JP2003222185A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JP2003222185A
JP2003222185A JP2002019435A JP2002019435A JP2003222185A JP 2003222185 A JP2003222185 A JP 2003222185A JP 2002019435 A JP2002019435 A JP 2002019435A JP 2002019435 A JP2002019435 A JP 2002019435A JP 2003222185 A JP2003222185 A JP 2003222185A
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JP
Japan
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valve
air chamber
vibration
chamber
liquid chamber
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JP2002019435A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを低減すると共に構造を簡略化し
つつ、異物等が存在していても振動を確実に低減する。 【解決手段】 主液室32と第1副液室34との間を連
通するシェイクオリフィス38の他に、第2ダイヤフラ
ム46によって閉鎖される第2副液室40と主液室32
との間を連通するアイドルオリフィス44を有する。第
2ダイヤフラム46を介して第2副液室40と対向する
第2空気室48と気体室86との間を配管70が繋ぎ、
配管70上に第1逆止弁74が配置される。第1逆止弁
74と気体室86との間の配管70の部分が枝分かれ
し、第2逆止弁76が配置される。配管70は、第2空
気室48と第1逆止弁74との間の箇所で分岐し、分岐
した配管70の途中に切替バルブ72が取り付けられ、
ゴム製の密閉部材がこの切替バルブ72全体を囲んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動を発生する部
材からの振動の伝達を防止する防振装置に係り、特に、
自動車のエンジンマウントやブッシュ等に適用可能な背
圧方式の防振装置に採用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両の振動発生部となるエンジ
ンと振動受け部となる車体との間には、エンジンマウン
トとしての防振装置が配設されていて、エンジンが発生
する振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達される
のを阻止するような構造となっている。
【0003】そして、この種の防振装置の一例として、
幅広い周波数の振動に対応すべく、液体が封入されると
共に負圧を利用してモードの切り換えを可能とした構造
の制御マウントである防振装置が、従来より知られてい
る。つまり、この防振装置は、エンジンのインテークマ
ニホールド等の負圧源に繋がる長い配管及び、この負圧
源と連通される状態と連通されない状態とで切り替え得
るバルブを備えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の防振装
置では、負圧源が必要となるだけでなく、負圧源と防振
装置との間に長い配管が必要となる為、防振装置の製造
コストを増大させると共に、構造が複雑となるという欠
点があった。これに対して、バルブ及び逆止弁の組合せ
により、負圧源及びこの負圧源に繋がる長い配管を不要
とした構造が考えられるようになった。例えば、それぞ
れ液体が封入される主液室と副液室との間をオリフィス
で繋ぐ構造の防振装置において、ダイヤフラムを挟んで
この副液室に隣り合って空気室を配置すると共に、この
空気室を大気側に開閉するバルブ及びこの空気室内の気
体を大気側に排出する逆止弁を、この空気室に繋いで設
置したものが考えられる。
【0005】しかし、電磁弁等で構成されるこのバルブ
は、吸排気の為に大気側に開放された吸排気ポートを有
していることから、外気中に存在する異物やゴミがバル
ブ内に侵入することが考えられる。そして、バルブに摺
動可能に内蔵されているプランジャとバルブ本体部分と
の間の隙間にこの異物やゴミが入り、プランジャが摺動
不能になって、バルブが動作しなくなる虞を有してい
た。
【0006】従って、バルブの大気側への吸排気ポート
にフィルタを取り付けて異物やゴミの侵入を防ぐことが
考えられるが、フィルタを取り付けた場合には、フィル
タの目詰まりにより空気の通過抵抗が増加して空気の流
れが悪化するようになる。つまりこの結果として、オリ
フィス内での液体共振の効果が小さくなり、例えばアイ
ドル振動時において、動バネ係数が必要なだけ低下せ
ず、振動を十分に低減できない傾向があった。本発明は
上記事実を考慮し、製造コストを低減すると共に構造を
簡略化しつつ、異物等が存在していても振動を確実に低
減可能な防振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1
の取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結
される第2の取付部材と、これら取付部材間に配置され
て弾性変形し得る弾性体と、弾性体を隔壁の一部として
液体が封入され且つ弾性体の変形により内容積が変化す
る主液室と、液体が封入されると共に主液室と連通され
た副液室と、副液室の隔壁の少なくとも一部を変形可能
に形成するダイヤフラムを介して副液室と対向して配置
され且つ、内部に気体を取り入れ可能な空気室と、一方
の開口端が空気室に繋がると共に他方の開口端が吸排気
ポートとされ且つ、空気室内の気体を吸排可能にする開
