JP2003224007A - 異方性希土類磁石粉末とその製造方法 - Google Patents

異方性希土類磁石粉末とその製造方法

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JP2003224007A
JP2003224007A JP2002020845A JP2002020845A JP2003224007A JP 2003224007 A JP2003224007 A JP 2003224007A JP 2002020845 A JP2002020845 A JP 2002020845A JP 2002020845 A JP2002020845 A JP 2002020845A JP 2003224007 A JP2003224007 A JP 2003224007A
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powder
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magnet powder
foil
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JP2002020845A
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Hidetake Hashimoto
英豪 橋本
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
庸介 ▲榊▼原
Yasusuke Sakakibara
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)の異
方性希土類ボンド磁石に関し、高い磁気特性を有する磁
石粉末およびその製造法を提供する。 【解決手段】 R−Fe−B系組成からなる異方性希土
類焼結磁石を機械的粉砕により粉末にし、得られた磁石
粉末を高融点金属粉末と混合し、混合した粉末を高融点
金属箔で包み、包んだ高融点金属箔を磁石粉末の酸化防
止として機能する希土類組成物またはMgを添加した希
土類組成物で覆い、熱処理することにより、高い磁気特
性を有する異方性希土類ボンド磁石粉末の提供が可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R−Fe−B系組
成(Rは希土類元素)の希土類永久磁石粉末に関し、特
に、高特性の異方性希土類磁石粉末とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】R−Fe−B系組成の希土類永久磁石、
その中でもNd−Fe−B組成からなる希土類永久磁石
は非常に優れた磁気特性を有しており、焼結磁石で50
MGOeを越える(BH)max・最大エネルギー積を
示す。また、磁石粉末をエポキシ樹脂、ナイロン等の有
機樹脂バインダーで結合したボンド磁石がある。ボンド
磁石にはフェライト、Co−Sm系およびNd−Fe−
B系のボンド磁石がある。Nd−Fe−B系ボンド磁石
には等方性ボンド磁石と異方性ボンド磁石があり、等方
性ボンド磁石は(BH)maxは10MGOe前後で広
く応用されている。しかしながら異方性ボンド磁石は
(BH)maxが20MGOe前後でまだ十分に応用さ
れていない。その原因として磁石特性がまだ不十分で、
コストに対しての磁石特性が十分に評価されていないこ
とによると思われる。従来、Nd−Fe−B系異方性ボ
ンド磁石粉の製造法として大きく分けて以下の2つの方
法があった。その1つはMQ−3法である。この方法は
等方性磁石粉末を温間成形した後、ダイアップセット
(据え込み鍛造)法により結晶粒を配向させ異方性を付
与する方法である。第2の方法はNd−Fe−B系合金
インゴットを微減圧水素気流中で加熱し、水素吸収によ
り粉砕し、その後真空または減圧水素気流中で加熱し、
水素を脱着しながらNd2Fe14B相を再析出させるこ
とにより異方性を付与する方法である。この方法は一般
的にはHDDR(Hydrogenation Dispropornation Deso
