JP2003227942A - プラスチック光ファイバケーブルおよびプラグ付きプラスチック光ファイバケーブル - Google Patents
プラスチック光ファイバケーブルおよびプラグ付きプラスチック光ファイバケーブルInfo
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Abstract
どに優れ、かつ、ピストニングが起こりにくい、自動車
内などの厳しい環境下での使用でも高性能なPOFケー
ブルおよびプラグ付きPOFケーブルを提供する。 【解決手段】 クラッドの最外層に、ビニリデンフロラ
イド単位とテトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオ
ロプロピレン単位とからなり、ショアD硬度が小さい3
元共重合体を使用し、一次被覆層の最内層に、末端アミ
ノ基の含有量および末端カルボキシル基の含有量が特定
の範囲にあるポリアミド系樹脂を含有するポリアミド系
樹脂材料を使用する。POF素線と一次被覆層との密着
性が良好で、高温多湿環境下で使用された場合でも、ピ
ストニングが抑制される。また、曲げ損失も小さいた
め、狭い空間に敷設された場合であっても伝送損失が低
下しにくいとともに、耐熱性、難燃性などにも優れる。
Description
トワークや、自動車、航空機、鉄道などの移動媒体中で
の光情報通信などに用いられるプラスチック光ファイバ
ケーブルに関する。
域にわたって優れた光伝送を行うことができる石英系光
ファイバが知られており、幹線系を中心に広く実用化さ
れてきたが、石英系光ファイバは高価で加工性が低いと
いう欠点を有している。そのため、端面加工や取り扱い
が容易であるとともに安価で、さらに軽量、大口径であ
るなどの長所を有するプラスチック光ファイバ(以下、
POFという。)が開発され、ライティング、センサ等
の分野や、FA、OA、LAN等の短・中距離通信用途
の配線などの分野で用いられている。さらに近年、短・
中距離通信用途の中でも、特に自動車内通信分野におい
ては、カーナビゲーションシステムの普及、ITC/E
TCシステム導入等の構想を背景とした通信情報量の増
加への対応、ハーネスケーブルの軽量化、安価な通信シ
ステムの構築等に対する要求が高まってきており、PO
Fの自動車内通信分野への展開が行われつつある。
クリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート、ポリ
スチレンなど各種の非晶性樹脂材料が提案され実用化さ
れてきたが、最近では、その中でも特に、透光性、材料
価格、耐久性に優れたPMMAをコア材とするPOFが
主流となっている。
合、その使用環境に則して、以下に述べる3つの性能が
要求されている。 1)低曲げ損失性 POFは一般的に、POFの外周に樹脂からなる被覆層
が形成されたPOFケーブルの形態でワイヤーハーネス
類と共に束ねられ、高温多湿の狭い空間内に屈曲した状
態で敷設される。この場合、POFケーブルには、半径
10mmで屈曲されても光量ロスの少ないこと(低曲げ
損失性)が要求される。 2)被覆層の耐熱性、難燃性など POFケーブルが自動車内の配線に用いられる場合、P
OFケーブルは、エンジン等の高温体に近い環境で使用
されたり、夏期に高温下した自動車内で使用されること
が多い。また、自動車内には、オイル、電解液、ガソリ
ンなどの引火性の物質も存在する。よって、被覆層に
は、耐熱性、耐熱寸法安定性、耐薬品性、難燃性が要求
される。 3)被覆層とPOF素線との密着性および低ピストニン
グ性 POFケーブルにおいては、POF素線と被覆層とが密
着していることも要求される。すなわち、POFケーブ
ルの末端にプラグを固定するなどの端末処理を行う場
合、POF素線と被覆層が強固に密着していれば、被覆
層の上からプラグを締め付けて固定することができる。
また、被覆層の上からプラグを固定するこのような方法
では、POF素線を保護することもできる。さらに、P
OF素線と被覆層とが強く密着していれば、POF素線
を振動などから保護することもできる。また、POFケ
ーブルが、高温多湿の厳しい環境で使用される場合、P
OFに熱膨張・収縮等の形態変化が生じ、その結果、被
覆層に対してPOF素線の突き出しや引っ込みなど(ピ
ストニング)が生じる場合がある。ピストニングが生じ
ると、光源または受光素子とPOFケーブル端面との距
離が変化して損失増加が大きくなり、その結果、POF
から出射される光の受光量が変動してシステムに障害が
生じるおそれがある。よって、POF素線と被覆層とが
強く密着し、また、POFは熱膨張・収縮しにくく、ピ
ストニングが小さいことが要求される。
ラスチック光ファイバケーブルとして、例えば特開20
00−266970号公報には、コアがポリメチルメタ
クリレート系樹脂からなり、クラッドがビニリデンフロ
ライド成分40〜62モル%とテトラフルオロエチレン
成分28〜40モル%とヘキサフルオロフロペン成分8
〜22モル%とからなり、ショアD硬度(ASTM D
2240)の値が38〜45の範囲にある3元共重合体
から形成されたPOF素線の外周に、ナイロン12から
なる被覆層を設けたPOFケーブルが開示されている。
によりPOFケーブルに耐熱性、耐薬品性、耐熱寸法安
定性等を付与する技術としては、例えば特開平7−77
