枢支部17は、図8(a)に示すようにこの切欠を通して背板15の前面(表面)側からも見えている。
第2枢支部17も、第1枢支部13と同様に左右方向に4つ略等間隔で形成されており、これら4つの第2枢支部17のうち内側の2つの第2枢支部17は、図4に示すように前記第1枢支部13の支持板13aの先端部にそれぞれ当接してこれらを支持する一対の受け板17aと、受け板17aの後方(アウターカバー10側)に設けられた係止片17bとを有して構成されている。係止片17bは、背板15の裏面に形成された左右方向に延びるリブ15aから下方に延びて形成されており、その下端部に、背板15の前側に向けて突出する係止部17cを有している。
係止片17bは、その先端側がアウターカバー10の前記第1枢支部13の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で係止部17cが第1枢支部13の係止ブロック13bに係脱可能に係止させられたことにより、第1枢支部13に係止している。すなわち、第2枢支部17は、受け板17a、17aが第1枢支部13の支持板13a、13aの先端部に当接してこれらをそれぞれ支持し、係止片17bが一対の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で係止部17cが係止ブロック13bに回動可能に係止させられたことにより、第1枢支部13に係脱可能に係止している。
また、4つの第2枢支部17のうち、外側の2つの第2枢支部17も、図5に示すように、前記第1枢支部13の支持板13aの先端部にそれぞれ当接してこれらを支持する一対の受け板17aと、受け板17aの後方(アウターカバー10側)に設けられた係止片17bとを有して構成されている。ただし、外側の2つの第2枢支部17では、係止片17bに係止部17cが形成されておらず、したがって係止片17bは、一対の支持板13a、13a間に挿通され、その状態で単に係止ブロック13bに当接させられている。
このように第2枢支部17が第1枢支部13に係脱可能に係止していることにより、背板15は第2枢支部17を形成した上端側を回動軸としたその軸回りに、アウターカバー10に回動可能、かつ着脱可能に取り付けられ、支持されている。そして、これら第1枢支部13と第2枢支部17とによって枢支部19が形成されている。
また、嵌合凹部18は、図6(a)〜(c)に示すように円筒状の凹部本体18aと、この凹部本体18aの先端部に形成された凹部側係止部18bとからなっている。凹部本体18aは、その内部孔内に前記嵌合突部14の突部本体14aを移動可能に嵌合させるようになっており、したがってこの内部孔が、実質的な凹部本体18aとなっている。
凹部側係止部18bは、凹部本体18aの先端部から内側に円環状に突出して形成された部位であり、前記嵌合突部14の突部側係止部14bに係止する部位である。
ここで、円筒状の凹部本体18aは、図8(a)に示すようにその周方向に4分割されており、これによって4分割された各側壁は、それぞれ周方向外方に弾性変形可能になっている。したがって、図6(a)〜(c)に示したように嵌合突部14を凹部本体18aの内部孔内に挿通し、突部側係止部14bを凹部側係止部18bに係止させるべくこれを乗り越えさせる際、前記の4分割された各側壁が周方向外方に弾性変形することにより、嵌合突部14を凹部本体18aの内部孔内に容易に挿通する。また、突部側係止部14bが凹部側係止部18bを乗り越えた後には、前記の各側壁が弾性復帰することで、突部側係止部14bと凹部側係止部18bとは良好に係止する。
ここで、凹部側係止部18bに突部側係止部14bが係止した状態では、円筒状の凹部本体18aの先端と嵌合突部14側の保持部33との間は所定長さL分、離間している。したがって、背板15がアウターカバー10に向かって変形した際には、嵌合凹部18は嵌合突部14に対して前記所定長さLに相当する距離分、相対的に移動可能になっている。すなわち、所定長さLに相当する距離が、嵌合凹部18に対する嵌合突部14の、前後方向への変位可能量となっている。
