JP4048796B2 - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハイブリッドICなどに用いる多層セラミック基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層セラミック基板は、複数の積層されたセラミック層を備えており、種々の形態の配線導体が設けられている。多層セラミック基板を、より多機能化、高性能化するためには、高密度に配線を施すことが有効である。
【0003】
一般に、セラミックグリーンシートを積層して焼成する際、セラミックの焼結による収縮が長さ(X)、幅(Y)、厚み(Z)の3方向に生じ、X、Y方向には、各々0.4〜0.6%程度の寸法誤差が生じる。この寸法誤差は、多層セラミック基板に形成された外部導体の位置精度の低下や内部導体の断線という問題を発生させる。
【0004】
これを解決するため、図4の生の複合積層体1の断面図に示すように、低温焼成可能な基板用セラミックグリーンシートからなるセラミックグリーン層2を積層した生の多層セラミック基板3の上下に、前記基板用セラミックグリーンシートの焼成温度では焼結しない、収縮抑制用セラミックグリーンシートからなる収縮抑制層4を形成し、圧着し、この生の複合積層体1を比較的低温で焼成した後、収縮抑制層4の未焼結層を除去する方法が提案されている。
【0005】
この多層セラミック基板の製造方法によれば、収縮抑制層4がセラミックグリーン層2を拘束するので、セラミックグリーン層2のX、Y方向での収縮が生じにくい。その結果、生の多層セラミック基板3を焼成した多層セラミック基板において、寸法精度を高くでき、基板の反りも軽減できる。そのため、高密度に配線を施しても、形成位置の精度の低下や断線などの問題が生じにくい。
【0006】
なお、図4の生の複合積層体1の断面図は、厚み方向寸法が誇張されて図示されており、また、配線導体の図示が省略されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図4に示すような生の複合積層体1を、そのままの状態で焼成すると、前記基板用セラミックグリーンシートや前記収縮抑制用セラミックグリーンシートに含有された有機バインダもしくは有機可塑剤が十分燃焼もしくは昇華せず、焼成中に多層セラミック基板3と収縮抑制層4との間に剥離が発生するという問題があった。剥離が発生すると、収縮挙動のストレスにより基板に反りが生じたり、基板割れが発生してしまう。さらに、高密度配線基板などでは、配線間でも有機バインダもしくは有機可塑剤が十分燃焼もしくは昇華しないために、デラミネーションの発生が多発するという不具合もあった。
【0008】
本発明の目的は、焼成時に有機物の燃焼もしくは昇華が十分に行われ、基板反りや基板割れが発生せず、デラミネーションの発生が抑制された多層セラミック基板の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明にかかる多層セラミック基板の製造方法は、セラミック絶縁材料粉末を含む複数のセラミックグリーン層を積層して生の多層セラミック基板を作製する工程と、前記生の多層セラミック基板の上下両主面を、前記セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層で積層方向に挟み、積層方向に圧着して、生の複合積層体を作製する工程と、前記生の複合積層体の少なくとも一方の主面に、前記収縮抑制層を貫通せず、前記生の多層セラミック基板に届かない深さで、切り込み溝を設ける工程と、前記切り込み溝が設けられた生の複合積層体を、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが前記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成し、前記収縮抑制層に挟まれた焼結後の多層セラミック基板を得る工程と、前記焼結後の多層セラミック基板から、上下に配置された未焼結の前記収縮抑制層を除去する工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この第2の発明にかかる多層セラミック基板の製造方法は、前記生の複合積層体の一方の主面に切り込み溝を設け、該切り込み溝が設けられた一方の主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする。
【0011】
この第3の発明にかかる多層セラミック基板の製造方法は、前記生の複合積層体の両主面に互いに異なる数の切り込み溝を設け、該切り込み溝の数が多いほうの主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする。
【0012】
この第4の発明にかかる多層セラミック基板の製造方法は、前記切り込み溝が、前記生の複合積層体の主面に、格子状に形成されることを特徴とする。
【0013】
この第5の発明にかかる多層セラミック基板の製造方法は、前記セラミックグリーン層が、ガラスまたは結晶化ガラスを含むことを特徴とする。
【0014】
これにより、焼成時に切込み溝から有機物の燃焼もしくは昇華が行われ、基板反りや基板割れが防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものであり、多層セラミック基板を製造する途中の段階で得られる生の複合積層体11を示している。ここで、図1は、生の複合積層体11の断面図であり、厚み方向寸法が誇張されて図示されており、また、配線導体の図示が省略されている。