放状態と空気室内の気体を吸排不可能にする閉鎖状態と
で切り替え得るバルブと、空気室内の気体を外部側に排
気可能とする逆止弁と、少なくともバルブの吸排気ポー
トを変形可能に閉鎖する密閉部材と、を備えたことを特
徴とする。
【0008】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。一対の取付部材の内の何れか一方に連結された
振動発生部側から振動が伝達されると、この取付部材が
変位するのに伴って、一対の取付部材間に配置される弾
性体が弾性変形し、この弾性体の内部摩擦に基づく制振
機能によって振動を吸収し、振動が低減される。つま
り、弾性体の変形によって振動が吸収されることで、他
方の取付部材に連結された振動受け部側に振動が伝達さ
れ難くなる。
【0009】さらに、この弾性体の変形に伴って、隔壁
の一部が弾性体により形成された主液室が拡縮して内容
積が変化し、この主液室と連通される副液室の隔壁の少
なくとも一部を弾性変形可能に形成するダイヤフラムが
変形することで、液体に圧力変化及び粘性抵抗等が生じ
つつ、液体が主液室と副液室との間で流動する。この
為、液体の液柱共振や粘性抵抗等によっても振動が低減
されて、振動受け部側に振動がより一層伝達され難くな
る。
【0010】一方、本請求項では、内部に気体を取り入
れ可能な空気室が、ダイヤフラムを介して副液室に対向
して配置されている。さらに、一方の開口端が空気室に
繋がると共に他方の開口端が吸排気ポートとされるバル
ブが、この空気室内の気体を吸排可能にする開放状態と
空気室内の気体を吸排不可能にする閉鎖状態との間で、
切り替え可能とするように設けられており、また、逆止
弁がこの空気室内の気体を外部側へ排気可能としてい
る。そして、密閉部材が少なくともこのバルブの吸排気
ポートを閉鎖しているが、ダイヤフラムの動きを抑制し
ないように、密閉部材が変形可能な形で吸排気ポートを
閉鎖する。
【0011】従って、バルブの閉鎖状態において、主液
室からの液圧等によりダイヤフラムが押されることで、
空気室に残留した気体を逆止弁が徐々に外部へ排出する
ので、この閉鎖状態で主液室と副液室との間の液体の流
動が確実に阻止され、防振装置の減衰性能が低下するこ
とが無くなる。
【0012】つまり、本請求項によれば、例えばアイド
ルオリフィスに繋がる副液室に隣合った空気室を外部に
対して開閉するバルブと、空気室内の気体を外部側へ排
気可能とする逆止弁とを有することで、バルブの閉鎖状
態において、この空気室内の気体を逆止弁により完全に
外部に排除できるので、この逆止弁の存在によりダイヤ
フラムが副液室側に戻らない様になる。
【0013】この為、バルブの閉鎖状態で、この空気室
内に残留した気体によるアイドルオリフィス内の液体の
流動を完全に阻止でき、主液室と連通される他の副液室
が存在する場合には、主液室とこの他の副液室との間で
液体が積極的に流動して、防振装置の減衰性能の低下を
防ぐことが出来るので、振動を確実に低減可能となる。
【0014】さらに、一方の開口端が空気室に繋がると
共に他方の開口端が吸排気ポートとされる構造にバルブ
がされて、開放状態においてこの吸排気ポートから吸気
及び排気されると共に、密閉部材が少なくともこのバル
ブの吸排気ポートを変形可能に閉鎖しているので、バル
ブの吸排気ポートが外気と完全に遮断されて、大気中の
異物やゴミがバルブ内に入らないようになる。但し、バ
ルブの開放状態では、変形可能な密閉部材を用いている
ことから、副液室と空気室との間を区画するダイヤフラ
ムの動きが抑制されず、オリフィス内での液体共振の効
果が維持されて、例えばアイドル振動時において動バネ
係数が低下して、振動を十分に低減できるようになる。
【0015】以上より本請求項のように、バルブ及び逆
止弁を組み合わせることによって、負圧源及びこれに繋
がる長い配管が不要となり、この結果として、防振装置
の製造コストが低減されると共に、防振装置の構造が簡
略化される。さらに、本請求項によれば、空気抵抗によ
って性能が低下するフィルタ等を用いないようにして性
能低下を防ぎつつ、バルブの吸排気ポートを外気と遮断
してバルブを密閉構造にしたので、異物等が外気中に存
在していても振動を確実に低減可能となる。
【0016】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様の構成を有して同様
に作用するものの、さらに、密閉部材が、バルブ全体を
囲む構造とされるという構成を有している。つまり、本
請求項は、バルブ自体を完全に外気と遮断する為に、密
閉部材でバルブ全体を囲む構造とした。従って、密閉部
材内の空間が大きくなり、副液室と空気室との間を区画
するダイヤフラムの動きが抑制される虞が一層確実にな
くなる。
【0017】請求項3に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1と同様の構成を有して同様
に作用するものの、さらに、バルブの吸排気ポートにバ
ルブ用空気室が形成され、このバルブ用空気室の隔壁の
少なくとも一部を密閉部材が、変形可能に形成するとい
う構成を有している。つまり、本請求項は、小型化が図
れるように密閉部材で覆う空間を小さくし且つ、ダイヤ
フラムの動きを抑制しないようにする為、バルブの吸排
気ポートにバルブ用空気室を設けると共に、このバルブ
用空気室の隔壁の一部を変形可能な密閉部材により形成
するようにした。
【0018】請求項4に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1から請求項3と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、密閉部材がゴ
ム製の膜材であるという構成を有している。つまり、本
請求項によれば、簡易に製造され且つ低コストなゴム製
の膜材で密閉部材が形成されたことで、防振装置の製造
コストがより一層低減されるようになった。
