JP2003233926A - 光学素子 - Google Patents

光学素子

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JP2003233926A
JP2003233926A JP2002030147A JP2002030147A JP2003233926A JP 2003233926 A JP2003233926 A JP 2003233926A JP 2002030147 A JP2002030147 A JP 2002030147A JP 2002030147 A JP2002030147 A JP 2002030147A JP 2003233926 A JP2003233926 A JP 2003233926A
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reflecting surface
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reflecting
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JP2002030147A
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Satoru Sugawara
悟 菅原
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の半導体レーザの擬似的な発光点間隔を
近接させることが可能で、かつ、大量生産に適した簡易
な構成で、低コストに生産できる光学素子を提供するこ
と。 【解決手段】 光学素子5は、半導体レーザ2、3の光
軸に対して垂直および平行でなく、かつ、お互いに平行
で対向した一対の反射面の組(6、7)を二組有してお
り、半導体レーザ2または半導体レーザ3から出射され
たレーザ光を第二反射面へ反射する第一反射面6と、第
一反射面6で反射されたレーザ光を記録面へ反射する第
二反射面7と、第二反射面が交差する稜の部分を除去し
た跡の面である除去面8と、から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の半導体レ
ーザと組み合わせて使用する光学素子に関し、より詳細
には、DVD、S−DVD、CD−R等の高密度光ディ
スクのピックアップ装置に取り付ける光学素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近時、情報記録媒体として、CD−R、
DVD等の様々な光ディスクが普及している。これら
は、ディスク自体にはそれ程相違がないものの、記録密
度、記録方式等に違いがあり、それぞれの規格にそった
記録再生装置を必要としている。このため、ユーザから
は、これらの記録再生装置を1台にまとめて、1台で複
数種類の光ディスクの記録または/および再生を行える
ようにすることが望まれている。
【0003】ところが、CD−ROMまたはCD−Rで
使用されている半導体レーザが波長780nmであるの
に対して、DVDで使用されている半導体レーザは波長
650nmである。一方の波長780nmの半導体レー
ザでは、光スポットをDVDのディスク上にあるピット
の大きさまで絞り込むことができず、他方の波長650
nmの半導体レーザでは、CD−Rのディスクに用いら
れている色素では反射されず、透過されてしまい、読み
取ることができない。
【0004】したがって、1台の記録再生装置で記録ま
たは/および再生を行うには、波長650nmと波長7
80nmの2つの半導体レーザを備える必要がある。こ
のため、波長650nmの半導体レーザチップと波長7
80nmの半導体レーザチップを1つのパッケージに並
列して取り付けた半導体レーザ装置が提案されている
が、1つのパッケージにした場合、レーザチップ自体の
幅やサブマウント幅の影響を受けて、2つのレーザチッ
プの発光点位置間隔が、300〜400μmと大きくな
ってしまうため、ピックアップの光学系を設計するのが
非常に難しいという不具合があった。
【0005】このため、これを解決するものとして、レ
ーザ光を反射させて擬似的に発光点を近接させる方法が
提案されている。特開平11−39684号公報「異波
長光源モジュール及びそれを利用した光ピックアップ装
置」では、45度の傾斜面となる断面三角形の形状を有
するサブマウントによって、光軸を近接させる方法が開
示されている。
【0006】図5は、特開平11−39684号公報の
光ピックアップ装置を示している。この装置では、断面
