JP2003230353A - 菓子用焼皮及びその製造方法 - Google Patents
菓子用焼皮及びその製造方法Info
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Abstract
れ、この焼皮はクレープ連続焼成機等で大量に製造され
ているが、このクレープ皮は、両面ともツルンとした薄
茶色の皮で美観と新規さに欠け、一方、片方の表面に気
泡孔が形成された焼皮としてつや袱紗が知られている
が、気泡孔が形成された表面は凸凹があり、滑らかさに
欠けてザラザラする食感を有していた。 【解決手段】本発明は、特定の加工澱粉を添加すると共
に化学膨張剤等を適宜添加して焼成することによって、
焼成後の焼皮表面は、凸凹が少なく、且つほぼ滑らかな
表面を有し、全体的にほぼ均一な大きさを有する小気泡
孔を無数に形成することによって、食感に優れた菓子用
焼皮とその製造方法とを提供するものである。
Description
造方法に関し、特に片方の表面に気泡孔が形成された菓
子用焼皮及びその製造方法に関する。
してクレープ皮がある。このクレープ皮は、小麦粉、牛
乳、液卵、バター、マーガリン等の油脂、砂糖、食塩等
をミキシングしたものを丸型に焼き上げることで製造さ
れ、例えば、クレープ専用連続焼成機を用いれば、クレ
ープ皮を自動で連続的に製造することが可能となる。し
かし、クレープ皮は両面とも比較的ツルンとした薄い黄
茶色の皮であり、美観で新規さに欠けるところがあっ
た。
いた菓子としていわゆるつやぶくさ(つや袱紗、沢覆
紗)が知られている。つや袱紗は、焼皮が小麦粉、砂
糖、液卵、化学膨張剤、水等からなり、まず小麦粉と約
2/3の水とを混練してグルテンを形成した後グルテン
を弱らせ、砂糖を添加して混合し、さらに液卵を添加し
て混合し、その後化学膨張剤と残りの水を添加して混合
して流動状生地を作成し、これを比較的高い温度で焼成
して製造され、この焼皮でその気泡孔が形成された表面
が表となるように小豆餡等を包み込んだ和菓子類の一つ
である。
や袱紗の焼皮は、気泡孔が形成された片方の表面は凸凹
しており、滑らかさに欠けたざらざらするような質感で
あり、また気泡孔も大小ランダムに形成され、しかも大
きな気泡孔のなかに複数の小さな気泡孔が形成されてい
たりするものであった。
面の気泡孔が裏面まで貫通して形成されていることが多
いため、小豆餡等よりも水分含有量の多い詰め具材を用
いると、表面まで水分が染みてきてさらに美観を損ねた
り、包装を汚したりすることがあった。
性に乏しい流動状生地であるため、略水平に設けた焼成
板に所定量流して焼成するというバッチ式焼成方法しか
なく、例えば、上記クレープ連続焼成機のように連続し
て回転する回転ドラムの加熱焼成板に塗布して連続的に
焼成するという方法を採用することができなかった。
とするものである。すなわち、まず、凸凹が少なく、ほ
ぼ滑らかな表面上に、全体的にほぼ均一な大きさを有す
る小さな気泡孔が無数に形成されている菓子用焼皮およ
びその製造方法を提供しようとするものである。
量の多い詰め具材を包み込んでも、表面まで水分が染み
てきたり、包装を汚したりすることのないように、気泡
孔は裏面を貫通していない菓子用焼皮およびその製造方
法を提供しようとするものである。
えば上記クレープ連続焼成機を用いた連続的な製造方法
により焼成可能な菓子用焼皮およびその製造方法を提供
しようとするものである。
成するため、以下の手段を採用するものである。
且つほぼ滑らかな表面上に、全体的にほぼ均一な大きさ
を有する小気泡孔が無数に形成されていることを特徴と
する菓子用焼皮である。
していないことからなる前記菓子用焼皮である。
工澱粉を添加していることからなる前記菓子用焼皮であ
る。
糖、液卵、化学膨張剤および水を攪拌して流動状生地を
