JP2003244819A - カバーの嵌合構造 - Google Patents

カバーの嵌合構造

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JP2003244819A JP2002038460A JP2002038460A JP2003244819A JP 2003244819 A JP2003244819 A JP 2003244819A JP 2002038460 A JP2002038460 A JP 2002038460A JP 2002038460 A JP2002038460 A JP 2002038460A JP 2003244819 A JP2003244819 A JP 2003244819A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバーが比較的柔らかい材質で形成される場
合等にあっても、弾性係止アームの係止孔に係止部が係
止されたことを作業者が確実に認識することができるカ
バーの嵌合構造を提供する。 【解決手段】 アッパーカバー21に係止部28を突設
し、サイドカバー22に係止孔31を有する弾性係止ア
ーム30を設け、アッパーカバー21とサイドカバー2
2との間を近づけると、弾性係止アーム30の先端側が
係止部28に当接し弾性撓み変移してアッパーカバー2
1とサイドカバー22間の近接が許容され、弾性係止ア
ーム30の係止孔31の位置と係止部28の位置が一致
するまで挿入されると、弾性係止アーム30の先端側が
弾性撓み復帰変移して弾性係止アーム30の係止孔31
に係止部28が係止されるカバーの嵌合構造において、
弾性係止アーム30の先端側の内面に音発生用突起32
を突設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性係止アームの
弾性撓み変移を利用してカバー構成部材同士を嵌合する
電気接続箱等に用いて好適なカバーの嵌合構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のカバーの嵌合構造として、図9
及び図10に示す実開昭63−118273号公報に開
示されたものがある。
【0003】図9及び図10に示すように、このボック
スのカバー1は、アンダーカバー2とアッパーカバー3
とから構成されている。アンダーカバー2の対向する側
面には係止部4がそれぞれ突設されている。アッパーカ
バー3の対向する側面には弾性係止アーム5がそれぞれ
垂設されている。この一対の弾性係止アーム5,5の先
端は互いに離間する方向に弾性撓み変移可能に設けら
れ、各弾性係止アーム5の先端より根元側には係止孔6
がそれぞれ形成されている。
【0004】図10に示すように、アンダーカバー2の
上方位置に配置したアッパーカバー3をアンダーカバー
2に近づけると、弾性係止アーム5の先端側が係止部4
に当接し弾性撓み変移してアッパーカバー2の近接が許
容される。弾性係止アーム5の係止孔6の位置と係止部
4の位置が一致するまで近接されると、図9に示すよう
に、弾性係止アーム5の先端側が弾性撓み復帰変移して
弾性係止アーム5の被係止孔6に係止部4が係止され
る。これにより、アッパーカバー3とアンダーカバー2
とが嵌合される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のカバー1の嵌合構造では、例えばカバー1が比較的
柔らかい材質で形成される場合や、弾性係止アーム5の
撓み剛性が何らかの理由により比較的低く形成される場
合には、カバー1の嵌合作業時にあって、弾性係止アー
ム5の被係止孔6に係止部4が係止される感触が作業者
に殆どない。そのため、カバー1の嵌合作業を終了した
後に、正常に嵌合しているか否かの確認作業をしたりし
なければならないという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、前記した課題を解決す
べくなされたものであり、カバーが比較的柔らかい材質
で形成される場合や、弾性係止アームの撓み剛性が比較
的低く形成される場合等にあっても、弾性係止アームの
