JP2003225115A - 化粧料容器 - Google Patents
化粧料容器Info
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Abstract
等による衝撃から保護し、ひび割れや飛散等を一層有効
に防止する。 【解決手段】容器本体10と化粧料収容体20との間に
設けられた弾性部材30は、枠体31とフランジ32と
を有する。フランジ32は、枠体31の上縁部におい
て、枠体31の外側に向かって突出している。フランジ
32の先端部は容器本体10と当接しているため、枠体
31および容器本体10は水平方向に離間している。フ
ランジ32は、長手方向に直線状に延在するストレート
状の壁部に設けられたストレート部32aと、隣接した
ストレート部32aの間を連結するコーナー部32bと
を有する。コーナー部32bの肉厚はストレート部32
aの肉厚よりも薄くなっている。
Description
り、特に、容器本体内に化粧料を収納したコンパクト容
器に関する。
し、この化粧皿を容器本体内に収納した小型かつコンパ
クトな化粧料容器が知られている。このような化粧料容
器では、落下時の衝撃によって化粧料がひび割れたり、
飛散したりすることが問題となる。そのため、従来よ
り、耐衝撃性の向上を意図した化粧料容器が提案されて
いる。
スペースの底部に、発泡シート等の弾性板を載置して、
その上に化粧皿を固定した化粧料容器が開示されてい
る。この収納スペースの底部の一部には、凹部が形成さ
れており、弾性板は、収納スペースの内周よりも小さく
凹部の内周よりも大きなサイズを有する。したがって、
載置された弾性板と収納スペースの底部との間には、凹
部相当の底部空間が形成される。また、収納スペースの
内周壁は、弾性板のずれを許容する枠体と嵌合してい
る。この枠体の内周は化粧皿の外周よりも大きいため、
化粧皿と枠体との間には側部空間が形成される。容器本
体に衝撃が加わった場合、載置された弾性板がずれるこ
とにより、容器本体から化粧皿に伝達される衝撃が吸収
される。
た化粧料装着部を、平板枠状の弾性収縮部を介して、容
器本体内に収納したコンパクト容器が開示されている。
この化粧料装着部の略全周には、フランジが形成されて
いるとともに、容器本体の外周には、その底部より上方
向に向かって起立した縁壁部が設けられている。容器本
体側の縁壁部が、弾性収縮部を介して、化粧料装着部側
のフランジを支持することによって、化粧料装着部は、
持ち上げられた状態で容器本体内に収納される。容器本
体に衝撃が加わった場合、縁壁部とフランジとの間に介
装された弾性収縮部の弾性変形によって衝撃が吸収され
る。
撃性に優れた新規な構造を有する化粧料容器を提供する
ことである。
に収納された化粧料を衝撃から保護し、化粧料のひび割
れや飛散等を有効に防止することである。
めに、第1の発明は、容器本体と、容器本体内に収納さ
れているとともに、化粧料を収容した化粧料収容体と、
容器本体と化粧料収容体との間に設けられ、枠体とフラ
ンジとが一体形成された弾性部材とを有する化粧料容器
を提供する。この化粧料容器において、枠体は、長手方
向に直線状に延在するストレート状の壁部で囲まれた形
状を有する。また、フランジは、枠体の縁部において、
枠体の外側に向かって突出しているとともに、フランジ
の先端部が容器本体と当接することによって、枠体と容
器本体とが水平方向に離間している。フランジは、スト
レート状の壁部に設けられたストレート部と、隣接した
ストレート部の間を連結するコーナー部とを有する。コ
ーナー部の肉厚は、ストレート部の肉厚よりも薄くなっ
ている。ここで、フランジは、枠体の縁部全周に亘って
連続的に設けられていることが好ましい。
収納されているとともに、化粧料を収容した化粧料収容
体と、容器本体と化粧料収容体との間に設けられ、枠体
とフランジとが一体形成された弾性部材とを有する化粧
料容器を提供する。この化粧料容器において、枠体は、
長手方向に直線状に延在するストレート状の壁部で囲ま
れた形状を有する。フランジは、枠体の縁部において、
枠体の外側に向かって突出しているとともに、フランジ
の先端部が容器本体と当接することによって、枠体と容
器本体の内側とが水平方向に離間している。フランジ
は、ストレート状の壁部に設けられたストレート部を有
する。隣接したストレート部同士は互いに離間してい
る。
フランジの肉厚は、枠体の肉厚よりも薄いことが好まし
く、フランジは、略逆U字状に湾曲していることが特に
好ましい。
体の上縁部に設けられているとともに、枠体の下縁部に