作成し、これを焼成して菓子用焼皮を製造するにあた
り、流動状生地の作成時に粘度増強剤を添加することか
らなる菓子用焼皮の製造方法である。
加工澱粉を添加することからなる前記菓子用焼皮の製造
方法である。
鈴薯澱粉、α化タピオカ澱粉、α化小麦澱粉、α化ワキ
シーコーンスターチ、エーテル化タピオカ澱粉、リン酸
架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋小麦澱粉、リン酸架橋米
澱粉からなる澱粉のうちから任意に選択する1種類また
は2種類以上の組み合わせであることからなる前記菓子
用焼皮の製造方法である。
麦粉量に対して1〜30%添加することからなる前記菓
子用焼皮の製造方法である。
にあたり、あらかじめ加工澱粉を小麦粉、砂糖、化学膨
張剤等の粉状原料と攪拌して均一に混合してから、その
他の液状原料と攪拌することからなる前記菓子用焼皮の
製造方法である。
を使用することからなる前記菓子用焼皮の製造方法であ
る。
ガス発生基剤とガス発生促進剤とを併用し、焼成の開始
から終了までガス発生をほぼ一様に維持するように組み
合わせることからなる前記菓子用焼皮の製造方法であ
る。
してから、焼成する前に、1℃〜25℃の温度で30分
から3時間これをねかせて、その後焼成することからな
る前記菓子用焼皮の製造方法である。
m以下の薄皮状に焼成することからなる前記菓子用焼皮
の製造方法である。
状生地の下側のみに加熱源を設けて行うことからなる前
記菓子用焼皮の製造方法である。
するにあたり、流動状生地を投入するホッパーと、該ホ
ッパーの生地を送り込む生地タンクと、該生地タンクの
上方に設けられた回転ドラムと、該回転ドラムの周囲に
設けられた複数の加熱焼成板と、該生地タンクの内部で
回転して生地タンク内の生地をその表面に移し取り、回
転ドラムの加熱焼成板に転写する転写ドラムと、加熱焼
成板から焼成後の焼皮を剥離するスクレーパーとを備え
る装置を用いて焼成することからなる前記菓子用焼皮の
製造方法である。
するにあたり、140℃〜240℃で10秒〜40秒間
焼成することからなる前記菓子用焼皮の製造方法であ
る。
砂糖、液卵、化学膨張剤および水を攪拌して流動状生地
を作成し、これを焼成して菓子用焼皮を製造するにあた
り、流動状生地の作成時に粘度増強剤を添加することに
より、凸凹の少なく、且つほぼ滑らかな表面上に、全体
的にほぼ均一な大きさを有する小気泡孔が無数に形成さ
れている菓子用焼皮を、好ましくは該小気泡孔は焼皮の
裏面を貫通していない菓子用焼皮を製造することを目的
とする。
加工澱粉を挙げることができる。ここで、「加工澱粉」
とは、α化、エーテル化、エステル化または架橋化した
澱粉のことをいい、この加工澱粉としては、馬鈴薯澱
粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、ワキシーコーン
スターチ等をα化したもの、エーテル化したもの、エス
テル化したもの、リン酸架橋化したもののうちから任意
に選択する1種類又は2種類以上の組合せを用いること
が望ましい。
粉、α化タピオカ澱粉、α化小麦澱粉、α化ワキシーコ
ーンスターチ、エーテル化タピオカ澱粉、リン酸架橋タ
ピオカ澱粉、リン酸架橋小麦澱粉、リン酸架橋米澱粉か
らなる澱粉のうちから任意に選択する1種類または2種
類以上の組み合わせを用いることがなお一層望ましい。
これにより、確実に本発明の効果を実現することができ
るようになる。
タピオカ澱粉やエーテル化タピオカ澱粉は本発明にとっ
て最も好ましい澱粉の一つであると言える。なぜなら、
以下の通り、比較的少量の添加量でも、本発明に特徴的
なきれいな気泡孔の形成を実現することができるととも
に、焼皮の食感と風味への影響を生じさせない。
澱粉の種類にもよるが、一般的に、小麦粉に対して1〜
