JP2003250570A - 2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方法及びこの中間体の製造方法、並びにこれらに使用する2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子 - Google Patents

2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方法及びこの中間体の製造方法、並びにこれらに使用する2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子

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JP2003250570A
JP2003250570A JP2002057633A JP2002057633A JP2003250570A JP 2003250570 A JP2003250570 A JP 2003250570A JP 2002057633 A JP2002057633 A JP 2002057633A JP 2002057633 A JP2002057633 A JP 2002057633A JP 2003250570 A JP2003250570 A JP 2003250570A
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glucose
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JP2002057633A
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Akira Shimizu
昌 清水
Jun Ogawa
順 小川
Seiichiro Matsumoto
清一郎 松本
Yoshie Sasaki
美江 佐々木
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YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Yuki Gosei Kogyo Co Ltd
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YUKI GOSEI YAKUHIN KOGYO KK
Yuki Gosei Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製
造方法を提供すること。 【解決手段】 ATPの存在下、グルコース、フルクト
ース、グルコース6−リン酸、フルクトース6−リン
酸、グルコース1,6−ジリン酸、フルクトース1,6
−ジリン酸、グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グ
リセルアルデヒド又はグリセロール3−リン酸からグリ
セルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を有する微生
物を利用してグリセルアルデヒド3−リン酸を生成させ
る工程と、該生成物とアセトアルデヒドを2−デオキシ
リボース5−リン酸アルドラーゼを含有する微生物によ
り反応させて2−デオキシリボース5−リン酸を生成さ
せる工程と、該生成物と核酸塩基をホスホペントムター
ゼとヌクレオシドホスホリラーゼを含有する微生物によ
り反応させて2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を
生成させる工程とを具備する2’−デオキシリボヌクレ
オシド化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗ウイルス剤、ア
ンチセンス医薬などの原料、並びに核酸合成のための基
質として有用な2’−デオキシリボヌクレオシド化合物
を生化学的方法により選択的に製造する方法に関する。
また、本発明は、2’−デオキシリボヌクレオシド化合
物を製造する際の中間体である2−デオキシリボース5
−リン酸を製造する方法に関する。更に、本発明は、こ
れら方法の酵素反応を触媒し得る形質転換体の作成に使
用される2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2’−デオキシリボヌクレオシド
化合物の製造方法は天然物である魚類の精子から抽出生
産する方法が常法として知られている。しかし、原料と
なるDNA(デオキシリボ核酸)が高価でかつ分離精製
工程が煩雑であり安価に2’−デオキシリボヌクレオシ
ド化合物を得ることはできなかった。
【0003】一方、2’−デオキシリボヌクレオシド化
合物と核酸塩基を原料として、ヌクレオシドホスホリラ
ーゼにより塩基交換反応を行わせ、希望するヌクレオシ
ドを得る方法が報告されている(Hori.N.,Wa
tanabe,M.,Yamazaki,Y.,Mik
ami,Y.;Agric.Biol.Chem.,5
3巻,197〜202頁,1989年)。
【0004】この方法は、ヌクレオシドホスホリラーゼ
により既存の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物か
ら誘導された2−デオキシリボース1−リン酸を用い、
ヌクレオシドホスホリラーゼにより核酸塩基をリボシル
化するものである。すなわち、この方法により、2−デ
オキシリボース1−リン酸と任意の核酸塩基を原料にし
て、ヌクレオシドホスホリラーゼの作用により、該当す
る2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を調製するこ
とが可能である。
【0005】しかしながら、既存の2’−デオキシリボ
ヌクレオシド化合物を原料としないで、安価で入手しや
すい化合物を出発原料として、2’−デオキシリボヌク
レオシド化合物を生化学的に合成する方法は確立されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこでまず、2−デオ
キシリボース5−リン酸からホスホペントムターゼによ
り2−デオキシリボース1−リン酸を生化学的に生成さ
せる、2−デオキシリボース1−リン酸の製造方法に関
する発明、及び2−デオキシリボース5−リン酸と核酸
塩基からホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリ
ラーゼにより2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を
生成させる、2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の
製造方法に関する発明を完成させた(特願2000−2
89187)。
【0007】次いで、前述の発明の原料となる2−デオ
キシリボース5−リン酸を、グリセルアルデヒド3−リ
ン酸とアセトアルデヒドから、2−デオキシリボース5
−リン酸アルドラーゼの触媒作用により生化学的に生成
させる、又はジヒドロキシアセトンリン酸とアセトアル
デヒドから、トリオースリン酸イソメラーゼと2−デオ
キシリボース5−リン酸アルドラーゼの触媒作用により
生化学的に生成させる、2−デオキシリボース5−リン
酸の製造方法に関する発明を完成させた(特願2001
−58902)。
【0008】さらに、この2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼを用いて、グリセルアルデヒド3−リ
ン酸とアセトアルデヒドを原料として2−デオキシリボ
ース5−リン酸を生成させ、次に該2−デオキシリボー
ス5−リン酸と核酸塩基を、ホスホペントムターゼとヌ
クレオシドホスホリラーゼにより反応させ、2’−デオ
キシリボヌクレオシド化合物を生化学的に生成させる、
2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方法に関
する発明を完成させた(特願2001−26416
0)。また、ジヒドロキシアセトンリン酸とアセトアル
デヒドを、トリオースリン酸イソメラーゼと2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼにより反応させて、
2−デオキシリボース5−リン酸を生成させ、次に該2
−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基を、ホスホペ
ントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼにより反応
させ、2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を生化学
的に生成させる、2’−デオキシリボヌクレオシド化合
物の製造方法に関する発明を完成させた(特願2001
−264160)。なお、上記特許出願は全て、本願出
願時に未公開である。
【0009】しかしながら、いずれの方法においても、
安価で入手しやすいグルコース類又はグリセロール類を
出発原料として生化学的に2’−デオキシリボヌクレオ
シド化合物を得る方法は検討されていないのが現状であ
る。本発明者らは、この点に着目し、より安価で入手し
やすいグルコース類又はグリセロール類から2’−デオ
キシリボヌクレオシド化合物の製造を試みた。
【0010】したがって、本発明の目的は、グルコース
類又はグリセロール類を出発原料として、2’−デオキ
シリボヌクレオシド化合物を選択的に製造する方法を提
供することである。また、2’−デオキシリボヌクレオ
シド化合物を製造する際の中間体である2−デオキシリ
ボース5−リン酸を製造する方法を提供することであ
る。さらに、上記製造方法に有用な2−デオキシリボー
ス5−リン酸アルドラーゼ活性を有する遺伝子を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、微生物由来の酵素
による反応をカップリングさせることにより、グルコー
ス、グリセロールなどの糖類から2−デオキシリボース
5−リン酸を生成させた後、2’−デオキシリボヌクレ
オシド化合物を選択的に製造する方法を見いだし本発明
を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の要旨は以下のとおりで
ある。
【0013】(1) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は
該微生物由来の酵素を、アデノシン5’−トリリン酸の
存在下、該糖類に作用させてグリセルアルデヒド3−リ
ン酸を生成させる工程と、該グリセルアルデヒド3−リ
ン酸とアセトアルデヒドとを、2−デオキシリボース5
−リン酸アルドラーゼを含有する微生物の菌体、該微生
物菌体の処理物又は該微生物由来の酵素により反応させ
て、2−デオキシリボース5−リン酸を生成させる工程
とを具備することを特徴とする2−デオキシリボース5
−リン酸の製造方法。
【0014】(2) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は
該微生物由来の酵素を、アデノシン5’−トリリン酸の
存在下、該糖類に作用させてグリセルアルデヒド3−リ
ン酸を生成させる工程と、該グリセルアルデヒド3−リ
ン酸とアセトアルデヒドを、2−デオキシリボース5−
リン酸アルドラーゼを含有する微生物の菌体、該微生物
菌体の処理物又は該微生物由来の酵素により反応させ
て、2−デオキシリボース5−リン酸を生成させる工程
と、該2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基を、
ホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを
含有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微
生物由来の酵素により反応させて、2’−デオキシリボ
ヌクレオシド化合物を生成させる工程とを具備すること
を特徴とする2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の
製造方法。
【0015】(3) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する前記微生物が、パン酵母、エシェリヒア
属、クレブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、
オクロバクトラム属、サッカロマイセス属、キャンディ
ダ属、又はロドトルラ属に属する微生物であり、2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含有する前記
微生物が、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エシ
ェリヒア属、又はバチルス属に属する微生物であること
を特徴とする、(1)記載の2−デオキシリボース5−
リン酸の製造方法。
【0016】(4) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する前記微生物が、パン酵母、エシェリヒア
属、クレブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、
オクロバクトラム属、サッカロマイセス属、キャンディ
ダ属、又はロドトルラ属に属する微生物であり、2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含有する前記
微生物が、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エシ
ェリヒア属、又はバチルス属に属する微生物であり、ホ
スホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを含
有する前記微生物が、クレブシエラ属、エンテロバクタ
ー属、エシェリヒア属、又はバチルス属に属する微生物
であることを特徴とする、(2)記載の2’−デオキシ
リボヌクレオシド化合物の製造方法。
【0017】(5) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する前記微生物、及び2−デオキシリボース5
−リン酸アルドラーゼを含有する前記微生物が、エシェ
リヒア・コリ 10B5/pTS8(FERMBP−7
895)、エシェリヒア・コリ JM109/pTS8
(FERMBP−7896)又はクレブシエラ・ニュー
モニエ B−44(IFO 16579)であることを
特徴とする、(1)又は(3)記載の2−デオキシリボ
ース5−リン酸の製造方法。
【0018】(6) グルコース、フルクトース、グル
コース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコー
ス1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、
グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデ
ヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群より選択さ
れる糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する
能力を有する前記微生物、及び2−デオキシリボース5
−リン酸アルドラーゼを含有する前記微生物が、エシェ
リヒア・コリ 10B5/pTS8(FERMBP−7
895)、エシェリヒア・コリ JM109/pTS8
(FERMBP−7896)又はクレブシエラ・ニュー
モニエ B−44(IFO 16579)であり、ホス
ホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを含有
する前記微生物が、バチルス・コアギュランス YGK
−6054(FERM BP−7898)又はバチルス
・スピーシーズ YGK−6008(FERM BP−
7897)であることを特徴とする、(2)又は(4)
記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方
法。
【0019】(7) 前記グリセルアルデヒド3−リン
酸を生成させる工程が、アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する微生物、該微
生物菌体の処理物又は該微生物由来の酵素を該アデノシ
ン類に作用させて得られるアデノシン5’−トリリン酸
の存在下で行われることを特徴とする、(1)、(3)
又は(5)記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製
造方法。
【0020】(8) 前記グリセルアルデヒド3−リン
酸を生成させる工程が、アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する微生物、該微
生物菌体の処理物又は該微生物由来の酵素を該アデノシ
ン類に作用させて得られるアデノシン5’−トリリン酸
の存在下で行われることを特徴とする、(2)、(4)
又は(6)記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合
物の製造方法。
【0021】(9) 前記グリセルアルデヒド3−リン
酸を生成させる工程が、微生物の解糖系により得られる
アデノシン5’−トリリン酸の存在下で行われることを
特徴とする、(1)、(3)又は(5)記載の2−デオ
キシリボース5−リン酸の製造方法。
【0022】(10) 前記グリセルアルデヒド3−リ
ン酸を生成させる工程が、微生物の解糖系により得られ
るアデノシン5’−トリリン酸の存在下で行われること
を特徴とする、(2)、(4)又は(6)記載の2’−
デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方法。
【0023】(11) アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物
が、パン酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリ
ウム属、コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレ
ブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバ
クトラム属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又
はロドトルラ属に属する微生物であることを特徴とす
る、(7)記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製
造方法。
【0024】(12) アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物
が、パン酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリ
ウム属、コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレ
ブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバ
クトラム属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又
はロドトルラ属に属する微生物であることを特徴とす
る、(8)記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合
物の製造方法。
【0025】(13) 解糖系によりアデノシン5’−
トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、
コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ
属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム
属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドト
ルラ属に属する微生物であることを特徴とする、(9)
記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
【0026】(14) 解糖系によりアデノシン5’−
トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、
コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ
属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム
属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドト
ルラ属に属する微生物であることを特徴とする、(1
0)記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製
造方法。
【0027】(15) アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物
が、パン酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネ
ス ATCC 6872であることを特徴とする、
(7)又は(11)記載の2−デオキシリボース5−リ
ン酸の製造方法。
【0028】(16) アデニン、アデノシン、アデノ
シン5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸か
らなる群より選択されるアデノシン類からアデノシン
5’−トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物
が、パン酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネ
ス ATCC 6872であることを特徴とする、
(8)又は(12)記載の2’−デオキシリボヌクレオ
シド化合物の製造方法。
【0029】(17) 解糖系によりアデノシン5’−
トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネス AT
CC6872であることを特徴とする、(9)又は(1
3)記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方
法。
【0030】(18) 解糖系によりアデノシン5’−
トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネス AT
CC6872であることを特徴とする、(10)又は
(14)記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物
の製造方法。
【0031】(19) 配列番号2で示されるアミノ酸
配列からなる2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼ活性を有する酵素タンパク質、又は配列番号2で示
されるアミノ酸配列において1つ若しくは複数のアミノ
酸が欠失、置換、付加及び/若しくは挿入されたアミノ
酸配列からなり、かつ2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質。
【0032】(20) 配列番号4で示される塩基配列
を含み、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
活性を有する酵素タンパク質をコードする遺伝子、又は
配列番号4で示される塩基配列において1つ若しくは複
数のヌクレオチドが欠失、置換、付加及び/若しくは挿
入された塩基配列を含み、かつ2−デオキシリボース5
−リン酸アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質をコ
ードする遺伝子。
【0033】(21) 配列番号2で示されるアミノ酸
配列からなるタンパク質をコードする遺伝子、又は配列
番号2で示されるアミノ酸配列において1つ若しくは複
数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/若しくは挿入さ
れたアミノ酸配列からなり、かつ2−デオキシリボース
5−リン酸アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質を
コードする遺伝子。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0035】<酵素反応による2’−デオキシリボヌク
レオシド化合物の合成>本発明では、まず、アデノシン
5’−トリリン酸の存在下、グルコース、フルクトー
ス、グルコース6−リン酸、フルクトース6−リン酸、
グルコース1,6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジ
リン酸、グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グリセ
ルアルデヒド及びグリセロール3−リン酸からなる群よ
り選択される糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を
生成する能力を有する微生物の菌体、該微生物菌体の処
理物又は該微生物由来の酵素を用いて、該糖類に作用さ
せてグリセルアルデヒド3−リン酸を合成することがで
きる。
【0036】例えば、下記の(1−a)式に示されるグ
ルコース代謝系、(1−b)式又は(1−c)式に示さ
れるグリセロール代謝系などの反応における糖類から、
グリセルアルデヒド3−リン酸を合成することができ
る。
【0037】本明細書において、グルコース、フルクト
ース、グルコース6−リン酸、フルクトース6−リン
酸、グルコース1,6−ジリン酸、フルクトース1,6
−ジリン酸、グリセロール、ジヒドロキシアセトン、グ
リセルアルデヒド及びグリセロール3−リン酸のことを
便宜的に糖類と称する。
【0038】本明細書において「アデノシン5’−トリ
リン酸の存在下」とは、アデノシン5’−トリリン酸が
存在している条件下であれば特に限定されず、以下に記
載されるように、酵素反応時にアデノシン5’−トリリ
ン酸を存在させることができる。例えば、アデノシン
5’−トリリン酸は微生物に微量含有されているので、
使用する微生物に元々内在しているものであってもよい
し、人為的に反応系に加えてもよい。また、アデニン、
アデノシン、アデノシン5’−モノリン酸及びアデノシ
ン5’−ジリン酸からなる群より選択されるアデノシン
類からアデノシン5’−トリリン酸を生成する能力を有
する微生物、該微生物菌体の処理物又は該微生物由来の
酵素を該アデノシン類に作用させて再生したアデノシン
5’−トリリン酸を用いることもできる(ATP再生系
ともいう)。あるいは、微生物の解糖系により得られる
アデノシン5’−トリリン酸を用いることもできる。さ
らに、これらの手法を組み合わせて、アデノシン5’−
トリリン酸を用いることもできる。すなわち、本発明に
おいては、人為的にアデノシン5’−トリリン酸(AT
P)を添加した場合であっても、微生物中に内在するA
TPや微生物のATP再生系、解糖系により得られるA
TPを、該微生物が反応に利用することを妨げるもので
はない。本発明は、微生物による酵素反応を利用したも
のであるため、微生物が目的の生成物を産生し得る限
り、本発明の方法において微生物が、当該反応に何れの
起源のATPを利用してもよい。
【0039】なお、本発明において、解糖系とは下記の
(1−a)式に示されるグルコース代謝系から、さら
に、ピルビン酸、エタノール、又は乳酸まで分解される
代謝経路を意味する。フルクトース1,6−ジリン酸又
はグリセロール3−リン酸を出発原料とするときは、ア
デノシン5’−トリリン酸の存在下でなくとも本反応は
十分に進行するが、アデノシン5’−トリリン酸が過剰
量存在するときは目的物の収率も向上する。
【0040】以下、具体的に式に基づいて説明する。
(1−a)式のようにグルコース代謝系では、例えば、
アデノシン5’−トリリン酸(ATPと略す)の存在下
にグルコースからグリセルアルデヒド3−リン酸を合成
することができる。また、(1−b)式又は(1−c)
式のようにグリセロール代謝系では、例えば、ATPの
存在下にグリセロールからグリセルアルデヒド3−リン
酸を合成することができる。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】次に、下記(2)式に示すように、例え
ば、上述の(1−a)式、(1−b)式又は(1−c)
式で得られたグリセルアルデヒド3−リン酸と、アセト
アルデヒドとから、2−デオキシリボース5−リン酸ア
ルドラーゼ(以下、式中でDERAと略す)を含有する
微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生物由来
の酵素の触媒作用により、2−デオキシリボース5−リ
ン酸へ変換することができる。(2)式は平衡反応であ
るが、平衡は2−デオキシリボース5−リン酸の生成側
に片寄っている。続いて、下記(3)及び(4)式に示
すように、上述(2)式で得られた反応液(すなわち、
2−デオキシリボース5−リン酸を生成物として含有す
る反応液)と、核酸塩基(式中ではアデニン)とから、
ホスホペントムターゼ(以下、式中でPPMと略す)と
ヌクレオシドホスホリラーゼ(以下、式中でNPと略
す)を含有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又
は該微生物由来の酵素の触媒作用により、2−デオキシ
リボース1−リン酸を経由して2’−デオキシリボヌク
レオシド化合物を合成することができる。
【0045】本発明に使用する核酸塩基としては、天然
型のチミン、ウラシル、シトシン、アデニン、グアニ
ン、ヒポキサンチンなどの他に、ヌクレオシドホスホリ
ラーゼにより認識される人工の核酸塩基類縁化合物(例
えば、5−ブロモウラシル、5−フルオロウラシル、5
−トリフルオロメチルウラシル、2−アミノプリン、
2,6−ジアミノプリン、2−クロロプリン、6−クロ
ロプリン、2,6−ジクロロプリン、2−アミノ−6−
クロロプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルチオ
プリン、1−デアザアデニン、3−デアザグアニン、ベ
ンズイミダゾール、グリオキサール−グアニンなど)を
使用することができる。従って、本発明の方法により得
られる2’−デオキシリボヌクレオシド化合物は、これ
ら天然の核酸塩基および人工の核酸塩基類縁化合物の何
れかを塩基として含む化合物であり得る。
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】本発明において、(1−a)式で示される
グルコース代謝系、(1−b)式又は(1−c)式で示
されるグリセロール代謝系の反応、次に(2)式の反応
から(3)式の反応を経由して(4)式への反応の移行
は、それぞれの反応で得られた目的物を単離することな
く連続して行うことができる。このように、反応を連続
して行うことを、本発明において「反応のカップリン
グ」又は「反応をカップリングさせる」という。
【0050】反応のカップリングとは、まず、(1−
a)式、(1−b)式又は(1−c)式を触媒する微生
物の反応によりグリセルアルデヒド3−リン酸を生成さ
せた後、(2)式の反応を触媒する微生物及びアセトア
ルデヒドを反応液中に添加することにより2−デオキシ
リボース5−リン酸を生成させ、その後、(3)式及び
(4)式の反応を触媒する微生物、及び核酸塩基を反応
液中に添加することにより行うことができる。あるい
は、(1−a)式、(1−b)式又は(1−c)式の反
応を行う際に(2)式の反応を触媒する微生物及びアセ
トアルデヒドが既に添加されていてもよい。また、(1
−a)式、(1−b)式又は(1−c)式と(2)式の
反応を行う際に、(3)式及び(4)式の反応を触媒す
る微生物、及び核酸塩基が既に添加されていてもよい。
本発明の説明において、2−デオキシリボース5−リ
ン酸を生成させるまでの反応[(1−a)式、(1−
b)式又は(1−c)式と、(2)式の反応]と、その
後の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を製造する
反応[(3)式及び(4)式の反応]を便宜的に分けて
説明するが、本発明は、中間生成物(グリセルアルデヒ
ド3−リン酸、2−デオキシリボース5−リン酸、2−
デオキシリボース1−リン酸)を単離することなく連続
して各反応を行うことができるのである。
【0051】なお、(1−a)式、(1−b)式又は
(1−c)式から、(4)式へ反応を連続して行うに
は、(3)式及び(4)式の反応においてもアセトアル
デヒドの存在下で行うことが好ましい。アセトアルデヒ
ドの存在下で(3)式及び(4)式の反応を行うと、最
終生成物である2’−デオキシリボヌクレオシド化合物
の収率を増大させることができる。アセトアルデヒドの
存在により、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼが共存している反応系では、(2)式の平衡反応を
2−デオキシリボース5−リン酸の生成側(右側)にシ
フトさせることができるからである。
【0052】また、グルコース1,6−ジリン酸はホス
ホペントムターゼによる反応の活性化因子として報告さ
れており(Hammer−Jesperson,K.,
Munch−Petersen,A.;Eur.J.B
iochem.,17巻,397〜407頁,1970
年)、(3)式の反応系に加えることが望ましい。
【0053】<微生物及び酵素>本発明において「糖類
からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を有
する微生物」としては該能力を有するものであれば特に
限定されないが、例えば、パン酵母、エシェリヒア(E
scherichia)属、クレブシエラ(Klebs
iella)属、バチルス(Bacillus)属、シ
ュードモナス(Pseudomonas)属、オクロバ
クトラム(Ochrobactrum)属、サッカロマ
イセス(Saccharomyces)属、キャンディ
ダ(Candida)属、又はロドトルラ(Rhodo
torula)属に属する微生物が挙げられ、好ましく
は、パン酵母、エシェリヒア属、クレブシエラ属に属す
る微生物が挙げられる。より好ましくは、エシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)、クレブ
シエラ・ニューモニエ(Klebsiella pne
umoniae)に属する微生物が挙げられ、より具体
的には、エシェリヒア・コリ 10B5/pTS8(F
ERM BP−7895)、エシェリヒア・コリ JM
109/pTS8(FERM BP−7896)又はク
レブシエラ・ニューモニエ B−44(IFO 165
79)が挙げられる。
【0054】「アデニン、アデノシン、アデノシン5’
−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からなる群
より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−トリ
リン酸を生成する能力を有する微生物」としては該能力
を有するものであれば特に限定されないが、例えば、パ
ン酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム
(Brevibacteirum)属、コリネバクテリ
ウム(Corynebacterium)属、エシェリ
ヒア(Escherichia)属、クレブシエラ(K
lebsiella)属、バチルス(Bacillu
s)属、シュードモナス(Pseudomonas)
属、オクロバクトラム(Ochrobactrum)
属、サッカロマイセス(Saccharomyces)
属、キャンディダ(Candida)属、又はロドトル
ラ(Rhodotorula)属に属する微生物が挙げ
られ、好ましくは、パン酵母、ブレビバクテリウム属に
属する微生物が挙げられる。ブレビバクテリウム属のう
ちより好ましくは、ブレビバクテリウム・アンモニアゲ
ネス(Brevibacteirum ammonia
genes)に属する微生物が挙げられ、より具体的に
は、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス ATCC
6872が挙げられる。
【0055】「解糖系によりアデノシン5’−トリリン
酸を生成する能力を有する微生物」としては該能力を有
するものであれば特に限定されないが、例えば、パン酵
母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム(Br
evibacteirum)属、コリネバクテリウム
(Corynebacterium)属、エシェリヒア
(Escherichia)属、クレブシエラ(Kle
bsiella)属、バチルス(Bacillus)
属、シュードモナス(Pseudomonas)属、オ
クロバクトラム(Ochrobactrum)属、サッ
カロマイセス(Saccharomyces)属、キャ
ンディダ(Candida)属、又はロドトルラ(Rh
odotorula)属に属する微生物が挙げられ、好
ましくは、パン酵母、ブレビバクテリウム属に属する微
生物が挙げられる。ブレビバクテリウム属のうちより好
ましくは、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(B
revibacteirum ammoniagene
s)に属する微生物が挙げられ、より具体的には、ブレ
ビバクテリウム・アンモニアゲネス ATCC 687
2が挙げられる。
【0056】「2−デオキシリボース5−リン酸アルド
ラーゼ(EC4.1.2.4)を含有する微生物」とし
ては該活性を有するものであれば特に限定されないが、
例えば、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エシェ
リヒア属、又はバチルス属に属する微生物が挙げられ、
好ましくは、クレブシエラ(Klebsiella)
属、エンテロバクター(Enterobacter)
属、又はエシェリヒア(Escherichia)属に
属する微生物が挙げられる。さらに好ましくはクレブシ
エラ・ニューモニエ(Klebsiella pneu
moniae)に属する微生物であり、より具体的には
クレブシエラ・ニューモニエ B−44(IFO 16
579)である。更に、「2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼ(EC4.1.2.4)を含有する微
生物」として、2−デオキシリボース5−リン酸アルド
ラーゼ遺伝子で形質転換された任意の形質転換体を利用
することもできる。その一例として、本発明で実際に作
成された形質転換体、即ち、エシェリヒア・コリ 10
B5/pTS8(FERM BP−7895)、エシェ
リヒア・コリ JM109/pTS8(FERM BP
−7896)を挙げることができる(後述の実施例1お
よび2の記載を参照)。
【0057】クレブシエラ・ニューモニエ(Klebs
iella pneumoniae) B−44(IF
O 16579)は、財団法人発酵研究所(Insti
tute for Fermentation,Osa
ka;2−17−85,juso−honmachi,
yodogawa−ku,Osaka,532−868
6,Japan)へ平成13年3月1日に寄託されてい
る。なお、本菌株は、国立感染症研究所が作成した微生
物のバイオセーフティーレベルによれば、レベル2に属
するものであるため、ブダペスト条約上の国際寄託当局
である産業技術総合研究所(旧工業技術院)生命工学工
業技術研究所により受託を拒否され、平成13年2月2
7日付けでその旨証明されている。
【0058】「ホスホペントムターゼ(EC5.4.
2.7)とヌクレオシドホスホリラーゼ[プリンヌクレ
オシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.1)及びピリ
ミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(EC2.4.2.