642号公報、特開平10−319281号公報、特開
平11−242142号公報などで提案され、現在使用
されている自動車用POFケーブルにおいてもナイロン
11やナイロン12などのポリアミド樹脂が使用されて
いる。
には、POF素線の外周に、マレイン酸無水物、フタル
酸無水物、グルタル酸無水物などの有機酸無水物を含有
するポリアミド樹脂からなる一次被覆層を備え、さらに
その外周に二次被覆層を被覆したPOFケーブルによ
り、POF素線と被覆層との密着性を高めピストニング
を抑えることが提案されている。WO00/60382
号公報には、POF素線の外周部に、カルボキシル末端
基濃度が最大15μeq/gであり、アミノ末端基濃度
が50−300μeq/gの範囲にある改質ポリアミド
またはポリアミド共重合体を被覆層として備えたPOF
ケーブルが提案されている。また、特開2000−27
5481号公報、特開2000−292659号公報に
は、フッ化ビニリデン系樹脂からなるクラッドと、ナイ
ロン12樹脂からなる被覆層の中間に、接着層として、
ビニリデンフロライド成分40〜62モル%と、テトラ
フロロエチレン成分28〜40モルと、ヘキサフロロプ
ロペン成分8〜22モル%とからなる3元共重合体から
なる層を備えたPOFケーブルが開示されている。
公報に開示の技術では、上記1)〜3)の要求のいずれ
かを満足できたとしても、すべての性能を同時、かつ、
安定に満足することは困難であった。例えば、特開20
00−266970号公報に開示の技術では、耐熱性に
優れ、高開口数であるとともに、引き抜き強度が7kg
以上のPOFケーブルが一応開示されているが、市販さ
れている一般のポリアミド樹脂からなる被覆層を単に設
けるだけでは、このような引き抜き強度のプラスチック
光ファイバケーブルを製造することは困難であった。
開示されているように、被覆層にポリアミド系重合体を
用いることによりPOFケーブルに耐熱性、耐薬品性、
耐熱寸法安定性等を付与することはできるが、被覆層と
POF素線との密着性をも向上させることは困難であっ
た。さらに、WO01/40841号公報に記載されて
いるように、有機酸無水物をポリアミド樹脂に含有させ
てこれを被覆層として使用することにより、POF素線
と被覆層の密着性をある程度向上させることはできるも
のの、有機酸無水物は人体への刺激性を有するため、取
り扱いにくいという問題があった。
示された技術では、被覆層とPOF素線との密着性はあ
る程度改善されたとしても、低曲げ損失などの性能は十
分とは言えなかった。また、特開2000−27548
1号公報や特開2000−292659号公報に開示さ
れている方法では、特定の3元共重合体からなる接着層
を備えているためコストが高く、さらに、このような3
元共重合体からなる接着層は、ヘキサフルオロプロピレ
ン成分の含有量などによっては耐熱性が不十分となり、
このような接着層を備えた構成のPOFケーブルを高温
となりやすい自動車通信用に使用しても満足できる特性
を得ることは困難であった。
で、曲げ損失が小さいとともに耐熱性、難燃性、耐薬品
性などに優れ、かつ、POF素線と被覆層との密着性も
良好で、例えば自動車内など、狭く、高温多湿の厳しい
環境下で使用した場合であっても優れた特性を示すとと
もに、狭い空間への敷設も容易なPOFケーブルおよび
プラグ付きPOFケーブルを提供することを課題とす
る。
は、コアと該コアの外周に形成されたクラッドからなる
プラスチック光ファイバ素線の外周に、一次被覆層が設
けられたプラスチック光ファイバケーブルであって、前
記クラッドは、ビニリデンフロライド単位とテトラフル
オロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とか
らなり、23℃におけるショアD硬度(ASTM D2
240)の値が59以下である3元共重合体から形成さ
れる最外層を少なくとも有し、前記一次被覆層は、末端
アミノ基の含有量が20〜300μeq/gであり、末
端カルボキシル基の含有量が16μeq/g以上である
ポリアミド系樹脂を含有するポリアミド系樹脂材料から
形成される最内層を少なくとも有することを特徴とす
る。前記コアは、ポリメタクリル酸メチルまたは1種類
以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチルとの共重合
体から形成されることが好ましい。前記一次被覆層の厚
さが5〜1000μmであり、前記プラスチック光ファ
イバ素線と前記一次被覆層の間の引き抜き強度が25N
以上であり、かつ、温度85℃、湿度85%以上の条件
で当該プラスチック光ファイバケーブルを500時間放
置した際における前記引き抜き強度の低下が5N未満で
あることが好ましい。
ド単位37.01〜92モル%と、テトラフルオロエチ
レン単位0.01〜55モル%と、ヘキサフルオロプロ
ピレン単位4.0〜22モル%とからなり、アッベ屈折
率計で測定したナトリウムD線による23℃での屈折率
が1.350〜1.385であることが好ましい。前記
ポリアミド系樹脂は、前記末端アミノ基の含有量が40
〜200μeq/gであり、前記末端カルボキシル基含
有量が20μeq/g以上であるナイロン11またはナ
イロン12からなることが好ましい。前記末端アミノ基