30%が望ましい。加工澱粉の添加量が少ないと、本発
明の効果が顕著に現れない恐れがあり、これに対し、添
加量が多過ぎると、流動状生地の粘度が過度に高くなっ
て薄く展延しての焼成が困難となり、また焼皮の食感
と、風味に影響が生じる恐れがある。
生焼けぎみとなってくちゃついたり、口溶けが悪くなっ
たりする。特にα化馬鈴薯澱粉、エーテル化タピオカ澱
粉の場合は、小麦粉に対して2〜8%添加することが望
ましく、3〜6%添加することがなお一層望ましい。
に対して1〜5%添加することが望ましく、2〜4%添
加することがなお一層望ましい。
ンスターチ、リン酸架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋小麦
澱粉およびリン酸架橋米澱粉の場合は、小麦粉に対して
5〜30%添加することが望ましく、10〜20%添加
することがなお一層望ましい。
添加することにより、流動状生地の粘度を、加工澱粉の
種類にもよるが、一般的に、ブルックフィールド社製回
転式粘度計で測定した場合に、2,000〜6,800
cPとすることが望ましい。特に、α化馬鈴薯澱粉の場
合には、3,200〜6,800cPとすることがより
望ましく、3,800〜5,600cPとすることがよ
り一層望ましい。
タピオカ澱粉の場合には、2,000〜4,400cP
とすることがより望ましく、2,400〜3,600c
Pとすることがより一層望ましい。
ンスターチ、リン酸架橋タピオカ澱粉、リン酸架橋小麦
澱粉およびリン酸架橋米澱粉の場合には、2,000〜
3,300cPとすることがより望ましく、2,000
〜2,800cPとすることがより一層望ましい。
り、あらかじめ加工澱粉を小麦粉、砂糖、化学膨張剤等
の粉状原料と攪拌して均一に混合してから、該混合物と
その他の液状原料とを攪拌することにより、流動状生地
を作成することが望ましい。
にダマ(すなわち、加工澱粉が水に溶解しないで塊のま
ま残ること)が生じることを防止することができるよう
になる。もし該生地中にダマが残存する状態で焼成する
と、焼き上げた焼皮を食したときに、ザラザラした食感
および澱粉臭、粉臭が感じられて、小麦粉生地焼成品と
しての基本的な品質が損なわれることになる。
の過半量を薄力粉を使用する必要があり、小麦粉の全量
を薄力粉を使用することが望ましい。こうすることによ
り、流動状生地の焼成中に、該生地中で化学膨張剤が生
成したガスが該生地から容易に抜け出て、膜がかかって
いない綺麗な気泡孔が形成し易くなる。
用すると、該生地中で化学膨張剤が生成したガスが該生
地から抜け出なくなり、気泡孔が形成されないおそれが
あり、強力粉の量が多くなるに従いこのような傾向が強
くなってくる。
ス発生促進剤とを併用することが望ましい。まずガス発
生基剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム
+塩化アンモニア、炭酸アンモニア、重炭酸アンモニア
(炭酸水素アンモニウム)等から選択される1種類また
は2種類以上の組み合わせを使用することができる。
生をほぼ一様に持続して維持するような1種類または2
種類以上の組合せを用いることが望ましい。具体的に
は、例えば、炭酸水素アンモニウムと重炭酸ナトリウム
の組合せが好ましい。
酸石灰、酒石酸、重酒石酸カリ(酒石酸水素カリウム)
の速効性剤、酸性ピロリン酸ソーダ等の持続性剤、及び
ミョウバン類の遅効性剤から選択される1種類または2
種類以上の組み合わせを使用することができるが、速効
性剤類から選択される1種類または2種類以上の組み合
わせを用いることが望ましい。これにより、焼成の開始
からガス発生促進剤が作用してガス発生基剤のガス発生
を促進させることができるようになる。
流動状生地の澱粉やグルテンが膨張していくにつれて化
