JP2003243012A - 燃料電池用暖機装置 - Google Patents

燃料電池用暖機装置

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JP2003243012A JP2002038955A JP2002038955A JP2003243012A JP 2003243012 A JP2003243012 A JP 2003243012A JP 2002038955 A JP2002038955 A JP 2002038955A JP 2002038955 A JP2002038955 A JP 2002038955A JP 2003243012 A JP2003243012 A JP 2003243012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温下の車両を駆動するのに際して、燃料電
池の安全性を確保しつつ速やかに暖機できるとともに、
搭載性を良好に保持しつつ各熱利用機器をその種類に応
じて段階的に暖機することができる燃料電池用暖機装置
を提供する。 【解決手段】 燃料電池2に熱交換用の伝熱水3を供給
させる低温時水流路4aと、熱利用機器であるヒータ1
6に熱交換用の伝熱水3を供給させるヒータ用低温時水
流路4bと、水素と酸化剤とを燃焼させる燃焼部を備え
た触媒燃焼器5とを備えている。これらの流路4a、4
bを燃焼器5に対して熱交換可能に設け、かつ、前記流
路4aを前記流路4bより前記燃焼器5の燃焼部に近い
位置に配置することを特徴とする燃料電池用暖機装置1
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素と酸素の電気
化学反応によって発電する燃料電池を加温するための燃
料電池用暖機装置に係り、特に燃料ガスを燃焼させて加
熱した伝熱流体を用いて燃料電池を加熱する燃料電池用
暖機装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の駆動源として、水素と酸素
とを電気化学反応させて発電する燃料電池が注目されて
いる。燃料電池は低温環境下で反応の進行が遅く発電量
が少ないため、低温環境下の燃料電池を一定温度まで加
熱する必要があり、燃料電池を加熱するために燃料電池
用暖機装置が提案されている。例えば、特開2000−
164233号公報に示されているように、冷却水(不
凍液)の循環流路中に燃焼器を設け、この燃料器に導入
された燃料ガスを燃焼させて冷却水を加熱するととも
に、この燃焼させた燃焼ガスを燃料ガス供給経路または
酸化剤ガス供給経路に供給することにより、燃料電池を
加熱するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼ガ
スを燃料電池に直接導入すると、燃料電池を急速に暖機
できるが、燃焼ガスの温度変化が急激であるため、燃料
電池を適切な温度に保つのが難しいという問題があっ
た。また、燃焼ガスを燃料電池に供給すると、燃焼ガス
に含まれる成分が燃料電池の電解質膜に対して悪影響を
与えるおそれもある。また、燃焼ガス中に残存する水素
(または酸素)が、燃料電池の酸素極側(または水素極
側)に導入されてしまい、発電量が低下するおそれがあ
るという問題があった。
【0004】加えて、車両には燃料電池以外にも様々な
熱利用機器が搭載されているが、これらの熱利用機器は
その種類に応じて好適な温度が異なる。しかし、熱利用
機器のそれぞれに対して温度調整機構を設けると設備が
大型化するため、搭載性が悪化するという問題があっ
た。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、低温下で燃料電池を速やかに暖機できるとと
もに、搭載性を良好に保持しつつ各熱利用機器をその種
類に応じた好適な温度で暖機することができる燃料電池
用暖機装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、燃料電池(例えば、後
述する実施の形態における燃料電池2)に熱交換用の伝
熱流体(例えば、後述する実施の形態における伝熱水