また、嵌合凹部18を構成する円筒状の凹部本体18aには、その先端部、すなわち凹部側係止部18bと凹部本体18aの先端との間に、クリアランス部18cが形成されている。このクリアランス部18cは、凹部本体18aの先端部の内周面が先端側に行くに連れて漸次拡径するように略テーパ状に切り欠かれて形成されている。したがってクリアランス部18cは、嵌合突部14が嵌合凹部18に嵌合している状態で、嵌合凹部18に対して嵌合突部14を全方位(360°の方向)に所定角度回動可能にしている。このようなクリアランス部18cを形成したことにより、前後動部20を支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部18はクリアランス部18cの範囲内で嵌合突部14に対して相対的に回動可能になっている。すなわち、嵌合突部14はクリアランス部18cの範囲内で嵌合凹部18に対して回動可能になっている。
このような構成の嵌合突部14と嵌合凹部18とにより、本発明に係る前後動部20が形成されている。すなわち、前後動部20は、背凭れ本体11の上端部側に配置された枢支部19よりも下端部側に離間する部位に配置されて、アウターカバー10に対して背板15を前後方向に変位させ、かつ案内するようになっている。本実施形態では、前後動部20は左右に3つずつ、合計6箇所に形成されている。なお、本実施形態ではアウターカバー10に嵌合突部14を形成し、背板15に嵌合凹部18を形成したが、逆に、アウターカバー10に嵌合凹部18を形成し、背板15に嵌合突部14を形成することで、前後動部20を形成してもよい。
このような前後動部20と前記の枢支部19とを備えることにより、本実施形態のアウターカバー10と背板15とは、互いに着脱可能に一体化されている。すなわち、アウターカバー10に対してその第1枢支部13に背板15の対応する第2枢支部17がそれぞれ係止させられ、その状態で第2枢支部17側(上端側)を回動軸にして背板15の下端側がアウターカバー10に向けて回動させられ、アウターカバー10の嵌合突部14にそれぞれ対応する背板15の嵌合凹部18が嵌合させられる。これにより、アウターカバー10に対して背板15が回動可能に取り付けられ、したがってアウターカバー10と背板15とが着脱可能に一体化されている。
また、背板15には、図7、図8(a)に示すように上下方向に延びる一対の縦スリット21が背板15の左右両側に形成されている。これら縦スリット21、21は、前記嵌合凹部18の上側の二つ(二対)の近傍で、かつこれらより背板15の左右方向中央部に形成配置され、また、前記第2枢支部17の下側近傍部より前記嵌合凹部18の上から二つ目の近傍部にまで延びて形成されている。なお、前記嵌合凹部18の上から二つ目は、背板15の上下方向の長さの、下からほぼ1/4の長さとなる位置に形成されている。
これら一対の縦スリット21、21間は、着座者の背中である腰(臀部およびその近傍)から肩までの間が主に当接する部位であり、背板15の他の部位、すなわち縦スリット21、21間を除いた部位である背板本体22より変形が容易な変形部23となっている。背板本体22には、その左右両側、すなわち嵌合凹部18の外側にリブ(図示せず)が形成されている。
したがって、背板本体22では、このようなリブや、さらには前記枢支部19を構成する第1枢支部13と第2枢支部17との間の係止、および前記前後動部20を構成する嵌合突部14と嵌合凹部18と間の嵌合により、その変形許容度が小さくなるように構成されている。ただし、変形部23の左右方向外側では、前後動部20によって背板15が前後方向に変位させられ、案内されるようになっている。一方、一対の縦スリット21、21によって背板本体22から分離されている変形部23では、アウターカバー10との間に該変形部23の前後方向の変形を規制する部材が設けられていないため、背板本体22に比べて変形が容易になっている。
本実施形態では、一対の縦スリット21、21は左右対称に形成配置されており、これら縦スリット21、21間の幅が、上端から下端側(下部)の所定位置に行くに連れて漸次狭くなるように形成されている。そして、下部の所定位置で縦スリット21、21間の幅が最も狭くなった後、この所定位置よりさらに下端側に行くに連れて漸次広くなるように形成されている。なお、縦スリット21、21は、本実施形態では直線状に形成されることなく、曲線状(流線形状)に形成されている。
