JP2003232587A - 製氷装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 短時間で透明氷を製氷する家庭用冷蔵庫にお
ける製氷装置や業務用製氷装置を提供する。 【解決手段】 冷凍空間内に上部に加熱手段を底部に冷
却手段を有する容器を設置し、間欠給水と共に製氷容器
を揺動し、給水量に応じて加熱を制御することによっ
て、迅速に透明氷を製氷する。
ける製氷装置や業務用製氷装置を提供する。 【解決手段】 冷凍空間内に上部に加熱手段を底部に冷
却手段を有する容器を設置し、間欠給水と共に製氷容器
を揺動し、給水量に応じて加熱を制御することによっ
て、迅速に透明氷を製氷する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家庭用冷蔵庫ならび
に業務用冷凍庫における透明氷の製氷装置に関する。
に業務用冷凍庫における透明氷の製氷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭用冷蔵庫における透明氷の製
氷は、製氷皿に給水後、製氷皿を揺動させて、水の凍結
に伴い発生した気泡が氷の中に混入するのを防いだり、
製氷する前に空気などの溶存ガスを脱気した水を用いて
製氷する方法が採られていた。また、気泡だけでなくカ
ルシウムイオンなどの硬度イオン成分が氷の中で析出し
て白濁するのを防止するために、業務用製氷庫では、水
を凍結するために製氷皿の開口部を下に向けて噴水状に
給水し、製氷容器の側面から徐々に凍らせていく方法が
採られていた。更に、天然の氷筍に倣って単結晶を育成
する方法などがあった。
氷は、製氷皿に給水後、製氷皿を揺動させて、水の凍結
に伴い発生した気泡が氷の中に混入するのを防いだり、
製氷する前に空気などの溶存ガスを脱気した水を用いて
製氷する方法が採られていた。また、気泡だけでなくカ
ルシウムイオンなどの硬度イオン成分が氷の中で析出し
て白濁するのを防止するために、業務用製氷庫では、水
を凍結するために製氷皿の開口部を下に向けて噴水状に
給水し、製氷容器の側面から徐々に凍らせていく方法が
採られていた。更に、天然の氷筍に倣って単結晶を育成
する方法などがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】透明製氷する場合の大
きな課題は、凍結時に発生する気泡が氷の中に取り込ま
れて不透明領域が発生し製氷速度を速くできないことで
ある。更に、硬度の高い井戸水やミネラル水などに存在
する硬度イオン成分そのものの析出によっても不透明に
なるためできるだけゆっくりと製氷する必要がある。詳
細に説明すると、一般の水道水には、硬度イオン成分が
15〜30ppm、溶存ガスが20ppm程度含まれて
いる。水が凍結して氷となる場合、氷と水の固液界面に
おける界面移動速度と結晶化することによって排出され
た不純物の拡散速度の兼ね合いによって、結晶に取り込
まれず透明になったり、結晶の中に取り込まれて不透明
になったりするので、透明製氷する場合には、できるだ
け時間をかけて製氷することが重要であり、製氷時間を
短くしようと思ってもできないという課題があった。ま
た、静固液界面で液相から固相へ相変化した時に生じる
潜熱によって、固液界面温度が上昇することも製氷速度
を低下させる原因であった。製氷容器に一度で給水し
て、製氷容器を揺動させ、氷へ気泡が混入するのを防止
する場合でも一度に凍結する水の量が多いので、それに
含まれる溶存ガスや硬度イオン成分の量が多く、製氷後
の氷の表面には硬度イオン成分が溜まり白濁する場合が
あった。天然の氷筍の原理に従って製氷する場合は、非
常に品質のよい単結晶氷が製氷できるが、製氷速度が非
常に遅く何日も要するという課題があった。また、製氷
皿の開口部を下に向けて水を噴水状に供給する方法は、
装置が大きくなり家庭用に不向きであった。
きな課題は、凍結時に発生する気泡が氷の中に取り込ま
れて不透明領域が発生し製氷速度を速くできないことで
ある。更に、硬度の高い井戸水やミネラル水などに存在
する硬度イオン成分そのものの析出によっても不透明に
なるためできるだけゆっくりと製氷する必要がある。詳
細に説明すると、一般の水道水には、硬度イオン成分が
15〜30ppm、溶存ガスが20ppm程度含まれて
いる。水が凍結して氷となる場合、氷と水の固液界面に
おける界面移動速度と結晶化することによって排出され
た不純物の拡散速度の兼ね合いによって、結晶に取り込
まれず透明になったり、結晶の中に取り込まれて不透明