rption Reconbination)法と呼ばれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記2
つの方法で作られたNd−Fe−B系異方性ボンド磁石
粉末を原料としたボンド磁石の特性は(BH)max20
MGOe程度で、焼結磁石から推定される特性よりは低
い。すなわち、(BH)max50MGOeの焼結磁石を
原料としたボンド磁石の特性は磁石粉末の体積充填率を
80%、優先方向の配向率を90%とすると(BH)ma
x26.5MGOeが得られると推定される。磁石粉の
体積充填率および優先方向の配向率をさらに向上させる
と、特性は向上し(BH)max30MGOeの実現も
可能となる。本発明の目的は磁石特性を向上させること
である。本発明により(BH)max26MGOeを越
える高特性の異方性ボンド磁石を実現できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は(BH)max
48MGOe以上の高性能の焼結磁石を粉砕して得られ
た粉末を熱処理し、これをエポキシ樹脂等をバインダー
として固化することにより課題を解決した。
【0005】R−Fe−B系焼結磁石を粉砕した粉末
は、粉砕による加工応力等により磁石特性が著しく劣化
することは良く知られている事実である。本発明は粉砕
した粉末を熱処理により特性を回復させることにより高
特性の磁石粉末を得た。
【0006】磁石粉末を熱処理するにあたり、特性を回
復させる温度、たとえば800℃に加熱した場合、粉末
のみを熱処理した場合、粉末同志が溶融凝着し良好な粉
末が得られない。本発明においてはR−Fe−B系磁石
粉末に高融点金属を混合し、磁石粉末同志の溶融固着を
防止したこと、結果として本発明の異方性希土類磁石粉
末は高融点金属が磁石粉末表面に付着したを特徴とす
る。
【0007】磁石粉末と混合する高融点金属が、チタ
ン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、ジルコ
ニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、モリ
ブデン、モリブデン合金、ルテニウム、ルテニウム合
金、ロジウム、ロジウム合金、ハフニウム、ハフニウム
合金、タンタル、タンタル合金、タングステン、タング
ステン合金、レニウム、レニウム合金、オスミウム、オ
スミウム合金、イリジウム、イリジウム合金、白金、白
金合金のいずれか1種類以上であることが好ましい。
【0008】磁石粉末と混合する高融点金属が、粒径1
0μm以下の粒子であることが好ましい。
【0009】磁石粉末の粒径が500μm以下であるこ
とが好ましい。
【0010】磁石粉末と高融点金属粉末との混合物をタ
ンタル箔、モリブデン箔、または白金箔で包んで熱処理
することが好ましい。
【0011】磁石粉末と高融点金属粉末との混合物を包
んだタンタル箔、モリブデン箔、または白金箔を、R−
Fe−B組成粉末で覆って、熱処理することが好まし
い。
【0012】磁石粉末と高融点金属粉末との混合物を包
んだタンタル箔、モリブデン箔、または白金箔を、R−
Fe−B組成粉末とマグネシウム、カルシウム等の還元
性金属粉末との混合粉末で覆って、熱処理することが好
ましい。
【0013】(作用)本発明においては、機械的粉砕に
よって特性劣化した焼結磁石粉末を熱処理により特性を
回復させることを特徴とする。熱処理は、800℃程度
の温度で行うが、この温度領域ではR2Fe14B相、R2
Fe76相およびRリッチ相からなる3元共晶が形成さ
れ、液相が析出する。このことにより磁石粉末同志が溶
融凝着し、良好な粉末が得られない。 本発明では磁石
粉末に高融点金属粉末を混合することにより凝着を防ぐ
ことにより、この問題を解決した。
【0014】この時に用いる高融点金属は、おおよそ融
点が1700℃以上で熱処理によってその形状や特性が
変化しないチタン、チタン合金、バナジウム、バナジウ
ム合金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニ
オブ合金、モリブデン、モリブデン合金、ルテニウム、
ルテニウム合金、ロジウム、ロジウム合金、ハフニウ
ム、ハフニウム合金、タンタル、タンタル合金、タタン
グステン、タングステン合金、レニウム、レニウム合