学膨張剤がガスを生成して該生地から抜けるが、この場
合、ガスは焼成の開始から終了まで一様に生成して抜け
出すようになるため、より一層、凸凹が少なく、且つほ
ぼ滑らかな表面上に、ほぼ均一な大きさを有する小さな
気泡孔がきれいに形成され易くなる。
〜3.5%添加することが望ましく、更には1〜3%添
加することが一層望ましい。これにより一層、本発明に
特徴的な気泡孔を形成することが容易になる。
する前に、1℃〜25℃の温度で30分から3時間これ
をねかせて、その後焼成することが望ましい。こうする
ことにより、ほぼ均一な大きさの、小さな気泡孔が形成
され易くなり、また高温により該気泡孔にグルテンの膜
がかかることも防止されるようになる。
下の薄皮状に焼成することが望ましく、3mm以下の薄
皮状に焼成することがより一層望ましい。こうすること
により、一層、凸凹が少なく、且つほぼ滑らかな表面上
に、ほぼ均一な大きさを有する小さな気泡孔が綺麗に形
成され易くなる。
だときに、裏面が割れて気泡孔が裏面を貫通するおそれ
が小さくなり、詰め具剤の包み込み成形を容易にする。
動状生地を焼成板上に薄くほぼ均一に展延させて行う。
該焼成板の焼成面は、平面、湾曲面、その他、流動状生
地をその上に薄くほぼ均一に展延させることが可能な面
であればよい。
に加熱源を設けて、すなわち下火のみで、焼成する必要
がある。該生地の上側にも加熱源を設けて焼成すると、
直ぐに該生地の表面に表皮が形成し、化学膨張剤が生成
したガスは破裂するように、該表皮を破壊して抜け出た
り、抜け出せないで該生地の内部に留まって該生地を膨
化させたりするため、本発明に特徴的なきれいな気泡孔
の形成が不可能になる。
板の温度として140〜240℃で10〜40秒間焼成
することが望ましい。特に、比較的きめの大きな小気泡
孔を形成したいときは、高温で短時間、好ましくは18
5〜240℃で10〜20秒間焼成するようにし、これ
に対しよりきめの細かな小気泡孔を形成したいときに
は、低温で長時間、好ましくは140〜185℃で20
〜40秒間焼成するようにする。
地を投入するホッパーと、該ホッパーの生地を送り込む
生地タンクと、該生地タンクの上方に設けられた回転ド
ラムと、該回転ドラムの周囲に設けられた複数の加熱焼
成板と、該生地タンクの内部で回転して生地タンク内の
生地をその表面に移し取り、回転ドラムの加熱焼成板に
転写する転写ドラムと、加熱焼成板から焼成後の焼皮を
剥離するスクレーパーとを備えるクレープ連続焼成機の
様な装置を用いて焼成することが可能である。これによ
り、その表面に本発明に特徴的な綺麗な気泡孔を形成し
た菓子用焼皮を、3mm以下の薄皮状に連続的に且つ自
動的に焼き上げることが容易にできるようになる。
プ皮以外の食品素材を製造することができるようにな
り、クレープ連続焼成機の新しい用途に道を開くもので
ある。
機の代わりに、例えば焼成板として複数の薄鉄板をコン
ベア状に並列した装置を用いて下火のみで焼成を行って
スクレーパーで焼皮を剥離する手段や、その他の焼成装
置が使用できるものである。
100とする基準に対する質量比を示している。
脆いため、該生地の焼成中に該生地中で化学膨張剤が生
成したガスの気泡が大きく拡大して生地から抜けるよう
になり、またガスが抜けた後の生地の気泡壁部は大きく
破壊されたりして、焼皮はその表面が凸凹したり、ザラ
ザラした滑らかさにかけた質感となり、さらには大小ラ
ンダムな気泡孔が形成され、しかも大きな気泡孔の中に
複数の小さな気泡孔が形成されるようになる。
袱紗類似の菓子用焼皮生地に粘度増強剤、具体的には、
例えば加工澱粉を添加することにより、菓子用焼皮生地
の粘度が増大して該生地のグルテン組織が粘弾性のある
性状となることにより、該生地を下火のみで焼成するこ
とで、該生地中で化学膨張剤が生成したガスの気泡が拡
大することを抑制され、小さなままで該生地から抜け出
