JP2004234999A - 移動体用燃料電池システム - Google Patents

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康弘 沼尾
Yasukazu Iwasaki
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Abstract

【課題】熱交換器を有する燃料電池システムに関し、起動時に熱交換器内の発生応力を低減する電池システムを提供する。
【解決手段】燃料又は空気を含有する高温流体の供給源(3)と、高温流体が通過する流路を有する熱交換器(30)と、前記熱交換器(30)に前記高温流体を流す高温流体流路(11)と、前記高温流体流路(11)に燃料又は空気を導入する手段(7、12、50)とを具備し、前記熱交換器内の高温流体の流路(33)の下流部分(16)に燃料を燃焼させる燃焼触媒(40)を設け、前記熱交換器内の温度を平均化することを特徴とする燃料電池システムを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器を有する燃料電池システム及びその起動方法に関し、特に燃料電池自動車などの移動体に搭載する燃料電池システム及びその起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等の移動体の動力源の中で、環境の観点から望ましいものとして、高効率の燃料電池が挙げられる。移動体用の燃料電池として有力と目されている固体高分子電解質型の燃料電池は一般に水素と酸素を用いて発電を行う。
【0003】
移動体用の燃料電池の燃料となる水素は、大きくわけて2種類の供給方法がある。ひとつは高圧水素タンクや吸蔵合金、水素化ホウ素ナトリウム等の貯蔵媒体から直接純水素を供給する場合である。もうひとつは、いわゆる改質型と呼ばれるものであり、天然ガス、アルコール、ガソリン等の燃料を改質して水素を発生させて供給する。
【0004】
後者の、改質したガスを燃料電池スタックに供給する改質器を持つ移動体用燃料電池システムでは、熱のマネジメントが重要になる。改質システム内で余った熱をラジエーター等で放出するとその分、効率が落ちる。ただし、熱が余らないように温度を下げれば良いわけではなく、改質システム中の改質反応器、シフト反応器、一酸化炭素選択酸化反応器などの反応器に適した温度域があるので、これを考慮する必要がある。このため、改質システムには、反応器自体又は反応器に流入するガスの温度調節の目的から種々の熱交換器が用いられることがある。移動体用の燃料電池システムでは速やかな始動が要求されるので、燃料電池システム中に設置される熱交換器も速やかに起動することが望ましい。
【0005】
従来の燃料電池システムとして、始動時に、リーン燃焼(理論空燃比より空燃比が高い燃焼)で燃焼させた加熱用燃焼ガスを熱交換器型改質器に供給する供熱装置を有するものがある。この燃料電池システムは、起動工程の初期には該供熱装置において通常運転時より高い空燃比を採用する。これによりシステム要素のバランスのとれた昇温を行い、迅速な昇温を達成することができるとしている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
一方、従来の燃料電池システムには、始動時に、リッチ燃焼(理論空燃比より空燃比が低い燃焼)でメタノールを触媒燃焼し熱交換により改質器に供給する燃料を加熱蒸発する触媒付熱交換器(触媒付燃料蒸発器)を有するものがある。この燃料電池システムでは、外気温が低い場合でも、熱交換器を速やかに始動できる(例えば、特許文献2参照)。この触媒付熱交換器において、始動時に、触媒燃焼可能な温度が低い水素の触媒燃焼熱でフィン表面の触媒温度を上昇させ、メタノールの触媒燃焼可能な温度に達したら、メタノールを燃焼させる。
【0007】
【特許文献1】
特開平07−267604号公報
【特許文献2】
特開2000−220805号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一方、移動体の駆動システムとして燃料電池システムを考える場合、定置用の燃料電池システムとは異なり、運転、停止が頻繁であることからも起動に関わる耐久性は重要である。改質システムの急速な起動時において、熱交換器も急速に起動することとなり、熱交換器の上流と下流部分で大きな温度勾配がつく。これにより熱交換器内に応力が発生し、熱交換器の耐久性に悪影響を与える可能性がある。
