JP2003221789A - 皮革様シート状物の製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物の製造方法

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JP2003221789A
JP2003221789A JP2002021157A JP2002021157A JP2003221789A JP 2003221789 A JP2003221789 A JP 2003221789A JP 2002021157 A JP2002021157 A JP 2002021157A JP 2002021157 A JP2002021157 A JP 2002021157A JP 2003221789 A JP2003221789 A JP 2003221789A
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polyurethane resin
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Yasuhiro Saso
康宏 佐相
Takashi Hashimoto
貴史 橋本
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極細繊維発生型繊維を用いアルカリで1成分を
除去もしくは剥離する工程を含む人工皮革の製法におい
て見られる風合いと物性のアンバランスを改善し、実用
に十分耐えうる皮革様シート状物の製法を提供するこ
と。 【解決手段】主として極細繊維とポリウレタン樹脂から
なる皮革様シート状物を製造するにあたり、以下の4工
程を含む皮革様シート状物の製造方法。 (1)アルカリ性水溶液による処理で極細繊維が発生す
る極細繊維発現型繊維を用いてシートを製造する工程。 (2)前記シートをアルカリ性水溶液で処理し、極細繊
維を発生させる工程。 (3)極細繊維を発生せしめた後のシートに、ポリイソ
シアネートを該シートに付与する工程。 (4)ポリウレタン樹脂をシートに付与する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた強力を持つ
皮革様シート状物の製造方法に関する。さらに詳しく
は、耐染色性に優れた皮革様シート状物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、極細繊維を用い、良好な立毛を有
し、優れた柔軟性と品位を持つ、天然皮革に劣らない人
工皮革が知られている。この製法として、例えば、ま
ず、極細繊維発生型の複合繊維の1成分に極細繊維形成
用成分を用い、他成分に有機溶媒で溶解可能な成分を用
いた繊維でフェルトを作成する。次いで、このフェルト
に通常有機溶媒としてジメチルホルムアミドを用いたポ
リウレタン樹脂溶液を付与した後、複合繊維の1成分を
有機溶剤で溶解除去し極細繊維化するか、極細繊維化後
ポリウレタン樹脂の溶液を付与することにより目的とす
るものが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、かかる方法
では、複合繊維の1成分を除去するための有機溶媒や、
ポリウレタン樹脂の有機溶媒を必要とする。かかる溶媒
は、環境汚染の可能性を有しており、特に近年は地球環
境保全の観点からかかる有機溶媒を使用しないですむ新
たな製法が強く求められている。このため、極細繊維発
生型の複合繊維の溶解除去成分としてアルカリ可溶型の
ポリマーを用い、この繊維でシートを形成後アルカリで
1成分を処理する手段が検討されている。また、更に一
歩進め、ポリウレタン樹脂を溶液タイプから、水系エマ
ルジョンタイプのものを用い、全く有機溶媒を用いない
プロセスの検討もなされている。しかるに、アルカリで
1成分を溶解除去したフェルトを用いた場合、これにポ
リウレタンを付与して得られる皮革様シート状物の風合
いは柔軟であるものの、物性が非常に低く、両者のバラ
ンスがとれないという問題があった。
【0004】本発明は、極細繊維発生型繊維を用いアル
カリで1成分を除去もしくは剥離する工程を含む人工皮
革の製法において見られる風合いと物性のアンバランス
を改善し、実用に十分耐えうる皮革様シート状物の製法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の皮革様シート状物の製造方法は、次の通りの構成
を有するものである。
【0006】主として極細繊維とポリウレタン樹脂から
なる皮革様シート状物を製造するにあたり、以下の4工
程を含んだ方法を用いる。 (1)アルカリ性水溶液による処理で極細繊維が発生す
る極細繊維発現型繊維を用いてシートを製造する工程。 (2)該シートをアルカリ性水溶液で処理し、極細繊維
を発生させる工程。 (3)極細繊維を発生せしめた後のシートに、ポリイソ
シアネートを該シートに付与する工程。 (4)ポリウレタン樹脂をシートに付与する工程。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。
【0008】本発明でいう極細繊維発生型繊維とは、極
細繊維を構成する1成分が耐アルカリ溶解性を有し、他
成分がそれよりもアルカリ溶解(分解)性が好ましくは
20倍以上、より好ましくは40倍以上となる成分で構
成された複合繊維である。
【0009】本発明に係る極細繊維の形態としては、特