3)を供給させる燃料電池用流体流路(例えば、後述す
る実施の形態における低温時水流路4a)と、熱利用機
器(例えば、後述する実施の形態におけるヒータ16,
水素タンク31)に熱交換用の伝熱流体を供給させる熱
利用機器用流体流路(例えば、後述する実施の形態にお
けるヒータ用低温時水流路4b、循環流路32)と、水
素と酸化剤とを燃焼させる燃焼部を備えた燃焼器(例え
ば、後述する実施の形態における触媒燃焼器5)とを備
え、これらの燃料電池用流体流路と熱利用機器用流体流
路とを燃焼器に対して熱交換可能に設け、かつ、前記燃
料電池用流体流路を前記熱利用機器用流体流路より前記
燃焼器の燃焼部に近い位置に配置することを特徴とする
燃料電池用暖機装置(例えば、後述する実施の形態にお
ける燃料電池用暖機装置1)である。
【0007】この発明によれば、前記水素は酸化剤(例
えば、酸素を含む空気)とともに燃焼器の燃焼部に供給
され、該燃焼部で燃焼する。前記燃焼部で発生した燃焼
熱は、前記燃料電池用流体流路の伝熱流体と熱利用機器
用流体流路の伝熱流体にそれぞれ伝達され、これらの伝
熱流体を加熱する。上述したように、前記燃料電池用流
体流路が前記熱利用機器用流体流路よりも前記燃焼器の
燃焼部に近い位置に配置されているため、前記燃料電池
用流体流路の伝熱流体が、前記熱利用機器用流体流路の
伝熱流体よりも優先的に加熱される。このため、低温時
の燃料電池を速やかに暖機して、所望の出力を得られる
ようにできるとともに、前記熱利用機器もその種類に応
じた好適な温度で暖機することができる。また、燃料電
池や熱利用機器を単一の燃焼器で暖機することができる
ため、装置の小型化が図られる。加えて、燃料電池に燃
焼ガスを直接導入せずに、燃焼器で熱交換した伝熱流体
により燃料電池を暖機するため、燃料電池に対する安全
性を確保しつつ暖機することができる。
【0008】請求項2に記載した発明は、前記燃焼器の
燃焼部は、前記燃料電池の水素排出経路(例えば、後述
する実施の形態における水素ガス排出経路7)に接続さ
れていることを特徴とする燃料電池用暖機装置である。
【0009】この発明によれば、燃料電池から排出され
る未反応の水素ガスが前記燃焼器に供給されるため、こ
の未反応の水素ガスを燃焼部で燃焼させて燃料電池や熱
利用機器の暖機に寄与させることができる。
【0010】請求項3に記載した発明は、前記燃焼器の
燃焼部は、前記燃料電池の水素供給経路(例えば、後述
する実施の形態における水素ガス供給経路8)に接続さ
れていることを特徴とする燃料電池用暖機装置である。
【0011】この発明によれば、前記燃料電池から排出
される水素ガスに加え、燃料電池に供給される前の水素
ガス供給経路中の水素ガスも前記燃焼器に導入して燃焼
させることができるため、伝熱流体をより短時間で加熱
することができ、低温下の燃料電池をより短時間で暖機
することができる。
【0012】請求項4に記載した発明は、前記燃料電池
に供給する水素を貯蔵する水素タンク(例えば、後述す
る実施の形態における水素吸蔵タンク31)が前記熱利
用機器を構成し、該水素タンクが前記熱利用機器用流体
流路(例えば、後述する実施の形態における循環流路3
2)上に設けられていることを特徴とする燃料電池用暖
機装置(例えば、後述する実施の形態における燃料電池
用暖機装置30)である。
【0013】この発明によれば、前記水素タンクから水
素ガスを供給する際には吸熱を伴うが、前記熱利用機器
用流体流路中の伝熱流体により前記水素タンクを暖機す
ることができるため、水素タンクから放出した熱量を補
うことができる。このため、前記水素タンクが低温の場
合においても、水素ガスを連続的に安定して供給でき、
燃料電池に充分な量の水素を供給することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態における
燃料電池用暖機装置を図面と共に説明する。図1は本発
明の第1の実施の形態における燃料電池用暖機装置1を
示す概略構成図である。前記燃料電池用暖機装置1は車
両に搭載され、この車両に駆動源として搭載された燃料
電池2を暖機するためのものである。本実施の形態にお