【0009】
前記特開平07−267604では、リーン燃焼ガスによる熱交換器の暖機が行われ、また、特開2000−220805号では、メタノールの酸化触媒によるリッチ燃焼もしくは水素の酸化触媒燃焼による発熱での熱交換器の暖機が行われる。いずれも1つの熱源による加熱による暖機方法で、熱交換器内の応力低減の面では改善の余地があった。
【0010】
上記の問題を鑑み、本発明は、熱交換器を有する燃料電池システムに関し、起動時に熱交換器内の発生応力を低減する電池システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池システムは、燃料を含有する高温流体の供給源と、前記高温流体が通過する流路を有する熱交換器と、前記熱交換器に前記高温流体を流す高温流体流路と、前記高温流体流路に空気を導入する手段とを具備し、前記熱交換器内の高温流体の流路の下流部分において、前記熱交換器内の温度を平均化するために燃料を燃焼させる燃焼触媒が設けられる。
【0012】
或いは、本発明の燃料電池システムは、空気を含有する高温流体の供給源と、前記高温流体が通過する流路を有する熱交換器と、前記熱交換器に前記高温流体を流す高温流体流路と、前記高温流体流路に燃料を導入する手段とを具備し、前記熱交換器内の高温流体の流路の下流部分において、前記熱交換器内の温度を平均化するために燃料を燃焼させる燃焼触媒が設けられる。
【0013】
【作用・効果】
高温ガスを通気しながら熱交換器の暖機を行う燃料電池システムにおいて、熱交換器前段の加熱流体流路(高温ガス流路)に燃料および/または空気を導入する手段を設け、熱交換器内の加熱流体流路の下流部分に燃焼触媒を設けている。このため、高温のガスで熱交換器を暖機する場合、上流と下流で温度差が生じ上流側で高温となり下流側で低温となる。このため温度差による応力が発生するが、熱交換器の下流部分に燃焼触媒を設けたので、熱交換器の上流部分と下流部分の2つの領域からの暖機ができるため、前記の応力を下げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
まず、図1−図3を参照して、第一実施形態について説明する。図1は熱交換器を有する燃料電池システムの主要部分の構成を示しており、熱交換器については分解斜視図を示す。
【0016】
まず、図1を参照して燃料電池システムを説明する。燃料電池システムは、起動のための高温ガスを発生させる起動用燃焼器3を有し、起動用燃焼器3は燃料の供給源(図示せず)から燃料を供給され、空気の供給源(図示せず)から空気を供給される。起動用燃焼器3への燃料の流量は、起動用燃焼器3に燃料を噴射する燃料噴射装置などの流量調整装置5により調整される。起動用燃焼器3への空気の流量は、流量制御バルブなどの流量調整装置6により調整される。起動用燃焼器3は、リーン燃焼を行う場合は空気を含有する高温流体を供給し、リッチ燃焼を行う場合は燃料を含有する高温流体を供給し、燃料と空気のうちの少なくとも一方を含有する高温流体の供給源として機能することになる。流量調整装置5、6は、コントローラ50からの指令信号に応じて動作可能である。また、起動用燃焼器3は点火プラグ8を有し、点火プラグ8は、コントローラ50からの指令信号に応じて点火動作を行う。
【0017】
起動用燃焼器3で発生した高温燃焼ガスは、高温の加熱流体として流路11を通り、熱交換器30の加熱流体入口13によりプレートフィン型の熱交換器30に導入される。燃焼ガスは、熱交換器30の加熱流体流路33を通過しその熱を熱交換器に与え、温度の下がったガスを熱交換器30の加熱流体出口14より排出する。熱交換器30の入口側に温度センサ41、出口側に温度センサ42が設置されている。温度センサ41は入口温度TC1を検出し、温度センサ42は出口温度TC2を検出し、これら温度に対応する信号が各センサからコントローラ50に入力される。なお、温度センサ42が検出する出口温度TC2は、直接的に検出した燃焼触媒40の温度であってもよく、燃焼触媒40の温度の目安を与えるものである。
【0018】
