JP2003246681A - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法

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JP2003246681A JP2002050235A JP2002050235A JP2003246681A JP 2003246681 A JP2003246681 A JP 2003246681A JP 2002050235 A JP2002050235 A JP 2002050235A JP 2002050235 A JP2002050235 A JP 2002050235A JP 2003246681 A JP2003246681 A JP 2003246681A
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善史 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 焼成時に有機物の燃焼もしくは昇華が十分に
行われ、基板反りや基板割れが発生せず、デラミネーシ
ョンの発生が抑制された多層セラミック基板の製造方法
を提供する。 【解決手段】 セラミック絶縁材料粉末を含む生の多層
セラミック基板13の上下両主面を、前記セラミック絶
縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含
む収縮抑制層14で挟んだ生の複合積層体11を作製
し、前記生の複合積層体11の少なくとも一方の主面
に、前記収縮抑制層14を貫通せず、前記生の多層セラ
ミック基板12に届かない深さで、切り込み溝15を設
け、前記切り込み溝15が設けられた生の複合積層体1
1を、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが前記無
機材料粉末は焼結しない条件下で焼成した後、焼結後の
多層セラミック基板13から、上下に配置された未焼結
の前記収縮抑制層14を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッドI
Cなどに用いる多層セラミック基板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多層セラミック基板は、複数の積層され
たセラミック層を備えており、種々の形態の配線導体が
設けられている。多層セラミック基板を、より多機能
化、高性能化するためには、高密度に配線を施すことが
有効である。
【0003】一般に、セラミックグリーンシートを積層
して焼成する際、セラミックの焼結による収縮が長さ
(X)、幅(Y)、厚み(Z)の3方向に生じ、X、Y
方向には、各々0.4〜0.6%程度の寸法誤差が生じ
る。この寸法誤差は、多層セラミック基板に形成された
外部導体の位置精度の低下や内部導体の断線という問題
を発生させる。
【0004】これを解決するため、図4の生の複合積層
体1の断面図に示すように、低温焼成可能な基板用セラ
ミックグリーンシートからなるセラミックグリーン層2
を積層した生の多層セラミック基板3の上下に、前記基
板用セラミックグリーンシートの焼成温度では焼結しな
い、収縮抑制用セラミックグリーンシートからなる収縮
抑制層4を形成し、圧着し、この生の複合積層体1を比
較的低温で焼成した後、収縮抑制層4の未焼結層を除去
する方法が提案されている。
【0005】この多層セラミック基板の製造方法によれ
ば、収縮抑制層4がセラミックグリーン層2を拘束する
ので、セラミックグリーン層2のX、Y方向での収縮が
生じにくい。その結果、生の多層セラミック基板3を焼
成した多層セラミック基板において、寸法精度を高くで
き、基板の反りも軽減できる。そのため、高密度に配線
を施しても、形成位置の精度の低下や断線などの問題が
生じにくい。
【0006】なお、図4の生の複合積層体1の断面図
は、厚み方向寸法が誇張されて図示されており、また、
配線導体の図示が省略されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示すよ
うな生の複合積層体1を、そのままの状態で焼成する
と、前記基板用セラミックグリーンシートや前記収縮抑
制用セラミックグリーンシートに含有された有機バイン
ダもしくは有機可塑剤が十分燃焼もしくは昇華せず、焼
成中に多層セラミック基板3と収縮抑制層4との間に剥
離が発生するという問題があった。剥離が発生すると、
収縮挙動のストレスにより基板に反りが生じたり、基板
割れが発生してしまう。さらに、高密度配線基板などで
は、配線間でも有機バインダもしくは有機可塑剤が十分
燃焼もしくは昇華しないために、デラミネーションの発
生が多発するという不具合もあった。
【0008】本発明の目的は、焼成時に有機物の燃焼も
しくは昇華が十分に行われ、基板反りや基板割れが発生
せず、デラミネーションの発生が抑制された多層セラミ
ック基板の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この第1の発明にかかる
多層セラミック基板の製造方法は、セラミック絶縁材料
粉末を含む複数のセラミックグリーン層を積層して生の