の含有量が80〜200μeq/gであり、前記末端カ
ルボキシル基含有量が40〜200μeq/gであるこ
とが好ましい。前記一次被覆層の外周に、ポリアミド樹
脂からなる二次被覆層が形成されていてもよい。その場
合、前記一次被覆層と前記二次被覆層の間の引き抜き強
度は10〜30Nであることが好ましい。本発明のプラ
グ付き光ファイバケーブルは、前記プラスチック光ファ
イバケーブルの少なくとも一端の一次被覆層に、プラグ
が固定されていることを特徴とする。
OF素線は、コアの外周にクラッドが形成されたもので
ある。コアを形成する材料としては、公知の材料が使用
可能であるが、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)
か、1種類以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチル
との共重合体かのいずれかを使用することが好ましく、
透光性、材料価格、耐久性の点からPMMAがより好ま
しい。
であっても多層であってもよいが、少なくとも後述の一
次被覆層と接する最外層は、ビニリデンフロライド単位
とテトラフルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピ
レン単位とからなり、23℃におけるショアD硬度(A
STM D2240)の値が59以下である3元共重合
体から形成される。すなわち、クラッドが単層からなる
ものであれば、この層が上記3元共重合体から形成され
る。このような3元共重合体は、透明性、耐熱性、耐薬
品性に優れるためクラッド材として適しているととも
に、これを最外層に使用することによって、取り込み可
能な光量が増加する。また、耐屈曲性に優れ、曲げ損失
の少ないPOF素線とすることができる。さらに、詳し
くは後述するが、このような3元共重合体をクラッドの
最外層に使用すると、この最外層が、末端アミノ基およ
び末端カルボキシル基の含有量が特定の範囲であるポリ
アミド系樹脂を含有するポリアミド系樹脂材料からな
り、クラッドの最外層の外周に形成される一次被覆層の
最内層に強く密着する。このような密着性の向上効果は
主として、ヘキサフルオロプロピレン単位を含有する3
元共重合体がクラッドの最外層に使用されているため、
この3元共重合体中に存在する極性の高いC−F結合
と、一次被覆層の最内層を形成するポリアミド系樹脂中
に存在する極性の高い末端アミノ基および末端カルボキ
シル基との間の相互作用が生じ、クラッドの最外層と一
次被覆層の最内層との自己接着効果が強く発現すること
によるものである。このように最外層は後述する特定の
一次被覆層の最内層に強く密着するが、そのうえ、その
際の密着性は、POFケーブルを温度60℃以上の環境
で50時間以上放置した場合に20%以上増加する。な
お、密着性は、後述の引き抜き強度を指標として評価す
ることができる。
ビニリデンフロライド単位が37.01〜92モル%、
テトラフルオロエチレン単位が0.01〜55モル%、
ヘキサフルオロプロピレン単位が4.0〜22モル%の
範囲であるものが好ましい。ビニリデンフロライド単位
の含有量が92モル%を超える3元共重合体は、成形性
が十分ではなく、また、屈折率が高くなるためPOF素
線の開口角が小さくなり、曲げ損失が増加するおそれが
ある。一方、ビニリデンフロライド単位の含有量が3
7.01モル%未満の3元共重合体は、硬度および耐熱
性が低下するおそれがある。より好ましいビニリデンフ
ロライド単位の含有率は、50〜70モル%である。
合体の屈折率を低下させ光ファイバの開口数を大きくす
るとともに、耐熱性を高めるためのものであるが、3元
共重合体におけるテトラフルオロエチレン単位の含有量
が55モル%を超えると、3元共重合体の硬度および成
形性が低下するおそれがある。より好ましいテトラフル
オロエチレン単位の含有率は、22.5〜45モル%で
ある。
有量は、4.0〜22モル%であることが好ましく、
4.0〜7.99モル%であることがより好ましく、特
に好ましくは4.7〜7.5モル%である。このような
含有量が好ましい理由としては、まず第1に、ヘキサフ
ルオロプロピレンはその構造の対称性が低いため、比較
的少量を共重合することで、ビニリデンフロライドとテ
トラフルオロエチレンとの共重合体が有している結晶性
を低減できる。この結晶性低減効果は、ヘキサフルオロ
プロピレン単位を4.0モル%以上含有させることで十
分に発現する。
と一次被覆層の最内層との密着性の向上効果は、3元共
重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単位の含有量
の増加にともない増加する。また、このような密着性
は、すでに述べたように、得られたPOFケーブルを温
度60℃以上の環境で50時間以上放置した場合に20
%以上増加するが、このような効果は、特に3元共重合
体がヘキサフルオロプロピレン単位を4.0モル%以上
含む場合に顕著である。例えば、クラッドの最外層が、
ダイキン工業社製、VP−50(ビニリデンフロライド
/テトラフルオロエチレン=80/20モル%の2元共
重合体)などのビニリデンフロライドとテトラフルオロ
エチレンとの2元共重合体からなる場合には、同様の効
果を得るために100時間以上を要する。