ここで、縦スリット21、21間に形成された変形部23には、図8(a)のC−C線矢視断面図である図8(b)に示すように、背凭れ本体11の下部となる部位、すなわち背板15の下端よりやや上方(前記嵌合凹部18の上から二つ目の位置よりやや上)の部位に、突出部24が形成されている。すなわち、この突出部24は、図7、図8(a)に示した、縦スリット21、21間の間隔が最も狭くなっている所定位置に形成されている。このような突出部24は、図8(b)に示すように背板15がその上下方向に沿って上端から下端側に行くに連れて漸次前方へ突出し、その後さらに下端側に行くに連れて漸次後方に引っ込むことにより、前方へ突出した凸形状となっている。
なお、この突出部24は、全体的に変形部23の上下の部位や縦スリット21、21の外側の背板本体22より前方へ突出しているものの、図8(a)のD−D線矢視断面図である図8(c)に示すように、左右方向では同じ高さで前方へ突出することなく、左右両側24aで相対的に大きく突出し、中央部24bでは相対的に小さく突出している。したがって、突出部24は、見かけ上は左右両側24aが前方に突出し、中央部24bが相対的に後方に引っ込んだ湾曲形状となっている。
このような突出部24の形成位置は、図1に示した椅子1に人が正規に着座したときの、着座者の臀部から腰の上方までの範囲の適所が当たる位置となる。したがって、この突出部24は、背板15上にクッション材、張材16が被着されて背凭れ本体11とされることにより、この背凭れ本体11において例えばランバーサポート部を形成する部位となる。すなわち、図1に示した椅子1に人が正規に着座したとき、着座者の腰およびその近傍を後方から押圧して着座者の背骨をS字状に維持するように機能する。
ここで、前記の前後動部20は、図7、図8(a)に示すように変形部23の左右方向外側にて、それぞれ上下方向に3つずつ形成されている。図6(a)は、これら前後動部20のうちの左右一方の側の最上部に形成された前後動部20を示しており、図6(b)は、左右一方の側の中央部、すなわち前記突出部24の近傍に形成された前後動部20を示しており、図6(c)は、左右一方の側の最下部に形成された前後動部20を示している。
本実施形態では、図6(a)〜(c)に示したように全ての前後動部20で、その嵌合凹部18に対する嵌合突部14の前後方向への変位可能量Lが同じに形成されている。したがって、背板本体22の前後動部20の近傍部では、上部、中間部、下部の全てで、アウターカバー10側への変形許容量が同じになっている。
また、本実施形態では、図7、図8(a)に示すように縦スリット21、21にはそれぞれ、横可撓片25が設けられている。横可撓片25は、縦スリット21、21の上下方向中間部よりやや下側に設けられており、縦スリット21、21で分断された左側と右側、すなわち背板本体22と変形部23との間に設けられている。この横可撓片25は、縦スリット21の幅よりも長寸に形成された弾性変形可能なもので、一端側が背板本体22に接続し、他端側が変形部23に接続することにより、背板本体22と変形部23とを互いに連結している。なお、この横可撓片25は背板15と一体成型されており、したがって背板15と同じ材質で形成されている。ただし、二色成型を行うことで、横可撓片25を他の背板部分とは異なる材質で形成してもよい。
なお、本実施形態では横可撓片25が配設される箇所では縦スリットの幅が他の箇所より広く形成されており、したがって横可撓片25はこの広く形成された縦スリットの幅よりさらに長寸(幅広)に形成されている。このような横可撓片25は、椅子1に人が着座し、着座者が背凭れ本体11(背凭れ部6)に背を凭れて体重をかけた際に、変形部23が背板本体22に対して後方に過度に変形するのを、制限するように機能する。すなわち、変形部23が背板本体22に対して大きく変形すべく縦スリット21が大きく開くのを、横可撓片25は制限するようにその幅が適宜な長さに形成されている。
また、背板15には、一対の縦スリット21、21のそれぞれの中間部間、本実施形態では前記横可撓片25が設けられた位置よりやや上側に、これら縦スリット21、21間を連通させる横スリット26が左右方向に形成されている。これによって変形部23は、横スリット26で分断された下側が第1変形部27とされ、上側が第2変形部28とされている。なお、前記突出部24は第1変形部27に設けられている。