また、図1の前面(手前)部分は、加熱流体流路33での熱交換器30の断面部分を示していて、熱交換器30内の加熱流体流路33の下流部分16に燃焼触媒40が担持されている。熱交換器30内の加熱流体流路33の上流部分15には、燃焼触媒40は設けない。なお、ここで、熱交換器30内の加熱流体流路33を、流れの方向に関して上流側と下流側の二つの部分に分割した場合に、上流側の部分を上流部分と下流側の部分を下流部分と呼んでいる。上流部分と下流部分の面積比率は、熱反応器30の構造に応じて様々に設定可能であるが、第一実施形態では1:1程度にしており、加熱流体流路33の入口13より出口14に近い部分を下流部分16とし、加熱流体流路33の出口14より入口13に近い部分を上流部分15とする。
【0019】
流路12は燃料を燃焼ガスの流路11へ導入する流路であり、燃焼触媒40で熱を発生させる燃料が流路12から燃焼ガスの流路11へ導入される。なお、流路12は、空気を燃焼ガスの流路11へ導入する流路として設けてもよく、この場合には燃焼触媒40で発生する熱量を流路12から導入する空気量で調整可能である。流路12には、電子制御可能な流量制御バルブや噴射バルブなどの流量調整装置7が設置されている。流量調整装置7はコントローラ50からの指令信号に応じて動作可能である。なお、被加熱流体(低温流体)については図の破線矢印で示す上下方向に、被加熱流体流路35を流れる。
【0020】
コントローラ50は、互いにバスを介して結合されている中央演算装置 (CPU)、読み出し専用メモリ (ROM) 、ランダムアクセスメモリ (RAM) 及び入出力インタフェース (I/O インタフェース) 等から構成されており、温度センサ41で検出される温度TC1と温度センサ42で検出される温度TC2が入力される。
【0021】
次に、図2と図3を参照して、第一の実施形態の起動制御について説明する。図2は起動時にコントローラ50が実行する制御ルーチンを説明するフローチャートである。ただし、図2の制御ルーチンは、起動用燃焼器3がリーン燃焼を行い、リーンな燃焼ガスにより熱交換器30の暖機を行う場合に対応する。なお、通常、燃焼触媒40においても、燃料が燃え残らないように空気が燃料に対して過剰となるリーン燃焼が行われる。
【0022】
最初に熱交換器30の入口温度TC1および出口温度TC2を読込む(ステップS11)。次に、熱交換器30の暖機が必要かどうかを判断するために温度TC1が目標温度TS1未満であるか否か判断する(ステップS12)。停止後のすぐの起動で、温度が下がっておらず、必ずしも暖機が必要でない場合もあるためである。ここでNOであれば暖機は行わない。YESであれば次に燃焼触媒が、燃焼能力を持っているかどうかを判断するために、出口温度TC2が、所定温度TL未満であるか否か判断する(ステップS13)。ここで、所定温度TLは燃焼触媒40の活性化温度近傍の温度であってよい。ここでNOであれば、燃焼触媒40が、燃焼能力を持っていると判断し、燃焼触媒40の暖機のためのステップを省略し、ステップS16に飛ぶ。ステップS13でYESであれば、燃焼触媒40が、燃焼能力を持っていないと判断し、燃焼触媒30の暖機を行う。以下ここでは、燃焼触媒40が触媒燃焼可能な温度(つまり触媒活性化温度)以下の温度まで冷えている場合の暖気運転について説明する。
【0023】
起動用燃焼器に導入される燃料流量を流量調整装置5の使用によりゼロからF1とし、高温ガスの発生を燃料の点火により開始する(ステップS14)。リーン燃焼なので通常燃焼ガスを空気で希釈して温度を調整するのだが、ここでは空気流量を固定とし、燃料流量調整により燃焼ガスの温度調節を行っている(図4(a)、(f)参照)。起動直後は燃料流量を低く抑え、燃焼温度を低く設定し、熱交換器を徐々に暖める。次に、出口温度TC2が所定温度TL以上であるか否か判断する(ステップS15)。ステップS15の判断がNOの場合、出口温度TC2がTLになるまで暖機を継続するよう、ステップS15の処理を繰り返す。ステップS15の判断がYES の場合、出口温度TC2が触媒活性化温度近傍の温度に到達したことになり、燃焼触媒40の燃焼能力があると判断し、起動用燃焼器に供給される燃料流量をF2に増量する。(ステップS16)。
【0024】