ける燃料電池2は、固体高分子型(PEM型)の燃料電
池である。前記燃料電池2は、アノード電極とカソード
電極(いずれも図示せず)とを備えており、アノード電
極に燃料ガス(例えば水素)が供給されるとともに、カ
ソード電極に酸化剤ガス(例えば酸素を含む空気)が供
給され、水素および酸素の電気化学反応によって発電す
る。
【0015】前記燃料電池2への水素の供給源として水
素タンク10が設けられている。この水素タンク10は
水素ガス供給経路8を介して前記燃料電池2に接続さ
れ、燃料電池2のアノード電極に水素ガスを供給する。
また、前記燃料電池2には前記アノード電極を通過した
水素ガスを排出するための水素ガス排出経路7が接続さ
れている。なお、前記燃料電池2には、カソード電極へ
の酸素の供給源や供給経路、またカソード電極からの酸
素の排出経路が接続されているが、これらについては図
示と説明を省略する。
【0016】前記燃料電池2には、伝熱流体としての伝
熱水3が流通する循環流路4が接続され、該循環流路4
を介して前記燃料電池2に伝熱水3が流入し、かつ流出
する。前記循環流路4上には切替バルブV1〜V5が設
けられ、これらの切替バルブV1〜V5により、伝熱水
3の流通経路が低温時水流路4a、4bまたは通常時水
流路4a’、4b’に切り替えられる。これらの切替バ
ルブV1〜V5には、制御装置(ECU、図2参照)1
1が接続され、該制御装置11からの制御信号により切
替バルブV1〜V5の切替制御を行っている。前記循環
流路4(4a、4a’、4b、4b’)については詳細
を後述する。
【0017】そして、燃料電池用暖機装置1には、水素
ガスを燃焼させる触媒燃焼器5が設けられている。前記
触媒燃焼器5は、セラミックハニカム上に酸化触媒(例
えば白金)を担持したものである。前記触媒燃焼器5に
水素を導入する水素ガス導入路6は、前記燃料電池2の
水素ガス排出経路7に接続しているとともに、前記水素
ガス供給経路8に流量制御弁9を介して接続している。
この流量制御弁9は前記制御装置11に接続され、前記
制御装置11からの制御信号により前記水素ガス供給経
路8から前記水素ガス導入路6に流入する水素の流量を
制御できるようにしている。また、前記水素ガス排出経
路7には、流量測定器(FI)14が設けられ、該流量
測定器14により前記水素ガス排出経路7中の水素流量
を測定できるようにしている。この流量測定器14は、
前記制御装置11に接続しており、測定した水素流量を
前記制御装置11に送信可能としている。
【0018】前記水素導入路6には混合部12が設けら
れており、該混合部12には空気を導入するための空気
導入路13が接続されている。この混合部12にて水素
が空気と混合されることで触媒燃焼器5に供給される水
素の濃度が調整される。これにより、触媒燃焼器5に急
激に多量の水素が供給され、水素が充分燃焼しないまま
触媒燃焼器5を通過し(吹き抜け)たりすることを防止
できる。前記触媒燃焼器5は前段側に燃焼部5aを有
し、この燃焼部5aにて水素を燃焼させる。このため、
水素燃焼時には触媒燃焼器5の前段側の方が後段側より
も高い温度になる。そして、前記触媒燃焼器5の後段側
には熱交換部15a、15bを有している。これについ
ては詳細を後述する。混合ガス中の水素は前記触媒燃焼
器5内で燃焼した後、排出路18から外部に排出され
る。
【0019】以下、伝熱水3の流路である循環流路4に
ついて説明する。前記循環流路4は燃料電池2が低温始
動時に伝熱水3が流入する低温時水流路4aと、熱利用
機器であるヒータ16へ伝熱水3が流入するための低温
時水流路4bと、燃料電池2が通常運転時に伝熱水3が
流入する通常時水流路4a’および通常時水流路4b’
から構成される。
【0020】伝熱水3が燃料電池2から排出された直後
の循環流路4には温度センサT1が接続されており、該
温度センサT1により前記燃料電池2から排出されて循
環流路4を流れる伝熱水3の温度TFCOUTを測定できる
ようにしている。前記循環流路4は、切替バルブV1に
よって触媒燃焼器5の燃焼部15bを流通する低温時水
流路4bと、該燃焼部15bを迂回する通常時水流路4