るようになる。
部(クラム部分)は、同様に粘弾性のある性状であるた
め、大きく破壊されることなく、ガスが抜け出た後の小
さな気泡孔の形状をそのまま維持する性向がある。この
ため、焼成後の菓子用焼皮は、片方の表面は凸凹のな
い、ほぼ滑らかな平面上に、全体的にほぼ均一な大きさ
の、小さな気泡孔が無数に形成されるようになり、さら
に、好ましくは該菓子用焼皮の他方の裏面は気泡孔が貫
通することなく、連続した平面を形成するようになる。
る菓子を製造した。 (製造工程) (1) 小麦粉(薄力粉)、上白糖、加工澱粉(α化馬鈴薯
澱粉)および化学膨張剤を低速で約30秒間攪拌する。 (2) 上記(1)の攪拌混合物に水を添加して高速で約30
秒間攪拌する。 (3) 上記(2)の攪拌混合物に液卵(全卵)を添加して低
速で約25秒間、中速で約40秒間攪拌する。 (4) 上記(3)の攪拌混合物に香料(液状)を添加して低
速で約15秒間攪拌する。これで焼皮生地が出来上が
る。 (5) 該生地を焼成板上に約30gずつ5箇所に充填し、
薄く平らな円形に整える。 (6) 該生地を下火により、すなわち焼成板の下側に設け
たガスコンロ、ガスバーナー等の加熱源により、180
℃で約20秒間焼成する。これで本発明の菓子用焼皮が
出来上がる。
(2mm)円形をしており、上面(表面)は凸凹の少な
く、且つほぼ滑らかな平面上に、全体的に均一な大きさ
を有する、非常にきめ細かい小気泡孔が無数に形成され
ているものであった。
連続した平面を形成しているものであった。
させて気泡孔が形成されていない裏面を上にして、その
中央部に詰め具材としてムースと小豆餡を充填し、二つ
に折り畳んで半円状にして、本発明の焼皮を使用した菓
子類を製造した。
らかく、きめの細かな口当たりと食感を有する口溶けも
良好なものであった。風味もあっさりしていて、詰め具
材の特徴が良く引きだせるような控えめなものであり、
更に裏側に気泡孔が無いので、中の詰め具材の水分がし
み出ていなかった。
製造工程で目的の焼皮菓子を得た。
程と同様にして焼皮生地を製造し、次いで、該生地を図
1に示すクレープ連続焼成機(大英技研株式会社製「H
T−30CN型」)で焼成した。このクレープ連続焼成
機は、前述のように流動状生地を投入するホッパーと、
該ホッパーの生地を送り込む生地タンクと、該生地タン
クの上方に設けられた回転ドラムと、該回転ドラムの周
囲に設けられた複数の加熱焼成板と、該生地タンクの内
部で回転して生地タンク内の生地をその表面に移し取
り、回転ドラムの加熱焼成板に転写する転写ドラムと、
加熱焼成板から焼成後の焼皮を剥離するスクレーパーと
を備える装置である。
動状生地をホッパーに投入すると、ホッパー内に投入さ
れた生地はポンプの作用によって連続的に生地タンクに
送られる。回転ドラム上の加熱焼成板とその下方にある
生地タンクの内部に設けられた転写ドラムとは接触可能
なような間隔で設けられ、同期して互いに反対の方向に
回転しており、転写ドラムは生地タンク内の生地をその
表面に移し取り、回転しながら接触して加熱焼成板に転
写する。この場合、加熱焼成板の表面は平らな円滑面と
なっている。
地は、加熱焼成板に薄く均一に張り付いていて、回転ド
ラムが1回転近く回転する間に焼成される。焼き上がっ
た焼皮は、生地タンクの近傍わきに設けられたスクレー
パーにより加熱焼成板から剥離され、スクレーパーの下
側に設けられたコンベアー上に落ちて搬送されていく。
ドラム1回転当たり8枚の焼き上げを行い(1枚ごとの
焼成時間約26秒間)、1時間当たり約1100枚の焼
き上げを行った。このようにして得られた菓子用焼皮
は、薄く(2mm)円形をしており、上面(表面)は凸
凹が少なく、且つほぼ滑らかな平面上に、全体的に均一
な大きさを有する小さな気泡孔が無数に形成されている