その後、熱交換器30の入口温度TC1と出口温度TC2の温度差(D)を算出し(ステップS17)、温度差Dの値に従って追加燃料量を調節する(ステップS18)。温度差Dが規定温度範囲以下の場合は、燃焼触媒40での追加燃料の燃焼による熱の発生量が過大であるので、追加燃料の流量が減少される(ステップS18a)。温度差Dが規定範囲内にある場合は、燃焼触媒40での追加燃料の燃焼による熱の発生量が適切であるので、追加燃料の流量を維持する(ステップS18b)。温度差Dが規定範囲以上の場合は、燃焼触媒40での追加燃料の燃焼による熱の発生量が足りないので、追加燃料の流量を増加する(ステップS18c)。
【0025】
次に、入口温度TC1と出口温度TC2がそれぞれの目標温度TS1、TS2以上であるか否か判断する(ステップS19)。入口温度TC1が目標温度TS1より小さいか、或いは、出口温度TC2が目標温度TS2より小さい場合に、ステップS19の処理が繰り返される。こうして、暖機を継続し、温度TC1、温度TC2がそれぞれ目標温度TS1、TS2になったら、ステップS20において、起動用燃焼器3及び流路11への燃料および空気の導入を中止し起動制御を終了する。
【0026】
以上において、起動用燃焼器3から供給されるリーン燃焼ガスにより熱交換器30の暖機を行う場合について述べてきたが、起動用燃焼器3からのリッチ燃焼ガスにより暖機を行う場合にも対応が可能である。リッチ燃焼ガスによる暖機の場合、起動用燃焼器3からのリッチ燃焼ガスは燃料を含有するので、燃焼ガスの流路11に流路12から空気を供給し、燃焼触媒40での発熱量を、熱交換器30の上流で流路11に追加する空気の量により調整する。なお、第一実施形態をリーン燃焼、リッチ燃焼を使い分けた起動の場合にも同様に適応できることは述べるまでもない。
【0027】
起動用燃焼器3からのリッチ燃焼ガスにより暖機を行う場合において、燃焼触媒40では、流路12から多量の空気を供給して未燃燃料が残らぬようリーン燃焼を行うとした場合のフローチャートを図3に示す。図3において、図2のステップS18aの制御内容が、追加する空気の導入量(流量)を増加して燃焼触媒40の温度を低下する制御(ステップS28a)に代えられる。図2のステップS18bの制御内容が、追加する空気の導入量を維持する制御(ステップS28b)に、図2のステップS18aの制御内容が、追加する空気の導入量を減少して燃焼触媒40の温度を増加する制御(ステップS28c)に置き換えられる。
【0028】
続いて、第一実施形態の効果について図4を参照して説明する。図4は起動時の制御を説明するタイムチャートであり、起動用燃焼器3がリーン燃焼を行う場合を示す。
【0029】
図4(a)は、燃焼触媒40の暖機を行う場合の起動用燃焼器3に供給される燃料量を示している。熱交換器30の暖機開始と同時に、燃料量が相対的に小さなF1に設定されている。燃焼触媒40が触媒燃焼可能な活性化温度付近に達すると(つまり出口温度TC2が所定温度TLに到達すると)、起動用燃焼器に供給される燃料流量をF2に増量する。なお、図4(f)に示すように、起動用燃焼器3に供給される空気量は、熱交換器30の起動開始から起動終了まで起動用燃焼器3がリーン燃焼を行うのに充分大きい一定量FAである。
【0030】
図4(b)及び(c)に示すように、相対的に小さな燃料量F1の燃焼による燃焼ガスの発生のため、熱交換器30の起動開始直後において、熱交換器30の入口温度TC1と出口温度TC2ともに緩やかに上昇するが、燃料流量をF2に増量すると入口温度TC1と出口温度TC2は急激に上昇する。出口温度TC2が所定温度TLに到達した後、入口温度TC1と出口温度TC2との温度差Dを略一定に保つように(つまり温度差Dが所定の範囲なるように)燃料量を制御しながら、流路12から追加の燃料を導入する(図4(d)及び(e)参照)。
【0031】
第一実施形態の効果をまとめると以下のようになる。
【0032】
(ア)高温のガスを通気しながら熱交換器30の暖機を行う燃料電池システムにおいて、熱交換器上流の加熱流体流路11(高温ガス流路)に燃料および/または空気を導入する手段を設け、熱交換器内の加熱流体流路33の下流部分に燃焼触媒を設けている。このため、高温のガスで熱交換器30を暖機する場合、上流と下流で温度差が生じ(上流温度>下流温度)、これにより応力が発生するが、熱交換器30の下流部分16に燃焼触媒40を設けたので、熱交換器30の上流部分15と下流部分16の2つの領域からの暖機ができるため、前記の応力を下げることができる。
(イ)熱交換器内の応力を推定する手段として、熱交換器30の加熱流体入口側と出口側にそれぞれ温度センサ41、42が設けられ、センサからの信号に基づいて、前記高温ガスによる加熱量と、前記燃焼触媒40での加熱量が制御される。このため、これにより熱交換器全体の温度分布を考慮したうえでの暖気制御を行うことができる。
