JP2003247517A - クリップとカーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュの取付構造 - Google Patents

クリップとカーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュの取付構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュ
のように、一方向への応力に対しては簡単に係合が解除
されず、しかも他方向への応力に対しては係合解除が容
易であることが望ましい用途に好適なクリップを提供す
る。 【解決手段】 取付穴81に挿入されて該取付穴周縁8
2に係合する少なくとも一組の弾性係合片16A,17
Aを互いに反対向きに備え、前記弾性係合片の弾性変形
によって取付穴周縁に対する係合および係合解除可能と
されたクリップ10Aにおいて、前記の組とされた弾性
係合片16A,17Aのうちの一方を、他方よりも取付
穴周縁に対する係合を強くして、当該一方の弾性係合片
を他方の弾性係合片よりも取付穴周縁に対して係合解除
され難いようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、クリップおよびそのクリップを
用いるカーテン式ピラーガーニッシュの取付構造に関す
る。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】近年、車両には、側面衝突時における乗
員頭部の保護を目的としてカーテン式エアバッグが搭載
されることが多くなっている。このカーテン式エアバッ
グは折り畳まれた状態で、図9に示すようなカーテン式
エアバッグ用ピラーガーニッシュ(以下単にピラーガー
ニッシュとも記載する。)90からルーフサイドレール
100にかけて格納されている。そして、車両が衝突し
たときの衝撃でインフレータIが作動してエアバッグA
が膨張し、ピラーガーニッシュ90の車両後方側90R
およびルーフサイドレール100の下方側100Uを車
室内方向へ押し曲げあるいは押し広げて、それにより生
じたあるいは広がった隙間からサイドガラスGに沿っ
て、二点鎖線Aoで示すように車室内にエアバッグAが
カーテン状に膨張し、乗員頭部Tを保護するようになっ
ている。符号90Fはピラーガーニッシュの車両前方
側、Pはインストルメントパネルである。
【0003】前記カーテン式エアバッグ用ピラーガーニ
ッシュ90は、図9のX−X断面を示す図10のよう
に、折り畳まれたエアバッグAの一部を格納した状態
で、車両のピラー部におけるピラーインナーパネル80
に取り付けられている。前記カーテン式エアバッグ用ピ
ラーガーニッシュの取付構造として、ピラーガーニッシ
ュ90の裏面に形成されたクリップ取付部91にクリッ
プ95を取り付け、他方ピラーインナーパネル80には
取付穴81を形成しておき、前記取付穴81にクリップ
95を挿入してクリップ95の弾性係合片96,97を
取付穴81の周縁に係合させるものが知られている。図
中の符号Fはフロントガラス、Cはエンジンルームから
の配線、101はオープニングトリム、102はグラス
チャンネル、103はピラーアウターパネルである。
【0004】前記カーテン式エアバッグ用ピラーガーニ
ッシュの取付構造においては、エアバッグAの膨張時に
ピラーガーニッシュ90がピラーインナーパネル80か
ら外れて飛散することがないよう、前記クリップ95が
取付穴81に強固に係合する必要がある。その反面、前
記ピラーガーニッシュ90をピラーインナーパネル80
に取り付ける際には、取付作業が容易なように、前記ク
リップ95が取付穴81に係合し易く、また、メンテナ
ンス等のために前記ピラーガーニッシュ90を取り外す
際には、取り外し作業が容易なように、前記クリップ9
5と取付穴81との係合が解除され易いのが望ましい。
【0005】しかし、従来の取付構造では、前記エアバ
ッグAの膨張時にピラーガーニッシュ90が外れて飛散