になったりするので、透明製氷する場合には、できるだ
け時間をかけて製氷することが重要であり、製氷時間を
短くしようと思ってもできないという課題があった。ま
た、静固液界面で液相から固相へ相変化した時に生じる
潜熱によって、固液界面温度が上昇することも製氷速度
を低下させる原因であった。製氷容器に一度で給水し
て、製氷容器を揺動させ、氷へ気泡が混入するのを防止
する場合でも一度に凍結する水の量が多いので、それに
含まれる溶存ガスや硬度イオン成分の量が多く、製氷後
の氷の表面には硬度イオン成分が溜まり白濁する場合が
あった。天然の氷筍の原理に従って製氷する場合は、非
常に品質のよい単結晶氷が製氷できるが、製氷速度が非
常に遅く何日も要するという課題があった。また、製氷
皿の開口部を下に向けて水を噴水状に供給する方法は、
装置が大きくなり家庭用に不向きであった。
【0004】そこで本発明の目的は、家庭用冷蔵庫で
も、製氷時間が短くしかも透明度が非常に高い氷の製氷
を可能にする製氷装置を提供することにある。
も、製氷時間が短くしかも透明度が非常に高い氷の製氷
を可能にする製氷装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、上部側面に加熱手段と第1の温度検知手段
と、底部に上部側面よりも低温に保持するための冷却手
段と第2の温度検知手段を具備した上部に開口部を有す
る容器を設置し、前記製氷容器の開口部より間欠給水と
製氷容器の揺動をする手段を具備したことを特徴とし、
請求項1に記載の手段によれば、第1および第2の温度
検知手段により検出した温度と予め設定された第1およ
び第2の所定温度とを比較して、前記第1の検出温度が
前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の検出温度が前
記第2の所定温度以上になったとき、前記容器の開口部
より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、所定時間経過
後間欠給水と容器の揺動および加熱を停止し、前記第1
の検出手段の検出温度が第3の所定温度以下になったと
き製氷終了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終了後再
び加熱手段による加熱が開始される。
に本発明は、上部側面に加熱手段と第1の温度検知手段
と、底部に上部側面よりも低温に保持するための冷却手
段と第2の温度検知手段を具備した上部に開口部を有す
る容器を設置し、前記製氷容器の開口部より間欠給水と
製氷容器の揺動をする手段を具備したことを特徴とし、
請求項1に記載の手段によれば、第1および第2の温度
検知手段により検出した温度と予め設定された第1およ
び第2の所定温度とを比較して、前記第1の検出温度が
前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の検出温度が前
記第2の所定温度以上になったとき、前記容器の開口部
より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、所定時間経過
後間欠給水と容器の揺動および加熱を停止し、前記第1
の検出手段の検出温度が第3の所定温度以下になったと
き製氷終了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終了後再
び加熱手段による加熱が開始される。
【0006】請求項2に記載の手段によれば、第1およ
び第2の温度検知手段により検出した温度と予め設定さ
れた第1および第2の所定温度とを比較して、前記第1
の検出温度が前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の
検出温度が前記第2の所定温度以上になったとき、前記
容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、
給水量が所定量に達したとき前記加熱を停止し、前記間
欠給水と容器の揺動開始後所定時間経過した後間欠給水
と容器の揺動を停止し、前記第1の検出手段の検出温度
が第3の所定温度以下になったとき製氷終了と判断し、
離氷動作を開始し、離氷終了後再び加熱手段による加熱
が開始される。
び第2の温度検知手段により検出した温度と予め設定さ
れた第1および第2の所定温度とを比較して、前記第1
の検出温度が前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の