金、オスミウム、オスミウム合金、イリジウム、イリジ
ウム合金、白金、白金合金のいずれか1種類以上である
ことが望ましく、その形状は粒径10μm以下の粒子で
あることが望ましい。これらの高融点金属は磁石粉末ど
うしの凝着を防止する。
【0015】R−Fe−B系磁石粉末は粒径が500μ
m以下が望ましい。500μmを越えると成形体の表面
粗さが大きくなり、寸法精度が出しにくくなる。
【0016】R−Fe−B系組成からなる焼結磁石粉末
を機械的粉砕した後に、磁気特性を回復させるために行
う熱処理条件としては、700℃以上900℃未満の温
度範囲で溶体化熱処理し、冷却した後、400℃以上7
00℃未満の温度範囲で時効熱処理し、冷却することが
望ましい。
【0017】この時の700℃以上900℃未満の温度
範囲での溶体化熱処理とは、R−Fe−B系組成からな
る焼結磁石材料の共晶点以上の温度での熱処理に相当
し、過飽和固溶体が生成し、磁気特性劣化の原因と考え
られる加工歪みが除去され、さらには結晶性が向上する
と思われる。この時の温度範囲は700℃以上900℃
未満が適当である。この溶体化処理後、適当な時効熱処
理を行っても溶体化熱処理の温度領域が700℃未満で
は磁気特性は回復せず、また、900℃以上では磁気特
性はむしろ劣化する。
【0018】また、この時の熱処理中の雰囲気は特に限
定するものではないが、酸化を防ぐためには真空中また
は不活性ガス雰囲気が適する。この溶体化熱処理後の冷
却も真空あるいは不活性ガス雰囲気で行うことが望まし
く、また、冷却速度は特に限定するものではないが、急
冷することが好ましく、できれば10℃/分以上の冷却
速度で室温まで冷却することが望ましい。
【0019】以上、700℃以上900℃未満の温度範
囲で熱処理する溶体化熱処理について説明したが、この
熱処理工程では粉砕前と同様の十分な保磁力を発現する
ことが不可能であるため、引き続き、400℃以上70
0℃未満の温度範囲で時効熱処理し、冷却する熱処理工
程が必要となる。この時効熱処理では過飽和固溶体から
高保磁力を呈する相が析出し、粒界構造に何らかの変化
が生じていると思われる。この時の温度範囲は400℃
以上700℃未満が好ましく、この温度以外の領域では
磁気特性がむしろ劣化する。
【0020】また、この時の時効熱処理中の雰囲気は特
に限定するものではないが、溶体化熱処理と同様に酸化
を防ぐために真空中あるいは不活性ガス雰囲気が好まし
く、熱処理後の冷却も真空あるいは不活性ガス雰囲気
で、冷却することが好ましく、できれば10℃/分以上
の冷却速度で室温まで冷却することが望ましい。
【0021】R−Fe−B系焼結磁石粉末と高融点金属
粉末との混合粉末はタンタル、モリブデンまたは白金箔
で包んで熱処理することが好ましい。前記のように熱処
理時にR−Fe−B系合金は液相を晶出する。したがっ
て、熱処理に使う容器の材料によっては熱処理時にR−
Fe−B系磁石粉末が容器に凝着し、粉末の回収が困難
になる。混合粉末は高融点金属で、かつ箔に加工し易い
タンタル、モリブデンまたは白金箔に包んで熱処理すれ
ば、前記凝着が防止できる。
【0022】熱処理時に前記混合粉末を包んだ高融点金
属箔の周囲をR−Fe−B系組成材料で覆って、熱処理
することがさらに望ましい。これはR−Fe−B系組成
からなる焼結磁石材料について本発明の製造法による熱
処理を行う場合、磁石を構成する元素成分、おそらくは
は希土類元素を含む化合物が僅かに蒸発し、磁気特性が
劣化する可能性がある。これは溶体化熱処理時の最高温
度領域で、なお且つ、真空状態で熱処理を行う場合など
に顕著である。これを抑制するためにはR−Fe−B系
組成を有する材料で高融点金属箔の周囲を覆うことによ
り前記蒸発を防げる。
【0023】この理由は現在、解析中であるが、R−F
e−B系組成を有する適当な材料で高融点金属箔の周囲
を覆い、上記の熱処理を行うと、覆ったR−Fe−B系
組成を有する材料からも磁石を構成する同様の元素成
分、おそらくは希土類元素を含む化合物が僅かに蒸発
し、周囲を同様の元素成分の雰囲気からなる過飽和状態
にする。このことによって、R−Fe−B系磁石粉末か
らの希土類元素成分の蒸発を抑制すると思われる。
【0024】この時用いるR−Fe−B系組成を有する