しないようにクリップ95と取付穴81との係合を強く
すると、前記ピラーガーニッシュ90の取付及び取り外
し作業時に、大きな力でピラーガーニッシュ90を押し
たり、引っ張ったりしなければならなくなり、最悪の場
合、前記ピラーガーニッシュ90をピラーインナーパネ
ル80に一度取り付けたら、取り外せなくなるおそれが
ある。また、それと逆に、前記ピラーガーニッシュ90
の取付および取り外し作業を容易にするため、前記クリ
ップ95と取付穴81との係合を弱くすると、前記エア
バッグAの膨張時にクリップ95が取付穴81から外れ
てピラーガーニッシュ90が飛散するおそれが生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の点に
鑑みなされたものであって、カーテン式エアバッグ用ピ
ラーガーニッシュのように、ピラーガーニッシュを外す
方向に加わる力のうち、一方向への力に対しては簡単に
係合が解除されず、しかも他方への力に対しては係合解
除が容易であることが望ましい用途に好適なクリップを
提供すると共に、カーテン式エアバッグ用ピラーガーニ
ッシュの取付作業や取り外し作業が容易で、しかもエア
バッグ膨張時には外れ難いカーテン式エアバッグ用ピラ
ーガーニッシュの取付構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、取付
穴に挿入されて該取付穴周縁に係合する少なくとも一組
の弾性係合片を互いに反対向きに備え、前記弾性係合片
の弾性変形によって取付穴周縁に対する係合および係合
解除可能とされたクリップにおいて、前記の組とされた
弾性係合片のうちの一方を、他方よりも取付穴周縁に対
する係合を強くして、当該一方の弾性係合片を他方の弾
性係合片よりも取付穴周縁に対して係合解除され難いよ
うにしたことを特徴とする。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、弾性係合片の縦断面形状が略くの字形状に外方へ膨
出した屈曲形状からなって、前記弾性係合片における略
くの字形状の屈曲頂部と自由端間が取付穴周縁との係合
部を構成すると共に、前記一方の弾性係合片を他方の弾
性係合片よりも外方への膨出程度が大のものにして、当
該一方の弾性係合片の取付穴周縁に対する係合を強くし
たことを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、弾性係合片の縦断面形状が略くの字形状に外方へ膨
出した屈曲形状からなって、前記弾性係合片における略
くの字形状の屈曲頂部と自由端間の傾斜面が取付穴周縁
との係合部を構成すると共に、前記係合部を構成する傾
斜面とクリップ挿入方向との間の角度を、一方の弾性係
合片で他方の弾性係合片よりも大にして取付穴周縁に対
する係合を強くしたことを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は、請求項1の発明におい
て、一方の弾性係合片の剛性を他方の弾性係合片の剛性
よりも大にして、当該一方の弾性係合片の取付穴周縁に
対する係合を強くしたことを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、一方の弾性係合片を他方の弾性係合片に対して少な
くとも一部で幅が大きいものにして、当該一方の弾性係
合片の剛性を他方の弾性係合片の剛性より大にしたこと
を特徴とする。
【0012】請求項6の発明は、カーテン式エアバッグ
用ピラーガーニッシュの裏面に設けたクリップを、車両
のピラーインナーパネルに形成された取付穴に挿入して
前記クリップの弾性係合片を取付穴の周縁に係合させる
カーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュの取付構造
において、前記ピラーガーニッシュ裏面のクリップとし
て、請求項1から5のいずれか1項に記載されたクリッ
プを用い、該クリップで係合が強い一方の弾性係合片を
ピラーガーニッシュのエアバッグ膨張展開側にし、前記