ヘキサフルオロプロピレン単位の含有量が22モル%を
超えると、この3元共重合体はエラストマー性が高くな
り、その材料自身の「べたつき」が増加する傾向にあ
る。よって、POF素線を製造する際の紡糸安定性、P
OF素線の取り扱いが困難になる可能性がある。また、
この3元共重合体の熱変形温度が低下する傾向にあるた
め、POFケーブルが高温環境下におかれた場合、不都
合を生じる可能性がある。
23℃におけるショアD硬度(ASTM D2240)
の値が59以下のものを使用し、好ましくは50以下の
ものを使用する。このようなショアD硬度を有し、柔軟
性を有する3元共重合体からクラッドの最外層を形成す
ると、詳しくは後述するように、クラッドの最外層のさ
らに外周に特定のポリアミド系樹脂材料からなる最内層
を備えた一次被覆層を形成した場合に、クラッドの最外
層と一次被覆層の最内層との間に強い密着性が発現し、
ピストニングを抑制することができる。すなわち、ビニ
リデンフロライド単位とテトラフロロエチレン単位とヘ
キサフロロプロピレン単位からなる3元共重合体とポリ
アミド系樹脂とは相溶性が低いために、クラッドの最外
層と一次被覆層の最内層との間に、これらが相溶してな
る相溶層は存在せず、クラッドの最外層と一次被覆層の
最内層とは密着しただけの状態となる。この場合に、3
元共重合体が上述のようなショアD硬度を有し適度な柔
軟性を備えていると、一次被覆層からPOFを引き抜こ
うとする力がPOFの軸方向に加わった場合、POF素
線と一次被覆層との界面に応力が生じ、実質的にPOF
素線と一次被覆層の間の引き抜き強度を高めることが可
能となる。なお、本発明における引き抜き強度の測定方
法は、後述の実施例において説明する。
合体は、熱変形温度が低下する傾向にある。よって、自
動車内などの高温条件下で使用されるPOFケーブルに
ついては、好ましくは、ショアD硬度が30を超え、5
9以下の3元共重合体を使用する。
共重合体としては、その屈折率(アッベ屈折率計で測定
したナトリウムD線による23℃での屈折率)が、1.
350〜1.385であるものを使用することが好まし
い。このような屈折率の3元共重合体をクラッドの最外
層に使用すると、POF素線の曲げ損失をより一層低減
することができる。
層以外の層にはビニリデンフロライド単位とテトラフル
オロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位とか
らなる3元共重合体以外の材料を使用してもよく、例え
ば、公知のフルオロアルキルメタクリレート系樹脂、フ
ッ化ビニリデン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂とメタ
クリレート系樹脂の混合物などが用いられる。また、ク
ラッドが多層である場合、コアに接する最内層のクラッ
ド(第1クラッド)としては、比較的透明性に優れ、コ
アやこの第1クラッドの外側の第2クラッドに対する密
着性が優れているものを使用することが好ましい。
OF素線の外周に5〜1000μmの厚さで形成される
ことが好ましく、POF素線を保護するものであって、
50〜600μmの厚さで形成されることがより好まし
い。一次被覆層の厚みが5μm未満である場合には、P
OF素線と一次被覆層の間の引き抜き強度を十分に維持
できない場合がある。一方、一次被覆層の厚みが100
0μmを超えると、一次被覆層に使用する材料のコスト
が高くなるため好ましくない。
あってもよいが、少なくともクラッドに接触する最内層
は、末端アミノ基の含有量が20〜300μeq/gで
あり、末端カルボキシル基の含有量が16μeq/g以
上であるポリアミド系樹脂を含有するポリアミド系樹脂
材料から形成される。なお、ここでポリアミド樹脂材料
は、ポリアミド系樹脂のみからなってもよいし、ポリア
ミド系樹脂に必要に応じて他の重合体や、難燃剤、着色
剤、POFへの外光の入射を防止するためのカーボンブ
ラック等の黒色無機成分などの添加剤や化合物を含有さ
せることもできる。
に、POFの伝送性能を熱劣化させない低い温度で被覆
を形成でき加工性が良いうえ、耐熱性、耐薬品性等にも
優れているため、被覆材料として好ましい。また、ポリ
アミド系樹脂を被覆材料に使用すると、得られるPOF
ケーブルは耐屈曲性に優れるとともに、寸法安定性(熱
収縮性)に優れた被覆層を形成できるため、ピストニン
グを低減することができるが、特に、末端アミノ基の含
有量が20〜300μeq/gの範囲であって、かつ、
末端カルボキシル基含有量が16μeq/g以上である
ポリアミド系樹脂を含むポリアミド系樹脂材料を一次被
覆層の最内層に使用すると、ポリアミド系樹脂が有する
アミド結合の極性が有する作用と相まって、POF素線
と一次被覆層との密着性が一層優れ、引き抜き強度が向
上し、さらに効果的にピストニングを抑制することがで
きる。
の含有量および末端カルビボキシル基の含有量を任意に
コントロールする方法としては、例えば、ポリアミド系
樹脂の一部として低分子のポリアミド系オリゴマ−等を
使用する方法がある。また、WO00/60382号公
報に開示されているように、重合が完了する前のポリア
ミド系樹脂にアミン調節剤を添加することによって、末
端アミノ基の含有量を調節する方法も有効である。ポリ
アミド系樹脂の末端アミノ基の含有量が20μeq/g