b’のいずれかに切り替えられ、燃料電池2から排出さ
れた伝熱水3はこのいずれかの流路に流入する。低温時
水流路4bおよび通常時水流路4b’はその後切替バル
ブV2のところで合流する。
【0021】そして、切替バルブV2を通過した伝熱水
3は熱利用機器である車両の室内空調用のヒータ16と
熱交換する構成となっている。ヒータ16と熱交換した
後の伝熱水3は、切替バルブV3によって切替可能に構
成された、ラジエータ17を迂回する流路、またはラジ
エータ17と熱交換する流路のいずれかに流入し、該ラ
ジエータ17を通過した伝熱水3は冷却される。その後
これらの流路は切替バルブV4で合流し、該切替バルブ
V4によって触媒燃焼器の熱交換部15aに通流する低
温時水流路4aおよび、該熱交換部15aを迂回する通
常時水流路4a’とに切り替えられる。低温時水流路4
aおよび通常時水流路4a’は切替バルブV5で合流
し、燃料電池2へ戻る還流路となっている。切替バルブ
V5と燃料電池2との間には温度センサT2が接続され
ており、該温度センサT2により前記燃料電池2に供給
される伝熱水3の温度TFCINを測定できるようにしてい
る。前記温度センサT1と前記温度センサT2とはそれ
ぞれ制御装置11に接続され、これらのセンサT1、T
2で測定した温度TFCOUT、TFCINを送信できるように
している。
【0022】図2は、図1の燃料電池用暖機装置1が備
える制御装置11の制御処理を示す説明図である。前記
制御装置11は、上述したように、水素の流量測定器1
4、温度センサT1、T2、切替バルブV1〜V5に接
続し、これらの機器で測定した水素ガス排出経路7中の
反応残水素量(電気化学反応後の水素ガス中に残存する
水素量)、燃料電池2に供給される伝熱水の温度
FCIN、排出される伝熱水の温度TFCOUTがそれぞれ入
力される。制御装置11は、入力されたこれらの測定値
に基づいて切替バルブV1〜V5を切り換えて制御して
伝熱水3の流路を制御するとともに、流量制御弁9を制
御して前記水素ガス供給経路8から供給される水素の流
量を調整する。このようにして、前記制御装置11は、
触媒燃焼器5に供給され、燃焼する水素の流量が所定の
値となるように制御を行う。
【0023】図3は、図1の燃料電池用暖機装置1の工
程図である。まず、ステップS100に示すように、燃
料電池2に水素や空気を供給して発電を開始させる。具
体的には、水素タンク10に蓄えられた水素を水素ガス
供給経路8を介して燃料電池2のアノード電極に供給す
る。同様にして、酸素を含む空気を酸化剤ガス供給経路
(図示せず)を介して燃料電池2のカソード電極に供給
する。そして、ステップS102に示すように、循環流
路4に伝熱水(冷却水)3の循環を開始させる。初期段
階では、伝熱水3が循環流路4の通常時水流路4a’、
4b’、ラジエータ17と熱交換する流路を流通するよ
うに、前記制御装置11により切替バルブV1〜V5が
制御されている。
【0024】これにより、伝熱水3の流路は、燃料電池
2下流側で切替バルブV1に合流する。次に、前記切替
バルブV1下流側で分岐した前記通常時水流路4b’を
介して、触媒燃焼器5を迂回するようにして切替バルブ
V2に合流する。前記切替バルブV2下流側の熱利用機
器であるヒータ16用の熱交換部を介し、切替バルブV
3に合流する。そして、前記切替バルブV3下流側で分
岐した流路を介し、ラジエータ17を通って切替バルブ
V4に合流する。それから、切替バルブV4下流側の前
記通常時水流路4b’を介して触媒燃焼器5を迂回する
ようにして切替バルブV5に合流する。そして、切替バ
ルブV5を介して燃料電池2に合流する。
【0025】次に、ステップS104に示すように、燃
料電池2の水素ガス供給経路(燃料配管)8が凍結によ
り閉塞しているかどうかを判定する。凍結(閉塞)して
いない場合(判定結果がNOの場合)には、後述するス
テップS112の処理に進む。凍結(閉塞)している場
合(判定結果がYESの場合)には、ステップS106
に示すように、制御装置11により流量制御弁9を開い
て、水素タンク10の水素を触媒燃焼器5に供給する。