多層セラミック基板を作製する工程と、前記生の多層セ
ラミック基板の上下両主面を、前記セラミック絶縁材料
粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮
抑制層で積層方向に挟み、積層方向に圧着して、生の複
合積層体を作製する工程と、前記生の複合積層体の少な
くとも一方の主面に、前記収縮抑制層を貫通せず、前記
生の多層セラミック基板に届かない深さで、切り込み溝
を設ける工程と、前記切り込み溝が設けられた生の複合
積層体を、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが前
記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成し、前記収縮
抑制層に挟まれた焼結後の多層セラミック基板を得る工
程と、前記焼結後の多層セラミック基板から、上下に配
置された未焼結の前記収縮抑制層を除去する工程と、を
備えることを特徴とする。
【0010】この第2の発明にかかる多層セラミック基
板の製造方法は、前記生の複合積層体の一方の主面に切
り込み溝を設け、該切り込み溝が設けられた一方の主面
を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置し
て、前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする。
【0011】この第3の発明にかかる多層セラミック基
板の製造方法は、前記生の複合積層体の両主面に互いに
異なる数の切り込み溝を設け、該切り込み溝の数が多い
ほうの主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するよう
に配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴
とする。
【0012】この第4の発明にかかる多層セラミック基
板の製造方法は、前記切り込み溝が、前記生の複合積層
体の主面に、格子状に形成されることを特徴とする。
【0013】この第5の発明にかかる多層セラミック基
板の製造方法は、前記セラミックグリーン層が、ガラス
または結晶化ガラスを含むことを特徴とする。
【0014】これにより、焼成時に切込み溝から有機物
の燃焼もしくは昇華が行われ、基板反りや基板割れが防
止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施形
態を説明するためのものであり、多層セラミック基板を
製造する途中の段階で得られる生の複合積層体11を示
している。ここで、図1は、生の複合積層体11の断面
図であり、厚み方向寸法が誇張されて図示されており、
また、配線導体の図示が省略されている。
【0016】生の複合積層体11は、セラミック絶縁材
料粉末を含む複数のセラミックグリーン層12を積層し
た生の多層セラミック基板13と、前記セラミック絶縁
材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む
収縮抑制層14a、14bと、を備えている。さらに、
収縮抑制層14a、14bには、該収縮抑制層14a、
14bを貫通せず、前記生の多層セラミック基板13に
届かない深さで、切り込み溝15a、15bがそれぞれ
設けられている。
【0017】以下、本発明による多層セラミック基板の
製造方法について、図1を参照しつつ説明する。
【0018】まず、複数のセラミックグリーン層12
を積層して生の多層セラミック基板13を作製する。前
記セラミックグリーン層12は、例えばセラミック絶縁
材料粉末にバインダーや可塑剤および溶剤を加えて、ボ
ールミルやアトラクター等で混合してスラリーとし、そ
のスラリーをドクターブレード法等の通常の方法により
シート状に形成したセラミックグリーンシートを複数層
積層することによって得られる。セラミックグリーンシ
ート相互の密着性を高めるため、例えば5〜30MPa
の圧力および60〜90℃の温度で積層方向にプレスし
てもよい。
【0019】セラミックグリーンシートは、所定の大き
さにされ、必要に応じてスクリーン印刷等で配線導体と
なる導電性ペーストを塗布したり、スルーホール、ビア
ホールを設けて、このスルーホール、ビアホールにペー
ストを充填したりする工程が実施される。セラミックグ
リーンシートの厚さは特に制限はないが、25〜200
μm程度が好ましい。
【0020】なお、前記セラミック絶縁材料粉末として
は、従来の多層セラミック基板に用いられる通常の原料
を使用すればよい。例えばアルミナ硼珪酸ガラス、軟化
点600〜800℃の非晶質ガラス、結晶化温度600
〜1000℃の結晶化ガラス等が使用できる。また、こ
れらにアルミナ、ジルコン、ムライト、コージェライ
ト、アノーサイト、シリカ等のセラミックスフィラーを
添加したものでもよい。
【0021】前記バインダーとしては、例えばポリビニ
ルブチラール、メタアクリルポリマー、アクリルポリマ
ー等を用い、前記可塑剤としては、例えばフタル酸の誘
導体等を用いればよい。さらに溶剤としては、例えばア
ルコール類、ケトン類、塩素系有機溶剤等を使用すれば
よい。
【0022】次に、前記生の多層セラミック基板13
の上下面に、前記生の多層セラミック基板13を積層方
