JP7367736B2 - 燃料電池モジュール - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池モジュールに関する。
従来、燃料電池の積層体(すなわち、セルスタック)を含む燃料電池の内部に起動用バーナが配置された燃料電池モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、起動用バーナがセルスタック近傍に配置されることで、コンパクトな構成で、起動用バーナからの輻射および熱伝導によって燃料電池を効率よく加熱することができる旨が記載されている。
特開2019-220369号公報
上述の従来技術では、燃料電池の内部のうち、セルスタックの酸化剤ガスの入口近傍に起動用バーナが配置され、当該起動用バーナで生成された直後の高温の燃焼ガスがセルスタックの内部(具体的には、酸化剤ガスの流路)に供給される構造になっている。このような構造では、セルスタックの内部が非常に高温な燃焼ガスによって加熱される一方、セルスタックの外部(すなわち、外表面側)は起動用バーナによってセルスタックの酸化剤ガスの入口近傍のみが加熱される。このため、従来技術では、セルスタックの内部と外部との温度分布が拡大してしまう構造になっている。セルスタックの内部と外部との温度分布が拡大すると、セルスタックに生ずる熱応力によってセルスタックが損傷してしまう虞があるので好ましくない。
本開示は、セルスタックの内部と外部との温度分布の拡大を抑制しつつ、セルスタックを加熱可能な燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
燃料電池モジュールであって、
燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池セル(C)が複数積層されたセルスタック(CS)と、
セルスタックに供給される前の酸化剤ガスが流れるスタック温調器(23)と、
セルスタックを暖機するための燃焼ガスを生成する暖機用バーナ(65)と、を備え、
暖機用バーナは、セルスタックが収容される収容空間(BS)の外部に配置され、
スタック温調器は、セルスタックと熱交換可能なようにセルスタックと所定間隔をあけて対向して配置されるとともに、スタック温調器を流れる酸化剤ガスと暖機用バーナで生成された燃焼ガスとが熱交換可能なように暖機用バーナで生成された燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路(67)に隣接して設けられており、
スタック温調器は、燃焼ガス流路に隣接する第1温調器(24)と、第1温調器を通過した酸化剤ガスが流入する第2温調器(25)と、第1温調器と第2温調器とを接続する接続流路(26)と、を有し、
第1温調器は、燃焼ガス流路とセルスタックとの間に配置され、
第2温調器は、セルスタックを挟んで第1温調器の反対側に配置されており、
暖機用バーナは、可燃ガスを燃焼させることで燃焼ガスを生成し、暖機用バーナで生成された燃焼ガスが燃焼ガス流路に供給され、燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスが収容空間に導入される
このように、暖機用バーナがセルスタックの収容空間の外部に配置されていれば、セルスタックの収容空間の内部に暖機用バーナが配置される場合に比べて、暖機用バーナの熱がセルスタックに直接的に伝わることが抑制される。また、スタック温調器がセルスタックと対向して配置されるとともに、燃焼ガス流路に隣接して設けられている。
これによると、燃料電池セルの起動時や低温時に、スタック温調器からの輻射伝熱によってセルスタックの外部を加熱しつつ、スタック温調器で昇温した酸化剤ガスをセルスタックに導入することによってセルスタックの内部を加熱することができる。特に、スタック温調器が所定間隔をあけてセルスタックと対向して配置されていることで、高温の暖機用バーナがセルスタックに近接して配置される場合に比べて、セルスタックの外部が局所的に過度に熱されることを抑制できる。加えて、スタック温調器で昇温した酸化剤ガスをセルスタックの内部に導入することで、高温の燃焼ガスがセルスタックに導入される場合に比べて、セルスタックの内部が過度に熱されることを抑制できる。
したがって、本開示の燃料電池モジュールによれば、セルスタックの内部と外部との温度分布の拡大を抑制しつつ、セルスタックを加熱することができる。この結果、セルスタックの信頼性を確保しつつ、燃料電池セルの起動性の向上を図ることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る燃料電池モジュールを含む燃料電池システムの概略構成図である。 燃料電池セルの内部での電気化学反応を説明するための説明図である。 第1実施形態のセルスタックの模式的な斜視図である。 電池収容器内でのセルスタックの配置形態を示す模式的な縦断面図である。 電池収容器内でのセルスタックの配置形態を示す模式的な横断面図である。 燃料電池システムの電子制御部を示すブロック図である。 燃料電池システムの電子制御部が実行する制御処理の流れを示すフローチャートである。 燃料電池モジュールにおける初期暖機処理時の状態を説明するための説明図である。 燃料電池モジュールにおける暖機促進処理時の状態を説明するための説明図である。 燃料電池モジュールにおける発電処理時の状態を説明するための説明図である。 発電時におけるセルスタックの温度調整を説明するための説明図である。 第2実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。 第3実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。 第4実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。 第5実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。 第6実施形態に係る燃料電池モジュールを含む燃料電池システムの概略構成図である。 第6実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。 第7実施形態に係る燃料電池モジュールを含む燃料電池システムの概略構成図である。 第7実施形態に係る燃料電池モジュールの一部を示す模式的な縦断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1~図11を参照して説明する。本実施形態では、図1に示すように、本開示の燃料電池モジュール1を固体酸化物型の燃料電池10を備える燃料電池システムに適用した例について説明する。
燃料電池モジュール1は、燃料処理系統および電池系統を含み、これらを断熱材で覆うことで高温に保持するホットモジュールである。燃料電池モジュール1は、固体酸化物型の燃料電池10、空気予熱器22、水蒸発器42、改質器33、オフガス燃焼器63、容器70を含んでいる。
固体酸化物型の燃料電池10は、一般的にSOFC(Solid Oxide Fuel Cell の略)とも呼ばれ、作動温度が高温(例えば、500℃~1000℃)となるものである。燃料電池10は、燃料ガスおよび酸化剤ガス(本例では空気中の酸素)の電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池セルCを複数有している。以下、燃料電池セルCを単にセルCと呼ぶ。
図2に示すように、セルCは、電解質体EL、空気極(すなわち、カソード)CA、燃料極(すなわち、アノード)AN、空気流路や燃料流路を形成する図示しないセパレータを含んで構成されている。セルCは、水素および一酸化炭素を燃料ガスとしている。この燃料ガスは、改質用原料である都市ガス(すなわち、メタンを主成分とするガス)を改質して生成される。なお、使用する改質用原料は、都市ガス以外の炭化水素系のガスやアンモニア等のように改質により水素を生成するガスが採用されていてもよい。なお、改質原料は、炭化水素系のガスやアンモニアに水素を混合した混合ガスであってもよい。
セルCは、以下の反応式F1、F2に示す水素および酸素の電気化学反応により外部回路ECに対して電気エネルギを出力する。
(燃料極)2H+2O2-→2HO+4e …(F1)
(空気極)O+4e→2O2- …(F2)
また、セルCは、以下の反応式F3、F4に示す一酸化炭素および酸素の電気化学反応により外部回路ECに対して電気エネルギを出力する。
(燃料極)2CO+2O2-→2CO+4e …(F3)
(空気極)O+4e→2O2- …(F4)
燃料電池10は、所定数のセルCを積層して構成されるセルスタックCSを複数備える。図3に示すように、セルスタックCSは、平板型のセルCが所定の積層方向DRstに積層されている。セルスタックCSを構成する所定数のセルCは、電気的に直列に接続されている。セルスタックCSは、所定数のセルCを一列に積層した積層体である。セルスタックCSはホルダケースHCによって保持されている。ホルダケースHCは、セルスタックCSを収容するケースである。
セルスタックCSには、セルCの積層方向DRstの端部に位置する積層端面EFの一方に燃料ガスの導入口IPH、酸化剤ガスの導入口IPO、燃料ガスの導出口OPH、酸化剤ガスの導出口OPOが形成されている。本実施形態では導入口IPH、導入口IPOが燃料ガスおよび酸化剤ガスの取合口に対応している。
このように構成される燃料電池10は、空気予熱器22、改質器33、水蒸発器42、オフガス燃焼器63等とともに断熱性を有する容器70の内側に配置されている。容器70の内側における燃料電池10の配置形態については後述する。
図1に戻り、燃料電池10には、空気の流通経路である空気経路20が接続されている。空気経路20は配管等によって構成される。空気経路20には、燃料電池10に空気を圧送する圧送ブロワ21、燃料電池10に供給する空気を加熱する空気予熱器22、スタック温調器23が設けられている。
圧送ブロワ21は、大気中の空気を吸い込んで燃料電池10に供給する酸化剤ポンプである。圧送ブロワ21は、後述の電子制御部100からの制御信号によって作動が制御される電動式のブロワで構成されている。
空気予熱器22は、燃料電池10の発電時に、圧送ブロワ21から圧送された空気をオフガス燃焼器63で生成された燃焼ガスと熱交換させて加熱する熱交換器である。空気予熱器22は、燃料電池10に供給する空気と燃料ガスとの温度差を縮小して、燃料電池10の発電効率の向上を図るために設けられている。
スタック温調器23は、空気予熱器22を通過した空気が流れるように、空気予熱器22と燃料電池10との間に接続されている。これにより、スタック温調器23は、セルスタックCSに供給される前の酸化剤ガスが流れる。
スタック温調器23は、燃料電池10のセルスタックCSと熱交換可能なようにセルスタックCSと所定間隔をあけて対向して配置されている。スタック温調器23およびセルスタックCSは、燃料電池10の起動時にスタック温調器23の熱がセルスタックCS側に伝わる。また、スタック温調器23およびセルスタックCSは、燃料電池10の発電時にセルスタックCSの熱がスタック温調器23側に伝わる。