(ウ)燃焼触媒40での加熱量を、熱交換器30の上流に導入する燃料量および/または空気量により制御する。熱交換器の暖機に用いる高温のガスがリーン燃焼ガスであれば、高温の加熱流体が熱交換器に入る前に燃料を導入する。リーンガスには酸素が含まれているので、導入される燃料の量により燃焼触媒40での燃焼による加熱量を調整することができる。また、高温のガスがリッチ燃焼ガスであれば、ガスには燃料となるガスが含まれているので、加熱流体が熱交換器30に入る前に燃焼ガスの流路11に空気を導入する。導入される空気の量により燃焼触媒40での加熱量を調整することができる。
(エ)燃焼触媒の燃焼能力を推定する手段を持ち、該信号に基づいて、前記熱交換器の上流に導入する燃料量および/または空気量を制御するものとしている。燃焼触媒40の温度は、停止から起動までの運転インターバルや、外気の温度等の影響を受ける。したがって、燃焼触媒40の燃焼能力が、暖機を開始するのに十分な能力に達しているか否かに応じて、それぞれ適切な手順により暖機を行うことができる。
【0033】
次に、第二の実施形態について説明する。第二実施形態において、燃焼触媒40での発熱量は、起動用燃焼器3に供給される空気量により調整される。燃料電池システムの構造は、第一実施形態と同様であり図1に示す。起動用燃焼器3がリーン燃焼を行う場合に、コントローラ50が実行する制御のフローチャートと起動時の制御を説明するタイムチャートをそれぞれ図5、図6に示す。なお、図2のフローチャートにおいて、ステップS31−S35は、図2のステップS11−S15と同様の制御であり説明を省略する。
【0034】
ステップS36では、起動用燃焼器に供給される燃料流量をF2に増量するとともに、リーン燃焼ガスに酸素が含まれているので追加燃料を一定の燃料流量FTbで流路12から燃焼ガスの流路11に供給する。
【0035】
図2の第一実施形態のステップS18a−S18cが、図5ではステップS38a−S38cに置き換えられている。ステップS37で算出された熱交換器30の入口温度Tc1と出口温度Tc2の温度差Dの値に従って、ステップS38a−S38cでは、起動用燃焼器3に供給される空気量が流量調整装置6を介して制御される。
【0036】
温度差Dが規定温度範囲より小さい場合は、リーン燃焼による燃焼ガスの温度が低過ぎると考えられるので、起動用燃焼器3への供給空気量を減少し空燃比をリッチ側に移動することにより、燃焼ガスの温度を上昇させる(ステップS38a)。温度差Dが規定範囲内にある場合は、燃焼ガスの温度が適切であるので、起動用燃焼器3への供給空気量を維持する(ステップS38b)。温度差Dが規定範囲より大きい場合は、リーン燃焼による燃焼ガスの温度が高過ぎると考えられるので、起動用燃焼器3への供給空気量を増加し空燃比をよりリーンにすることにより燃焼ガスの温度を減少させる(ステップS38c)。
【0037】
図6のタイムチャートにおいて、図6(a)−(d)の起動用燃焼器の燃料量、入口温度TC1、出口温度TC2、入口温度TC1と出口温度TC2間の温度差Dの挙動は、図4(a)−(d)と同様である。しかし、第二実施形態では、図6(e)に示すように、追加燃料量は、図4(e)と違って一定の燃料流量FTbに維持されている。また、図6(f)に示すように、起動燃焼器3に供給される空気量は、図4(f)と違って、熱交換器30の入口温度TC1と出口温度TC2間の温度差Dを一定に保つように、制御されるので変動する。第二実施形態は、第一実施形態と同様の効果(ア)−(エ)を奏する。
【0038】
次に、図7をもとに第三の実施形態について説明する。図7は熱交換器30の構成を示す図である。第三実施形態は、熱交換器30内での触媒の配置に関するものであり、他の構成は第一実施形態と同様である。
【0039】