このようにして形成された第1変形部27は、縦スリット21、21、横スリット26によって3方が背板本体22や第2変形部28から分断されていることにより、背板本体22との連結部となる下端部を回動軸としたその軸回りに、前後方向に回動可能、すなわち弾性変形可能になっている。同様に第2変形部28も、背板本体22との連結部となる上端部を回動軸としたその軸回りに、前後方向に回動可能(弾性変形可能)になっている。したがって、これら第1変形部27、第2変形部28は、基本的にはそれぞれ独立して変形するようになっている。
横スリット26は、本実施形態では三つの直線部と二つの湾曲部とが左右方向に交互に配置された非直線状に形成されている。そして、三つの直線部に、それぞれ縦可撓片29が設けられている。縦可撓片29は、横スリット26で分断された下側と上側、すなわち第1変形部27と第2変形部28との間に設けられている。この縦可撓片29は、前記横可撓片25と同様に、横スリット26の幅よりも長寸に形成された弾性変形可能なもので、一端側が第1変形部27に接続し、他端側が第2変形部28に接続することにより、第1変形部27と第2変形部28とを互いに連結している。なお、この縦可撓片29も背板15と一体成型されており、したがって背板15と同じ材質で形成されている。ただし、二色成型を行うことで、縦可撓片29を他の背板部分とは異なる材質で形成してもよい。
このような縦可撓片29も、椅子1に人が着座し、着座者が背凭れ本体11(背凭れ部6)に背を凭れて体重をかけた際に、変形部23が背板本体22に対して後方に過度に変形するのを制限するように機能する。すなわち、第1変形部27と第2変形部28とが共に背板本体22に対して大きく変形すべく横スリット26が大きく開くのを、縦可撓片29は制限するようにその幅が適宜な長さに構成されている。
また、変形部23には、これを構成する第1変形部27、第2変形部28のそれぞれに、上下方向に延びる補助スリット30が形成されている。第1変形部27には、一対の縦スリット21、21間を5分割するようにして4つの補助スリット30が、左右方向に等間隔で並列配置されている。これら補助スリット30は、縦スリット21の下端の高さから突出部24を通って横可撓片25が配置された位置の近傍の高さまで、上下に延びて形成されている。すなわち、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側に形成配置されている。
一方、第2変形部28にも、一対の縦スリット21、21間を5分割するようにして4つの補助スリット30が左右方向に等間隔で並列配置されている。これら補助スリット30は、縦スリット21の上端部およびその近傍の高さにて、上下に延びて形成されている。すなわち、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側に形成配置されている。
このような補助スリット30は、第1変形部27、第2変形部28のいずれにおいても、横スリット26と反対の側の、背板本体22に連結する側、すなわち第1変形部27、第2変形部28が変形する際の回動軸となる側に形成配置されているので、第1変形部27、第2変形部28のいずれにおいても、回動軸側でより変形を起こり易くする。したがって、第1変形部27内、第2変形部28内において、それぞれの上端側と下端側とで撓み量に大きな差が生じるのを抑えることができる。
また、背板15は、図4、図8(b)に示すように、第2変形部28(変形部23)より上の上端部31が後方に向かって湾曲して形成されている。この背板15の上端部31は、第2変形部28(変形部23)の上端部との間において段差の無い連続した同一面に形成されている。
このような構成からなる背板15には、図4に示したようにクッション材を裏面に溶着した張材16が背板15の表面(正面)側に被着され、さらにこの張材16の外周側が図7に示すように背板15の裏面側に張り回されている。そして、この張材16の上下方向における略中央部の左右両端部が紐32によって連結されることにより、張材16は背板15の表面(正面)側全面を覆ってこれに着脱可能に被着されている。その際、張材16やクッション材は伸縮性、可撓性を有しているので、背板15の表面形状に倣って変形する。