公昭48−22126号公報等に示されているような高
分子相互配列体繊維、または特公昭51−21041号
公報、特公昭60−21904号公報に示された混合紡
糸繊維、特開平9−310230号公報等で示された分
割型複合繊維等、その他、星雲型、多層型、多島中空型
などを基本的な構造とするものであって、これらを組み
合わせたもの、あるいは変形発展させたものなどであ
り、それら繊維から1成分を除去もしくは剥離すること
で0.3dtex以下の極細繊維が得られるものなどか
ら適宜に選択可能である。かかる繊維を得るに当たって
のポリマー成分の組み合わせとしては、極細繊維形成用
の耐アルカリ成分には、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート等のポリエステル、共重合ポリエステル、ナイロ
ン−6、ナイロンー6、6等のポリアミド、共重合ポリ
アミド等を好ましく用いることができる。
【0010】また、アルカリ溶解性成分には、紡糸性が
よくアルカリ水溶液に対する溶解性が高いものであれば
特に限定されず使用可能だが、例えば、具体的には、ポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
トなどと、5−ソディウムスルホイソフタル酸、ポリエ
チレングリコール、ドデヂルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピ
ン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸等を
5−20モル%共重合した共重合ポリエステルが好まし
い。これらのうち、特に5−ソディウムスルホイソフタ
ル酸を5〜20モル%共重合したポリエチレンテレフタ
レート共重合体を用いることが好ましい。またこれら共
重合体は二元のみならず三元以上の多元共重合体であっ
てもよい。かかるポリマーの組み合わせで定法に従い極
細繊維発生型複合繊維を得る。
【0011】次いで、この極細発生型複合繊維を用い、
シート化する。シート化するにあたりその形態として
は、不織布、織物、編物等の態様をとることができ、特
に限定されるものではないが、風合いの点で不織布が好
ましい。不織布形成のための手段は特に限定されない
が、例えば、クロスラッパーで繊維を積層させシート化
する方法や、スパンボンド法、メルトブロー法、あるい
はフラッシュ紡糸法など紡糸直結で直接シート化する方
法などを用いることができる。
【0012】シート化後は、ニードルパンチ、ウオータ
ージェットパンチなど必要に応じ繊維絡合処理を行いフ
ェルトを形成する。
【0013】本発明は、かくして得たシートをアルカリ
性水溶液で処理する。該処理によりシートの中で極細繊
維を発生させるものである。ここで言うアルカリ性水溶
液とは、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶
液、アンモニユーム塩水溶液等をさす。本発明でいうア
ルカリ性水溶液処理とは、最も一般的にはこれらの水溶
液の中にシートを浸すことにより行う。この際、アルカ
リ水溶液の濃度、温度など状況に応じ適宜調整すること
によってより良好なアルカリによる処理が可能となる。
【0014】また、アルカリ水溶液による処理をシート
の表層のみで行わせることも本発明の1つの好ましい態
様である。すなわち、極細繊維の発生を表層近傍にのみ
止めることにより、内部が太い繊維として残るため、表
面タッチが良く腰の有る独特なシートが得られる。これ
を達成するに当たってはアルカリ水溶液がシート内部全
体に行き渡らないようにするためポリビニルアルコール
などのような増粘剤を加え表面層にコートし表面層の一
部のみを溶解するようにする。増粘剤はその後の適当な
工程で除去する。
【0015】本発明は、アルカリによる処理に先立ち、
ポリウレタン樹脂と繊維との結合コントロールを行う目
的でシートをあらかじめ高鹸化度ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロースなどの熱水溶解性ポリ
マーを付与しておくのも推奨できる。本発明はかくして
得られたシートに、ポリウレタン樹脂を付与する。
【0016】本発明に使用するポリウレタン樹脂は、基
本的にはいずれのものも使用可能だが、以下に示すよう
な、ポリオール成分の一部にポリカーボネートを含むポ
リカーボネートジオールとジイソシアネートと鎖伸長剤
の各成分を適宜組み合わせて反応させて得られるポリウ
レタン樹脂を用いることが好ましい。ポリカーボネ−ト
ジオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール等のグリコールとジメチルカ
ーボネ−ト、ジフェニルカーボネ−ト、ホスゲンとの反
応により得られる化合物が挙げられる。さらにこのポリ
カーボネートジオールと他のポリオール成分としてポリ
エステルジオール、ポリエーテルジオールなどを組み合
わせた共重合体でもよい。ポリエステルジオールとし
て、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチルー1、5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等が挙
げられ、特に限定されない。ポリエーテルジオールとし
て、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールな
どが挙げられ、特に限定はされない。
【0017】本発明で使用するポリウレタン樹脂のジイ
ソシアネート成分としては、4,4'ジフェニルメタン
ジイソシアネート以外に2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、3,3−ジ
メトキシ−4、4−フェニレンイソシアネートなどが挙
げられ、特にこれらに限定されることはない。本発明で
使用するポリウレタン樹脂の鎖伸長剤として、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4‘−ジアミ
ノジフェニルメタンなどが挙げられる。これらを単独で
使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0018】本発明で使用するポリウレタン樹脂の繊維
基体への付与量は、繊維基材100重量に対して好まし
くは5〜150重量%、より好ましくは10〜100重
量%である。付与量が5重量%未満では得られるシート
状物の充実感が不足し、皮革様の風合いが悪くなる傾向
がある。一方付与量が150重量%を越えると得られる
シート状物は硬くなり、皮革の風合いが悪くなる傾向が
ある。
【0019】本発明のポリウレタン樹脂は溶液タイプの
ものでも良いが、有機溶媒の使用を最小限に押さえると
いう観点からするとエマルジョンタイプのものがより好
ましい。エマルジョン系の中で強制乳化型、自己乳化型
いずれも良いが、強制乳化型の場合、下記に示すノニオ
ン性界面活性剤をポリウレタン樹脂樹脂100重量部に
対し、1〜10重量部の割合で含有するのが好ましい。
ノニオン性界面活性剤が1部より少ないと、エマルジョ
ンを長期に保存した場合に、相分離が発生し分散質が分
離してクリーム状の沈殿物が発生し、再分散不能な凝固
物が発生するといった保存安定性に問題を生じる。ノニ
オン系界面活性剤が10部より多いと、ゲル化の感度が
不足し、加熱してもゲル化に要する時間が多くなる。こ
のようなノニオン系界面活性剤としては、親水基として
水中でイオン解離しない水酸基やポリエーテル単位など
を有している界面活性剤であり、一般に用いられている
ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤を挙げ
られる。ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性
剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテルなどの高級アルコールエチレンオキ
サイド付加物;脂肪酸ポリエチレンオキサイドエステ
ル、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド
付加物等が挙げられる。
【0020】前記エマルジョンポリウレタン樹脂は、有
機溶剤を含んでいても、有機溶剤を含まない完全水系で
あってもよいが、環境面および回収工程による生産性低
下の面から有機溶剤を含まないものが好ましく使用でき
る。
【0021】さらに本発明に使用するエマルジョンポリ
ウレタン樹脂に他の樹脂が併用されても感熱ゲル化性、
保存安定性を保ち得る範囲内で併用しても差し支えな
い。併用可能な樹脂として、例えば、天然ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン等が
挙げられる。これらの樹脂は単独で使用しても、複数を
併用して使用してもよい。さらに必要に応じて紫外線吸
収剤、酸化防止剤、着色剤等を添加することもできる。
【0022】エマルジョンポリウレタン樹脂を繊維シー
トに付与する方法に当たっては、シートに希釈したエマ
ルジョンを含浸、または付与し乾熱凝固する方法、シー
トにそれを含浸後、湿熱凝固した後、加熱乾燥する方
法、およびその組み合わせ、無機塩を溶解させた浴中ま
たは熱水浴中へ浸漬し凝固する方法があるが、特に限定
することはない。また凝固する際、マイグレーション効
果が大きいことから、予めエマルジョンポリウレタン樹
脂に無機塩を添加する、あるいは増粘剤等を添加する方
法もある。しかしこの処理だけでは、耐水性、かつ耐染
色加工性が低いため、前記シートを90℃〜200℃の
範囲で、好ましくは1分から60分、より好ましくは1
20℃〜150℃で2分から20分程度熱処理するのが
良い。溶液タイプのポリウレタン樹脂を用いる場合はポ
リウレタン樹脂付与後湿式凝固した後乾燥する。
【0023】本発明は、ポリウレタン樹脂を繊維シート
に付与した後、ポリイソシアネートを付与する。
【0024】本発明で使用することのできるポリイソシ
アネートは、例えば、特開昭62−50373号公報、
特開昭61−291613号公報等に記載されている親
水性の界面活性剤的な構造をポリイソシアネートに導入
したもの、また特開平8−85716号公報に記載され
ている親水性界面活性剤と疎水鎖を導入した自己乳化性
ポリイソシアネート、特開2000−191743号公
報に記載されているエチレン性不飽和結合及び活性水素
基を含有する化合物または活性水素基含有ノニオン性界
面活性剤を含有する自己乳化性ポリイソシアネート、あ
るいは特開2000−38394号公報に記載されてい
る水分散ポリイソシアネート等である。
【0025】本発明に使用することのできるポリイソシ
アネートは、ジイソシアネートもしくはイソシアネート