2)の両者を意味する]を含有する微生物」としては、
該活性を有するものであれば特に限定されないが、例え
ば、クレブシエラ属、エンテロバクター属、エシェリヒ
ア属、又はバチルス属に属する微生物が挙げられ、好ま
しくは、バチルス属に属する耐熱性微生物、より好まし
くはバチルス・コアギュランス(Bacillus c
oagulans)に属する微生物が挙げられる。さら
に好ましくは、バチルス・コアギュランスYGK−60
54(FERM BP−7898)、及びバチルス・ス
ピーシーズ(Bacillus sp.) YGK−6
008(FERM BP−7897)である。
【0059】本菌株は通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所に平成12年5月12日に国内寄託された
[バチルス・コアギュランス(Bacillus co
agulans) YGK−6054(FERM P−
17852)、及びバチルス・スピーシーズ(Baci
llus sp.) YGK−6008(FERMP−
17851)]。その後、平成14年2月15日に産業
技術総合研究所特許生物寄託センターに国内寄託から国
際寄託へ移管されている。
【0060】寄託菌株であるクレブシエラ・ニューモニ
エ(Klebsiella pneumoniae)
B−44、バチルス・コアギュランス(Bacillu
scoagulans) YGK−6054、及びバチ
ルス・スピーシーズ(Bacillus sp.) Y
GK−6008の菌学的性質は、バージェイス・マニュ
アル・オブ・システマティック・バクテリオロジー第1
巻(1984年)及びバージェイス・マニュアル・オブ
・デターミナティブ・バクテリオロジー第9版(199
4年)に準じて検討した。なお、実験は主として長谷川
武治編著、改訂版「微生物の分類と同定」(学会出版セ
ンター、1985年)記載の方法により行った。
【0061】以下に、寄託菌株である<1>クレブシエ
ラ・ニューモニエ B−44、<2>バチルス・コアギ
ュランス YGK−6054、及び<3>バチルス・ス
ピーシーズ YGK−6008の菌学的性質を記載す
る。
【0062】<1>クレブシエラ・ニューモニエ(Kl
ebsiella pneumoniae) B−44
(IFO 16579)。 1.形態的性質 (1)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.8×0.8〜
3.2μm (2)グラム染色性: 陰性 (3)細胞の多形性の有無: なし (4)運動性: なし (5)鞭毛の着生状態: なし (6)胞子の有無: なし (7)抗酸性: なし 2.培養的性質 (1)肉汁寒天平板培養: 円形、全縁滑らか、低凸
状、表層滑らか、乳黄色 (2)肉汁寒天斜面培養: 乳黄色、不透明で培地全体
に拡がり生育は良好である。 (3)肉汁液体培養: 濁りは中程度で均一、色なし (4)肉汁ゼラチン穿刺培養: 変化なし (5)リトマスミルク: やや酸性、凝固、ガス発生 3.生理学的性質 (1)硝酸塩の還元: 陽性 (2)脱窒反応: 陰性 (3)MRテスト: 陽性 (4)VPテスト: 陰性 (5)インドールの生成: 陰性 (6)硫化水素の生成: 陰性 (7)デンプンの加水分解: 陰性 (8)クエン酸の利用 ・コーザー(Koser)培地: 陽性 ・クリステンセン(Christensen)培地:
陽性 (9)無機窒素源の利用: ・硝酸塩: 陽性(弱い) ・アンモニウム塩: 陽性(弱い) (10)色素の産生: 陰性 (11)ウレアーゼ: 陰性 (12)オキシダーゼ: 陰性 (13)カタラーゼ: 陽性 (14)生育の範囲 ・pH: 3.5〜10.2(至適5.0〜8.0) ・温度域: 10〜40℃(至適22〜30℃) (15)酸素に対する態度: 均一に生育、ガス発生 (16)O−Fテスト ・グルコース: F 4.その他種の特徴を示すに必要なもの (1)各種炭素源の利用 ・ラクトース: + ・マルトース: + ・D−キシロース: + ・D−マンニトール: + ・ラフィノース: + ・D−ソルビトール: + ・シュークロース: + ・イノシトール: + ・アドニトール: + ・L−ラムノース: + ・L−アラビノース: + ・D−マンノース: + (2)β−ガラクトシダーゼ: + (3)アルギニン脱炭酸: − (4)リジン脱炭酸: + (5)オルニチン脱炭酸: − (6)エスクリン加水分解: + (7)有機酸の利用 ・マロン酸: + ・クエン酸: + ・グルコン酸: + ・n−カプリン酸: − ・アジピン酸: − ・DL−リンゴ酸: + (8)アセトアミド利用: − (9)インドール・ピルビン酸産生: − (10)アルギニンデヒドロラーゼ: − (11)ゼラチン加水分解: − (12)酢酸フェニル資化能: − 5.化学分類学的性質 (1)GC含量: 50〜52mol%(HPLC法) 以上の菌学的性質に基づき、本菌株はクレブシエラ・ニ
ューモニエ(Klebsiella pneumoni
ae)と判明した。
【0063】<2>バチルス・コアギュランス(Bac
illus coagulans)YGK−6054
(FERM BP−7898) 1.形態的性質 (1)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.7×2μm (2)グラム染色性:陽性 (3)細胞の多形性の有無:なし (4)運動性:あり (5)鞭毛の着生状態:周毛 (6)胞子:楕円形の内性胞子形成、位置は末端 (7)抗酸性:なし 2.培養的性質 (1)肉汁寒天平板培養:不規則形、全縁波状、低くて
平ら、やや光沢あり、クリーム色 (2)肉汁寒天斜面培養:クリーム色、半透明で培地全
体に広がり生育は良好(3)肉汁液体培養:濁りは中程
度で均一 (4)肉汁ゼラチン穿刺培養:全体液化(冷却時) (5)リトマスミルク:凝固、pH8 3.生理学的性質 (1)硝酸塩の還元:陽性 (2)脱窒反応:陽性 (3)MRテスト:陰性 (4)VPテスト:陽性 (5)インドールの生成:陰性 (6)硫化水素の生成:陰性 (7)デンプンの加水分解:陰性 (8)クエン酸の利用:陽性 (9)無機窒素源の利用: ・硝酸塩:陽性 ・アンモニウム塩:陽性 (10)色素の産生:陰性 (11)ウレアーゼ:陰性 (12)オキシダーゼ:陽性 (13)カタラーゼ:陽性 (14)生育の範囲 ・pH5〜6.8における生育:生育した ・NaCl濃度:1〜2%で生育した、5%で生育せず ・温度域:42〜59℃で生育した(至適52〜55
℃)、30℃で生育せず (15)酸素に対する態度:通性嫌気性 (16)O−Fテスト ・グルコース:F(ガスの産生なし) 4.その他種の特徴を示すに必要なもの (1)各種炭素源の利用 ・ラクトース:− ・マルトース:+ ・D−キシロース:+ ・マンニトール:+ ・D-ラフィノース:− ・ソルビトール:− ・シュークロース:− ・イノシトール:− ・アドニトール:− ・ラムノース:− ・L−アラビノース:− ・D−マンノース:− ・リボース:+ ・ガラクトース:+ ・D−グルコース:+ ・D−フルクトース:+ ・N−アセチルグルコサミン:+ ・トレハロース:+ (2)β−ガラクトシダーゼ:陽性 (3)アルギニン脱炭酸:陰性 (4)リジン脱炭酸:陰性 (5)オルニチン脱炭酸:陰性 (6)エスクリン加水分解:陽性 (7)インドール産生:陰性 (8)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 (9)ゼラチン加水分解:陽性 5.化学分類学的性質 (1)GC含量:50〜52mol%(HPLC法) 以上の菌学的性質に基づき、本菌株はバチルス・コアギ
ュランス(Bacillus coagulans)と
判明した。
【0064】<3>バチルス・スピーシーズ(Baci
llus sp.) YGK−6008(FERM B
P−7897) 1.形態的性質 (1)細胞の形及び大きさ:桿菌、0.8×2〜3μm (2)グラム染色性:陽性 (3)細胞の多形性の有無:なし (4)運動性:あり (5)鞭毛の着生状態:周毛 (6)胞子:楕円形の内性胞子形成、位置は末端 (7)抗酸性:なし 2.培養的性質 (1)肉汁寒天平板培養:楕円形、全縁なめらか、低凸
状、やや光沢あり、クリーム色 (2)肉汁寒天斜面培養:クリーム色、不透明で画線跡
にそって生育、生育は良好 (3)肉汁液体培養:濁りは中程度で均一 (4)肉汁ゼラチン穿刺培養:全面液化(冷却時) (5)リトマスミルク:凝固、pH8 3.生理学的性質 (1)硝酸塩の還元:陽性 (2)脱窒反応:陽性 (3)MRテスト:陰性 (4)VPテスト:陽性 (5)インドールの生成:陰性 (6)硫化水素の生成:陰性 (7)デンプンの加水分解:陰性 (8)クエン酸の利用:陽性 (9)無機窒素源の利用: ・硝酸塩:陽性 ・アンモニウム塩:陽性 (10)色素の産生:陰性 (11)ウレアーゼ:陰性 (12)オキシダーゼ:陽性 (13)カタラーゼ:陽性 (14)生育の範囲 ・pH5〜6.8における生育:pH5〜5.7で生育
せず、pH6.8で生育した ・NaCl濃度:1%で生育した、2〜5%で生育せず ・温度域:42〜59℃で生育した(至適52〜55
℃)、30℃で生育せず (15)酸素に対する態度:通性嫌気性 (16)O−Fテスト ・グルコース:F(ガスの産生なし) 4.その他種の特徴を示すに必要なもの (1)各種炭素源の利用 ・ラクトース:− ・マルトース:+ ・D−キシロース:+ ・マンニトール:+ ・D−ラフィノース:− ・ソルビトール:− ・シュークロース:− ・イノシトール:− ・アドニトール:− ・ラムノース:− ・L−アラビノース:− ・D−マンノース:− ・リボース:+ ・ガラクトース:+ ・D−グルコース:+ ・D−フルクトース:+ ・N−アセチルグルコサミン:+ ・トレハロース:+ (2)β−ガラクトシダーゼ:陽性 (3)アルギニン脱炭酸:陰性 (4)リジン脱炭酸:陰性 (5)オルニチン脱炭酸:陰性 (6)エスクリン加水分解:陽性 (7)インドール産生:陰性 (8)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 (9)ゼラチン加水分解:陽性 5.化学分類学的性質 (1)GC含量:48〜50mol%(HPLC法) 以上の菌学的性質に基づき、本菌株はバチルス・スピー
シーズ(Bacillus sp.)と判明した。
【0065】<培養条件と酵素の調製>本発明に用いる
微生物は通常の細菌用培地に生育させることができる。
寄託菌株の培養も同様である。例えば、クレブシエラ・
ニューモニエ B−44(IFO 16579)は、通
常の細菌用培地に生育させることができる。窒素源とし
ては、酵母エキス、肉エキス、ペプトン、トリプトンな
どを、無機塩としては、塩化アンモニウム、硝酸カリウ
ム、塩化ナトリウムなどを用いることができる。なお、
2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼの生産を
高めるために、培地に、2−デオキシリボース、フルク
トース、フルクトース1,6−ジリン酸、ジヒドロキシ
アセトンなどを添加することが有効である。
【0066】バチルス・コアギュランス YGK−60
54(FERM BP−7898)、及びバチルス・ス
ピーシーズ(Bacillus sp.) YGK−6
008(FERM BP−7897)は通常の細菌用培
地に生育させることができる。窒素源としては、塩化ア
ンモニウム、硫酸アンモニウムなどの無機窒素類又はペ
プトン、トリプトンなどの有機窒素類を用いることがで
きる。また、培地にマンガン、マグネシウムを添加する
ことが望ましい。なお、ホスホペントムターゼとヌクレ
オシドホスホリラーゼの生産を高めるうえで、培地にリ
ボースなどの糖又はイノシン、チミジンなどのヌクレオ
シドを添加することが有効である。
【0067】本発明において、微生物の菌体、該微生物
菌体の処理物又は該微生物に由来の酵素によりとは、微
生物を含有する懸濁液(菌体懸濁液)又は該微生物から
産生される酵素を用いて反応を行うことを意味する。ま
た、微生物菌体の処理物とは、微生物菌体を物理的又は
化学的処理(例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミ
ンなどの界面活性剤、キシレン、トルエンなどの有機溶
媒を含有する溶液で処理)により膜構造を部分的又は全
体的に破壊する操作を行ったものを意味する。すなわ
ち、本発明は、菌体懸濁液そのものを用いて反応を行っ
てもよく、また微生物から産生される酵素を取り出して
該反応を行ってもよい。
【0068】<反応条件及び生成物の分離精製と定量>
まず、グルコース代謝系、グリセロール代謝系などにお
ける糖類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成させ
た後、該グリセルアルデヒド3−リン酸とアセトアルデ
ヒドから2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
により2−デオキシリボース5−リン酸を生成させる反
応条件について記す。以下、2−デオキシリボース5−
リン酸が生成されるまでの反応を「第一の反応系」とも
いう。
【0069】「第一の反応系」において、糖類の初期濃
度は、一般に100〜1000mMである。アセトアル
デヒドの初期濃度は、一般に15〜1000mMであ
り、好ましくは150〜400mMである。アデノシン
5’−トリリン酸を人為的に反応に添加する場合は、そ
の初期濃度は、一般に10〜500mMであり、好まし
くは50〜100mMである。
【0070】また、アデニン、アデノシン、アデノシン
5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
トリリン酸を生成する能力を有する微生物、該微生物菌
体の処理物又は該微生物由来の酵素を該アデノシン類に
作用させて得られたアデノシン5’−トリリン酸を用い
る場合は、基質となるアデノシン類の初期濃度は、一般
に10〜100mMであり、好ましくは10〜15mM
程度の触媒量である。あるいは、微生物の解糖系により
得られるアデノシン5’−トリリン酸を用いる場合は、
前記(1−a)式に示されるグルコース代謝系における
糖類が基質として利用され得る。
【0071】反応液のpHは、通常4.0〜12.5で
あり、好ましくは7.0〜9.5である。反応液として
は上記pHに調整することが可能な任意の緩衝液が使用
可能である。反応温度は、通常20〜60℃であり、好
ましくは25〜40℃である。反応時間は反応条件によ
って左右されるが、通常2〜6時間で終了する。
【0072】「第一の反応系」に使用する微生物は、好
ましくは、該微生物を予め栄養培地で、3〜72時間培
養したものが使用され、より好ましくは8〜24時間培
養したものが使用される。また、反応に使用する菌体濃
度は、好ましくは、1.0〜20質量%であるが、菌体
濃度が高いほど2−デオキシリボース5−リン酸を生成
するうえで好ましい。
【0073】なお、反応液からの生成物の採取は行って
も行わなくても次の反応に移行することができるが、採
取を行う場合には、限外ろ過、イオン交換分離、吸着ク
ロマトグラフィーなどにより行うことができる。
【0074】反応生成物の定量は2つの方法により行う
ことができる。第1の方法はバートン(Burton)
法である(例えば、東京化学同人、生化学辞典・第3
版、664頁、1998年)。本法は、ジフェニルアミ
ン・酢酸・硫酸反応により、鋭敏に2−デオキシリボー
スを検出する特異性の高い定量方法で、2−デオキシリ
ボース5−リン酸の吸光係数は2−デオキシリボースの
それと等しい。第2の方法は、DNAの比色定量法であ
るシステイン・硫酸(cystein−sulfat
e)法の応用である(例えば、Stumpf,P.
