JP2003236641A - 圧造成形機における素材移送用チャック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャックアームの開閉タイミング及びチャッ
クの開度調整が簡単容易に設定できる圧造成形機におけ
る素材移送用チャック装置を得ること。 【解決手段】 一対のチャックアーム２５，２６を開閉
させて素材の挟持及び解除を行わせる昇降ロッド２２を
備えたチャック本体１５を、固定部材１１に移動可能に
支持された支持フレーム１３に支持する。固定部材１１
と支持フレーム１３との間に移動可能に配設された中間
フレーム１４上に、一端が昇降ロッド２２上部に連係部
材２７を介して連係され、他端が固定部材１１側に延び
るロッカーアーム２８を揺動可能に設ける。固定部材１
１に縦ねじ軸２９を備えたサーボモータ３０を設け、縦
ねじ軸２９上に上下移動可能に螺合され、かつロッカー
アーム２８の他端部と連係される移動体３１を設ける。
サーボモータ３０による縦ねじ軸２９の回転制御により
移動体３１を任意のタイミングで任意量上下移動させ、
ロッカーアーム２８を任意のタイミングで任意量往復揺
動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、パンチと共に圧造
ステーションを構成するダイに対して素材を搬出入する
圧造成形機における素材移送用チャック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の素材移送用チャック装置
としては、例えば、実開平５−２８５３５号に開示され
ているように、左右一対のチャックアーム取付軸と、こ
れら取付軸に取付けられ、各取付軸の回動により開閉さ
れる左右一対のチャックアームと、上記両取付軸を昇降
動作により回転させ、チャックアームを開閉させて素材
の挟持及び解除を行わせる昇降ロッドとを備えたチャッ
ク本体を、機台側固定部材に移動可能に支持された支持
フレームに支持する一方、上記固定部材と支持フレーム
との間に移動可能に配設された中間フレームの上に、一
端が上記昇降ロッドの上部に連係部材を介して連係さ
れ、他端が固定部材側に延びるロッカーアームを揺動可
能に設けると共に、機台上にパンチの駆動系に連動さ
れ、かつパンチの進退動作に同期して回転されるカム軸
が配設され、該カム軸にチャックを開閉させるための各
チャックごとの開閉用カムが固設されると共に、これら
の各カムにより揺動されるカムアームが設けられ、該カ
ムアームの先端部が上記ロッカーアームの他端部に連係
され、上記開閉用カムの回転に基づいてカムアームを揺
動させることにより、ロッカーアームを揺動させ、これ
に伴う昇降ロッドの昇降動作により各取付け軸を回転さ
せ、チャックアームを開閉させて素材のチャック及び解
除を行わせるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のチャック装置にあっては、カム軸に設けられる開閉
用カムの取付位置及びその形状により、チャックアーム
の開閉タイミングとチャック力が決定される構成であ
る。そのため、例えば、試し打ちをして開閉タイミング
を調整する場合に、開閉タイミングに狂いがあったりす
ると、カム軸にロックされた開閉用カムを一旦緩めた上
で所定角度ずらせ、その上で再びロックするといった面
倒な手作業を必要とし、その作業が非常に煩雑で手間を
取る問題があった。また、チャックアームの開度具合が
狂っている場合には、開閉カム自体を別の大きさの開閉
カムに交換しなければならない問題もあった。さらに、
新たな形状の製品を圧造成形する場合にも、その都度、
新製品の形状に合わせて開閉カムを特別に形成する必要
があるし、また、カム軸に取付けられた先に使用の開閉
カムを取外し、新たな開閉カムをカム軸に取付けた上
で、煩雑な手作業による開閉タイミングを調整する作業
が必要となる問題を有していた。

【０００４】そこで本発明は、チャックアームの開閉タ
イミング及びチャックの開度調整が簡単容易に設定でき
る圧造成形機における素材移送用チャック装置の提供を
課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、パンチと共に圧造ステーションを構成す
るダイに対して素材を搬出入する圧造成形機の素材移送
用チャック装置であって、左右一対のチャックアーム取
付軸と、これら取付軸に取付けられ、各取付軸の回動に
より開閉される左右一対のチャックアームと、上記両取
付軸を昇降動作により回転させ、チャックアームを開閉
させて素材の挟持及び解除を行わせる昇降ロッドとを備
えたチャック本体を、機台側固定部材に移動可能に支持
された支持フレームに支持する一方、上記固定部材と支
持フレームとの間に移動可能に配設された中間フレーム
の上に、一端が上記昇降ロッドの上部に連係部材を介し
て連係され、他端が固定部材側に延びるロッカーアーム
を揺動可能に設けると共に、固定部材に縦ねじ軸を備え
たサーボモータを設け、かつ、縦ねじ軸上に上下移動可
能に螺合され、かつロッカーアームの他端部と連係され
る移動体を設けて、上記サーボモータによる縦ねじ軸の
回転制御により移動体を任意のタイミングで、かつ任意
量上下移動させ、ロッカーアームを任意のタイミング
で、かつ任意量往復揺動させるようにしたことを特徴と
する。