三角形の形状を有するサブマウント45によって、半導
体レーザ34、36から出射されたB1、B2を、近接
した反射面32B、32Cで反射させることにより、光
軸を近接させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−39684号公報によれば、45度の傾斜角とな
る断面三角形の形状を有するサブマウントを作製する必
要があるが、この45度の傾斜角となる断面三角形の作
製が容易ではないため、現実的には、大量生産に適用で
きるほど安定して作製できないという問題点があった。
【0008】特に、反射後の2つのレーザ光の光軸を揃
えるために、断面三角形を45度という特定の角度で作
製しなければならないため、精度の要求が高いという不
具合もあった。
【0009】また、断面三角形の稜の部分(先端から数
十μmの部分)は、加工の精度が得ることが難しく、反
射面の面精度が悪くなるため、稜の部分で反射されたレ
ーザ光が異なる記録面へ入射してノイズが発生する虞が
あるという不具合もあった。さらに、断面三角形の稜の
精度を高くすることができた場合でも、光の回折により
拡散したレーザ光が異なる記録面へ入射してノイズにな
るという不具合があった。
【0010】また、マイクロプリズムを用いて断面三角
形の形状を付加することは技術的には可能であるが、こ
の場合には、さらに実装することが困難で、かつ、コス
ト的に非常に高価なものになるという不具合が発生す
る。
【0011】換言すれば、上記特開平11−39684
号公報によれば、安価(低コスト)に大量生産すること
は困難であった。
【0012】この発明は上記に鑑みてなされたものであ
って、複数の半導体レーザの擬似的な発光点間隔を近接
させることが可能で、かつ、大量生産に適した簡易な構
成で、低コストに生産できる光学素子を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る光学素子は、二つの並列に配置され
た半導体レーザの発光点に近接して配置される光学素子
において、前記半導体レーザの光軸に対して垂直および
平行でなく、かつ、お互いに平行で対向した一対の反射
面の組を二組有しており、前記一対の反射面は、前記半
導体レーザの出射光が最初に当たる第一の反射面と、前
記第一の反射面で反射した光が再度反射する第二の反射
面とからなり、さらに、二組の前記一対の反射面のうち
第二の反射面同士が交差するように配設され、かつ、前
記第二の反射面同士が交差する稜の部分が除去されてい
ることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、半導体レーザからの出
射光を、お互いに平行で対向した一対の反射面の組を用
いて反射させて導くので、半導体レーザの出射光は、光
学素子に入射した角度(すなわち、方向)を維持したま
ま光学素子から出射させる。このとき、反射面は半導体
レーザの光軸に対して垂直および平行でないので、光学
素子に入射した半導体レーザの出射光は入射位置とは異
なる位置から出射される。また、二組の一対の反射面の
うち第二の反射面同士が交差するように配設されている
ので、二組の一対の反射面によって導かれた半導体レー
ザの出射光は、光学素子から出射される際に、近接した
位置から出射される。
【0015】また、請求項2に係る光学素子は、請求項
1に記載の光学素子において、二つの並列に配置された
半導体レーザからの出射光の光軸が、前記第一の反射面
で反射されて、他方の半導体レーザ側に折り曲げられる
ことを特徴とする。この発明によれば、反射された光が
それぞれ他方の半導体レーザ側に折り曲げられるので、
最終的に第二の反射面で反射されて光学素子から出射さ
れる光が互いに近接する。
【0016】また、請求項3に係る光学素子は、請求項
2に記載の光学素子において、前記第一の反射面と前記
第二の反射面とからなる二つの組が左右対称に配置され
ていることを特徴とする。この発明によれば、半導体レ
ーザが並列に配置されていること、光学素子の反射面の
配置が左右対称であることとによって、光学素子から出
射される光の間隔(発光点間隔)を最も小さくすること
ができる。
【0017】また、請求項4に係る光学素子は、請求項
1〜3のいずれか一つに記載の光学素子において、前記
光学素子が単結晶Siからなることを特徴とする。この
発明によれば、単結晶Siを使用することで高精度な平
行反射面を持つ光学素子を安価で容易に作製できる。
【0018】また、請求項5に係る光学素子は、請求項
4に記載の光学素子において、前記第一の反射面または
/および前記第二の反射面がSiの<111>面からな