したがって、背凭れ本体11の正面側の表面、すなわち張材16の表面には、下地である背板15の表面形状がほぼそのままに反映される。すなわち、背凭れ本体11の正面(張材16の表面)には、背板15の突出部24に倣って前方へ突出する凸形状の突出部(図示せず)が形成される。また、背板15の変形部23に対応して、背凭れ本体11にも変形部(図示せず)が形成される。
また、このようにして張材16を被着した背板15、すなわち背板15と張材16(クッション材を含む)とからなる背凭れ本体11は、前述したように背板15がアウターカバー10に取り付けられることで背凭れ部6となる。すなわち、背板15がその上端部近傍に配設された枢支部19によって背板15の面方向に沿うとともに水平方向に沿う軸を回動軸としたその軸回りに、アウターカバー10に対して回動可能に支持され、さらに前後動部20によって背板15とアウターカバー10とが互いに連結されることにより、背凭れ部6となる。これにより、図1に示したように背凭れ部6が支持フレーム9に支持された椅子1が構成される。
このような椅子1にあっては、アウターカバー10と背板15とをそれぞれの上端部の近傍において枢支部19により互いに枢支し、下端部側に離間する部位に、アウターカバー10に対して背板15を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部20を設けたので、前後動部20を枢支部19から遠く離間させていることにより、前後動部20を構成する嵌合突部14と嵌合凹部18との間の相対移動量(変位量)を他の部位よりも相対的に大きくすることができる。したがって、前後動部20の位置、すなわち嵌合突部14や嵌合凹部18の位置を図3、図7、図8(a)に示したような適宜な位置とすることにより、アウターカバー10に対向して配置される背板15のアウターカバー10に対する移動量(変位量)を適切に設定することができ、これによって座り心地を良くすることができる。
また、アウターカバー10が強度部材であり、背板15はアウターカバー10の表面側にて前後方向に弾性変形する弾性部材からなるので、背板15の弾性変形と前後動部20を構成する嵌合突部14と嵌合凹部18との相対移動による背板15の移動とが相俟って、背板15がアウターカバー10に対してより大きく変形するようになる。したがって、より良好な着座感が得られ、座り心地が良くなる。
また、背凭れ本体11の下部に背板15の突出部24に倣って前方へ突出する凸形状の突出部を設け、枢支部19を背板15の上端部の近傍に配設しているので、アウターカバー10に対する背板15の相対移動量を背板15の下方に行くほど大きくすることができる。したがって、動きの多い着座者の背中の下方においてより着座感を柔軟にすることができるとともに、背中の下方を突出部で局部的に、かつ柔軟に支持することができる。
また、図7、図8(a)に示したように背凭れ本体11(背凭れ)を構成する背板15の、縦スリット21、21間に形成された変形部23に突出部24を設け、該突出部24が設けられた部位での縦スリット21、21間の幅を、該突出部24が設けられた部位より上での縦スリット21、21間の幅より狭く形成しているので、変形部23では、図8(c)に示す突出部24を形成した部位での左右両側24aに対する中央部24bの変形(撓み)の度合いが、突出部24を形成した位置より上側の部位に比べて小となる。すなわち、突出部24では、この突出部24を形成した位置より上側の部位に比べて、左右両側24aに対して中央部24bが変形しにくく(撓みにくく)なっている。
したがって、突出部24は、着座時に変形部23全体での変形に伴って全体的に後方へ弾性変形するものの、突出部24だけの局部的な変形の度合い(左右両側24aに対する中央部24bの変形の度合い)は、突出部24より上側の部位に比べて小さくなる。よって、大きな支持力を必要とする突出部24は、着座時に変形部23全体で後方へ弾性変形することを許容するため、着座時に着座者に対して大きな圧迫感を与えることがなく、また、局部的な変形が少ないことにより、所望の強い支持力を発揮するようになる。したがって、本実施形態の椅子1は、背板15に変形部23を設けるにもかかわらず、突出部24によって例えば着座者の腰およびその近傍を適切に押圧支持することができる。