【０００６】また、請求項２の発明は、上記した請求項
１の発明において、ロッカーアームと昇降ロッド側連係
部材との間にバネを介装し、チャックアームに設けられ
るチャック爪による素材の挟持後もさらにロッカーアー
ムの連係部材押し下げ方向への多少の揺動を許す構造と
したことを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、本実施の形態に係る素材
移送用チャック装置が備えられた多段式圧造成形機の概
略正面図であって、該圧造成形機１における機台２の所
定位置にはダイブロック３が設けられ、このダイブロッ
ク３には粗から精に至る複数個のダイ４…４が一定間隔
に並設されていると共に、これらのダイブロック３の前
方における機台２に装備されたラム（図示せず）の前面
には、上記ダイ４…４と同数個のパンチ（図示せず）が
それぞれ対向するように配置され、これらのダイ４…４
とパンチとにより複数の圧造ステーションが構成され、
かつパンチの進退移動によって、該パンチとダイ４…４
との間で素材を粗から精に順次段階的に圧造加工するよ
うになされている。

【０００８】そして、上記ダイブロック３の前面部に
は、素材Ｘを各圧造ステーションにかけて順次搬送する
素材移送用チャック装置１０が装備されている。この素
材移送用チャック装置１０は、図１，２に示すように、
上記機台２側の上面に固設された固定部材１１と、該固
定部材１１の両側部に一端が枢着されて揺動自在とされ
た左右一対の揺動アーム１２，１２と、これら一対の揺
動アーム１２，１２の他端に両端部がそれぞれ回動自在
に支持されて上記各ダイ４の並設方向に往復動可能とさ
れた上記支持フレーム１３と、該支持フレーム１３と上
記固定部材１１との間において両側部が上記一対の揺動
アーム１２，１２にそれぞれ回動自在に連結された中間
フレーム１４と、上記支持フレーム１３の前面に上記各
ダイ４の並設間隔と同間隔に、且つ各ダイ４と同数個と
して設けられた複数のチャック本体１５…１５と、これ
らチャック本体１５…１５を駆動する複数のチャック駆
動機構１６…１５とを備えている。

【０００９】また、上記支持フレーム１３の一側部に
は、パンチの進退動作に同期して該パンチの進退方向と
直交するダイ並設方向に所定ストロークで進退する駆動
ロッド１７が連結ピン１８によって連結され、この駆動
ロッド１６の進退動作に伴って可動フレーム１３が、つ
まり各チャック本体１５…１５が隣接するダイ４，４の
間隔に等しい距離だけ、上記パンチが後退している時間
内に円弧軌跡を描くように一往復移動されるようになさ
れている。

【００１０】そして、上記チャック本体１５は、図４に
示すように支持フレーム１３に固定されるチャックホル
ダー２１と、このホルダー２１内を昇降する昇降ロッド
２２と、該ホルダー２１の下部に回転自在に貫通支持さ
れ、昇降ロッド２２の昇降に連動して回動する一対のチ
ャック爪取付軸２３，２４と、これら取付軸２３，２４
に取付けられ、各取付軸２３，２４の回動により開閉さ
れる左右一対のチャックアーム２５，２６とを備えてい
る。

【００１１】また、上記チャック駆動機構１６として
は、図２，３に示すように固定部材１１と支持フレーム
１３との間に移動可能に配設された中間フレーム１４の
上部に、一端が上記昇降ロッド２２の上部に連係部材２
７を介して連係され、他端が固定部材１１側に延びるロ
ッカーアーム２８を揺動可能に設けると共に、固定部材
１１に縦ねじ軸２９を備えたサーボモータ３０を設け、
かつ、縦ねじ軸２９の軸上に上下移動のみ可能に螺合さ
れ、かつロッカーアーム２８の他端部と連係される移動
体３１を設けて、上記サーボモータ３０による縦ねじ軸
２９の回転制御により移動体３１を任意のタイミング
で、かつ任意量上下移動させ、ロッカーアームを任意の
タイミングで、かつ任意量往復揺動させるように構成さ
れている。サーボモータ３０は、外部に設置される操作
部（図示せず）の操作により該モータ３０の回転開始及
び停止タイミングと縦ねじ軸の回転量を成形品の形状に
応じて任意に設定変更される。また、上記移動体３１の
背部には、移動体３１の背面部に当接して該移動体３１
の縦ねじ軸２９に対する回転を阻止する阻止体３２が設
けられている。