被係止部に係止部が係止されたことを作業者が確実に認
識することができ、嵌合作業の向上を図ることができる
カバーの嵌合構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、一方
のカバー構成部材に係止部を突設し、他方のカバー構成
部材に被係止部を有する弾性係止アームを設け、互いの
カバー構成部材を近づけると、前記弾性係止アームの先
端側が前記係止部に当接し弾性撓み変移してカバー構成
部材間の近接が許容され、前記弾性係止アームの前記被
係止部の位置と前記係止部の位置が一致するまで近接さ
れると、前記弾性係止アームの先端側が弾性撓み復帰変
移して前記弾性係止アームの前記被係止部に前記係止部
が係止されるカバーの嵌合構造において、前記弾性係止
アームの先端側で、且つ、一方のカバー構成部材に対向
する面に音発生用突起を突設したことを特徴とする。
【0008】このカバーの嵌合構造では、嵌合作業時に
あって、弾性係止アームの被係止部の位置と係止部の位
置が一致するまで近接されると、弾性係止アームの先端
側が弾性撓み復帰変移して弾性係止アームの被係止部に
係止部が係止されるが、弾性係止アームの弾性撓み復帰
変移によって、弾性係止アームが小さな面積の音発生用
突起を介して一方のカバー構成部材に突き当たることか
ら一方のカバー構成部材に音が発生する。
【0009】請求項2の発明は、請求項1記載のカバー
の嵌合構造であって、前記音発生用突起を略球形に突設
すると共にその前記一方のカバー構成部材に当接する部
分を平坦部としたことを特徴とする。
【0010】このカバーの嵌合構造では、音発生用突起
を略球形に突設すると共にその一方のカバー構成部材に
当接する部分を平坦部としたので、この平坦部を介して
係止アームの被係止部と一方のカバー構成部材の係止部
とが正確に係止される。
【0011】請求項3の発明は、請求項1記載のカバー
の嵌合構造であって、前記カバー構成部材は電気接続箱
のカバーを構成し、前記一方のカバー構成部材は電気接
続箱の接続箱本体に取り付けられるアッパーカバーであ
り、前記他方のカバー構成部材はサイドカバーであるこ
とを特徴とする。
【0012】このカバーの嵌合構造では、電気接続箱の
カバーについて、請求項1の発明と同様の作用が得られ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項3記載のカバー
の嵌合構造であって、互いのカバー嵌合状態にあって前
記サイドカバーの上端部分が前記アッパーカバーのサイ
ド上端嵌合溝に嵌合されることを特徴とする。
【0014】このカバーの嵌合構造では、サイドカバー
の上端部分がアッパーカバーのサイド上端嵌合溝の途中
まで嵌合された状態で嵌合完了と勘違いされるおそれが
確実に防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0016】図1〜図8は本発明の一実施形態を示し、
図1は電気接続箱の配置位置を説明するためのエンジン
ルーム内の要部の斜視図、図2は電気接続箱の分解斜視
図、図3は接続箱本体とアッパーカバーとサイドカバー
との分解斜視図、図4は接続箱本体とアッパーカバーと
の取付状態を示す断面図、図5はアッパーカバーとサイ
ドカバーとの取付状態を示す要部の斜視図、図6(a)
はアッパーカバーの係止部とサイドカバーの弾性係止ア
ームとの係止途中を示す断面図、図6(b)はアッパー
カバーの係止部とサイドカバーの弾性係止アームとの係
止完了状態を示す断面図、図7はアッパーカバー及びサ
イドカバーをアンダーカバーに装着する過程を示す斜視
図、図8はアッパーカバー及びサイドカバーをアンダー
カバーから取り外す過程を示す斜視図である。
【0017】図1に示すように、電気接続箱10は、自
動車のエンジンルーム11内であって、支持台12に載
置されたバッテリ13に隣接すると共に、ヘッドライト
14の下部とホイールアーチ15の上部との間に配置さ
れている。
【0018】図2に示すように、電気接続箱10は、電
気回路を内蔵した合成樹脂製の接続箱本体16と、この
接続箱本体16が装着位置にあって接続箱本体16が内
蔵されるカバー17とから構成されている。