は、枠体の内側に向かって突出した突出片が一体形成さ
れていてもよい。この突出片によって、容器本体の内底
部とこの内底部上に固定された化粧料収容体とが垂直方
向に離間していることが好ましい。
収納されているとともに、化粧料を収容した化粧料収容
体と、容器本体と化粧料収容体との間に設けられ、枠体
とフランジと突出片とが一体形成された弾性部材とを有
する化粧料容器を提供する。この化粧料容器において、
フランジは、枠体の上縁部において、枠体の外側に向か
って突出しているとともに、フランジの先端部が容器本
体と当接することによって、枠体と容器本体とが水平方
向に離間している。突出片は、枠体の下縁部において、
枠体の内側に向かって突出しているとともに、この突出
片によって、容器本体の内底部と内底部上に固定された
化粧料収容体とが垂直方向に離間している。
収納されているとともに、化粧料を収容した化粧料収容
体と、容器本体と化粧料収容体との間に設けられ、緩衝
手段が一体形成された弾性部材とを有する化粧料容器を
提供する。この化粧料容器において、緩衝手段は、化粧
料収容体側に突出することにより、化粧料収容体と容器
本体とを離間させる。また、緩衝手段の内部には、この
緩衝手段の形状的な変形を許容する中空部が形成されて
いる。
は、水平方向に突出したフランジであってもよい。この
フランジは、化粧料収容体の側部と容器本体の内側壁と
を離間させる。また、フランジは、ストレート状の壁部
に設けられたストレート部と、隣接したストレート部と
の間を連結するコーナー部とを有していてもよい。この
場合、コーナー部の肉厚は、ストレート部の肉厚よりも
薄いことが好ましい。さらに、フランジは、略逆U字状
に湾曲していることが望ましい。
垂直方向に突出した突出部であってもよい。この場合、
突出部は、化粧料収容体の底部と容器本体の内底部とを
離間させる。また、突出部の頂部には、平面状の取付部
が設けられており、この取付部に、化粧料収容体の底部
が取り付けられていてもよい。
施形態に係る小型かつコンパクトな化粧料容器の外観斜
視図である。化粧料容器1は、容器本体10、化粧料収
容体20および弾性部材30を主体に構成されている。
容器本体10は、透明なプラスチック製の容器であり、
その内部には凹状に窪んだ収納部が形成されている。こ
の収納部には、弾性部材30を介して、化粧料収容体2
0が収納されている。また、容器本体10には、開閉可
能な蓋部10aが取り付けられており、この蓋部10a
を開くと、容器本体10の上部が開口して化粧料収容体
20が露出する。
る。収納部11は、内底部11aと、内底部11aの略
中央に所定の高さ分だけ上方に突出形成された取付凸部
11bと、内側壁11cとによって構成されている。ま
た、化粧料を収容する化粧料収容体20は、例えばアル
ミニウム製、合成樹脂製またはアルミニウム合金製等の
化粧皿20aを含む。この化粧皿20aには、例えばア
イシャドウといった化粧料の粉末を加圧圧縮工程を経て
固形化したものが収容されている。化粧料収容体20
(化粧皿20aの底部)は、貼付材40によって、内底
部11aに設けられた取付凸部11bに取り付けられて
いる。貼付材40としては、外部からの衝撃に対する化
粧料保護の観点より、ゼリー状で高い粘性を有する剥離
可能な接着剤を用いることが好ましい。なお、貼付材4
0として、例えば、弾性を有する接着剤や両面接着テー
プ等を用いることもできる。
容体20との間、具体的には、化粧皿20aの底部と内
底部11aとの間に存在する垂直方向の隙間、および、
化粧皿20aの側部と内側壁11cとの間に存在する水
平方向の隙間に介在している。そのため、容器本体10
および化粧料収容体20は、水平方向および垂直方向に
おいて直接接触することなく、互いに離間することにな
る。振動や落下等により外部から化粧料容器1に衝撃が
加わった場合、弾性部材30は、自身の弾性変形および
形状的な変形の双方によって、容器本体10から化粧料
収容体20へ伝達される衝撃を吸収する。この衝撃吸収
作用を発揮すべく、弾性部材30は弾性を有する材質の
ものを広く用いることができるが、後述する肉厚調整を
可能にするために、特に、インジェクション成型が容易
な熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。このような樹
脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリプロピレン、ポリアミド樹脂、および
それらの変性樹脂等が挙げられる。また、これら熱可塑