【００１２】図に示す実施の形態では、図４に示されて
いるように一方の取付軸２３の中間部にチャック爪２５
ａ付きのチャックアーム２５が取付けられ、該アーム２
５の遊端部と昇降ロッド２２の下端部とが第１，第２ピ
ン３３，３４と連結板３５を介して連結されると共に、
取付軸２３の先端部に長孔３６ａ付の回動レバー３６が
取付けられている。また、他方の取付軸２４にチャック
爪２６ａ付きのチャックアーム２６が取付けられると共
に、該アーム２６の前面側には第３ピン３７を有する突
出部２６ｂが設けられ、第３ピン３７により該アーム２
６と回動レバー３６の先端部とが長孔３６ａを介して連
結されている。

【００１３】また、ロッカーアーム２８と昇降ロッド側
連係部材２７との間にバネ３８を設けて、チャック爪２
５ａ，２６ａによる素材Ｘの挟持後もさらにロッカーア
ーム２８の連係部材押し下げ方向への多少の揺動を許す
構造となされている。具体的には、連係部材２７が両端
に鍔部を有する糸巻き形状を呈し、その長さ方向中間部
にロッカーアーム２８の一端部が係合する両端に鍔部を
有する摺動体３９を摺動可能に支持し、該摺動体３９の
下方側鍔部の下面と連係部材２７の下方側鍔部の上面側
との間にバネ３８を介装している。

【００１４】次に、以上のように構成される素材移送用
チャック装置による素材Ｘの挟持及び解除動作について
説明する。

【００１５】まず、上記サーボモータ３０の駆動によっ
て縦ねじ軸２９を正回転させ、移動体３１を上方へ移動
させることにより、ロッカーアーム２８をその中間部を
支点として他端部を持ち上げ、一端部を押し下げる。こ
れにより、図５に示すように連係部材２７を介して昇降
ロッド２２を下降させる。この昇降ロッド２２の下降に
より図６に示すように第１，第２ピン３３，３４及び連
結板３５を介してチャックアーム２５が下方に揺動され
ると共に、該アーム２５の揺動に伴う回動レバー３６の
下方への回動により第３ピン３７を介してチャックアー
ム２６が下方に揺動され、上記チャック爪２５ａ，２６
ａが閉動作して、ダイ４内から押し出された素材Ｘがチ
ャック爪２５ａ，２６ａで挟持される。

【００１６】また、上記サーボモータ３０の駆動によっ
て縦ねじ軸２９を逆回転させ、移動体３１を下方へ移動
させることにより、ロッカーアーム２８をその中間部を
支点として他端部を押し下げ、一端部を持ち上げる。こ
れにより、図３に示すように連係部材２７を介して昇降
ロッド２２を上昇させる。この昇降ロッド２２の上昇に
より図４に示すように第１，第２ピン３３，３４及び連
結板３５を介してチャックアーム２５が上方に揺動され
ると共に、該アーム２５の揺動に伴う回動レバー３６の
上方への回動により第３ピン３７を介してチャックアー
ム２６が上方に揺動され、上記チャック爪２５ａ，２６
ａが開かれて素材Ｘが解放される。

【００１７】そして、昇降ロッド２２を昇降させる駆動
機構１６としてサーボモータ３０を用いたから、オペレ
ータが該モータ３０の操作部を外部操作してサーボモー
タ３０の回転開始及び停止タイミングと縦ねじ軸２９の
回転量を設定変更するだけで、チャックアーム２５，２
６の開閉タイミング及びチャック爪２５ａ，２６ａの開
度調整を簡単容易にかつ正確に行うことができる。これ
により、従来のように、手作業でカム軸に設けられる開
閉用カムの取付け位置を変更したり、或いは、開閉カム
をその成形品毎で交換したりするといった作業も不要に
でき、作業性を向上できる。