K.; J.Biol.Chem.,169巻,367
〜371頁,1947年)。本法により2−デオキシリ
ボース5−リン酸を定量することができる。
【0075】次に、2−デオキシリボース5−リン酸を
ホスホペントムターゼにより、2−デオキシリボース1
−リン酸を生成させた後、該2−デオキシリボース1−
リン酸と核酸塩基とからヌクレオシドホスホリラーゼに
より2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を生成させ
る条件について記す。以下、2−デオキシリボース5−
リン酸と核酸塩基から2’−デオキシリボヌクレオシド
化合物が生成されるまでの反応を「第二の反応系」とも
いう。
【0076】「第二の反応系」において、原料の2−デ
オキシリボース5−リン酸を、「第一の反応系」から単
離することなく使用する場合、2−デオキシリボース5
−リン酸の初期濃度は、「第一の反応系」で得られた濃
度となる。「第二の反応系」において、原料の2−デオ
キシリボース5−リン酸の初期濃度は、5〜200mM
であることが好ましく、より好ましくは5〜100mM
である。原料の核酸塩基の初期濃度は、一般に5〜20
0mMであり、好ましくは5〜100mMである。核酸
塩基は、「第一の反応系」において2−デオキシリボー
ス5−リン酸が生成される程度の十分な反応時間が経過
した後に、該反応液に添加してもよいし、「第一の反応
系」の反応液に予め添加されてもよい。また、核酸塩基
の初期濃度は、2−デオキシリボース5−リン酸の初期
濃度以上とするのがよい。一般に、2−デオキシリボー
ス5−リン酸に対する核酸塩基のモル濃度は高い方が2
−デオキシリボース5−リン酸に対するヌクレオシド化
合物の収率は増大する。ただし、飽和濃度より高い濃度
の核酸塩基を加える場合には、反応の進行を見ながら分
割して加えてもよい。
【0077】上述のとおり、ホスホペントムターゼとヌ
クレオシドホスホリラーゼによる「第二の反応系」は、
アセトアルデヒドの存在下で行うことが好ましい。アセ
トアルデヒドの存在により、「第一の反応系」の平衡反
応を2−デオキシリボース5−リン酸の生成側にシフト
させることが可能となる。アセトアルデヒドは、「第二
の反応系」の際に存在していれば、任意の時期に添加さ
れ得る。アセトアルデヒドの初期濃度は、一般に5〜6
00mMであり、好ましくは200〜400mMであ
る。
【0078】また、上述のとおり、ホスホペントムター
ゼによる反応は、該反応の活性化因子として報告されて
いるグルコース1,6−ジリン酸の存在下で行うことが
好ましい。グルコース1,6−ジリン酸は、ホスホペン
トムターゼによる反応の際に存在していれば、任意の時
期に添加され得る。グルコース1,6−ジリン酸の初期
濃度は触媒量でかまわないが、好ましくは0.01〜
0.1mMである。
【0079】反応液のpHは、通常6.0〜11.0で
あり、好ましくは7.0〜11.0である。反応液とし
ては上記pHに調整することが可能な任意の緩衝液が使
用可能である。好ましくは、トリス−塩酸緩衝液であ
る。
【0080】反応温度は、一般に20〜65℃で行えば
よく、ホスホペントムターゼおよびヌクレオシドホスホ
リラーゼが耐熱性微生物に由来する耐熱性酵素である場
合には好ましくは50〜60℃で行うことができる。反
応時間は反応条件によって左右されるが、通常4〜12
時間で終了する。
【0081】「第二の反応系」に使用する微生物は、好
ましくは、該微生物を予め栄養培地で、3〜72時間培
養したものが使用され、より好ましくは7〜9時間培養
したものが使用される。また、反応に使用する菌体濃度
は、好ましくは、1〜20質量%であるが、菌体濃度が
高いほど2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を生成
するうえで好ましい。
【0082】「第一の反応系」の最適な反応条件(p
H、温度)と、「第二の反応系」の最適な反応条件との
ずれは、「第一の反応系」において2−デオキシリボー
ス5−リン酸が生成される程度の時間が経過した後に調
整することが好ましいが、全反応を通して、pH6.0
〜11.0、温度20〜65℃で行ってもよい。
【0083】さらに、本発明において、「第一の反応
系」と「第二の反応系」を連続して行うと、ホスホペン
トムターゼ及びヌクレオシドホスホリラーゼによる反応
が、ジヒドロキシアセトンリン酸又はグリセルアルデヒ
ド3−リン酸によって阻害を受けることが明らかになっ
た。グリセルアルデヒド3−リン酸は2−デオキシリボ
ース5−リン酸アルドラーゼによる反応の基質であり、
一方ジヒドロキシアセトンリン酸はトリオースリン酸イ
ソメラーゼによってグリセルアルデヒド3−リン酸にな
る。中間生成物の2−デオキシリボース5−リン酸を単
離せずに、2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を製
造する場合、未反応の基質として少量のジヒドロキシア
セトンリン酸又はグリセルアルデヒド3−リン酸が混入
することは避けられない。
【0084】酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、塩
化カリウム、酢酸カリウム、硝酸ナリトウムなどの無機
塩をホスホペントムターゼ反応系へ添加することが、ジ
ヒドロキシアセトンリン酸又はグリセルアルデヒド3−
リン酸によるホスホペントムターゼ及びヌクレオシドホ
スホリラーゼの阻害を解除するには有効であり、添加濃
度は、一般に5〜1000mMであり、好ましくは20
0〜300mMである。添加時期は、ホスホペントムタ
ーゼによる反応の際に酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニ
ウムなどの無機塩が反応系に存在していれば特に限定さ
れず、予め添加されていても構わない。
【0085】反応液からの2’−デオキシリボヌクレオ
シド化合物の採取は、限外ろ過、イオン交換分離、吸着
クロマトグラフィーなどにより行うことができる。反応
生成物の定性・定量分析はTLCにより、より精度の高
い定量はUV検出器及び/又は屈折計を装着したHPL
Cなどにより行うことができる。
【0086】<2−デオキシリボース5−リン酸アルド
ラーゼ活性を有する酵素タンパク質>本発明で使用され
る2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活性を
有する酵素タンパク質は、配列番号2で示されるアミノ
酸配列からなる酵素タンパク質であり得る。2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼ活性とは、下記
(2)式で示される反応を触媒する活性を表し、該活性
を示すものであれば特に限定されない。また、本発明で
使用される2−デオキシリボース5−リン酸アルドラー
ゼ活性を有する酵素タンパク質は、配列番号2で示され
るアミノ酸配列において1つ若しくは複数(一般的には
数個)のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/若しくは挿
入されたアミノ酸配列からなり、かつ2−デオキシリボ
ース5−リン酸アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク
質であれば限定されない。
【0087】
【化7】
【0088】<2−デオキシリボース5−リン酸アルド
ラーゼ遺伝子>本発明で使用される2−デオキシリボー
ス5−リン酸アルドラーゼをコードする遺伝子は、配列
番号4で示される塩基配列を含み、前記(2)式で示さ
れる2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活性
を有する酵素タンパク質をコードする塩基配列を含むD
NAであり得る。本発明においてはクレブシエラ・ニュ
ーモニエ(Klebsiella pneumonia
e) B−44からクローニングされた2−デオキシリ
ボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子を用いたが、2−
デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子は、ど
のような生物からクローニングされたものであってもよ
い。
【0089】本発明で使用される2−デオキシリボース
5−リン酸アルドラーゼ遺伝子は、該遺伝子の塩基配列
において1つ若しくは複数(一般的には数個)のヌクレ
オチドが欠失、置換、付加及び/若しくは挿入された塩
基配列を含み、かつ2−デオキシリボース5−リン酸ア
ルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質をコードする塩
基配列を含むものであってもよい。さらに、本発明で使
用される2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
遺伝子は、上記2−デオキシリボース5−リン酸アルド
ラーゼをコードする遺伝子と標準的な条件下でハイブリ
ダイズする塩基配列若しくは該塩基配列を含む組み換え
DNA配列も含み得る。
【0090】別の側面において、本発明で使用される2
−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼをコードす
る遺伝子は、(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列
からなるタンパク質をコードする遺伝子、又は(b)配
列番号2で示されるアミノ酸配列において1つ若しくは
複数(一般的には数個)のアミノ酸が欠失、置換、付加
及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ
2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活性を有
する酵素タンパク質をコードする遺伝子である。
【0091】<DNAの取得とクローン化したDNAを
含む発現ベクターの構築及び微生物の形質転換と組み換
え微生物による発現>本発明は、微生物における2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼをコードする単
離DNA配列を提供する。本発明の前記DNAは、対象
となる酵素タンパク質をコードする遺伝子の発現に関与
するプロモーター及びターミネーターなどの調節配列を
含む塩基配列を意味し得る。また、2−デオキシリボー
ス5−リン酸アルドラーゼ活性を有するタンパク質をコ
ードする単離DNA配列の5’−及び3’−非翻訳領域
の間に含まれるcDNAを意味し得る。
【0092】更に本発明は、配列番号2に示されるアミ
ノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子を含有
するベクター、並びに、前記ベクターを含有する形質転
換体を提供する。
【0093】本発明に用いられる2−デオキシリボース
5−リン酸アルドラーゼの遺伝子、組換え発現ベクター
及び組換え微生物は、以下の手順によって得ることがで
きる。(1)本発明の2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼを提供しうる微生物からの染色体DNAの
単離、及びこの染色体DNAによる遺伝子ライブラリー
の構築、(2)コロニー又はプラークハイブリダイゼー
ション、PCRクローニング、インバースPCR、サザ
ンブロットハイブリダイゼーションなどによる、染色体
DNAからの2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼ遺伝子のクローニング、(3)得られた2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子の塩基配列の
決定及び2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
遺伝子を効率的に含有し発現する組換え発現ベクターの
構築、(4)形質転換、形質導入、接合及び電気穿孔に
よる、組換え発現ベクター上又は染色体上に2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子を有する組換
え微生物の作成。
【0094】本発明の2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼをコードするDNAの単離又はクローニン
グに用いる技術は当技術分野で公知であり、これにはゲ
ノムDNAからの単離が含まれる。このようなゲノムD
NAからの本発明のDNA配列のクローニングは、ポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)を用いることによって行う
ことができる。
【0095】2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼ遺伝子のクローニングを行うためには、2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼのアミノ酸配列に関
する知識が必要であり、従来の方法によって2−デオキ
シリボース5−リン酸アルドラーゼタンパク質を精製
し、部分アミノ酸配列を決定することにより得ることが
できる(引用文献;Valentin−Hansen,
P.,Boetius,F.,Hammer−Jesp
ersen,K.,and Svendsen,I.,
Eur.J.Biochem.,125,561−56
6)。完全なアミノ酸配列を決定する必要はなく、適切
なアミノ酸配列が同定されたら、前記の部分アミノ酸配
列に関する情報に基づき、PCR用のプライマーとして
のオリゴヌクレオチドを合成することができる。本発明
において、PCRによる2−デオキシリボース5−リン
酸アルドラーゼ遺伝子のクローニングために用いるプラ
イマーは、エシェリヒア属、ビブリオ属、アグロバクテ
リウム属、ストレプトマイセス属、又はクレブシエラ属
に属する微生物、最も好ましい態様においてはクレブシ
エラ・ニューモニエ B−44の内部ペプチド断片のア
ミノ酸配列に基づく。2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼに関するDNA断片(部分DNA配列)
は、前記プライマー及びクレブシエラ・ニューモニエ
B−44の染色体DNAのテンプレートを用いるPCR
増幅によって生成され得る。増幅されたDNA断片は、
クレブシエラ・ニューモニエ B−44の2−デオキシ
リボース5−リン酸アルドラーゼの全体をコードするゲ
ノム断片をクローニングするためのプローブとして用い
ることができる。
【0096】コード領域に加えてプロモーター又はター
ミネーターなどの調節配列を含む遺伝子全体は、上記の
PCRによって得られた部分DNA断片を標識した後に
プローブとして用いることにより、適切な宿主内でファ
ージベクター又はプラスミドベクター中に作成したゲノ
ムライブラリーのスクリーニングによって染色体からク
ローニングすることができる。また、ゲノムDNAを制
限酵素処理した後、自己環化させた遺伝子断片に対して
インバース−PCRを行うことにより、部分DNA断片
の上流及び下流を増幅し、配列を解読、連結することに
より、遺伝子全体を得ることができる(Ochmen,
H.,Gerber,A.S.,Hartl,D.