性樹脂の代わりに、合成ゴム、シリコーンゴム等の圧縮
成型用樹脂を使用することもできる。
2と突出片33a,33bとが一体形成されている。図
3は弾性部材30の上方斜視図であり、図4はその下方
斜視図である。枠体31は、複数のストレート状の壁部
31aで囲まれた多角形状の枠体であり、その頂部およ
び底部が開口している(それゆえに枠体31自体の形状
的な変形が容易である)。壁部31aのそれぞれは、長
手方向に直線状に延在し、垂直方向に平面的に起立して
いるとともに、均一な肉厚を有する。枠体31は、その
内部スペースに化粧皿20aが収容される関係上、化粧
皿20aの側部に沿った形状を有する。本実施形態で
は、化粧皿20aが四角形状であるため、枠体31も四
角枠状になっている。
縁部)には、枠体31の外側(すなわち、化粧料収容体
20側)に向かって水平方向に突出したフランジ32が
一体形成されている。本実施形態では、衝撃吸収効率の
観点より、緩衝機能を発揮するフランジ32を枠体31
の縁部全周に亘って連続的に設けているが、フランジ3
2の一部に切欠け部を設けてもよい。このフランジ32
は、壁部31aの上縁部に沿って設けられたストレート
部32aと、隣接したストレート部32aの間を連結す
る湾曲したコーナー部32bとを有する。
の肉厚よりも薄く形成されている。また、フランジ32
の一部を構成するコーナー部32bの肉厚は、ストレー
ト部32aの肉厚よりも薄く形成されている。フランジ
32は、枠体31の上縁部より略逆U字状に湾曲しなが
ら枠体31の外側に向かって延在している。そのため、
フランジ32の内部には略半円状の中空部が形成され
る。この中空部は、衝撃等によりフランジ32が形状的
な変形の一態様である潰れ変形した際に、フランジ32
の先端部が内側(枠体31側)へ変位することを許容す
る逃げ部として作用する。なお、略逆U字状とは、角が
曲線状に面取りされた完全な逆U字状のみならず、角が
直線状に面取りされた形状、または、角が面取りされて
いない形状(コ字を反時計方向に90°回転させた形
状)を含み、フランジ32の内部(正確には、フランジ
32の先端部とフランジ32の付根または枠体31との
間)に上記中空部を実質的に形成するような形状を広く
含む。
ではフランジ32とは反対側の下縁部)には、枠体31
の内側に向かって突出した突出片33a,33bが一体
形成されている。凸状の突出片33aは、枠体31を構
成するそれぞれの壁部31aの略中央に形成されてい
る。また、湾曲したアーチ状の突出片33bは、枠体3
1の各コーナー部分に形成されており、一方の壁部31
aと、これと隣接した他方の壁部31aとの間を円弧状
に連結している。これらの突出片33a,33bは、容
器本体10側の内底部11aとこの内底部11a上に取
り付けられた化粧料収容体20との間に介在し、突出片
33a,33bの肉厚分だけ両者11a,20を垂直方
向に離間させる。
うことができるように、枠体31の内壁にはテーパが設
けられており、開口部側から内底部11a側に向けて徐
々に窄まっている。
平方向において、化粧料収容体20の側部と収納部11
側の内側壁11cとの間には、弾性部材30の一部位で
ある枠体31とフランジ32とが介在する。そして、略
逆U字状のフランジ32の先端部が内側壁11cと当接
することによって、枠体31と内側壁11cとが水平方
向に離間している。換言すれば、枠体31の外側壁と内
側壁11cとの間に所定の側部空間が形成されている。
水平方向の衝撃が化粧料容器1に加わった場合、容器本
体10から化粧料収容体20への衝撃伝達経路には、フ
ランジ32と枠体31とが介在することになる。一方、
垂直方向において、化粧料収容体20の底部と収納部1
1の内底部11aとの間には、弾性部材30の一部位で
ある突出片33a,33bが介在する。そして、これら
の突出片33a,33bによって、内底部11aとこの
内底部11a上に取り付けられた化粧料収容体20とが
垂直方向に離間され、両者11a,20の間には貼付材
40が存在する。そのため、垂直方向の衝撃が化粧料容
器1に加わった場合、容器本体10から化粧料収容体2
0への衝撃伝達経路には、突出片33a,33bと貼付
材40とが介在することになる。
水平方向および垂直方向において、弾性部材30が衝撃
吸収作用を有効に発揮する。そのため、水平方向成分と
垂直方向成分とを含む全方位からの衝撃に対して、化粧
料のひび割れや飛散を有効に防止することができる。
説明図である。落下等により外部から水平方向の衝撃成
分G1が容器本体10に作用した場合、化粧料収容体2