検出温度が前記第2の所定温度以上になったとき、前記
容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、
給水量が所定量に達したとき前記加熱を停止し、前記間
欠給水と容器の揺動開始後所定時間経過した後間欠給水
と容器の揺動を停止し、前記第1の検出手段の検出温度
が第3の所定温度以下になったとき製氷終了と判断し、
離氷動作を開始し、離氷終了後再び加熱手段による加熱
が開始される。
【0007】請求項3に記載の手段によれば、第1およ
び第2の温度検知手段により検出した温度と予め設定さ
れた第1および第2の所定温度とを比較して、前記第1
の検出温度が前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の
検出温度が前記第2の所定温度以上になったとき、前記
容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、
給水量に応じて加熱手段による加熱を制御し、所定時間
経過後間欠給水と容器の揺動を停止し、前記第1の検出
手段の検出温度が第3の所定温度以下になったとき製氷
終了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終了後再び加熱
手段による加熱が開始される。
び第2の温度検知手段により検出した温度と予め設定さ
れた第1および第2の所定温度とを比較して、前記第1
の検出温度が前記第1の所定温度以下で且つ前記第2の
検出温度が前記第2の所定温度以上になったとき、前記
容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺動を開始し、
給水量に応じて加熱手段による加熱を制御し、所定時間
経過後間欠給水と容器の揺動を停止し、前記第1の検出
手段の検出温度が第3の所定温度以下になったとき製氷
終了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終了後再び加熱
手段による加熱が開始される。
【0008】請求項4に記載の加熱手段は絶縁膜で覆わ
れたヒーター線を熱伝導性のよい材料で挟まれた構造に
なっている。
れたヒーター線を熱伝導性のよい材料で挟まれた構造に
なっている。
【0009】請求項5に記載の揺動動作は、容器を平行
移動させる。
移動させる。
【0010】請求項6に記載の揺動動作は、容器の短い
辺の中点を中心として、所定の角度正反回転し揺動させ
る。
辺の中点を中心として、所定の角度正反回転し揺動させ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明を図面に基づいて詳細に説
明する。透明氷を製氷するための製造装置を図1に示
す。開閉可能な扉5を有する冷凍庫2内に、絶縁膜で被
服されたニクロム線などのヒーター線8を熱伝導のよい
金属膜たとえばアルミ箔で挟み、これを製氷容器1の上
部側面に巻き、底部には上部側面よりも低温に保持する
ための冷却手段たとえばアルミ板からなる冷凍板3を接
触させた製氷容器1を設置する。
明する。透明氷を製氷するための製造装置を図1に示
す。開閉可能な扉5を有する冷凍庫2内に、絶縁膜で被
服されたニクロム線などのヒーター線8を熱伝導のよい
金属膜たとえばアルミ箔で挟み、これを製氷容器1の上
部側面に巻き、底部には上部側面よりも低温に保持する
ための冷却手段たとえばアルミ板からなる冷凍板3を接
触させた製氷容器1を設置する。
【0012】ヒータ線8を熱伝導性のよい金属膜等で挟
んだ構造にした理由は、製氷容器1の側面近傍の温度の
バラツキを押さえるのと、給水量が増えて固液界面およ
び液面が製氷容器1の上部近くになると加熱よりも冷却
しなければならず、ヒータ線8への通電を停止したとき
に、上部側面の温度を速やかに低下させるためである。
製氷容器1の材質はPP(ポリプロピレン)やPET
(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂でもアルミ
ニウムのような金属でもよい。製氷容器1と冷凍板3は
アクチュエーター7によって、平行もしくは回転による
揺動が可能な構成になっている。給水タンク12は水1
3を予め室温よりも低温に保つために冷蔵庫(図示して
いない)内に設置されている。製氷容器1への給水は、
給水タンク12から給水ポンプ11を使って凍結を防ぐ
ために断熱材14内を貫通している給水ノズル9を介し