そして、ステップS108に示すように伝熱水3の循環
流路4が触媒燃焼器5の熱交換部15aおよび15bを
流通するように(伝熱水3が低温時水流路4a、4bを
通るように)切替バルブV1、V2、V4、V5を制御
する。その後、ステップS110に示すように伝熱水3
の循環流路4をラジエータ17で冷却しないように、ラ
ジエータ17を迂回させるよう制御装置11で切替バル
ブV3を制御する。
【0026】このとき伝熱水3の流路は、燃料電池2下
流側で切替バルブV1に合流する。次に、前記切替バル
ブV1下流側で分岐した前記低温時水流路4bを介し
て、触媒燃焼器5内に設けられた触媒燃焼器の熱交換部
15bを貫通するようにして切替バルブV2に合流す
る。前記切替バルブV2下流側の熱利用機器であるヒー
タ16を介し、切替バルブV3に合流する。そして、前
記切替バルブV3下流側で分岐した流路を介し、ラジエ
ータ17を迂回するようにして切替バルブV4に合流す
る。それから、切替バルブV4下流側の前記低温時水流
路4aを介して触媒燃焼器5の熱交換部15aを貫通し
て切替バルブV5に合流する。そして、切替バルブV5
を介して燃料電池2に合流する。
【0027】そして、上述したステップS104の処理
に戻って再度判定を行い、燃料配管8の閉塞が無くなる
まで上述した一連の処理を繰り返す。なお、酸化剤ガス
供給経路(図示せず)が閉塞している場合にも、同様の
処理を行う。
【0028】ステップS112の処理では、前記温度セ
ンサT1、T2により伝熱水3の温度TFCIN、TFCOUT
を計測する。そして、ステップS114に示すように、
制御装置11により伝熱水の温度TFCOUT、TFCINが所
定値以上かどうかを判定する。判定結果がYESの場合
には、制御装置11は車両外部が通常状態と判断して、
伝熱水3の流路をステップS102の場合と同様に(触
媒燃焼器5を迂回するように)して、一連の始動処理を
終了する。
【0029】判定結果がNOの場合には、制御装置11
は燃料電池2が低温状態であると判定して、ステップS
116に示すように、触媒燃焼器5で伝熱水3を加熱す
るように循環流路4を設定する。このときの伝熱水3の
流路は、ステップS108の場合と同様である。そし
て、ステップS118に示すように、ラジエータ17を
迂回するように循環流路4を設定する。このときの伝熱
水3の流路は、ステップS110の場合と同様である。
そして、ステップS112の処理に戻り、上述した工程
を繰り返す。
【0030】上述のようにしたため、低温下で燃料電池
2を作動させる際に、燃料電池2に供給される水素ガス
は、その大部分が発電に寄与せずに燃料電池2から未反
応のまま水素排出ガス排出経路7中に排出されるが、こ
の排出された水素ガスが前記水素ガス導入路6を介して
触媒燃料器5内に導入され、該触媒燃料器5内で燃焼す
る。前記触媒燃焼器5は前記循環流路4上に設けられて
いるため、水素ガスの燃焼熱で伝熱水3を加熱すること
ができ、この伝熱水3により燃料電池2が暖機される。
そして、燃料電池2が暖機されるに従って燃料電池2で
の水素の反応量が増大し、また燃料電池2での電気化学
反応は発熱を伴うため、燃料電池2の温度上昇はさらに
促進される。このように、燃料電池2に供給された未反
応の水素ガスにより燃料電池2の暖機を行うため、水素
ガスを無駄に排出することがなく、エネルギー効率を高
めることができる。
【0031】また、本実施の形態においては、前記制御
装置11により触媒燃焼器5内で燃焼される燃焼水素量
が所定の一定量となるように、前記制御弁9を制御す
る。図4は図1の触媒燃焼器に流入する水素流量と燃料
電池温度との関係を示すグラフである。同図に示したよ
うに、燃料電池2の温度上昇により反応が進行して排出
される水素の量が減少しても、前記制御弁9により燃料
電池2へ供給される水素の一部が触媒燃焼器5内に導入
され、確実に所定の量の水素を導入させるため、燃料電
池2が所定の温度になるまで暖機を確実に行うことがで
きる。このため、エネルギー効率を高めることができ
る。
【0032】また、前記燃料電池2用の低温時用水流路
4aが前記ヒータ16の低温時用水流路4bよりも前記