次に、本発明に係る椅子の第2実施形態を説明する。第2実施形態の椅子が第1実施形態の椅子と異なるところは、前後動部の構成にある。
すなわち、本実施形態の前後動部40は、アウターカバー10の内面を示す正面図である図9に示す嵌合突部41(41a〜41c)と、背凭れ本体11の背面図である図10に示す嵌合凹部42(42a〜42c)とを有して構成されている。
また、本実施形態では、前後動部の概略構成を示す要部断面図である図11(a)〜(c)に示すように、アウターカバー10や背板15における位置に応じて、前後動部の構成が異なっている。図11(a)は、図9、図10に示した嵌合突部41、嵌合凹部42からなる前後動部40のうちの最上部に形成された左右一対の前後動部40(40a)の一方を示しており、図11(b)は、中央部、すなわち前記突出部24の近傍に形成された前後動部40(40b)の一方を示しており、図11(c)は、最下部に形成された前後動部40(40c)の一方を示している。
図11(a)に示す前後動部40(40a)は、アウターカバー10に形成された嵌合突部41aと、背板15に形成されて嵌合突部41aを前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部42aと、を有して構成されている。嵌合突部41aは、図9、図11(a)に示すようにアウターカバー10に形成された一対の保持板43、43と、これら保持板43、43間に挟持された柱状の係合軸44とによって形成されている。係合軸44は、図11(a)に示すようにその先端側の横断面形状が略半円形状となるように湾曲して形成されている。また、後端側、および一方の側面側が平坦面とされ、これら後端側の平坦面と一方の側面側の平坦面とが鋭角な角部44aを形成している。この角部44aは、後述する嵌合凹部42aの係合片46の係合爪46aに係合する、係合部として機能している。
一方、嵌合凹部42aは、図10、図11(a)に示すように背板15に形成された3方を囲む正面視コ字状の嵌合壁45と、この嵌合壁45の開放された一方に配置された係合片46とによって形成されている。嵌合壁45の、係合片46に隣り合う一対の壁体には、図11(a)に示すように嵌合突部41aの係合軸44を受け入れるための切欠45aが形成されている。係合片46は、先端側が嵌合壁45に対して接離可能に弾性変形するよう形成されており、その先端部に、前記係合軸44の角部44a(係合部)に係合する係合爪46aが形成されている。
このような構成のもとに、嵌合突部41aの係合軸44が嵌合凹部42aの嵌合壁45と係合片46との間に嵌合して、前後動部40aが形成されている。その際、嵌合壁45の切欠45aは係合軸44の背板15側への移動を許容する深さに形成されており、これによって係合軸44(嵌合突部41a)は嵌合凹部42aに対して移動可能に嵌合している。また、係合軸44が嵌合凹部42aに嵌合した後には、係合軸44の角部44aが係合片46の係合爪46aに係合し、これによって係合軸44が嵌合凹部42aから抜けでないようになっている。したがって、係合軸44の角部44aと嵌合凹部42aの係合爪46aとは、抜け止め部として機能している。
また、嵌合凹部42aを構成する係合片46や嵌合壁45の切欠45aと、係合軸44との間には、クリアランス部47が形成されている。このようなクリアランス部47が形成されていることにより、前後動部40aを支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部42aはクリアランス部47の範囲内で嵌合突部41aに対して相対的に回動可能になっている。すなわち、嵌合突部41aはクリアランス部47の範囲内で嵌合凹部42aに対して回動可能になっている。