【0019】請求項5に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1から請求項4と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、主液室と副液
室との間が、通路状に形成されるオリフィスにより連通
されるという構成を有している。つまり、本請求項は、
主液室と副液室との間を連通するオリフィスが通路状に
形成されるので、このオリフィス内で液柱共振や粘性抵
抗が確実に生じて、振動がより一層確実に低減されるこ
とになる。
【0020】請求項6に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1から請求項5と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、副液室が複数
存在し、これら複数の副液室の内の少なくとも何れかと
ダイヤフラムを介して対向して前記空気室が配置され、
前記バルブ及び前記逆止弁がこの空気室に接続されると
いう構成を有している。
【0021】つまり、本請求項は、主液室とそれぞれ通
路とされるオリフィスにより連通される副液室が複数存
在し、この内の少なくとも何れかの副液室にダイヤフラ
ムを介して対向して空気室が配置され、バルブ及び逆止
弁がこの空気室に接続される構成とすることで、このオ
リフィスを例えばアイドルオリフィスとすることがで
き、また他の副液室に連通されるオリフィスをシェイク
オリフィスとすることができる。この為、本請求項によ
れば、副液室が複数存在することで、請求項1の作用効
果をより確実に奏することができることになる。
【0022】請求項7に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1及び請求項6と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、空気室に一つ
の配管が繋がれると共にこの配管が途中で分岐され、分
岐された配管の一方にバルブが繋がれ、他方に逆止弁が
繋がれるという構成を有している。つまり、本請求項に
よれば、空気室に繋がれる配管が途中で分岐して、分岐
された配管の一方にバルブが繋がれ、他方に逆止弁が繋
がれているので、空気室にバルブ及び逆止弁を個々に取
り付ける必要がなくなり、防振装置の小型化が一層図れ
ることになる。
【0023】請求項8に係る防振装置の作用を以下に説
明する。本請求項も請求項1から請求項7と同様の構成
を有して同様に作用するものの、さらに、バルブが電磁
弁とされるという構成を有している。つまり、本請求項
はバルブを電磁弁としたことで、開閉動の制御をし易く
なるだけでなく、確実且つ高速度にバルブを開閉できる
ようになり、請求項1の作用効果をより確実に奏するこ
とができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の第
1の実施の形態を図1から図5に示し、これらの図に基
づき本実施の形態を説明する。図1に示すように、本実
施の形態に係る防振装置10には、鋼等の金属材料によ
り形成された第1の取付部材としての底板12が備えら
れている。この底板12の中央下部には取付ボルト14
が突出され、一例として図示しない自動車等の車両の車
体(図示せず)にこの取付ボルト14を用いて防振装置
10が連結されるようになっている。この底板12の外
周部分には、直角に屈曲された筒状の立壁部12Aが設
けられており、この立壁部12Aの上端部には、直角に
屈曲されて外周側に拡がるフランジ部12Bが形成され
ている。
【0025】この底板12のフランジ部12Bには、筒
状の外筒16の下端部がかしめられて固定されており、
フランジ部12Bと外筒16の下端部との間に、ゴム製
の弾性膜である第1ダイヤフラム18の周縁部が挟持さ
れている。この第1ダイヤフラム18と前記底板12と
の間の空間は第1空気室20とされている。
【0026】外筒16の上端部には内外径を拡大した拡
開部16Bが設けられており、この拡開部16Bには、
外筒16の開口部分を閉塞するゴム製の弾性体22の外
周が加硫接着されている。また、この弾性体22の一部
は、外筒16の内周下端部まで延設されていて、弾性体
22の外周側全体が外筒16に加硫接着された構造にな
っている。
【0027】一方、この弾性体22の中央には、第2の
取付部材としての支持台24が加硫接着されている。こ
の支持台24は図示しないエンジンの搭載部であり、エ
ンジンを固定する取付ボルト26が立設されている。さ
らに、弾性体22及び第1ダイヤフラム18等を隔壁と
して液室28が形成されており、この液室28内にはエ
チレングリコール等の液体が封入されている。
【0028】また、液室28内には、合成樹脂等で形成
され且つ底面に凹部30Aを有した円柱状の仕切部材3
0が配置され、液室28を主液室32と第1副液室34
とに隔離するように仕切部材30が区画している。さら
に、この仕切部材30の主液室32側には、凹部30B
が形成されており、この凹部30Bの深さ方向中程の部
分には、この凹部30B内に嵌め込まれたリング材82
と凹部30Bの途中に設けられた段部30Cとに周縁部
が挟持された形で、ゴム製で薄肉の膜部材84が配置さ
れている。
【0029】この為、膜部材84が、凹部30B内の空
間を図1において上下に二分している。そして、この凹
部30Bの下側の部分は、内部に気体を取り入れ可能な
空間である気体室86とされており、この気体室86に
配管70の一端が接続されている。以上より、本実施の
形態では、主液室32の隔壁の一部を変形可能に膜部材
84が形成し、この膜部材84を介して主液室32と対
向する形で、気体室86が仕切部材30内に配置される
構造となっている。
【0030】他方、この仕切部材30の外周には、周方
向に沿って断面矩形状の細溝36Aが形成されていて、