0は自重による慣性力で水平方向Xに移動する。これに
より、テーパ状の内壁を有する枠体31に化粧料収容体
20が当接して枠体31が弾性変形することにより、衝
撃成分G1の一部が吸収される。そして、慣性力によっ
て化粧料収容体20がさらに水平方向Xに移動すると、
図7(a)の状態にある略逆U字状のフランジ32が、
同図(b)において2点鎖線で示す形状のように押し潰
されて、形状的な変形である潰れ変形を起こす。これに
より、衝撃成分G1がフランジ32の潰れ変形によって
さらに吸収されるため、化粧料収容体20に収納された
化粧料への衝撃伝達が有効に抑制される。衝撃成分G1
が吸収されると、フランジ32は、自らの復元力によっ
て、同図(a)に示した元の形状に復帰する。枠体31
とフランジ32とを含む弾性部材30は、化粧料収容体
20の略全周に亘って存在するため、あらゆる水平方向
からの衝撃成分G1を吸収可能である。
ーナー部32bの肉厚がストレート部32aの肉厚より
も薄く形成されているため、水平方向の衝撃成分G1を
一層効果的に吸収することができる。なぜなら、肉厚の
ストレート部32aに水平方向の衝撃成分G1が加わっ
た場合、肉薄のコーナー部32bに応力が集中するの
で、コーナー部32の潰れ変形に起因して、ストレート
部32aでの衝撃吸収が容易になるからである。
場合、貼付材40は、水平方向に引っ張られる。しかし
ながら、ゼリー状で粘性が高い貼付材40等を用いた場
合、貼付材40が化粧料収容体20および取付凸部11
bのいずれからも剥離することがない。そして、弾性部
材30により衝撃成分G1が有効に吸収されると、貼付
材40は、弾性部材30および化粧料収容体20ととも
に、元の位置に復帰する。
説明図である。垂直方向の衝撃成分G2が容器本体10
に作用した場合、突出片33a,33b上に載置された
化粧料収容体20は、突出片33a,33bを押し潰し
ながら、慣性力によって垂直方向Zに移動する。その
際、弾性変形するのに十分な肉厚を有する突出片33
a,33bが衝撃成分G2を有効に吸収するため、化粧
料への衝撃伝達が抑制される。なお、実際の落下におけ
る大半のケースでは、化粧料容器1が落下面に対して傾
いて衝突することが多いが、突出片33a,33bの類
を枠体31の全周に亘って形成する必要は必ずしもな
く、部分的に形成するだけでも十分な衝撃吸収効果を発
揮することが確認された。
場合、ゼリー状で高い粘性を有する貼付材40等を用い
ることで、貼付材40が突出片33a,33bとともに
押し潰されるので、衝撃成分G2の一部を吸収する。そ
して、衝撃成分G2が吸収されると、貼付材40は、化
粧料収容体20とともに元の位置に復帰する。
略逆U字状に湾曲させることにより、その内部に半円状
の中空部を形成している。これにより、水平方向の衝撃
成分G1が作用した場合に、フランジ32の弾性変形の
よる衝撃吸収に加えて、略逆U字状のフランジ32の潰
れ変形による衝撃吸収も作用する。その結果、これらの
衝撃吸収作用の双方が相俟って、水平方向の衝撃成分G
1を一層効果的に吸収することができる。
ランジ32と突出片33a,33bとが一体形成されて
いる。換言すれば、水平方向の衝撃成分G1を吸収する
フランジ32と垂直方向の衝撃成分G2を吸収する突出
片33a,33bとが、枠体31を介して一体的に連結
されている。これにより、水平方向の衝撃成分G1を吸
収するための弾性体と垂直方向の衝撃成分G2を吸収す
るための弾性体とを別体で構成した構造と比較して、化
粧料容器1の部品点数を削減できる。その結果、化粧料
容器1の製造コストの一層の低減を図ることが可能とな
る。
記化粧料容器について、本願発明者等は次のような落下
テストを行い、本実施形態に係る構造の有効性について
検証した。まず、緩衝材をまったく設けていない既存の
化粧料容器(比較例)と、図1から図8に示した化粧料
容器を基本とし、フランジ32のコーナー部32bの肉
厚をストレート部32aの肉厚と同等にするとともに、
枠体31の下縁部に突出片33を設けたもの(実施例
1)と、実施例1の容器においてフランジ32のコーナ
ー部32bを肉薄としたもの(実施例2)という3種類
の化粧料容器を用意した。そして、これら3種類の化粧
料容器それぞれのサンプル5個を所定の高さ(30c
m、50cm、80cm)から容器本体の側面方向に最
大200回落下させ、各サンプルが何回目の落下におい
て不良(割れやひび)を発生させたかで落下強度を評価
した。表1に比較例の化粧料容器、表2に実施例1の化
粧料容器、表3に実施例2の化粧料容器のテスト結果を
示す。