【0019】図2〜図4に示すように、接続箱本体16
は概略形状が略偏平直方体形状とされ、厚み方向の直交
面の1つが保守面16a(図2では下方に向いている
面)とされている。この保守面16aにワイヤーハーネ
スWの端部の図示しないコネクタが接続されるコネクタ
接続部(電線接続部)18と、図示しないリレーやヒュ
ーズ等の電装品が取り付けされる電装品取付部19とが
共に設けられている。保守面16aに直交する側面には
係止突起20が設けられ、この係止突起20によって接
続箱本体16がアッパーカバー21に取り付けられてい
る。
【0020】カバー17は、可動側カバーであるアッパ
ーカバー21及びサイドカバー22と、固定側カバーで
あるアンダーカバー23との3つのカバー構成部材から
構成されている。
【0021】図2〜図4に示すように、アッパーカバー
21は、比較的柔らかな材質であるポリプロピレン(P
P)樹脂材にて形成され、接続箱本体16の保守面16
aの反対面16bよりも若干だけ大きい寸法の長方形プ
レート状を有する。この長方形プレート状の全周端には
内側垂下壁24と外側垂下壁25とが下方に向かって突
設されており、内側垂下壁24と外側垂下壁25との間
にはサイド上端嵌合溝26が形成されている。図4に示
すように、内側垂下壁24の適所には係止溝27が設け
られており、この係止溝27に接続箱本体16の係止突
起20が係止されている。接続箱本体16は、アッパー
カバー21の内面側で、且つ、この内面に近接対向する
面16bの反対側が保守面16aとなるように取り付け
られている。このようにアッパーカバー21の内面側に
接続箱本体16が取り付けられることによってアッパー
カバー21は接続箱本体16の上方全体を被っている。
また、図5及び図6に示すように、外側垂下壁25の適
所には外側に向かって鉤状の係止部28が突設されてお
り、この係止部28によってサイドカバー22が取り付
けられている。
【0022】図2〜図4に示すように、サイドカバー2
2は、比較的柔らかな材質であるポリプロピレン(P
P)樹脂材にて形成され、接続箱本体16の保守面16
aよりも若干だけ大きい寸法の長方形枠状部22aと、
この長方形枠状部22aの一面側より一体的に垂下され
た側面蓋部22bとを有する。図5及び図6に示すよう
に、長方形枠状部22aの外面の適所には上方に延びる
弾性係止アーム30が設けられており、この弾性係止ア
ーム30の根元側には被係止部である係止孔31が形成
されている。弾性係止アーム30の先端側は弾性変形に
より外側に向かって撓み変移可能とされ、弾性係止アー
ム30の先端側の内面には音発生用突起32が突設され
ている。サイドカバー22の内周スペースに接続箱本体
16が挿入され、弾性係止アーム30の係止孔31にア
ッパーカバー21の係止部28が係止されることによっ
てアッパーカバー21にサイドカバー22が取り付けら
れている。このようにサイドカバー22の内周に接続箱
本体16が配置されることによってサイドカバー22
は、その長方形枠状部22aが接続箱本体16の全周の
一部側面を被うと共に側面蓋部22bが接続箱本体16
の一側面の全体を被っている。
【0023】図6(a),(b)に示すように、音発生
用突起32は弾性係止アーム30の先端側の内面におい
て略四半球形に一体突出形成されていると共に、そのア
ッパーカバー21の外側垂下壁25に当接する部分が平
面部32aとなっている。これにより、通常は、弾性係
止アーム30の先端側の内面に突起があると、弾性係止
アーム30がアッパーカバー21の外側垂下壁25から
遠ざかる方向に撓んで該弾性係止アーム30の係止孔3
1とアッパーカバー21の外側垂下壁25の係止部28
とが係止し難いが、上記音発生用突起32のように周囲
を円錐面状(略四半球形)に形成すると共にそのアッパ
ーカバー21の外側垂下壁25に当接する部分を平坦部
32aとしたので、弾性係止アーム30の係止孔31と
アッパーカバー21の外側垂下壁25の係止部28とを
正確に係止することができるようになっている。即ち、
通常(突起がない場合)のもの同等の係止強度を得るこ
とができるようになっている。
【0024】また、各弾性係止アーム30の周囲には、