て行われる。製氷容器1の上部側面および底部の温度
は、サーミスター15および16で検出される。製氷
後、できた氷は貯氷庫4に溜められる。図示していない
が、給水ポンプ11やアクチュエータ7、ヒータ線8の
駆動回路、サーミスター15、16や製氷容器1の平行
位置検知センサ(図示していない)などが制御手段に接
続されていいる。 図2の(a)(b)は、それぞれ製
氷容器1を左右および回転によって揺動する様子を示し
たもである。例えば、図3の(a)に平行に揺動する場
合の左へ動かしたときの液面と固液界面の様子を示し、
同図(b)に(a)に示す製氷容器1の側面A−Bの温
度変化を示す。揺動する目的は、水が結晶化するときに
生じる気泡や不純物を氷の中に取り込まれないようにす
ると同時に、結晶化によって生じた潜熱を効果的に拡散
して製氷速度を速くすることにある。1回に給水量が少
ないと、揺動によって効果的に拡散でき、氷と水の固液
界面における温度上昇は少なく、液面が動いているの
で、水が過冷却状態にあっても液体内に放射状に氷が成
長するのではなく、固面に従って平面状に速く成長す
る。
んだ構造にした理由は、製氷容器1の側面近傍の温度の
バラツキを押さえるのと、給水量が増えて固液界面およ
び液面が製氷容器1の上部近くになると加熱よりも冷却
しなければならず、ヒータ線8への通電を停止したとき
に、上部側面の温度を速やかに低下させるためである。
製氷容器1の材質はPP(ポリプロピレン)やPET
(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂でもアルミ
ニウムのような金属でもよい。製氷容器1と冷凍板3は
アクチュエーター7によって、平行もしくは回転による
揺動が可能な構成になっている。給水タンク12は水1
3を予め室温よりも低温に保つために冷蔵庫(図示して
いない)内に設置されている。製氷容器1への給水は、
給水タンク12から給水ポンプ11を使って凍結を防ぐ
ために断熱材14内を貫通している給水ノズル9を介し
て行われる。製氷容器1の上部側面および底部の温度
は、サーミスター15および16で検出される。製氷
後、できた氷は貯氷庫4に溜められる。図示していない
が、給水ポンプ11やアクチュエータ7、ヒータ線8の
駆動回路、サーミスター15、16や製氷容器1の平行
位置検知センサ(図示していない)などが制御手段に接
続されていいる。 図2の(a)(b)は、それぞれ製
氷容器1を左右および回転によって揺動する様子を示し
たもである。例えば、図3の(a)に平行に揺動する場
合の左へ動かしたときの液面と固液界面の様子を示し、
同図(b)に(a)に示す製氷容器1の側面A−Bの温
度変化を示す。揺動する目的は、水が結晶化するときに
生じる気泡や不純物を氷の中に取り込まれないようにす
ると同時に、結晶化によって生じた潜熱を効果的に拡散
して製氷速度を速くすることにある。1回に給水量が少
ないと、揺動によって効果的に拡散でき、氷と水の固液
界面における温度上昇は少なく、液面が動いているの
で、水が過冷却状態にあっても液体内に放射状に氷が成
長するのではなく、固面に従って平面状に速く成長す
る。
【0013】また、製氷容器1の側面温度は底部温度は
例えば図3の(b)に示すように−10℃であり、上部
温度は、ヒーター8によって0℃付近に保たれているの
で、底部中央から凍結を開始する。製氷容器1の側面温
度が製氷容器1の中央よりも温度が高いと、溶存ガスや
硬度イオン成分などが氷に取り込まれることなく製氷容
器側面付近に拡散し、非常に少ない量の不純物が容器側
面で析出するので、氷の中心部は非常に透明度の高いも
のとなる。
例えば図3の(b)に示すように−10℃であり、上部
温度は、ヒーター8によって0℃付近に保たれているの
で、底部中央から凍結を開始する。製氷容器1の側面温
度が製氷容器1の中央よりも温度が高いと、溶存ガスや
硬度イオン成分などが氷に取り込まれることなく製氷容
器側面付近に拡散し、非常に少ない量の不純物が容器側
面で析出するので、氷の中心部は非常に透明度の高いも
のとなる。
【0014】次に、本実施の形態を図4〜図7に示す制
御フローチャートを用いて説明する。図4に示すよう
に、製氷装置における全体的な制御の流れは、電源投入
検知、イニシャライズ、製氷容器の水平位置出し、加
熱、製氷開始判定、給水動作、揺動動作、製氷完了判
定、離氷動作により構成されている。電源をオンして、
イニシャライズした後、製氷容器1が水平であるかどう
かを判断して、水平であれば、製氷容器1の上部側面の