この細溝36Aの一端には、仕切部材30の上面まで延
びる細溝36Bが連結されており、この細溝36Aの他
端に凹部30Aへ貫通する開口部36Cが形成されてい
る。
【0031】細溝36A、36Bの外筒16と対向する
部分は、弾性体22の延長部によって閉塞され、主液室
32と第1副液室34との間を連通するシェイクオリフ
ィス38とされている。さらに、仕切部材30には、外
周から仕切部材30の中心へ向けて断面が矩形状の矩形
孔42が形成されており、図1に示すように、この矩形
孔42の先端は上方へ屈曲して主液室32へ連通してア
イドルオリフィス44を構成している。
【0032】一方、外筒16の側面であって仕切部材3
0の矩形孔42に対応する位置には、貫通孔16Aが形
成されており、この貫通孔16Aに対応する外筒16の
外周面には、凹部50Aを有したブロック50が取り付
けられている。この凹部50Aの底部中央には、外筒1
6の貫通孔16Aと同軸となる貫通孔50Bが形成され
ている。なお、外筒16の貫通孔16Aには、弾性体2
2の一部を貫通してブロック50の貫通孔50Bと仕切
部材30の矩形孔42とを連通する枠状の連通部材52
が、挿入されている。
【0033】凹部50Aの開口部分外側のブロック50
の部分には、環状凹部50Cが形成されており、また、
このブロック50にはブロック54が隣り合うように連
結されている。そして、この環状凹部50Cとブロック
54との間にゴム製の弾性膜である第2ダイヤフラム4
6の周縁部が挟持されている。この為、凹部50Aがこ
の第2ダイヤフラム46によって閉塞されて第2副液室
40を構成している。尚、この第2ダイヤフラム46
は、図1に示すように自由状態では凹部50A側へ向け
て略半球状に突出されている。従って、この第2副液室
40がアイドルオリフィス44を介して主液室32に連
通されており、これに伴ってこの第2副液室40に液体
が封入されている。
【0034】また、ブロック54の第2ダイヤフラム4
6に向かい合う面には、略半球状の凹部54Aが形成さ
れており、この凹部54Aと第2ダイヤフラム46との
間の空間は第2空気室48とされている。つまり、内部
に気体である空気を取り入れ可能となるように形成され
た第2空気室48が、第2ダイヤフラム46を介して第
2副液室40と対向して配置されている。
【0035】ブロック54のブロック50と反対側の部
分には、気体室86とこの第2空気室48との間を繋ぐ
配管70の端部が接続されており、この配管70上に
は、第2空気室48内の気体を気体室86側に排気可能
とする第1逆止弁74が、配置されている。そして、第
1逆止弁74と気体室86との間の配管70の部分が枝
分かれしていて、この枝分かれした部分に、気体を外部
側へ排気可能とする第2逆止弁76が配置されている。
【0036】また、この配管70は、第2空気室48と
第1逆止弁74との間の箇所で分岐し、分岐した配管7
0の端部は、第1空気室20に繋がるように、底板12
を貫通しており、この分岐した配管70の途中に、電磁
的に切り替えられて大気に対して開閉される電磁弁であ
る切替バルブ72が、取り付けられている。
【0037】つまり、図2及び図5に示すように、この
電磁的に動作する電磁弁を構成する切替バルブ72の本
体72Aには、コイル78を収納したコイル収納体90
がチューブ88を介して連結されている。このチューブ
88内には、プランジャ80が移動可能に配置されてお
り、プランジャ80の基端側とコイル収納体90内に設
置された吸引子96との間には、スプリング92が配置
されている。そして、このプランジャ80の先端側寄り
の図2及び図5における左側部分には、凹部80Aが窪
むように形成されている。
【0038】また、本体72Aの図2及び図5における
上端側には、切替バルブ72の一方の開口端である主接
続ポート73Aが設けられ、第2空気室48側に繋がる
配管70(図2及び図5では70Aで表す)の端部が、
この主接続ポート73Aに固定されている。さらに、本
体72Aの左側には副接続ポート73Bが設けられ、第
1空気室20側に繋がる配管70(図2及び図5では7
0Bで表す)の端部が、この副接続ポート73Bに固定
されている。この配管70Bの上部には、他方の開口端
である吸排気ポート73Cが設けられており、大気に開
放される配管70(図2及び図5では70Cで表す)
が、この吸排気ポート73Cに固定されている。
【0039】そして、ゴム製の膜材である密閉部材98
が、この切替バルブ72全体を囲む構造に形成されてい
て、密閉部材98が変形可能な形で開口端である吸排気
ポート73Cを実質的に閉鎖している。一方、図2に示
す状態では、第2空気室48側に繋がる配管70Aと大
気に開放される配管70Cとの間を連通するように、切
替バルブ72の本体72Aを開口部72Bが貫通してい
る。
【0040】また、プランジャ80の先端側には、パッ
キン80Bが取り付けられており、図5に示す状態で
は、このパッキン80Bで開口部72Bが遮断されるこ
とになるが、この状態では、プランジャ80の凹部80
Aにより、第1空気室20側に繋がる配管70Bと大気
に開放される配管70Cとの間を繋いで、第2空気室4
8と大気とを連通する開口部72Cが本体72A内に形
成される。但し、前述の図2に示す状態では、この開口
部72Cがプランジャ80の先端寄りの外周面で遮断さ
れることになる。
【0041】すなわち、この切替バルブ72が、第1空
気室20内の気体を吸排不可能にすると共に第2空気室
48内の気体を吸排可能にする第2空気室48の開放状
態(つまり、第1空気室20の閉鎖状態とされる)と、
第1空気室20内の気体を吸排可能にすると共に第2空
気室48内の気体を吸排不可能にする第2空気室48の
閉鎖状態(つまり、第1空気室20の開放状態とされ
る)との間で、切り替えられるようになっており、空気
室20、48と防振装置10の外部の大気との間を連通
し得る配管70をこの切替バルブ72で開閉可能となっ