スタック温調器23は、燃料電池10の起動時に、スタック温調器23を流れる酸化剤ガスと後述の暖機用バーナ65で生成される燃焼ガスとが熱交換可能なように暖機用バーナ65で生成された燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路67に隣接して設けられている。
具体的には、スタック温調器23は、燃焼ガス流路67に隣接する第1温調器24と、第1温調器24を通過した酸化剤ガスが流入する第2温調器25と、第1温調器24と第2温調器25とを接続する接続流路26と、を有する。第1温調器24、第2温調器25、および接続流路26は、後述する電池収容器71と一体に構成されている。
第1温調器24は、空気予熱器22を通過した空気が流れ込む第1温調流路240を有する。第1温調器24は、燃焼ガス流路67と燃料電池10のセルスタックCSとの間に配置されている。第1温調器24は、燃料電池10の起動時に燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスから受熱して、第1温調流路240を流れる空気とともに加熱される。燃料電池10の起動時には、第1温調器24の熱がセルスタックCSに放熱される。また、第1温調器24は、燃料電池10の発電時に、発電に伴う自己発熱により昇温したセルスタックCSから吸熱してセルスタックCSの温度を調整する。
第2温調器25は、接続流路26を介して第1温調器24を通過した空気が流れ込む第2温調流路250を有する。第2温調器25は、燃料電池10のセルスタックCSを挟んで第1温調器24の反対側に配置されている。第2温調器25は、燃料電池10の起動時に第1温調器24で昇温した空気が流れる。燃料電池10の起動時には、第2温調器25の熱がセルスタックCSに放熱される。また、第2温調器25は、燃料電池10の発電時に、発電に伴う自己発熱により昇温したセルスタックCSから吸熱してセルスタックCSの温度を調整する。
また、燃料電池10は、改質用原料や燃料ガスの流通経路である燃料経路30が接続されている。燃料経路30は配管等によって構成される。燃料経路30には、上流側から順に、燃料ポンプ31、脱硫器32、改質器33が設けられている。
燃料ポンプ31は、燃料電池10側に向けて改質用原料を供給するためのポンプである。燃料ポンプ31は、後述の電子制御部100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。
脱硫器32は、燃料ポンプ31から供給される改質用原料に含まれる硫黄成分を除去するための装置である。なお、都市ガスには、付臭剤(具体的には硫黄成分)が含まれている。硫黄成分は触媒被毒物質であるため改質器33よりも上流で除去する必要がある。
改質器33は、燃料ポンプ31から供給された改質用原料を、水蒸気を用いて改質して燃料ガスを生成するものである。改質器33は、例えば、ロジウムやルテニウム等の貴金属を含む水蒸気改質触媒を含んで構成されている。
具体的には、改質器33は、改質用原料および水蒸気を混合した混合ガスを燃焼ガスと熱交換させて加熱するとともに、以下の反応式F5に示す改質反応、および反応式F6に示すシフト反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)を生成する。
CH+HO→CO+3H …(F5)
CO+HO→CO+H …(F6)
ここで、改質器33における水蒸気改質は吸熱反応であり、高温となる条件下にて改質率が向上する特性を有している。このため、改質器33は、燃料電池10の発電時に、セルスタックCSから周囲に放出される輻射熱を吸熱できるように、燃料電池10の周囲に配設されていることが望ましい。
燃料経路30には、燃料ポンプ31と改質器33との間に水供給経路40が接続されている。水供給経路40には、水ポンプ41および水蒸発器42が設けられている。水ポンプ41は、水蒸発器42に水を供給するポンプである。水ポンプ41は、後述の電子制御部100からの制御信号によって作動が制御される電動ポンプで構成されている。水蒸発器42は、水ポンプ41からの水を水蒸気(すなわち、気体)にする蒸発機能を有する。
また、燃料電池10には、燃料電池10から排出するオフガスが流れるオフガス経路60が接続されている。具体的には、燃料電池10には、燃料電池10から排出される酸化剤オフガスが流れる空気排出経路61が接続されるとともに、燃料電池10から排出される燃料オフガスが流れる燃料排出経路62が接続されている。
オフガス経路60には、オフガス燃焼器63が接続されている。オフガス燃焼器63は、燃料オフガス等を燃焼させることで改質器33等を昇温させる燃焼ガスを生成するものである。オフガス燃焼器63は、例えば、燃料電池10の発電時に、酸化剤オフガスおよび燃料オフガスを混合した混合ガスを可燃ガスとして燃焼させることで、燃料電池システムの各機器を昇温させるための燃焼ガスを生成する。オフガス燃焼器63は、燃料オフガスを燃焼させるためのオフガスバーナ631を有している。オフガス燃焼器63では、オフガスバーナ631の点火によって、燃料オフガスの燃焼が開始されて燃焼ガスが生成される。
オフガス燃焼器63には、高温の燃焼ガスを流通させる図示しない外部排気経路が接続されている。図示しないが、外部排気経路は、内部を流れる燃焼ガスの熱を有効活用すべく、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42等に熱的に接続されている。なお、燃焼ガスの熱を伝える順序は、各機器にて必要とされる熱量等に応じて変更してもよい。
図示しないが、オフガス経路60のうち、燃料排出経路62には、燃料電池10を通過した燃料ガスを燃料電池10の上流に戻すための循環経路が接続されている。これにより、燃料電池10の起動時に燃料電池10を通過した燃料ガスは、循環経路を介して燃料電池10の上流に戻される。
ここで、燃料電池モジュール1には、燃料電池10の起動時にセルスタックCSを暖機するための燃焼ガスを生成する暖機用バーナ65が設けられている。暖機用バーナ65は、燃料経路30を流れる改質用原料の一部および圧送ブロワ21とは別に設けられた起動用ブロワ66から送風される空気の混合ガスを可燃ガスとして燃焼させる。可燃ガスの燃焼により生成される高温の燃焼ガスは燃焼ガス流路67に供給される。この燃焼ガス流路67は、起動用ブロワ66から送風される空気の送風空気流路68に接続されている。これにより、燃焼ガス流路67は、可燃ガスだけでなく、起動用ブロワ66から送風される空気の一部が導入される。
燃料電池10、空気予熱器22、改質器33、水蒸発器42、オフガス燃焼器63、暖機用バーナ65は、断熱性を有する容器70の内側に配置されている。容器70は、燃料電池モジュール1の外殻を形成する。図示しないが、空気予熱器22、改質器33、および水蒸発器42は、オフガス燃焼器63および暖機用バーナ65の熱を受けられるように、容器70の内側においてオフガス燃焼器63の周囲に配置されている。なお、燃料電池10は、オフガス燃焼器63の熱を直接受けないように、空気予熱器22、改質器33、水蒸発器42、オフガス燃焼器63等が収容される空間に対して断熱された別の空間に配置されている。
容器70は、図4および図5に示すように、燃料電池10を収容する電池収容器71を有する。電池収容器71は、二重筒構造になっており、内側にドーナツ状の空間が形成されている。この空間は、セルスタックCSが収容される収容空間BSを構成している。電池収容器71は、電池収容器71の軸心CLが、重力の作用する方向(すなわち、鉛直方向)に沿って延びる姿勢で配置されている。
本実施形態では、電池収容器71の軸心CLに沿って延びる方向を軸方向DRa、電池収容器71の軸心CLを通るとともに軸方向DRaに直交する方向を径方向DRr、電池収容器71の軸心CLを中心とする円に沿う方向を周方向DRcとする。
電池収容器71の内側の収容空間BSには、複数のセルスタックCSが電池収容器71の軸心CLを中心に放射状に配置されている。換言すれば、複数のセルスタックCSは、収容空間BSにおいて、周方向DRcに等間隔あけて配置されている。なお、複数のセルスタックCSにおける周方向DRcの間隔は、一致している必要はなく、一部が異なっていてもよい。
複数のセルスタックCSのうち周方向DRcにおいて互いに隣り合うセルスタックCSは、積層端面EFが互いに対向する姿勢で配置されている。換言すれば、周方向DRcに隣り合うセルスタックCSの積層端面EFは、所定の間隔をあけて周方向DRcに対向している。また、複数のセルスタックCSは、積層方向DRstに沿って延びる側面の一部が内側面ISとして電池収容器71の内側に対向し、他の側面の一部が外側面OSとして電池収容器71の外側に対向している。セルスタックCSの内側面ISは、容器70の内側に複数のセルスタックCSを放射状に配置したときのセルスタックCSの内側部分を構成する。また、セルスタックCSの外側面OSは、容器70の内側に複数のセルスタックCSを放射状に配置したときのセルスタックCSの外側部分を構成する。
図4に示すように、本実施形態の電池収容器71は、内筒72、内筒72の外側に位置する外筒73、外筒73の上部を覆う上蓋74、内筒72の底部および外筒73の底部同士を繋ぐベースプレート75を含んで構成されている。
内筒72は、電池収容器71のうち、複数のセルスタックCSよりも内側に位置付けられている。内筒72は、一部が上蓋74の上方に突き出ている。外筒73は、電池収容器71のうち、複数のセルスタックCSよりも外側に位置付けられている。そして、内筒72、外筒73、上蓋74、ベースプレート75によって収容空間BSが区画形成されている。内筒72および外筒73は、それぞれ円筒状に構成されている。内筒72および外筒73は、それぞれの中心軸が同軸となるように配置されている。
内筒72は、前述のスタック温調器23の第1温調器24を構成している。内筒72は、セルスタックCSと熱交換可能なように、セルスタックCSと所定間隔をあけて対向して配置されている。内筒72は、燃料電池10の発電時にセルスタックCSの輻射熱を受けるように、所定の間隔があけられた状態でセルスタックCSの内側面ISに対向している。内筒72は、セルスタックCSの内側面ISの全体を覆うことが可能なように、軸方向DRaの寸法がセルスタックCSの軸方向DRaの寸法よりも大きくなっている。
また、内筒72は、流体を通過させることが可能なように第1内壁721と第1外壁722とを有する二重壁構造になっている。第1内壁721および第1外壁722は、それぞれ円筒状の筒状体で構成されている。第1内壁721および第1外壁722は、それぞれの中心軸が同軸となるように配置されている。第1内壁721と第1外壁722との間には、スペーサやダボ等の間隔規定部が設けられ、当該間隔規定部によって略一定の隙間が形成されている。第1内壁721と第1外壁722との間に形成される隙間流路には、セルスタックCSの内側面ISと熱交換する空気が導入される。本実施形態では、内筒72に形成される隙間流路が第1温調流路240を構成している。以下では、内筒72に形成される隙間流路を第1温調流路240と呼ぶ。