ヒータ線8を通電して加熱を開始する。水平でなけれ
ば、アクチュエータ7に信号を送り水平になるようにす
る。
御フローチャートを用いて説明する。図4に示すよう
に、製氷装置における全体的な制御の流れは、電源投入
検知、イニシャライズ、製氷容器の水平位置出し、加
熱、製氷開始判定、給水動作、揺動動作、製氷完了判
定、離氷動作により構成されている。電源をオンして、
イニシャライズした後、製氷容器1が水平であるかどう
かを判断して、水平であれば、製氷容器1の上部側面の
ヒータ線8を通電して加熱を開始する。水平でなけれ
ば、アクチュエータ7に信号を送り水平になるようにす
る。
【0015】(実施の形態1)実施の形態1について図
5に示す制御フローチャートを用いて説明する。図5に
示すように、製氷容器1の底部に設置されたサーミスタ
ー16の温度が−10℃以下なると次のステップに進
み、製氷容器1の上部側面に設置されたサーミスター1
5の温度が−1℃以上になるまで、ヒータ線8による加
熱を行う。製氷容器1の底部の温度が−10℃以下、上
部側面温度が−1℃以上となったとき製氷可能と判断
し、給水ポンプ11がオンになり、間欠給水が開始され
る。一回の給水量は、例えば0.2mlであり、2分ご
とに給水する。また、給水と同時にゆっくりと平行ある
いは±30度程度の回転動作によって製氷容器1を揺動
する。給水開始からたとえば1時間45分になったとき
給水ポンプ11、アクチュエータ7による揺動、ヒータ
線8による加熱をそれぞれ停止する。製氷容器1の上部
側面温度が−10℃以下になったとき、製氷完了と判断
し、離氷動作たとえばアクチュエータ7による製氷容器
1のひねり動作によって離氷し、離氷した氷は貯氷庫4
にストックされる。離氷が完了すると再び製氷容器1を
水平に戻し、水平が確認されると、加熱がスタートして
次の製氷に移る。給水開始からたとえば1時間45分後
の給水停止まで製氷容器1の上部側面は0℃近傍に加熱
されているので、凍結していない水量がやや多く製氷が
完了するまで、給水開始から離氷動作に移るまでに2時
間を要するが、非常に透明度の高い氷が得られる。
5に示す制御フローチャートを用いて説明する。図5に
示すように、製氷容器1の底部に設置されたサーミスタ
ー16の温度が−10℃以下なると次のステップに進
み、製氷容器1の上部側面に設置されたサーミスター1
5の温度が−1℃以上になるまで、ヒータ線8による加
熱を行う。製氷容器1の底部の温度が−10℃以下、上
部側面温度が−1℃以上となったとき製氷可能と判断
し、給水ポンプ11がオンになり、間欠給水が開始され
る。一回の給水量は、例えば0.2mlであり、2分ご
とに給水する。また、給水と同時にゆっくりと平行ある
いは±30度程度の回転動作によって製氷容器1を揺動
する。給水開始からたとえば1時間45分になったとき
給水ポンプ11、アクチュエータ7による揺動、ヒータ
線8による加熱をそれぞれ停止する。製氷容器1の上部
側面温度が−10℃以下になったとき、製氷完了と判断
し、離氷動作たとえばアクチュエータ7による製氷容器
1のひねり動作によって離氷し、離氷した氷は貯氷庫4
にストックされる。離氷が完了すると再び製氷容器1を
水平に戻し、水平が確認されると、加熱がスタートして
次の製氷に移る。給水開始からたとえば1時間45分後
の給水停止まで製氷容器1の上部側面は0℃近傍に加熱
されているので、凍結していない水量がやや多く製氷が
完了するまで、給水開始から離氷動作に移るまでに2時
間を要するが、非常に透明度の高い氷が得られる。
【0016】(実施の形態2)次に、実施の形態2につ
いて、図6に示す制御フローチャートを用いて説明す
る。製氷容器1の底部と上部側面温度によって製氷開始
を判断し、給水ポンプ11と製氷容器の揺動は、実施の
形態1と同様であるので説明を省くが、実施の形態1と
異なる点は、給水量がたとえば6mlになったときに、
ヒータ線8による加熱を停止して、給水開始からたとえ
ば1時間45分になるまで給水と揺動を続けていること
である。製氷途中でヒータ加熱を停止することで、製氷
時間を短縮することが可能である。製氷完了の判断は実
施の形態1と同じである。実施の形態1では2時間要し
たものが1時間50分で製氷でき10分短縮できた。こ
の場合には、氷の最上面には少し気泡が残るがあるが、
全体としては透明度の高い氷が得られる。
いて、図6に示す制御フローチャートを用いて説明す
る。製氷容器1の底部と上部側面温度によって製氷開始
を判断し、給水ポンプ11と製氷容器の揺動は、実施の