向に挟むように収縮抑制層14a、14bを配置し、例
えば、30〜200MPaの圧力および40〜90℃の
温度でプレスして、切込み溝15a、15b形成前の生
の複合積層体11を作製する。
【0023】前記収縮抑制層14a、14bは、無機材
料粉末を含む無機材料グリーンシートを、前述したセラ
ミックグリーン層12のためのセラミックグリーンシー
トと同様の要領で作製し、積層することによって得られ
る。前記無機材料グリーンシートの厚さは特に制限はな
いが、25〜200μm程度が好ましい。
【0024】なお、収縮抑制層14a、14bは、前記
セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機
材料粉末を含んでいる。例えばセラミックグリーン層1
2に含まれるセラミック絶縁材料粉末として、その焼結
温度が1100℃以下のものを用いる場合には、収縮抑
制層14a、14bに含まれる無機材料粉末としては、
例えばアルミナ、酸化ジルコニア、窒化アルミニウム、
窒化ホウ素、ムライト、酸化マグネシウム、炭化ケイ素
等を使用することができる。なお、これらの粉末の粒度
が粗すぎると、得られた多層セラミック基板の表面粗さ
が粗くなるため、平均粒径0.5〜4μm程度が好まし
い。
【0025】さらに、前記生の複合積層体11の両主
面に、収縮抑制層14a、14bを貫通せず、生の多層
セラミック基板13に届かない深さで、切り込み溝15
a、15bを形成する。
【0026】前記切り込み溝15a、15bの形成に
は、カッター刃を収縮抑制層14a、14bの外表面に
押し当てたり、回転刃で切りこむ等、従来からの通常の
方法を用いればよい。
【0027】前記切り込み溝15a、15bの断面形状
は、V字状のほか、U字状、凹部状等任意であり、焼結
後のハンドリング時に不用意に割れが生じない形状であ
ればよい。
【0028】前記切り込み溝15a、15bの深さは、
収縮抑制層14a、14bを貫通せず、生の多層セラミ
ック基板13に届かない深さであればよいが、収縮抑制
層14a、14bの厚みの1/10〜9/10程度が好
ましい。
【0029】前記生の多層セラミック基板13の上下面
における前記切り込み溝15a、15bの形状は、格子
状に形成されることが好ましく、溝数も多いほうが好ま
しい。
【0030】そして、前記切り込み溝15a、15b
が設けられた生の複合積層体11を、焼成用匣の被焼成
物載置面に配置し、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結
するが前記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成す
る。
【0031】前記焼成用匣としては、例えば通常のアル
ミナ板からなるものを用いればよい。通気性の良好な気
孔率の高いアルミナ板を用いてもよい。
【0032】なお、図2(a)に示すように、生の複合
積層体21の一方の主面21bにのみ切り込み溝25b
が形成されている場合は、生の複合積層体21を焼成用
匣26の被焼成物載置面26aに配置する際、切込み溝
25bが設けられている一方主面21bを焼成用匣26
に接するように配置することが好ましい。
【0033】また、図2(b)に示すように、生の複合
積層体31の両主面31a、31bに異なる数の切り込
み溝35a、35bが形成されている場合は、生の複合
積層体31を焼成用匣26の被焼成物載置面26aに配
置する際、切り込み溝35bの数が多いほうの主面31
bを焼成用匣26に接するように配置することが好まし
い。
【0034】これは、焼成用匣26に接する面21b、
31bの切込み溝25b、35bからは有機物の燃焼も
しくは昇華が十分に行われにくいため、少しでも有機物
の燃焼もしくは昇華を促進するためである。
【0035】そして、未焼結の収縮抑制層14a、1
4bに挟まれた焼結後の多層セラミック基板13を得た
後、該焼結後の多層セラミック基板13から、上下に配
置された未焼結の前記収縮抑制層14a、14bをブラ
シなどで除去することにより、焼結後の多層セラミック
基板13が取り出される。
【0036】この焼結後の多層セラミック基板13は、
大面積の多層セラミック基板であり、分割することによ
って複数の多層セラミック基板を取り出すことができ
る。
【0037】
【実施例】〔実施例1〕SiO2、Al23、B23
およびCaOを混合した結晶化ガラス粉末と、アルミナ
粉末を等重量比率で混合した。該混合粉末100重量部
に対して、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロ
ピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部
をそれぞれ加え、ボールミルで24時間混合してスラリ
ーとした。
【0038】このスラリーをドクターブレード法により
延ばして厚さ120μmのセラミックグリーンシートを
作製し、寸法135mm角にカットし、セラミックグリ
ーンシートを得た。なお該セラミックグリーンシートに
含まれるセラミック絶縁材料粉末の焼結温度は850℃
であった。
【0039】他方、酸化ジルコニウム粉末100重量部
に対して、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロ
ピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部
を加え、ボールミルで24時間混合してスラリーとし
た。
【0040】このスラリーをドクターブレード法により
延ばして厚さ120μmのセラミックスグリーンシート
を作製し、寸法135mm角にカットし、無機材料グリ
ーンシートを得た。なお該無機材料グリーンシートに含
まれる無機材料粉末の焼結温度は1600℃であった。
【0041】次に、前記セラミックグリーンシートを6
枚積層して生の多層セラミック基板とし、該多層セラミ
ック基板の上下面に、収縮抑制層として前記無機材料グ
リーンシートを2枚ずつ積層し、生の複合積層体を得、
圧力20Mpa、温度60℃で加圧密着させた。
【0042】さらに、前記生の複合積層体の一方主面に
カッター刃を押し当て、収縮抑制層を貫通せず、生の多
層セラミック基板に届かないように、深さ100μmの
断面V字状の切り込み溝を、図3(a)に示すように、
一方向のみに縞状に配列しながら、主面全域にわたって
形成した。なお、隣り合う切り込み溝45a、45a間
の間隔は20mmとした。
【0043】そして、切り込み溝45aが設けられた生
の複合積層体41を、切り込み溝45aが形成されてい
る一方主面を、気孔率70%のアルミナ板よりなる焼成
用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、温度
600℃で3時間加熱したのち温度900℃で1時間加
熱し、複合積層体41における多層セラミック基板の部
分のみを焼結させた。
【0044】さらに、焼成後の複合積層体41の両主面
をナイロン製のブラシで擦って、未焼結の収縮抑制層を
除去し、焼結後の多層セラミック基板を取り出した。
【0045】この多層セラミック基板には、基板割れ、
デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大
反り量を測定したところ、0.15%であった。
【0046】〔実施例2〕上記実施例1の切り込み溝の
配列を図3(b)に示すように変化させ、その他は実施
例1と同様に多層セラミック基板を作製した。すなわ
ち、生の複合積層体51の一方主面に、収縮抑制層を貫
通せず、生の多層セラミック基板に届かないように、深
さ100μmの断面V字状の切り込み溝55a、55a
を格子状に配列しながら、主面全域にわたって形成し
た。なお、隣り合う切り込み溝55a、55a間の間隔
は20mmとした。
【0047】この多層セラミック基板には、基板割れ、
デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大
反り量を測定したところ、0.13%であった。
【0048】〔実施例3〕上記実施例1において、切り
込み溝を他方主面にも形成し、その他は実施例1と同様
に多層セラミック基板を作製した。すなわち、図3
(c)に示すように、生の複合積層体61の一方主面の
切り込み溝65a(一方向に縞状に配列され、間隔は2
0mmである)に加えて、他方主面に、収縮抑制層を貫
通せず、生の多層セラミック基板に届かないように、深
さ100μmの断面V字状の切り込み溝65bを、一方
向に縞状に配列しながら、主面全域にわたって形成し
た。なお、隣り合う切り込み溝65b、65b間の間隔
は15mmとした。
【0049】そして、切り込み溝65b、65bが多く
形成されている他方主面を焼成用匣の被焼成物載置面に
当接するように配置して、実施例1と同様に焼成した。
【0050】この多層セラミック基板には、基板割れ、
デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大
反り量を測定したところ、0.10%であった。
【0051】〔比較例1〕上記実施例1において、生の
複合積層体の主面に切り込み溝を形成せず、その他は実
施例1と同様に多層セラミック基板を作製した。
【0052】この多層セラミック基板には、基板割れ、
デラミネーションが発生し、そのため、反り量の測定は
不可能であった。
【0053】上記実施例1〜3および比較例1から明ら
かなように、収縮抑制層に切り込み溝を形成することに
より、焼成中の有機バインダー及び有機可塑剤の燃焼も
しくは昇華が促進され、基板われの発生及びデラミネー
ションの発生がなく、また反り量の小さい多層セラミッ
ク基板を作製できた。
【0054】また、前記切込み溝は、有機バインダー及
び有機可塑剤の燃焼もしくは昇華を促進するのに溝数が
多いほうが効果的であり、縞状よりも格子状が好まし
く、隣り合う溝間隔も短い方が好ましい。さらに、一方
主面だけでなく、両主面に形成されていることが好まし
い。
【0055】さらに、生の積層複合体の両主面に異なる
数の切り込み溝が形成されている場合には、有機物の燃
焼もしくは昇華を少しでも促進するため、切り込み溝が
多く形されているほうの面を焼成用匣の被焼成物載置面
に当接するように配置することが好ましい。
【0056】
【発明の効果*】本発明による多層セラミック基板の製
造方法によれば、生の多層セラミック基板を収縮抑制層
で挟んだ生の複合積層体の主面に、前記収縮抑制層を貫
通せず、前記生の多層セラミック基板に届かないように