燃焼器5の燃焼部5aに近い位置に配置されているた
め、前記低温時用水流路4aの伝熱水3が、低温時水流
路4bの伝熱水3よりも優先的に加熱される。このた
め、低温時の燃料電池2を速やかに暖機して、所望の出
力を得られるようにできるとともに、前記ヒータ16も
その種類に応じた好適な温度で暖機することができる。
また、燃料電池2や熱利用機器であるヒータ16を単一
の触媒燃焼器5で暖機することができるため、装置の小
型化が図られる。更に、燃料電池用の循環流路4aを加
熱した後の燃焼ガスの熱を有効利用することができる。
加えて、燃料電池2に燃焼ガスを直接導入せずに、燃焼
器5で熱交換した伝熱水3により燃料電池2を暖機する
ため、燃料電池2に対する安全性を確保しつつ暖機する
ことができる。また、燃料電池2を加熱した伝熱水3を
更に熱交換部15bで加熱することによって伝熱水3の
熱を有効利用することができる。
【0033】次に、第2の実施の形態の燃料電池用暖機
装置30について説明する。なお、本実施の形態におい
て前の実施の形態の部材に対応する部材については、同
一の符号を付して適宜その説明を省略する。図5は本発
明の第2の実施の形態における燃料電池用暖機装置30
を示す概略説明図である。図6は図5の水素吸蔵タンク
(MHタンク)31を示す拡大図である。本実施の形態
においては、燃料電池2への水素供給源として、水素吸
蔵タンク(MHタンク)31を用いている。前記水素吸
蔵タンク31は、内部に伝熱水33が流通する循環流路
32により貫通され、該循環流路32中の伝熱水33に
より伝熱される。前記循環流路32は、前記触媒燃焼器
5内の熱交換部15c内を貫通し、触媒燃焼器5内の水
素の燃焼熱により加熱される。
【0034】これにより、燃料電池2を暖機するのと並
行して、水素吸蔵タンク31が加熱される。前記水素吸
蔵タンク31から水素ガスを放出する際には吸熱を伴う
が、前記循環流路32中の伝熱水33により前記水素吸
蔵タンク31を暖機することができるため、水素吸蔵タ
ンク31から放出した熱量を補うことができる。このた
め、前記水素吸蔵タンク31が低温の場合においても、
水素ガスを連続的に安定して供給でき、燃料電池2や触
媒燃焼器5に充分な量の水素を供給することができる。
よって、燃料電池2の始動を早めることができる。
【0035】また、本実施の形態において、触媒燃焼器
5は、第1の実施の形態における燃料電池用の低温時水
流路4aとの熱交換部15a、ヒータ16用の低温時水
流路4bとの熱交換部15bに加え、水素吸蔵合金用の
循環流路32との熱交換部15cを備えている。このた
め燃料電池用の暖機装置の小型化および燃焼ガスの保持
する熱の有効利用を図ることができる。
【0036】図7は図5の触媒燃焼器に流入する水素流
量と燃料電池温度との関係を示すグラフである。このよ
うに、燃料電池2の温度により暖機に必要となる燃料水
素量が異なる点を考慮して、前記燃焼水素量の所定の値
を設定したため、より効率的に燃料電池2の暖機を行う
ことができる。
【0037】以上の実施の形態においては、伝熱流体と
して、伝熱水を用いた場合について説明したが、伝熱水
は純水または不凍液などの液体であってもよく、さらに
はガスであってもよい。また、水素タンクとして水素吸
蔵合金を収納した例を紹介したが、圧縮した水素を貯蔵
する高圧水素タンクを使用することもできる。この場合
高圧水素タンクから水素を放出する際に膨張によって熱
を奪うが、その熱を触媒燃焼熱によって補うことができ
る。
【0038】また、実施の形態においては、未反応の水
素と水素供給経路中の水素とを触媒燃焼器に供給した
が、水素パージを行う場合には、このパージした水素を
触媒燃焼器に供給してもよい。また、第2の実施の形態
においては、熱利用機器のうち、室内用ヒータが水素吸
蔵タンクよりも優先的に加熱されるように伝熱水の流路
を配置したが、この順番はこれに限ったものではなく、
熱利用機器の必要な熱量に応じて適宜変更することがで
きる。
【0039】また、未反応の水素のみで燃料電池2の暖
機をしてもよい。この場合には、燃料電池2が充分に暖
機されたときには、未反応のまま排出される水素の流量