形態1と同様であるので説明を省くが、実施の形態1と
異なる点は、給水量がたとえば6mlになったときに、
ヒータ線8による加熱を停止して、給水開始からたとえ
ば1時間45分になるまで給水と揺動を続けていること
である。製氷途中でヒータ加熱を停止することで、製氷
時間を短縮することが可能である。製氷完了の判断は実
施の形態1と同じである。実施の形態1では2時間要し
たものが1時間50分で製氷でき10分短縮できた。こ
の場合には、氷の最上面には少し気泡が残るがあるが、
全体としては透明度の高い氷が得られる。
【0017】(実施の形態3)次に、実施の形態3につ
いて、図7に示す制御フローチャートを用いて説明す
る。製氷容器1の底部と上部側面温度によって製氷開始
を判断し、給水ポンプ11と製氷容器の揺動は、実施の
形態1と同様であるので説明を省くが、実施の形態1や
2と異なる点は、図8に示すように給水量によって製氷
容器1の上部側面の加熱を制御することである。製氷開
始判断をするときのヒータ線8への通電電力を基準にし
て、給水量が1mlになったときにヒータ線8への通電
電力を1割減少させるようにする。また、給水量が2m
lになったときに、更に通電を1割減少し、たとえば全
給水量が10mlなら、10mlになった時点で加熱は
停止され、同時に給水ポンプ11、製氷容器の揺動も停
止される。製氷容器1の上部側面の温度は、必ずしも一
定には保たれないが、ヒータ加熱により発生した潜熱の
拡散が抑制されることなく効果的になされて、さらに製
氷時間を短くすることが可能となった。実施の形態1で
2時間要したものが、1時間40分で製氷でき20分も
短縮できた。この場合の製氷結果は、製氷容器1に接す
る面には、非常に小さな気泡が少し見られる場合がある
が、全体としては透明度の高い氷が得られる。
いて、図7に示す制御フローチャートを用いて説明す
る。製氷容器1の底部と上部側面温度によって製氷開始
を判断し、給水ポンプ11と製氷容器の揺動は、実施の
形態1と同様であるので説明を省くが、実施の形態1や
2と異なる点は、図8に示すように給水量によって製氷
容器1の上部側面の加熱を制御することである。製氷開
始判断をするときのヒータ線8への通電電力を基準にし
て、給水量が1mlになったときにヒータ線8への通電
電力を1割減少させるようにする。また、給水量が2m
lになったときに、更に通電を1割減少し、たとえば全
給水量が10mlなら、10mlになった時点で加熱は
停止され、同時に給水ポンプ11、製氷容器の揺動も停
止される。製氷容器1の上部側面の温度は、必ずしも一
定には保たれないが、ヒータ加熱により発生した潜熱の
拡散が抑制されることなく効果的になされて、さらに製
氷時間を短くすることが可能となった。実施の形態1で
2時間要したものが、1時間40分で製氷でき20分も
短縮できた。この場合の製氷結果は、製氷容器1に接す
る面には、非常に小さな気泡が少し見られる場合がある
が、全体としては透明度の高い氷が得られる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果が得られる。請求項1に記載の製氷装置に
よれば、製氷時間が2時間を要するが非常に透明度の高
い氷が得られる。請求項2に記載の製氷装置によれば、
実施の形態1では2時間要したものが1時間50分で製
氷でき10分短縮できた。この場合には、氷の最上面に
は少し気泡が残るがあるが、全体としては透明度の高い
氷が得られる。請求項3に記載の製氷装置によれば、実
施の形態1で2時間要したものが、1時間40分で製氷
でき20分も短縮できた。この場合の製氷結果は、製氷
容器1に接する面には、非常に小さな気泡が少し見られ
る場合があるが、全体としては透明度の高い氷が得られ
る。このように非常に短い時間で透明氷が得られるよう
になった。
のような効果が得られる。請求項1に記載の製氷装置に
よれば、製氷時間が2時間を要するが非常に透明度の高
い氷が得られる。請求項2に記載の製氷装置によれば、
実施の形態1では2時間要したものが1時間50分で製
氷でき10分短縮できた。この場合には、氷の最上面に
は少し気泡が残るがあるが、全体としては透明度の高い
氷が得られる。請求項3に記載の製氷装置によれば、実
施の形態1で2時間要したものが、1時間40分で製氷
でき20分も短縮できた。この場合の製氷結果は、製氷
容器1に接する面には、非常に小さな気泡が少し見られ
る場合があるが、全体としては透明度の高い氷が得られ
る。このように非常に短い時間で透明氷が得られるよう
になった。