例の化粧料容器は、30cmからの落下でさえも10回
程度で不良を生じてしまい、80cmからの落下におい
ては5回程度しかもたないのに対して、実施例1および
実施例2の化粧料容器は、30cm落下では、両方とも
に落下最大200回を記録し、十分な衝撃吸収力を発揮
している。また、50cm落下では、実施例2の化粧料
容器の方が、実施例1の化粧料容器よりも、約2倍の大
きな緩衝効果を記録した。これは、コーナー部32bの
肉薄部分が衝撃を柔軟に吸収しているからである。さら
に、80cm落下では、両者ともに安定した数値を記録
したが、実施例2の化粧料容器の方が微妙に優位な結果
になった。また、実施例2の化粧料容器において、枠体
31の下縁部に突出片33を設けない場合でも、実施例
2の化粧料容器には若干劣るものの、略同等の衝撃吸収
力を発揮した。さらに、容器本体、化粧料収容体および
弾性部材を略円形とし、弾性部材の枠体にフランジを設
けるとともに、枠体の下縁部に突出片を設けたものにつ
いても、実施例1の化粧料容器と略同等の衝撃吸収力を
発揮した。
斜視図である。この化粧料容器50が上述した化粧料容
器1と相違する点はフランジ32の形状である。このフ
ランジ32は、長手方向に直線状に延在する壁部31a
に設けられたストレート部32aのみを有し、上述した
コーナー部32bに相当する部分はフランジが存在しな
い切欠け部34になっている。このため、隣接したスト
レート部32a同士は互いに離間している。なお、それ
以外の構造については、化粧料容器1と同様であるか
ら、ここでの説明を省略する。
は、フランジ32のコーナー部分を切欠け部34にする
ことにより、コーナー部32bを肉薄にした場合と同様
の理由で、ストレート部32aの弾性変形が容易にな
る。その結果、水平方向の衝撃成分を一層効果的に吸収
することができる。
フランジ32が存在する部分(ストレート部32a)と
存在しない部分(切欠け部34)とが露出するため、化
粧料容器50の美観上好ましくない。そこで、化粧料容
器50の美観を重視する場合には、露出したフランジ3
2上にさらに目隠し用のリングを装着することが好まし
い。
衝撃吸収作用を最大限に発揮すべく、潰れ変形が容易な
略逆U字状に湾曲したフランジ32を用いている。しか
しながら、このような形状のフランジに代えて、均一な
肉厚を有する直線状のフランジや先端に向かって肉厚が
徐々に薄くなるくさび状のフランジを用いてもよい。た
だし、直線状またはくさび状のフランジでは、略逆U字
状のような中空部(フランジ32が潰れ変形する際にフ
ランジ先端の逃げ部となる空間)が存在しないので、衝
撃吸収作用は略逆U字状と比べて劣る。
形態に係る化粧料容器の展開斜視図である。第1の実施
形態で説明した部材と同一の部材については、同一の符
号を付して、ここでの説明を省略する。本実施形態に係
る化粧料容器1'が上述した化粧料容器1と相違する点
は、基本的に、弾性部材30'の形状である。また、こ
の化粧料容器1’は、化粧料容器1と構造的には類似す
るものの、化粧料容器1よりもサイズが大きく、ファン
デーション等の化粧料を収納する中型のものである。
収容体20および弾性部材30'で構成されている。容
器本体10に形成された収納部11は、内底部11aと
内側壁11cと爪部11dとを有する。つまり、この収
納部11は、取付凸部11bが設けられていない点およ
び爪部11dが追加されている点で第1の実施形態と構
造上相違する。容器本体10に一体形成された爪部11
dは、収納部11の上縁部に沿って設けられ、収納部1
1の内側に向かって突出している。この爪部11dは、
収納部11に収納される弾性部材30'と係合可能な形
状を有する。なお、爪部11dは、収納部11の上縁部
の全周に亘って連続的に設けてもよいが、その一部が切
り欠かれていてもよい。弾性部材30'は、爪部11d
との係合によって容器本体10に係止されるため、容器
本体10を逆さまにしたとしても、容器本体10より脱
落することはない。
て、容器本体10側ではなく、弾性部材30'側に取り
付けられている。弾性部材30'が容器本体10に係止
されているため、弾性部材30'に取り付けられた化粧
料収容体20も、容器本体10と一体化される。弾性部
材30'は、容器本体10と化粧料収容体20との間に
設けられている。振動や落下等により外部から化粧料容
器1'に衝撃が加わった場合、弾性部材30'は、弾性体
固有の弾性変形と形状的な変形との双方によって、化粧
料収容体20に伝わる衝撃を有効に吸収する。
り、図12はその下方斜視図である。弾性部材30'
は、枠体31、フランジ35、連結部36および底基部
