JP2003246159A - 平版印刷版用支持体とその製造方法、および平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用支持体とその製造方法、および平版印刷版

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前記直接製版システム用や直描型の平版
印刷版として好適に使用できる平版印刷版、前記平版印
刷版の基材になる平版印刷版用支持体、およびその製造
方法の提供。 【解決手段】 アルミニウム板を塩酸溶液中で電解粗面
化処理して少なくとも一方の面を粗面化してなる平版印
刷版用支持体であって、アルミニウム含有量が99重量
%以上であり、表面から2μm以内の深さに存在する金
属間化合物の密度は500〜35,000個/mm2
範囲であるアルミニウム板を、塩酸溶液に浸漬してから
5秒以内に電解粗面化処理を開始することにより粗面化
してなる平版印刷版用支持体およびその製造方法、前記
平版印刷版用支持体を基材とする平版印刷板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体とその製造方法、および平版印刷版に関し、特にレー
ザ露光適性および印刷性能に優れた平版印刷版、前記平
版印刷版の基材になる平版印刷版用支持体とその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版用支持体は、一般には、帯状
のアルミニウム板であるアルミニウムウェブの少なくと
も一方の面に、機械的粗面化、酸またはアルカリ溶液中
での化学的エッチング、酸性水溶液中でのデスマット処
理、電気化学的な粗面化である電解粗面化処理、酸性水
溶液中での陽極酸化処理、親水化処理、および封孔処理
などから選択される1つ以上の処理を施して砂目立てす
ることにより製造される。
【0003】とくに、前記電解粗面化処理は、均一なピ
ットを形成できることから、平版印刷版用アルミニウム
支持体の砂目立て方法として一般的に用いられてきた。
前記電解粗面化処理としては、とくに、塩酸または硝酸
水溶液中での電解粗面化処理が主に行なわれてきた。
【0004】平版印刷版は、前述の手順で製造された平
版印刷版用支持体の粗面化面に感光層などの製版層を形
成することにより製造される。
【0005】近年、コンピュータからのデジタル信号に
基き、平版印刷版にレーザ光で直接印刷画像を描き込ん
で露光する直接製版システムが急速に普及しつつある。
また、オフセット印刷機のオフセット胴に取りつけた平
版印刷版にレーザ光で印刷画像を直接焼き付ける直描型
平版印刷版も使用されるようになってきた。
【0006】レーザ光で露光するレーザ露光型の平版印
刷版としては、たとえば特公昭61−48418号公報
に記載の、5〜12g/m2の密度で陽極酸化被膜を形
成したアルミニウム支持体ウェブを基材とする平版印刷
版、特開昭63−260491号公報に記載の、銀ハロ
ゲン化物と前記銀ハロゲン化物を金属銀に還元する核と
を含有するゾルをアルミニウム支持体ウェブに塗布した
平版印刷版、米国特許第4555475号明細書に記載
の、表面に陽極酸化被膜を形成したアルミニウム支持体
ウェブの表面をシリケート処理して2〜8mg/mm2
の密度でアルミニウムシリケートを形成した平版印刷
版、およびヨーロッパ特許第164128号明細書に記
載の、表面に陽極酸化被膜を形成したアルミニウム支持
体ウェブの表面をシリケート処理し、その上からさらに
カーボンブラックを塗布した平版印刷版などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記直接製版システム
で使用される平版印刷版および直描型平版印刷版におい
ては、通常の平版印刷版に比較してさらに高度な保水
性、非画像部の親水性、耐刷性、版面の汚れ難さなどが
要求される。また、レーザ光で印刷画像を描き込んだと
きに製版層においてハレーションが起きないことも要求
される。
【0008】また、オフセット輪転印刷機のブランケッ
ト胴の表面に堆積したインキや紙粉などの堆積物による
平版印刷版のベタ部や銜え尻部における着肉不良を解決
することも求められる。
【0009】本発明は、保水性、非画像部の親水性、耐
刷性、版面の汚れ難さ、およびレーザ露光適性に優れ、
前記直接製版システム用の平版印刷版や直描型平版印刷
版として好適に使用できる平版印刷版、前記平版印刷版
の基材になる平版印刷版用支持体、およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、アルミニウム板を塩酸溶液中で電解粗面化処理して
少なくとも一方の面を粗面化してなる平版印刷版用支持
体であって、アルミニウム含有量が99重量%以上であ
り、表面から2μm以内の深さに存在する金属間化合物
の密度が500〜35,000個/mm2の範囲である
アルミニウム板を、塩酸溶液に浸漬してから5秒以内に
前記塩酸溶液中での電解粗面化処理を開始することによ
り粗面化してなることを特徴とする平版印刷版用支持体
に関する。
【0011】前記平版印刷版用支持体の粗面化面には、
前記塩酸溶液中での電解粗面化により、大きさが0.1
μm程度の小波が均一に形成される。したがって、前記
平版印刷版用支持体の粗面化面に製版層を形成した平版
印刷版は、レーザ露光適性および印刷性能に優れ、直描
型平版印刷版として好適に使用できる。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記アルミニウ
ム板が帯状に連続するアルミニウムウェブである平版印
刷版用支持体に関する。
【0013】前記平版印刷版用支持体は、連続的に製造
できるから、高い生産性で製造でき、しかもバラツキも
少ない。
【0014】請求項3に記載の発明は、前記電解粗面化
処理において、前記塩酸溶液の前記アルミニウム板に対
する流速が100〜4,000mm/secになるよう
に前記塩酸溶液を流通させてなる平版印刷版用支持体に
関する。
【0015】前記平版印刷版用支持体の粗面化面に製版
層を形成した平版印刷版は、感度、耐刷性、および機械
的強度の何れも優れている。
【0016】請求項4に記載の発明は、前記粗面化にお
いて、硝酸溶液中での電解粗面化処理およびそれに引き
続くアルカリエッチング処理を、塩酸溶液中での電解粗
面化処理に先立って施してなる平版印刷版用支持体に関
する。
【0017】前記平版印刷版用支持体においては、前記
硝酸溶液中での電解粗面化処理により、前記アルミニウ
ム板の粗面化面に、前記小波に重ねて山から山までの距
離が10〜20μmである中波が形成される。
【0018】したがって、前記平版印刷版用支持体に製
版層を形成した平版印刷版は、保水性と耐刷性との何れ
にも優れている。
【0019】さらに、硝酸溶液中での電解粗面化処理後
にアルカリエッチング処理することにより、前記電解粗
面化処理により表面に生じた水酸化アルミニウム層が効
果的に除去される。
【0020】請求項5に記載の発明は、前記アルカリエ
ッチング処理において、前記アルミニウム板を0.05
〜5g/m2のエッチング量でエッチングしてなる平版
印刷版用支持体に関する。
【0021】前記条件でアルカリエッチング処理を行な
うことにより、電解粗面化処理でアルミニウム板の表面
に生じた水酸化アルミニウムの薄層が効果的に除去され
るが、電解粗面化処理で形成された凹凸は残存するか
ら、得られる平版印刷版用支持体は、特に保水性に優れ
る。
【0022】請求項6に記載の発明は、塩酸溶液中で電
解粗面化処理した前記アルミニウム板をさらにアルカリ
エッチング処理してなる平版印刷版用支持体に関する。
【0023】前記平版印刷版用支持体においては、前記
塩酸溶液中での電解粗面化処理後にアルカリエッチング
処理を行っているから、前記塩酸溶液中での電解粗面化
処理により表面に生じた水酸化アルミニウム層が効果的
に除去される。したがって、前記平版印刷版用支持体に
製版層を形成した平版印刷版は、非画像部の保水性に優
れている。
【0024】請求項7に記載の発明は、電解粗面化処理
後のエッチング処理における前記アルミニウム板のエッ
チング量が0.05〜5g/m2である平版印刷版用支
持体に関する。
【0025】前記条件でアルカリエッチング処理を行な
うことにより、塩酸溶液中での電解粗面化処理によりア
ルミニウム板の表面に生じた水酸化アルミニウムの薄層
が効果的に除去されるが、表面に形成された小波は良好
に残存するから、得られる平版印刷版用支持体は、特に
保水性と耐汚れ性とに優れる。
【0026】請求項8に記載の発明は、前記硝酸溶液中
での電解粗面化処理における前記アルミニウム板が陽極
のときの電気量である陽極時電気量をQ1、前記塩酸溶
液中での電解粗面化処理における陽極時電気量をQ2
すると、Q1/Q2が1以上である平版印刷版用支持体に
関する。
【0027】前記平版印刷版用支持体の粗面化面には、
中波と小波とがバランス良く形成されているから、前記
平版印刷版用支持体の製版層を形成した平版印刷版は、
レーザ露光適性および印刷性能に優れる。
【0028】請求項9に記載の発明は、前記アルミニウ
ム板を粗面化後、陽極酸化処理を行い、前記粗面化によ
り形成された粗面化面に陽極酸化被膜を形成してなる平
版印刷版用支持体に関する。
【0029】前記平版印刷版用支持体は、表面に陽極酸
化被膜が形成されているから、前記平版印刷版用支持体
の粗面化面に製版層を形成した平版印刷版は、非画像部
の耐磨耗性に優れている。
【0030】請求項10に記載の発明は、請求項1〜9
に記載の平版印刷版用支持体における粗面化面に可視光
またはレーザ光で露光する製版層が形成されてなる平版
印刷版に関する。
【0031】前記平版印刷版は、感度、耐刷性能、およ
び機械的強度に優れ、直描型平版印刷版として好適に使
用できる。
【0032】請求項11に記載の発明は、前記製版層
が、レーザ光で露光するレーザ製版層である平版印刷版
に関する。
【0033】前記平版印刷版は、レーザ露光適性に特に
優れている。
【0034】請求項12に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、前記レーザ光を吸収して熱に変換する赤外線吸
収剤、熱によって酸を発生する酸発生化合物と前記酸と
の何れか(以下、「酸発生化合物」等という。)、およ
び酸によって架橋する酸架橋性化合物を含有してなる平
版印刷版に関する。
【0035】前記平版印刷版のレーザ製版層をレーザ光
で照射すると、前記赤外線吸収剤が前記レーザ光を吸収
して熱を発生する。そして、この熱によって前記酸発生
化合物が分解して酸が発生し、前記酸架橋性化合物を架
橋させる。
【0036】この平版印刷版を現像液で現像すると、前
記レーザ製版層のうち、レーザ光の当らなかった部分は
前記現像液に溶解し、レーザ光に当った部分のみが残る
から、前記平版印刷版は、レーザ光により、直接印刷画
像を描き込むことができる。
【0037】したがって、コンピュータ製版に好適に使
用できる。
【0038】さらに、前記レーザ製版層は可視光には感
じないから、前記平版印刷版は、露光装置への装着およ
び現像などを昼光下で行うことができ、取り扱いが極め
て容易である。
【0039】請求項13に記載の発明は、前記レーザ製
版層が前記赤外線吸収剤、前記酸発生化合物等、および
酸によって分解する酸分解性化合物を含有してなる平版
印刷版に関する。
【0040】前記平版印刷版のレーザ製版層をレーザ光
で照射すると、前記赤外線吸収剤からの熱によって前記
酸発生化合物が分解して酸が発生し、前記酸分解性化合
物を分解させる。
【0041】この平版印刷版を現像液で現像すると、前
記レーザ製版層のうち、レーザ光の当らなかった部分が
残存し、レーザ光に当った部分のみが溶解するから、ポ
ジ画像が得られる。
【0042】したがって、前記平版印刷版は、ポジ現像
特性が要求される用途に好適に使用できる。
【0043】また、前記レーザ製版層も、請求項12に
記載のレーザ製版層と同様、可視光には感じないから、
前記平版印刷版もまた、露光装置への装着および現像な
どを昼光下で行うことができ、取り扱いが極めて容易で
ある。
【0044】請求項14に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、レーザ光を照射するとラジカルを発生するラジ
カル発生化合物、アルカリ可溶性バインダ、およびラジ
カルにより重合するラジカル重合性化合物を含有してな
る平版印刷版に関する。
【0045】前記平版印刷版をレーザ光で照射すると、
前記ラジカル発生化合物が分解してラジカルが発生し、
このラジカルにより、前記ラジカル重合性化合物が重合
して現像液に溶解しなくなる。
【0046】前記平版印刷版もまた、請求項12に記載
の平版印刷版と同様、レーザ製版層をレーザ光で照射し
て現像液で現像するだけで印刷画像が形成できるから、
直描型平版印刷版として好適である。
【0047】請求項15に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、酸素遮断層により被覆されてなる平版印刷版に