【図1】本発明の製氷装置の断面図
【図2】本発明の揺動動作の説明図で、
(a)は製氷容器を左右に揺動させたときの図
(b)は製氷容器を回転させたときの図
【図3】(a)は本発明の製氷容器内における製氷と液
面状態を示す図 (b)はその製氷容器側面の温度を示す図
面状態を示す図 (b)はその製氷容器側面の温度を示す図
【図4】本発明の制御フローチャート
【図5】本発明の制御フローチャート
【図6】本発明の制御フローチャート
【図7】本発明の制御フローチャート
【図8】本発明の給水量とヒータ線への通電電力の関係
を示すグラフ
を示すグラフ
1 製氷容器
3 冷凍板
7 アクチュエータ
8 ヒータ
9 給水ノズル
11 給水ポンプ
12 給水タンク
15,16 サーミスター
31 回転軸
Claims (6)
- 【請求項1】開閉可能な扉を有する冷凍空間内に、上部
側面に加熱手段と第1の温度検知手段と、底部に上部側
面よりも低温に保持するための冷却手段と第2の温度検
知手段を具備した上部に開口部を有する容器を設置し、
前記第1および第2の温度検知手段により検出した温度
と予め設定された第1および第2の所定温度とを比較し
て、前記第1の検出温度が前記第1の所定温度以下で且
つ前記第2の検出温度が前記第2の所定温度以上になっ
たとき、前記容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺
動を開始し、所定時間経過後間欠給水と容器の揺動およ
び加熱を停止し、前記第1の検出手段の検出温度が第3
の所定温度以下になったとき製氷終了と判断し、離氷動
作を開始し、離氷終了後再び加熱手段による加熱が開始
される制御手段を具備したことを特徴とする製氷装置。 - 【請求項2】開閉可能な扉を有する冷凍空間内に、上部
側面に加熱手段と第1の温度検知手段と、底部に上部側
面よりも低温に保持するための冷却手段と第2の温度検
知手段を具備した上部に開口部を有する容器を設置し、
前記第1および第2の温度検知手段により検出した温度
と予め設定された第1および第2の所定温度とを比較し
て、前記第1の検出温度が前記第1の所定温度以下で且
つ前記第2の検出温度が前記第2の所定温度以上になっ
たとき、前記容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺
動を開始し、給水量が所定量に達したとき前記加熱を停
止し、前記間欠給水と容器の揺動開始後所定時間経過し
た後間欠給水と容器の揺動を停止し、前記第1の検出手
段の検出温度が第3の所定温度以下になったとき製氷終
了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終了後再び加熱手
段による加熱が開始される制御手段を具備したことを特
徴とする製氷装置。 - 【請求項3】開閉可能な扉を有する冷凍空間内に、上部
側面に加熱手段と第1の温度検知手段と、底部に上部側
面よりも低温に保持するための冷却手段と第2の温度検
知手段を具備した上部に開口部を有する容器を設置し、
前記第1および第2の温度検知手段により検出した温度
と予め設定された第1および第2の所定温度とを比較し
て、前記第1の検出温度が前記第1の所定温度以下で且
つ前記第2の検出温度が前記第2の所定温度以上になっ
たとき、前記容器の開口部より間欠給水と前記容器の揺
動を開始し、給水量に応じて加熱手段による加熱を制御
し、所定時間経過後間欠給水と容器の揺動を停止し、前
記第1の検出手段の検出温度が第3の所定温度以下にな
ったとき製氷終了と判断し、離氷動作を開始し、離氷終
了後再び加熱手段による加熱が開始される制御手段を具
備したことを特徴とする製氷装置。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製氷装置
の加熱手段は、絶縁膜で覆われたヒーター線を熱伝導性
のよい材料で挟まれた構造になっていることを特徴とす
る製氷装置。 - 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の製氷装置
の揺動動作は、容器を平行移動させることを特徴とする
製氷装置。 - 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の製氷装置
の揺動動作は、容器の短い辺の中点を中心として、所定
の角度正反回転し揺動させて製氷することを特徴とする
製氷装置。
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