L.,Genetics,120,621−623)。
一般にライブラリーの作製、及びシークエンシング、制
限酵素処理、連結などの遺伝子操作には、宿主株として
の大腸菌、及び大腸菌ベクター、λファージベクターな
どのファージベクター、プラスミドベクター又は酵母ベ
クターがしばしば用いられる。プラスミド又はファージ
ライブラリーからの望ましいクローンの同定は、望まし
い遺伝子が適切なストリンジェンシー条件下で望ましい
遺伝子の一部を有するプローブとハイブリダイズするこ
とによってなされる。
【0097】本発明では、クレブシエラ・ニューモニエ
B−44のゲノムDNAを制限酵素処理し、PCRに
よって得られた部分DNA断片とハイブリダイズする制
限酵素処理DNA断片をサザンハイブリダイゼーション
により選抜した。この制限酵素処理DNA断片を自己環
化させた遺伝子断片に対して、部分DNA断片に存在す
る配列に基づいて作成したプライマーを用い、インバー
ス−PCRを行った。得られた増幅断片の配列を解読
し、部分DNA断片の上流及び下流であることを確認の
後、連結することにより、2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼ遺伝子全体を含む断片を得た。この断
片をシークエンシングに都合よく用いられる適切なプラ
スミドベクター、例えば、pCU18やpCU19中に
挿入しサブクローニングした。本発明では、この断片を
pT7Blue Tベクター中にサブクローニングし
た。
【0098】目的遺伝子の塩基配列は、ジデオキシチェ
ーンターミネーター法(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA.,74巻,5463〜5467
頁,1977年)などの周知の方法によって決定でき
る。
【0099】本発明の単離されたDNA配列を、当技術
分野で周知の方法に従って、異なる属又は種の他の菌株
から、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活
性を有する酵素タンパクをコードするDNAを同定及び
クローニングするために用いてもよい。
【0100】本発明では、2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼをコードする配列を含む組換えDN
A、好ましくはベクター及び/又はプラスミドに関す
る。前記の組換えDNAベクター及び/又はプラスミド
は、上記のDNAのオープンリーディングフレームに加
えて、プロモーター又はターミネーターなどの調節領域
を含んでもよい。
【0101】2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼをコードする塩基配列の発現に必要又は有利なすべ
ての構成要素を含む適切な転写及び翻訳調節要素を有す
る発現ベクターの作製に用いるために、同業者に周知の
方法を用いてもよい。2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼをコードする配列の翻訳をより効率的に行
えるように、特定の転写開始及び転写終結シグナルを用
いてもよい。
【0102】2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼをコードする単離DNA配列は、ポリペプチドの発
現をもたらすような様々な様式で操作できる。発現ベク
ターによっては、前記2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼをコードする塩基配列をベクターに挿入す
る前に操作することが望ましい又は必要と思われる。ク
ローニング法を用いて塩基配列を改変するための技法は
当技術分野で公知である。2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼをコードする配列を含有及び発現させ
るためには、さまざまな宿主/ベクター系を用いること
ができる。
【0103】これらには、組み換えバクテリオファー
ジ、プラスミド又はコスミドベクターによる形質転換を
受けた細菌などの微生物、酵母発現ベクターによる形質
転換を受けた酵母、ウイルス発現ベクター若しくは細菌
発現ベクターによる形質転換を受けた植物細胞系、又は
動物細胞が含まれるが、これらに制限されない。2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼの使用目的に応
じて発現ベクターを選択してもよい。例えば、大量の2
−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼが必要な場
合には、導入したDNA配列の高レベルの発現をもたら
すベクターを用いるとよい。このようなベクターには、
pUC系、pBR系、pBluescript II、
pTrc99A、pPL−Lambda、pT7Blu
e T、pKK223−3、pET−21a−d(+)
などの大腸菌クローニング及び発現ベクターが含まれる
が、これらに限定されない。
【0104】本発明の2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼをコードするDNA配列により形質転換さ
れる宿主細胞は、真核細胞でも原核細胞でもよい。宿主
細胞の選択は大部分、ポリペプチドをコードする遺伝子
及びその由来によって決まると思われる。適した原核宿
主細胞は特に、このタンパク質を高レベルに発現させる
ために用いられる大腸菌などの細菌細胞である。2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼを過剰に発現さ
せるために、高レベルの発現を目的としたプロモーター
を含む形質転換用ベクターを用いてもよい。このような
プロモーターを含む形質転換用ベクターには、pT7B
lue T、pKK223−3、pET−21a−d
(+)が含まれるが、これらに限定されない。
【0105】2−デオキシリボース5−リン酸アルドラ
ーゼをコードする塩基配列により形質転換された宿主細
胞は、細胞培養物からのタンパク質の発現及び回収のた
めに適した条件下で培養することが可能である。
【0106】組み換え生物は、炭素源としてグルコー
ス、スクロースなどの糖類、エタノール、グリセロール
などのアルコール、窒素源として硫酸アンモニウム、ペ
プトン、アミノ酸、コーンスティープリカー、ふすま、
酵母エキスなど、無機塩類として硫酸マグネシウム、塩
化ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸一水素カリウ
ム、リン酸水素二カリウムなど、及び他の栄養源として
麦芽エキス、肉エキスなどを含む栄養培地中で好気的あ
るいは嫌気的に培養することができる。培養は、通常1
〜7日間にわたり、培地pH3〜9、培養温度10〜6
0℃で行うことができる。
【0107】組み換え細胞によって生産される2−デオ
キシリボース5−リン酸アルドラーゼは、配列及び/又
は用いるベクターに応じて分泌させてもよく、細胞内に
含有させてもよい。従来の手順により、2−デオキシリ
ボース5−リン酸アルドラーゼを単離及び精製するため
の1つの態様は以下のとおりである。 (1)遠心処理又はろ過によって液体培地から細胞を回
収する。 (2)回収した細胞を、適切なpHを有する水、生理食
塩水又は緩衝液で洗浄する。 (3)洗浄した細胞を緩衝液中に懸濁し、ホモジナイザ
ー、超音波処理、フレンチプレス又はリゾチーム処理な
どによって破砕して、無細胞抽出液を得る。 (4)破砕細胞の無細胞抽出液から2−デオキシリボー
ス5−リン酸アルドラーゼを単離及び精製する。
【0108】酵素活性を確認した後に発現された2−デ
オキシリボース5−リン酸アルドラーゼタンパク質を用
いて、精製された酵素に対する抗体を生産させる。この
ようにして調製された抗体は、菌株改善試験、培養条件
の最適化試験などにおいて対応する酵素の発現の特徴を
決定するために用いることができる。
【0109】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。2−デオキシリボース5−リン酸及び2’
−デオキシリボヌクレオシド化合物の分析条件、並びに
菌体の培養、静止菌体の調製方法を次に記載する。
【0110】<2−デオキシリボース5−リン酸の同定
・定量> [TLC条件] TLCプレート:Kieselgel 60F
254(メルク) 展開液:n−ブタノール/2−プロパノール/水=3/1
2/4(v/v/v) 検出:エタノール/p-アニスアルデヒド/酢酸/硫酸=9
0/5/1/5(v/v/v/v) 発色:90〜100℃ [システイン・硫酸法]被験サンプルと等容量の0.5
%システイン塩酸塩水溶液を加え、さらに、10倍容量
の70%硫酸溶液を加える。生じる青色の発色を490
nmの吸光度にて測定する。
【0111】<2’−デオキシリボヌクレオシド化合物
の定量> [HPLC条件] カラム:COSMOSIL 5C18−AR(ナカライ
テスク) φ4.6mm×150mm 溶出液:0.1%リン酸含有の100mM過塩素酸ナト
リウム水溶液 流速:1ml/min カラム温度:室温 検出:UV 254nm
【0112】<菌株の培養>クレブシエラ・ニューモニ
エ B−44を、0.5%2−デオキシリボース、0.
2%塩化アンモニウム、0.1%リン酸水素二カリウ
ム、0.1%リン酸二水素カリウム、0.03%硫酸マ
グネシウム・七水塩、0.01%酵母エキス含む培地
(pH7.0)中にて28℃で10時間好気的に培養し
た。
【0113】エシェリヒア・コリ 10B5[染色体マ
ーカー:pit−1,pst−2,glpD3,glp
R2,phoA8,tonA22,rel−1,
](次の文献に記載の著者から入手可能である。
Sprague,G.F.,Bell,R.M.,Cr
onan,J.E.,Molec.Gen.Gene
t,143,71−77)を、1%バクトトリプトン
(Difco)、0.5%酵母エキス、1%塩化ナトリ
ウムを含む培地(pH7.0)中にて37℃で12時間
好気的に培養した。
【0114】エシェリヒア・コリ JM109[染色体
マーカー:recA1,endA1,gyrA96,t
hi−1,hsdR17(r ),e14
(mcrA),supE44,relA1,Δ(l
ac−proAB)/F[traD36,proA
,lacI,LacZΔM15]](宝酒造)を
1%バクトトリプトン(Difco)、0.5%酵母エ
キス、1%塩化ナトリウムを含む培地(pH7.0)中
にて37℃で12時間好気的に培養した。
【0115】バチルス・コアギュランス YGK−60
54を、0.2%チミジン、0.1%リン酸水素二カリ
ウム、0.5%硫酸アンモニウム、0.01%塩化マン
ガン・四水塩、0.08%硫酸マグネシウム・七水塩、
0.2%酵母エキス含む培地(pH7.0)中にて50
℃で10時間好気的に培養した。
【0116】その他の細菌類は、0.5%バクトトリプ
トン(Difco)、0.5%酵母エキス、0.1%グ
ルコース、0.1%リン酸水素二カリウムを含む培地
(pH7.0)中にて37℃で12時間好気的に培養し
た。
【0117】その他の酵母類は、1%酵母エキス、2%
ペプトン、2%グルコースを含む培地(pH7.0)中
にて37℃で12時間好気的に培養した。
【0118】上記得られた各菌株の培養液を遠心分離し
てそれぞれの静止菌体を得た。
【0119】<静止菌体の膜処理>静止菌体を膜処理す
る際は、上記得られた静止菌体5gを、1%キシレン及
び0.4%ポリオキシエチレンラウリルアミンを含む1
0mlに添加し、30℃で10分間インキュベートを行
った後、遠心分離により上清を除去し膜処理静止菌体5
gを得た。
【0120】実施例1:クレブシエラ・ニューモニエ
B−44の2−デオキシリボース5−リン酸アルドラー
ゼ遺伝子のクローニング 以下に示した方法は特別に記載のない限り、Sambr
ookらのMolecular Cloning第2版
(Cold Spring Harbor,1989)
に従って行った。
【0121】(1)ゲノムDNAの取得 ゲノムDNAの調製は、Methods in Mol
ecular Biology vol 2(Huma
na Press Inc.1984)に準じて行っ
た。すなわち、クレブシエラ・ニューモニエ B−44
の菌体約10gを20mlのTESバッファー[10m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0);10mM−Na
Cl;1mM−EDTA]に懸濁する。200mgのS
DS(ドデシル硫酸ナトリウム)、1mlの2%リゾチ
ーム溶液、1mlの0.5M−EDTAを加え、室温で
溶菌するまでゆっくりと撹拌する。等量のフェノール/
クロロホルムを加え、ゆっくりと完全に混合する。2
0,000g、15分室温で遠心し、上層を回収する。
これを3回繰り返し、上層と下層の間のタンパク質がほ
とんどなくなるまで行う。回収した水層に1/10量の
3M酢酸ナトリウム溶液を加えて混合し、さらに2倍量
のエタノールをゆっくりと加えて重層し、界面に現れた
DNAをガラス棒に巻きとる。DNAを15mlのTE
Sバッファーに溶解し、RNase(リボヌクレアー
ゼ)を50μg/mlになるように加え、37℃で1時
間インキュベートする。さらにProteinase
Kを50μg/mlになるように加え、37℃で1時間
インキュベートする。等量のエタノールを加え、上記と
同様に抽出、エタノール沈殿を行う。回収したDNAは
70%エタノール、続いてエタノールでリンスした後、
真空デシケーターにて乾燥し、TEバッファー[10m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0);0.1mM−E
DTA]に溶解し、DNAを得た。
【0122】(2)PCRによる部分遺伝子断片の取得 エシェリヒア・コリの2−デオキシリボース5−リン酸
アルドラーゼをコードするdeoC遺伝子の配列につい
てビブリオ属、アグロバクテリウム属、ストレプトマイ
セス属の2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
遺伝子と高い相同性を示す領域を検索した。このdeo
C遺伝子上の相同領域の配列をもとに、センスプライマ
ー(Pr.TS06:5’−GCACTGAAATTG
ATGGACCT−3’(配列番号6))及びアンチセ
ンスプライマー(Pr.TS07:5’−ACCGGT
AGAGGTTTTGATGAA−3’(配列番号
7))を設計した。これらのプライマーを用い、クレブ
シエラ・ニューモニエ B−44のゲノムDNAを鋳型
とし、PCRを行った。PCRの結果増幅された約0.