第1内壁721の内側には、軸方向DRaの一方側に暖機用バーナ65が配置されるとともに、暖機用バーナ65に対して軸方向DRaの他方側に燃焼ガス流路67が形成されている。すなわち、第1温調器24としての内筒72は、燃焼ガスと酸化剤ガスとを熱交換可能なように燃焼ガス流路67に隣接して設けられている。内筒72は、燃焼ガス流路67とセルスタックCSとの間に配置されている。
内筒72には、燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスをセルスタックCSの収容空間BSに導くためのガス導入孔723が形成されている。このガス導入孔723を介して、燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスが収容空間BSに導入される。
ガス導入孔723は、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの局所部位に吹き付けられないように収容空間BS側の開口の位置が設定されている。すなわち、ガス導入孔723は、収容空間BS側にある開口が、内筒72のうち、内筒72とセルスタックCSの並び方向(本例では径方向DRr)において、セルスタックCSと対向しない部位に形成されている。ガス導入孔723における燃焼ガス流路67側の開口は、内筒72におけるセルスタックCSと対向しない部位に形成されている。具体的には、図5に示すように、隣り合うセルスタックCSとの間の隙間に燃焼ガスが導入されるように、ガス導入孔723は、内筒72のうち隣り合うセルスタックCSとの間の隙間に対応する位置に形成されている。
外筒73は、前述のスタック温調器23の第2温調器25を構成している。外筒73は、セルスタックCSと熱交換可能なように、セルスタックCSと所定間隔をあけて対向して配置されている。外筒73は、燃料電池10の発電時にセルスタックCSの輻射熱を受けるように、所定の間隔があけられた状態でセルスタックCSの外側面OSに対向している。外筒73は、セルスタックCSの外側面OSの全体を覆うことが可能なように、軸方向DRaの寸法がセルスタックCSの軸方向DRaの寸法よりも大きくなっている。
また、外筒73は、流体を通過させることが可能なように第2内壁731と第2外壁732とを有する二重壁構造になっている。第2内壁731および第2外壁732は、それぞれ円筒状の筒状体として構成されている。
第2内壁731および第2外壁732は、それぞれの中心軸が同軸となるように配置されている。第2内壁731と第2外壁732との間には、スペーサやダボ等の間隔規定部が設けられ、当該間隔規定部によって略一定の隙間が形成されている。第2内壁731と第2外壁732との間に形成される隙間流路には、セルスタックCSの外側面OSと熱交換する空気が導入される。本実施形態では、外筒73に形成される隙間流路が第2温調流路250を構成している。以下では、外筒73に形成される隙間流路を第2温調流路250と呼ぶ。
本実施形態の第2温調流路250は、セルスタックCSに近い内側流路部241と内側流路部251よりもセルスタックCSから離れた外側流路部252を有している。そして、第2温調流路250は、外側流路部252を通過した空気が折り返して内側流路部251に流入する流路構造になっている。
具体的には、外筒73の内側には、第2温調流路250を、内側流路部251と外側流路部252とに分ける分離板733が設けられている。内側流路部251および外側流路部252は、それぞれ軸方向DRaに沿って延びている。外側流路部252は、軸方向DRaの他方側が後述の連通路740に連通し、軸方向DRaの一方側が折返部734を介して内側流路部251に連通している。内側流路部251は、軸方向DRaの一方側が折返部734を介して外側流路部252に連通し、軸方向DRaの他方側が図示しない配管等を介してセルスタックCSに接続されている。第2温調流路250は、内側流路部251の流路断面積が第1温調流路240の流路断面積以上の大きさになっている。
ここで、第2温調流路250は、第1温調流路240に比べてセルスタックCSから熱を受ける伝熱面積が大きい。この場合、第2温調流路250の上流と下流との温度差が大きくなり、第2温調流路250の温度が不均一となってしまう虞がある。
これに対して、第2温調流路250が空気を折り返して流す流路構造になっていれば、第2温調流路250の内側流路部251と外側流路部252とで空気の流れが向かい合わせとなり、セルスタックCSの外側部分に近い内側流路部251での温度が均一化される。この結果、セルスタックCSの外側部分での温度ムラが抑制される。
上蓋74は、外筒73の上部を覆うもので、内筒72の一部を外側に突き出すことができるようにドーナツ状の形状を有している。上蓋74には、セルスタックCSに燃料ガスを供給するための配管、空気排出経路61を構成する配管、燃料排出経路62を構成する配管等が貫通している。
ベースプレート75は、内筒72の底部と外筒73の底部とを繋ぐもので、円盤状の形状を有している。ベースプレート75は、バスバーBB等を介して複数のセルスタックCSを支持している。ベースプレート75は、セルスタックCSの下面に対向している。ベースプレート75は、セルスタックCSの下面の全体を覆うことが可能な大きさを有している。
ベースプレート75は、流体を通過させることが可能なように上壁751と下壁752とを有する二重壁構造になっている。上壁751および下壁752の間には、スペーサやダボ等の間隔規定部が設けられ、当該間隔規定部によって略一定の隙間が形成されている。
ベースプレート75は、上壁751が内筒72の第1外壁722および外筒73の第2内壁731に接続され、下壁752が内筒72の第1内壁721および外筒73の第2外壁732に接続されている。そして、上壁751と下壁752との間には、内筒72の隙間流路および外筒73の隙間流路を連通させる連通路750が形成されている。連通路750は、前述の接続流路26に対応している。
ここで、内筒72は、外筒73に比べて曲率が大きく、セルスタックCSに相対する部位の面積が小さい。このため、内筒72は、セルスタックCSとの伝熱面積が、外筒73におけるセルスタックCSとの伝熱面積に比べて小さくなっている。電池収容器71では、内側と外側とで伝熱面積が異なる場合、内筒72に形成される隙間流路および外筒73に形成される隙間流路に、同じ温度および同じ流速の流体が流れると、セルスタックCSの外側に比べて内側の方が対流による伝熱量が小さくなってしまう。この伝熱量の差は、セルスタックCSの内側部分と外側部分との温度分布が拡大する要因となる。このような温度分布の拡大は、発電効率の低下や耐久性の低下を招くことから好ましくない。
これらを考慮して、電池収容器71は、内筒72に形成される第1温調流路240に、外筒73に形成される第2温調流路250に流す流体に比べてセルスタックCSとの温度差が大きい流体が流れるようになっている。例えば、セルスタックCSの温度が低く、セルスタックCSを暖機する必要がある場合、第1温調流路240には、第2温調流路250に流す流体の温度以上の高温の流体が流れるようになっている。また、セルスタックCSを冷却または保温する必要がある場合、第1温調流路240には、第2温調流路250に流す流体よりも温度の低い流体が流れるようになっている。なお、セルスタックCSを冷却または保温する必要がある場合は、主に燃料電池10の発電時である。
具体的には、燃料電池10の起動時には、第1温調流路240に燃焼ガスによって昇温された空気が流れ、第2温調流路250に、第1温調流路240および接続流路26を通過する際にセルスタックCSに放熱した空気が流入する。また、燃料電池10の発電時には、第1温調流路240に空気予熱器22で昇温された空気が流れ、第2温調流路250に、第1温調流路240および接続流路26を通過する際にセルスタックCSから受熱して昇温した空気が流入する。また、本実施形態の内筒72および外筒73は、第1内壁721と第1外壁722との間隔と第2内壁731と第2外壁732との間隔が略同じ大きさになっている。そして、内筒72は、外筒73に比べて曲率半径が小さい。このため、第1温調流路240の流路断面積は、第2温調流路250の流路断面積に比べて小さくなっている。連続の法則によれば、分岐のない流路を定常状態の流体が流れる場合、流路の任意の断面における質量流量は相等しい。本実施形態の電池収容器71では、第1温調流路240と第2温調流路250とが直列に連なる流路であるとともに、第1温調流路240の流路断面積が第2温調流路250の流路断面積に比べて小さい。このため、第2温調流路250を流れる空気よりも流速が大きい空気が第1温調流路240に流れる。
次に、燃料電池システムの電子制御部100について図6を参照しつつ説明する。電子制御部100は、プロセッサ、メモリを含むマイクロコンピュータと、その周辺回路で構成されている。電子制御部100は、メモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い出力側に接続された各種制御機器の作動を制御する。
電子制御部100の入力側には、電池温度センサ、改質温度センサ、火炎検出器を含むセンサ群101が接続されており、当該センサ群101の検出結果が電子制御部100に入力されるようになっている。また、電子制御部100には、操作パネル102および図示しないDC-DCコンバータが接続されている。操作パネル102には、燃料電池10の発電をオンオフするためのスタートスイッチ、燃料電池10の作動状態を表示するディスプレイ等が設けられている。DC-DCコンバータは、セルCから掃引する電池を制御するための電流掃引機器である。
一方、電子制御部100の出力側には、制御機器として、圧送ブロワ21、燃料ポンプ31、水ポンプ41、オフガスバーナ631、暖機用バーナ65等が接続されている。これら制御機器は、電子制御部100から出力される制御信号に応じて、その作動が制御される。
次に、燃料電池システムの全体的な作動について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7に示す各制御処理は、スタートスイッチがオンされると電子制御部100によって実行される。
スタートスイッチがオンされると、図7に示すように、電子制御部100は、初期暖機処理、CS還元処理、および暖機促進処理を含むセルCの起動処理を実行する。具体的には、電子制御部100は、ステップS100にて、初期暖機処理を実行する。
初期暖機処理は、セルスタックCSを含む各種機器を適温に昇温させる処理である。電子制御部100は、初期暖機処理時に、圧送ブロワ21を作動させるとともに、燃焼ガス流路67に向けて燃料および空気を供給した状態で暖機用バーナ65を点火する。暖機用バーナ65が点火されると、図8に示すように、燃料および空気の混合ガスが可燃ガスとして燃焼されることで高温の燃焼ガスが生成される。