材料はR−Fe−B系組成からなる磁石粉末と同一であ
る必要はないが、できれば類似した組成を有することが
望ましい。具体的方法として、R−Fe−B系焼結磁石
粉末と高融点金属粉末との混合粉末を包んだ高融点金属
箔をR−Fe−B系組成を有する材料の粉体中に埋没す
る方法や高融点金属箔をR−Fe−B系組成を有する材
料と接するように設置する方法でも良いが、本発明はこ
れに限るものではない。また、R−Fe−B系組成を有
する材料粉体の場合、高融点金属からなる粉体と混合し
て使用しても良い。その割合はR−Fe−B組成を有す
る材料が重量比で50%以上になることが好ましい。
【0025】さらに、上記R−Fe−B系組成を有する
材料にマグネシウムおよびカルシウム等の還元作用を有
する金属を混合することが望ましい。熱処理時に僅かな
酸素成分が含まれていると磁石粉末、特に希土類成分と
反応し磁気特性を劣化させる可能性がある。マグネシウ
ムおよびカルシウム等の還元性金属は希土類成分よりも
酸素との親和性が強く磁石粉末の酸化を防ぐ効果があ
り、わずかな酸素成分があった場合でも磁気特性の劣化
を防ぐことができる。
【0026】
【発明実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例
により詳細に説明する。 (実施例1)以下、本発明の実施例における異方性ボン
ド磁石粉末およびその製造法について説明する。市販の
磁気特性(BH)max50MGOeの異方性Nd−F
e−B焼結磁石を機械的粉砕法により粒径300μm以
下の粉末に粉砕した。この磁石粉末50gに粒径が10
μm以下のTa粉末を50g加え、瑪瑙乳鉢中で瑪瑙乳
棒により均一に混合した。この混合粉末を厚み200μ
mのTa箔で包み、図1の断面模式図に示すようにTa
容器中に配置した。すなわち、混合粉末101をTa箔
102で包み、Ta容器103に入れた。この時、Ta
箔102の回りをNd−Fe−Bボンド磁石の原料であ
るMQP−B粉末104で覆うように配置する。Ta蓋
105をかぶせ熱処理炉に入れる。本実施例においては
Ta粉末、Ta箔およびTa容器を使用したが、他の高
融点金属材料からなる粉末、箔および容器でも良い。
【0027】 溶体化熱処理 :真空度 3×10-6Torr 昇温速度 20℃/分 熱処理温度 870℃ 熱処理保持時間 2時間 冷却速度 30℃/分で室温まで戻す 時効処理 :真空度 3×10-6Torr 昇温速度 20℃/分 熱処理温度 500℃ 熱処理保持時間 3時間 冷却速度 30℃/分で室温まで戻す
【0028】以上の工程による熱処理後、Nd−Fe−
B磁石粉末とTa粉末の混合粉末を篩いにより分離し、
Nd−Fe−B磁石粉末を得た。この磁石粉末の表面に
はTa粉末が付着していた。このようにして得られたN
d−Fe−B磁石粉末に2重量%のエポキシ樹脂を添加
し、15KOeの磁場中で、10ton/cm2の圧力
で圧縮成形した。成形体を180℃で30分 キュアー
しエポキシ樹脂を硬化させ縦、横、高さ各々が6mmの
立方体のボンド磁石の試料を得た。
【0029】(実施例2)市販の磁気特性(BH)ma
x50MGOeの異方性Nd−Fe−B焼結磁石を機械
的粉砕法により粒径300μm以下の粉末に粉砕した。
この磁石粉末50gに粒径が10μm以下のTa粉末を
50gを加え、瑪瑙乳鉢中で瑪瑙乳棒により均一に混合
した。この混合粉末を厚み200μmのTa箔で包み、
図1の断面模式図に示すようにTa容器中に配置した。
すなわち、混合粉末101をTa箔102で包み、Ta
容器103に入れた。この時、Ta箔102の回りをマ
グネシウム粉末を混合したNd−Fe−Bボンド磁石の
原料であるMQP−B粉末104で覆うように配置す
る。マグネシウム粉末とMQP−B粉末の混合比は重量
で1対100であった。Ta蓋105をかぶせ熱処理炉
に入れる。本実施例においてはTa粉末、Ta箔および
Ta箱を使用したが、他の高融点金属材料からなる粉
末、箔および容器でも良い。また、本実施例においてM
QP−B粉末にマグネシウム粉末を混合したが、カルシ
ウム粉末でも良い。