5kbpの遺伝子断片をクローニングし塩基配列の解読
を行い、483bpヌクレオチドからなる配列番号3に
示す配列を得た。
【0123】(3)インバース−PCRによる2−デオ
キシリボース5−リン酸アルドラーゼ全長遺伝子を含む
遺伝子断片の取得 クレブシエラ・ニューモニエ B−44のゲノムDNA
を制限酵素処理し、配列番号3に示す断片をプローブと
してサザンハイブリダイゼーションを行うことにより、
約1.5kbpのPvuII断片を選抜した。クレブシ
エラ・ニューモニエ B−44のゲノムDNAをPvu
IIにて断片化し、自己環化させた後、配列番号3に示
す断片の配列に基づき設計したセンスプライマー(P
r.TS25:5’−CATTGGTGTCATCGT
CAT−3’(配列番号8))及びアンチセンスプライ
マー(Pr.TS26:5’−ACGTGCTGTTG
AAAGTGATC−3’(配列番号9))を用い、イ
ンバース−PCRを行った。PCRの結果増幅された約
1.3kbpの遺伝子断片をクローニングし塩基配列の
解読を行い、配列番号1に示す配列を得た。配列番号1
において開始コドンATGから始まり終始コドンTAA
で終了する780bpヌクレオチドからなる一つのオー
プンリーディングフレーム(ORF)(配列番号4)を
含むことが判明した。このORFは配列番号5に示す2
59アミノ酸からなる分子量27,594の蛋白質をコ
ードしており、その推定アミノ酸配列がエシェリヒア属
(エシェリヒア・コリと94.6%)、ビブリオ属(ビ
ブリオ・コレラと78.9%)、アグロバクテリウム属
(アグロバクテリウム・テュメファシエンスと53.2
%)、ストレプトマイセス属(ストレプトマイセス・コ
エリカラーと46.5%)の2−デオキシリボース5−
リン酸アルドラーゼ遺伝子と高い相同性を示すことが明
らかになった。なお、ここで配列番号5に示されるアミ
ノ酸配列は、配列番号2に示されるアミノ酸配列と同一
である。
【0124】実施例2:大腸菌における2−デオキシリ
ボース5−リン酸アルドラーゼ遺伝子の発現 大腸菌発現用ベクターpKK223−3(Amerch
am Pharmacia Biotech)とエシェ
リヒア・コリ JM109又はエシェリヒア・コリ 1
0B5からなる宿主ベクター系を用いた。クレブシエラ
・ニューモニエB−44の2−デオキシリボース5−リ
ン酸アルドラーゼ遺伝子の開始コドンATGの前後の配
列に基づき設計したEcoRIサイトを持つ合成オリゴ
ヌクレオチド(Pr.TS25:5’−CATTGGT
GTCATCGTCAT−3’(配列番号8))をセン
スプライマーに、また、終止コドンTAAの前後の配列
に基づき設計したEcoRIサイトを持つ合成オリゴヌ
クレオチド(Pr.TS26:5’−ACGTGCTG
TTGAAAGTGATC−3’(配列番号9))をア
ンチセンスプライマーとして、クレブシエラ・ニューモ
ニエ B−44のゲノムDNAを鋳型としたPCRを行
った。PCRの結果増幅された約1.3kbpの遺伝子
断片をpT7Blue Tベクターに挿入しサブクロー
ニングし、塩基配列を確認した。このプラスミドをEc
oRIで処理して得たDNA断片をpkk223−3の
EcoRIサイトに挿入することで発現ベクター(pT
S8)を構築した(図1参照)。pTS8をエシェリヒ
ア・コリ JM109又はエシェリヒア・コリ 10B
5に形質転換し、形質転換株のエシェリヒア・コリJM
109/pTS8及びにエシェリヒア・コリ 10B5
/pTS8を得た。本形質転換株は平成14年2月15
日に産業技術総合研究所特許生物寄託センターに国際寄
託されている[エシェリヒア・コリ(Escheric
hia coli) JM109/pTS8(FERM
BP−7896)、エシェリヒア・コリ(Esche
richia coli) 10B5/pTS8(FE
RMBP−7895)]。
【0125】次に、エシェリヒア・コリ JM109/
pTS8又はエシェリヒア・コリ10B5/pTS8
を、1mMのIPTG(イソプロピル−β−D−チオガ
ラクトピラノシド)を含む栄養培地[1%バクトトリプ
トン(Difco)、0.5%酵母エキス、1%塩化ナ
トリウムを含む培地(pH7.0)]中にて37℃で1
2時間好気的に培養した。得られた菌体を超音波処理に
より破砕し、遠心分離後、上清を無細胞抽出液として回
収した。
【0126】得られた無細胞抽出液について、以下の方
法により2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ
活性を測定した。活性測定用反応液は、10mMのトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)、0.025mMのNA
DH、0.5mMの2−デオキシリボース5−リン酸、
1Uアルコール脱水素酵素、適当量の無細胞抽出液から
なる。反応は37℃にて行い、反応の進行に伴うNAD
Hの減少を340nmの吸光度変化としてモニターする
ことにより、定量を行った。親株クレブシエラ・ニュー
モニエ B−44、形質転換株のエシェリヒア・コリ
JM109/pTS8又はエシェリヒア・コリ 10B
5/pTS8の無細胞抽出液について2−デオキシリボ
ース5−リン酸アルドラーゼ活性を測定した結果を表1
に示す。形質転換株においては、親株の約3倍の活性が
認められ、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラー
ゼの大量発現が確認された。なお、1Uは一分間に1μ
molの2−デオキシリボース5−リン酸を分解しうる
酵素量とした。
【0127】
【表1】
【0128】実施例3:各種糖類とアセトアルデヒドを
原料とする2−デオキシリボース5−リン酸の合成 表2で示される各種糖類100mMと200mMのアセ
トアルデヒド、200mMトリス−塩酸緩衝液(pH
9.0)を含む反応液に、クレブシエラ・ニューモニエ
B−44、エシェリヒア・コリ JM109/pTS
8又はエシェリヒア・コリ 10B5/pTS8の静止
菌体(Wet)をそれぞれ15%添加し、30℃で2時
間攪拌した。遠心分離により菌体を除去し、TLC分析
及びシステイン・硫酸法により生成した2−デオキシリ
ボース5−リン酸を定量した。
【0129】本実施例では、人為的にアデノシン5’−
トリリン酸(ATP)を添加せず、反応に必要なATP
は、微生物に内在するもの、該微生物の解糖系により得
られるものに依存している。
【0130】結果を表2に示す。表2において、−は生
成せずを意味する。いずれの菌株においても、糖類がグ
リセルアルデヒド3−リン酸、ジヒドロキシアセトンリ
ン酸、フルクトース1,6−ジリン酸である場合に著量
の2−デオキシリボース5−リン酸の蓄積が認められ
た。また、エシェリヒア・コリ JM109/pTS8
においては、フルクトース6−リン酸、グリセロール3
−リン酸から、エシェリヒア・コリ 10B5/pTS
8においては、グルコース、グルコース6−リン酸から
2−デオキシリボース5−リン酸の生成が認められた。
【0131】
【表2】
【0132】実施例4:アデノシン5’−トリリン酸存
在下での各種糖類、アセトアルデヒドを原料とする2−
デオキシリボース5−リン酸の合成 表3で示される各種糖類100mM、200mMのアセ
トアルデヒド、200mMトリス−塩酸緩衝液(pH
9.0)、10mMのアデノシン5’−トリリン酸、1
00mMの塩化カリウム、20mMの硫酸マグネシウム
・七水塩、1%キシレン、0.4%ポリオキシエチレン
ラウリルアミンを含む反応液に、クレブシエラ・ニュー
モニエ B−44、エシェリヒア・コリ JM109/
pTS8又はエシェリヒア・コリ 10B5/pTS8
の静止菌体(Wet)をそれぞれ11.5%添加し、3
0℃で2時間攪拌した。遠心分離により菌体を除去し、
TLC分析及びシステイン・硫酸法により生成した2−
デオキシリボース5−リン酸を定量した。
【0133】本実施例では、人為的にアデノシン5’−
トリリン酸(ATP)を添加した条件下で反応を行って
いるが、微生物に内在するATPや微生物の解糖系によ
り得られるATPを微生物が反応に利用することを妨げ
るものではない。以降の実施例においてATPを人為的
に添加した場合も同様である。
【0134】結果を表3に示す。表3において、−は生
成せずを意味する。いずれの菌株においても、糖類がグ
リセルアルデヒド3−リン酸、ジヒドロキシアセトンリ
ン酸、フルクトース1,6−ジリン酸である場合に著量
の2−デオキシリボース5−リン酸の蓄積が認められ
た。また、いずれの菌株においても、グルコース、グル
コース6−リン酸からも良好な2−デオキシリボース5
−リン酸の蓄積が認められた。また、エシェリヒア・コ
リ JM109/pTS8においては、グリセロール、
グリセロール3−リン酸からも2−デオキシリボース5
−リン酸の生成が認められた。
【0135】
【表3】
【0136】実施例5:アデノシン5’−トリリン酸存
在下(人為的に添加した条件下)でのグルコース、アセ
トアルデヒドを原料とする2−デオキシリボース5−リ
ン酸の合成 500mMのグルコース、300mMのアセトアルデヒ
ド、100mMのアデノシン5’−トリリン酸、100
mMの塩化カリウム、20mMの硫酸マグネシウム・七
水塩、1%キシレン、0.4%ポリオキシエチレンラウ
リルアミン及びエシェリヒア・コリ 10B5/pTS
8の静止菌体(Wet)を11.5g添加した反応液1
00mlを、30℃で反応した。遠心分離により菌体を
除去し、TLC分析及びシステイン・硫酸法により2−
デオキシリボース5−リン酸を定量した。反応時間21
時間で75.2mMの2−デオキシリボース5−リン酸
の生成を確認した。
【0137】実施例6:アデノシン5’−トリリン酸存
在下(人為的に添加した条件下)にてグルコース、アセ
トアルデヒドから合成した2−デオキシリボース5−リ
ン酸と核酸塩基からの2’−デオキシリボリボヌクレオ
シド化合物の合成 実施例5で得られた2−デオキシリボース5−リン酸反
応液からDOWEX66イオン交換カラム、Silic
a gel 60カラムにより2−デオキシリボース5
−リン酸を分離し、粗の標品を得た。この粗2−デオキ
シリボース5−リン酸水溶液1mlに、トリス−塩酸緩
衝液(pH9.0)が150mM、ヒポキサンチンが5
0mM、アセトアルデヒドが200mM、グルコース
1,6−ジリン酸が0.1mM、塩化マンガン・四水塩
が1mM、及びバチルス・コアギュランス YGK−6
054の静止菌体(Wet)が11.5%濃度になるよ
うに添加した。この際、反応開始時の2−デオキシリボ
ース5−リン酸濃度は12.7mMであった。55℃で
2時間反応した後、遠心分離により菌体を除去し、HP
LC法により2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を
定量した。その結果、1.98mMの2’−デオキシイ
ノシンの生成を確認した(対2−デオキシリボース5−
リン酸収率、15.6%)。
【0138】実施例7:アデノシン5’−トリリン酸存
在下(人為的に添加した条件下)でのグルコース、アセ
トアルデヒド、核酸塩基を原料とする2’−デオキシリ
ボヌクレオシド化合物の合成 500mMのグルコース、200mMのアセトアルデヒ
ド、100mMのアデニン、100mMのアデノシン
5’−トリリン酸、100mMの塩化カリウム、20m
Mの硫酸マグネシウム・七水塩、1%キシレン、0.4
%ポリオキシエチレンラウリルアミン、エシェリヒア・
コリ 10B5/pTS8の静止菌体(Wet)11.
5%、バチルス・コアギュランス YGK−6054の
静止菌体(Wet)11.5%を含む反応液を、30℃
で10時間インキュベートし反応を行った。反応後、遠
心分離により菌体を除去し、HPLC法により2’−デ
オキシリボヌクレオシド化合物を定量した。その結果、
0.36mMの2’−デオキシアデノシンの生成を確認
した。
【0139】なお、本実施例において、核酸塩基として
添加したアデニンが、微生物のATP再生系によりAT
Pに変換され、反応に必要なATPとして利用されるこ
とも充分考えられる。以下の実施例において核酸塩基と
してアデニンを添加した場合も同様のことが考えられ
る。
【0140】実施例8:アデノシン5’−トリリン酸存
在下(人為的に添加した条件下)でのグルコース、アセ
トアルデヒド、核酸塩基を原料とする2’−デオキシリ
ボヌクレオシド化合物の合成 500mMのグルコース、200mMのアセトアルデヒ
ド、100mMのアデノシン5’−トリリン酸、100
mMの塩化カリウム、20mMの硫酸マグネシウム・七
水塩、1%キシレン、0.4%ポリオキシエチレンラウ
リルアミン、エシェリヒア・コリ 10B5/pTS8
の静止菌体(Wet)11.5%を含む反応液を、30
℃で5時間インキュベートした後、100mMアデニン
とバチルス・コアギュランス YGK−6054の静止
菌体(Wet)11.5%を添加し、50℃で5時間イ
ンキュベートし反応を行った。反応後、遠心分離により
菌体を除去し、HPLC法により2’−デオキシリボヌ
クレオシド化合物を定量した。その結果、0.50mM
の2’−デオキシアデノシンの生成を確認した。
【0141】実施例9:微生物の解糖系を利用する、グ
ルコース、アセトアルデヒドを原料とする2−デオキシ
リボース5−リン酸の合成 表4で示される各種微生物菌体(Wet)20%、50
0mMグルコース、200mMのアセトアルデヒド、2
00mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、50mM
のリン酸水素二カリウム、20mMの硫酸マグネシウム
・七水塩、0.5%フィチン酸、1%キシレン、0.2
%ポリオキシエチレンラウリルアミンを含む反応液に、
エシェリヒア・コリ 10B5/pTS8の静止菌体
(Wet)7.5%を添加し、28℃で5時間攪拌し
た。遠心分離により菌体を除去し、TLC分析及びシス
テイン・硫酸法により生成した2−デオキシリボース5
−リン酸を定量した。
【0142】本実施例においては、人為的にアデノシン
5’−トリリン酸(ATP)を添加せず、反応に必要な
ATPは、主として、反応系に添加した表4記載の各微
生物の解糖系により得られるものに依存している。ただ
し、微生物に内在するATPの利用を妨げるものではな
い。
【0143】結果を表4に示す。いずれの菌株において
も、2−デオキシリボース5−リン酸の生成が認めら
れ、これらの菌株の解糖系によりグルコースから供給さ
れたATPやグリセルアルデヒド3−リン酸が利用さ
れ、2−デオキシリボース5−リン酸に変換されてい
た。
【0144】
【表4】
【0145】実施例10:微生物のATP再生系を利用
する、グルコース、アセトアルデヒドを原料とする2−
デオキシリボース5−リン酸の合成 表5で示される各種微生物菌体(Wet)7.5%、5
55mMのグルコース、200mMのアセトアルデヒ
ド、200mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0)、5
0mMのリン酸水素二カリウム、20mMの硫酸マグネ
シウム・七水塩、0.5%フィチン酸、1%キシレン、
0.4%ポリオキシエチレンラウリルアミン、10.0
%の10B5/pTS8株の静止菌体(Wet)を含む
反応液に、10mMのアデノシン5’−トリリン酸(A
TP)、又はATPを再生する原料として、10mMの
アデニン、アデノシン、アデノシン5’−モノリン酸
(AMP)若しくはアデノシン5’−ジリン酸(AD
P)をそれぞれ添加し、30℃で5時間攪拌した。遠心
分離により菌体を除去し、TLC分析及びシステイン・
硫酸法により生成した2−デオキシリボース5−リン酸
を定量した。
【0146】本実施例においては、人為的にアデノシン
5’−トリリン酸(ATP)を添加せず、反応に必要な
ATPは、主として、反応系に添加した表5記載の各微
生物のATP再生系により得られるものに依存してい
る。ただし、微生物に内在するATPや微生物の解糖系
により得られるATPの利用を妨げるものではない。
【0147】結果を表5に示す。表5において、−は生
成せずを意味する。いずれの菌株においても、2−デオ
キシリボース5−リン酸の生成が認められ、これらの菌
株のATP再生系により生じたATPが利用され、2−
デオキシリボース5−リン酸に変換されていた。
【0148】
【表5】
【0149】実施例11:パン酵母の解糖系を利用す
る、グルコース、アセトアルデヒドを原料とする2−デ
オキシリボース5−リン酸の合成 市販のパン酵母1gに、1Mリン酸カリウム緩衝液(p
H7.0)0.5ml、水1.0ml、トルエン0.5
mlを加え、37℃にて1時間インキュベート後、遠心
分離によりトルエン処理パン酵母菌体を回収する。この
トルエン処理パン酵母菌体300mgを、1000mM
のグルコース、500mMのリン酸カリウム緩衝液(p
H7.0)、15mMのAMP、30mMの硫酸マグネ
シウム・七水塩を含む5mlの反応液に添加し、37℃
にて1時間インキュベート後、遠心分離により、反応液
上清を回収する。この上清0.2mlに、膜処理したエ
シェリヒア・コリ 10B5/pTS8の静止菌体(W
et)20mg、アセトアルデヒド300mMを添加
し、30℃にて1時間インキュベート後、遠心分離によ
り菌体を除去し、TLC分析及びシステイン・硫酸法に
より生成した2−デオキシリボース5−リン酸を定量し
た。その結果、228mMの2−デオキシリボース5−
リン酸が生成していた。
【0150】なお、本実施例においては、反応に必要な
ATPは、主として、パン酵母の解糖系により得られる
ものに依存しているが、反応液中に含まれるAMPが、
ATP再生系によりATPに変換され、利用されている
ことも充分考えられる。以降の実施例においても同様の
ことが考えられる。
【0151】実施例12:パン酵母の解糖系を利用し
て、グルコース、アセトアルデヒドから合成した2−デ
オキシリボース5−リン酸と核酸塩基からの2’−デオ
キシリボヌクレオシド化合物の合成 実施例11で得られた2−デオキシリボース5−リン酸
を含む反応液0.1mlに、300mMのトリス−塩酸
緩衝液(pH9.0)、100mMのヒポキサンチン、
400mMのアセトアルデヒド、0.2mMのグルコー
ス1,6−ジリン酸、2mMの塩化マンガン・四水塩を
含む反応液0.1mlを加え、さらに、バチルス・コア
ギュランス YGK−6054の静止菌体(Wet)を
11.5%濃度になるように添加した。この反応液を、
55℃で2時間インキュベートし、遠心分離により菌体
を除去後、HPLC法により2’−デオキシリボヌクレ
オシド化合物を定量した。その結果、2.5mMの2’
−デオキシイノシンの生成を確認した。
【0152】実施例13:パン酵母の解糖系を利用す
る、グルコース、アセトアルデヒドを原料とする2−デ
オキシリボース5−リン酸の合成 市販のパン酵母1gに、0.5mlの1Mリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)、水1.0ml、トルエン0.