該弾性係止アーム30の外周を囲むようにして弾性変形
規制枠壁33が設けられており、この弾性変形規制枠壁
33によって弾性係止アーム30が所定以上に弾性変形
できないように規制されている。長方形枠状部22aの
互いに対向する外面には一対のサイド側レール34,3
4が突設され、各サイド側レール34は3分割されてい
る。サイド側レール34によってサイドカバー22はア
ンダーカバー23に対してスライド移動で着脱自在とさ
れている。さらに、側面蓋部22bの左右側端には一対
の鍔部35,35と一対の係止突起36,36が設けら
れている。
【0025】図2に示すように、アンダーカバー23
は、被固定部であるエンジンルーム11の内側面に複数
のブラケット部37を介して固定されており、ヘッドラ
イト14が位置する上面とバッテリ13が位置する一側
面とが開口された箱形状を有し、この箱形状の底面壁部
23aはホイールアーチ15との干渉を避ける球面形状
に形成されている。
【0026】アンダーカバー23の左右の側面壁部23
bの内面には、一対のアンダー側レール38,38が略
水平方向に向かって突設されていると共に、一対のアン
ダー側レール38,38の開口側にはレール進入溝39
がそれぞれ形成されている。この一対のレール進入溝3
9,39よりサイドカバー22のサイド側レール34を
進入させ、進入させたサイド側レール34をアンダー側
レール38にスリップ接触状態としてスライドさせるこ
とができる。このスライド移動によりアッパーカバー2
1及びサイドカバー22がアンダーカバー23に対して
カバー装着位置に変移される。逆に、カバー装着位置か
らスライド移動によりアッパーカバー21及びサイドカ
バー22がアンダーカバー23に対して引き出される。
つまり、サイド側レール34とアンダー側レール38と
によって着脱手段が構成されている。また、カバー装着
位置では、アッパーカバー21がアンダーカバー23の
上方開口を、サイドカバー22がアンダーカバー23の
側方開口を共に閉塞することによって接続箱本体16が
略密閉状態でカバー17内に内蔵される。
【0027】さらに、アンダーカバー23の一対の側面
壁部23b,23bで、且つ、側方開口の近傍位置には
サイドカバー22の係止突起36が係止される固定部4
0が設けられており、カバー閉塞位置ではサイドカバー
22の係止突起36が固定部40に固定されることによ
ってロックされる。アンダーカバー23の側面壁部23
bの一方にはハーネス用孔41が形成され、このハーネ
ス用孔41からワイヤーハーネスWの端部側がアンダー
カバー23内に導き入れられている。導き入れられたワ
イヤーハーネスWの端部の図示しないコネクタは接続箱
本体16のコネクタ接続部18に接続されている。
【0028】次に、電気接続箱10を組み付ける手順を
説明する。先ず、図2に示すように、保守面16aが下
方になるようにして接続箱本体16をアッパーカバー2
1の内面側に配置し、接続箱本体16をアッパーカバー
21の内側垂下壁24内に挿入すると、アッパーカバー
21の係止溝27に接続箱本体16の係止突起20が係
止され、これによって電気接続本体16がアッパーカバ
ー21に固定される。
【0029】次に、接続箱本体16を固定したアッパー
カバー21の下方よりサイドカバー22を挿入し、サイ
ドカバー22の長方形枠状部22aの上端をアッパーカ
バー21のサイド上端嵌合溝26内に挿入する。する
と、サイドカバー22の弾性係止アーム30の先端側が
アッパーカバー21の係止部28に当接して外側に弾性
撓み変移し、サイドカバー22の挿入が許容される。図
6(a)に示すように、弾性係止アーム30の係止孔3
1の位置と係止部28の位置が一致するまで挿入する
と、図6(b)に示すように、弾性係止アーム30の先
端側が弾性撓み復帰変移して弾性係止アーム30の係止
孔31に係止部28が係止される。これによりサイドカ
バー22がアッパーカバー21に嵌合される。
【0030】一方、アンダーカバー23を各ブラケット
37を利用してエンジンルーム11の所定位置に固定す
る。アンダーカバー23内にワイヤーハーネスWを導き
入れ、このワイヤーハーネスWの端部のコネクタを接続