本実施形態のスタック温調器23は、第1温調器24が燃焼ガス流路67に隣接して設けられている。このため、燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスによって第1温調器24おおよび第1温調流路240を流れる空気が昇温する。第1温調器24で昇温した空気は、接続流路26を介して第2温調器25に流れた後、セルスタックCSに供給される。これにより、初期暖機処理時には、スタック温調器23からの輻射伝熱H1、H2によってセルスタックCSの外部が加熱されるとともに、スタック温調器23で昇温した空気がセルスタックCSに導入されることによってセルスタックCSの内部が加熱される。
また、燃焼ガス流路67を流れる高温の燃焼ガスは、ガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される。そして、収容空間BSに導入される燃焼ガスによる対流伝熱H3によってセルスタックCSの外部が加熱される。収容空間BSに導入された燃焼ガスは、オフガス経路60の空気排出経路61を介して排気される。燃焼ガスは、オフガス経路60を流れる際に改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42に放熱する。これにより、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42が昇温する。
初期暖機処理を開始した後、電子制御部100は、ステップS110にて、改質可能条件が成立したか否かを判定する。改質可能条件は、改質器33による燃料ガスの生成を開始可能であるか否かを判定するものである。改質可能条件は、例えば、水蒸発器42が水蒸気を生成可能な温度(例えば、100℃)に達するとともに、改質器33が燃料ガスを生成可能な温度(例えば、300℃)に達した際に成立する条件になっている。電子制御部100は、改質可能条件が成立するまでは初期暖機処理を継続し、改質可能条件が成立すると、ステップS120にて、CS還元処理を実行する。
CS還元処理は、セルスタックCSの昇温に伴うセルスタックCSの酸化を抑制する処理である。電子制御部100は、CS還元処理時に、図9に示すように、水蒸発器42に水が供給されるように水ポンプ41を制御するとともに、改質器33に燃料が供給されるように燃料ポンプ31を制御する。これにより、燃料および水蒸気が改質器33に供給される。改質器33では、燃料および水蒸気の混合ガスが供給されると、前述の反応式F5、F6に示す反応により燃料ガス(水素、一酸化炭素)が生成される。改質器33で生成された燃料ガスは、セルスタックCSに供給される。これにより、セルスタックCSの酸化が抑制される。具体的には、セルCの燃料極に対して燃料ガスが供給されることで、燃料極の酸化劣化が抑制される。
CS還元処理を開始した後、電子制御部100は、ステップS130にて、暖機促進条件が成立したか否かを判定する。暖機促進条件は、例えば、セルスタックCSの温度が、セルスタックCSの内部抵抗が低下する温度(例えば、450℃)に達した際に成立する条件になっている。電子制御部100は、暖機促進条件が成立するまではCS還元処理を継続し、暖機促進条件が成立すると、ステップS140にて、暖機促進処理を実行する。
暖機促進処理は、セルスタックCSを含む各種機器の暖機を促進させる処理である。電子制御部100は、暖機促進処理時に、図示しないDC-DCコンバータを制御してセルCからの電流の掃引を開始する。具体的には、暖機促進処理時には、セルCと外部回路ECとを接続状態にして外部回路ECに電流を取り出す。セルCからの電流の掃引を開始すると、セルCが自己発熱し、セルスタックCSが昇温する。したがって、セルCに起動時に、セルCからの電流の掃引を開始することで、セルスタックCSの暖機を促進させることができる。ここで、セルスタックCSの温度が所定温度(例えば、450℃)に達すると、セルスタックCSの内部抵抗が徐々に減少して、セルCからの電流の掃引を開始可能になるが、セルCからの電流の掃引によってセルCの電圧が大きく低下することがある。セルCの電圧が大きく低下すると、アノード側の電極(すなわち、燃料極)の酸化が促進されることから好ましくない。このため、本実施形態の暖機促進処理では、セルCから掃引する電流を徐々に増加させ、セルCの電圧が所定値よりも小さいことが検知されると、セルCから掃引する電流の増加を停止する。この際、セルCからの電流の掃引は継続されるので、セルCの自己発熱によってセルスタックCSの温度が上昇し、セルスタックCSの内部抵抗が減少する。これにより、セルCの電圧が向上する。電子制御部100は、セルCの電圧が向上していることが確認されると、再び、セルCから掃引する電流を増加させる。これにより、セルスタックCSを含む各種機器の暖機を促進させる。
暖機促進処理を開始した後、電子制御部100は、ステップS150にて、発電条件が成立したか否かを判定する。発電条件は、例えば、セルCが燃料電池10の発電に適した温度(例えば、500℃以上)に達した際に成立する条件になっている。電子制御部100は、発電条件が成立するまでは暖機促進処理を継続する。また、発電条件が成立すると、電子制御部100は、ステップS160にて発電処理を実行する。
図10に示すように、電子制御部100は、発電処理時に、燃料電池10に対して発電に適した量の酸化剤ガスをおよび燃料ガスが供給されるように圧送ブロワ21、燃料ポンプ31、水ポンプ41を制御する。また、電子制御部100は、暖機用バーナ65および起動用ブロワ66をオフし、オフガスバーナ631を点火する。
これにより、改質器33で生成された燃料ガスがセルスタックCSに供給される。また、圧送ブロワ21から吹き出される酸化剤ガスは、空気予熱器22に流入し、燃焼ガスとの熱交換によって昇温する。そして、空気予熱器22を通過した空気は、第1温調流路240、連通路740、第2温調流路250をこの順序で流れる。第1温調流路240、連通路740、第2温調流路250を通過する空気は、燃料電池10から吸熱して燃料電池10の電池温度付近まで昇温した後に燃料電池10に流入する。この際、第2温調流路250に比べてセルスタックCSとの伝熱面積が小さい第1温調流路240に、温度が低く、且つ、流速が大きい空気が流れる。これによると、セルスタックCSの径方向DRrの内側での対流による伝熱量と径方向DRrの外側での対流による伝熱量との差が小さくなり、セルスタックCSの内側部分と外側部分との温度分布が低減される。
セルスタックCSに対して酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給されると、セルCは、前述の反応式F1~F4に示す反応により電気エネルギを出力する。そして、セルスタックCSから排出されるオフガスは、可燃ガスとしてオフガス燃焼器63で燃焼される。オフガス燃焼器63で生成された燃焼ガスは、図示しない外部排気経路を流れる際に改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42に放熱する。
ここで、セルスタックCSの経時劣化等によって発電処理時の発熱量が増加すると、セルスタックCSの温度が過度に上昇し易くなる。このような事態を考慮して、電子制御部100は、発電処理時に、図11に示すように、起動用ブロワ66を作動させて収容空間BSにセルスタックCSよりも低温となる空気を導入して、セルスタックCSの温度を適温に調整する。起動用ブロワ66のオンオフは、例えば、セルスタックCSの温度に応じて実施される。また、発電処理の実施中にセルスタックCSの温度が低下した場合、暖機用バーナ65をオンしてセルスタックCSの暖機が行われる。
発電処理を開始した後、電子制御部100は、ステップS170にて、燃料電池10の発電を停止する停止条件が成立したか否かを判定する。停止条件は、例えば、スタートスイッチがオフされた際に成立する条件になっている。電子制御部100は、停止条件が成立するまでは発電処理を継続する。また、停止条件が成立すると、電子制御部100は、ステップS180にて、停止処理を実行する。この停止処理では、セルスタックCSの温度を低下させる降温処理等を実行する。降温処理では、例えば、空気の供給量を増加させるとともに燃料の供給量を減少させることで燃料電池10の温度をセルスタックCSの酸化劣化が生ずる温度(例えば、300℃)を下回るまで低下させる。これにより、発電停止時におけるセルスタックCSの酸化劣化が抑制される。
以上説明した燃料電池モジュール1は、暖機用バーナ65がセルスタックCSの収容空間BSの外部に配置されている。これによれば、セルスタックCSの収容空間BSの内部に暖機用バーナ65が配置される場合に比べて、暖機用バーナ65の熱がセルスタックCSに直接的に伝わることが抑制される。
加えて、スタック温調器23は、セルスタックCSと所定間隔をあけて対向して配置されるとともに、燃焼ガス流路67に隣接して設けられている。これによると、スタック温調器23からの輻射伝熱によってセルスタックCSの外部を加熱しつつ、スタック温調器23で昇温した空気がセルスタックCSに導入されることによってセルスタックCSの内部を加熱することができる。
特に、スタック温調器23が所定間隔をあけてセルスタックCSと対向して配置されていることで、900℃程度の高温の暖機用バーナ65がセルスタックCSに近接して配置される場合に比べて、セルスタックCSの外部が局所的に過熱されることを抑制できる。加えて、スタック温調器23で適温に昇温した空気をセルスタックCSの内部に導入するので、従来のように500℃程度の高温の燃焼ガスをセルスタックCSに直接的に導入する場合に比べて、セルスタックCSの内部が過熱されることを抑制できる。
したがって、本実施形態の燃料電池モジュール1によれば、セルスタックCSの内部と外部との温度分布の拡大を抑制しつつ、セルスタックCSを加熱することができる。すなわち、セルスタックCSの信頼性を確保しつつ、セルCの起動性の向上を図ることができる。この結果、信頼性が高く、且つ、短時間で起動可能な燃料電池モジュール1を実現することができる。
ここで、都市ガス等の可燃ガスを用いて燃焼ガスを生成する場合に当該燃焼ガスをセルスタックCSの内部に導入することで、セルスタックCSを加熱することが考えられる。しかし、燃焼ガスをセルスタックCSの内部に導入する場合、セルスタックCSの内部が可燃ガスに含まれる硫黄成分で被毒される。また、セルスタックCSの内部には、金属の酸化を抑制するためにクロムを含む部材(例えば、カソード側のセパレータ)がある。このため、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの内部に導入されると、燃焼ガスの熱でクロムが蒸散し、セルスタックCSの内部がクロムで被毒される。硫黄被毒およびクロム被毒は、触媒活性の低下および電池性能の低下を招く要因となることから好ましくない。