一方の弾性係合片よりも係合が弱い他方の弾性係合片を
ピラーガーニッシュの他側にしてピラーインナーパネル
の取付穴に挿入係合させたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。図1は本発明の第一実施例
に係るクリップの斜視図、図2は図1の2−2縦断面
図、図3は第二実施例に係るクリップの縦断面図、図4
は第三実施例に係るクリップの斜視図、図5は本発明の
クリップをピラーガーニッシュへ取り付ける際の斜視
図、図6は本発明のカーテン式エアバッグ用ピラーガー
ニッシュの取付構造の例を示す断面図、図7はエアバッ
グ膨張時の作用を示す概略断面図、図8は取り外し時の
作用を示す概略断面図である。
【0014】図1及び図2に示す本発明の第一実施例に
係るクリップ10Aは、ピラーガーニッシュ等の取付対
象物を、図10で示したピラーインナーパネル80等の
取付相手物に取り付けるのに好適なものである。前記ピ
ラーインナーパネル80等の取付相手物には、取付穴8
1が形成されており、該取付穴81にクリップ10Aが
挿入されて取付穴81の周縁82に係合するようになっ
ている。前記取付穴81は、この例では長方形からな
り、対向する一組の長縁82a,82bと、対向する一
組の短縁82c,82dとで取付穴周縁82が構成され
ている。
【0015】図示のクリップ10Aは、略長方形の金属
板状体を長手方向中間位置で二つに折り曲げ、その折り
曲げによって形成されたクリップ頂部11Aとは反対位
置の先端側12A,13Aを外方へ折り曲げてフランジ
部14A,15Aとし、さらに前記クリップ頂部11A
からフランジ部14A,15A側へかけて切り込みSに
よって形成された一組の弾性係合片16A,17Aを、
クリップ10Aの両側に互いに反対向きにして有する。
【0016】前記両弾性係合片16A,17Aは、前記
クリップ10Aの挿入方向Jと平行に切断した縦断面の
形状が、図2に示すように、略くの字形状にクリップ1
0Aの外方へ膨出した屈曲形状とされ、略くの字形状に
おける屈曲頂部18A,19Aから自由端20A,21
Aまでの傾斜面22A,23Aが、前記取付穴81の周
縁82における長縁82a、82bとの係合部24A,
25Aを構成している。
【0017】前記弾性係合片16A,17Aの屈曲頂部
18A,19Aは、前記クリップ10Aが取付穴81に
挿入される際、前記取付穴周縁82の長縁82a、82
bに押されて内側へ弾性変形し、両屈曲頂部18A,1
9A間の間隔を狭くする。それによって、前記両屈曲頂
部18A,19Aが取付穴81をクリップ10Aの挿入
方向へ通過し、その通過後に前記弾性係合片16A,1
7Aが外方へ復元して両弾性係合片16A,17Aの間
隔を広げ、前記屈曲頂部18A,19Aと自由端20
A,21A間の傾斜面22A,23Aで構成される係合
部24A,25Aが、前記取付穴周縁82の長縁82
a、82bと係合して、前記クリップ10Aが挿入方向
Jとは逆の方向へ抜けるのを妨げる。
【0018】また、前記一組の弾性係合片16A,17
Aのうち、一方の弾性係合片16Aについては屈曲頂部
18Aの膨出を、他方の弾性係合片17Aにおける屈曲
頂部の膨出よりも大(d1>d2)にして、当該一方の
弾性係合片16Aの屈曲頂部18Aが取付穴周縁82を
通過するのに必要となる力を、他方の弾性係合片17A
における屈曲頂部19Aが取付穴周縁82を通過するの
に必要となる力よりも大にした、高強度弾性係合片とさ
れている。したがって、他方の弾性係合片17Aは、相
対的に低強度弾性係合片となる。これにより、前記高強
度弾性係合片(一方の弾性係合片16Aのことであり、
符号16Aを共用する。)16Aは、低強度弾性係合片
(他方の弾性係合片17Aのことであり、符号17Aを
共用する。)17Aよりも取付穴周縁82に対する係合
が強くなり、高強度弾性係合片16A側で係合解除され
難くなるのに対して低強度弾性係合片17A側で係合解
除され易くなる。
【0019】図中、符号26A,27Aは、前記クリッ