37で構成されており、これらの部位31,35,3
6,37は一体形成されている。フランジ35は、第1
の実施形態と同様に、水平方向の衝撃成分を吸収する。
このフランジ35は、枠体31の上縁部に設けられてお
り、この上縁部から枠体31の外側に向かって湾曲しな
がら突出している。フランジ35は、枠体31側の壁部
31aに沿って直線状に延在するストレート部35a
と、隣接したストレート部35aの間を連結する湾曲し
たコーナー部35bとを有する。これらの部位35a,
35bは、枠体31の上縁部より外側に向かって湾曲し
た後、さらに下側に向かって延在している。これによ
り、フランジ35の形状は略逆U字状となり、その内部
にはフランジ35の潰れ変形を許容する中空部が形成さ
れる。また、ストレート部35aの先端は、枠体31の
略底部位置に留まるが、コーナー部35bでは、そこか
らさらに上方へと折り返されて、上向きの先端部35c
が形成されている。この先端部35cは、容器本体10
側の爪部11dと係合しており、これによって、弾性部
材30'が容器本体10に係止される(図13参照)。
は、枠体31と離間して、底基部37が設けられてい
る。ここで、「離間して」とは、底基部37の縁部全周
が枠体31と完全に離れているという意味ではなく、底
基部37の縁部の少なくとも一部が枠体31と離れてお
り、両者31,37の間に隙間が存在すれば足りる。ま
た、この底基部37の略中央には、段差状に突出した突
出部38が形成されている。この突出部38は、四角錐
の頂部を平面状に切り欠いた立体形状を有するととも
に、その内部には、突出部38自体の形状的な変形を許
容する中空部が形成されている。突出部38は、底基部
37より化粧料収容体20側に突出しているため、図1
1に示した上方斜視図では垂直方向上方に突出し、図1
2に示した下方斜視図では垂直方向下方に陥没してい
る。また、突出部38における平面状に切り欠かれた頂
部は、化粧料収容体20の底部が貼付材40によって取
り付けられる取付部として機能する。
基部37の縁部との間を連結している。それぞれの連結
部36は、衝撃の吸収バランスを考慮して、或いは、全
方位において良好な衝撃吸収性を発揮すべく、同一の形
状を有するとともに、底基部37を中心として対称に配
置されている。さらに、それぞれの連結部36は、同一
の延在長を有する一対の連結片36a,36bを含んで
いる。これらの連結片36a,33bの一端は、底基部
37側において互いに連結されている。これに対して、
連結片36a,36bの他端は、枠体31側の異なる取
付部位に取り付けられている。具体的には、一方の連結
片36aは、一のストレート状の壁部31aに取り付け
られており、他方の連結片36bは、これと隣接した他
のストレート状の壁部31aに取り付けられている。ま
た、一対の連結片36a,36bは、円弧状に湾曲した
形状を有し、これらの一端同士が滑らかに繋がってい
る。このような形状にすることにより、水平方向の衝撃
が加わった際に、一対の連結片36a,36bの形状的
な変形が連続的になるため、衝撃吸収性が高まる。この
ように、連結部36は、互いに隣接した一対の壁部31
aの間を円弧状に湾曲しながら連結しているとともに、
その中間部位において底基部37が連結されている。
る。垂直方向において、化粧料収容体20の底部と容器
本体10側の内底部11aとの間には、緩衝効果を発揮
する突出部38を有する底基部37が介在している。基
本的に、化粧料収容体20の底部は、突出部38の突出
高に相当する分だけ垂直方向上方に持ち上げられるた
め、この底部と内底部11aとの間には底部空間cが形
成される。突出部38付近に関しては、化粧料収容体2
0の底部と内底部11aとの間には、突出部38の中空
部に相当する底部空間dが形成される。したがって、容
器本体10および化粧料収容体20は、垂直方向におい
て直接接触することなく、互いに離間することになる。
撃が加わった場合、中空状の突出部38によって、垂直
方向の衝撃成分を有効に吸収できる。図14は、垂直方
向における衝撃吸収効果の説明図である。同図におい
て、移動前における部材の位置または形状が点線で、移
動後における位置等が実線でそれぞれ示されている。化
粧料容器1'に垂直方向の衝撃成分G2が作用した場
合、突出部38の頂部に取り付けられた化粧料収容体2
0は、中空状の突出部38を下方に押し潰しながら、自
重による慣性力で垂直方向Zに移動する。この突出部3
8の潰れ変形によって、衝撃成分G2が吸収される。潰
れ変形によって衝撃成分G2を吸収しきれなかった場