これに対して、本実施形態の燃料電池モジュール1は、セルCの起動時に、燃焼ガスではなく、スタック温調器23で昇温された酸化剤ガスをセルスタックCSに導入する構造になっている。このため、セルスタックCSの内部の硫黄被毒およびクロム被毒を回避することができる。また、暖機用バーナ65の過熱による損傷も抑制することができる。
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)セルスタックCSの収容空間BSは、ガス導入孔723を介して燃焼ガス流路67に連通し、セルCの起動時にスタック温調器23で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスが導入される。これによると、収容空間BSに導入される燃焼ガスによる対流伝熱によってセルスタックCSの外部を加熱することができる。特に、スタック温調器23で空気と熱交換した後の燃焼ガスを収容空間BSに導入しているので、セルスタックCSの外部の過熱を抑制することができる。
(2)スタック温調器23は、燃焼ガス流路67に隣接する第1温調器24と、第1温調器24を通過した酸化剤ガスが流入する第2温調器25と、第1温調器24と第2温調器25とを接続する接続流路26と、を有する。第1温調器24は、燃焼ガス流路67と
セルスタックCSとの間に配置されている。第2温調器25は、セルスタックCSを挟んで第1温調器24の反対側に配置されている。これによると、第1温調器24および第2温調器25からの輻射伝熱によってセルスタックCSにおける第1温調器24側の部位だけでなく、第2温調器25側の部位についても加熱することができる。これにより、セルスタックCSの外部が局所的に加熱されることを抑制することができる。
(3)スタック温調器23には、セルCの起動時にスタック温調器23で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスを収容空間BSに導入するガス導入孔723が設けられている。これによると、燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスが、セルスタックCSに対向して配置されるスタック温調器23のガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される。このため、燃焼ガスの外部への放熱を抑えて、燃焼ガスの熱をセルスタックCSの加熱に有効に用いることができる。なお、外部配管を介して燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスを収容空間BSに導入することも可能であるが、この場合、燃焼ガスが外部配管を流れる際に、燃焼ガスの熱が外部に放出されてしまう。すなわち、セルスタックCSの加熱に寄与しない燃焼ガスの無駄な放熱が生じてしまう。このため、スタック温調器23に設けたガス導入孔723を介して燃焼ガス流路67と収容空間BSとが連通する構造になっていることが望ましい。
(4)具体的には、収容空間BSは、第1温調器24、第2温調器25、接続流路26で囲まれている。そして、第1温調器24には、セルCの起動時に第1温調器24で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスを収容空間BSに導入するガス導入孔723が設けられている。これによると、燃焼ガス流路67を流れる燃焼ガスが、セルスタックCSに対向して配置される第1温調器24のガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される。このため、燃焼ガスの外部への放熱を抑えて、燃焼ガスの熱をセルスタックCSの加熱に無駄なく用いることができる。
(5)ガス導入孔723は、少なくとも収容空間BS側の開口が、第1温調器24のうち第1温調器24とセルスタックCSとの並び方向においてセルスタックCSと重なり合わない部位に形成されている。このように、ガス導入孔723における収容空間BS側の開口を第1温調器24のうちセルスタックCSと対向しない部位に形成すれば、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの局所部位に吹き付けられることを抑制することができる。
(6)収容空間BSには、複数のセルスタックCSが放射状に配置されている。第1温調器24は、複数のセルスタックCSを放射状に配置したときのセルスタックCSの内側部分と熱交換するように当該内側部分に対向して配置されている。第2温調器25は、複数のセルスタックCSを放射状に配置したときのセルスタックCSの外側部分と熱交換するように当該外側部分に対向して配置されている。これによると、第2温調器25に比べて伝熱面積が小さい第1温調器24に、燃焼ガス流路67を流れる高温の燃焼ガスと熱交換する酸化剤ガスが流れる。これにより、セルスタックCSを放射状に配置したときのセルスタックCSの内側での輻射伝熱による伝熱量とセルスタックCSの外側での輻射伝熱による伝熱量との差が小さくなるので、セルスタックCSの内側と外側との温度分布の拡大を抑制することができる。なお、「セルスタックCSの内側」とは、複数のセルスタックCSを放射状に配置したときに、複数のセルスタックCSの中心に近い側であることを意味する。また、「セルスタックCSの外側」とは、複数のセルスタックCSを放射状に配置したときに、複数のセルスタックCSの中心から離れた側であることを意味する。
(7)セルCの起動時は、暖機用バーナ65での燃焼ガスの生成を開始した後に所定条件が成立すると、セルCから電流の掃引が開始される。セルCの起動時にセルCから電流の掃引することで、セルスタックCSの内部における酸化剤ガスの対流伝熱だけでなく、セルCの自己発熱によってセルスタックCSを昇温させることができる。
(8)スタック温調器23は、第1温調流路240を流れる空気とセルスタックCSとの温度差が、第2温調流路250を流れる空気とセルスタックCSとの温度差に比べて大きくなっている。これによると、第2温調流路250に比べてセルスタックCSとの伝熱面積が小さい第1温調流路240に、第2温調流路250を流れる空気よりもセルスタックCSとの温度差が大きい空気が流れる。このため、セルスタックCSにおける径方向DRrの内側での対流による伝熱量と径方向DRrの外側での対流による伝熱量との差が小さくなり、セルスタックCSの径方向DRrにおける内側部分と外側部分との温度分布を低減することができる。この結果、セルスタックCSの内側部分と外側部分との温度分布に起因する発電効率の低下や耐久性の低下を抑制することができる。また、スタック温調器23は、第1温調流路240の流路断面積が、第2温調流路250の流路断面積に比べて小さくなっている。これによると、第2温調流路250に比べてセルスタックCSとの伝熱面積が小さい第1温調流路240に、第2温調流路250よりも流速が大きい空気が流れることで、第2温調流路250の熱伝達率に比べて第1温調流路240の熱伝達率が大きくなる。このため、セルスタックCSの径方向DRrにおける内側部分と外側部分との温度分布を低減することができる。
(9)複数のセルスタックCSは、周方向DRcにおいて互いに隣り合うセルスタックCSの積層端面EFが互いに対向する姿勢で配置されている。これによれば、隣り合うセルスタックCSのうち一方の積層端面EFが他方のセルスタックCSから受熱するので、セルスタックCSにおける積層方向DRstの温度分布を低減することができる。
(10)電池収容器71には、第1温調流路240よりも内側に燃焼ガス流路67が設けられている。これによると、例えば、経時劣化等によりセルスタックCSの発熱量が増大した場合でも、燃焼ガス流路67に対して、第1温調流路240を流れる空気よりも低温となる空気を流すことで、セルスタックCSが過度に昇温することを抑制することができる。
(11)複数のセルスタックCSのうち隣り合うセルスタックCSの間には、燃料ガスの導入口IPHおよび導出口OPH、並びに、酸化剤ガスの導入口IPOおよび導出口OPOが形成されている。これによると、隣り合うセルスタックCSの間に形成されるスペースを有効利用して、燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給することができる。これによると、燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給するためのスペースを別途設ける場合に比べて容器70の小型化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図12を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図12に示すように、スタック温調器23は、燃焼ガス流路67から収容空間BSに導入される燃焼ガスが接続流路26に沿って第1温調器24側から第2温調器25側に流れるようにガス導入孔723が形成されている。具体的には、ガス導入孔723は、少なくとも収容空間BS側の開口が第1温調器24のうち、セルスタックCSと接続流路26との間に形成される隙間に対応する位置に形成されている。
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態ように、ガス導入孔723における収容空間BS側の開口を第1温調器24のうちセルスタックCSと対向しない部位に形成すれば、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの局所部位に吹き付けられることを抑制することができる。特に、収容空間BSに導入される燃焼ガスを第1温調器24側から第2温調器25側まで導くことができる。このため、収容空間BSに導入される燃焼ガスによる対流伝熱によってセルスタックCSの第1温調器24側だけでなく第2温調器25側についても充分に加熱することができる。加えて、収容空間BSに導入される燃焼ガスが接続流路26に沿って流れることで、収容空間BSに導入される燃焼ガスと接続流路26を流れる酸化剤ガスとを熱交換させることができる。これにより、燃焼ガスと酸化剤ガスとの熱交換面積を拡大して、セルスタックCSに導入する酸化剤ガスを充分に加熱することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図13を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図13に示すように、収容空間BSには、ガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される燃焼ガスの向きをセルスタックCSに向かう向き以外の向きに転向させる転向部材76が配置されている。転向部材76は、ガス導入孔723から導入される燃焼ガスの向きを、セルスタックCSの軸方向DRaの他方側にある接続流路26に向かう向きに転向させる。転向部材76は、ガス導入孔723の収容空間BS側の開口からセルスタックCSに向かって突き出る上板部761と、上板部761の先端から軸方向DRaの他方側に向かって延びる側板部762とを有する。側板部762は、ガス導入孔723の収容空間BS側の開口とセルスタックCSとの間に配置されている。