未満、および/または、末端カルボキシル基の含有量が
16μeq/g未満では、一次被覆層の最内層とクラッ
ドの最外層との間の密着性が低くなったり、ピストニン
グが起こりやすくなったりしやすい。また、末端アミノ
基の含有量が300μeq/gより高い場合は、一次被
覆層の最内層からクラッドへのモノマーの拡散および熱
的反応により、POFの光学的性能が劣化する。
含有量が40μeq/g未満の場合は、POF素線に一
次被覆層を形成した直後の初期の密着性が低い場合があ
るが、その後増加する。例えば、得られたPOFケーブ
ルを室温以上の温度で7〜10日放置すると密着性の指
標となる引き抜き強度が10N以上増加する傾向があ
り、60℃以上の温度で24時間以上放置した場合でも
同様の傾向がある。ポリアミド系樹脂は、好ましくは末
端アミノ基の含有量が20〜300μeq/g、末端カ
ルボキシル基の含有量が16μeq/g以上であり、さ
らに好ましくは、末端アミノ基の含有量が40〜200
μeq/g、末端カルボキシル基の含有量が20μeq
/g以上である。特に好ましくは、末端アミノ基の含有
量が80〜200μeq/g末端カルボキシル基の含有
量が40〜200μeq/gである。
ド系樹脂としては、例えば、ナイロン10、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66などの各
単量体単位からなる単独重合体やこれら単量体単位の組
合せからなる共重合体、柔軟なセグメントを導入したナ
イロン単量体単位を含むナイロン系エラストマーなどが
挙げられる。これらは単独で使用しても、2種類以上を
組み合わせて使用してもよく、また、必要に応じて、ポ
リアミド系樹脂以外の重合体や化合物を混合して使用し
てもよい。他の重合体や化合物などを混合する場合に
は、ポリアミド系樹脂材料中のポリアミド系樹脂の含有
量が、20質量%以上、70質量%以下となる範囲で混
合することが好ましい。
重合体またはナイロン12単独重合体を使用すると、被
覆工程における成形性が良好で、POFに熱的および機
械的なダメージを与えにくいだけではなく、上述した3
元共重合体からなるクラッドの最外層との密着性が非常
に優れる。また、ナイロン11単独重合体およびナイロ
ン12単独重合体は寸法安定性にも優れるため、このよ
うな密着性と寸法安定性との相乗効果により、ピストニ
ングを効果的に防止することができる。
単独重合体は、低温衝撃性、耐屈曲性、引っ張り破断伸
び、曲げ弾性が低い等の力学的特性、耐摩耗性、線膨張
係数、ガス透過性が低いという優れた特徴を有する。そ
のため、ポリアミド系樹脂としてナイロン11単独重合
体及びナイロン12単独重合体を使用すると、柔軟で耐
疲労性に優れ、高温環境下でのピストンニング、伝送特
性の劣化が少ないPOFケーブルを得ることができる。
ナイロン11単独重合体は、ナイロン12単独重合体よ
りも弾性率が高いため、POFケーブルに適度な弾性力
が要求される場合にはナイロン11単独重合体を用いる
ことが好ましく、POFケーブルに適度な柔らかさが要
求される場合はナイロン12単独重合体を用いることが
好ましい。
種添加剤が含まれていてもよく、例えば難燃性を付与す
るために、公知の各種金属水酸化物、燐化合物、トリア
ジン系化合物などの難燃剤を添加してもよい。これら難
燃剤の中では、ポリアミド系樹脂の難燃性向上効果が大
きいため、トリアジン系化合物が好ましく、特にシアヌ
ル酸メラミンが好ましい。
外周に、このような一次被覆層を形成することによっ
て、POFケーブルが得られる。このようなPOFケー
ブルにおいては、POF素線と一次被覆層の間の引き抜
き強度が25N以上であることが好ましい。引き抜き強
度が25N以上であれば、POF素線と一次被覆層との
密着性が十分強く、ピストニングが抑制される。また、
後述するように、POFケーブルの一端にプラグを固定
したうえで他の機器などと接続し、その後振動などの機
械的作用を受けた場合、POF素線と一次被覆層との密
着性が不十分であれば、POF素線に過剰な力が作用し
て、POF素線が破断する場合もあるが、密着性が優れ
ていれば、このような破断のおそれもない。より好まし
い引き抜き強度は35N以上である。また、一次被覆層
が複数の層からなる多層の場合、それらの層間の引き抜
き強度はいずれも50N以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは60N以上である。50N未満では、層
間の密着性が不十分なことに起因して、ピストニングが
発生する場合がある。
℃、湿度85%以上の条件で500時間放置した時の、
引き抜き強度の低下が5N未満であることが好ましく、
引き抜き強度が10N以上向上することがより好まし
い。引き抜き強度の低下が5N未満であると、高温環境
下におけるPOFケーブルのピストニングに起因する特
性劣化がほとんどなく、高い信頼性が得られる。なお、
上述したように、このPOFケーブルにおいて、密着性
の指標となる引き抜き強度は、POFケーブルを温度6
0℃以上の環境で50時間以上放置した場合などに20
%以上増加する傾向があり、温度85℃、湿度85%以
上の条件で500時間放置しても、ほとんど低下は認め
られない。
耐環境特性などをさらに向上させるために、一次被覆層
の外周に熱可塑性樹脂からなる二次被覆層が形成されて