が多数分岐した構造、多量体の構造を有するもの(イソ
シアヌレート型、アダクト型、ビュレット型)や、脂肪
族系、脂環族系、芳香族系イソシアネート、またはウレ
タン変性体、イソシアネート基の官能基数が2以上有す
るものなどが挙げられる。これらイソシアネートとし
て,例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、
3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m
−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソ
シアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ
ジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族イ
ソシアネート、また、イソホロンジイソシアネート、水
素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシ
アネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシア
ネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イ
ソシアネート、アロファネート変性体、ビュレット変性
体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウ
レトジオン変性体、イソシアヌレート変性体等がある。
これらポリイソシアネート単品や二種類以上からなる混
合物、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート
やクルードトリレンジイソシアネート等のポリメリック
のイソシアネート、これらも含んだ2種類以上の混合物
が挙げられる。
【0026】また、ポリイソシアネートのイソシアネー
ト基を活性化し、繊維表面、水酸基、またはウレタン基
との反応を促進するために、下記のような触媒をポリイ
ソシアネート、ポリウレタンに添加しても構わない。
【0027】すなわち、触媒として、例えば、1,4−
ジアザ(2,2、2)ビシクロロクタン、ジブチリンジ
ラウエート、スタンノースオクトエイト、N−メチルモ
ルホリン、N、N、N‘、N’−テトラメチルブタンジ
アミン等、これら単独もしくは二種類以上からなる混合
物を使用しても構わない。
【0028】前記ポリイソシアネートを分散させるため
のイオン性界面活性剤としては、アニオンタイプとカチ
オンタイプがあり、アニオンタイプとしては、カルボキ
シレート型、サルフェート型、スルホネート型、ホスフ
ェート型等があり、カチオンタイプとしては、第4級ア
ンモニウム塩等を導入したものが挙げられる。またエチ
レン性界面活性剤を含有するエチレン性不飽和結合及び
活性水素基を含有する化合物としては、具体的には、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、これらのε−カプロラクトン付加物やγ−バレロラ
クトン付加物等の活性水素基含有アクリル酸エステル
類、2−ヒドロキシメタクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、これらのε−カプロラクトン付加物やγ−バ
レロラクトン付加物等のメタクリル酸エステル類、リシ
ノール酸等のヒドロキシ不飽和脂肪酸類、リシノール酸
メチル等のヒドロキシ不飽和脂肪酸エステル類、アリル
アルコール、ゲラニオール、ネロール、ヘキセノール等
の不飽和脂肪族アルコール類、シンナミルアルコール等
の含芳香環不飽和アルコール類が挙げられる。活性水素
基含有ノニオン性界面活性剤は、活性水素基を1個以上
含有するノニオン性界面活性剤であり、好適には、ポリ
オキシアルキレンエーテル、ポリオキシアルキレンエー
テル脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0029】これらポリイソシアネートの付与量は一概
に決め難く、所望に応じ適宜加減することがよいが、目
安としてはシートの繊維重量100に対し0.1から5
0部となる。
【0030】ポリイソシアネートを付与した後、シート
を熱処理する。加熱温度はポリイソシアネートの反応性
によるが、処理温度は90℃から160℃の範囲、処理
時間は1分から30分の範囲が好ましい。処理温度が9
0℃より低い場合、ポリイソシアネートの反応性は悪
く、製品の風合い、物性のバランスに欠け、160℃よ
り高い場合、染色加工後の製品の発色性が低下してしま
う欠点がある。
【0031】本発明に使用するポリイソシアネートをシ
ートに付与するに当たり、反応性を高める上で、あらか
じめポリイソシアネートに下記のような触媒を添加して
も構わない。添加する触媒は、例えば、テトラブチルジ
アミン、トリエチレンジアミン、ジブチル錫ジラウレー
ト、錫オクチル酸などである。
【0032】本発明の皮革様シート状物を製造する方法
に当たり、ポリウレタン樹脂にポリイソシアネート化合
物を添加しポリイソシアネート化合物を付与する工程と
ポリウレタン樹脂を付与する工程を一度に行っても構わ
ない。
【0033】また、物性のバランスを考慮し、アルカリ
水溶液による処理、ポリウレタン樹脂を付与する工程、
ポリイソシアネートを付与する工程の順番を適宜入れ替
えても構わない。