ることを特徴とする。この発明によれば、特に高精度な
平行反射面を持つ光学素子を安価で容易に作製できる。
【0019】また、請求項6に係る光学素子は、請求項
5に記載の光学素子において、前記光学素子のLD実装
面と平行な面がSiの<110>面からなることを特徴
とする。この発明によれば、光学素子を安価で容易に作
製できる。
【0020】また、請求項7に係る光学素子は、請求項
5に記載の光学素子において、前記光学素子のLD実装
面と平行な面がSiの<100>面からなることを特徴
とする。この発明によれば、光路長増加の少ない光学素
子を安価で容易に作製できる。
【0021】また、請求項8に係る光学素子は、請求項
1〜7のいずれか一つに記載の光学素子において、前記
二つの並列に配置されたレーザが、それぞれ発光波長が
異なることを特徴とする。この発明によれば、通常の個
別半導体レーザを用いても発光点間隔が非常に小さい2
波長光源を簡単に作製できる。
【0022】また、請求項9に係る光学素子は、請求項
1〜8のいずれか一つに記載の光学素子において、前記
第一の反射面または/および前記第二の反射面には、A
uが蒸着されていることを特徴とする。この発明によれ
ば、シリコンで形成した光学反射面に650nm〜近赤
外の波長に対して反射率の高い反射膜を形成できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る光学素子の好適な実施の形態を詳細に説明す
る。なお、以下に述べるのは、一例であり、特に限定す
るものではない。
【0024】(実施の形態1)図1は、実施の形態1に
おける光学素子を装着したピックアップ装置の構成図で
ある。図1(a)は、正面図であり、図1(b)は、斜
視図である。図1に示したピックアップ装置は、装置全
体の基盤となるステム1と、半導体レーザ2および半導
体レーザ3を実装するサブマウント4と、半導体レーザ
2および3から出射されたレーザ光をそれぞれ反射し
て、擬似的な発光点間隔を近接させる光学素子5と、か
ら構成される。
【0025】ここで、半導体レーザ2は、波長650n
mの半導体レーザであり、半導体レーザ3は、波長78
0nmの半導体レーザである。半導体レーザ2および3
は、並列してサブマウント4に配置され、サブマウント
4と光学素子5は、それぞれステム1の異なる面に装着
されている。
【0026】以上の構成において、その動作を説明す
る。図1に示したピックアップ装置を用いて、CD−R
OM、CD−RまたはDVD等を読み取る場合、図示し
ない制御手段が、半導体レーザ2または3を制御して、
光学素子へレーザ光を出射する。光学素子を介して記録
面へ入射したレーザ光が記録面で反射し、反射されたレ
ーザ光を図示しないレンズが集光し、集光した光量から
制御手段が記録情報を読み取る。
【0027】CD−ROMまたはCD−Rを読み書きす
る場合は、波長780nmの半導体レーザ3を用い、D
VDを読み取る場合は、波長650nmの半導体レーザ
2を用いる。半導体レーザ2または3から出射されるレ
ーザ光は、互いに平行である。
【0028】図2は、本発明の要部である半導体レーザ
2、3および光学素子5の関係を詳細に示した図であ
る。光学素子5は、半導体レーザ2または3から出射さ
れたレーザ光を第二反射面へ反射する第一反射面6と、
第一反射面6で反射されたレーザ光を記録面へ反射する
第二反射面7と、第二反射面が交差する稜の部分を除去
した跡の面である除去面8と、を備えている。
【0029】ここで、第一反射面6と第二反射面7と
は、互いに平行、かつ、対向している。また、第一反射
面6とは、本発明の第一の反射面に相当し、第二反射面
7とは、本発明の第二の反射面に相当する。
【0030】以上の構成において、その動作を説明す
る。半導体レーザ2または3から出射されたレーザ光
は、第一反射面6へ入射し、第二反射面へ反射される。
反射されたレーザ光は、第二反射面へ入射し、図示しな
い光ディスクの記録面の方へ反射される。ここで、記録
面の方へ反射されたレーザ光の光軸と、半導体レーザ2
または3から出射されたレーザ光の光軸と、は平行であ
る。
【0031】具体的に説明すると、以下の通りである。
第一反射面6と第二反射面7とは、平行であるため、そ
れぞれの垂線も平行である。ここで、レーザ光の入射角
度および出射角度を垂線との交差角度とすると、第一反
射面6の入射角度と出射角度とは等しい。同様に、第二
反射面7の入射角度と出射角度とは等しい。
【0032】第一反射面6の出射角度と第二反射面7の
入射角度とは、錯角であるため等しい。よって、第一反
射面6の入射角度と第二反射面7の出射角度とは等し