5mlを加え、37℃にて1時間インキュベート後、遠
心分離によりトルエン処理パン酵母菌体を回収する。こ
のトルエン処理パン酵母菌体300mgを、1111m
Mのグルコース、500mMのリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0)、15mMのAMP、30mMの硫酸マ
グネシウム・七水塩を含む5mlの反応液に添加し、3
7℃にて1時間インキュベート後、膜処理したエシェリ
ヒア・コリ 10B5/pTS8の静止菌体(Wet)
1g、アセトアルデヒド300mMを加え、さらに37
℃にて2時間インキュベートした。その後、遠心分離に
より菌体を除去し、TLC分析及びシステイン・硫酸法
により生成した2−デオキシリボース5−リン酸を定量
した。その結果、250mMの2−デオキシリボース5
−リン酸が生成していた。
【0153】実施例14:パン酵母の解糖系を利用す
る、グルコース、アセトアルデヒド、核酸塩基を原料と
する2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の合成 市販のパン酵母1gに、0.5mlの1Mリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)、水1.0ml、トルエン0.
5mlを加え、37℃にて1時間インキュベート後、遠
心分離によりトルエン処理パン酵母菌体を回収する。こ
のトルエン処理パン酵母菌体300mgを、1111m
Mのグルコース、500mMのリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0)、15mMのAMP、30mMの硫酸マ
グネシウム・七水塩、膜処理したエシェリヒア・コリ
10B5/pTS8の静止菌体(Wet)1g、アセト
アルデヒド300mM、50mMアデニン、0.2mM
のグルコース1,6−ジリン酸、2mMの塩化マンガン
・四水塩とバチルス・コアギュランス YGK−605
4の静止菌体(Wet)11.5%を含む5mlの反応
液に添加し、37℃にて3時間インキュベートした。反
応後、遠心分離により菌体を除去し、HPLC法により
2’−デオキシリボヌクレオシド化合物を定量した。そ
の結果、1.5mMの2’−デオキシアデノシンの生成
を確認した。
【0154】実施例15:パン酵母の解糖系を利用す
る、グルコース、アセトアルデヒド、核酸塩基を原料と
する2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の合成 市販のパン酵母1gに、0.5mlの1Mリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)、水1.0ml、トルエン0.
5mlを加え、37℃にて1時間インキュベート後、遠
心分離によりトルエン処理パン酵母菌体を回収する。こ
のトルエン処理パン酵母菌体300mgを、1111m
Mのグルコース、500mMのリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0)、15mMのAMP、30mMの硫酸マ
グネシウム・七水塩、膜処理したエシェリヒア・コリ
10B5/pTS8の静止菌体(Wet)1g、アセト
アルデヒド300mMを含む5mlの反応液に添加し、
37℃にて1時間インキュベートした。その後、100
mMアデニン、0.2mMのグルコース1,6−ジリン
酸、2mMの塩化マンガン・四水塩とバチルス・コアギ
ュランス YGK−6054の静止菌体(Wet)1
1.5%を添加し、50℃で5時間インキュベートし反
応を行った。反応後、遠心分離により菌体を除去し、H
PLC法により2’−デオキシリボヌクレオシド化合物
を定量した。その結果、2.4mMの2’−デオキシア
デノシンの生成を確認した。
【0155】実施例16:パン酵母の解糖系を利用す
る、グルコース、アセトアルデヒド、核酸塩基を原料と
する2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の合成 市販のパン酵母1gに、0.5mlの1Mリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7.0)、水1.0ml、トルエン0.
5mlを加え、37℃にて1時間インキュベート後、遠
心分離によりトルエン処理パン酵母菌体を回収する。こ
のトルエン処理パン酵母菌体300mgを、1000m
Mのグルコース、500mMのリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0)、15mMのAMP、30mMの硫酸マ
グネシウム・七水塩を含む5mlの反応液に添加し、3
7℃にて1時間インキュベート後、遠心分離により、反
応液上清を回収する。この上清に、膜処理したエシェリ
ヒア・コリ 10B5/pTS8の静止菌体(Wet)
1g、アセトアルデヒド300mM、100mMアデニ
ン、0.2mMのグルコース1,6−ジリン酸、2mM
の塩化マンガン・四水塩とバチルス・コアギュランス
YGK−6054の静止菌体(Wet)11.5%を添
加し、37℃にて3時間インキュベートした。反応後、
遠心分離により菌体を除去し、HPLC法により2’−
デオキシリボヌクレオシド化合物を定量した。その結
果、3.3mMの2’−デオキシアデノシンの生成を確
認した。
【0156】
【発明の効果】本発明によれば、微生物由来の酵素によ
る反応をカップリングさせることにより、安価で入手し
やすいグルコース、グリセロールなどの糖類からグリセ
ルアルデヒド3−リン酸を生成させ、次に該グリセルア
ルデヒド3−リン酸とアセトアルデヒドから2−デオキ
シリボース5−リン酸を生成させ、続いて該2−デオキ
シリボース5−リン酸と核酸塩基とから2’−デオキシ
リボヌクレオシド化合物を選択的に製造することができ
る。
【0157】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> YUKI GOSEI KOGYO CO., LTD. <120> A method of preparing a 2'-deoxyribonucleoside compound and an int ermediate thereof, and a 2-deoxyribose-5-phosphate aldolase gene for use in the method. <130> A000200766 <160> 9 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 1258 <212> DNA <213> Klebsiella pneumoniae <220> <221> CDS <222> (332)..(1108) <223> 2-deoxyribose-5-phosphate aldolase gene <400> 1 ttacttattt ttcagtgatt attgcctgtt tttcaatttt tagcacaaaa tgcactcgct 60 gctgtcgagg tgtcctgtgg ttttatgtta ttatattaac attcagttgc gtctgcggat 120 tttgattatg cttaaagtaa acatggcgtt ttgcagcgca atactgcact cgtaaaggtg 180 acttgcgtca cattacagta atgcaaattc tctatgagtt ttcattaact gtgatgaatg 240 tcgaagtgta acggcgaggt gatgttacaa tagtaacaga ctcgcaaggt gaacaaacta 300 ttgaaccggc aataagccgt cggagtgtaa a atg act gat tta tct gca agc 352 Met Thr Asp Leu Ser Ala Ser 1 5 agc ctg cgc gcg ttg aaa ctg atg gac ctg acc acg ctg aat gac gat 400 Ser Leu Arg Ala Leu Lys Leu Met Asp Leu Thr Thr Leu Asn Asp Asp 10 15 20 gac acc aat gaa aag gtg atc gct ctg tgc cat cag gca aaa acg ccg 448 Asp Thr Asn Glu Lys Val Ile Ala Leu Cys His Gln Ala Lys Thr Pro 25 30 35 gta ggg aat aca gcg gct atc tgc atc tat ccg cgc ttt atc ccg atc 496 Val Gly Asn Thr Ala Ala Ile Cys Ile Tyr Pro Arg Phe Ile Pro Ile 40 45 50 55 gcg cgt aaa acg ctg aac gcg caa ggc acc ccg gat atc cgt atc gcc 544 Ala Arg Lys Thr Leu Asn Ala Gln Gly Thr Pro Asp Ile Arg Ile Ala 60 65 70 acg gtc acc aac ttc ccg cat ggt aac gat gat atc gat atc gcg ctg 592 Thr Val Thr Asn Phe Pro His Gly Asn Asp Asp Ile Asp Ile Ala Leu 75 80 85 gcg gaa acc cgt gcg gct atc gct tat ggc gcg gac gaa gtt gac gtg 640 Ala Glu Thr Arg Ala Ala Ile Ala Tyr Gly Ala Asp Glu Val Asp Val 90 95 100 gta ttc ccg tat cgc gcg ctg atc gcg ggt aac gag cag gtc gga ttc 688 Val Phe Pro Tyr Arg Ala Leu Ile Ala Gly Asn Glu Gln Val Gly Phe 105 110 115 gat ctg gtg aag gcc tgt aaa gag gct tgc gcg gcg gcc aac gtg ctg 736 Asp Leu Val Lys Ala Cys Lys Glu Ala Cys Ala Ala Ala Asn Val Leu 120 125 130 135 ttg aaa gtg atc atc gaa acc ggt gag ctg aaa gaa gaa gcg tta att 784 Leu Lys Val Ile Ile Glu Thr Gly Glu Leu Lys Glu Glu Ala Leu Ile 140 145 150 cgt aaa gct tct gaa att tct att aaa gcc ggg gcg gat ttc atc aaa 832 Arg Lys Ala Ser Glu Ile Ser Ile Lys Ala Gly Ala Asp Phe Ile Lys 155 160 165 acc tct acc ggt aaa gtc ccg gta aac gcg acg ccg gaa agc gca cgt 880 Thr Ser Thr Gly Lys Val Pro Val Asn Ala Thr Pro Glu Ser Ala Arg 170 175 180 atc atg ctg gaa gtg atc cgc gat atg ggc gta cag aaa acc gtt ggc 928 Ile Met Leu Glu Val Ile Arg Asp Met Gly Val Gln Lys Thr Val Gly 185 190 195 ttt aag cct gcg ggc ggc gtc cgc agc gct gaa gat gcg cag cag ttc 976 Phe Lys Pro Ala Gly Gly Val Arg Ser Ala Glu Asp Ala Gln Gln Phe 200 205 210 215 ctg gcc att gcc gat gaa ctg ttc ggt gcc gac tgg gcg gat tct cgc 1024 Leu Ala Ile Ala Asp Glu Leu Phe Gly Ala Asp Trp Ala Asp Ser Arg 220 225 230 cac tat cgt ttc ggc gca tcc agc ctg ctg gca agc ctg ctg aaa gcg 1072 His Tyr Arg Phe Gly Ala Ser Ser Leu Leu Ala Ser Leu Leu Lys Ala 235 240 245 ctg ggg cac ggc gac ggt aag agc gcc agc agc tac taaggcgtca 1118 Leu Gly His Gly Asp Gly Lys Ser Ala Ser Ser Tyr 250 255 cggtgacaaa accgtagccc ggatgaggcg cagctgcggc tggcgaagcg ttacgatctg 1178 ccggtgattc tgcactcccg acgtactcac gataagctgg cgatgctgct gaaaaaacat 1238 gccctgccga gaaccggcgt 1258 <210> 2 <211> 259 <212> PRT <213> Klebsiella pneumoniae <400> 2 Met Thr Asp Leu Ser Ala Ser Ser Leu Arg Ala Leu Lys Leu Met Asp 1 5 10 15 Leu Thr Thr Leu Asn Asp Asp Asp Thr Asn Glu Lys Val Ile Ala Leu 20 25 30 Cys His Gln Ala Lys Thr Pro Val Gly Asn Thr Ala Ala Ile Cys Ile 35 40 45 Tyr Pro Arg Phe Ile Pro Ile Ala Arg Lys Thr Leu Asn Ala Gln Gly 50 55 60 Thr Pro Asp Ile Arg Ile Ala Thr Val Thr Asn Phe Pro His Gly Asn 65 70 75 80 Asp Asp Ile Asp Ile Ala Leu Ala Glu Thr Arg Ala Ala Ile Ala Tyr 85 90 95 Gly Ala Asp Glu Val Asp Val Val Phe Pro Tyr Arg Ala Leu Ile Ala 100 105 110 Gly Asn Glu Gln Val Gly Phe Asp Leu Val Lys Ala Cys Lys Glu Ala 115 120 125 Cys Ala Ala Ala Asn Val Leu Leu Lys Val Ile Ile Glu Thr Gly Glu 130 135 140 Leu Lys Glu Glu Ala Leu Ile Arg Lys Ala Ser Glu Ile Ser Ile Lys 145 150 155 160 Ala Gly Ala Asp Phe Ile Lys Thr Ser Thr Gly Lys Val Pro Val Asn 165 170 175 Ala Thr Pro Glu Ser Ala Arg Ile Met Leu Glu Val Ile Arg Asp Met 180 185 190 Gly Val Gln Lys Thr Val Gly Phe Lys Pro Ala Gly Gly Val Arg Ser 195 200 205 Ala Glu Asp Ala Gln Gln Phe Leu Ala Ile Ala Asp Glu Leu Phe Gly 210 215 220 Ala Asp Trp Ala Asp Ser Arg His Tyr Arg Phe Gly Ala Ser Ser Leu 225 230 235 240 Leu Ala Ser Leu Leu Lys Ala Leu Gly His Gly Asp Gly Lys Ser Ala 245 250 255 Ser Ser Tyr <210> 3 <211> 483 <212> DNA <213> Klebsiella pneumoniae <400> 3 gcgttgaaac tgatggacct gaccacgctg aatgacgatg acaccaatga aaaggtgatc 60 gctctgtgcc atcaggcaaa aacgccggta gggaatacag cggctatctg catctatccg 120 cgctttatcc cgatcgcgcg taaaacgctg aacgcgcaag gcaccccgga tatccgtatc 180 gccacggtca ccaacttccc gcatggtaac gatgatatcg atatcgcgct ggcggaaacc 240 cgtgcggcta tcgcttatgg cgcggacgaa gttgacgtgg tattcccgta tcgcgcgctg 300 atcgcgggta acgagcaggt cggattcgat ctggtgaagg cctgtaaaga ggcttgcgcg 360 gcggccaacg tgctgttgaa agtgatcatc gaaaccggtg agctgaaaga agaagcgtta 420 attcgtaaag cttctgaaat ttctattaaa gccggggcgg atttcatcaa aacctctacc 480 ggt 483 <210> 4 <211> 780 <212> DNA <213> Klebsiella pneumoniae <220> <221> CDS <222> (1)..(777) <400> 4 atg act gat tta tct gca agc agc ctg cgc gcg ttg aaa ctg atg gac 48 Met Thr Asp Leu Ser Ala Ser Ser Leu Arg Ala Leu Lys Leu Met Asp 1 5 10 15 ctg acc acg ctg aat gac gat gac acc aat gaa aag gtg atc gct ctg 96 Leu Thr Thr Leu Asn Asp Asp Asp Thr Asn Glu Lys Val Ile Ala Leu 20 25 30 tgc cat cag gca aaa acg ccg gta ggg aat aca gcg gct atc tgc atc 144 Cys His Gln Ala Lys Thr Pro Val Gly Asn Thr Ala Ala Ile Cys Ile 35 40 45 tat ccg cgc ttt atc ccg atc gcg cgt aaa acg ctg aac gcg caa ggc 192 Tyr Pro Arg Phe Ile Pro Ile Ala Arg Lys Thr Leu Asn Ala Gln Gly 50 55 60 acc ccg gat atc cgt atc gcc acg gtc acc aac ttc ccg cat ggt aac 240 Thr Pro Asp Ile Arg Ile Ala Thr Val Thr Asn Phe Pro His Gly Asn 65 70 75 80 gat gat atc gat atc gcg ctg gcg gaa acc cgt gcg gct atc gct tat 288 Asp Asp Ile Asp Ile Ala Leu Ala Glu Thr Arg Ala Ala Ile Ala Tyr 85 90 95 ggc gcg gac gaa gtt gac gtg gta ttc ccg tat cgc gcg ctg atc gcg 336 Gly Ala Asp Glu Val Asp Val Val Phe Pro Tyr Arg Ala Leu Ile Ala 100 105 110 ggt aac gag cag gtc gga ttc gat ctg gtg aag gcc tgt aaa gag gct 384 Gly Asn Glu Gln Val Gly Phe Asp Leu Val Lys Ala Cys Lys Glu Ala 115 120 125 tgc gcg gcg gcc aac gtg ctg ttg aaa gtg atc atc gaa acc ggt gag 432 Cys Ala Ala Ala Asn Val Leu Leu Lys Val Ile Ile Glu Thr Gly Glu 130 135 140 ctg aaa gaa gaa gcg tta att cgt aaa gct tct gaa att tct att aaa 480 Leu Lys Glu Glu Ala Leu Ile Arg Lys Ala Ser Glu Ile Ser Ile Lys 145 150 155 160 gcc ggg gcg gat ttc atc aaa acc tct acc ggt aaa gtc ccg gta aac 528 Ala Gly