合、化粧料収容体20の底部が弾性を有する底基部37
および連結部36を下方に押圧する。これにより、底基
部37等が弾性変形するため、衝撃成分G2がさらに吸
収される。その結果、化粧料収容体20に収容された化
粧料への衝撃伝達が有効に抑制されるため、化粧料のひ
び割れや飛散を効果的に防止できる。
少なくとも一方において、容器本体と化粧料収容体との
間に衝撃を吸収する弾性部材を介在させる。この弾性部
材の一部位は化粧料収容体側に突出しており、化粧料収
容体と容器本体とを離間させる。また、この突出した部
位の内部には、この部位の形状的な変形を許容する中空
部が形成されている。化粧料容器に衝撃が加わった場
合、緩衝機能を発揮する当該部位の形状的な変形によっ
て衝撃が吸収されるため、化粧料収容体に収容された化
粧料がひび割れたり、或いは、飛散することを効果的に
防止できる。
図
吸収効果の説明図 1,1’,50 化粧料容器 10 容器本体 10a 内蓋部 11 収納部 11a 底部 11b 取付凸部 11c 内側壁 11d 爪部 20 化粧料収容体 20a 化粧皿 30,30’ 弾性部材 31 枠体 31a 壁部 32,35 フランジ 32a,35a ストレート部 32b,35b コーナー部 33a,33b 突出片 35c 先端部 34 切欠け部 36 連結部 37 底基部 38 突出部 40 貼付材
Claims (13)
- 【請求項1】化粧料容器において、 容器本体と、 前記容器本体内に収納されているとともに、化粧料を収
容した化粧料収容体と、 前記容器本体と前記化粧料収容体との間に設けられ、枠
体とフランジとが一体形成された弾性部材とを有し、 前記枠体は、長手方向に直線状に延在するストレート状
の壁部で囲まれた形状を有し、 前記フランジは、前記枠体の縁部において、前記枠体の
外側に向かって突出しているとともに、前記フランジの
先端部が前記容器本体と当接することによって、前記枠
体と前記容器本体とが水平方向に離間しており、 前記フランジは、前記ストレート状の壁部に設けられた
ストレート部と、隣接した前記ストレート部の間を連結
するコーナー部とを有し、 前記コーナー部の肉厚は、前記ストレート部の肉厚より
も薄いことを特徴とする化粧料容器。 - 【請求項2】前記フランジは、前記枠体の縁部全周に亘
って連続的に設けられていることを特徴とする請求項1
に記載された化粧料容器。 - 【請求項3】化粧料容器において、 容器本体と、 前記容器本体内に収納されているとともに、化粧料を収
容した化粧料収容体と、 前記容器本体と前記化粧料収容体との間に設けられ、枠
体とフランジとが一体形成された弾性部材とを有し、 前記枠体は、長手方向に直線状に延在するストレート状
の壁部で囲まれた形状を有し、 前記フランジは、前記枠体の縁部において、前記枠体の
外側に向かって突出しているとともに、前記フランジの
先端部が前記容器本体と当接することによって、前記枠
体と前記容器本体の内側とが水平方向に離間しており、 前記フランジは、前記ストレート状の壁部に設けられた
ストレート部を有し、 隣接した前記ストレート部同士は互いに離間しているこ
とを特徴とする化粧料容器。 - 【請求項4】前記フランジの肉厚は、前記枠体の肉厚よ
りも薄いことを特徴とする請求項1から3のいずれかに
記載された化粧料容器。 - 【請求項5】前記フランジは、略逆U字状に湾曲してい
ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載さ
れた化粧料容器。 - 【請求項6】前記フランジは、前記枠体の上縁部に設け
られているとともに、前記枠体の下縁部には、前記枠体
の内側に向かって突出した突出片が一体形成されてお
り、 前記突出片によって、前記容器本体の内底部と当該内底
部上に固定された前記化粧料収容体とが垂直方向に離間
していることを特徴とする請求項1から5のいずれかに
記載された化粧料容器。 - 【請求項7】化粧料容器において、 容器本体と、 前記容器本体内に収納されているとともに、化粧料を収
容した化粧料収容体と、 前記容器本体と前記化粧料収容体との間に設けられ、枠
体とフランジと突出片とが一体形成された弾性部材とを
有し、 前記フランジは、前記枠体の上縁部において、前記枠体
の外側に向かって突出しているとともに、前記フランジ
の先端部が前記容器本体と当接することによって、前記
枠体と前記容器本体とが水平方向に離間しており、 前記突出片は、前記枠体の下縁部において、前記枠体の
内側に向かって突出しているとともに、当該突出片によ