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)燃料電池モジュール1は、収容空間BSに導入される燃焼ガスの向きが転向部材76によってセルスタックCSに向かう向き以外の向きに転向される。これによれば、ガス導入孔723の開口位置によらず、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの局所部位に吹き付けられることを抑制することができる。
(第3実施形態の変形例)
第3実施形態では、転向部材76の具体的な形状を示したが、これに限定されない。転向部材76の形状は、所期の目的を達成可能なものであれば、上述したもの以外の形状になっていてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図14を参照して説明する。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明する。
図14に示すように、収容空間BSには、ガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される燃焼ガスを接続流路26に沿って第1温調器24側から第2温調器25側に案内するガイド部材77が配置されている。
具体的には、ガイド部材77は、板状であって接続流路26に沿って延びている。ガイド部材77は、一端側が転向部材76に接続されている。ガイド部材77は、セルスタックCSと接続流路26との間に配置されている。ガイド部材77は、転向部材76と一体に構成されているものに限らず、転向部材76と別体で構成されていてもよい。
その他については、第3実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第3実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第3実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)燃料電池モジュール1は、収容空間BSにガイド部材77が配置されていることで、第1温調器24側から収容空間BSに導入される燃焼ガスが第2温調器25側まで導かれる。これによれば、収容空間BSに導入される燃焼ガスによる対流伝熱によってセルスタックCSの第1温調器24側だけでなく第2温調器25側についても加熱することができる。加えて、収容空間BSに導入される燃焼ガスを接続流路26に沿って流すことで、収容空間BSに導入される燃焼ガスと接続流路26を流れる酸化剤ガスと熱交換させることができる。これにより、燃焼ガスと酸化剤ガスとの熱交換面積を拡大して、セルスタックCSに導入する酸化剤ガスを充分に加熱することができる。
(第4実施形態の変形例)
第4実施形態では、収容空間BSに転向部材76とガイド部材77とが配置されているが、燃料電池モジュール1は、これに限定されない。燃料電池モジュール1は、例えば、第2実施形態のように、収容空間BSに導入される燃焼ガスの向きを変える必要がない場合は転向部材76が省略されていてもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図15を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図15に示すように、燃焼ガス流路67は、第1温調器24に沿って軸方向DRaに延びるとともに、軸方向DRaの他方側が接続流路26に沿って径方向DRrの外側に向かって延長されている。そして、接続流路26を構成するベースプレート75に対してガス導入孔723が形成されている。具体的には、ガス導入孔723は、ベースプレート75のうち、ベースプレート75とセルスタックCSの並び方向(本例では軸方向DRa)において、セルスタックCSと対向しない部位に形成されている。換言すれば、隣り合うセルスタックCSとの間の隙間に燃焼ガスが導入されるように、ガス導入孔723は、ベースプレート75のうち隣り合うセルスタックCSとの間の隙間に対応する位置に形成されている。
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のように、ガス導入孔723における収容空間BS側の開口を第1温調器24のうちセルスタックCSと対向しない部位に形成すれば、高温の燃焼ガスがセルスタックCSの局所部位に吹き付けられることを抑制することができる。特に、燃焼ガスが接続流路26に沿って流れることで、収容空間BSに導入される燃焼ガスと接続流路26を流れる酸化剤ガスとを熱交換させることができる。これにより、燃焼ガスと酸化剤ガスとの熱交換面積を拡大して、セルスタックCSに導入する酸化剤ガスを充分に加熱することができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、図16、図17を参照して説明する。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明する。
図16に示すように、オフガス燃焼器63には、セルスタックCSから排出されるオフガスを燃焼させてオフ燃焼ガスを生成するオフガスバーナ631が設けられている。このオフガスバーナ631は、点火プラグが設けられていないプラグレスのバーナが採用されている。オフガス燃焼器63は、燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの混合ガスの自着火により燃焼させる自着火型の燃焼器として構成されている。なお、オフガス燃焼器63は、失火対策として点火プラグが設けられていてもよい。
オフガス燃焼器63には、高温の燃焼ガスを流通させる外部排気経路80が接続されている。外部排気経路80は、内部を流れる燃焼ガスの熱を有効活用すべく、改質器33、空気予熱器22、水蒸発器42等に熱的に接続されている。本実施形態では、外部排気経路80が、オフガスバーナ631で生成されたオフ燃焼ガスが流れる排気流路を構成する。なお、燃焼ガスの熱を伝える順序は、各機器にて必要とされる熱量等に応じて変更してもよい。
空気予熱器22は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方から受熱可能なように、燃焼ガス流路67および外部排気経路80に隣接して設けられている。以下、空気予熱器22および外部排気経路80について、図17を参照しつつ説明する。
図17に示すように、空気予熱器22は、スタック温調器23の第1温調器24を構成する内筒72の上方に配置されている。空気予熱器22は、内筒72に連通している。これにより、空気予熱器22を通過した空気がスタック温調器23の第1温調器24に供給される。空気予熱器22は、空気流れ上流側に位置する上流管部221および上流管部221の下流側に配置されて上流管部221と内筒72とを接続する下流管部222を有している。
上流管部221は、径方向DRrに沿って延びる配管で構成されている。上流管部221は、外部排気経路80を流れるオフ燃焼ガスから受熱可能なように、外部排気経路80に隣接して設けられている。本実施形態の上流管部221は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスのうち、片方(本例ではオフ燃焼ガス)から受熱可能な片方受熱部位を構成している。上流管部221は、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが対向流となるように、空気を流す向きが設定されている。本例の上流管部221は、軸心CLを中心に周方向の一方側から他方側に旋回して流れるように空気を流す向きが設定されている。なお、上流管部221における空気を流す向きは、周方向に限らず径方向に設定されていてもよい。
下流管部222は、軸方向DRaに沿って延びる筒形状の配管で構成されている。下流管部222は、軸方向DRaの一方側の端が上流管部221に接続され、軸方向DRaの他方側の端が内筒72に接続されている。下流管部222は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方から受熱可能なように、燃焼ガス流路67および外部排気経路80の双方に隣接して配置されている。下流管部222は、外部排気経路80と燃焼ガス流路67とで挟まれるように、外部排気経路80と燃焼ガス流路67との間に設けられている。本実施形態の下流管部222は、燃焼ガス流路67が内側に隣接し、外部排気経路80が外側に隣接するように筒状に構成されている。下流管部222は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方から受熱可能な双方受熱部位を構成している。下流管部222は、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが対向流となるように、空気を流す向きが設定されている。本例の下流管部222は、軸方向DRaの一方側から他方側に向かう方向に空気を流す向きが設定されている。
外部排気経路80は、改質器33および空気予熱器22に隣接して設けられている。外部排気経路80は、改質器33に放熱する第1経路81、空気予熱器22の下流管部222に放熱する第2経路82、空気予熱器22の上流管部221に放熱する第3経路83を含んでいる。図示しないが、外部排気経路80は、水蒸発器42に放熱する経路も含んでいる。
このように構成される燃料電池モジュール1は、セルCの起動処理時に暖機用バーナ65が点火されると、高温の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスによって空気予熱器22およびスタック温調器23の第1温調器24を流れる空気が昇温する。第1温調器24で昇温した空気は、接続流路26を介して第2温調器25に流れた後、セルスタックCSに供給される。これにより、セルCの起動処理時には、スタック温調器23からの輻射伝熱によってセルスタックCSの外部が加熱されるとともに、スタック温調器23で昇温した空気がセルスタックCSに導入されることによってセルスタックCSの内部が加熱される。
また、燃焼ガス流路67を流れる高温の燃焼ガスは、ガス導入孔723を介して収容空間BSに導入される。そして、収容空間BSに導入される燃焼ガスによる対流伝熱によってセルスタックCSの外部が加熱される。収容空間BSに導入された燃焼ガスは、オフガス経路60の空気排出経路61を介して排気される。燃焼ガスは、オフガス経路60を流れる際に、オフガス燃焼器63、改質器33、空気予熱器22、および水蒸発器42に放熱する。これにより、オフガス燃焼器63、改質器33、空気予熱器22、および水蒸発器42が昇温する。