Ala Asp Phe Ile Lys Thr Ser Thr Gly Lys Val Pro Val Asn 165 170 175 gcg acg ccg gaa agc gca cgt atc atg ctg gaa gtg atc cgc gat atg 576 Ala Thr Pro Glu Ser Ala Arg Ile Met Leu Glu Val Ile Arg Asp Met 180 185 190 ggc gta cag aaa acc gtt ggc ttt aag cct gcg ggc ggc gtc cgc agc 624 Gly Val Gln Lys Thr Val Gly Phe Lys Pro Ala Gly Gly Val Arg Ser 195 200 205 gct gaa gat gcg cag cag ttc ctg gcc att gcc gat gaa ctg ttc ggt 672 Ala Glu Asp Ala Gln Gln Phe Leu Ala Ile Ala Asp Glu Leu Phe Gly 210 215 220 gcc gac tgg gcg gat tct cgc cac tat cgt ttc ggc gca tcc agc ctg 720 Ala Asp Trp Ala Asp Ser Arg His Tyr Arg Phe Gly Ala Ser Ser Leu 225 230 235 240 ctg gca agc ctg ctg aaa gcg ctg ggg cac ggc gac ggt aag agc gcc 768 Leu Ala Ser Leu Leu Lys Ala Leu Gly His Gly Asp Gly Lys Ser Ala 245 250 255 agc agc tac taa 780 Ser Ser Tyr <210> 5 <211> 259 <212> PRT <213> Klebsiella pneumoniae <400> 5 Met Thr Asp Leu Ser Ala Ser Ser Leu Arg Ala Leu Lys Leu Met Asp 1 5 10 15 Leu Thr Thr Leu Asn Asp Asp Asp Thr Asn Glu Lys Val Ile Ala Leu 20 25 30 Cys His Gln Ala Lys Thr Pro Val Gly Asn Thr Ala Ala Ile Cys Ile 35 40 45 Tyr Pro Arg Phe Ile Pro Ile Ala Arg Lys Thr Leu Asn Ala Gln Gly 50 55 60 Thr Pro Asp Ile Arg Ile Ala Thr Val Thr Asn Phe Pro His Gly Asn 65 70 75 80 Asp Asp Ile Asp Ile Ala Leu Ala Glu Thr Arg Ala Ala Ile Ala Tyr 85 90 95 Gly Ala Asp Glu Val Asp Val Val Phe Pro Tyr Arg Ala Leu Ile Ala 100 105 110 Gly Asn Glu Gln Val Gly Phe Asp Leu Val Lys Ala Cys Lys Glu Ala 115 120 125 Cys Ala Ala Ala Asn Val Leu Leu Lys Val Ile Ile Glu Thr Gly Glu 130 135 140 Leu Lys Glu Glu Ala Leu Ile Arg Lys Ala Ser Glu Ile Ser Ile Lys 145 150 155 160 Ala Gly Ala Asp Phe Ile Lys Thr Ser Thr Gly Lys Val Pro Val Asn 165 170 175 Ala Thr Pro Glu Ser Ala Arg Ile Met Leu Glu Val Ile Arg Asp Met 180 185 190 Gly Val Gln Lys Thr Val Gly Phe Lys Pro Ala Gly Gly Val Arg Ser 195 200 205 Ala Glu Asp Ala Gln Gln Phe Leu Ala Ile Ala Asp Glu Leu Phe Gly 210 215 220 Ala Asp Trp Ala Asp Ser Arg His Tyr Arg Phe Gly Ala Ser Ser Leu 225 230 235 240 Leu Ala Ser Leu Leu Lys Ala Leu Gly His Gly Asp Gly Lys Ser Ala 245 250 255 Ser Ser Tyr <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a sense primer for PCR <400> 6 gcactgaaat tgatggacct 20 <210> 7 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: an antisense primer for PCR <400> 7 accggtagag gttttgatga a 21 <210> 8 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: a sense primer for inverse PCR <400> 8 cattggtgtc atcgtcat 18 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: an antisense primer for invers e PCR <400> 9 acgtgctgtt gaaagtgatc 20
【図面の簡単な説明】
【図1】 発現ベクターpTS8の構築手順を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 松本 清一郎 東京都板橋区坂下3−37−1 有機合成薬 品工業株式会社東京研究所内 (72)発明者 佐々木 美江 東京都板橋区坂下3−37−1 有機合成薬 品工業株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA03 BA07 BA80 CA04 DA05 DA11 EA04 FA02 GA11 4B050 CC01 CC03 CC08 DD02 DD03 LL05 4B064 AF33 CA02 CA05 CA19 CC24 DA01 DA16

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生
    物由来の酵素を、アデノシン5’−トリリン酸の存在
    下、該糖類に作用させてグリセルアルデヒド3−リン酸
    を生成させる工程と、 該グリセルアルデヒド3−リン酸とアセトアルデヒドと
    を、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含
    有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生
    物由来の酵素により反応させて、2−デオキシリボース
    5−リン酸を生成させる工程とを具備することを特徴と
    する2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生
    物由来の酵素を、アデノシン5’−トリリン酸の存在
    下、該糖類に作用させてグリセルアルデヒド3−リン酸
    を生成させる工程と、 該グリセルアルデヒド3−リン酸とアセトアルデヒド
    を、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含
    有する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生
    物由来の酵素により反応させて、2−デオキシリボース
    5−リン酸を生成させる工程と、 該2−デオキシリボース5−リン酸と核酸塩基を、ホス
    ホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを含有
    する微生物の菌体、該微生物菌体の処理物又は該微生物
    由来の酵素により反応させて、2’−デオキシリボヌク
    レオシド化合物を生成させる工程とを具備することを特
    徴とする2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する前記微生物が、パン酵母、エシェリヒア属、クレ
    ブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバ
    クトラム属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又
    はロドトルラ属に属する微生物であり、 2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含有す
    る前記微生物が、クレブシエラ属、エンテロバクター
    属、エシェリヒア属、又はバチルス属に属する微生物で
    あることを特徴とする、請求項1記載の2−デオキシリ
    ボース5−リン酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する前記微生物が、パン酵母、エシェリヒア属、クレ
    ブシエラ属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバ
    クトラム属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又
    はロドトルラ属に属する微生物であり、 2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼを含有す
    る前記微生物が、クレブシエラ属、エンテロバクター
    属、エシェリヒア属、又はバチルス属に属する微生物で
    あり、 ホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを
    含有する前記微生物が、クレブシエラ属、エンテロバク
    ター属、エシェリヒア属、又はバチルス属に属する微生
    物であることを特徴とする、請求項2記載の2’−デオ
    キシリボヌクレオシド化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する前記微生物、及び2−デオキシリボース5−リン
    酸アルドラーゼを含有する前記微生物が、エシェリヒア
    ・コリ 10B5/pTS8(FERM BP−789
    5)、エシェリヒア・コリ JM109/pTS8(F
    ERM BP−7896)又はクレブシエラ・ニューモ
    ニエ B−44(IFO16579)であることを特徴
    とする、請求項1又は3記載の2−デオキシリボース5
    −リン酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 グルコース、フルクトース、グルコース
    6−リン酸、フルクトース6−リン酸、グルコース1,
    6−ジリン酸、フルクトース1,6−ジリン酸、グリセ
    ロール、ジヒドロキシアセトン、グリセルアルデヒド及
    びグリセロール3−リン酸からなる群より選択される糖
    類からグリセルアルデヒド3−リン酸を生成する能力を
    有する前記微生物、及び2−デオキシリボース5−リン
    酸アルドラーゼを含有する前記微生物が、エシェリヒア
    ・コリ 10B5/pTS8(FERM BP−789
    5)、エシェリヒア・コリ JM109/pTS8(F
    ERM BP−7896)又はクレブシエラ・ニューモ
    ニエ B−44(IFO16579)であり、 ホスホペントムターゼとヌクレオシドホスホリラーゼを
    含有する前記微生物が、バチルス・コアギュランス Y
    GK−6054(FERM BP−7898)又はバチ
    ルス・スピーシーズ YGK−6008(FERM B
    P−7897)であることを特徴とする、請求項2又は
    4記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記グリセルアルデヒド3−リン酸を生
    成させる工程が、アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する微生物、該微生物菌
    体の処理物又は該微生物由来の酵素を該アデノシン類に
    作用させて得られるアデノシン5’−トリリン酸の存在
    下で行われることを特徴とする、請求項1、3又は5記
    載の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記グリセルアルデヒド3−リン酸を生
    成させる工程が、アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する微生物、該微生物菌
    体の処理物又は該微生物由来の酵素を該アデノシン類に
    作用させて得られるアデノシン5’−トリリン酸の存在
    下で行われることを特徴とする、請求項2、4又は6記
    載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記グリセルアルデヒド3−リン酸を生
    成させる工程が、微生物の解糖系により得られるアデノ
    シン5’−トリリン酸の存在下で行われることを特徴と
    する、請求項1、3又は5記載の2−デオキシリボース
    5−リン酸の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記グリセルアルデヒド3−リン酸を
    生成させる工程が、微生物の解糖系により得られるアデ
    ノシン5’−トリリン酸の存在下で行われることを特徴
    とする、請求項2、4又は6記載の2’−デオキシリボ
    ヌクレオシド化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
    酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、
    コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ
    属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム
    属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドト
    ルラ属に属する微生物であることを特徴とする、請求項
    7記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
  12. 【請求項12】 アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
    酵母、メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、
    コリネバクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ
    属、バチルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム
    属、サッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドト
    ルラ属に属する微生物であることを特徴とする、請求項
    8記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 解糖系によりアデノシン5’−トリリ
    ン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン酵母、
    メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、コリネ
    バクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ属、バ
    チルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム属、サ
    ッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドトルラ属
    に属する微生物であることを特徴とする、請求項9記載
    の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
  14. 【請求項14】 解糖系によりアデノシン5’−トリリ
    ン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン酵母、
    メタノール資化性酵母、ブレビバクテリウム属、コリネ
    バクテリウム属、エシェリヒア属、クレブシエラ属、バ
    チルス属、シュードモナス属、オクロバクトラム属、サ
    ッカロマイセス属、キャンディダ属、又はロドトルラ属
    に属する微生物であることを特徴とする、請求項10記
    載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
    酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネス AT
    CC 6872であることを特徴とする、請求項7又は
    11記載の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 アデニン、アデノシン、アデノシン
    5’−モノリン酸及びアデノシン5’−ジリン酸からな
    る群より選択されるアデノシン類からアデノシン5’−
    トリリン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン
    酵母又はブレビバクテリウム アンモニアゲネス AT
    CC 6872であることを特徴とする、請求項8又は
    12記載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製
    造方法。
  17. 【請求項17】 解糖系によりアデノシン5’−トリリ
    ン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン酵母又
    はブレビバクテリウム アンモニアゲネスATCC 6
    872であることを特徴とする、請求項9又は13記載
    の2−デオキシリボース5−リン酸の製造方法。
  18. 【請求項18】 解糖系によりアデノシン5’−トリリ
    ン酸を生成する能力を有する前記微生物が、パン酵母又
    はブレビバクテリウム アンモニアゲネスATCC 6
    872であることを特徴とする、請求項10又は14記
    載の2’−デオキシリボヌクレオシド化合物の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 配列番号2で示されるアミノ酸配列か
    らなる2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活
    性を有する酵素タンパク質、又は配列番号2で示される
    アミノ酸配列において1つ若しくは複数のアミノ酸が欠
    失、置換、付加及び/若しくは挿入されたアミノ酸配列
    からなり、かつ2−デオキシリボース5−リン酸アルド
    ラーゼ活性を有する酵素タンパク質。
  20. 【請求項20】 配列番号4で示される塩基配列を含
    み、2−デオキシリボース5−リン酸アルドラーゼ活性
    を有する酵素タンパク質をコードする遺伝子、又は配列
    番号4で示される塩基配列において1つ若しくは複数の
    ヌクレオチドが欠失、置換、付加及び/若しくは挿入さ
    れた塩基配列を含み、かつ2−デオキシリボース5−リ
    ン酸アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質をコード
    する遺伝子。
  21. 【請求項21】 配列番号2で示されるアミノ酸配列か
    らなるタンパク質をコードする遺伝子、又は配列番号2
    で示されるアミノ酸配列において1つ若しくは複数のア
    ミノ酸が欠失、置換、付加及び/若しくは挿入されたア
    ミノ酸配列からなり、かつ2−デオキシリボース5−リ
    ン酸アルドラーゼ活性を有する酵素タンパク質をコード
    する遺伝子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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