関する。
【0048】前記レーザ製版層に含有されるラジカル重
合性化合物には、空気中の酸素と反応してラジカル重合
しなくなるものが多い。
【0049】しかし、前記レーザ製版層は、前記酸素遮
断層により空気中の酸素から遮断された状態にあるか
ら、長期間に亘ってラジカル重合性が維持される。
【0050】したがって、前記平版印刷版は、保存性に
優れる。
【0051】請求項16に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、レーザ光が照射されると現像液への溶解性が増
大または減少する感光層と、前記感光層に積層されてな
り、ハロゲン化銀を含有するハロゲン化銀含有層とを有
してなる平版印刷版に関する。
【0052】前記レーザ製版層に形成されたハロゲン化
銀含有層は、極めて感度が高く、しかも通常の銀塩写真
と同様に現像・定着できる。
【0053】したがって、極めて短時間でレーザ露光が
できるから、オフセット印刷機の印刷胴に装着した状態
でのレーザ露光が極めて容易に行え。直描型平版印刷版
として極めて好適である。
【0054】請求項17に記載の発明は、前記感光層
が、光重合性を有する多官能性モノマーを含有する光重
合性層である平版印刷版に関する。
【0055】前記平版印刷版におけるレーザ製版層は、
前記光重合性層の表面にハロゲン化銀含有層を積層した
構成を有しているから、レーザ光を照射することによ
り、ネガ画像を形成できる。
【0056】請求項18に記載の発明は、前記光重合性
層が、重合性官能基を複数有し、前記多官能性モノマー
と共重合する多官能性バインダを含有する平版印刷版に
関する。
【0057】前記平版印刷版においては、前記光重合性
層は、前記多官能性モノマーのほかに前記多官能性バイ
ンダを含有している。
【0058】したがって、前記光重合性層にレーザ光が
当ると、レーザ光が当った部分においては、前記多官能
性バインダが前記多官能性モノマーと共重合し、分子量
がさらに高くなる。
【0059】したがって、前記平版印刷版を露光した刷
版は、印刷画像部分の耐久性に特に優れているから、耐
刷性が高い。
【0060】請求項19に記載の発明は、前記感光層
が、ナフトキノンジアジド類を含有するNQD層である
平版印刷版である。
【0061】前記平版印刷版におけるレーザ製版層は、
NQD層と前記NQD層に積層されたハロゲン化銀含有
層とを有しているから、前記レーザ製版層にレーザ光で
印刷画像を描き込むと、前記ハロゲン化銀含有層におい
て前記印刷画像様に銀が析出する。
【0062】そこで、前記ハロゲン化銀含有層を現像・
定着し、さらにレーザ光を照射すると、前記NQD層に
おける銀の存在しない部分、即ち非画象部分にのみレー
ザ光が当たり、その部分のNQDが分解する。
【0063】したがって、前記平版印刷版は、感光層に
NQDを用いているにもかかわらず、レーザ露光によ
り、ネガ画像を形成できる。
【0064】また、ハロゲン化銀含有層を有している故
に、レーザ光に対する感度が極めて高く、短時間でレー
ザ露光を行うことができるから、直描型平版印刷版とし
て好適である。
【0065】請求項20に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、物理現像核を含有する現像核層と、前記現像核
層に積層されてなり、前記ハロゲン化銀を含有するハロ
ゲン化銀含有層とを備えてなる平版印刷版に関する。
【0066】前記平版印刷版は、感度が極めて高いの
で、直描型平版印刷版として好適である。
【0067】請求項21に記載の発明は、前記レーザ製
版層が、レーザ光を照射することにより除去される親油
性層であるレーザ除去性親油層を有してなる平版印刷版
に関する。
【0068】前記平版印刷版の備える製版層は、可視光
には感光しないから、露光装置への装着などを昼光下で
行うことができ、取り扱いが極めて容易である。さら
に、露光後、現像が不要であるという特徴もある。
【0069】請求項22に記載の発明は、前記レーザ除
去性親油層が銀薄膜である平版印刷版に関する。
【0070】銀は、親油性なので、平版印刷版様支持体
の表面に積層された銀薄幕は、インキ受容面として機能
する。
【0071】請求項23に記載の発明は、前記製版層
が、熱または光により分解して酸を発生する酸発生化合
物と、前記酸発生化合物が分解して発生した酸と反応し
てスルホン酸を放出して疎水化するスルホン酸放出性高
分子とを含有してなる平版印刷版に関する。
【0072】前記平版印刷版は、製版層における光の当
った部分において、スルホン酸放出性高分子がスルホン
酸を放出して疎水化するから、露光後、水で現像する
か、または何らの現像も行うことなく、オフセット印刷
に使用することができるという特長を有する。このよう
に、前記製版層は、現像液による現像が不要であるか
ら、ダイレクト型製版層ということができる。
【0073】請求項24に記載の発明は、アルミニウム
含有量が99重量%以上であるアルミニウム板の少なく
とも一方の面を粗面化してなり、表面から2μm以内に
存在する金属間化合物の密度が500〜35,000個
/m2の範囲である平版印刷版用支持体を製造する平版
印刷版用支持体の製造方法であって、前記粗面化におい
ては、前記アルミニウム板を塩酸溶液中で電解粗面化処
理するともに、前記電解粗面化処理においては、前記ア
ルミニウム板が前記塩酸溶液に浸漬されてから5秒以内
に前記電解粗面化を開始することを特徴とする平版印刷
版用支持体の製造方法に関する。
【0074】前記平版印刷版用支持体の製造方法によれ
ば、粗面化面に小波が均一に形成された前記平版印刷版
用支持体が得られる。前記平版印刷版用支持体の粗面化
面に製版層を形成した平版印刷版は、レーザ露光適性お
よび印刷性能に優れ、直描型平版印刷版として好適に使
用できる。
【0075】
【発明の実施の形態】1.アルミニウム板 本発明に使用されるアルミニウム板は、アルミニウム含
有量が99重量%以上であり、具体的には、純アルミニ
ウム板およびアルミニウム含有量が前記範囲にあるアル
ミニウム合金板が挙げられる。
【0076】アルミニウム板のアルミニウム含有量が前
記範囲内にあれば、感度、耐刷性、および機械的強度の
何れにも優れた平版印刷版が得られる。
【0077】前記アルミニウム板に含まれる微量元素と
しては、たとえば珪素、鉄、ニッケル、マンガン、銅、
マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、チタン、およ
びバナジウムなどがある。
【0078】前記純アルミニウムおよびアルミニウム合
金としては、通常は、アルミニウムハンドブック第4版
(1990、軽金属協会)に記載の、例えばJIS A
1050材、JIS A 3103材、JIS A
3005材、JIS A 1100材、およびJIS
A 3004材などが挙げられる。
【0079】前記アルミニウム板の表面から2μm以内
における金属間化合物の密度は、500〜35,000
個/m2の範囲である。
【0080】金属間化合物の密度が500個/m2以上
であれば、機械的強度に優れた平版印刷版が得られる。
一方、金属間化合物の密度が35,000個/m2以下
であれば、感度および耐刷性に優れた平版印刷版が得ら
れる。
【0081】前記金属間化合物としては、例えばAl3
Feなどの2元系金属間化合物、AlFeSiなどの3
元系金属間化合物、およびAlFeXSi(Xは、M
n、Cu、Mg、Ti、Cr、およびZnのいずれか1
つ)などの4元系金属間化合物などが挙げられる。
【0082】前記2元系金属間化合物の例としては、A
3Feのほか、Al6Fe、Mg2Si、Ni3Al、M
nAl、TiAl3、およびCuAl2などが挙げられ
る。前記3元系金属間化合物の例としては、α−AlF
eSiおよびβ−AlFeSiがある。4元系金属間化
合物としては、α−AlFeMnSiおよびβ−AlF
eMnSiなどがある。
【0083】前記金属間化合物の種類、粒径 および密
度は、たとえば、Si、Fe、Mn、Cu、Mg、T
i、Cr、およびZnの各元素の添加量を制御したり、
粗面化条件を変更したりすることにより制御できる。た
とえば、後述するデスマット処理において、処理温度や
酸性溶液中の酸濃度を低くすれば、前記金属間化合物が
除去される度合いが少なくなり、反対に、処理温度や酸
性溶液中の酸濃度を高くすれば、前記金属間化合物がよ
り多く除去される。また、前記金属間化合物の密度を低
下させたい場合には、前記デスマット処理において酸性
溶液として塩酸溶液を使用することができる。
【0084】金属間化合物の種類および密度は、粗面化
されたアルミニウム板の表面をSEM(走査型電子顕微
鏡)で観察し、たとえば、前記アルミニウム板の表面に
おける5ヶ所(n=5)について、60μm×50μm
の範囲で金属間化合物の粒子の個数を数えて1mm2
りの個数に換算することにより求めることができる。
【0085】また、EPMA(電子プローブマイクロア
ナライザ)を用いて前記平版印刷版用支持体の表面を1
70μm×170μmの範囲で面分析して金属間化合物
の種類を特定するとともにその数を数えて1mm2当り
の個数に換算することにより求めてもよい。
【0086】前記アルミニウム板の形態は、帯状に連続
するアルミニウムウェブが一般的であるが、少量多品種
生産を行う場合には、予め所定の寸法に裁断されたシー
ト状のアルミニウム板も使用できる。
【0087】前記アルミニウム板の厚みは、一般的には
0.1〜1mmの範囲であるが、前記範囲外の厚みを有
するアルミニウム板も使用できる。
【0088】2.粗面化工程 2−1 電解粗面化処理 本発明の平版印刷版用支持体の製造においては、前記ア
ルミニウム板を塩酸中で電解粗面化する。
【0089】前記電解粗面化処理においては、前記アル
ミニウム板を塩酸溶液に浸漬してから5秒以内に電流の
印加を開始する。したがって、前記アルミニウム板を前
記塩酸溶液に浸漬して直ちに電解粗面化を開始してもよ
い。前記アルミニウム板を塩酸溶液に浸漬してから電解
粗面化処理を開始するまでの時間が5秒以内であれば、
前記塩酸溶液中で前記アルミニウム板の表面が過剰に腐
食することがないから、表面の金属間化合物が脱落して
不規則な凹凸が形成されることが防止できる。
【0090】前記アルミニウム板としてアルミニウムウ
ェブを用い、前記アルミニウムウェブを連続的に搬送し
つつ電解粗面化する場合には、後述する電解槽に貯留さ
れた塩酸溶液の液面から前記電解槽の備える主極までの
前記アルミニウムウェブの搬送方向に沿った距離を、前
記アルミニウムウェブが5秒以内に搬送されるように設
定することにより、塩酸溶液に浸漬されてから電解粗面
化処理を開始するまでの時間を5秒以内に設定できる。
【0091】前記塩酸水溶液としては、塩酸濃度が1〜
100g/リットルの塩酸水溶液に、塩化アルミニウ
ム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸塩、お
よび硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニ
ウム等の硝酸塩から選択された1種以上の塩を、1g/
リットル〜飽和濃度の範囲で添加したものを挙げること
ができる。前記塩酸水溶液には、また、銅と錯体を形成
する化合物を1〜200g/リットルの濃度になるよう
に添加することもできる。前記塩酸水溶液中には、鉄、
銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、珪素
等の前記アルミニウム板を形成するアルミニウム合金中
に含まれる微量元素が溶解していてもよい。加えて、次
亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/リットルの濃度
で含有していてもよい。
【0092】前記塩酸水溶液としては、塩酸を2〜15
g/リットル含有する希塩酸に塩化アルミニウムなどの
アルミニウム塩を添加してアルミニウムイオンの濃度を
2〜7g/リットルに調整した溶液が特に好ましい。
【0093】前記塩酸水溶液の液温は、20〜50℃が
好ましい。
【0094】前記電解粗面化処理においては、交流およ
び直流の何れを印加してもよいが、交流を印加すること
が好ましい。前記交流は、前記アルミニウム板が陽極の
ときの電気量である陽極時電気量Q2が20〜500C
/dm2になるように印加することが好ましく、特に、
前記陽極時電気量Q2が25〜75C/dm2になるよう
に印加することが好ましい。
【0095】前記交流としては、サイン波電流、矩形波
電流、台形波電流、および三角波電流など、各種の波形
を有する交流電流を用いることができるが、矩形波電流
および台形波電流が好ましく、台形波電流が特に好まし
い。
【0096】前記交流の周波数は、0.1〜500Hz
が好ましく、40〜150Hzが特に好ましい。
【0097】台形波を印加する場合には、電流が0から
ピークに達するまでの立上り時間t p(tpaまたは
pc)は0.1〜10msecの範囲が好ましく、0.