ている。
【0042】以上より、切替バルブ72のコイル78へ
所定の電圧を印加した場合には、図2に示すように、プ
ランジャ80がコイル78の発生する電磁力によって吸
引子96側に吸引され、プランジャ80の先端のパッキ
ン80Bが逃げて開口部72Bが開放される。この為、
切替バルブ72が第2空気室48側を開放すると共に第
1空気室20側を閉鎖し、第1逆止弁74及び第2逆止
弁76の存在に係わらず、図1の矢印Aで示すように第
2空気室48内の空気をこの切替バルブ72が吸排可能
にする。
【0043】一方、切替バルブ72のコイル78へ電圧
を印加していない場合には、図5に示すように、プラン
ジャ80がスプリング92に付勢されてパッキン80B
が開口部72Bを閉塞すると共に、凹部80Aにより開
口部72Cが連通される。この為、切替バルブ72が第
2空気室48側を閉鎖すると共に第1空気室20側を開
放するが、この際、第2ダイヤフラム46は当初、図3
(A)に示す形になる。
【0044】但し、この状態では、膜部材84の変形に
伴うポンプのような作用により、第2逆止弁76から第
2空気室48内の空気が図4の矢印Bで示すように徐々
に排出されるので、最終的に図3(B)に示すように第
2ダイヤフラム46がブロック54の凹部54Aに貼り
付いた形となって、この第2ダイヤフラム46は変形し
なくなる。この結果、図4に示すように、この第2ダイ
ヤフラム46を隔壁とした第2副液室40に繋がるアイ
ドルオリフィス44に液体が流れないようになる。
【0045】この切替バルブ72は、印加電圧をオン・
オフして第1空気室20側の開放状態と第2空気室48
の開放状態との間を制御しつつ切り替える制御部である
制御回路60に接続されている。そして、制御回路60
は車両電源によって駆動され、少なくともエンジンが発
生する振動の状態を検出し得るように、車速センサ62
及びエンジン回転数センサ64からの検出信号を受け、
車速及びエンジン回転数を検出できる。
【0046】つまり、この制御回路60は、エンジン回
転数の信号及び加速度の信号を基に、アイドル振動時、
シェイク振動時、車両停止時、車両走行時等の車両及び
エンジンの状態の判断をし、この判断を基にして切替バ
ルブ72へ電圧を印加し、或いは電圧の印加を停止する
ことにより、切替バルブ72の開閉を切り換えるように
なっている。
【0047】尚、本実施の形態では、アイドルオリフィ
ス44の通路長さよりシェイクオリフィス38の通路長
さの方が長く、アイドルオリフィス44の通路断面積よ
りシェイクオリフィス38の通路断面積の方が小さくな
っている。また、第1ダイヤフラム18及び第2ダイヤ
フラム46の剛性は相互に異なり、第1ダイヤフラム1
8の剛性より第2ダイヤフラム46の剛性が高くされて
いる。つまり、オリフィスの大きさとダイヤフラムの剛
性とで、制限通路での液柱共振周波数が決定されること
となる。
【0048】次に、本実施の形態に係る防振装置10の
作用を説明する。この防振装置10の底板12を一例と
して自動車等の車両の車体へ連結し、支持台24にエン
ジンを搭載して連結した状態とし、この防振装置10の
支持台24に搭載されるエンジンが作動すると、エンジ
ンの振動が発生して支持台24が変位する。これに伴っ
て、支持台24と底板12との間に配置される弾性体2
2に、支持台24を介してこのエンジンの振動が伝達さ
れる。弾性体22は吸振主体として作用し、弾性体22
の内部摩擦に基づく制振機能によって振動を吸収し、車
体側に振動が伝達され難くなる。
【0049】また、弾性体22の変形に伴って、内壁の
一部が弾性体22により形成される主液室32が拡縮
し、これに合わせて、第1ダイヤフラム18が変形する
ことでシェイクオリフィス38を介して主液室32と繋
がる第1副液室34が拡縮し、また第2ダイヤフラム4
6が変形することでアイドルオリフィス44を介して主
液室32と繋がる第2副液室40が拡縮するので、液体
に圧力変化及び粘性抵抗等が生じつつ、主液室32とこ
れら副液室34、40との間のオリフィス38、44内
の液体が流動する。
【0050】一方、本実施の形態では、内部に気体を取
り入れ可能な気体室86が、膜部材84を介して主液室
32と対向して配置されており、また、同じく内部に気
体を取り入れ可能な第1空気室20が、第1ダイヤフラ
ム18を介して第1副液室34に対向して配置されると
共に、同じく内部に気体を取り入れ可能な第2空気室4
8が、第2ダイヤフラム46を介して第2副液室40に
対向して配置されている。他方、気体室86と第2空気
室48との間を繋ぐ配管70上に配置された第1逆止弁
74が、この第2空気室48内の気体を気体室86側に
排気可能とし、この第1逆止弁74と気体室86との間
の配管70から気体を第2逆止弁76が、外部側へ排気
可能としている。
【0051】また、この配管70が途中で分岐し、分岐
された部分の配管70が第1空気室20に繋がり、この
分岐された配管70の途中に切替バルブ72が取り付け
られている。この切替バルブ72の一方の開口端である
主接続ポート73Aが配管70を介して第2空気室48
に繋がり、他方の開口端が吸排気ポート73Cとされて
いて、さらに、副接続ポート73Bが配管70を介して
第1空気室20に繋がる構造になっている。
【0052】そして、第1空気室20内の気体を吸排不
可能にすると共に第2空気室48内の気体を吸排可能に
する第2空気室48の開放状態(つまり、第1空気室2
0の閉鎖状態とされる)と、第1空気室20内の気体を
吸排可能にすると共に第2空気室48内の気体を吸排不
可能にする第2空気室48の閉鎖状態(つまり、第1空
気室20の開放状態とされる)との間で、この切替バル
ブ72が切り替え可能になっている。
【0053】一方、本実施の形態では、密閉部材98が
切替バルブ72全体を囲む構造とされて、この切替バル
ブ72の吸排気ポート73Cを実質的にこの密閉部材9
8で閉鎖しているが、ダイヤフラム18、46の動きを