ものであった。その裏面は、気泡孔が貫通することな
く、連続した平面を形成しているものであった。
転させて気泡孔が形成されていない裏面を上にして、一
方の端部に詰め具材として抹茶生クリームと小豆餡を充
填し、ここから他方の端部まで巻き込むことによって、
本発明の焼皮を使用した菓子類を得た。
と同様に、焼皮は柔らかく、きめの細かな口当たりと食
感を有する口溶けも良好なものであった。風味もあっさ
りしていて、詰め具材の特徴が良く引きだせるような控
えめなものであり、更に裏側に気泡孔が無いので、中の
餡等がしみ出ていなかった。
α化馬鈴薯澱粉を5%用いる代わりに、α化タピオカを
3%、エーテル化タピオカを5%それぞれ別個に添加し
て、それ以外は同一の方法で焼成したところ、得られた
結果はそれぞれほぼ実施例1、2に示す結果と同様であ
った。
α化馬鈴薯澱粉を5%用いる代わりに、α化小麦澱粉、
α化ワキシーコーンスターチ、リン酸架橋タピオカ澱
粉、リン酸架橋小麦澱粉またはリン酸架橋米澱粉を10
%それぞれ別個に添加して、それ以外は同一の方法で焼
成したところ、得られた菓子用焼皮は、薄く(2mm)
円形をしており、上面(表面)は凸凹が少なく、且つほ
ぼ滑らかな平面上に、全体的に均一な大きさを有する小
さな気泡孔が無数に形成されているものであった。また
その裏面は気泡孔が貫通することなく、連続した平面を
形成しているものであった。
菓子用焼皮と、比較例として上記従来のつや袱紗用焼皮
(原料組成は、上記〔実施例1〕に示す組成から加工澱
粉を除いたものである)とを用い、気泡孔が形成された
表面の状態および裏面の状態について比較検討したとこ
ろ、本発明の場合は図2(a)に示すように、表面は凸
凹が少なく、ほぼ滑らかであり、このような表面に全面
的にほぼ均一な大きさの小気泡孔が無数に形成され、さ
らに裏面は気泡孔が貫通していなかったのに対し、比較
例の場合は、図2(b)に示すように表面は凸凹が大き
く、滑らかさに欠けたザラザラするような質感であり、
また気泡孔の大きさもランダムであり、しかも大きな気
泡孔の中に小さな気泡孔が複数形成されていたり、さら
に裏面は気泡孔が貫通していた。
した菓子用焼皮と、比較例として上記従来のつや袱紗用
焼皮(原料組成は、上記〔実施例1〕に示す組成から加
工澱粉を除いたものである)とを用い、官能試験をして
みたところ、本発明品は、柔らかく、口溶けが良く、き
めの細かな口当たりがする食感が得られたのに対し、比
較例はキメが荒く、ややバサバサした食感で生地の存在
感が強かった。
した菓子用焼皮生地と、比較例として上記従来のつや袱
紗用焼皮生地(原料組成は、上記〔実施例1〕に示す組
成から加工澱粉を除いたものである)とで、前記〔実施
例2〕の連続製造装置を用いて焼成をしてみたところ、
本発明法の場合は、均一な小気泡孔を有する生地が連続
して得られたのに対して、従来のつや袱紗用焼皮生地の
場合は、生地に粘着性を欠き、生地そのものが前記連続
装置の転写ドラムおよび回転ドラムに付着せずに焼成不
可能であった。
した菓子用焼皮生地と、比較例として上記従来のつや袱
紗用焼皮生地(上記〔比較例1〕と同様にして製造した
もの)とで、該焼皮生地の粘度(「ブルックフィールド
社製回転式粘度計」を使用)及び生地厚さを測定したと
ころ、本発明品の場合は5000〜5200cP、生地
厚さが2mmであったのに対し、従来のつや袱紗は、1
200〜1500cP、厚さが8mmであった。
く、ほぼ滑らかな表面上に、全体的にほぼ均一な大きさ
を有する小さな気泡孔が無数に形成されている菓子用焼
皮及びそれを用いた菓子が製造できるようになった。
多い詰め具材を包み込んでも、表面まで水分が染みてき
たり、包装を汚したりすることのないように、気泡孔は
裏面を貫通していない菓子用焼皮を得ることが出来た。
えば上記クレープ連続焼成機を用いた連続的な製造方法