プ10Aを取付対象物に固定するためにフランジ部14
A,15Aの基部側から内向きに傾斜している固定用爪
であり、ピラーガーニッシュ等の取付対象物に形成され
たクリップ取付凸部(図5における符号43)に係合可
能になっている。また、符号28A,29Aは、前記ク
リップ取付凸部を挟持してクリップ10Aのガタツキを
防ぐための挟持部である。
【0020】図3に示す第二実施例のクリップ10B
は、弾性係合片16B,17Bにおける略くの字形状の
屈曲頂部18B,19Bと自由端20B,21B間の傾
斜面22B,23Bが、前記取付穴周縁82に対する係
合部24B,25Bを構成している。また、一方の弾性
係合片16Bについては、前記係合部22Bの傾斜面2
4Bとクリップ挿入方向Jとの間の角度m1を、他方の
弾性係合片17Bにおける係合部23Bの傾斜面25B
とクリップ挿入方向Jとの間の角度m2よりも大にし
て、一方の弾性係合片16Bを取付穴周縁82に対する
係合が強い高強度弾性係合片16Bとし、他方の弾性係
合片17Bを取付穴周縁82に対する係合が、前記高強
度弾性係合片16Bよりも弱い低強度弾性係合片17B
とした。この第二実施例のクリップ10Bにおいても、
前記高強度弾性係合片16Bと低強度弾性係合片17B
が、前記第一実施例のクリップ10Aにおける高強度弾
性係合片16Aと低強度弾性係合片17Aと同様の作用
をする。なお、この第二実施例のクリップ10Bにおけ
るその他の構成は、第一実施例のクリップ10Aと同様
であり、各部を示す符号は、第一実施例で用いた符号の
AをBに変えた以外は同じにした。
【0021】図4に示す第三実施例のクリップ10C
は、一方の弾性係合片16Cの一部における幅w1を他
方の弾性係合片17Cの幅w2よりも大(w1>w2)
とすることによって、一方の弾性係合片16Cを剛性の
高い高強度弾性係合片16Cとし、他方の弾性係合片1
7Cを剛性の低い低強度弾性係合片17Cとしたもので
ある。これにより、前記高強度弾性係合片16Cは、前
記低強度弾性係合片17Cよりも取付穴81との係合が
強いものになる。この第三実施例のクリップ10Cにお
いても、前記高強度弾性係合片16Cと低強度弾性係合
片17Cは、第一実施例の高強度弾性係合片16Aおよ
び低強度弾性係合片17Aと同様の作用をする。なお、
図4の(イ)は前記低強度弾性係合片17C側からクリ
ップ10Cを見た斜視図、図4の(ロ)は前記高強度弾
性係合片16C側からクリップ10Cを見た斜視図であ
る。また、前記一方の弾性係合片16Cにおいて幅を大
にする部分は一部に限られず、一方の弾性係合片16C
の全体としてもよい。その他の構成は、第一実施例のク
リップ10Aと同様であり、第一実施例で用いた符号の
アルファベットのみをCに変更して各部を示す符号とし
た。また、この第三実施例では、一方の弾性係合片16
Cと他方の弾性係合片17Cとで幅を異ならせることに
よって、弾性係合片の剛性を異ならせているが、その他
の方法、例えば弾性係合片の厚みを少なくとも一部で異
ならせたり、弾性係合片の一部に溝を設けたりして弾性
係合片の剛性を異ならせてもよい。
【0022】次に本発明のカーテン式エアバッグ用ピラ
ーガーニッシュの取付構造の一例を、前記第一ないし第
三実施例のクリップ10A,10B,10Cを用いて説
明する。なお、以下において、説明が複雑になるのを避
けるため、前記第一ないし第三実施例のクリップ10
A,10B,10Cを総称してクリップ10とし、同様
に高強度弾性係合片16A,16B,16Cは高強度弾
性係合片16、低強度弾性係合片17A,17B,17
Cは低強度弾性係合片17とし、その他の部分の符号に
ついてもアルファベットを除いた数字で表す。
【0023】本発明のカーテン式エアバッグ用ピラーガ
ーニッシュの取付構造は、従来の技術欄で説明した図9
のカーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュと同様
に、車両のピラー部に、ピラーガーニッシュをクリップ