抑制しないように、この密閉部材98はゴム製の薄い膜
材で形成されて、変形可能な形で吸排気ポート73Cを
閉鎖する。つまり、本実施の形態は、切替バルブ72自
体を完全に外気と遮断する為に、密閉部材98で切替バ
ルブ72全体を囲む構造としたので、密閉部材98内の
空間が大きくなり、第2副液室40と第2空気室48と
の間を区画する第2ダイヤフラム46の動きや、第1副
液室34と第1空気室20との間を区画する第1ダイヤ
フラム18の動きが、抑制される虞が確実になくなる。
【0054】以上より、防振装置10に矢印Y方向に振
動が加わるのに伴う弾性体22の変形によって、主液室
32が拡縮して内容積が変化すると共に、主液室32の
内容積の変化に伴って生じる液圧変動により膜部材84
が変形して気体室86が拡縮することになる。そして、
逆止弁74、76の存在と相まって、気体室86の拡縮
がポンプのような機能を生じさせることになる。但し、
主液室32と第2副液室40との間の連通部分であるア
イドルオリフィス44で振動が低減可能な周波数の振動
が入力された場合には、上記の第2空気室48の開放状
態(第1空気室20の閉鎖状態)に切替バルブ72がさ
れる。
【0055】つまり、この状態では、第2ダイヤフラム
46を介して第2副液室40に対向して配置される第2
空気室48内の気体が、切替バルブ72を介して吸排可
能となる為、この第2ダイヤフラム46が大きく変形
し、これに伴って圧力変化及び粘性抵抗等が生じつつ、
液体が主液室32と第2副液室40との間で流動する。
従って、アイドルオリフィス44内における液体の液柱
共振や粘性抵抗等によっても振動が低減されて、底板1
2と連結された車体側に振動がより一層伝達され難くな
って、防振効果を向上することができる。
【0056】一方、主液室32と第2副液室40との間
の連通部分で振動が低減できない周波数の振動が入力さ
れた場合には、上記の第2空気室48の閉鎖状態(第1
空気室20の開放状態)に切替バルブ72がされる。そ
して、この状態では、切替バルブ72を介して第2空気
室48内の気体を吸排できなくなるが、アイドルオリフ
ィス44を介して主液室32から液圧等により第2副液
室40の第2ダイヤフラム46が押されるだけでなく、
主液室32の液圧変動により上記のように気体室86が
拡縮するのに伴い、第2空気室48内から気体が逆止弁
74、76を介して順次排出される。
【0057】つまり、まず気体室86の容積が拡大する
場合には、気体室86内の気圧が低下するのに合わせ
て、配管70を介して繋がる第2空気室48内から気体
が吸い出され、第1逆止弁74を通過して気体室86内
に一旦導入される。この逆に、気体室86の容積が縮小
する場合には、配管70を介して気体室86に繋がる第
2逆止弁76から気体が外部に排出されることになる。
尚この際、第1逆止弁74が配管70の途中に存在して
いるので、第2空気室48側に気体が戻ることはない。
【0058】この結果、主液室32の液圧変動により気
体室86の拡縮が繰り返されるのに伴って、この気体室
86、第1逆止弁74及び第2逆止弁76の存在によ
り、第2空気室48に残留した気体が図4の矢印Bで示
すように徐々に外部へ排出されることになる。この為、
図3(A)の状態から図3(B)の状態のように、第2
空気室48の容積が小さくなって、最終的に第2ダイヤ
フラム46がブロック54の凹部54Aに貼り付いて第
2副液室40側に戻らない様になるので、第2ダイヤフ
ラム46が変形しなくなる。
【0059】従って、切替バルブ72による第2空気室
48の閉鎖状態では、第2ダイヤフラム46が変形しな
くなることから、図4に示すように主液室32と第2副
液室40との間の液体の流動が確実に阻止され、主液室
32と連通される第1副液室34が、主液室32とこの
第1副液室34との間で液体が積極的に流動し、主液室
32と第2副液室40との間では低減できない周波数の
振動を低減することで、防振装置10の減衰性能が低下
することが無くなる。
【0060】つまり、第1空気室20が切替バルブ72
により開放された状態では、第1副液室34の隔壁とな
る第1ダイヤフラム18が変形し易くなる結果、第1副
液室34と主液室32との間のシェイクオリフィス38
内における液体の液柱共振や粘性抵抗等によって、振動
が低減されるようになる。従って、切替バルブ72がい
ずれの状態であっても、第2副液室40或いは第1副液
室34の何れか一方と主液室32との間で積極的に液体
が流動して振動が低減されることになる。
【0061】さらに、一方の開口端が第2空気室48に
繋がると共に他方の開口端が吸排気ポート73Cとされ
る構造に切替バルブ72がされて、開放状態においてこ
の吸排気ポート73Cから吸気及び排気されると共に、
密閉部材98が少なくともこの切替バルブ72の吸排気
ポート73Cを変形可能に閉鎖しているので、切替バル
ブ72の吸排気ポート73Cが外気と完全に遮断され
て、大気中の異物やゴミが切替バルブ72内に入らない
ようになる。
【0062】但し、切替バルブ72の開放状態では、変
形可能な密閉部材98を用いていることから、副液室3
4、40と空気室20、48との間をそれぞれ区画する
ダイヤフラム18、46の動きが抑制されないので、オ
リフィス38、44内での液体共振の効果が維持され、
アイドル振動時において動バネ係数が確実に低下して、
振動を十分に低減できるだけでなく、シェイク振動時に
おいても振動を十分に低減できるようになる。
【0063】以上より、本実施の形態のように、切替バ
ルブ72及び2つの逆止弁74、76を組み合わせるこ
とによって、負圧源及びこれに繋がる長い配管が不要と
なり、この結果として、防振装置10の製造コストが低
減されると共に、防振装置10の構造が簡略化されて設
計の自由度が高まる。さらに、本実施の形態によれば、
空気抵抗によって性能が低下するフィルタ等を用いない
ようにして性能低下を防ぎつつ、切替バルブ72の吸排