【００１８】また、ロッカーアーム２８と昇降ロッド側
連係部材２７との間にバネ３６を設けて、チャック爪２
５ａ，２６ａによる素材Ｘの挟持後もさらにロッカーア
ーム２８の連係部材押し下げ方向への多少の揺動を許す
構造としているから、チャック爪２５ａ，２６ａの閉鎖
時における隙間幅を設定するとき、成形品の幅に対しバ
ネ３６の許す範囲で融通性をもたせてやや狭めに設定す
ることが可能となる。つまり、チャック爪２５ａ，２６
ａの閉鎖による素材Ｘの挟持後、さらなるロッカーアー
ム２８の連係部材押し下げ方向への揺動に対しては摺動
体３９を介するバネ３８の圧縮動作により連係部材２７
を押し下げることなくこれを吸収することが可能とな
る。その結果、素材挟持後のロッカーアーム２８の連係
部材側への多少の押し下げ揺動を許すことが可能とな
り、チャック爪２５ａ，２６ａによる素材Ｘの挟持をよ
り確実に行わせることができる。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明の素材移送用チャッ
ク装置によれば、左右一対のチャックアーム取付軸と、
これら取付軸に取付けられ、各取付軸の回動により開閉
される左右一対のチャックアームと、上記両取付軸を昇
降動作により回転させ、チャックアームを開閉させて素
材のチャック及び解除を行わせる昇降ロッドとを備えた
チャック本体を、機台側固定部材に移動可能に支持され
た支持フレームに支持する一方、上記固定部材と支持フ
レームとの間に移動可能に配設された中間フレームの上
に、一端が上記昇降ロッドの上部に連係部材を介して連
係され、他端が固定部材側に延びるロッカーアームを揺
動可能に設けると共に、固定部材に縦ねじ軸を備えたサ
ーボモータを設け、かつ、縦ねじ軸上に上下移動可能に
螺合され、かつロッカーアームの他端部と連係される移
動体を設けて、上記サーボモータによる縦ねじ軸の回転
制御により移動体を任意のタイミングで、かつ任意量上
下移動させ、ロッカーアームを任意のタイミングで、か
つ任意量往復揺動させるようにしたから、従来のよう
に、手作業でカム軸に設けられる開閉用カムの取付け位
置を変更したり、或いは、開閉カムをその成形品毎で交
換したりするといった面倒な作業を行うことなく、オペ
レータがサーボモータの回転開始及び停止タイミングと
縦ねじ軸の回転量を設定変更するだけで、チャックアー
ムの開閉タイミング及びチャック爪の開度調整を簡単容
易にかつ正確に行うことができる。

【００２０】また、ロッカーアームと昇降ロッド側連係
部材との間にバネを介装し、チャックアームに設けられ
るチャック爪による素材の挟持後もさらにロッカーアー
ムの連係部材押し下げ方向への多少の揺動を許す構造と
すれば、チャック爪の閉鎖時における隙間幅を設定する
とき、成形品の幅に対してバネの許す範囲で融通性をも
たせやや狭めに設定することが可能となり、これによ
り、チャック爪による素材の挟持をより確実に行わせる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の素材移送用装置を備えた圧造成形機
の要部の正面図である。

【図２】 同一部省略平面図である。

【図３】 同一部省略縦断側面図である。

【図４】 チャック爪開放時のチャック本体の正面図で
ある。

【図５】 チャック爪閉鎖時の駆動機構の同動作説明図
である。

【図６】 チャック爪閉鎖時のチャック本体の正面図で
ある。

【符号の説明】

２ 機台 ４ ダイ １０ 素材移送用チャック装置 １１ 固定部材 １３ 支持フレーム １４ 中間フレーム ２２ 昇降ロッド ２３ チャックアーム取付軸 ２４ チャックアーム取付軸 ２５ チャックアーム ２５ａ チャック爪 ２６ チャックアーム ２６ａ チャック爪 ２８ ロッカーアーム ２９ 縦ねじ軸 ３０ サーボモータ ３１ 移動体 ３９ バネ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パンチと共に圧造ステーションを構成す
   るダイに対して素材を搬出入する圧造成形機における素
   材移送用チャック装置であって、左右一対のチャックア
   ーム取付軸と、これら取付軸に取付けられ、各取付軸の
   回動により開閉される左右一対のチャックアームと、上
   記両取付軸を昇降動作により回転させ、チャックアーム
   を開閉させて素材の挟持及び解除を行わせる昇降ロッド
   とを備えたチャック本体を、機台側固定部材に移動可能
   に支持された支持フレームに支持する一方、上記固定部
   材と支持フレームとの間に移動可能に配設された中間フ
   レームの上に、一端が上記昇降ロッドの上部に連係部材
   を介して連係され、他端が固定部材側に延びるロッカー
   アームを揺動可能に設けると共に、固定部材に縦ねじ軸
   を備えたサーボモータを設け、かつ、縦ねじ軸上に上下
   移動可能に螺合され、かつロッカーアームの他端部と連
   係される移動体を設けて、上記サーボモータによる縦ね
   じ軸の回転制御により移動体を任意のタイミングで、か
   つ任意量上下移動させ、ロッカーアームを任意のタイミ
   ングで、かつ任意量往復揺動させるようにしたことを特
   徴とする圧造成形機における素材移送用チャック装置。
2. 【請求項２】 ロッカーアームと昇降ロッド側連係部材
   との間にバネを介装し、チャックアームに設けられるチ
   ャック爪による素材の挟持後もさらにロッカーアームの
   連係部材押し下げ方向への多少の揺動を許す構造とした
   ことを特徴とする請求項１に記載の圧造成形機における
   素材移送用チャック装置。