図11(b)に示す前後動部40(40b)は、アウターカバー10に形成された嵌合突部41bと、背板15に形成されて嵌合突部41bを前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部42bと、を有して構成されている。嵌合突部41bは、図9、図11(b)に示すように対向する一対の板部を有して形成された台座48と、この台座48の受け面48a上に一体に設けられた係合突起49とによって形成されている。台座48の受け面48aは、側面視して凹状の湾曲面になっている。係合突起49は、嵌合凹部42bに移動可能に嵌合する部位であり、その先端部に両側へ延出する係合爪49aが形成されている。
一方、嵌合凹部42bは、図10、図11(b)に示すように背板15に形成された弾性変形可能な一対の挟持板50、50によって形成されている。図11(b)に示すようにこれら挟持板50、50には、その先端部に内側へ折り返してなる係合部50aが形成されている。また、これら挟持板50、50の先端面は、側面視して、前記嵌合突部41bの台座48の受け面48aの湾曲形状に対応した、凸状の湾曲面になっている。
このような構成のもとに、嵌合突部41bの係合突起49が嵌合凹部42bの一対の挟持板50、50間に挟持されてこれと嵌合することにより、前後動部40bが形成されている。その際、嵌合突部41bの台座48の受け面48aと嵌合凹部42bの挟持板50、50の先端面との間のクリアランス部51は、係合突起49の背板15側への移動を許容する充分な大きさに形成されており、これによって係合突起49(嵌合突部41b)は嵌合凹部42bに対して移動可能に嵌合している。
また、係合突起49が嵌合凹部42bに嵌合した後には、係合突起49の係合爪49aが挟持板50、50の係合部50aに係合し、これによって係合突起49が嵌合凹部42bから抜けでないようになっている。したがって、係合突起49の係合爪49aと嵌合凹部42bの挟持板50の係合部50aとは、抜け止め部として機能している。
また、嵌合突部41bの台座48の受け面48aと嵌合凹部42bの挟持板50、50の先端面とが互いに対応する凹凸の湾曲面となっているので、前後動部40bを支点として背板15をアウターカバー10に対して例えば左右方向に回動させた際、嵌合凹部42bの先端面は嵌合突部41bの台座48の受け面48aに面接触した後、互いに回動可能になっている。すなわち、嵌合突部41bは嵌合凹部42bに対して回動可能になっている。
図11(c)に示す前後動部40(40c)は、図11(a)に示した前後動部40(40a)とほぼ同じ構成に形成されている。すなわち、図11(a)に示した前後動部40(40a)における嵌合突部41aは、一対の保持板43、43間に係合軸44が挟持されて構成されているのに対し、図11(c)に示す前後動部40(40c)では、係合軸44が保持板43、43に代えてリブ12、12間に挟持されている点で異なっている。そして、嵌合凹部42cなどその他の構成については、図11(a)に示した前後動部40(40a)と同じになっている。
このような前後動部40(40a〜40c)を備えたことによって本実施形態の椅子は、前後動部40の位置、すなわち嵌合突部41(41a〜41c)や嵌合凹部42(42a〜42c)の位置を適宜な位置とすることにより、アウターカバー10に対向して配置される背板15のアウターカバー10に対する移動量(変位量)を適切に設定することができ、これによって座り心地を良くすることができる。特に、突出部24の近傍に形成配置した図11(b)に示す中間部の前後動部40bについて、そのクリアランス部51による移動可能量(変位可能量)を、図11(a)に示す最上部の前後動部40aや図11(c)に示す最下部の前後動部40cにおける、移動可能量(変位可能量)に比べて大きくなるように(大となるように)構成すれば、着座者の腰を柔軟に支持することができ、好ましい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態では、図6(a)〜(c)に示したように全ての前後動部20で、その嵌合凹部18に対する嵌合突部14の前後方向への変位可能量Lを同じに形成したが、このように前後動部20を複数形成した場合、変位可能量Lを全て同じにすることなく、一部を異ならせてもよい。具体的には、突出部24の近傍に形成配置した図6(b)に示す中間部の前後動部20について、左右一対の前後動部20のそれぞれの変位可能量Lを、図6(a)に示す最上部の前後動部20や図6(c)に示す最下部の前後動部20における、変位可能量Lに比べて大きくなるように(大となるように)構成してもよい。