5〜2msecの範囲がとくに好ましい。立上り時間t
pが0.1以上であれば、電源回路のインピーダンスの
影響が小さいので、電流波形の立ち上がり時に大きな電
源電圧が不要であるから、電源回路が安価に構成でき
る。また、立上り時間tpが10msec以下であれ
ば、塩酸水溶液中の微量成分の影響を受け難いから、均
一な粗面化がおこなわれる。
【0098】前記交流において、アルミニウム板のアノ
ード反応時間taが交流の周期Tに占める割合ta/T
は、0.33〜0.66が好ましく、0.45〜0.5
5が更に好ましく、0.5が特に好ましい。
【0099】主極に対向するアルミニウム板に加わる電
気量は、アルミニウム板がカソード反応時の電気量Qc
とアノード反応時の電気量Qaの比Qc/Qaが0.9〜
1の範囲にあることが好ましい。前記電気量比Qc/Qa
は、電源電圧を制御することにより制御できる。また、
前記交流をサイリスタで整流した直流を印加する補助電
極を有する電解槽を使用して電解粗面化処理を行う場合
には、前記サイリスタの点弧角を制御することにより、
前記電気量比Qc/Qaを制御できる。
【0100】電流密度は交流のピーク値で電流のアノー
ドサイクル側Ia、カソードサイクル側Icともに10〜
200A/dm2の範囲が好ましく、15〜35A/d
2の範囲が特に好ましい。
【0101】電解槽としては、縦型、フラット型、ラジ
アル型などの公知の電解槽が使用できる。電解槽は、1
槽のみ使用してもよく、2槽以上を直列に使用してもよ
いが、1槽でおこなうことがとくに好ましい。
【0102】前記電解槽の内部には、前記アルミニウム
板に交流または直流を印加する主電極が設けられる。
【0103】前記電解槽においては、内部を搬送される
アルミニウム板と前記主電極との距離が5〜100m
m、好ましくは8〜15mmになるように前記アルミニ
ウム板の走路および主電極を配置することが望ましい。
前記主電極はカーボンで形成することが好ましい。
【0104】前記電解槽内を搬送されるアルミニウム板
と前記電解槽の内部を流通する塩酸溶液との平均相対流
速は、100〜4000mm/secの範囲が好まし
く、15〜300mm/secの範囲が特に好ましい。
前記平均相対流速が前記範囲内である限り、前記硝酸水
溶液または塩酸水溶液の流通方向は、前記アルミニウム
板の搬送方向と同方向および逆方向の何れの方向であっ
てもよい。
【0105】また、前記アルミニウム板の走路と前記主
電極との距離、および前記硝酸水溶液および塩酸水溶液
の流速は一定に保持されていることが、均一な電解粗面
化を行う上で望ましい。
【0106】フラット型および縦型の電解槽において
は、特公昭61−30036号公報に記載されているよ
うに、走行するアルミニウム板が摺動できるように形成
された面を内部に設け、静圧を利用して前記アルミニウ
ム板を圧接させつつ走行させることにより、前記距離を
一定に保つことができる。
【0107】一方、ラジアル型の電解槽においては、特
開平8−300843号公報に記載されているように、
内部に、前記アルミニウム板を搬送する直径の大きなロ
ーラを設け、前記ローラを取り囲むように、複数の主電
極を円周上に配設し、前記主電極とアルミニウム板の距
離を一定に保つことができる。
【0108】また、前記硝酸水溶液および塩酸水溶液の
流速を一定にするには、電解槽の内部に液溜り室を設
け、内部を走行するアルミニウム板の巾方向に沿って幅
1〜5mmの液吹き出し用のスリットを設けた給液ノズル
を用いて前記硝酸水溶液および塩酸水溶液を供給すれば
よい。また、複数の液溜り室を設け、それぞれの液溜り
室を、バルブと流量計とを備える管路で接続し、前記給
液ノズルのそれぞれのスリットから吹き出す液量を調整
してもよい。
【0109】前記電解槽内部を走行するアルミニウム板
への給電方式としては、たとえばコンダクタローラを用
いる直接給電方式と、前記コンダクタローラを用いない
液給電方式、換言すれば間接給電方式とがある。
【0110】前記電解槽において、間接給電方式を用い
る場合は、変圧器および可変式誘導電圧調整器などを用
いて電流値を制御できる。
【0111】また、前述のように、前記電解槽の内部に
前記主電極のほかに、直流を印加する補助電極を設け、
前記補助電極に流れる直流電流の強さを制御することに
より、前記電気量比Qa/Qcを制御することができる。
前記補助電極は、フェライト等により形成できる。
【0112】補助電極に流れる電流を制御する方法とし
ては、特公平6−37716号公報および特公平5−4
2520号公報に記載されているように、サイリスタお
よびGTOなどの制御整流器による位相制御、およびダ
イオードと可変抵抗器とによる制御などが挙げられる。
前記方法により、前記補助電極に流れる電流を制御すれ
ば、変圧器の偏磁の影響を小さくすることができ、ま
た、電源装置を安価に製作できるから、コスト的に非常
に有利である。
【0113】ラジアル型の電解槽の一例を図1に示す。
図1に示すように、電解槽40は、上部にアルミニウム
ウェブ11を導入・導出する開口部42を有し、内部に
は、開口部42から導入されたアルミニウムウェブ11
を矢印aの方向に搬送する送ドラム12を収容してい
る。
【0114】電解槽40の内壁面には、搬送ドラム12
を取り囲むように1対の主極13aおよび13bが配設
されている。主極13aは、電解槽40に貯留された塩
酸溶液の液面から主極13aの上端までのアルミニウム
ウェブ11の搬送方向に沿った距離dを、前記アルミニ
ウムウェブ11が5秒以内に通過するように配設されて
いる。主極13aおよび13bは、何れも交流電源20
に接続されている。
【0115】主極13aの上方に隣接して電解槽40に
塩酸溶液を供給する電解液供ノズル14が設けられ、電
解槽40の底部における主極13aと13bとの間に同
じく塩酸溶液を供給する電解液供給ノズル15が設けら
れている。電解液供ノズル14および電解液供給ノズル
15から供給された塩酸溶液は、開口部42における下
流側に設けられた堰44から電解槽40の下流側に溢流
する。
【0116】電解槽40の下流側に隣接して、アルミニ
ウムウェブ11に直流電圧を印加する補助電解槽16が
設けられている。
【0117】電解槽40を通過したアルミニウムウェブ
11は、補助電解槽16の底面に沿って搬送される。
【0118】補助電解槽16の底面には、アルミニウム
11の搬送経路である搬送面の幅方向に沿って延在する
棒状の補助電極22が設けられている。補助電極22
は、交流電源20に接続された1対のサイリスタTh1
およびTh2に接続され、サイリスタTh1およびTh
2によって位相制御された直流が印加される。
【0119】直接給電方式を用いる場合は、コンダクタ
ローラとしては、特開昭58−177441号公報に記
載されているように、工業用アルミニウムを用いて鋳造
し、高温均質化処理を施して表面部分のAl−Fe系昌
出物をAl3Feの単一相に変化させて耐食性を向上さ
せたコンダクタローラを用いることができる。また、特
開昭56−123400公報に記載されているように、
フラット型または縦型の電解槽におけるアルミニウム板
の導入部、または前記導入部と前記アルミニウム板の導
出部との両方に前記コンダクタローラを配設した電解槽
も使用できる。
【0120】前記電解槽においては、コンダクタローラ
は、アルミニウム板の上面または下面に接触するように
設けることが可能であるが、アルミニウム板の上面に接
触するように設け、ニップ装置でアルミニウム板に押し
つけるようにするのが特に好ましい。アルミニウム板が
コンダクタローラに接する長さは、アルミ進行方向に対
して1mm〜300mmが好ましい。アルミニウム板を
挟んでコンダクタローラに対向するパスローラはゴム製
の胴を有するゴムローラが好ましい。前記コンダクタロ
ーラの押しつけ圧、およびゴムローラの胴の硬度は、前
記コンダクタローラと前記アルミニウム板との接する箇
所においてアークスポットが発生しない条件で任意に設
定できる。コンダクタローラがアルミニウム板の上面に
接触するように設置することで、コンダクタローラの交
換作業・点検作業が簡単になる。コンダクタローラの端
部には給電ブラシを回転体に摺動させながら通電する方
式を用いるのが好ましい。
【0121】前記コンダクターローラは、アークスポッ
トの発生を防止するために、前記塩酸水溶液により常に
冷却することが好ましい。
【0122】2−2 その他の粗面化処理 本発明の平版印刷版用支持体の製造においては、前記塩
酸溶液中での電解粗面化処理に先立ち、硝酸溶液中での
電解粗面化処理およびそれに引き続くアルカリエッチン
グ処理を前記アルミニウム板に施すことができる。ま
た、前記塩酸溶液中での電解粗面化処理に引き続いて再
度アルカリエッチング処理を行っても良い。
【0123】さらに、前記塩酸溶液中での電解粗面化処
理に先立つアルカリエッチング処理と前記塩酸溶液中で
の電解粗面化処理との間、および前記塩酸溶液中での電
解粗面化処理に引き続くアルカリエッチング処理の後
に、前記アルミニウム板を酸性溶液で処理するデスマッ
ト処理を行っても良い。
【0124】加えて、機械的粗面化処理、アルカリエッ
チング処理、およびデスマット処理を行ってから前記硝
酸溶液中での電解粗面化処理を行なっても良い。
【0125】したがって、本発明の平版印刷版用支持体
は、たとえば以下の手順で前記アルミニウム板を粗面化
することにより製造できる。
【0126】(手順1) 機械的粗面化処理 アルカリエッチング処理(1) デスマット処理(1) 硝酸溶液中での電解粗面化処理 アルカリエッチング処理(2) デスマット処理(2) 塩酸溶液中での電解粗面化処理 アルカリエッチング処理(3) デスマット処理(3)。
【0127】(手順2) アルカリエッチング処理(1) デスマット処理(1) 硝酸溶液中での電解粗面化処理 アルカリエッチング処理(2) デスマット処理(2) 塩酸溶液中での電解粗面化処理 アルカリエッチング処理(3) デスマット処理(3)。
【0128】以下、前記手順1および手順2における各
段階の処理について説明する。
【0129】(1)機械的粗面化処理 前記機械的粗面化処理においては、前記アルミニウム板
の少なくとも一方の面に、ローラ状ブラシで擦って粗面
化するブラシグレイニングを施すことができる。
【0130】前記機械的粗面化処理は、処理後の粗面化
面の中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜0.6μmの範
囲になるように行うことが好ましい。
【0131】前記機械的粗面化処理によって前記アルミ
ニウム板の表面に、山と山との間隔が10〜30μm程
度の大波が形成される。
【0132】以下、ブラシグレイニングについて説明す
る。
【0133】前記ブラシグレイニングを行なうに先立
ち、必要に応じて、前記アルミニウム板の表面に付着し
た圧延油を除去するための脱脂処理を行うことができ
る。前記脱脂処理としては、例えば界面活性剤による処
理、有機溶剤による処理、およびアルカリ水溶液による
処理などを行うことができる。但し、圧延油の付着が少
い場合は、前記脱脂処理を省略することができる。
【0134】引き続いて、研磨材スラリーを前記アルミ
ニウム板表面に供給しながら、1種類、または毛径が異
なる2種類以上のローラ状ブラシを用いてブラシグレイ
ニングを行う。
【0135】前記ブラシグレイニングは、特開平6−1
35175、特公昭50−40047に詳しく記載され
ているように、粗面化しようとするアルミニウム板を挟
んで上方にローラ状ブラシを配置して下方に支持ローラ
を配置し、前記アルミニウム板を一定速度で搬送しつ
つ、前記ローラ状ブラシと前記アルミニウム板との間に
研磨材スラリーを供給しながら前記ローラ状ブラシを回
転させることにより、行うことができる。
【0136】前記支持ローラは、前記ローラ状ブラシ1
本につき、2本づつ配置することができる。前記ローラ
状ブラシの下方に位置する1対の支持ローラは、外面の
最短距離がローラ状ブラシの外径より小さくなるように
配置することが好ましい。
【0137】前記ブラシグレイニング時においては、前
記アルミニウム板を、前記ローラ状ブラシにより、前記
2本の支持ローラの間に押し入れるように加圧すること
が好ましい。
【0138】本発明に用いられるローラ状ブラシは、ナ
イロン、ポリプロピレン、動物毛、あるいはスチールワ
イヤなどから形成したブラシ毛を均一な毛長及び植毛分
布で円筒状の胴の側面全体に植設したもの、前記胴の表
面全体に多数の小穴を開け、前記ブラシ毛の束であるブ
ラシ毛束を前記小穴のそれぞれに植設したもの、および
チャンネルローラ型のものなどが好ましく用いられる。
【0139】前記ブラシ毛の材質としてはナイロンが最
も好ましい。前記ブラシ毛の植毛後の毛長は、10〜2
00mmが好ましく、特に25−100mmが好まし
い。なおローラ状ブラシに植え込む際の植毛密度は1c
2当り30〜1000本が好ましく、さらに好ましく
は50〜300本である。
【0140】前記ブラシ毛の好ましい毛径は、好ましく
は0.2mm〜0.83mmであり、特に好ましくは
0.25mm〜0.8mmである。ブラシ毛の断面形状
は円が好ましい。毛径が0.2mm以上であれば、得ら
れる平版印刷版のシャドウ部での汚れ性能が良好であ
り、0.83mm以下であれば、ブランケット汚れの生
じ難い平版印刷版が得られる。
【0141】前記ブラシ毛の材質は、ナイロンが好まし