熱交換器30は、第一実施形態と同様にプレートフィン型である。図の手前部分は加熱流体流路33での熱交換器30の断面部分を示している。加熱流体流路33を上流部分25と下流部分(領域26〜28から構成される)に分けた場合に、加熱流体流路33の最上流側の領域である上流部分25では燃焼触媒40が担持されていない。なお、本実施形態では、上流部分25は加熱流体流路33の上流側30%程度の領域となっている。加熱流体流路33の下流部分において、領域26から28は燃焼触媒40が担持されていて、下流になるにつれて担持量が増えている。燃焼ガスが熱交換器30に付与する熱量は上流側で下流側より大きいので、燃焼触媒40を下流側で量が多くなるように場所により担持量を変動させて配置することにより、第一実施形態で均一な担持量で燃焼触媒40を配置した場合より熱交換器30内の温度の平準化をすることができる。
【0040】
第三実施形態では、燃料電池システムで、熱交換器30内の加熱流体流路33において燃焼触媒量を傾斜して付与し、熱交換器30内の加熱流体流路33の、上流部から下流部になるに従い、前記燃焼触媒の担持量が漸増するとしている。これにより、第三実施形態は、燃焼触媒40による加熱領域に温度分布を持たせることができ、高温ガスによる暖機により生じる温度分布打ち消し、熱交換器30内の応力分布を平準化させる効果を有する。
【0041】
次に、図8をもとに第四の実施形態について説明する。第四実施形態は、被加熱流体流路に特徴を有し、他の構成は第一実施形態と同様である。図8は燃料電池システムの一部を示すブロック図である。起動用燃焼器3により発生させた高温ガスは流路51より熱交換器30に導入され、流路53より排出される。熱交換器30の上流には加熱流体としての燃焼ガスに添加する燃料もしくは空気の添加流路52を持つ。被加熱流体については流路55より熱交換器30の被加熱流体流路35に導入され、流路56より出る。流路55、56それぞれに方向切換バルブV1,V2が設置され、流路55、56に並列的に流路55、56から分岐する流路57が配置される。流路55、56、熱交換器30の被加熱流体流路35、流路57がポンプ58を介した被加熱流体の循環流路50を構成する。
【0042】
ここで、燃料電池システムの通常運転時において、被加熱流体は、流路55より熱交換器30に導入され、流路56より排出されるが、起動時については、コントローラ50からの指令信号により方向切換バルブV1,V2を切り替え、流路55,56、57を循環流路としてポンプ58で被加熱流体を循環させる。これにより熱交換器30を出た後、熱交換器30の各被加熱流体流路35からの被加熱流体が流路57で混合されるため、熱交換器30の被加熱流体の入口では、熱交換器30の複数の被加熱流体流路35間の温度勾配をなくすことができ、第一実施形態に効果に加えてより熱交換器全体としての温度勾配低減に寄与することができる。
【0043】
第四実施形態では、燃料電池システムは、熱交換器30の被加熱流体に対して循環流路を与え、加熱されて熱交換器30を出た被加熱流体を、再び熱交換器30の被加熱流体入口に導入するものとしている。第四実施形態以外の実施形態は、熱交換器内の発生応力を低下させる方法としては、加熱流体側の加熱源とその制御に関するものだが、本実施形態では、被加熱流体も利用することができる。被加熱流体はガスであったり液体であったりするが、この流路に循環流路を設けたので、特に熱交換器30の被加熱流体入口側において温度の均一化の効果が大きい。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各実施形態において、熱交換器は、気体同士の熱交換器、気体と液体の熱交換器のいずれであってもよい。具体的には、熱交換器は、熱交換型蒸発器、熱交換型凝縮器、熱交換型の反応器(改質器等)、もしくは燃料電池である。なお、燃料電池も、暖機時において、酸素ガス流路と水素ガス流路のうち、一方を加熱流体流路、他方を被加熱流体流路として使用することを考慮すれば、熱交換器の一種とみなせる。
【0045】
また、改質型の燃料電池システムでは、システムの通常運転時には加熱流体流路に、改質ガスが流通する場合もあるが、燃焼触媒40は燃料と酸素があって燃えるものであるので、燃焼触媒40の設置による通常運転時への影響はない。
【0046】
さらに、本発明は上記の実施例や実施形態に限定されるものではない。例えば、
熱交換器上流側を触媒燃焼(リッチでもリーンでも可)による加熱とし、下流を電機ヒータの設置による電気加熱とし、下流の電気加熱での通電量をコントローラにより制御しても良い。また、熱交換器上流側を高温ガス(リッチでもリーンでも可)とし、下流を電気加熱として、同様に制御してもよい。この場合は、直接純水素を供給する燃料電池システムの燃料電池を暖機する場合にも適用できる。また、熱交換器上流側を電気加熱とし、下流を触媒燃焼による加熱という組み合わせでも良い。