い。それぞれの垂線は平行であるから、記録面の方へ反
射されたレーザ光の光軸と、半導体レーザ2または3か
ら出射されたレーザ光の光軸と、は平行となる。
【0033】さらに、平行、かつ、対向する反射面を用
いているため、半導体レーザ2および3と、光学素子と
が横方向に多少ずれた場合でも、ずれていない場合と同
様に擬似的に発光点を近接させ、本来の位置へ出射でき
る。
【0034】除去面8は、第二反射面7の交差する稜の
部分を除去した跡にできた面である。半導体レーザの光
軸(LD光軸)の周囲には、光の回折による周辺光があ
り、図2上にLDビーム広がりとして周辺光の範囲が図
示されている。この周辺光が、本来入射するべき記録面
とは異なる記録面へ入射して、ノイズとなることを防ぐ
ため、断面三角形の稜の部分を除去する。
【0035】図3は、断面三角形の稜の部分における周
辺光の反射を表した図である。図3(a)は、加工精度
の問題上、稜の部分が突出した場合の図であり、図3
(b)は、実施の形態1における稜の部分を除去した場
合の図である。図3(a)では、周辺光が突出した面で
反射して、本来入射するべき記録面とは異なる記録面へ
入射して、反射し、ノイズとなる。これに対して、図3
(b)では、周辺光が除去面8で反射して、記録面とは
全く異なる方向へ入射する。このため、半導体レーザ2
および3の中心光(LD中心光)が通過する部分以外に
レーザ光の遮蔽板を取り付ける等して、ノイズを防ぐこ
とができる。
【0036】前述したように、実施の形態1の光学素子
は、半導体レーザ2または3の擬似的な発光点間隔を近
接させることが可能で、かつ、大量生産に適した簡易な
構成で、低コストに生産できる光学素子を提供すること
ができる。また、半導体レーザ2または3の光軸と第一
反射面および第二反射面との角度を限定することなく、
ある程度反射角度に自由度を持つ光学素子を提供するこ
とができる。
【0037】また、第二反射面が交差して形成される断
面三角形の稜の部分を除去したため、断面三角形の稜の
部分から反射したレーザ光が、異なる記録面へ入射する
ことがない光学素子を提供することができる。
【0038】さらに、平行、かつ、対向する第一反射面
および第二反射面を用いているため、半導体レーザ2お
よび3と、光学素子とが横方向に多少ずれた場合でも、
ずれていない場合と同様に擬似的に発光点を近接させ、
本来の位置へ出射できる。
【0039】(実施の形態2)実施の形態2における光
学素子は、実施の形態1で示した光学素子と構成がほぼ
同じであるため、ここでは、異なる部分について説明す
る。
【0040】実施の形態2における光学素子は、材質と
して単結晶Siを用いる。単結晶Siでは、KOH等の
異方性エッチング液で特定の結晶面を選択的に得ること
ができる。特に、Siの<111>面は、異方性エッチ
ング時の選択比が100以上と非常に高く、高精度な反
射面を必要とする用途に適している。このため、平行度
の高い対向した反射面を容易に作製でき、半導体プロセ
スによって高精度な平行反射面を持つ光学素子を低コス
トに生産できる。
【0041】Siの<111>面からなる光学素子の反
射面は、半導体レーザの実装面と垂直な位置関係であ
る。この様な光学素子を低コストで実現するためには、
基板面に<110>面を用いると、垂直な<111>面
が、2方向で得られる。この場合、基板面の<110>
面は、光学素子をステム1へ装着する実装面と平行な面
となる。
【0042】<110>基板面に垂直な2つの<111
>面は、70.52度または109.48度(=180
度−70.52度)で交差している。この<111>面
を左右対称に配置するためには、光学素子の実装面を<
110>面または<100>面にする配置がある。どち
らの交差角度で反射面を形成するかでレーザ光の光路長
が変化する。
【0043】図4は、実施の形態2における光学素子の
反射面の角度と光路長を示した図である。図4(a)で
は、光学素子の実装面を<110>面にして、交差角度
109.48度で反射面が形成されている。図4(b)
では、光学素子の実装面を<100>面にして、交差角
度70.52度で反射面が形成されている。
【0044】図4(a)では、第一反射面で反射したレ
ーザ光が逆行しながら第二反射面へ入射している。図4
(b)に比べて逆行している分、図4(a)では、発光
点から第二反射面までの距離が長くなる。さらに、第一
反射面までの距離も、図4(a)の方が長い。このた
め、光学素子の実装面を<100>面にして、交差角度
70.52度で反射面が形成することにより、発光点と
反射面の距離が最小となるような光学素子を提供するこ