【0016】
生の複合積層体11は、セラミック絶縁材料粉末を含む複数のセラミックグリーン層12を積層した生の多層セラミック基板13と、前記セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層14a、14bと、を備えている。さらに、収縮抑制層14a、14bには、該収縮抑制層14a、14bを貫通せず、前記生の多層セラミック基板13に届かない深さで、切り込み溝15a、15bがそれぞれ設けられている。
【0017】
以下、本発明による多層セラミック基板の製造方法について、図1を参照しつつ説明する。
【0018】
▲1▼まず、複数のセラミックグリーン層12を積層して生の多層セラミック基板13を作製する。
前記セラミックグリーン層12は、例えばセラミック絶縁材料粉末にバインダーや可塑剤および溶剤を加えて、ボールミルやアトラクター等で混合してスラリーとし、そのスラリーをドクターブレード法等の通常の方法によりシート状に形成したセラミックグリーンシートを複数層積層することによって得られる。セラミックグリーンシート相互の密着性を高めるため、例えば5〜30MPaの圧力および60〜90℃の温度で積層方向にプレスしてもよい。
【0019】
セラミックグリーンシートは、所定の大きさにされ、必要に応じてスクリーン印刷等で配線導体となる導電性ペーストを塗布したり、スルーホール、ビアホールを設けて、このスルーホール、ビアホールにペーストを充填したりする工程が実施される。セラミックグリーンシートの厚さは特に制限はないが、25〜200μm程度が好ましい。
【0020】
なお、前記セラミック絶縁材料粉末としては、従来の多層セラミック基板に用いられる通常の原料を使用すればよい。例えばアルミナ硼珪酸ガラス、軟化点600〜800℃の非晶質ガラス、結晶化温度600〜1000℃の結晶化ガラス等が使用できる。また、これらにアルミナ、ジルコン、ムライト、コージェライト、アノーサイト、シリカ等のセラミックスフィラーを添加したものでもよい。
【0021】
前記バインダーとしては、例えばポリビニルブチラール、メタアクリルポリマー、アクリルポリマー等を用い、前記可塑剤としては、例えばフタル酸の誘導体等を用いればよい。さらに溶剤としては、例えばアルコール類、ケトン類、塩素系有機溶剤等を使用すればよい。
【0022】
▲2▼次に、前記生の多層セラミック基板13の上下面に、前記生の多層セラミック基板13を積層方向に挟むように収縮抑制層14a、14bを配置し、例えば、30〜200MPaの圧力および40〜90℃の温度でプレスして、切込み溝15a、15b形成前の生の複合積層体11を作製する。
【0023】
前記収縮抑制層14a、14bは、無機材料粉末を含む無機材料グリーンシートを、前述したセラミックグリーン層12のためのセラミックグリーンシートと同様の要領で作製し、積層することによって得られる。前記無機材料グリーンシートの厚さは特に制限はないが、25〜200μm程度が好ましい。
【0024】
なお、収縮抑制層14a、14bは、前記セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含んでいる。例えばセラミックグリーン層12に含まれるセラミック絶縁材料粉末として、その焼結温度が1100℃以下のものを用いる場合には、収縮抑制層14a、14bに含まれる無機材料粉末としては、例えばアルミナ、酸化ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化マグネシウム、炭化ケイ素等を使用することができる。なお、これらの粉末の粒度が粗すぎると、得られた多層セラミック基板の表面粗さが粗くなるため、平均粒径0.5〜4μm程度が好ましい。
【0025】
▲3▼さらに、前記生の複合積層体11の両主面に、収縮抑制層14a、14bを貫通せず、生の多層セラミック基板13に届かない深さで、切り込み溝15a、15bを形成する。
【0026】
前記切り込み溝15a、15bの形成には、カッター刃を収縮抑制層14a、14bの外表面に押し当てたり、回転刃で切りこむ等、従来からの通常の方法を用いればよい。
【0027】
前記切り込み溝15a、15bの断面形状は、V字状のほか、U字状、凹部状等任意であり、焼結後のハンドリング時に不用意に割れが生じない形状であればよい。
【0028】
前記切り込み溝15a、15bの深さは、収縮抑制層14a、14bを貫通せず、生の多層セラミック基板13に届かない深さであればよいが、収縮抑制層14a、14bの厚みの1/10〜9/10程度が好ましい。
【0029】
前記生の多層セラミック基板13の上下面における前記切り込み溝15a、15bの形状は、格子状に形成されることが好ましく、溝数も多いほうが好ましい。
【0030】
▲4▼そして、前記切り込み溝15a、15bが設けられた生の複合積層体11を、焼成用匣の被焼成物載置面に配置し、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが前記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成する。
【0031】
前記焼成用匣としては、例えば通常のアルミナ板からなるものを用いればよい。通気性の良好な気孔率の高いアルミナ板を用いてもよい。
【0032】