いてもよい。二次被覆層の材料としては、このPOFが
使用される環境に応じて適宜選択することができるが、
特に自動車内の配線など、二次被覆層に耐油性、耐熱性
などが要求される場合には、これらの性能に優れたポリ
アミド系樹脂材料が好ましい。ポリアミド系樹脂として
は、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン6−12、ナイロン621などの各単
量体単位からなる単独重合体や、これらの単量体単位が
組み合わされたポリアミド樹脂、ナイロン系エラストマ
ーなどが好ましい。これらの中では、被覆工程における
成形性が良好で、POFに熱的および機械的なダメージ
を与えにくいため、ナイロン系エラストマーまたは、ナ
イロン系エラストマーと他のポリアミド樹脂との混合物
が好ましい。
続作業時などに必要に応じて剥離される場合が多いこと
から、比較的容易に剥離可能に形成されることが好まし
く、一次被覆層と二次被覆層の引き抜き強度は、好まし
くは10〜30Nで、より好ましくは15〜25Nの範
囲である。一次被覆層と二次被覆層の引き抜き強度が1
0N未満では、二次被覆層から一次被覆層とともにPO
F素線が簡単に抜けるなど、取扱性が悪くなるおそれが
ある。一方、30Nを超えるとストリッピング性が悪く
なり、POFケーブルの接続作業時などにおいて二次被
覆層を剥離する際に、一次被覆層が伸びてしまい、取扱
性が低下するおそれがある。一次被覆層と二次被覆層の
間の引き抜き強度は、一次被覆層の最外層に使用する材
料と二次被覆層の最内層に使用する材料との組合せを適
切に選択することや、後述するように被覆方法を適宜選
択することなどで調整できる。なお、二次被覆層は、単
層であっても多層であってもよく、多層である場合、各
層間の引き抜き強度は適宜設定できる。
ち、被覆層として一次被覆層のみが形成されている場合
には一次被覆層の最外層、被覆層として一次被覆層の外
周に二次被覆層が形成されている場合には二次被覆層の
最外層)に着色剤等を添加することにより、POFケー
ブルの識別性、意匠性を容易に高めることができる。着
色剤としては公知のものを使用できるが、染料系の着色
剤は高温下などでPOFに移行して伝送損失を増加させ
るおそれがあるため、無機顔料を用いることが好まし
い。
により製造できる。例えばクロスヘッド型被覆装置を用
いた押し出し被覆により、POFに一次被覆層、二次被
覆層を順次設ける方法や、POFを形成する材料に、一
次被覆層と二次被覆層を形成する材料を積層して複合紡
糸する方法などが挙げられる。これらのなかでは、クロ
スヘッド型被覆装置を用いて、POFに一次被覆層、二
次被覆層を設ける方法が好ましい。より具体的には、P
OFに一次被覆層を一括で被覆して、その後に二次被覆
層を被覆する方法が好ましい。このような方法でPOF
ケーブルを製造すると、POF素線と一次被覆層の引き
抜き強度や、一次被覆層と二次被覆層の引き抜き強度
を、所望の値に制御して被覆することができる。
フロライド単位とテトラフルオロエチレン単位とヘキサ
フルオロプロピレン単位とからなり、23℃におけるシ
ョアD硬度(ASTM D2240)の値が59以下で
ある3元共重合体から形成される最外層を少なくとも有
するクラッドを具備し、このクラッドの外周には、最内
層が、末端アミノ基の含有量および末端カルボキシル基
の含有量が特定の範囲のポリアミド系樹脂を含有するポ
リアミド系樹脂材料からなる一次被覆層を有するので、
POF素線と一次被覆層との密着性が良好で、高温多湿
環境下で使用された場合でも、ピストニングが抑制され
る。また、曲げ損失も小さいため、狭い空間に敷設され
た場合であっても、伝送損失が低下しにくい。さらに、
耐熱性、難燃性などにも優れている。したがって、この
ようなPOFケーブルは、ワイヤーハーネス類と共に束
ねられ、自動車内など、高温多湿であって引火性の物質
も存在する狭い空間内に屈曲した状態で敷設されるよう
な場合でも、高い性能を維持することができる。
OFケーブルの少なくとも一端に、プラグを接続、固定
することにより、プラグ付きPOFケーブルとすること
ができる。このようにプラグを接続、固定することによ
り、信号源である光源、検知器に組み込まれたユニット
のハウジング、別のPOFケーブル等と容易に接続する
ことができる。プラグの形態には特に制限はなく、PO
Fケーブルを挿入する挿入孔が形成されたプラグ本体
と、POFケーブルをこのプラグ本体に固定するための
ストッパを備えたものなどが使用できる。また、POF
ケーブルとプラグとの接続は、プラグを接続する端部の
一次被覆層にプラグを固定する方法などで行う。すなわ
ち、二次被覆層を備えたPOFケーブルの場合には、端
部の二次被覆層を剥ぎ取って、一次被覆層を露出させ、
この露出した部分の一次被覆層にプラグを取り付ける。
このようなプラグ付きPOFケーブルによれば、POF
ケーブルとして、上述したように特にピストニングが抑
制されたものが使用されているので、こうしてプラグ付
きPOFケーブルとして、たとえ高温環境下で他の機器
などと接続して使用した場合にも、高い性能を安定に維
持できる。
明する。なお、実施例における評価、測定は以下の方法
により実施した。 (ショアD硬度)ASTM D2240に準拠して測定
した(23℃)。高分子計器(株)ASKER CL−