は略一定に収束し、これにより伝熱水を加熱する熱量も
略一定に保持される。燃料電池2は発電によりさらに発
熱するため、燃料電池2の暖機に使用していた伝熱水
を、そのまま冷却媒体として使用することができる。他
にも発明の要旨を逸脱しない範囲での変更を行ってもよ
いことはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、低温時の燃料電池を速やかに暖機し
て、所望の出力を得られるようにできるとともに、前記
熱利用機器もその種類に応じた好適な温度で暖機するこ
とができる。また、装置の小型化が図られ、燃料電池に
対する安全性を確保しつつ暖機することができる。
【0041】請求項2に記載した発明によれば、燃料電
池から排出される未反応の水素ガスを無駄に外部に放出
することなく利用できるため、エネルギー効率を高める
ことができる。特に、低温下で燃料電池を作動させる際
には、前記未反応の水素ガスの量が多いため、水素の利
用効率を高めることができる。
【0042】請求項3に記載した発明によれば、燃料電
池に供給される伝熱流体をより短時間で加熱することが
でき、低温下の燃料電池をより短時間で暖機することが
できる。
【0043】請求項4に記載した発明によれば、前記水
素タンクが低温の場合においても、水素ガスを連続的に
安定して供給でき、燃料電池に充分な量の水素を供給す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1の実施の形態における燃
料電池用暖機装置を示す概略構成図である。
【図2】 図1の燃料電池用暖機装置が備える制御装置
(ECU)の制御処理を示す説明図である。
【図3】 図1の燃料電池用暖機装置の工程図である。
【図4】 図1の触媒燃焼器に流入する水素流量と燃料
電池温度との関係を示すグラフである。
【図5】 図5は本発明の第2の実施の形態における燃
料電池用暖機装置を示す概略説明図である。
【図6】 図5の水素吸蔵タンク(MHタンク)を示す
拡大図である。
【図7】 図5の触媒燃焼器に流入する水素流量と燃料
電池温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料電池用暖機装置 2 燃料電池 3 伝熱水(冷却水) 4 循環流路 5 触媒燃焼器 6 水素ガス導入路 7 水素ガス排出経路 8 水素ガス供給経路 9 流量制御弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池に熱交換用の伝熱流体を供給さ
    せる燃料電池用流体流路と、熱利用機器に熱交換用の伝
    熱流体を供給させる熱利用機器用流体流路と、水素と酸
    化剤とを燃焼させる燃焼部を備えた燃焼器とを備え、 これらの燃料電池用流体流路と熱利用機器用流体流路と
    を前記燃焼器に対して熱交換可能に設け、かつ、前記燃
    料電池用流体流路を前記熱利用機器用流体流路より前記
    燃焼器の燃焼部に近い位置に配置することを特徴とする
    燃料電池用暖機装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼器の燃焼部は、前記燃料電池の
    水素排出経路に接続されていることを特徴とする請求項
    1に記載の燃料電池用暖機装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼器の燃焼部は、前記燃料電池の
    水素供給経路に接続されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の燃料電池用暖機装置。
  4. 【請求項4】 前記燃料電池に供給する水素を貯蔵する
    水素タンクが前記熱利用機器を構成し、該水素タンクが
    前記熱利用機器用流体流路上に設けられていることを特
    徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料
    電池用暖機装置。
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