って、前記容器本体の内底部と前記内底部上に固定され
た前記化粧料収容体とが垂直方向に離間していることを
特徴とする化粧料容器。 - 【請求項8】化粧料容器において、 容器本体と、 前記容器本体内に収納されているとともに、化粧料を収
容した化粧料収容体と、 前記容器本体と前記化粧料収容体との間に設けられ、緩
衝手段が一体形成された弾性部材とを有し、 前記緩衝手段は、前記化粧料収容体側に突出することに
より、前記化粧料収容体と前記容器本体とを離間させ、
前記緩衝手段の内部には、当該緩衝手段の形状的な変形
を許容する中空部が形成されていることを特徴とする化
粧料容器。 - 【請求項9】前記緩衝手段は、水平方向に突出したフラ
ンジであって、前記化粧料収容体の側部と前記容器本体
の内側壁とを離間させることを特徴とする請求項8に記
載された化粧料容器。 - 【請求項10】前記フランジは、前記ストレート状の壁
部に設けられたストレート部と、隣接した前記ストレー
ト部との間を連結するコーナー部とを有し、 前記コーナー部の肉厚は、前記ストレート部の肉厚より
も薄いことを特徴とする請求項9に記載された化粧料容
器。 - 【請求項11】前記フランジは、略逆U字状に湾曲して
いることを特徴とする請求項9または10に記載された
化粧料容器。 - 【請求項12】前記緩衝手段は、垂直方向に突出した突
出部であって、前記化粧料収容体の底部と前記容器本体
の内底部とを離間させることを特徴とする請求項8に記
載された化粧料容器。 - 【請求項13】前記突出部の頂部には、平面状の取付部
が設けられており、当該取付部に、前記化粧料収容体の
底部が取り付けられることを特徴とする請求項12に記
載された化粧料容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002343344A JP2003225115A (ja) | 2001-11-28 | 2002-11-27 | 化粧料容器 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-362764 | 2001-11-28 | ||
JP2001362764 | 2001-11-28 | ||
JP2002343344A JP2003225115A (ja) | 2001-11-28 | 2002-11-27 | 化粧料容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003225115A true JP2003225115A (ja) | 2003-08-12 |
Family
ID=27759407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002343344A Pending JP2003225115A (ja) | 2001-11-28 | 2002-11-27 | 化粧料容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003225115A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005137821A (ja) * | 2003-10-16 | 2005-06-02 | Key Tranding Co Ltd | 中皿装置およびその組み付け方法 |
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KR200458647Y1 (ko) | 2010-09-30 | 2012-03-06 | (주)아모레퍼시픽 | 화장품용 콤팩트 케이스 |
JP2014004246A (ja) * | 2012-06-26 | 2014-01-16 | Kao Corp | 化粧料容器 |
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-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343344A patent/JP2003225115A/ja active Pending
Cited By (11)
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JP6991577B2 (ja) | 2018-03-30 | 2022-01-12 | 紀伊産業株式会社 | 化粧料容器 |
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