気ポート73Cを外気と遮断して切替バルブ72を密閉
構造にしたので、異物等が外気中に存在していても振動
を確実に低減可能となる。
【0064】具体的に説明すると、まず、エンジンがア
イドリング運転の場合にはアイドル振動(例えば、周波
数20〜50Hz)が生じる。このアイドル振動時に
は、制御回路60は車速センサ62及びエンジン回転数
センサ64からの信号によりアイドルモードであると判
断し、切替バルブ72のコイル78に電圧を印加して、
図2に示すようにプランジャ80を吸引して開口部72
Bを開放する。これによって、第2空気室48が防振装
置10の外部の大気に開かれて図1に示す第2空気室4
8内の空気を吸排可能にする第2空気室48の開放状態
(第1空気室20の閉鎖状態)となる。
【0065】この結果、アイドル振動の振動周波数領域
での防振装置10の動ばね定数がアイドルオリフィス4
4内の液柱共振により低下して、アイドル振動が確実に
吸収される。尚、このアイドル振動時には、第1空気室
20が閉鎖状態となることで第1ダイヤフラム18が変
形し難くなるのと相まって、シェイクオリフィス38が
目詰まり状態となり、このシェイクオリフィス38側で
液体は流動しない。
【0066】一方、車両が走行するとシェイク振動(例
えば、周波数5〜20Hz)及びこもり音(例えば、周
波数50〜100Hz)が生じる。これに合わせて、制
御回路60が車速センサ62及びエンジン回転数センサ
64より送られる信号により、車両が走行し且つエンジ
ンが高回転するシェイクモードであると判断し、制御回
路60は切替バルブ72のコイル78に電圧を印加する
のを一時的に停止する。これによって、図5に示すよう
にプランジャ80の先端が開口部72Bを塞ぐ替わり
に、開口部72Cが連通されることで、切替バルブ72
が第2空気室48と防振装置10の外部の大気との間を
遮断して第2空気室48内の空気を吸排不可能にする第
2空気室48の閉鎖状態(第1空気室20の開放状態)
となる。
【0067】但し、この切替バルブ72への電圧の印加
を停止した後も、空気が第2空気室48に残留している
為、シェイクモードの初期にはシェイク振動域において
減衰量が若干少なくなるが、第2空気室48内に残留し
た気体である空気が、前述のように最終的に第2逆止弁
76から抜け出すことになる。
【0068】つまり、第2空気室48内から空気が抜け
出した後には、図4に示す形で第2ダイヤフラム46が
変形しなくなるのに伴って、アイドルオリフィス44に
液体が流れないようになるので、シェイクオリフィス3
8を積極的に通って主液室32と第1副液室34とを行
き来することになり、この液体がシェイクオリフィス3
8を通過する際の抵抗で減衰力が生じ、シェイク振動が
効果的に吸収される。
【0069】また、本実施の形態によれば、一端が第2
空気室48に繋がる配管70が途中で分岐し、分岐され
た一方の配管70が切替バルブ72に繋がれ、他方の配
管70が逆止弁74、76に繋がれているので、第2空
気室48に切替バルブ72を別途取り付ける必要がなく
なり、これによっても防振装置10の小型化が図れるこ
とになる。
【0070】他方、本実施の形態では、副液室が複数存
在し、これら複数の副液室34、40と主液室32との
間が、通路状に形成されるオリフィス38、44により
それぞれ連通されている。つまり、本実施の形態は、主
液室32と副液室34、40との間を連通するオリフィ
ス38、44がそれぞれ通路状に形成されているので、
これらオリフィス38、44内で液柱共振や粘性抵抗が
確実に生じて、振動がより一層確実に低減されることに
なる。
【0071】さらに、本実施の形態では、アイドルモー
ドにおいて切替バルブ72を第2空気室48の開放状態
にすると共に、シェイクモードにおいて切替バルブ72
を第2空気室48の閉鎖状態とするように、切替バルブ
72を制御する制御回路60を有している。この為、本
実施の形態は、制御回路60が切替バルブ72の開閉を
確実に制御して、本来的に切替バルブ72により第2空
気室48を閉鎖する必要のあるシェイクモードにおい
て、切替バルブ72を確実に第2空気室48の閉鎖状態
とすることが可能となる。
【0072】次に、本発明に係る防振装置の第2の実施
の形態を図6に示し、この図に基づき本実施の形態を説
明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の
部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略す
る。本実施の形態に係る防振装置10は基本的に第1の
実施の形態と同様の構造となっているが、図6に示すよ
うに、切替バルブ72の吸排気ポート73Cに固定され
る配管70Cの端部が広がった形状とされて、この吸排
気ポート73Cにバルブ用空気室100が形成された形
とされている。そして、このバルブ用空気室100の隔
壁の上部側をゴム製の膜材である密閉部材102が、変
形可能に形成している。
【0073】つまり、本実施の形態では、第1の実施の
形態と同様な作用効果を奏するが、さらに、吸排気ポー
ト73Cにバルブ用空気室100を設けると共に、この
バルブ用空気室100の隔壁の一部を変形可能な密閉部
材102により形成したことで、密閉部材102で覆う
空間を小さくして小型化を図りつつ、ダイヤフラム1
8、46の動きを確実に抑制しない形にできた。
【0074】尚、上記実施の形態において、振動発生部
であるエンジン側に支持台24が連結され、振動受け部
である車体側に底板12が連結される構成とされたが、
この逆の構成としてもよい。さらに、上記実施の形態で
は通路であるオリフィス及び副液室を二つづつ有する構
造を用いて説明したが、オリフィス及び副液室がそれぞ
れ一つづつ設けられる構造や三つづつ有する構造の防振
装置にも、本発明を適用することができる。これによ
り、例えば低減すべき振動周波数に合わせて例えばオリ
フィスの断面積や長さを相違させたりオリフィスの数を