とができる。
【0045】前述したように、実施の形態2の光学素子
は、半導体レーザ3から出射されたレーザ光を第一反射
面で半導体レーザ2側へ反射するようにしているため、
発光点と反射面の距離が最小となるような光学素子を提
供することができる。
【0046】また、半導体レーザ2、3と、第一の反射
面および第二の反射面の2組とが並列に配置され、左右
対称となっているため、実施の形態1の発明よりも、さ
らに半導体レーザ2および3の擬似的な発光点間隔を近
接させることが可能で、かつ、大量生産に適した簡易な
構成で、低コストに生産できる光学素子を提供すること
ができる。
【0047】(実施の形態3)実施の形態3における光
学素子は、実施の形態1で示した光学素子と構成がほぼ
同じであるため、ここでは、異なる部分について説明す
る。
【0048】Si等で形成した光学素子の反射面は、反
射率が低いため、反射率を高める反射膜を設ける。実施
の形態3では、半導体レーザ2または3からのレーザ光
が、周辺光(LDビーム広がり)を含めると±10度程
度と広くなるため、誘電体多層膜では高い反射率を得る
ことは困難である。
【0049】これを解決するため、実施の形態3では、
Au(金)を反射膜として反射面に形成する。Auは、
650nm〜近赤外線の波長に対してAl(アルミニウ
ム)より高い反射率を持っている。Auは、シリコンへ
の密着力が低いため、反射膜とする場合には、Ti(チ
タン)またはCr(クロム)の下地層を設けた多層構造
を用いて蒸着する。
【0050】前述したように、実施の形態3の光学素子
は、第一反射面および第二反射面にAuが蒸着されてい
るため、半導体レーザ2および3から出射されたレーザ
光が拡散し、ある程度の広範囲で反射した場合でも、十
分なレーザ光の光量を確保可能な光学素子を提供するこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、二つの並列に配置された半導体レーザの
発光点に近接して配置される光学素子において、前記半
導体レーザの光軸に対して垂直および平行でなく、か
つ、お互いに平行で対向した一対の反射面の組を二組有
しており、前記一対の反射面は、前記半導体レーザの出
射光が最初に当たる第一の反射面と、前記第一の反射面
で反射した光が再度反射する第二の反射面とからなり、
さらに、二組の前記一対の反射面のうち第二の反射面同
士が交差するように配設され、かつ、前記第二の反射面
同士が交差する稜の部分が除去されているため、複数の
半導体レーザの擬似的な発光点間隔を近接させることが
可能で、かつ、大量生産に適した簡易な構成で、低コス
トに生産できる光学素子を提供することができる。ま
た、半導体レーザの光軸と反射面との角度を限定するこ
となく、ある程度反射角度に自由度を持つ光学素子を提
供することができる。さらに、平行、かつ、対向する第
一の反射面および第二の反射面を用いているため、半導
体レーザと、光学素子とが横方向に多少ずれた場合で
も、ずれていない場合と同様に擬似的に発光点を近接さ
せ、本来の位置へ出射できる。
【0052】また、請求項2に記載の発明によれば、断
面三角形の稜の部分を除去したため、断面三角形の稜の
部分から反射したレーザ光が、異なる記録面へ入射する
ことがない光学素子を提供することができる。
【0053】また、請求項3に記載の発明によれば、第
一の反射面で他方の半導体レーザ側に反射するようにし
ているため、発光点と反射面の距離が最小となるような
光学素子を提供することができる。
【0054】また、請求項3に記載の発明によれば、半
導体レーザ、第一の反射面および第二の反射面の2組が
並列に配置され、左右対称となっているため、請求項1
に記載の発明よりも、さらに複数の半導体レーザの擬似
的な発光点間隔を近接させることが可能で、かつ、大量
生産に適した簡易な構成で、低コストに生産できる光学
素子を提供することができる。
【0055】また、請求項4に記載の発明によれば、第
一の反射面および第二の反射面の材質を単結晶Siとし
ているため、請求項1に記載の発明よりも、さらに複数
の半導体レーザの擬似的な発光点間隔を近接させること
が可能で、かつ、大量生産に適した簡易な構成で、低コ
ストに生産できる光学素子を提供することができる。
【0056】また、請求項5に記載の発明によれば、第
一の反射面および第二の反射面がSiの<111>面か
ら構成されているため、請求項1に記載の発明よりも、
さらに複数の半導体レーザの擬似的な発光点間隔を近接
させることが可能で、かつ、大量生産に適した簡易な構
成で、低コストに生産できる光学素子を提供することが
できる。