なお、図2(a)に示すように、生の複合積層体21の一方の主面21bにのみ切り込み溝25bが形成されている場合は、生の複合積層体21を焼成用匣26の被焼成物載置面26aに配置する際、切込み溝25bが設けられている一方主面21bを焼成用匣26に接するように配置することが好ましい。
【0033】
また、図2(b)に示すように、生の複合積層体31の両主面31a、31bに異なる数の切り込み溝35a、35bが形成されている場合は、生の複合積層体31を焼成用匣26の被焼成物載置面26aに配置する際、切り込み溝35bの数が多いほうの主面31bを焼成用匣26に接するように配置することが好ましい。
【0034】
これは、焼成用匣26に接する面21b、31bの切込み溝25b、35bからは有機物の燃焼もしくは昇華が十分に行われにくいため、少しでも有機物の燃焼もしくは昇華を促進するためである。
【0035】
▲5▼そして、未焼結の収縮抑制層14a、14bに挟まれた焼結後の多層セラミック基板13を得た後、該焼結後の多層セラミック基板13から、上下に配置された未焼結の前記収縮抑制層14a、14bをブラシなどで除去することにより、焼結後の多層セラミック基板13が取り出される。
【0036】
この焼結後の多層セラミック基板13は、大面積の多層セラミック基板であり、分割することによって複数の多層セラミック基板を取り出すことができる。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕
SiO2、Al23、B23、およびCaOを混合した結晶化ガラス粉末と、アルミナ粉末を等重量比率で混合した。該混合粉末100重量部に対して、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部をそれぞれ加え、ボールミルで24時間混合してスラリーとした。
【0038】
このスラリーをドクターブレード法により延ばして厚さ120μmのセラミックグリーンシートを作製し、寸法135mm角にカットし、セラミックグリーンシートを得た。なお該セラミックグリーンシートに含まれるセラミック絶縁材料粉末の焼結温度は850℃であった。
【0039】
他方、酸化ジルコニウム粉末100重量部に対して、ポリビニルブチラール15重量部、イソプロピルアルコール40重量部、およびトロール20重量部を加え、ボールミルで24時間混合してスラリーとした。
【0040】
このスラリーをドクターブレード法により延ばして厚さ120μmのセラミックスグリーンシートを作製し、寸法135mm角にカットし、無機材料グリーンシートを得た。なお該無機材料グリーンシートに含まれる無機材料粉末の焼結温度は1600℃であった。
【0041】
次に、前記セラミックグリーンシートを6枚積層して生の多層セラミック基板とし、該多層セラミック基板の上下面に、収縮抑制層として前記無機材料グリーンシートを2枚ずつ積層し、生の複合積層体を得、圧力20Mpa、温度60℃で加圧密着させた。
【0042】
さらに、前記生の複合積層体の一方主面にカッター刃を押し当て、収縮抑制層を貫通せず、生の多層セラミック基板に届かないように、深さ100μmの断面V字状の切り込み溝を、図3(a)に示すように、一方向のみに縞状に配列しながら、主面全域にわたって形成した。なお、隣り合う切り込み溝45a、45a間の間隔は20mmとした。
【0043】
そして、切り込み溝45aが設けられた生の複合積層体41を、切り込み溝45aが形成されている一方主面を、気孔率70%のアルミナ板よりなる焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、温度600℃で3時間加熱したのち温度900℃で1時間加熱し、複合積層体41における多層セラミック基板の部分のみを焼結させた。
【0044】
さらに、焼成後の複合積層体41の両主面をナイロン製のブラシで擦って、未焼結の収縮抑制層を除去し、焼結後の多層セラミック基板を取り出した。
【0045】
この多層セラミック基板には、基板割れ、デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大反り量を測定したところ、0.15%であった。
【0046】
〔実施例2〕
上記実施例1の切り込み溝の配列を図3(b)に示すように変化させ、その他は実施例1と同様に多層セラミック基板を作製した。すなわち、生の複合積層体51の一方主面に、収縮抑制層を貫通せず、生の多層セラミック基板に届かないように、深さ100μmの断面V字状の切り込み溝55a、55aを格子状に配列しながら、主面全域にわたって形成した。なお、隣り合う切り込み溝55a、55a間の間隔は20mmとした。
【0047】
この多層セラミック基板には、基板割れ、デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大反り量を測定したところ、0.13%であった。
【0048】
〔実施例3〕
上記実施例1において、切り込み溝を他方主面にも形成し、その他は実施例1と同様に多層セラミック基板を作製した。すなわち、図3(c)に示すように、生の複合積層体61の一方主面の切り込み溝65a(一方向に縞状に配列され、間隔は20mmである)に加えて、他方主面に、収縮抑制層を貫通せず、生の多層セラミック基板に届かないように、深さ100μmの断面V字状の切り込み溝65bを、一方向に縞状に配列しながら、主面全域にわたって形成した。なお、隣り合う切り込み溝65b、65b間の間隔は15mmとした。
【0049】