【0047】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池システムの概略構成図である。
【図2】第一実施形態に係る制御を示すフローチャートである。
【図3】第一実施形態に係る制御を示す他のフローチャートである。
【図4】第一実施形態に係る制御の効果を示すタイムチャートである。
【図5】第二実施形態に係る制御を示すフローチャートである。
【図6】第二実施形態に係る制御の効果を示すタイムチャートである。
【図7】第三実施形態に係る熱交換器の構成図である。
【図8】第四実施形態に係る燃料電池システムのブロック図である。
【符号の説明】
3 起動用燃焼器
5、6、7 流量調整装置
11 流路
12 追加燃料または追加空気用流路
13 熱交換器加熱流体用流路入口
14 熱交換器加熱流体用流路出口
15、25 高温ガスによる暖機領域
16、26〜28 高温ガスと燃焼触媒併用による暖機領域
30 熱交換器
33 加熱流体流路
35 被加熱流体流路
40 燃焼触媒
41 入口温度センサ
42 出口温度センサ
50 コントローラ
51 加熱流体入口流路
52 追加燃料もしくは空気用流路
53 加熱流体出口流路
55 被加熱流体入口流路
56 被加熱流体出口流路
57 被加熱流体循環流路

Claims (9)

  1. 燃料電池システムにおいて、
    燃料を含有する高温流体の供給源と、
    高温流体が通過する流路を有する熱交換器と、
    前記熱交換器に高温流体を流す高温流体流路と、
    前記高温流体流路に空気を導入する手段とを具備し、
    前記熱交換器内の高温流体の流路の下流部分に燃料を燃焼させる燃焼触媒を設け、前記熱交換器内の温度を平均化することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料電池システムにおいて、
    空気を含有する高温流体の供給源と、
    高温流体が通過する流路を有する熱交換器と、
    前記熱交換器に高温流体を流す高温流体流路と、
    前記高温流体流路に燃料を導入する手段とを具備し、
    前記熱交換器内の高温流体の流路の下流部分に燃料を燃焼させる燃焼触媒を設け、前記熱交換器内の温度を平均化することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 移動体に設置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃焼触媒の量が、前記熱交換器内の高温流体の流路の上流側よりも下流側で増加していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記高温流体流路に導入する燃料量および/または空気量を制御する手段を備え、
    前記燃焼触媒が発生する熱量が、前記高温流体流路に導入する燃料量および/または空気量により制御されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記熱交換器内に生じる熱応力値を推定または検出する手段と、
    前記推定または検出された熱応力値に基づいて、前記高温流体流路に導入する燃料および/または空気量を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃焼触媒の温度を検出する手段と、
    検出された温度に基づいて、前記熱交換器の上流に導入する燃料量および/または空気量を制御する手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記熱交換器の被加熱流体を循環する循環流路と、
    前記熱交換器から排出された被加熱流体が、再び前記熱交換器の被加熱流体の入口に導入されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  9. 前記熱交換器が、熱交換型の蒸発器、熱交換型の凝縮器、熱交換型の反応器、もしくは燃料電池であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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