【0057】また、請求項6に記載の発明によれば、光
学素子の実装面がSiの<110>面から構成されてい
るため、請求項1に記載の発明よりも、さらに複数の半
導体レーザの擬似的な発光点間隔を近接させることが可
能で、かつ、大量生産に適した簡易な構成で、低コスト
に生産できる光学素子を提供することができる。
【0058】また、請求項7に記載の発明によれば、光
学素子の実装面がSiの<100>面から構成されてい
るため、光路長増加の少ない、発光点と反射面の距離が
最小となるような光学素子を提供することができる。
【0059】また、請求項8に記載の発明によれば、並
列に配置された半導体レーザの発光波長がそれぞれ異な
る構成にしているため、通常の半導体レーザチップを用
いた場合でも、発光点間隔が非常に小さい2波長光源を
実現できる。
【0060】また、請求項9に記載の発明によれば、第
一の反射面および第二の反射面にAuが蒸着されている
ため、レーザ光の拡散によってある程度の広範囲で反射
した場合でも、十分なレーザ光の光量を確保可能な光学
素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における光学素子を装着したピッ
クアップ装置の構成図である。
【図2】本発明の要部である半導体レーザおよび光学素
子の関係を詳細に示した図である。
【図3】断面三角形の稜の部分における周辺光の反射を
表した図である。
【図4】実施の形態2における光学素子の反射面の角度
と光路長を示した図である。
【図5】従来の光ピックアップ装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ステム 2、3 半導体レーザ 4 サブマウント 5 光学素子 6 第一反射面 7 第二反射面 8 除去面

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの並列に配置された半導体レーザの
    発光点に近接して配置される光学素子において、 前記半導体レーザの光軸に対して垂直および平行でな
    く、かつ、お互いに平行で対向した一対の反射面の組を
    二組有しており、 前記一対の反射面は、前記半導体レーザの出射光が最初
    に当たる第一の反射面と、前記第一の反射面で反射した
    光が再度反射する第二の反射面とからなり、 さらに、二組の前記一対の反射面のうち第二の反射面同
    士が交差するように配設され、かつ、前記第二の反射面
    同士が交差する稜の部分が除去されていることを特徴と
    する光学素子。
  2. 【請求項2】 二つの並列に配置された半導体レーザか
    らの出射光の光軸は、前記第一の反射面で反射されて、
    他方の半導体レーザ側に折り曲げられることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学素子。
  3. 【請求項3】 前記第一の反射面と前記第二の反射面と
    からなる二つの組は、左右対称に配置されていることを
    特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 【請求項4】 前記光学素子は、単結晶Siからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光
    学素子。
  5. 【請求項5】 前記第一の反射面または/および前記第
    二の反射面は、Siの<111>面からなることを特徴
    とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 【請求項6】 前記光学素子のLD実装面と平行な面が
    Siの<110>面からなることを特徴とする請求項5
    に記載の光学素子。
  7. 【請求項7】 前記光学素子のLD実装面と平行な面が
    Siの<100>面からなることを特徴とする請求項5
    に記載の光学素子。
  8. 【請求項8】 前記二つの並列に配置されたレーザは、
    それぞれ発光波長が異なることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一つに記載の光学素子。
  9. 【請求項9】 前記第一の反射面または/および前記第
    二の反射面には、Auが蒸着されていることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一つに記載の光学素子。
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