により焼成可能な菓子用焼皮を大量に製造できるように
なった。
図である。
ある。
る。
ある
ある
Claims (15)
- 【請求項1】凸凹が少なく、且つほぼ滑らかな表面上
に、全体的にほぼ均一な大きさを有する小気泡孔が無数
に形成されていることを特徴とする菓子用焼皮。 - 【請求項2】前記気泡孔は裏面を貫通していないことを
特徴とする請求項1に記載の菓子用焼皮。 - 【請求項3】前記焼皮の生地には、加工澱粉を添加して
いることを特徴とする請求項1または2に記載の菓子用
焼皮。 - 【請求項4】少なくとも小麦粉、砂糖、液卵、化学膨張
剤および水を攪拌して流動状生地を作成し、これを焼成
して菓子用焼皮を製造するにあたり、流動状生地の作成
時に粘度増強剤を添加することを特徴とする菓子用焼皮
の製造方法。 - 【請求項5】前記粘度増強剤として、加工澱粉を添加す
ることを特徴とする請求項4に記載の菓子用焼皮の製造
方法。 - 【請求項6】前記加工澱粉は、α化馬鈴薯澱粉、α化タ
ピオカ澱粉、α化小麦澱粉、α化ワキシーコーンスター
チ、エーテル化タピオカ澱粉、リン酸架橋タピオカ澱
粉、リン酸架橋小麦澱粉、リン酸架橋米澱粉からなる澱
粉のうちから任意に選択する1種類または2種類以上の
組み合わせであることを特徴とする請求項4または5に
記載の菓子用焼皮の製造方法。 - 【請求項7】前記加工澱粉は、前記小麦粉量に対して1
〜30%添加することを特徴とする請求項4、5または
6に記載の菓子用焼皮の製造方法。 - 【請求項8】前記加工澱粉を添加するにあたり、あらか
じめ加工澱粉を小麦粉、砂糖、化学膨張剤等の粉状原料
と攪拌して均一に混合してから、その他の液状原料と攪
拌することを特徴とする請求項4、5、6または7に記
載の菓子用焼皮の製造方法。 - 【請求項9】前記小麦粉として薄力粉を使用することを
特徴とする請求項4、5、6、7または8に記載の菓子
用焼皮の製造方法。 - 【請求項10】前記化学膨張剤として、ガス発生基剤と
ガス発生促進剤とを併用し、焼成の開始から終了までガ
ス発生をほぼ一様に維持するように組み合わせることを
特徴とする請求項4、5、6、7、8または9に記載の
菓子用焼皮の製造方法。 - 【請求項11】前記流動状生地を作成してから、焼成す
る前に、1℃〜25℃の温度で30分から3時間これを
ねかせて、その後焼成することを特徴とする請求項4、
5、6、7、8、9または10に記載の菓子用焼皮の製
造方法。 - 【請求項12】前記菓子用焼皮を5mm以下の薄皮状に
焼成することを特徴とする請求項4、5、6、7、8、
9、10または11に記載の菓子用焼皮の製造方法。 - 【請求項13】前記焼成は、前記流動状生地の下側のみ
に加熱源を設けて行うことを特徴とする請求項4、5、
6、7、8、9、10、11または12に記載の菓子用
焼皮の製造方法。 - 【請求項14】前記流動状生地を焼成するにあたり、流
動状生地を投入するホッパーと、該ホッパーの生地を送
り込む生地タンクと、該生地タンクの上方に設けられた
回転ドラムと、該回転ドラムの周囲に設けられた複数の
加熱焼成板と、該生地タンクの内部で回転して生地タン
ク内の生地をその表面に移し取り、回転ドラムの加熱焼
成板に転写する転写ドラムと、加熱焼成板から焼成後の
焼皮を剥離するスクレーパーと、を備える装置を用いて
焼成することを特徴とする請求項4、5、6、7、8、
9、10、11、12または13に記載の菓子用焼皮の
製造方法。 - 【請求項15】前記流動状生地を焼成するにあたり、1
40℃〜240℃で10秒〜40秒間焼成することを特
徴とする請求項4、5、6、7、8、9、10、11、
12、13または14に記載の菓子用焼皮の製造方法。
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