で取り付ける構造であり、以下ではフロントピラーガー
ニッシュの例を示す。図5に示すように、この例のピラ
ーガーニッシュ40は、所定形状に成形された所定長の
プラスチック製品からなり、裏面の取付部位には、クリ
ップ取付用凸部43が形成されている。
【0024】前記クリップ取付用凸部43は、前記クリ
ップ10の弾性係合片16,17及び挟持部28,29
間に挿入されて、前記挟持部28,29で挟持されると
共に、一側の基部に形成された係合段部44に前記クリ
ップ10の固定用爪26,27が係合することによりク
リップ10が外れないようにする。前記係合段部44
は、エアバッグの展開方向となるピラーガーニッシュ4
0の車両後方側40Rを向くようにして設けるのが好ま
しい。このようにすれば、エアバッグの膨張によってピ
ラーガーニッシュ40の後方側40Rが車室内に押され
る際、前記クリップ10における一方の固定用爪26が
係合段部44と強固に係合して、前記クリップ10がピ
ラーガーニッシュ40の裏面から外れ難くなる。
【0025】前記クリップ10は、前記高強度弾性係合
片16がピラーガーニッシュ40のエアバッグ膨張展開
側、すなわちこの例のフロントピラーガーニッシュにお
いては後方側40Rを向くようにして、また前記低強度
弾性係合片17がピラーガーニッシュ40の他側、すな
わちこの例のフロントピラーガーニッシュにおいてはエ
アバッグの非膨張展開側となる前方側40Fを向くよう
にして前記クリップ取付用凸部43に嵌着される。次い
で、図9のX−X断面と同位置の断面を示す図6のよう
に、車両のピラーインナーパネル80に形成されている
取付穴81にクリップ10を挿入して弾性係合片16,
17を取付穴81の周縁82に係合させる。なお、図6
および以下の説明において、前出の図10と同一のもの
については、図10中で使用した符号を用いて示す。
【0026】前記取付穴81の形状は、図1に示すよう
に前記クリップ10が圧入可能な略長方形からなり、対
向する長縁82a,82b同士の間隔kが、前記クリッ
プ10の自由状態における弾性係合片16,17の屈曲
頂部18,19の間隔より小とされている。そのため、
前記クリップ挿入時にクリップ10の弾性係合片16,
17が取付穴81の長縁82a,82aにより内方へ押
されて弾性変形し、屈曲頂部18,19間隔を狭くする
ことにより屈曲頂部18,19が取付穴81の長縁82
a、82b間を通過し、再び弾性係合片16,17が復
元することによって屈曲頂部18,19と自由端20,
21間の係合部24,25で取付穴81の周縁82と係
合する。その際、前記クリップ10は、前記両弾性係合
片16,17のうちの一方の弾性係合片16のみが高強
度弾性係合片となっており、他方の弾性係合片17は低
強度弾性係合片となっているので、前記取付穴81への
クリップ10の挿入が容易である。
【0027】このようにしてピラーインナーパネル80
に取り付けられたピラーガーニッシュ40は、前記クリ
ップ10の高強度弾性係合片16がピラーガーニッシュ
40のエアバッグ膨張展開側、すなわちこの例のフロン
トピラーガーニッシュにおいては後方側40R、前記低
強度側弾性係合片17がピラーガーニッシュ40の他
側、すなわちこの例のフロントピラーガーニッシュにお
いてはエアバッグの非膨張展開側となる前方側40Fを
向いて取付穴81の周縁82と係合している。
【0028】前記ピラーガーニッシュ40は、エアバッ
グAが膨張する際、図7に示すように、前記ピラーガー
ニッシュ40の後方側40Rが車室内方向Yへ押されて
変形し、ピラーガーニッシュ40の後方側40Rとピラ
ーインナーパネル80間に、前記エアバッグAが車室内
へ膨張展開するための隙間が形成される。また、その
際、前記ピラーガーニッシュ40の後方側40Rが車室
内方向へ押されるため、前記クリップ10は、車両後方
側が車室内方向Yへ引っ張られてピラーインナーパネル
80における取付穴周縁82の車両後方側と圧接しなが
ら取付穴81から抜け出ようとする。しかし、前記クリ