150を用いた。 (伝送損失)25m−5mカットバック法により伝送損
失(dB/km)を測定した。測定波長が650nm、
入射光のNA(開口数)が、0.1、0.65の光を用
いた。なお、伝送損失は、初期の伝送損失と、POFケ
ーブルを、温度85℃、湿度(RH)95%のオーブン
に1000時間放置した後の伝送損失とを測定した。 (曲げ損失の測定)長さ11mのPOFケーブルの一端
から光を入射させ、その状態で、POFケーブルを、1
m間隔の10箇所において、半径10mmで90度ずつ
屈曲させ、他端から出射される光量を測定した。このよ
うに屈曲させたPOFケーブルから出射される光量と、
直線状の同POFケーブルについて同様に測定した出射
光量とから曲げ損失を算出した。
図1に示すように、POFケーブル10を保持する治具
12と、治具12の一端部に形成された突起14を把持
するチャック8と、POFケーブル10の剥離部分5を
把持するチャック7とを備えた測定装置20を用いて測
定した。治具12には、POFケーブル10の被覆部分
4が収容される保持室13と、POFケーブル10の剥
離部分5よりも大きく被覆部分4よりも狭い貫通孔15
が形成されている。測定にあたっては、一端側の被覆層
を剥離したPOFケーブルを用意し、POFケーブルの
被覆部分4の長さが30mmになるように切断した。な
お、POF素線と一次被覆層との間の引き抜き強度(剥
離強度)を測定する場合は一次被覆層および二次被覆層
を剥離し、一次被覆層と二次被覆層との間の引き抜き強
度(剥離強度)を測定する場合は、二次被覆層のみを剥
離した。次に、治具12に形成されている保持室13内
にPOFケーブルの被覆部分4を収容し、POFケーブ
ルの剥離部分5を貫通孔15から抜き出した。次に、治
具12の一端部に形成されている突起14をチャック8
で把持し、POFケーブルの剥離部分5をチャック7で
把持した。次に、POFケーブル10の中心軸方向(図
中矢印方向)に沿って、一定速度50mm/minでチ
ャック8を移動させて治具12を引っ張り、POFケー
ブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い部
分を引き抜いた。このときの引き抜き応力と、POFケ
ーブル10の被覆部分4において剥離部分5よりも厚い
部分の引き抜き方向へのずれ量との関係を示す曲線か
ら、引き抜く際の応力のピーク値を読みとり測定値とし
た。また、引き抜き強度の耐熱安定性を見るため、長さ
100cmのPOFケーブルを85℃、相対湿度85%
のオーブンに500時間放置した後の、引き抜き強度に
ついても、同様の方法で測定した。
二次被覆層を剥離して一次被覆層を露出させ、この露出
した部分の一次被覆層を、一次被覆層の直径よりも50
μm大きい内径を有するプラグに挿入し、一次被覆層を
かしめて固定して、プラグ付きPOFケーブルを作製し
た。次いで、85℃、相対湿度95%の雰囲気中に、長
さ50cmのプラグ付POFケーブルを1000時間放
置した後の、プラグ端面からのPOFケーブルの突出、
または引き込み長さ(μm)を測定した。
ラッド材料として、2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレート(3FM)/2−(パーフルオロオクチ
ル)エチルメタクリレート(17FM)/メタクリル酸
メチル/メタクリル酸=51/31/17/1(質量
部)の共重合体、第2クラッド材料として、ビニリデン
フロライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体=60.5/34.5/5.0(m
ol%)(ショアD硬度の値42、アッベ屈折率計で測
定したナトリウムD線による23℃での屈折率1.37
4)の共重合体を用い、これらを溶融して、225℃の
紡糸ヘッドに供給し、同心円状複合ノズルを用いて複合
紡糸した後、150℃の熱風加熱炉中で繊維軸方向に2
倍に延伸し、第1クラッド厚み10μm、第2クラッド
の厚み10μmの直径1mmのPOF素線を得た。すな
わち、この例ではクラッドが2層からなり、第2クラッ
ドがクラッドにおける最外層に相当する。次いで、得ら
れたPOF素線を60℃で48時間熱処理した。
ロスヘッドダイにて改質ポリアミド樹脂(末端アミノ基
濃度116μeq/g、末端カルボキシル基濃度60μ
eq/g)をクロスヘッドケーブル被覆装置を用いて、
上記POF素線に被覆して厚みが250μmの一次被覆
層を形成し、外径1.5mmのPOFケーブルを得た。
すなわち、この例では一次被覆層は1層からなり、この
層が一次被覆層における最内層に相当する。このPOF
ケーブルの外周部に、メラミンシアヌレートを含有した
ナイロン6−12(ダイアミド N1901、ダイセル
・デグサ社製)を、クロスヘッドケーブル被覆装置を用
いて被覆して厚みが350μmの二次被覆層を形成し、
外径2.2mmの2層被覆構造を有するPOFケーブル
を得た。得られたPOFケーブルの各種評価を行い、そ
の結果を表1に示した。得られたPOFケーブルは曲げ
損失が小さく、耐熱環境下での伝送特性、ピストニング
が抑制され、POF素線と被覆層の密着も強く、自動車
用途での使用に優れたPOFケーブルであった。
線またはPOFケーブルの構成を表1に示した通りとし