箱本体16のコネクタ接続部18に接続する。また、接
続箱本体16の各電装品取付部19に電装品を取り付け
る。各電装品の取り付け作業は、サイドカバー22のス
ライド挿入作業前までに完了していれば良い。
【0031】次に、アンダーカバー23の手前上方位置
よりサイドカバー22等の可動体を図7の矢印A方向に
移動し、サイドカバー22の一対のサイド側レール3
4,34の先端をアンダーカバー23の一対のレール進
入溝39,39より進入させ、一対のサイド側レール3
4,34を一対のアンダー側レール38,38にスライ
ド接触状態とする。そして、サイドカバー22等の可動
体を図7の矢印B方向に押圧してサイドカバー22をア
ンダーカバー23にスライド移動させる。そして、サイ
ドカバー22がカバー装着位置までスライドされると、
サイドカバー22の係止部36がアンダーカバー23の
固定部40に係止され、サイドカバー22がアンダーカ
バー23にロックされる。
【0032】次に、自動車の所定位置に配置された電気
接続箱10のメンテナンス作業の手順を説明する。先
ず、エンジンルーム11内の支持台13に載置されたバ
ッテリ14を上方に引き上げる。次に、図8に示すよう
に、作業者が両手(図8では片手のみ図示)の親指によ
りアンダーカバー23の固定部40を撓ませてロックを
解除し、このロック解除状態で両手の人差し指でサイド
カバー22の一対の鍔部35,35を引出し方向に押圧
する。すると、サイドカバー22がアンダーカバー23
に対してスライド移動し、サイドカバー22等の可動体
をアンダーカバー23より引き出す。引き出したアッパ
ーカバー21を作業者が反転させることにより接続箱本
体16の保守面16aが上方に向き、保守面16aに対
する保守・点検などを作業者が下向き作業にて行うこと
ができる。バッテリ13を元に位置に取り付ければ完了
する。
【0033】以上、この電気接続箱10では、アンダー
カバー23よりアッパーカバー21及びサイドカバー2
2を取り外すと、アッパーカバー21及びサイドカバー
22と共に接続箱本体16が取り外され、取り外したア
ッパーカバー21から接続箱本体16を取り外すことな
く接続箱本体16の保守面16aをメンテナンス作業の
スペースが取れる方向に向けることによりメンテナンス
作業を行うことができる。従って、設置場所としてはア
ンダーカバー23に対してアッパーカバー21とサイド
カバー22及び接続箱本体16の可動体を取り外すスペ
ースがあり、且つ、取り外しスペース自体がメンテナン
ス作業のスペースとなったり、そうでない場合にはその
近くにメンテナンス作業のスペースを確保できる場所が
あれば設置することができ、設置場所の自由度が高く、
しかも、メンテナンス性が良い。また、接続箱本体16
の保守面16aにコネクタ接続部18と電装品取付部1
9とが共に設けられているため、同時にコネクタ接続部
18と電装品取付部部19のメンテナンス作業を簡単且
つ確実に行うことができる。
【0034】そして、図6(a),(b)に示すよう
に、この電気接続箱10のカバー17の嵌合構造では、
嵌合作業時にあって、弾性係止アーム30の係止孔31
の位置と係止部28の位置が一致するまで挿入すると、
弾性係止アーム30の先端側が弾性撓み復帰変移して弾
性係止アーム30の係止孔31に係止部28が係止され
るが、弾性係止アーム30の弾性撓み復帰変移によって
弾性係止アーム30が小さな面積の音発生用突起32の
みを介してアッパーカバー21に突き当たることからア
ッパーカバー21に音が発生する。従って、カバー17
が比較的柔らかい材質で形成される場合や、弾性係止ア
ーム30の撓み剛性が比較的低く形成される場合等にあ
って、係止された感触が得られない場合にあっても、弾
性係止アーム30の係止孔31にアッパーカバー21の
外側垂下壁25の係止部28が係止されたことを作業者
が容易且つ確実に認識することができ、嵌合作業の向上
を図ることができる。
【0035】この弾性係止アーム30の係止孔31にア
ッパーカバー21の外側垂下壁25の係止部28が係止
される際に、音発生用突起32を略四半球形状に一体突
出形成すると共にそのアッパーカバー21の外側垂下壁