く、特にナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・1
0などが好ましいが、引っ張り強さ、耐摩耗性、吸水に
よる寸法安定性、曲げ強さ、耐熱性、回復性などに優れ
ている点から、ナイロン6・10が最も好ましい。
【0142】ローラ状ブラシの本数は、好ましくは1本
以上10本以下であり、更に好ましくは1本以上6本以
下であり、最も好ましくは3本または4本である。特開
平6−135175号公報に記載されているように、ブ
ラシ毛の毛径が異なる2以上のローラ状ブラシを組み合
わせてもよい。
【0143】ローラ状ブラシの回転数は、100〜50
0rpmの範囲が好ましい。ローラ状ブラシは、アルミ
ニウム板の搬送方向と同じ方向に回転(順転)させるこ
とが好ましいが、ローラ状ブラシが多数本の場合には、
一部のローラ状ブラシを、アルミニウム板の搬送方向と
は反対の方向に回転(逆転)させてもよい。前記ローラ
状ブラシを3本用いるときは、アルミニウム板の搬送方
向に対して最も上流側に位置するローラ状ブラシを順転
させ、中央のローラ上ブラシを逆転させ、アルミニウム
板の搬送方向に対して最も下流側に位置するローラ状ブ
ラシを順転させることが特に好ましい。ローラ状ブラシ
を4本用いるときには、前記4本のローラ状ブラシの回
転方向は、アルミニウム板の搬送方向に対して上流側
(以下、単に「上流側」という。)からアルミニウム板
の搬送方向に対して下流側(以下、単に「下流側」とい
う。)に向かって、順転、逆転、順転、順転が好まし
い。
【0144】また、前記ローラ状ブラシを、アルミニウ
ム板の搬送方向に対して直角の方向に沿って0.000
1−1Hzの周期および10〜200mmの振幅でオシ
レートさせることにより、処理ムラのない表面を有する
平版印刷版用アルミニウム支持体が得られる。
【0145】ローラ状ブラシの押し込み量は、前記モー
タの消費電力が、1.0〜15kw、更に好ましくは2
〜10kwになるように、前記ローラ状ブラシを回転さ
せるモーターの負荷に基いて管理することが好ましい。
【0146】前記ブラシグレイニングにおいて、太いブ
ラシ毛を植毛したローラ状ブラシで粗面化した後、細い
ブラシ毛を植毛したローラ状ブラシで処理することによ
り、親水性、保水性及び密着性のすべてを兼ね備えた平
版印刷版が得られるから好ましい。前記平版印刷版は、
湿し水が少ない場合のシャドー部のつぶれがないため、
水幅が広く、地汚れが発生しにくく、さらに感光層との
密着劣化がないという特長を有する。
【0147】本発明に用いられる研磨材スラリーとして
は、珪砂、水酸化アルミニウム、アルミナ粉、火山灰、
パミスストーン粉末、カーボランダム、金剛砂等の研磨
材を、比重1.05〜1.3となるような範囲で水に分
散させたものが好ましい。前記研磨材のの平均粒子径
は、一般的には1〜50μmであり、好ましくは5−4
5μmであり、更に好ましくは15−45μmの範囲で
ある。前記平均粒子径は、スラリー液中に含まれる全研
磨材の体積に対し、各径の粒子の占める割合の累積度数
をとったとき、前記累積割合が50%となる粒子径とし
て求められる。
【0148】前記ブラシグレイニングにおいては、前記
範囲の中心線平均粗さ(Ra)が得られるように、ロー
ラ状ブラシの押し込み量、回転数、回転方向の組み合わ
せ、ローラ状ブラシの本数、それぞれのローラ状ブラシ
の直径、ブラシ毛の密度、アルミニウム板に加える張
力、前記研磨材スラリーに配合する研磨材の種類、平均
粒子径、粒度分布、および前記研磨材スラリーをアルミ
ニウム板に吹きつける流量・方向・角度などを選択する
ことが好ましい。
【0149】前記機械的粗面化処理においては、前記ブ
ラシグレイニングのほか、側面に研磨面を設けた研磨ロ
ーラで擦って粗面化するローラ研磨、研磨材スラリーを
吹き付ける方式、ワイヤーブラシによる粗面化、凹凸を
付けた圧延ローラの表面形状をアルミニウム板に転写す
る方式などを用いても良い。
【0150】(2)アルカリエッチング処理 前記機械的粗面化処理に引き続いてアルカリエッチング
処理をおこなうことにより、前記アルミニウム板の表面
に食い込んだ研磨材やアルミニウム屑などが除去され、
その後に施される電解粗面化処理を、より均一に、しか
も効果的に行うことができる。また、硝酸溶液中または
塩酸溶液中での電解粗面化処理で前記アルミニウム板の
表面に生じた水酸化アルミニウムの被膜を除去できる。
【0151】前記アルカリエッチング処理は、前記アル
ミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより行な
うことができる。
【0152】アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させ
る方法としては、例えば前記アルカリ溶液を収容する槽
中を連続的に通過させる方法、前記アルカリ溶液を収容
する槽中に浸漬する方法、および前記アルカリ溶液を前
記アルミニウム板の表面に噴霧する方法などがある。
【0153】前記アルカリエッチング処理におけるアル
ミニウム板の溶解量、換言すればエッチング量は、前記
機械的粗面化処理に引き続いて行なうアルカリエッチン
グ処理(1)においては2〜15g/m2の範囲が好ま
しく、特に3〜10g/m2の範囲が好ましい。そし
て、硝酸溶液中の電解粗面化処理に引き続いて行なうア
ルカリエッチング処理(2)、および塩酸溶液中の電解
粗面化処理に引き続いて行なうアルカリエッチング処理
(3)においては、エッチング量は、0.05g/2
以上が好ましい。なお、アルカリエッチング処理(2)
0.05〜4g/m2の範囲がさらに好ましく、特に
0.2〜3.5g/m2の範囲が好ましい。そして、ア
ルカリエッチング処理(3)においては、エッチング量
は、特に0.1〜0.3g/m2の範囲が好ましい。
【0154】前記アルカリ溶液としては、苛性アルカリ
およびアルカリ金属塩の溶液等が挙げられる。
【0155】苛性アルカリとしては、水酸化ナトリウム
および水酸化カリウム等が挙げられる。
【0156】前記アルカリ金属塩としては、メタ珪酸ナ
トリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、および
珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、炭酸ナトリウム
および炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、アルミン
酸ナトリウムおよびアルミン酸カリウム等のアルカリ金
属アルミン酸塩、グルコン酸ナトリウムおよびグルコン
酸カリウム等のアルカリ金属アルドン酸塩、並びに第二
燐酸ナトリウム、第二燐酸カリウム、第三燐酸ナトリウ
ム、および第三燐酸カリウム等のアルカリ金属燐酸水素
塩等が挙げられる。前記アルカリ溶液としては、エッチ
ング速度が速い点および安価である点から、苛性アルカ
リの溶液、および前記苛性アルカリとアルカリ金属アル
ミン酸塩との溶液が特に好ましい。
【0157】前記アルカリ溶液としては、アルミニウム
イオンを所定量含有する水酸化ナトリウム溶液が特に好
ましい。
【0158】前記水酸化ナトリウム溶液中の水酸化ナト
リウムの濃度は、前記アルカリエッチング処理(1)〜
(3)の何れにおいてもは20〜30重量%の範囲が好
ましい。
【0159】前記アルカリ溶液の液温は、前記アルカリ
エッチング処理(1)〜(3)の何れにおいては40〜
80℃の範囲が好ましい。
【0160】前記アルカリエッチング処理は、アルミニ
ウム板のエッチング処理に通常に使用されるエッチング
装置を用いて行うことができる。前記エッチング装置と
しては、アルカリ溶液を貯留する槽を有し、前記槽中に
前記アルミニウム板を浸漬する形態のもの、およびスプ
レーノズルを有し、前記スプレーノズルから前記アルミ
ニウム板に向って前記アルカリ溶液を吹き付ける形態の
ものが挙げられる。前記エッチング装置は、バッチ式で
あっても連続式であってもよい。
【0161】前記アルカリエッチング処理が終了した後
には、処理液を次工程に持ち込まないためにニップロー
ラーによる液切りとスプレーによる水洗を行うことが好
ましい。
【0162】(3)デスマット処理 前記アルカリエッチング処理(1)、(2)、および
(3)においては、前記アルミニウム板をアルカリ溶液
で処理するので、表面にスマットが生成する。
【0163】そこで、前記アルカリエッチング処理
(1)、(2)、および(3)が終了する毎に、前記ア
ルミニウム板を酸性溶液に接触させてデスマット処理
し、表面のスマットを除去する。
【0164】前記デスマット処理は、前記アルミニウム
板を酸性溶液中に浸漬するか、酸性溶液中を通過させる
かして行なうことができ、また、前記酸性溶液を、スプ
レーノズルを用いて吹付けるスプレー処理により行うこ
とができる。
【0165】前記デスマット処理としては、前記スプレ
ー処理が好ましい。
【0166】酸性溶液としては、主要な酸成分として、
硝酸、硫酸、塩酸、およびクロム酸から選択される1種
または2種以上の酸を含有する溶液が挙げられる。前記
酸性溶液における前記酸性分の濃度は0.5〜60重量
%が好ましい。前記酸性溶液中には、アルミニウムイオ
ン、および前記微量元素のうち前記アルミニウム板を形
成するアルミニウム合金中に含まれるもののイオンが0
〜5重量%溶解していても良い。具体的には、前記アル
カリエッチング処理(1)の後に行なうデスマット処理
であるデスマット処理(1)においては、前記酸性溶液
としては、硝酸を0.5〜1.5重量%含有する硝酸水
溶液が好ましく、前記アルカリエッチング処理(2)の
後に行なうデスマット処理であるデスマット処理(2)
においては、前記酸性溶液としては、硫酸を8〜35重
量%含有する硫酸溶液が好ましい。
【0167】そして、前記アルカリエッチング処理
(3)の後に行なうデスマット処理であるデスマット処
理(3)においては、前記酸性溶液としては、硝酸を
0.5〜1.5重量%含有する硝酸水溶液が好ましい。
【0168】また、前記デスマット処理(1)および
(2)においては、前記酸性溶液として、引き続いて行
う電解粗面化処理または後述する陽極酸化処理で排出さ
れる廃液を使用すれば、前記電解粗面化処理(1)およ
び前記陽極酸化処理において排出される廃液の量を削減
できるから好ましい。また、前記デスマット処理(3)
においては、前記酸性溶液として、前記陽極酸化処理で
排出される廃液を使用すれば、廃液の量を大幅に削減で
きるだけでなく、前記デスマット処理(3)後に前記ア
ルミニウム板を洗浄することなく、直ちに前記陽極酸化
処理に移行できるから、デスマット処理装置と陽極酸化
処理装置との間の洗浄設備を省略できる点でも好まし
い。
【0169】前記酸性溶液の液温は、前記デスマット処
理(1)、(2)、および(3)の何れにおいても、常
温〜95℃の範囲が好ましく、特に、25〜80℃の範
囲が好ましい。
【0170】処理時間は1〜30秒が好ましく、特に1
−5秒が好ましい。
【0171】デスマット処理が終了した後には、処理液
を次工程に持ち込まないためにニップローラーによる液
切りとスプレーによる水洗を行うことが好ましいが、酸
性溶液として、次の工程で用いる液と同じ種類・組成の
液、または次の工程で排出される廃液を使用する場合に
は、前記液切りおよび水洗を省略することができる。
【0172】(4)硝酸溶液中での電解粗面化処理 硝酸溶液中での電解粗面化処理は、前述した塩酸溶液中
での電解粗面化処理と同様に行うことができる。但し、
前記アルミニウム板が陽極のときの電気量である陽極時
電気量Q1と、前記塩酸溶液中での電解粗面化処理にお
ける陽極時電気量Q2との比率Q1/Q2が1以上になる
ように電流を印加することが好ましい。
【0173】具体的には、陽極時電気量Q1が40〜4
00C/dm2になるように印加することが好ましい。
【0174】なお硝酸溶液としては、通常の直流または
交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いる硝酸水溶
液を使用できる。
【0175】前記硝酸水溶液としては、硝酸を1〜10
0g/リットル含む硝酸水溶液に、硝酸アルミニウム、
硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸塩、および
塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム
等の塩酸塩から選択される1種以上の塩を、1g/リッ
トル〜飽和濃度の範囲で添加したものを挙げることがで
きる。前記硝酸水溶液には、銅と錯体を形成する化合物
を1〜200g/リットルの濃度になるように添加する
こともできる。前記硝酸水溶液中には、さらに、鉄、
銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリ
カ等の前記アルミニウム板を形成するアルミニウム合金
中に含まれる微量元素が溶解していてもよい。加えて、
次亜塩素酸または過酸化水素を1〜100g/リットル
の濃度で含有していてもよい。
【0176】前記硝酸水溶液としては、硝酸を0.5〜
1.5重量%含有する希硝酸に、硝酸アルミニウムなど
のアルミニウム塩を添加してアルミニウムイオンの濃度
を2〜7g/リットルに調整した溶液が特に好ましい。
【0177】また、硝酸水溶液中で電解粗面化処理を行
っていると、還元反応により、前記硝酸水溶液中にアン
モニウムイオンが生成するので、前記硝酸水溶液中に、