ップ10の後方側は、前記高強度弾性係合片16がピラ
ーインナーパネル80の取付穴周縁82と強固に係合し
ているので、容易に係合が解除されず、前記ピラーガー
ニッシュ40がピラーインナーパネル80から外れ難
い。
【0029】また、メンテナンス等のために前記ピラー
ガーニッシュ40をピラーインナーパネル80から外す
場合には、図8に示すように、前記ピラーガーニッシュ
40を車両前方向Zへ引っ張る。それにより、前記クリ
ップ10は、ピラーガーニッシュ40と共に車両前方側
が引っ張られ、前記ピラーインナーパネル80における
取付穴周縁82の車両前方側と圧接しながら取付穴81
から抜け出ようとする。その際、前記クリップ10の車
両前方側では低強度弾性係合片17がピラーインナーパ
ネル80の取付穴81と係合しているため、前記車両前
方向Zへの力により低強度弾性係合片17が容易に弾性
変形して取付穴周縁82を通り抜け、前記クリップ10
と取付穴81の係合が解除されてピラーガーニッシュ4
0が外れるようになる。
【0030】なお、本発明のクリップは、カーテン式エ
アバッグ用ピラーガニッシュの取付のみに使用されるも
のではなく、種々の物品の取付に使用されるものであ
る。さらに、クリップの形状も図示のものに限られるも
のではない。また、前記説明ではフロントピラーガーニ
ッシュの取付を例にして説明したが、本発明のカーテン
式エアバッグ用ピラーガーニッシュの取付構造は、それ
に限られるものではなく、センターピラーガーニッシュ
やリアピラーガーニッシュ等その他の部位のガーニッシ
ュにも適用されるものである。さらに、本発明のカーテ
ン式エアバッグ用ピラーガーニッシュの取付構造におい
ては、ピラーインナーパネルへの固定箇所が一カ所に限
られず、適宜の複数箇所とされたり、本発明のクリップ
と共に別の固定手段が併用されたりしてもよい。例え
ば、フロントピラーガーニッシュの上部については本発
明のクリップを用い、またピラーガーニッシュの下部に
ついてはボルトのような他の固定手段を用いてもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明のクリップは、一方の弾性係合片
と他方の弾性係合片とで取付穴に対する係合の強さが異
なるため、取付穴から引き抜く力がクリップに加わる場
合には、加わる力の方向によって係合解除の容易さや可
能性が異なることになる。したがって、車両におけるカ
ーテン式エアバッグ用ピラーガーニッシュのように、ピ
ラーガーニッシュを外す方向に加わる力のうち、一方向
へ力が加わる場合には車両のピラーインナーパネルから
係合解除し難くし、他方向へ力が加わる場合には容易に
係合解除できるようにしたい用途に最適である。
【0032】また、本発明のカーテン式エアバッグ用ピ
ラーガーニッシュの固定構造によれば、本発明のクリッ
プを用いることにより、ピラーガーニッシュの取付作業
性や必要時の取り外し作業性を損なうこと無く、エアバ
ッグ膨張時におけるピラーガーニッシュの外れを防ぐこ
とができる。しかも、固定構造が複雑にならず、加えて
高価にならない利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係るクリップの斜視図で
ある。
【図2】図1の2−2縦断面図である。
【図3】第二実施例に係るクリップの断面図である。
【図4】第三実施例に係るクリップの斜視図である。
【図5】本発明のクリップをピラーガーニッシュへ取り
付ける際の斜視図である。
【図6】本発明のカーテン式エアバッグ用ピラーガーニ
ッシュの取付構造の例を示す断面図である。
【図7】エアバッグ膨張時の作用を示す概略断面図であ
る。
【図8】取り外し時の作用を示す概略断面図である。
【図9】車室内の簡略図である。
【図10】従来のカーテン式エアバッグ用ピラーガーニ
ッシュの固定構造について図9のX−X断面図である。
【符号の説明】