た以外は、実施例1と同様にしてPOFケーブルを作製
した。得られたPOFケーブルの各種特性を評価し、そ
の結果を表1に示した。なお、実施例3および4で第2
クラッド材に使用した3元共重合体の屈折率は1.36
5であった。また、実施例6で第2クラッド材に使用し
た3元共重合体の屈折率は1.370であった。
比較例7のPOFケーブルは、第2クラッドに、ビニリ
デンフロライド単位とテトラフルオロエチレン単位から
なり、ショアD硬度の値が60以上の2元共重合体を使
用しているので、表2に示したように、曲げ損失が大き
いとともに、ピストニングが大きく耐熱使用時の伝送損
失の増加が顕著であり、信頼性が不十分であった。比較
例4〜6のPOFケーブルは、一次被覆層に用いられた
ポリアミド樹脂の末端官能基の含有量が本発明の範囲外
であったので、曲げ損失が大きいとともに、一次被覆層
の初期の引き抜き強度が小さいか、または、ピストニン
グが大きく、耐熱使用時の伝送損失の増加が顕著であ
り、信頼性が不十分であった。
ブルは、特定の組成および硬度の最外層を有するクラッ
ドと、特定の最内層を有する一次被覆層とが組み合わさ
れたものであるので、POF素線と一次被覆層との密着
性が良好で、高温多湿環境下で使用された場合でも、ピ
ストニングが抑制される。また、曲げ損失も小さいた
め、狭い空間に敷設された場合であっても伝送損失が低
下しにくいとともに、耐熱性、難燃性などにも優れてい
る。したがって、このようなPOFケーブルおよびこの
POFケーブルの一端の一次被覆層にプラグが固定され
たプラグ付きPOFケーブルは、ワイヤーハーネス類と
共に束ねられ、自動車内など、高温多湿であって引火性
の物質も存在する狭い空間内に屈曲した状態で敷設され
るような場合でも、高い性能を維持することができる。
明する断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 コアと該コアの外周に形成されたクラッ
ドからなるプラスチック光ファイバ素線の外周に、一次
被覆層が設けられたプラスチック光ファイバケーブルで
あって、 前記クラッドは、ビニリデンフロライド単位とテトラフ
ルオロエチレン単位とヘキサフルオロプロピレン単位と
からなり、23℃におけるショアD硬度(ASTM D
2240)の値が59以下である3元共重合体から形成
される最外層を少なくとも有し、 前記一次被覆層は、末端アミノ基の含有量が20〜30
0μeq/gであり、末端カルボキシル基の含有量が1
6μeq/g以上であるポリアミド系樹脂を含有するポ
リアミド系樹脂材料から形成される最内層を少なくとも
有することを特徴とするプラスチック光ファイバケーブ
ル。 - 【請求項2】 前記コアが、ポリメタクリル酸メチルま
たは1種類以上のビニル系単量体とメタクリル酸メチル
との共重合体から形成されていることを特徴とする請求
項1に記載のプラスチック光ファイバケーブル。 - 【請求項3】 前記一次被覆層の厚さが5〜1000μ
mであり、前記プラスチック光ファイバ素線と前記一次
被覆層の間の引き抜き強度が25N以上であり、かつ、
温度85℃、湿度85%以上の条件で当該プラスチック
光ファイバケーブルを500時間放置した際における前
記引き抜き強度の低下が5N未満であることを特徴とす
る請求項1または2に記載のプラスチック光ファイバケ
ーブル。 - 【請求項4】 前記3元共重合体は、ビニリデンフロラ
イド単位37.01〜92モル%と、テトラフルオロエ
チレン単位0.01〜55モル%と、ヘキサフルオロプ
ロピレン単位4.0〜22モル%とからなり、 アッベ屈折率計で測定したナトリウムD線による23℃
での屈折率が1.350〜1.385であることを特徴
とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチッ
ク光ファイバケーブル。 - 【請求項5】 前記ポリアミド系樹脂は、前記末端アミ
ノ基の含有量が40〜200μeq/gであり、前記末
端カルボキシル基の含有量が20μeq/g以上である
ナイロン11またはナイロン12であることを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチック光
ファイバケーブル。 - 【請求項6】 前記末端アミノ基の含有量が80〜20
0μeq/gであり、前記末端カルボキシル基含有量が
40〜200μeq/gであることを特徴とする請求項
5に記載のプラスチック光ファイバケーブル。 - 【請求項7】 前記一次被覆層の外周に、ポリアミド樹
脂からなる二次被覆層が形成されていることを特徴とす
る請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチック光
ファイバケーブル。 - 【請求項8】 前記一次被覆層と前記二次被覆層の間の
引き抜き強度が10〜30Nであることを特徴とする請
求項7に記載のプラスチック光ファイバケーブル。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のプ
ラスチック光ファイバケーブルの少なくとも一端の一次
被覆層に、プラグが固定されていることを特徴とするプ
ラグ付き光ファイバケーブル。
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