アンモニウムイオン濃度が50−150ppmになるよ
うに、予め硝酸アンモニウムを添加することがとくに好
ましい。
【0178】前記硝酸水溶液の液温は、30〜80℃が
好ましく、35〜60℃が特に好ましい。
【0179】3.陽極酸化処理 粗面化後のアルミニウム板には、陽極酸化処理によって
陽極酸化被膜を形成することが好ましい。
【0180】前記陽極酸化処理に用いられる酸性電解液
としては、一般には硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム
酸、およびそれらの混合物を主要な酸成分とする酸性溶
液が用いられるが、陽極酸化処理により多孔質酸化皮膜
を形成できる溶液であれば、前記の酸性溶液には限定さ
れない。
【0181】陽極酸化の処理条件は、用いる酸性電解液
の組成によって変わるので、一概には特定できないが、
一般的には、前記酸成分の濃度が1〜80重量%であ
り、液温が5〜70℃であり、電流密度が1〜60A/
dm2であり、電圧が1〜100Vであり、処理時間が
10秒〜300秒の範囲が適当である。
【0182】陽極酸化皮膜の量は、1〜5g/m2の範
囲が適当である。陽極酸化皮膜の量が1g/m2以上で
あれば、充分な耐刷性が得られるから、平版印刷版の非
画像部に傷が付き難く、したがって、傷の部分にインキ
が付着する所謂きず汚れが生じ難い。陽極酸化皮膜量が
多くなると、アルミニウム板のエッジ部分に酸化皮膜が
集中しやすくなるが、陽極酸化皮膜の量が5g/m2
下であれば、このような問題が生じることはない。但
し、アルミニウム板のエッジの部分と中心部分の酸化皮
膜量の差は1g/m2以下であることが好ましい。
【0183】前記酸性電解液として硫酸水溶液を用いる
場合には、通常は、前記アルミニウム板に直流電流を印
加して陽極酸化処理を行なうが、交流を印加して陽極酸
化処理を行なってもよい。
【0184】硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行なう場合
には、特開昭54−128453号公報および特開昭4
8−45303号各公報に詳しく記載されているよう
に、硫酸濃度が10〜300g/リットルであり、アル
ミニウムイオンの濃度が1〜25g/リットルの硫酸水
溶液が好ましく、硫酸濃度が80〜200g/リットル
であり、アルミニウムイオンの濃度が2〜10g/リッ
トルである硫酸水溶液が特に好ましい。液温は30〜6
0℃が好ましく、特に30〜55℃の範囲が好ましい。
【0185】直流を用いて陽極酸化処理を行なうとき
は、電流密度は、1〜60A/dm2の範囲が好まし
く、特に5〜40A/dm2の範囲が好ましい。アルミ
ニウム板を連続的に陽極酸化する場合は、アルミニウム
板の焼けと呼ばれる電流集中を防ぐために、最上流側に
おいては5〜10A/dm2の低電流密度で陽極酸化処
理をおこない、下流側に向かって徐々に電流密度を高
め、30〜50A/dm2またはそれよりも高い値にま
で電流密度を高くすることが好ましい。電流密度は、5
〜15ステップで徐々に上げることが好ましく、各ステ
ップごとに独立した電源装置を設けて前記電源装置のそ
れぞれにおいて電流密度を制御することにより、下流側
に向かって徐々に電流密度を高めることができる。前記
アルミニウム板への給電方法は、コンダクタローラを用
いない後述する液給電方式が好ましい。特開2001−
11698号公報にはその一例が示されている。
【0186】アルミニウム板への給電方式としては、前
記電解粗面化処理のときと同様に、直接給電方式と液給
電方式とが挙げられる。
【0187】直接給電方式は、高速・高電流密度になる
とコンダクタローラとアルミニウムウェブ間のスパーク
発生の問題が発生して不利なので、ライン速度が30m
/分以下の比較的低速・低電流密度の陽極酸化装置で用
いられることが多く、間接給電方式は、ライン速度が3
0m/minを越える高速・高電流密度の陽極酸化装置
で用いられることが多い。
【0188】間接給電方式を使用する場合には、連続表
面処理技術(総合技術センター、昭和61年9月30日
発行)の289頁にあるように、山越型またはストレー
ト型の槽レイアウトを用いることができる。
【0189】直接給電方式、間接給電方式ともに、アル
ミニウムウェブ内の電圧ドロップによるエネルギーロス
を少なくする目的で、陽極酸化処理工程は2つ以上に分
離し、それぞれの電解装置の給電槽と酸化槽、またはコ
ンダクタローラと酸化槽の間に直流電源を接続して用い
ることがとくに好ましい。
【0190】陽極酸化処理工程においては大電流を流す
ため、ブスバーに流れる電流により発生する磁界によ
り、アルミニウム板にローレンツ力が働く。その結果ウ
ェブが蛇行する問題が生じるため、特開昭57−512
90に記載のような方法を用いることが特に好ましい。
【0191】また、アルミニウム板には大電流が流れる
ため、アルミニウム板自身を流れる電流による磁界によ
り、アルミニウム板の幅方向において中央に向かってロ
ーレンツ力が働く。その結果アルミニウム板に折れが発
生しやすくなるため、陽極酸化処理槽内に直径100〜
200mmのパスローラーを100〜3000mmピッ
チで複数設け、1度から15度の角度でラップさせてロ
ーレンツ力による折れを防止する方法をとることが特に
好ましい。
【0192】また、陽極酸化被膜は、アルミニウム板の
エッジに近づくほど生成量が多くなり、厚さが厚くなる
から、巻き取り装置においてアルミニウム板をうまく巻
きとれないという問題が生じることがある。前記問題
は、特公昭62−30275公報および特公昭55−2
1840号公報に記載されているように、酸性電解液を
撹拌することにより解決できる。酸性電解液を攪拌して
も前記問題が十分に解決できない場合には、巻き取り装
置を0.1〜10Hzの周期で5〜50mmの振幅でア
ルミニウム板の幅方向にオシレートさせれば、前記アル
ミニウム板の巻取りの問題を解決できる。
【0193】アルミニウム板に電流を通電するための陽
極としては、鉛、酸化イリジウム、白金、フェライトな
どを用いることができるが、酸化イリジウムを主体とす
るものが特に好ましい。酸化イリジウムは熱処理により
基材に被覆できる。基材としてはチタン、タンタル、ニ
オブ、ジルコニウムなどの所謂バルブ金属が用いられる
が、チタンまたはニオブが特に好ましい。前記バルブ金
属は比較的電気抵抗が大きいため、芯材に銅を用い、そ
の周囲にバルブ金属をクラッドすることが特に好まし
い。銅の芯材にバルブ金属をクラッドする場合は、あま
り複雑な形状のものは作れないので、各パーツに分割し
て作成した電極部品を、酸化イリジウムを被覆した後に
ボルト・ナット等で希望の構造となるように組み立てる
のが一般的である。
【0194】4.製版層 前記平版印刷版用支持体の粗面化面に形成できる製版層
としては、レーザ光により露光するレーザ製版層、およ
び可視光で露光する可視光製版層が挙げられる。
【0195】4−1 レーザ製版層 レーザ製版層としては、 A.a.前記レーザ光を吸収して熱に変換する赤外線吸収
剤、 b.熱によって酸を発生する酸発生化合物等、および c.酸によって架橋する酸架橋性化合物を含有するもの、 B.a.前記赤外線吸収剤、 b.前記酸発生化合物等、および c.酸によって分解する酸分解性化合物を含有するもの、 C.a.レーザ光を照射するとラジカルを発生するラジカ
ル発生化合物、 b.アルカリ可溶性バインダ、および c.ラジカルにより重合するラジカル重合性化合物 D.A.レーザ光が照射されると現像液への溶解性が増大
または減少する感光層 B.前記感光層に積層され、ハロゲン化銀を含有するハロ
ゲン化銀含有層とを有するもの、 E.A.物理現像核を含有する現像核層と、 B.前記現像核層に積層され、前記ハロゲン化銀を含有す
るハロゲン化銀含有層とを有するもの、 F.レーザ光を照射することにより除去される親油性層
であるレーザ除去性親油層を有するもの、などが挙げら
れる。以下、前記レーザ製版層A〜Fにつき、説明す
る。
【0196】A.レーザ製版層A レーザ製版層Aに配合できる赤外線吸収剤aとしては、
760nm〜1200nmの赤外線を吸収する染料およ
び顔料が挙げられ、具体的には、カーボンブラックなど
の黒色顔料、赤色顔料、金属枌顔料、フタロシアニン系
顔料、および前記波長の赤外線を吸収するアゾ染料、ア
ントラキノン染料、フタロシアニン染料、シアニン色素
などが挙げられる。
【0197】酸発生化合物等bに包含される酸発生化合
物としては、紫外光、可視光、または熱により分解して
カルボン酸またはスルホン酸を発生する化合物が挙げら
れる。
【0198】前記酸発生化合物としては、例えばイミノ
フォスフェート化合物など、熱分解によりカルボン酸を
発生するカルボン酸発生化合物、および特開平10−2
07068号公報の[0034]欄〜[0055]欄に
例示されたスルホン酸発生化合物などが挙げられる。
【0199】他には、光カチオン重合開始剤、光ラジカ
ル重合開始剤、または光変色剤などとして一般に使用さ
れている化合物も、光または熱分解により、カルボン酸
またはスルホン酸などの酸を発生するのであれば、前記
酸発生化合物として使用できる。
【0200】酸発生化合物等bとして使用できる酸とし
ては、各種モノカルボン酸、ジカルボン酸、およびスル
ホン酸などが挙げられる。
【0201】酸架橋性化合物cとしては、酸発生化合物
bが分解して発生した酸により架橋して現像液に対する
溶解性が低下する化合物が挙げられ、具体的には、アル
コキシメチル基およびヒドロキシル基の少なくとも一方
を有する芳香族化合物、N−ヒドロキシメチル基、N−
アルコキシメチル基、およびN−アシルオキシメチル基
のうちの少なくとも1つを有する化合物、ならびにエポ
キシ化合物などが挙げられる。
【0202】前記レーザ製版層Aには、さらに、ノボラ
ック樹脂、およびポリ(ヒドロキシスチレン)など、側
鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーのようなア
ルカリ可溶性樹脂、および一般式(R1−X)n−Ar−
(OH)m(R1は、炭素数6〜32のアルキル基または
アルケニル基であり、Xは、端結合、O、S、COO、
またはCONHであり、Arは、芳香族炭化水素基、脂
環式炭化水素基、または複素環基であり、nおよびm
は、何れも1〜3の自然数である。)で示される化合
物、具体的には、フェノール性水酸基含有化合物を配合
することができる。フェノール性水酸基含有化合物とし
ては、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール類が
挙げられる。
【0203】前記レーザ製版層Aには、さらに可塑剤な
ども配合できる。
【0204】B.レーザ製版層B レーザ製版層Bは、前記レーザ製版層Aのところで述べ
たのと同様の赤外線吸収剤と酸発生化合物等とに加え
て、酸分解性化合物を含有する。
【0205】酸分解性化合物は、酸によって分解する性
質を有する化合物であり、具体的には、酸によって分子
量が低下してアルカリ性現像液に対する溶解度が高くな
る酸分解性高分子化合物が挙げられる。
【0206】酸分解性高分子化合物としては、たとえ
ば、下記(1)〜(6)に挙げる酸性基: (1)フェノール基(−Ar−OH) (2)スルホンアミド基(−SO2NH−R) (3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド
基」という。) 〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CON
HSO2R〕 (4)カルボン酸基(−CO2H) (5)スルホン酸基(−SO3H) (6)リン酸基(−OPO32) の内の少なくとも1つを主鎖および側鎖の何れかまたは
両方に有する高分子が、酸と反応したときのアルカリ性
現像液に対する溶解性の増大が大きい点、および酸と反
応する前において前記溶解性が小さい点で好ましい。な
お、上記(1)〜(6)中、Arは2価のアリール基を
表し、Rは炭化水素基を表す。アリール基Arおよび炭
化水素基Rの何れも置換基を有していてもよい。
【0207】前記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を
有し、アルカリ溶液に可溶な高分子の中でも、フェノー
ル基(1)を有するフェノール基含有高分子、スルホン
アミド基(2)を有するスルホンアミド基含有高分子、
および活性イミド基(3)を有するを有する活性イミド
基含有高分子が好ましく、特に、フェノール基含有高分
子およびスルホンアミド基含有高分子が、アルカリ性現
像液に対する溶解性、現像ラチチュード、膜強度を十分
に確保する点から最も好ましい。
【0208】酸性基(1)〜(6)を有する高分子とし
ては、例えば、以下のものを挙げることができる。
【0209】(1)フェノール基含有高分子 フェノール基含有高分子としては、たとえば、フェノー
ルとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールと
ホルムアルデヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホル
ムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾール
とホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾ
ール(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでも
よい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック
樹脂、およびピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙
げることができる。
【0210】さらに、フェノール基を側鎖に有するビニ
ルモノマーであるフェノール性ビニルモノマーの単独重
合体、および前記フェノール性ビニルモノマーと他のビ
ニルモノマーとの共重合体を挙げることもできる。
【0211】フェノール性ビニルモノマーとしては、ヒ
ドロキシスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等のヒド
ロキシアルキルスチレン、フェノール基を有する(メ
タ)アクリルアミド、およびフェノール基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0212】フェノール基含有高分子の分子量について
は、重量平均分子量が5.0×10 2〜2.0×104
あり、数平均分子量が2.0×102〜1.0×104
あれば、画像形成性の点で好ましい。
【0213】また、前記フェノール基含有高分子は、単
独で用いるのみならず、2種類以上を組み合わせて使用
してもよい。
【0214】前記フェノール基含有高分子を2種以上組
み合わせる場合には、米国特許第4123279号明細
書に記載されているようなt−ブチルフェノールとホル
ムアルデヒドとの縮重合体やオクチルフェノールとホル
ムアルデヒドとの縮重合体などの炭素数3〜8のアルキ
ル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体、および本発明者らが先に出願した特開
2000−241972号公報に記載の芳香環上に電子
吸引性基を有するフェノール構造を有する高分子などを
併用してもよい。
【0215】(2)スルホンアミド基含有高分子として
は、例えば、スルホンアミド基を有するモノマーに由来
するモノマー単位から主に構成された重合体を挙げるこ
とができる。
【0216】前記モノマーとしては、重合可能な不飽和
基と、非置換スルホンアミド基またはモノ置換スルホン
アミド基とを分子内にそれぞれ1以上有するモノマーが
挙げられる。
【0217】前記モノマーとしては、アクリロイル基、
アリル基、またはビニロキシ基と、非置換あるいはモノ
置換アミノスルホニル基とを分子内に有するモノマーが
好ましい。
【0218】前記モノマーとしては、例えば、下記一般
式1〜5で表される化合物が挙げられる。
【0219】
【化1】 〔式中、X1、X2は、それぞれ独立に−O−または−N
27−を表す.R21、R 24は、それぞれ独立に水素原子
または−CH3を表す。R22、R25、R29、R32および
36は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素
数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリ
ーレン基またはアラルキレン基を表す。R 23、R27およ
びR33は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有してい
てもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基またはアラルキル基を表す。また、
26、R37は、それぞれ独立に置換基を有していてもよ
い炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アラルキル基を表す。R28、R30およびR34
は、それぞれ独立に水素原子または−CH3を表す。R
31、R35は、それぞれ独立に単結合、または置換基を有
していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を表
す。Y3、Y4は、それぞれ独立に単結合、または−CO
−を表す。〕一般式1〜5で表されるモノマーのうちで
は、特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレー
ト、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリル
アミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリ
ルアミド等を好適に使用することができる。
【0220】(3)活性イミド基含有高分子としては、
例えば、活性イミド基を有するモノマーに由来するモノ
マー単位から主に構成された重合体を挙げることができ
る。このようなモノマーとしては、下記構造式で表され
る活性イミド基と重合可能な不飽和基とを分子内にそれ
ぞれ1以上有するモノマーを挙げることができる。
【0221】
【化2】 このようなモノマーとしては、具体的には、N−(p−
トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−ト
ルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用する
ことができる。
【0222】(4)カルボン酸基を有するカルボン酸基
含有高分子としては、例えば、カルボン酸基と重合可能
な不飽和基とを分子内にそれぞれ1以上有するモノマー
に由来するモノマー単位から主に構成される重合体を挙
げることができる。
【0223】(5)スルホン酸基を有するスルホン酸基
含有高分子としては、例えば、スルホン酸基と重合可能
な不飽和基とを分子内にそれぞれ1以上有するモノマー
に由来するモノマー単位から主に構成される重合体を挙
げることができる。
【0224】(6)リン酸基を有するアルカリ水可溶性
高分子としては、例えば、重合可能な不飽和基と、リン
酸基とを分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来す
るモノマー単位を主要構成成分とする重合体を挙げるこ
とができる。
【0225】前記高分子は、前記酸性基(1)〜(6)
の何れかを有する1種類のモノマー単位のみからなるも
のには限定されず、同一または異なる酸性基を有する2
種以上のモノマー単位からなる共重合体も前記高分子に
包含される。
【0226】前記共重合体としては、酸性基(1)〜
(6)の何れかを有するモノマー単位が10モル%以上
含まれているものが好ましく、20モル%以上含まれて
いるものがより好ましい。
【0227】C.レーザ製版層C レーザ製版層Cに用いられるラジカル発生剤aとして
は、ビニル系モノマーの光重合に通常に使用される光重
合開始剤が使用できる。
【0228】アルカリ可溶性バインダbとしては、たと
えばフェノール樹脂、クレゾール樹脂、ノボラック樹
脂、ピロガロール樹脂、およびポリ(ヒドロキシスチレ
ン)などのフェノール性水酸基を有するフェノール系ポ
リマー、少なくとも一部のモノマー単位がスルホンアミ
ド基を有するポリマーであるスルホンアミド基含有ポリ
マー、N−(p−トルエンスルホニル)(メタ)アクリ
ルアミド基などの活性イミド基を有するモノマーの単独
重合または共重合により得られる活性イミド基含有ポリ
マーなどが使用できる。
【0229】ラジカル重合性化合物cとしては、たとえ
ば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸など
のエチレン性不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール
とのエステルであるエチレン性不飽和カルボン酸多価エ
ステル、前記エチレン性不飽和カルボン酸と多価アミン
とからなるメチレンビス(メタ)アクリルアミド、キシ
リレン(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和
カルボン酸多価アミドなどが挙げられる。
【0230】ラジカル重合性化合物cとしては、他に、
スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合
物、および(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸モノエス
テルなども使用できる。
【0231】レーザ製版層Cには、さらに、チタノセン
化合物、トリアジン化合物、ベンゾフェノン系化合物、
ベンゾイミダゾール系化合物、シアニン色素、メロシア
ニン色素、キサンテン色素、クマリン色素などの増感剤
を配合してもよい。
【0232】D.レーザ製版層D レーザ製版層Dにおける感光層Aとしては、たとえば、
前記レーザ製版層A〜Cの何れかが挙げられる。
【0233】ハロゲン化銀含有層Bにおけるハロゲン化
銀および還元剤としては、通常の銀塩写真に使用される
ハロゲン化銀および還元剤が挙げられる。
【0234】E.レーザ製版層E レーザ製版層Eにおける現像核層Aとしては、たとえば
Carey Lea法により調製された銀ゾルから形成された層
が挙げられる。
【0235】ハロゲン化銀Bにおけるハロゲン化銀とし
ては、通常の銀塩写真に使用されるハロゲン化銀が挙げ
られる。
【0236】F.レーザ感光像F レーザ除去性親油層としては、適宜の方法で平版印刷版
用支持体の粗面化面に形成された銀層が挙げられる。
【0237】以下、レーザ製版層A〜Fの形成方法につ
いて説明する。
【0238】レーザ製版層A〜Cは、構成成分を溶剤に
溶解または懸濁させたレーザ製版層形成液を平版印刷版
用支持体の粗面化面に塗布し、乾燥させて形成できる。
【0239】前記溶剤としては、レーザ製版層A〜Cの
構成成分を溶解し、しかも、室温である程度の揮発性を
有する溶剤が挙げられ、具体的には、たとえばアルコー
ル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系
溶剤、グリコールエーテル系溶剤、アミド系溶剤、およ
び炭酸エステル系溶剤等が挙げられる。
【0240】アルコール系溶剤としては、エタノール、
プロパノール、およびブタノール等が挙げられる。ケト
ン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、およ
びジエチルケトン等が挙げられる。エステル系溶剤とし
ては、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エ
チル等が挙げられる。エーテル系溶剤としては、テトラ
ヒドロフランおよびジオキサン等が挙げられ、グリコー
ルエーテル系溶剤としては、エチルセロソルブ、メチル
セロソルブ、およびブチルセロソルブ等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、ジメチルホルムアミドおよびジ
メチルアセトアミド等が挙げられる。炭酸エステル系溶
剤としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエ
チル、および炭酸ジブチル等が挙げられる。
【0241】また、レーザ製版層形成液は、たとえば、
コーティングロッドを用いる方法、エクストルージョン
型コーターを用いる方法、スライドビードコーターを用
いる方法など、従来公知の方法が使用でき、また公知の
条件に従って塗布できる。
【0242】前記レーザ製版層形成液を塗布後のアルミ
ニウム板を乾燥する装置としては、特開平6−6348
7号公報に記載の、乾燥装置内にパスロールを配置し、
前記パスロールで搬送しつつ乾燥するアーチ型ドライヤ
ー、上下からノズルによりエアーを供給し、ウェブを浮
上させながら乾燥するエアードライヤー、高温に加熱さ
れた媒体からの輻射熱で乾燥する輻射熱ドライヤー、お
よびローラを加熱し、前記ローラとの接触による伝導伝
熱により乾燥するローラドライヤー等がある。
【0243】なお、レーザ製版層Cを形成するときは、
シラン化合物を水、アルコール、またはカルボン酸で部
分分解して得られる部分分解型シラン化合物などの反応
性官能基を有するシリコーン化合物で平版印刷版用支持
体の粗面化面を予め処理すると、平版印刷版用支持体と
前記レーザ製版層との接着性が向上するから好ましい。
【0244】レーザ製版層Dは、前述の方法により形成
されたレーザ製版層A〜Cに重ねて、ハロゲン化銀ゾル
と前記還元剤とをゼラチンなどの乳化剤で乳化したハロ
ゲン化銀乳液を塗布し、乾燥することにより形成でき
る。
【0245】レーザ製版層Eにおける現像核層は、たと
えば、Carey Lea法により調製した銀ゾルを前記平版印
刷版用支持体の表面に塗布し、乾燥することにより、形
成できる。
【0246】ハロゲン化銀含有層は、前記手順で形成さ
れた現像各層に重ねて、前記ハロゲン化銀乳液を塗布
し、乾燥することにより形成できる。
【0247】レーザ製版層Fは、たとえば、前記平版印
刷版用支持体の粗面化面の全面に前記ハロゲン化銀乳液
を塗布し、全面露光・現像・定着を行うことにより形成
できる。
【0248】また、前記平版印刷版用支持体の粗面化面
に、銀を無電解鍍金または蒸着などの方法により付着さ
せて銀薄膜を形成してもよい。
【0249】4−2 可視光製版層 前記可視光製版層としては、たとえば、 a.酸発生化合物と、 b.スルホン酸放出性高分子とを含有するダイレクト型製
版層が挙げられる。
【0250】前記酸発生化合物としては、レーザ製版層