10,10A,10B,10C クリップ 16,16A,16B,16C 高強度弾性係合片 17,17A,17B,17C 低強度弾性係合片 18,18A,18B,18C 屈曲頂部 19,19A,19B,19C 屈曲頂部 22,22A,22B,22C 傾斜面 23,23A,23B,23C 傾斜面 40 ピラーガーニッシュ 40F ピラーガーニッシュの前方側 40F ピラーガーニッシュの後方側 80 ピラーインナーパネル 81 取付穴 82 取付穴周縁 A エアバッグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 孝士 愛知県安城市藤井町東長先8番地1 株式 会社イノアックコーポレーション桜井事業 所内 Fターム(参考) 3D054 AA07 AA18 BB21 FF16 FF17 3J001 FA02 GB01 HA02 HA07 JC06 JC12 KA19 KB01 3J036 AA03 BA02 DA02 DB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付穴に挿入されて該取付穴周縁に係合
    する少なくとも一組の弾性係合片を互いに反対向きに備
    え、前記弾性係合片の弾性変形によって取付穴周縁に対
    する係合および係合解除可能とされたクリップにおい
    て、 前記の組とされた弾性係合片のうちの一方を、他方より
    も取付穴周縁に対する係合を強くして、当該一方の弾性
    係合片を他方の弾性係合片よりも取付穴周縁に対して係
    合解除され難いようにしたことを特徴とするクリップ。
  2. 【請求項2】 弾性係合片の縦断面形状が略くの字形状
    に外方へ膨出した屈曲形状からなって、前記弾性係合片
    における略くの字形状の屈曲頂部と自由端間が取付穴周
    縁との係合部を構成すると共に、前記一方の弾性係合片
    を他方の弾性係合片よりも外方への膨出程度が大のもの
    にして、当該一方の弾性係合片の取付穴周縁に対する係
    合を強くしたことを特徴とする請求項1に記載されたク
    リップ。
  3. 【請求項3】 弾性係合片の縦断面形状が略くの字形状
    に外方へ膨出した屈曲形状からなって、前記弾性係合片
    における略くの字形状の屈曲頂部と自由端間の傾斜面が
    取付穴周縁との係合部を構成すると共に、前記係合部を
    構成する傾斜面とクリップ挿入方向との間の角度を、一
    方の弾性係合片で他方の弾性係合片よりも大にして取付
    穴周縁に対する係合を強くしたことを特徴とする請求項
    1に記載されたクリップ。
  4. 【請求項4】 一方の弾性係合片の剛性を他方の弾性係
    合片の剛性よりも大にして、当該一方の弾性係合片の取
    付穴周縁に対する係合を強くしたことを特徴とする請求
    項1に記載されたクリップ。
  5. 【請求項5】 一方の弾性係合片を他方の弾性係合片に
    対して少なくとも一部で幅が大きいものにして、当該一
    方の弾性係合片の剛性を他方の弾性係合片の剛性より大
    にしたことを特徴とする請求項4に記載されたクリッ
    プ。
  6. 【請求項6】 カーテン式エアバッグ用ピラーガーニッ
    シュの裏面に設けたクリップを、車両のピラーインナー
    パネルに形成された取付穴に挿入して前記クリップの弾
    性係合片を取付穴の周縁に係合させるカーテン式エアバ
    ッグ用ピラーガーニッシュの取付構造において、前記ピ
    ラーガーニッシュ裏面のクリップとして、請求項1から
    5のいずれか1項に記載されたクリップを用い、該クリ
    ップで係合が強い一方の弾性係合片をピラーガーニッシ
    ュのエアバッグ膨張展開側にし、前記一方の弾性係合片
    よりも係合が弱い他方の弾性係合片をピラーガーニッシ
    ュの他側にしてピラーインナーパネルの取付穴に挿入係
    合させたことを特徴とするカーテン式ピラーガーニッシ
    ュの取付構造。
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