オフガス燃焼器63の内側の温度が、酸化剤オフガスおよび燃焼オフガスの混合ガスの自着火温度に達すると、当該混合ガスが自着火して高温のオフ燃焼ガスが生成される。このオフ燃焼ガスは、外部排気経路80を流れる際に、改質器33、空気予熱器22、および水蒸発器42に放熱する。これにより、改質器33、空気予熱器22、および水蒸発器42が昇温する。
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)燃料電池モジュール1は、セルスタックCSから排出されるオフガスを燃焼させてオフ燃焼ガスを生成するオフガスバーナ631と、オフガスバーナ631で生成されたオフ燃焼ガスが流れる外部排気経路80と、を備える。燃料電池モジュール1は、スタック温調器23に供給される前の酸化剤ガスが流れる空気予熱器22を備える。空気予熱器22は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスのうち少なくとも一方から受熱可能なように、燃焼ガス流路67および外部排気経路80のうち少なくとも一方に隣接して設けられている。
このように、スタック温調器23に空気予熱器22で昇温された空気を流入させる構成とすれば、スタック温調器23へ早期に適温に加熱された空気を供給することができる。これにより、セルスタックCSの起動時や低温時に、スタック温調器23からの輻射伝熱によってセルスタックCSの外部を充分に加熱することができる。
(2)本実施形態の空気予熱器22は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方から受熱可能な下流管部222を含んでいる。これによると、スタック温調器23に流入させる空気を空気予熱器22で充分に加熱することができる。これにより、スタック温調器23からの輻射伝熱によってセルスタックCSの外部を充分に加熱することができる。
(3)具体的には、下流管部222は、燃焼ガス流路67が内側に隣接し、外部排気経路80が外側に隣接するように筒状に構成されている。これによると、オフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積が燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積よりも大きくなる。すなわち、オフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積を確保することができる。
特に、本実施形態の空気予熱器22は、上流管部221が外部排気経路80に隣接して設けられているので、オフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積を充分に確保することができる。これらによれば、セルスタックCSの起動時だけでなく、燃料電池10の発電時等に空気予熱器22を通過する空気を適切に昇温させることができる。
また、空気予熱器22は、下流管部222で燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気とが熱交換し、上流管部221および下流管部222の双方でオフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気とが熱交換する構造になっている。このため、空気予熱器22は、燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積がオフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積よりも小さくなっている。これによると、例えば、暖機用バーナ65がオフされた際の低温となった燃焼ガス流路67と空気予熱器22との間の意図しない熱交換、すなわち、空気予熱器22から燃焼ガス流路67への放熱を抑制することができる。
(第6実施形態の変形例)
空気予熱器22は、上流管部221および下流管部222のうち一方が省略されていてもよい。すなわち、空気予熱器22は、燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの一方から受熱可能なように、燃焼ガス流路67および外部排気経路80の一方に隣接して設けられていてもよい。また、上流管部221および下流管部222の形状は、図17に示したものに限定されず、図17に示したものとは異なっていてもよい。
第6実施形態の空気予熱器22は、空気流れ上流側が燃焼ガスと熱交換し、空気流れ下流側が燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方と熱交換する構造になっているが、これに限定されない。空気予熱器22は、例えば、空気流れ上流側が燃焼ガスおよびオフ燃焼ガスの双方と熱交換し、空気流れ下流側がオフ燃焼ガスと熱交換する構造になっていてもよい。
空気予熱器22は、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが対向流となるように、空気を流す向きが設定されているものを例示したが、これに限定されない。空気予熱器22は、例えば、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが並行流または直交流となるように、空気を流す向きが設定されていてもよい。
空気予熱器22は、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが対向流となるように、空気を流す向きが設定されているものを例示したが、これに限定されない。空気予熱器22は、例えば、空気の流れとオフ燃焼ガスの流れが並行流または直交流となるように、空気を流す向きが設定されていてもよい。
第6実施形態で説明した空気予熱器22および外部排気経路80は、第1実施形態だけでなく、例えば、第2~第5実施形態で説明した燃料電池モジュール1にも適用することができる。
空気予熱器22は、オフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積が燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積よりも大きくなっているが、これに限定されない。空気予熱器22は、例えば、オフ燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積が燃焼ガスと空気予熱器22を通過する空気との熱交換面積以下になるように構成されていてもよい。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について、図18、図19を参照して説明する。本実施形態では、第6実施形態と異なる部分について主に説明する。
第6実施形態の如く、オフガス燃焼器63が自着火型の燃焼器で構成されている場合、燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの混合ガスが自着火するまでの期間は、水素を含む未反応燃料が外部排気経路80を介して外部に流れ出てしまうことが懸念される。
このことを考慮し、本実施形態の外部排気経路80には、図18に示すように、オフ燃焼ガスに含まれる未反応燃料を燃焼させるための燃焼触媒84が配置されている。燃焼触媒84は、例えば、未反応燃料を酸化する酸化触媒等が挙げられる。
燃焼触媒84は、高温雰囲気下で触媒反応が活性化する。このため、本実施形態では、外部排気経路80において高温となる部位に燃焼触媒84を配置している。すなわち、燃焼触媒84は、外部排気経路80のうち、空気予熱器22における燃焼ガスから受熱可能な受熱部位に隣接した部位に配置されている。
具体的には、燃焼触媒84は、図19に示すように、外部排気経路80のうち、空気予熱器22の下流管部222に隣接した第2経路82に配置されている。なお、本実施形態では、下流管部222が空気予熱器22における燃焼ガスから受熱可能な受熱部位を構成する。
このように構成される燃料電池モジュール1は、燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの混合ガスが自着火するまでの期間は、未反応燃料がオフガス燃焼器63を通過して外部排気経路80に流れる。未反応燃料は、外部排気経路80を流れる際に、燃焼触媒84によって燃焼される。このため、水素を含む未反応燃料が外部排気経路80を介して外部に流れ出てしまうことが防止される。
また、オフ燃焼ガスに未反応燃料が含まれる場合、燃焼触媒84の触媒反応による反応熱が生じる。この反応熱の一部は、燃焼触媒84が配置された下流管部222に隣接する空気予熱器22を流れる空気に放熱される。
その他については、第6実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池モジュール1は、第6実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)外部排気経路80には、オフ燃焼ガスに含まれる未反応燃料を燃焼させるための燃焼触媒84が配置されている。これによると、オフ燃焼ガスに含まれる未反応燃料がそのまま外部に排気されてしまうことを抑制することができる。
(2)燃焼触媒84は、外部排気経路80のうち、空気予熱器22における燃焼ガスから受熱可能な受熱部位に隣接した部位に配置されている。これによると、空気予熱器22を通過する空気の昇温に燃焼触媒84の触媒反応による反応熱を利用することができるので、スタック温調器23に流入させる空気を空気予熱器22で充分に加熱することができる。
ここで、燃焼触媒84の触媒反応は発熱反応であるため、燃焼触媒84に過加熱が生じないように何らかの耐熱対策が必要となるが、本実施形態では、燃焼触媒84が外部排気経路80のうち空気予熱器22に隣接する部位に設けられている。このため、燃焼触媒84の触媒反応による反応熱が空気予熱器22を通過する空気に放熱されることで、燃焼触媒84の過加熱を抑えることができる。このように、燃焼触媒84の耐熱対策として空気予熱器22を利用すれば、燃焼触媒84の耐熱対策のために専用品を追加する場合に比べて、部品点数を減らして、燃料電池モジュール1のモジュール構成の簡素化を図ることができる。
(第7実施形態の変形例)
第7実施形態では、燃焼触媒84が外部排気経路80のうち、空気予熱器22における燃焼ガスから受熱可能な受熱部位に隣接した部位に配置されているものを例示したが、これとは異なる位置に配置されていてもよい。
燃焼触媒84は、例えば、外部排気経路80のうち、改質器33へ放熱する部位に配置されていてもよい。すなわち、燃焼触媒84は、外部排気経路80の第1経路81に配置されていてもよい。これによると、改質器33の昇温に燃焼触媒84の触媒反応による反応熱を利用することができるので、改質器33を早期に昇温させることができる。また、燃焼触媒84の触媒反応による反応熱で昇温したオフ燃焼ガスが空気予熱器22と熱交換する第2経路82に流れるので、スタック温調器23に流入させる空気を空気予熱器22で充分に加熱することができる。