25に当接する部分を平坦部32aとしたことにより、
この平坦部32aを介して弾性係止アーム30の係止孔
31とアッパーカバー21の外側垂下壁25の係止部2
8とを正確に係止することができ、通常(突起がない場
合)のものと同等の係止強度を得ることができる。
【0036】前記実施形態では、アッパーカバー21と
サイドカバー22の嵌合状態にあって、サイドカバー2
2の上端部分がアッパーカバー21のサイド上端嵌合溝
26に嵌合されるように構成したので、強固に嵌合され
ると共に、サイドカバー22がアッパーカバー21のサ
イド上端嵌合溝26の途中まで嵌合された状態で嵌合完
了と勘違いされるおそれを容易且つ確実に防止すること
ができる。つまり、このようなカバー嵌合構造では、サ
イドカバー22の上端部分がアッパーカバー21のサイ
ド上端嵌合溝26に嵌合されることから双方のカバー嵌
合状態が強固とされる反面、サイドカバー22の上端部
分がアッパーカバー21のサイド上端嵌合溝26の途中
まで嵌合された状態で嵌合完了と勘違いされるおそれが
あるが、このような勘違いを容易且つ確実に防止するこ
とができる。
【0037】尚、前記実施形態では、電気接続箱10の
カバー17に本発明の嵌合構造を適用したが、本発明は
電気接続箱10以外のカバーにも適用可能である。ま
た、弾性係止アーム30の被係止部は、外面まで貫通す
る係止孔31として構成されているが、被係止部は係止
部28が係止できる形状であれば良く、例えば、弾性係
止アーム30の内面より一段低い段差部(係止溝)にて
形成しても良い。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、弾性係止アームの先端側で、且つ、一方のカバ
ー構成部材に対向する面に音発生用突起を突設したの
で、嵌合作業時にあって、弾性係止アームの被係止部の
位置と係止部の位置が一致するまで近接されると、弾性
係止アームの先端側が弾性撓み復帰変移して弾性係止ア
ームの被係止部に係止部が係止されるが、弾性係止アー
ムの弾性撓み復帰変移によって弾性係止アームの先端側
が小さな面積の音発生用突起を介して一方のカバー構成
部材に突き当たることから一方のカバー構成部材に音が
発生する。従って、カバーが比較的柔らかい材質で形成
される場合や、弾性係止アームの撓み剛性が比較的低く
形成される場合等にあって、係止された感触が得られな
い場合にあっても、弾性係止アームの被係止部に係止部
が係止されたことを作業者が確実に認識することがで
き、嵌合作業の向上を図ることができる。
【0039】請求項2の発明によれば、音発生用突起を
略球形に突設すると共にその一方のカバー構成部材に当
接する部分を平坦部としたので、この平坦部を介して弾
性係止アームの被係止部と一方のカバー構成部材の係止
部とを正確に係止することができる。
【0040】請求項3の発明によれば、カバー構成部材
が電気接続箱のカバーを構成し、一方のカバー構成部材
がアッパーカバーであり、他方のカバー構成部材がサイ
ドカバーであるので、電気接続箱のカバーについて、請
求項1の発明と同様の効果が得られる。
【0041】請求項4の発明によれば、互いのカバー嵌
合状態にあってサイドカバーの上端部分がアッパーカバ
ーのサイド上端嵌合溝に嵌合されるので、強固に嵌合さ
れると共に、一方の上端部分が他方のサイド上端嵌合溝
の途中まで嵌合された状態で嵌合完了と勘違いされるお
それを確実に防止することができる。つまり、このよう
なカバー嵌合構造では、サイドカバーの上端部分がアッ
パーカバーのサイド上端嵌合溝に嵌合されることから双
方のカバー嵌合状態が強固とされる反面、サイドカバー
の上端部分がアッパーカバーのサイドサイド上端嵌合溝
の途中まで嵌合された状態で嵌合完了と勘違いされるお
それがあるが、このような勘違いを確実に防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、電気接続箱の配置
位置を説明するためのエンジンルーム内の要部の斜視図
である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、電気接続箱の分解
斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、接続箱本体とアッ
パーカバーとサイドカバーとの分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、接続箱本体とアッ
パーカバーとの取付状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、アッパーカバーと
サイドカバーとの取付状態を示す要部の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、(a)はアッパー
カバーの係止部とサイドカバーの弾性係止アームとの係
止途中を示す断面図、(b)はアッパーカバーの係止部
とサイドカバーの弾性係止アームとの係止完了状態を示
す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示し、アッパーカバー及
びサイドカバーをアンダーカバーに装着する過程を示す
斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態を示し、アッパーカバー及
びサイドカバーをアンダーカバーから取り外す過程を示
す斜視図である。
【図9】従来例の電気接続箱の分解斜視図である。
【図10】従来例の電気接続箱のカバー嵌合前の断面図
である。
【符号の説明】
10 電気接続箱 16 接続箱本体 17 カバー 21 アッパーカバー(一方のカバー構成部材) 22 サイドカバー(他方のカバー構成部材) 23 アンダーカバー(カバー構成部材) 26 サイド上端嵌合溝 28 係止部 30 弾性係止アーム 31 係止孔(被係止部) 32 音発生用突起 32a 平坦部
フロントページの続き Fターム(参考) 4E360 AA02 AB12 AB32 BA03 BB05 BB13 BC06 EA03 EA18 EB02 FA08 GA07 GA46 5G361 AA06 AB01 AC02 AC04 AC13 AE01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方のカバー構成部材に係止部を突設
    し、他方のカバー構成部材に被係止部を有する弾性係止
    アームを設け、互いのカバー構成部材を近づけると、前
    記弾性係止アームの先端側が前記係止部に当接し弾性撓
    み変移してカバー構成部材間の近接が許容され、前記弾
    性係止アームの前記被係止部の位置と前記係止部の位置
    が一致するまで近接されると、前記弾性係止アームの先
    端側が弾性撓み復帰変移して前記弾性係止アームの前記
    被係止部に前記係止部が係止されるカバーの嵌合構造に
    おいて、 前記弾性係止アームの先端側で、且つ、一方のカバー構
    成部材に対向する面に音発生用突起を突設したことを特
    徴とするカバーの嵌合構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカバーの嵌合構造であっ
    て、 前記音発生用突起を略球形に突設すると共にその前記一
    方のカバー構成部材に当接する部分を平坦部としたこと
    を特徴とするカバーの嵌合構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のカバーの嵌合構造であっ
    て、 前記カバー構成部材は電気接続箱のカバーを構成し、前
    記一方のカバー構成部材は電気接続箱の接続箱本体に取
    り付けられるアッパーカバーであり、前記他方のカバー
    構成部材はサイドカバーであることを特徴とするカバー
    の嵌合構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のカバーの嵌合構造であっ
    て、 互いのカバー嵌合状態にあって前記サイドカバーの上端
    部分が前記アッパーカバーのサイド上端嵌合溝に嵌合さ
    れることを特徴とするカバーの嵌合構造。
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