【0030】 溶体化熱処理 :真空度 3×10-6Torr 昇温速度 20℃/分 熱処理温度 870℃ 熱処理保持時間 2時間 冷却速度 30℃/分で室温まで戻す 時効処理 :真空度 3×10-6Torr 昇温速度 20℃/分 熱処理温度 500℃ 熱処理保持時間 3時間 冷却速度 30℃/分で室温まで戻す
【0031】以上の工程による熱処理後、Nd−Fe−
B磁石粉末とTa粉末の混合粉末を篩いにより分離し、
Nd−Fe−B磁石粉末を得た。この磁石粉末の表面に
はTa粉末が付着していた。このようにして得られたN
d−Fe−B磁石粉末に2重量%のエポキシ樹脂を添加
し、15KOeの磁場中で、10ton/cm2の圧力
で圧縮成形した。成形体を180℃で30分 キュアー
しエポキシ樹脂を硬化させ縦、横、高さ各々が6mmの
立方体のボンド磁石の試料を得た。
【0032】(比較例1)平均粒径が120μmの市販
のNd−Fe−B異方性ボンド磁石粉末に2重量%のエ
ポキシ樹脂を添加し、15KOeの磁場中で、10to
n/cm2の圧力で圧縮成形した。成形体を180℃で
30分 キュアーしエポキシ樹脂を硬化させ縦、横、高
さ各々が6mmの立方体のボンド磁石の試料を得た。
【0033】このようにして得られた実施例1、2およ
び比較例1のボンド磁石それぞれの磁気特性を振動試料
型磁力計(VSM)を用いて測定した。その結果、図2
に示す減磁曲線を得た。また、この時、同時に得られた
主な測定値を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】図1および表1から明らかなように、本発
明である実施例1および2で得られたボンド磁石は角形
性な良好な減磁曲線を描き、これまでの希土類ボンド磁
石を遥かにに凌ぐ(BH)max25〜26MGOeの
磁気特性を示した。特に、磁石粉末の酸化防止の機能を
果たす希土類組成物(実施例ではMQP−B粉末)にマ
グネシウム粉末を添加すると、一段と高い磁気特性が得
られることが確認された。また、本比較例では低い磁気
特性しか得られなかった。磁化曲線から異方性が十分で
ないことにより低い磁気特性にとどまっていることが推
定される。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、機械的粉砕を行った希土類磁石粉末を高融点金属粉
末と混合し、熱処理時の磁石粉末どうしの融着を防止
し、かつ、磁石粉末の酸化を防止するために希土類組成
物またはMg粉末を添加した希土類組成物で覆いながら
熱処理し、機械的粉砕により劣化した磁気特性を回復さ
せることにより、従来にない高い磁気特性を有する異方
性希土類磁石粉末およびその製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1および実施例2の熱処理にお
ける希土類磁石粉末、高融点金属粉末、希土類組成物等
の配置を表す断面模式図である。
【図2】本発明の実施例1,実施例2および比較例1で
得られたそれぞれの異方性ボンド磁石の減磁曲線であ
る。
【符号の説明】
101 混合粉末 102 Ta箔 103 Ta容器 104 MQP−B粉末 105 Ta蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 1/04 H Fターム(参考) 4K017 AA04 BA06 BB12 CA07 DA04 EA03 4K018 BA18 BC01 BC22 BD01 5E040 AA04 AA19 BD01 CA01 HB03 HB11 HB17 NN01 NN06 5E062 CC05 CD05 CG02 CG05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R−Fe−B系組成(Rは希土類元素)
    からなる異方性磁石粉末であって、表面に高融点金属が
    付着している異方性希土類磁石粉末。
  2. 【請求項2】 前記高融点金属が、チタン、チタン合
    金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合
    金、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ニオブ、ニオブ
    合金、モリブデン、モリブデン合金、ルテニウム、ルテ
    ニウム合金、ロジウム、ロジウム合金、ハフニウム、ハ