ここで、改質器33の触媒反応は吸熱反応であるため、燃焼触媒84の触媒反応による反応熱の一部が改質器33に吸熱される。これにより、燃焼触媒84の過加熱が抑えられる。
また、燃焼触媒84は、例えば、外部排気経路80のうち、水蒸発器42へ放熱する部位に配置されていてもよい。これによると、水蒸発器42の昇温に燃焼触媒84の触媒反応による反応熱を利用することができるので、水蒸発器42を早期に昇温させることができる。また、水蒸発器42における気化潜熱等によって燃焼触媒84の過加熱が抑えられる。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、ガス導入孔723が、スタック温調器23のうち、セルスタックCSと対向しない部位に形成されているものを例示したが、ガス導入孔723の形成位置は、これに限定されない。ガス導入孔723は、スタック温調器23のうち、セルスタックCSと対向する部位に形成されていてもよい。例えば、ガス導入孔723における燃焼ガス流路67側の開口および収容空間BS側の開口のうち少なくとも一方が、内筒72におけるセルスタックCSと対向する位置に形成されていてもよい。
上述の実施形態では、セルスタックCSの収容空間BSに燃焼ガスを導入するものを例示したが、燃料電池モジュール1は、これに限定されない。燃料電池モジュール1は、例えば、セルスタックCSの収容空間BSに燃焼ガスが導入されないようになっていてもよい。
上述の実施形態では、スタック温調器23として第1温調器24、第2温調器25、接続流路26を有するものを例示したが、スタック温調器23は、これに限定されない。スタック温調器23は、例えば、第2温調器25および接続流路26が省略されていたり、上蓋74に第3温調器が設けられていたりしてもよい。また、第2温調流路250は、外側流路部252を通過した空気が折り返して内側流路部251に流入する流路構造になっているものを例示したが、これに限らず、例えば、外側流路部252だけを有する流路構造になっていてもよい。
上述の実施形態では、複数のセルスタックCSが、収容空間BSに放射状に配置されているものを例示したが、セルスタックCSの配置形態は、これに限定されない。複数のセルスタックCSは、例えば、軸方向DRaまたは径方向DRrに並んで配置されていてもよい。この場合、電池収容器71は、セルスタックCSの配置に合わせた形状にはっていてもよい。また、収容空間BSに配置するセルスタックCSの数は、上述したものに限定されない。例えば、収容空間BSに単一のセルスタックCSが配置されていてもよい。
上述の実施形態では、セルCの起動処理において、暖機用バーナ65での燃焼ガスの生成を開始した後に所定条件が成立すると、セルCからの電流の掃引が開始されるものを例示したが、セルCの起動処理は、これに限定されない。セルCの起動処理は、例えば、セルCからの電流の掃引を行わないようになっていてもよい。
上述の実施形態では、電池収容器71として、内側にドーナツ状の収容空間BSが形成される二重筒構造になっているものを例示したが、これに限定されず、電池収容器71は、二重筒構造以外の構造になっていてもよい。
上述の実施形態では、電池収容器71が鉛直方向に沿って延びる姿勢で配置されるものを例示したが、電池収容器71の配置姿勢はこれに限定されない。電池収容器71は、例えば、鉛直方向に対して傾いた姿勢で配置されていてもよい。
上述の実施形態では、空気予熱器22、改質器33、水蒸発器42、オフガス燃焼器63等が収容される空間に対して断熱された別の空間に燃料電池10が配置されている旨を説明したが、燃料電池10の配置態様はこれに限定されない。燃料電池10は、例えば、空気予熱器22、改質器33、水蒸発器42、オフガス燃焼器63等が収容される空間と同じ空間に配置されていてもよい。
上述の実施形態では、隣り合うセルスタックCSの間に、燃料ガスおよび酸化剤ガスの取合口が設けられているものを例示したが、取合口の配置形態は、これに限定されない。燃料ガスおよび酸化剤ガスの取合口は、隣り合うセルスタックCSの間以外に設けられていてもよい。
上述の実施形態では、本開示の燃料電池モジュール1を固体酸化物型の燃料電池10を備える燃料電池システムに適用した例について説明したが、燃料電池モジュール1の適用対象はこれに限定されない。燃料電池モジュール1は、例えば、固体電解質膜を有する燃料電池(すなわち、PEFC)等の他の燃料電池を備えるシステムに広く適用できる。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
本開示の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせで構成された一つ以上の専用コンピュータで、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1 燃料電池モジュール
23 スタック温調器
65 暖機用バーナ
67 燃焼ガス流路
BS 収容空間
C セル
CS セルスタック

Claims (14)

  1. 燃料電池モジュールであって、
    燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により電気エネルギを出力する燃料電池セル(C)が複数積層されたセルスタック(CS)と、
    前記セルスタックに供給される前の酸化剤ガスが流れるスタック温調器(23)と、
    前記セルスタックを暖機するための燃焼ガスを生成する暖機用バーナ(65)と、を備え、
    前記暖機用バーナは、前記セルスタックが収容される収容空間(BS)の外部に配置され、
    前記スタック温調器は、前記セルスタックと熱交換可能なように前記セルスタックと所定間隔をあけて対向して配置されるとともに、前記スタック温調器を流れる酸化剤ガスと前記暖機用バーナで生成された前記燃焼ガスとが熱交換可能なように前記暖機用バーナで生成された前記燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路(67)に隣接して設けられており
    前記スタック温調器は、前記燃焼ガス流路に隣接する第1温調器(24)と、前記第1温調器を通過した酸化剤ガスが流入する第2温調器(25)と、前記第1温調器と前記第2温調器とを接続する接続流路(26)と、を有し、
    前記第1温調器は、前記燃焼ガス流路と前記セルスタックとの間に配置され、
    前記第2温調器は、前記セルスタックを挟んで前記第1温調器の反対側に配置されており、
    前記暖機用バーナは、可燃ガスを燃焼させることで燃焼ガスを生成し、前記暖機用バーナで生成された燃焼ガスが前記燃焼ガス流路に供給され、前記燃焼ガス流路を流れる燃焼ガスが前記収容空間に導入される、燃料電池モジュール。
  2. 前記収容空間は、前記燃焼ガス流路に連通し、前記スタック温調器で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスが導入される、請求項1に記載の燃料電池モジュール。
  3. 前記スタック温調器には、前記スタック温調器で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスを前記収容空間に導入するガス導入孔(723)が設けられている、請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。
  4. 前記収容空間は、前記第1温調器、前記第2温調器、前記接続流路で囲まれており、
    前記第1温調器には、前記第1温調器で酸化剤ガスと熱交換した燃焼ガスを前記収容空間に導入するガス導入孔(723)が設けられている、請求項に記載の燃料電池モジュール。
  5. 前記ガス導入孔は、少なくとも前記収容空間側にある開口が、前記第1温調器のうち前記第1温調器と前記セルスタックとの並び方向において前記セルスタックと重なり合わない部位に形成されている、請求項に記載の燃料電池モジュール。
  6. 前記収容空間には、前記ガス導入孔を介して前記収容空間に導入される前記燃焼ガスの向きを前記セルスタックに向かう向き以外の向きに転向させる転向部材(76)が配置されている、請求項またはに記載の燃料電池モジュール。
  7. 前記収容空間には、前記ガス導入孔を介して前記収容空間に導入される前記燃焼ガスを前記接続流路に沿って前記第1温調器側から前記第2温調器側に案内するガイド部材(77)が配置されている、請求項ないしのいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
  8. 前記収容空間には、複数の前記セルスタックが放射状に配置され、
    前記第1温調器は、複数の前記セルスタックを放射状に配置したときの前記セルスタックの内側部分と熱交換するように前記内側部分に対向して配置され、
    前記第2温調器は、複数の前記セルスタックを放射状に配置したときの前記セルスタックの外側部分と熱交換するように前記外側部分に対向して配置されている、請求項ないしのいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
  9. 前記燃料電池セルの起動時は、前記暖機用バーナでの燃焼ガスの生成を開始した後に所定条件が成立すると、前記燃料電池セルからの電流の掃引が開始される、請求項1ないしのいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
  10. 前記セルスタックから排出されるオフガスを燃焼させてオフ燃焼ガスを生成するオフガスバーナ(631)と、
    前記オフガスバーナで生成された前記オフ燃焼ガスが流れる排気流路(80)と、
    前記スタック温調器に供給される前の酸化剤ガスが流れる空気予熱器(22)と、を備え、
    前記空気予熱器は、前記燃焼ガスおよび前記オフ燃焼ガスのうち少なくとも一方から受熱可能なように、前記燃焼ガス流路および前記排気流路のうち少なくとも一方に隣接して設けられている、請求項1ないしのいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
  11. 前記空気予熱器は、前記燃焼ガスおよび前記オフ燃焼ガスの双方から受熱可能な双方受熱部位(222)を含んでいる、請求項10に記載の燃料電池モジュール。
  12. 前記双方受熱部位は、前記燃焼ガス流路が内側に隣接し、前記排気流路が外側に隣接するように筒状に構成されている、請求項11に記載の燃料電池モジュール。
  13. 前記排気流路には、前記オフ燃焼ガスに含まれる未反応燃料を燃焼させるための燃焼触媒(84)が配置されている、請求項10ないし12のいずれか1つに記載の燃料電池モジュール。
  14. 前記燃焼触媒は、前記排気流路のうち、前記空気予熱器における前記燃焼ガスから受熱可能な受熱部位に隣接した部位に配置されている、請求項13に記載の燃料電池モジュール。
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