切り込み溝を形成することにより、焼成時に、セラミッ
クグリーンシートに含有された有機物の燃焼もしくは昇
華が十分に行われ、基板割れ、デラミネーションの発生
を防ぎ、また、反りの小さい多層セラミックス基板を作
製できる。したがって、歩留が向上するとともに、大面
積化をはかることが可能となり、生産効率を大幅に増大
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態を説明するためのもの
であり、多層セラミック基板を製造する途中の段階で得
られる複合積層体を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明するためのもので
あり、(a)は、一方の主面にのみ切り込み溝が形成さ
れた複合積層体を焼成用匣に配置した状態を示し、
(b)は、両主面の切り込み溝の数が異なる複合積層体
を焼成用匣に配置した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例の切り込み溝の配列を示してお
り、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実
施例3の複合積層体の平面図および底面図である。
【図4】従来例を説明するためのものであり、多層セラ
ミック基板を製造する途中の段階で得られる複合積層体
を示す断面図である。
【符号の説明】
11、21、31、41、51、61 複
合積層体 12 セ
ラミックグリーン層 13、23、33 多
層セラミック基板 14a、14b、24a、24b、34a、34b 収
縮抑制層 15a、15b、25b、35a、35b、45a、5
5a、65a、65b 切り込み溝 26 焼
成用匣
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H01L 23/12 D Fターム(参考) 4G055 AA08 AC09 BA14 BA22 BA33 BA41 5E346 AA02 AA12 AA15 AA22 AA32 AA43 AA51 CC18 EE21 EE27 EE32 GG04 GG08 GG09 HH11 HH31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック絶縁材料粉末を含む複数のセ
    ラミックグリーン層を積層して生の多層セラミック基板
    を作製する工程と、 前記生の多層セラミック基板の上下両主面を、前記セラ
    ミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料
    粉末を含む収縮抑制層で積層方向に挟み、積層方向に圧
    着して、生の複合積層体を作製する工程と、 前記生の複合積層体の少なくとも一方の主面に、前記収
    縮抑制層を貫通せず、前記生の多層セラミック基板に届
    かない深さで、切り込み溝を設ける工程と、 前記切り込み溝が設けられた生の複合積層体を、前記セ
    ラミック絶縁材料粉末は焼結するが前記無機材料粉末は
    焼結しない条件下で焼成し、前記収縮抑制層に挟まれた
    焼結後の多層セラミック基板を得る工程と、 前記焼結後の多層セラミック基板から、上下に配置され
    た未焼結の前記収縮抑制層を除去する工程と、を備える
    ことを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記生の複合積層体の一方の主面に切り
    込み溝を設け、該切り込み溝が設けられた一方の主面を
    焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、
    前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする請求項
    1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記生の複合積層体の両主面に互いに異
    なる数の切り込み溝を設け、該切り込み溝の数が多いほ
    うの主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように
    配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴と
    する請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記切り込み溝は、前記生の複合積層体
    の主面に、格子状に形成されることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載の多層セラミック基板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミックグリーン層は、ガラスま
    たは結晶化ガラスを含むことを特徴とする請求項1〜請
    求項4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方
    法。
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