    フニウム合金、タンタル、タンタル合金、タングステ
    ン、タングステン合金、レニウム、レニウム合金、オス
    ミウム、オスミウム合金、イリジウム、イリジウム合
    金、白金、白金合金のうちのいずれか1種類以上の金属
    であることを特徴とする請求項1に記載の異方性希土類
    磁石粉末。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属が、粒径10μm以下の
    粒子であることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の異方性希土類磁石粉末。
  4. 【請求項4】 前記異方性磁石粉末の粒径が500μm
    以下であることを特徴とする請求項1、請求項2または
    請求項3に記載の異方性希土類磁石粉末。
  5. 【請求項5】 R−Fe−B系組成からなる焼結磁石を
    粉砕する工程と、該粉砕により得られた磁石粉末と高融
    点金属粉末とを混合する工程と、熱処理する工程とを有
    する異方性希土類磁石粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理する工程が、700℃以上9
    00℃未満の温度範囲で溶体化熱処理し、冷却する工程
    と、400℃以上700℃未満の温度範囲で時効処理
    し、冷却する工程とを有することを特徴とする請求項5
    に記載の異方性希土類磁石粉末の製造方法
  7. 【請求項7】 前記高融点金属粉末が、チタン、チタン
    合金、バナジウム、バナジウム合金、ジルコニウム、ジ
    ルコニウム合金、ニオブ、ニオブ合金、モリブデン、モ
    リブデン合金、ルテニウム、ルテニウム合金、ロジウ
    ム、ロジウム合金、ハフニムム、ハフニウム合金、タン
    タル、タンタル合金、タングステン、タングステン合
    金、レニウム、レニウム合金、オスミウム、オスミウム
    合金、イリジウム、イリジウム合金、白金、白金合金の
    いずれか1種類以上の金属からなる粉末であることを特
    徴とする請求項5または請求項6に記載の異方性希土類
    磁石粉の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記高融点金属粉末が、粒径10μm以
    下の粒子であることを特徴とする請求項5、請求項6ま
    たは請求項7に記載の異方性希土類磁石粉末の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記異方性希土類磁石粉末の粒径が50
    0μm以下であることを特徴とする請求項5から請求項
    8のいずれか一項に記載の異方性希土類磁石粉末の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記磁石粉末と高融点金属粉末との混
    合物をタンタル箔、モリブデン箔、または白金箔で包ん
    で熱処理することを特徴とする請求項5から請求項9の
    いずれか一項に記載の異方性希土類磁石粉末の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記磁石粉末と高融点金属粉末との混
    合物をタンタル箔、モリブデン箔、または白金箔で包ん
    で、さらに、該タンタル箔、モリブデン箔または白金箔
    をR−Fe−B系組成粉末で覆って熱処理することを特
    徴とする請求項10に記載の異方性希土類磁石粉末の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記磁石粉末と高融点金属粉末との混
    合物をタンタル箔、モリブデン箔、または白金箔で包ん
    で、さらに、該タンタル箔、モリブデン箔または白金箔
    をR−Fe−B系組成粉末とマグネシウムまたはカルシ
    ウム粉末との混合粉末で覆って熱処理することを特徴と
    する請求項10に記載の異方性希土類磁石粉末の製造方
    法。
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