このように構成にすれば、前述したように枢支部19を背板15の上端部の近傍に配設していることでアウターカバー10に対する背板15の相対移動量が大きくなっている突出部24の近傍において、さらに相対移動量の許容量(変位可能量L)も大きくしているので、最も柔軟に支持されることが望ましい着座者の腰近傍の部位において、より着座感を柔軟にし、座り心地を良くすることができる。
また、前記実施形態では本発明における板部材(背板15)に一対の縦スリット21、21を形成して、これらの間を他の部位より変形が容易な変形部23としたが、本発明はこのような変形部23を必須とすることなく、したがって変形部23を有していない背凭れにも適用することができる。また、変形部を形成する場合にも、一対の縦スリット21、21間に形成するのに代えて、例えば多数の小さい開口を形成してなる変形部など、種々の構成の変形部を形成した背凭れにも適用することができる。
また、前記実施形態ではアウターカバー10に複数のリブ12を形成し、これによってアウターカバー10を着座者の体重を支える強度部材として機能させているが、本発明はこれに限定されることなく、アウターカバー10を強度部材としては充分に機能しない構成としてもよい。その場合には、例えばアウターカバー10の表面側であって、尚且つ背板15の背面側となる位置に、強度部材として機能する板状部材を新たに配設し、この板状部材によって着座者の体重を主に支えるようにするのが好ましい。
また、前記実施形態では第1枢支部13を一対の支持板13a、13aとこれら支持板13a、13a間に挟持された四角柱状の係止ブロック13bとによって構成したが、係止ブロック13bを、左右方向に延在する円柱状の軸部材に代えてもよい。
1…椅子、10…アウターカバー(背凭れ支持部)、11…背凭れ本体(背凭れ)、
13…第1枢支部、14…嵌合突部、15…背板(板部材)、17…第2枢支部、
18…嵌合凹部、19…枢支部、20、40…前後動部、24…突出部

Claims (4)

  1. 支持構造体と、前記支持構造体に支持される背凭れと、を備え、前記支持構造体が、上下方向に延在する背凭れ支持部を有し、前記背凭れが、上下方向に延在してその裏面が前記背凭れ支持部に対向して配置される板部材を有してなる椅子において、
    前記背凭れ支持部と前記板部材とは、前記板部材の上下方向における一方の端部の近傍に配設された枢支部により、前記板部材の面方向に沿うとともに水平方向に沿う軸を回動軸としたその軸回りに、前記板部材が前記背凭れ支持部に対して回動可能に支持され、
    前記枢支部よりも上下方向における他方の端部の側に離間する部位に、前記背凭れ支持部に対して前記板部材を前後方向に変位させ、かつ案内する前後動部が設けられ、
    前記前後動部は、前記板部材と前記背凭れ支持部との一方に形成された嵌合突部と、他方に形成され、前記嵌合突部を前後方向に移動可能に嵌合させる嵌合凹部と、を有し
    前記前後動部は、前記嵌合突部の先端部及び前記嵌合凹部の先端部のみで係止可能とされ、前記背凭れ支持部に対して前記板部材が離間する方向に回動した際に、前記嵌合突部の前記嵌合凹部からの抜けが規制されていることを特徴とする椅子。
  2. 前記背凭れ支持部は強度部材であり、
    前記板部材は、前記背凭れ支持部の表面側にて前後方向に弾性変形する弾性部材からなることを特徴とする請求項1記載の椅子。
  3. 前記背凭れは、その下部に前方へ突出する凸形状の突出部を有し、
    前記枢支部は、前記板部材の上端部の近傍に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
  4. 前記前後動部は前記背凭れの上下方向に複数設けられ、
    前記背凭れにおける前記突出部近傍に形成された前記前後動部は、前記嵌合凹部に対する前記嵌合突部の前後方向への変位可能量が、他の部位に形成された前記前後動部に比べて大となるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の椅子。
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