Aおよびレーザ製版層Bのところで述べた酸発生化合物
aが挙げられる。特に好ましいものとしては、特開平1
0−207068号公報の[0034]欄〜[005
5]欄に例示されたスルホン酸発生化合物が挙げられ
る。
【0251】スルホン酸放出性高分子としては、たとえ
ば、以下の一般式6: −L−SO2−O−R1 … 一般式6 (式中、Lは、金属原子を含有しない2価の有機基を示
し、R1は、置換されてもされていなくてもよいアリー
ル基、アルキル基、または環状イミド基を示す。) または一般式7: −L−SO2−SO2−R2 … 一般式7 (式中、Lは、金属原子を含有しない2価の有機基を示
し、R2は、置換されてもされていなくてもよいアリー
ル基またはアルキル基を示す。)で示される構造の側鎖
を有する高分子化合物が挙げられる。
【0252】前記高分子化合物としては、具体的には、
特開平10−207068号公報の[0016]欄〜
[0033]欄に記載された高分子化合物が挙げられ
る。
【0253】前記可視光製版層としては、前記ダイレク
ト型製版層のほか、感光性樹脂および必要に応じて着色
剤などを含有するものが挙げられる。
【0254】前記感光性樹脂としては、光が当たると現
像液に溶けるようになるポジ型感光性樹脂、および光が
当たると現像液に溶解しなくなるネガ型感光性樹脂が挙
げられる。
【0255】ポジ型感光性樹脂としては、キノンジアジ
ド化合物およびナフトキノンジアジド化合物等のジアジ
ド化合物と、フェノールノボラック樹脂およびクレゾー
ルノボラック樹脂等のフェノール樹脂との組み合わせ等
が挙げられる。
【0256】一方、ネガ型感光性樹脂としては、芳香族
ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等のアルデヒド類と
の縮合物等のジアゾ樹脂、前記ジアゾ樹脂の無機酸塩、
および前記ジアゾ樹脂の有機酸塩等のジアゾ化合物と、
(メタ)アクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、およびポ
リウレタン等の結合剤との組み合わせ、並びに(メタ)
アクリレート樹脂およびポリスチレン樹脂等のビニルポ
リマーと、(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレン
等のビニル重合性化合物と、ベンゾイン誘導体、ベンゾ
フェノン誘導体、およびチオキサントン誘導体等の光重
合開始剤との組み合わせ等が挙げられる。
【0257】前記着色剤としては、通常の色素のほか、
露光により発色する露光発色色素、および露光により殆
どまたは完全に無色になる露光消色色素等が使用でき
る。前記露光発色色素としては、たとえばロイコ色素等
が挙げられる。一方、前記露光消色色素としては、トリ
フェニルメタン系色素、ジフェニルメタン系色素、オキ
ザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフトキノン
系色素、アゾメチン系色素、およびアントラキノン系色
素等が挙げられる。
【0258】前記可視光製版層は、前記ポジ型感光性樹
脂またはネガ型感光性樹脂、および前記着色料を溶媒に
溶解または懸濁させた製版層形成液を前記平版印刷版用
支持体の粗面化面に塗布し、乾燥させることにより形成
できる。前記溶媒、塗布方法、および嵌装方法は、前記
レーザ製版層のところで述べた通りである。
【0259】
【実施例】(実施例1〜18、 比較例1〜5) <平版印刷版用支持体の作製>表1に示すアルミニウム
含有量および金属間化合物密度を有する幅1100m
m、厚さ0.24mmのアルミニウムウェブを以下の手
順および条件に従って粗面化した。前記アルミニウムウ
ェブの金属間化合物の密度は、粗面化されたアルミニウ
ム板の表面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、前
記アルミニウム板の表面における5ヶ所(n=5)につ
いて、60μm×50μmの範囲で金属間化合物の粒子
の個数を数えて1mm2当りの個数に換算することによ
り求めた。結果を表1に示す。
【0260】a.機械的粗面化:研磨材スラリーをスプ
レー管からアルミニウム板の表面に供給しながら、回転
するローラー状ブラシにより機械的な粗面化をおこなっ
た。
【0261】研磨材スラリーとしては、平均粒径が20
μmのパミスストーン粉末を7.7重量%水に懸濁させ
たスラリーを用いた。
【0262】ローラ状ブラシとしては、8号ナイロンブ
ラシを3本使用した。前記ローラ状ブラシのそれぞれに
2本の支持ローラを設けた。前記支持ローラの直径は2
00mmであり、距離は300mmであった。
【0263】前記ローラ状ブラシの押し込み量は、前記
ローラ状ブラシを回転させる駆動モータの負荷の、前記
ローラ状ブラシを押し付ける前の負荷に対する増大量が
一定になり、粗面化後のアルミニウム板の平均表面粗さ
が0.4〜0.5μmになるように制御した。オシレー
トの振幅は100mmであった。
【0264】b.アルカリエッチング処理(1) 機械的粗面化処理後のアルミニウムウェブの粗面化面
に、スプレー管から、NaOHを26重量%含有する液
温60℃のアルカリ溶液を噴きつけ、エッチング量が5
g/m2になるようにアルカリエッチング処理を行っ
た。
【0265】c.デスマット処理(1) 次に、硝酸を1重量%含有する液温35℃の硝酸水溶液
を前記アルミニウムウェブの粗面化面に10秒間噴きつ
けてデスマット処理を行った。
【0266】d.硝酸溶液中での電解粗面化処理 硝酸を1重量%含有する液温が50℃の硝酸溶液中で、
周波数が60Hzの台形波電流を印加して電解粗面化処
理を行った。電流密度は50A/dm2であり、アルミ
ニウムウェブが陽極時の電気量Q1は、表1に示す通り
であった(なお、前記電気量Q1は、塩酸溶液中での電
解粗面化処理におけるアルミニウムウェブが陽極時の電
気量Q2との比率で示した。)。
【0267】e.アルカリエッチング処理(2) 前記電解粗面化後のアルミニウムウェブの粗面化面に、
スプレー管から、NaOHを26重量%含有する液温6
0℃のアルカリ溶液を噴きつけて、表1に示すエッチン
グ量になるようにアルカリエッチング処理を行った。な
お、前記エッチング量は、処理時間を増減することによ
り変化させた。
【0268】f.デスマット処理(2) 次に、前記アルミニウムウェブの粗面化面に、濃度30
重量%、液温35℃の硫酸溶液を10秒間スプレーして
デスマット処理を行った。
【0269】g.塩酸溶液中での電解粗面化処理 塩酸濃度1重量%、液温35℃の塩酸水溶液中におい
て、周波数60Hzの台形波電流を印加して電解粗面化
処理を行なった。
【0270】電流密度は15A/dm2であり、アルミ
ニウムウェブの陽極時の電気量Q2は50C/dm2であ
った。
【0271】h.アルカリエッチング処理(3) アルカリエッチング処理(2)と同様にして前記アルカ
リエッチング処理を行った。前記エッチング量も、同様
に、処理時間を増減することにより変化させた。
【0272】i.デスマット処理(3) デスマット処理(2)と同様にしてデスマット処理を行
った。
【0273】j.陽極酸化処理 硫酸濃度15重量%、液温35℃の硫酸溶液中で、前記
アルミニウムウェブに直流を印加して、陽極酸化被膜の
被膜量が2g/m2になるように陽極酸化処理を行っ
た。
【0274】
【表1】 <製版層の形成>上述の手順に沿って作製した平版印刷
版用支持体の粗面化面に、下記の処方の塗布液を塗布
し、乾燥させ、製版層を形成した。
【0275】 (塗布液の処方) ・ カプリン酸 0.03g ・ 共重合体A(フェノール性水酸基を有するモノマー、スルホンアミド基を 有するモノマー、活性イミノ基のうちの1種以上を共重合性分として10モル% 以上含む共重合体) 0.75g ・ m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4) 0.25g ・ p−トルエンスルホン酸 0.003g ・ テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g ・ シアニン染料 0.017g ・ ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸に 置換した染料 0.017g ・メガファックF−177(弗素系ノニオン界面活性剤、大日本インキ化学工 業(株)製) 0.05g ・ γ−ブチロラクトン 10g ・ メチルエチルケトン 10g ・ 1−メトキシ−2−プロパノール 1g。
【0276】< 評 価 > (1)感度 得られた平版印刷版を、Creo社製Trend Se
tter 3244を用い、100mJ/cm2の版面
エネルギー量で全面露光し、現像液としてSiO2/N
2Oのモル比が1.74の珪酸ナトリウムの5.26
%水溶液(pH=12.7)を、リンス液として富士写
真フィルム(株)製FR−3(1:7)を仕込んだ富士
写真フィルム(株)製自動現像機スタブロン900Dに
通して処理した。
【0277】現像後の平版印刷版の表面をルーペで観察
し、残膜の量につき、以下の尺度に従って◎、○、○
△、△、△×、×の6段階で評価した。
【0278】 記号 ◎ 残膜全く無し ○ 残膜僅かにあり ○△ 残膜少し発生、ルーペ視野内に100μm以下の大きさの残膜が数個 △ 残膜あるが、印刷時に問題にならないレベル △× 残膜矢や多く、印刷時に汚れが発生するレベル × 残膜多く、印刷時に汚れが強く発生するレベル。
【0279】結果を表2に示す。
【0280】(2)耐刷性 得られた平版印刷版を、Creo社製Trend Se
tter 3244を用いて140mJ/cm2の版面
エネルギーで像様に露光し、感度の評価のときと同様に
して現像を行った。
【0281】現像後の平版印刷版について、印刷性能を
評価した。印刷機としてハイデルベルグ社製SOR−M
を使用し、湿し水として富士写真フィルム(株)製EU
−3(1:100)にイソプロパノールを10%添加し
たものを使用し、インキとしては、東洋インキ(株)製
マークファイブニュー墨を用いて印刷を行なった。
【0282】印刷物の非画像部に汚れが発生し始めるま
での枚数に基き、下記の尺度に従って◎、○、○△、
△、△×、×の6段階で耐刷性を評価した。
【0283】 記号 非画像部に汚れが発生し始めるまでの枚数 ◎ 5万枚以上 ○ 4.5万枚以上5万枚未満 ○△ 4万枚以上4.5万枚未満 △ 3.5万枚以上4万枚未満 △× 3万枚以上3.5万枚未満 × 3万枚未満。
【0284】結果を表2に示す。
【0285】(3)強度 製版層を形成するまえの平版印刷版様支持体につき、J
IS Z 2241に従って引張り試験を行った。 印
刷物の非画像部に汚れが発生し始めるまでの枚数に基
き、下記の尺度に従って◎、○、○△、△、△×、×の
6段階で強度を評価した。
【0286】 記号 引張り強度 ◎ 150〜180MPa ○ 120〜149MPa × 119MPa以下。
【0287】結果を表2に示す。
【0288】
【表2】 (参考例) <平版印刷版様支持体の作製>実施例1〜18と同様の
手順および条件でアルミニウムウェブを粗面化し、平版
印刷版用支持体を作製した。
【0289】得られた平版印刷版用支持体の粗面化面
に、製版層aおよび製版層c〜jを形成した。
【0290】製版層a、製版層c〜iは、以下に示す組
成の塗布液を塗布し、乾燥させて形成した。 製版層j
は、特開平11−139023号公報の[0052]〜
[0056]欄(実施例1)に記載された手順に従って
前記平版印刷版用支持体の粗面化面上に銀薄膜を形成す
ることにより、作製した。
【0291】製版層a、製版層c〜iの形成に使用した
製版層塗布液の組成は、以下の通りである。
【0292】 (製版層a) ・カーボンブラック分散液(カーボンブラック含有量20重量%) 10g ・4−ジアジドジフェニルアミンとホルムアルデヒド縮合物の六弗化燐酸塩 0.5g ・メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/ベンジルアクリレート /アクリロニトリル共重合体(共重合比=15:30:40:15、重量平均分 子量=10万) 0.5g ・リンゴ酸 0.05g ・FC−430(弗素系界面活性剤、3M社製) 0.05g ・1−メトキシ−2−プロパノール 80g ・乳酸エチル 15g ・ 水 10g。
【0293】 (製版層c) ・カプリン酸 0.03g ・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4) 1g ・p−トルエンスルホン酸 0.003g ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03g ・シアニン染料 0.017g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸に置 換した染料 0.017g ・メガファックF−177 0.05g ・γ−ブチロラクトン 10g ・メチルエチルケトン 10g ・1−メトキシ−2−プロパノール 1g。