変更するようにして、オリフィスの形状等を適宜選択す
ることで、種々の振動周波数にそれぞれ対応可能な防振
装置を得ることが出来る。
【0075】さらに、上記実施の形態において、切替バ
ルブを開閉動の制御がし易い電磁弁としたが、確実に開
閉動可能なものであれば、ロータリィバルブ等の他の構
造の弁であっても良い。また、上記実施の形態におい
て、自動車のエンジン等の防振を目的としたが、本発明
の防振装置は他の用途にも用いられることはいうまでも
なく、また、形状等も実施の形態の構造のものに限定さ
れるものではなく、他の構造の防振装置にも適用可能で
ある。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、製造コストを低減すると共に構
造を簡略化しつつ、異物等が存在していても振動を確実
に低減可能にできるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の断
面図であって、アイドルモード時を示す図である。
【図2】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態に適
用される切替バルブの断面図であって、アイドルモード
時を示す図である。
【図3】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の要
部拡大断面図であって、(A)は切替バルブの閉鎖状態
の初期を示す図であり、(B)は第2ダイヤフラムが壁
面に貼り付いた状態を示す図である。
【図4】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態の断
面図であって、シェイクモードの最終状態を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る防振装置の第1の実施の形態に適
用される切替バルブの断面図であって、シェイクモード
時を示す図である。
【図6】本発明に係る防振装置の第2の実施の形態に適
用される切替バルブの断面図であって、アイドルモード
時を示す図である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 底板(第1の取付部材) 20 第1空気室 24 支持台(第2の取付部材) 22 弾性体 32 主液室 34 第1副液室 38 シェイクオリフィス 40 第2副液室(副液室) 44 アイドルオリフィス 46 第2ダイヤフラム 48 第2空気室(空気室) 60 制御回路(制御部) 70 配管 72 切替バルブ(バルブ) 72B 開口部 72C 開口部 73C 吸排気ポート 74 第1逆止弁 76 第2逆止弁 98 密閉部材 100 バルブ用空気室 102 密閉部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    される第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2の取
    付部材と、 これら取付部材間に配置されて弾性変形し得る弾性体
    と、 弾性体を隔壁の一部として液体が封入され且つ弾性体の
    変形により内容積が変化する主液室と、 液体が封入されると共に主液室と連通された副液室と、 副液室の隔壁の少なくとも一部を変形可能に形成するダ
    イヤフラムを介して副液室と対向して配置され且つ、内
    部に気体を取り入れ可能な空気室と、 一方の開口端が空気室に繋がると共に他方の開口端が吸
    排気ポートとされ且つ、空気室内の気体を吸排可能にす
    る開放状態と空気室内の気体を吸排不可能にする閉鎖状
    態とで切り替え得るバルブと、 空気室内の気体を外部側に排気可能とする逆止弁と、 少なくともバルブの吸排気ポートを変形可能に閉鎖する
    密閉部材と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 密閉部材が、バルブ全体を囲む構造とさ
    れることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 バルブの吸排気ポートにバルブ用空気室
    が形成され、このバルブ用空気室の隔壁の少なくとも一
    部を密閉部材が、変形可能に形成することを特徴とする
    請求項1記載の防振装置。
  4. 【請求項4】 密閉部材がゴム製の膜材であることを特
    徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の防振装
    置。
  5. 【請求項5】 主液室と副液室との間が、通路状に形成
    されるオリフィスにより連通されることを特徴とする請
    求項1から請求項4の何れかに記載の防振装置。
  6. 【請求項6】 副液室が複数存在し、これら複数の副液
    室の内の少なくとも何れかとダイヤフラムを介して対向
    して前記空気室が配置され、前記バルブ及び前記逆止弁
    がこの空気室に接続されることを特徴とする請求項1か
    ら請求項5の何れかに記載の防振装置。
  7. 【請求項7】 空気室に一つの配管が繋がれると共にこ
    の配管が途中で分岐され、分岐された配管の一方にバル
    ブが繋がれ、他方に逆止弁が繋がれることを特徴とする
    請求項1から請求項6の何れかに記載の防振装置。
  8. 【請求項8】 バルブが電磁弁とされることを特徴とす
    る請求項1から請求項7の何れかに記載の防振装置。
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WO2019215950A1 (ja) * 2018-05-08 2019-11-14 株式会社ブリヂストン 防振装置

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