そして、切り込み溝65b、65bが多く形成されている他方主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、実施例1と同様に焼成した。
【0050】
この多層セラミック基板には、基板割れ、デラミネーションの発生はなく、単位長さあたりの最大反り量を測定したところ、0.10%であった。
【0051】
〔比較例1〕
上記実施例1において、生の複合積層体の主面に切り込み溝を形成せず、その他は実施例1と同様に多層セラミック基板を作製した。
【0052】
この多層セラミック基板には、基板割れ、デラミネーションが発生し、そのため、反り量の測定は不可能であった。
【0053】
上記実施例1〜3および比較例1から明らかなように、収縮抑制層に切り込み溝を形成することにより、焼成中の有機バインダー及び有機可塑剤の燃焼もしくは昇華が促進され、基板われの発生及びデラミネーションの発生がなく、また反り量の小さい多層セラミック基板を作製できた。
【0054】
また、前記切込み溝は、有機バインダー及び有機可塑剤の燃焼もしくは昇華を促進するのに溝数が多いほうが効果的であり、縞状よりも格子状が好ましく、隣り合う溝間隔も短い方が好ましい。さらに、一方主面だけでなく、両主面に形成されていることが好ましい。
【0055】
さらに、生の積層複合体の両主面に異なる数の切り込み溝が形成されている場合には、有機物の燃焼もしくは昇華を少しでも促進するため、切り込み溝が多く形されているほうの面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置することが好ましい。
【0056】
【発明の効果*】
本発明による多層セラミック基板の製造方法によれば、生の多層セラミック基板を収縮抑制層で挟んだ生の複合積層体の主面に、前記収縮抑制層を貫通せず、前記生の多層セラミック基板に届かないように切り込み溝を形成することにより、焼成時に、セラミックグリーンシートに含有された有機物の燃焼もしくは昇華が十分に行われ、基板割れ、デラミネーションの発生を防ぎ、また、反りの小さい多層セラミックス基板を作製できる。したがって、歩留が向上するとともに、大面積化をはかることが可能となり、生産効率を大幅に増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態を説明するためのものであり、多層セラミック基板を製造する途中の段階で得られる複合積層体を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態を説明するためのものであり、(a)は、一方の主面にのみ切り込み溝が形成された複合積層体を焼成用匣に配置した状態を示し、(b)は、両主面の切り込み溝の数が異なる複合積層体を焼成用匣に配置した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例の切り込み溝の配列を示しており、(a)は実施例1、(b)は実施例2、(c)は実施例3の複合積層体の平面図および底面図である。
【図4】従来例を説明するためのものであり、多層セラミック基板を製造する途中の段階で得られる複合積層体を示す断面図である。
【符号の説明】
11、21、31、41、51、61 複合積層体
12 セラミックグリーン層
13、23、33 多層セラミック基板
14a、14b、24a、24b、34a、34b 収縮抑制層
15a、15b、25b、35a、35b、
45a、55a、65a、65b 切り込み溝
26 焼成用匣

Claims (5)

  1. セラミック絶縁材料粉末を含む複数のセラミックグリーン層を積層して生の多層セラミック基板を作製する工程と、
    前記生の多層セラミック基板の上下両主面を、前記セラミック絶縁材料粉末の焼結温度では焼結しない無機材料粉末を含む収縮抑制層で積層方向に挟み、積層方向に圧着して、生の複合積層体を作製する工程と、
    前記生の複合積層体の少なくとも一方の主面に、前記収縮抑制層を貫通せず、前記生の多層セラミック基板に届かない深さで、切り込み溝を設ける工程と、
    前記切り込み溝が設けられた生の複合積層体を、前記セラミック絶縁材料粉末は焼結するが前記無機材料粉末は焼結しない条件下で焼成し、前記収縮抑制層に挟まれた焼結後の多層セラミック基板を得る工程と、
    前記焼結後の多層セラミック基板から、上下に配置された未焼結の前記収縮抑制層を除去する工程と、を備えることを特徴とする多層セラミック基板の製造方法。
  2. 前記生の複合積層体の一方の主面に切り込み溝を設け、該切り込み溝が設けられた一方の主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 前記生の複合積層体の両主面に互いに異なる数の切り込み溝を設け、該切り込み溝の数が多いほうの主面を焼成用匣の被焼成物載置面に当接するように配置して、前記生の複合積層体を焼成することを特徴とする請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記切り込み溝は、前記生の複合積層体の主面に、格子状に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 前記セラミックグリーン層は、ガラスまたは結晶化ガラスを含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
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