【0294】 (製版層d) a.光重合層塗布液 ・テトラメチロールメタンテトラアクリレート 1.5g ・線状有機高分子重合体(B1) 2.0g ・増感剤(C1)(λmaxTHF:479nm、ε=6.9×104) 0.15g ・光開始剤(D1) 0.2g ・IRGACURE907(E1)(チバ・ガイギー社製) 0.4g ・ε−フタロシアニン/B1分散物 0.2g ・メガファックF177 0.03g ・メチルエチルケトン 9g ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.5g ・トルエン 11g。 b.酸素遮断層塗布液(光重合層塗布液の乾燥後に塗布) ・鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製、商品名:PV A−105)の3重量%水溶液。
【0295】なお、線状有機高分子重合体(B1)、増
感剤(C1)、光開始剤(D1)、およびIRGACU
RE907(E1)の分子構造は、以下の通りである。
【0296】
【化3】 (製版層e) a.重合層塗布液 ・ペンタエリトリトールテトラアクリレート 2.5g ・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比=80:20)の 20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液 37.5g ・顔料分散液 13.0g ・メチルエチルケトン 74.0g。 b.感光層塗布液(重合層塗布液が乾燥してから塗布) ・鹸化度79.5%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製、商品名:PV A−405)の10重量%水溶液 10.5g ・添加剤SH−1の0.11重量%メタノール溶液 0.41g ・添加剤SH−1の0.11重量%水溶液 0.41g ・ハロゲン化銀乳剤 0.50g ・界面活性剤SA−1の5重量%水溶液 0.45g ・水 7.8g ・還元剤分散液 1.2g。 c.酸素遮断層(感光層塗布液が乾燥してから塗布) ・鹸化度98.5%のポリビニルアルコール(クラレ(株)製、商品名:PV A−105)の10重量%水溶液 200g ・塩基プレカーサ分散液 1.25g ・界面活性剤水溶液 4g。
【0297】 (製版層f) a.樹脂層塗布液 ・アセトン−ピロガロール樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−(2)− スルホン酸エステル 5.0g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 10.0g ・メチルエチルケトン 150g ・シクロヘキサノン 122g。 b.感光層塗布液(樹脂層塗布液が乾燥後塗布) ・塩臭化銀ゼラチン乳剤(Cl:70モル%、Br:30モル%、平均龍し系 0.28μm、乳剤1kg当りゼラチン量55g、ハロゲン化銀含有量0.85モル ) 1000g ・1,3−ジエチル−5−[2−{3−スルホプロピル)ベンゾオキサゾール −2−イリデン}エチリデン]チオヒダントインナトリウム塩の0.1%メタノ ール溶液 50ml ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ座印電の0.5% アルカリ水溶液 100ml ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンの2%水溶液 35ml。
【0298】(製版層g) a.物理現像核層 Carey Lea法により調製した銀ゾルを、銀量が
5mg/m2になるように塗布。 b.ハロゲン化銀層(物理現像核層の上に塗布) 40モル%の塩化銀と60モル%の臭化物とからなり、
平均粒径が0.3μmの塩臭化物乳剤(銀量:ゼラチン
(重量比)=1:1)を2.0g/m2の塗布量で塗
布。
【0299】 (製版層h) a.光導電層塗布液 ・Fastogen Blue 8120(大日本インキ化学工業(株)製、 無金属フタロシアニン) 1.0重量部 ・メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比=80/20) 10重量部 ・テトラヒドロフラン 60重量部 ・シクロヘキサノン 40重量部。 b.保護層用塗布液(光導電層塗布液が乾燥してから塗布) ・ポリビニルブチラール(電気化学工業株式会社製 2000−L) 2重量部 ・ステアリン酸 0.5重量部 ・エタノール 97.5重量部。
【0300】 (製版層i) ・酸の作用でスルホン酸を発生する高分子化合物であって、以下の構造式を有 す る官能基を側鎖に有する高分子化合物
【0301】
【化4】 1.0g ・o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド 0.1g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸に置 換した染料 0.05g ・メガファックF−177 0.05g ・メチルエチルケトン 10g ・γ−ブチロラクトン 10g。
【0302】製版層a〜jの何れを設けた平版印刷版に
つき、実施例1と同様にして感度、耐刷性、および強度
を評価したところ、感度、耐刷性、および強度の何れに
も優れていることが判った。
【0303】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザ露光適性および印刷性能に優れ、直描型平版印刷
版として好適に使用できる平版印刷版、前記平版印刷版
の基材になる平版印刷版用支持体、およびその製造方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の平版印刷版用支持体の製造方
法において使用されるラジアル型の電解槽の一例を示す
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23F 1/36 C23F 1/36 C25D 11/04 C25D 11/04 E 11/16 301 11/16 301 C25F 3/04 C25F 3/04 B D G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 7/09 501 7/09 501 (72)発明者 三輪 英樹 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA12 AB03 AC01 AD01 AD03 BC13 BC42 BE01 BE10 BG00 BH03 CA00 CB08 CB41 CC11 CC17 DA18 DA20 DA36 FA17 2H096 AA06 BA01 BA09 CA01 CA03 EA02 EA04 EA23 GA08 2H114 AA04 AA14 BA01 BA02 BA10 DA04 DA06 DA34 EA02 EA03 FA06 FA10 FA11 FA16 GA04 GA05 GA06 GA08 GA09 4K057 WA05 WB05 WB11 WE21 WE22 WM04 WN10

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム板を少なくとも一方の面
    を粗面化してなる平版印刷版用支持体であって、アルミ
    ニウム含有量が99重量%以上であり、表面から2μm
    以内の深さに存在する金属間化合物の密度が500〜3
    5,000個/mm2の範囲であるアルミニウム板を、
    塩酸溶液に浸漬してから5秒以内に前記塩酸溶液中での
    電解粗面化処理を開始することにより粗面化してなるこ
    とを特徴とする平版印刷版用支持体。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム板は、帯状に連続す
    るアルミニウムウェブである請求項1に記載の平版印刷
    版用支持体。
  3. 【請求項3】 前記電解粗面化処理において、前記塩
    酸溶液の前記アルミニウム板に対する流速が100〜
    4,000mm/secになるように前記塩酸溶液を流
    通させてなる請求項1または2に記載の平版印刷版用支
    持体。
  4. 【請求項4】 前記粗面化において、硝酸溶液中での
    電解粗面化処理およびそれに引き続くアルカリエッチン
    グ処理を、塩酸溶液中での電解粗面化処理に先立って施
    してなる請求項1〜3の何れか1項に記載の平版印刷版
    用支持体。
  5. 【請求項5】 前記アルカリエッチング処理におい
    て、前記アルミニウム板を0.05〜5g/m2のエッ
    チング量でエッチングしてなる請求項4に記載の平版印
    刷版用支持体。
  6. 【請求項6】 塩酸溶液中で電解粗面化処理した前記
    アルミニウム板をさらにアルカリエッチング処理してな
    る請求項4または5に記載の平版印刷版用支持体。
  7. 【請求項7】 前記アルカリエッチング処理におい
    て、前記アルミニウム板を0.05〜5g/m2のエッ
    チング量でエッチングしてなる請求項6に記載の平版印
    刷版用支持体。
  8. 【請求項8】 前記硝酸溶液中での電解粗面化処理に
    おける前記アルミニウム板が陽極のときの電気量である
    陽極時電気量をQ1、前記塩酸溶液中での電解粗面化処
    理における陽極時電気量をQ2とすると、Q1/Q2は1
    以上である請求項1〜5に記載の平版印刷版用支持体。
  9. 【請求項9】 前記アルミニウム板を粗面化後、陽極
    酸化処理を行い、前記粗面化により形成された粗面化面
    に陽極酸化被膜を形成してなる請求項1〜8の何れか1
    項に記載の平版印刷版用支持体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載の平版印刷版用支
    持体における粗面化面に可視光またはレーザ光で露光さ
    れる製版層が形成されてなる平版印刷版。
  11. 【請求項11】 前記製版層は、レーザ光で露光するレ
    ーザ製版層である請求項10に記載の平版印刷版。
  12. 【請求項12】 前記レーザ製版層は、 a.前記レーザ光を吸収して熱に変換する赤外線吸収剤、 b.熱によって酸を発生する酸発生化合物と前記酸との何
    れか、および c.酸によって架橋する酸架橋性化合物を含有してなる請
    求項10に記載の平版印刷版。
  13. 【請求項13】 前記レーザ製版層は、 a.前記赤外線吸収剤、 b.前記酸発生化合物と前記酸との何れか、および c.酸によって分解する酸分解性化合物を含有してなる請
    求項10に記載の平版印刷版。
  14. 【請求項14】 前記レーザ製版層は、 a.レーザ光を照射するとラジカルを発生するラジカル発
    生化合物、 b.アルカリ可溶性バインダ、および c.ラジカルにより重合するラジカル重合性化合物を含有
    してなる請求項10に記載の平版印刷版。
  15. 【請求項15】 前記レーザ製版層は、酸素遮断層によ
    り被覆されてなる請求項13に記載の平版印刷版。
  16. 【請求項16】 前記レーザ製版層は、 A.レーザ光が照射されると現像液への溶解性が増大また
    は減少する感光層と、 B.前記感光層に積層されてなり、ハロゲン化銀を含有す
    るハロゲン化銀含有層とを有してなる請求項10に記載
    の平版印刷版。
  17. 【請求項17】 前記感光層は、光重合性を有する多官
    能性モノマーを含有する光重合性層である請求項16に
    記載の平版印刷版。
  18. 【請求項18】 前記光重合性層は、重合性官能基を複
    数有し、前記多官能性モノマーと共重合する多官能性バ
    インダを含有する請求項16に記載の平版印刷版。
  19. 【請求項19】 前記感光層は、ナフトキノンジアジド
    類を含有するNQD層である請求項15に記載の平版印
    刷版。
  20. 【請求項20】 前記レーザ製版層は、物理現像核を含
    有する現像核層と、前記現像核層に積層されてなり、前
    記ハロゲン化銀を含有するハロゲン化銀含有層とを備え
    てなる請求項10に記載の平版印刷版。
  21. 【請求項21】 前記レーザ製版層は、レーザ光を照射
    することにより除去される親油性層であるレーザ除去性
    親油層を有してなる請求項10に記載の平版印刷版。
  22. 【請求項22】 前記レーザ除去性親油層は、銀薄膜で
    ある請求項21に記載の平版印刷版。
  23. 【請求項23】 前記製版層は、感光性を有し、 a.熱または光により分解して酸を発生する酸発生化合物
    と、 b.前記酸発生化合物が分解して発生した酸と反応してス
    ルホン酸を放出して疎水化するスルホン酸放出性高分子
    とを含有してなる請求項10に記載の平版印刷版。
  24. 【請求項24】 アルミニウム含有量が99重量%以上
    であるアルミニウム板の少なくとも一方の面を粗面化し
    てなり、表面から2μm以内に存在する金属間化合物の
    密度が500〜35,000個/m2の範囲である平版
    印刷版用支持体を製造する平版印刷版用支持体の製造方
    法であって、 前記粗面化においては、前記アルミニウム板を塩酸溶液
    中で電解粗面化処理し、 前記電解粗面化処理においては、前記アルミニウム板が
    前記塩酸溶液に浸漬されてから5秒以内に前記電解粗面
    化を開始することを特徴とする平版印刷版用支持体の製
    造方法。
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