【0034】本発明において、かくして得られたシート
は場合に応じ、スライス機による半裁、バッフィングに
よる起毛、染色加工等を施し、目的の皮革様シート状物
を得ることができる。
【0035】
【実施例】本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の
実施例中に示した物性値については、以下の方法に従っ
て測定した。 (1)破断強度 テンシロン強伸度測定機を用いサンプル長さ15cm、
幅は2cm、15cm/minの引っ張り速度で測定
し、破断強度(N/cm)を求めた。 実施例1 5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合し
たポリエチレンテレフタレートを海成分として30部、
島成分としてポリエチレンテレフタレートが70部から
なる割合でフィラメント中に島成分が36島、平均繊度
が3.8dtexの海島型繊維のステープルを用いてカ
ード、クロスラッパーを通してウェブを作成した後、ニ
ードルパンチを施し、不織布を作成した。この繊維シー
トにケン化度95のポリビニルアルコール水溶液を島成
分に対し、30重量部含浸、乾燥処理した後、180℃
の熱処理を施した。熱処理後の繊維シートに、40℃、
10重量%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬し海成
分を除去した後、水洗、乾燥した。次に極細繊維化され
たシートに、X−9004(日華化学)の水分散ポリイ
ソシアネート液をシート100重量部に対し4重量部含
浸、乾燥した。次にシートを水系ポリウレタン樹脂固形
分が島成分に対し48重量部含まれるように12重量%
の水系エマルジョンポリウレタン樹脂を含浸した直後に
スチーム処理し、130℃の熱処理を5分間施した。次
にシート内部のポリビニルアルコールを100℃の熱水
で除去後、スライス機で半裁、バッフィングをし、分散
染料を用い液流染色機を用い染色した。
【0036】染色前生機の破断強度は、58.7N/c
m、染色後品の破断強度は56N/cmであった。染色
後品の風合いは、従来の製造方法で得られる製造物と同
等であった。 比較例1 5−ソディウムスルホイソフタル酸を8モル%共重合し
たポリエチレンテレフタレートを海成分として30部、
島成分としてポリエチレンテレフタレートが70部から
なる割合でフィラメント中に島成分が36島含まれる形
態であり、平均繊度が3.8dtexの海島型繊維のス
テープルを用いてカード、クロスラッパーを通してウェ
ブを作成した後、ニードルパンチを施し、不織布を作成
した。この繊維シートにポリビニルアルコール水溶液を
島成分に対し、30重量部含浸、乾燥処理した後、18
0℃の熱処理を施した。熱処理後の繊維シートを、40
℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬す
ることで海成分を除去した後、水洗、乾燥した。次に極
細繊維化されたシートに水系ポリウレタン樹脂樹脂固形
分が島成分に対し48重量部含まれるよう、12重量%
の水系ポリウレタン樹脂樹脂溶液を含浸した直後にスチ
ーマー処理し、130℃の熱処理を5分間施した。次に
シート内部のポリビニルアルコールを100℃の熱水で
除去後、スライス機で半裁、バッフィングをし、分散染
料を用い液流染色機を用い染色した。
【0037】染色前生機の破断強度は58.8N/c
m、染色後品の破断強度は、20.4N/cmと非常に
低かった。染色後の風合いは従来の製造方法で得られる
製造物とくらべ高かったが、反発性は低かった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、優れた破断強力を持
ち、かつ従来の製法により得られる製品並の耐久性、柔
軟性を兼ね備えた皮革様シート状物の製造方法を提供で
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として極細繊維とポリウレタン樹脂から
    なる皮革様シート状物を製造するにあたり、以下の4工
    程を含むことを特徴とする皮革様シート状物の製造方
    法。 (1)アルカリ性水溶液による処理で極細繊維が発生す
    る極細繊維発現型繊維を用いてシートを製造する工程。 (2)前記シートをアルカリ性水溶液で処理し、極細繊
    維を発生させる工程。 (3)極細繊維を発生せしめた後のシートに、ポリイソ
    シアネートを該シートに付与する工程。 (4)ポリウレタン樹脂をシートに付与する工程。
  2. 【請求項2】ポリウレタン樹脂がエマルジョンポリウレ
    タン樹脂であることを特徴とする請求項1記載に皮革様
    シート状物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008184707A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toray Ind Inc シート状物及びその製造方法、並びにそれを用いてなる内装材及び衣料用資材並びに工業用資材
JP2008231638A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Toray Ind Inc シート状物の製造方法およびシート状物

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