JP2008231638A - シート状物の製造方法およびシート状物 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程での有機溶剤の使用がほとんどなく環境負荷の小さい、全工程での総合収率が良好なシート状物の製造方法、およびそれにより得られる、柔軟な風合いと外観品位良好なシート状物を提供する。
【解決手段】(1)〜(3)の工程をこの順番で有するシート状物の製造方法。
(1)テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分とし、全酸成分に対し5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有し、チタン原子またはアルミニウム原子を0.1ppm以上100ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する共重合ポリエステルを、少なくとも1成分として用いてなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作製する工程、
(2)不織布に自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸して、自己乳化型ポリウレタンを付与する工程、
(3)不織布をアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟な風合いと外観品位良好なシート状物であって、製造工程での有機溶剤の使用がほとんどない環境負荷の小さいシート状物の製造方法において、紡糸からシート状物を得るまでの全工程での総合収率が良好なシート状物の製造方法、およびそれにより得られるシート状物に関するものである。
主として極細繊維と高分子弾性体からなるシート状物は天然皮革にない優れた特徴を有しており、衣料や椅子張り、自動車内装材用途などにその使用が年々広がってきた。ところが近年、世界的な地球環境への配慮の動向から、あらゆる製品、材料などに対して環境負荷の低減が求められており、環境負荷の高いものは使用されなくなる傾向にある。これは、シート状物においても例外ではない。
環境負荷の低減の取り組みとしては、製造工程で使用する有機溶剤の環境への流出を防止する技術が世界規模で検討されている。
一般的なシート状物の製造工程は、次のとおりである。すなわち、極細繊維発生型繊維からなる不織布を有機溶剤で処理して極細繊維を発生させる工程と、不織布にポリウレタンの有機溶剤溶液を含浸せしめた後、該繊維シート状物をポリウレタンの非溶媒である水または有機溶剤水溶液中に浸漬してポリウレタンを湿式凝固せしめる工程の組み合わせが多く採用されている。
かかる有機溶剤としては、繊維極細化工程ではトルエン、トリクロロエチレンなどが用いられ、ポリウレタンの有機溶剤としてはN,N’−ジメチルホルムアミドなどの水混和性有機溶剤が用いられる。
しかしながら、有機溶剤は、人体や環境への有害性が高いことから、シート状物の製造に際しては、有機溶剤を使用しない手法の実現が強く要請されている。
この要請に対する具体的な解決手段として、例えば、繊維極細化工程に関しては、極細繊維発生型繊維にアルカリ水溶液可溶成分や熱水可溶成分などを用いることによりアルカリ水溶液、熱水などを用いて繊維の極細化を行い、ポリウレタンの有機溶剤使用に関しては、従来の有機溶剤タイプのポリウレタンに代えて水中にポリウレタンを分散させたポリウレタン水分散液を用いる方法が検討されている。
例えば、アルカリ脱海可能な繊維からなる不織布に感熱ゲル化性を有するポリウレタン水分散液を含浸し、次いでアルカリ水溶液で脱海する皮革様シートの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。感熱ゲル化性を有するポリウレタン水分散液を用いることにより、ポリウレタン含浸後の乾燥におけるポリウレタンのマイグレーションを抑制し、皮革様シートの風合いを柔軟化しているが、この方法では、ポリウレタンに感熱ゲル化性を付与するために界面活性剤を使用していることから、該界面活性剤のブリードによるベトツキが発生しやすく、そのためポリウレタン含浸後に洗浄工程を必要とするという問題がある。また、界面活性剤が存在することから、製膜時のポリウレタンエマルジョン同士の融着を阻害しやすく、ポリウレタン膜の膜強度は低下してシート状物の耐摩耗性を低下させる可能性がある。
さらに、この提案では、ポリウレタンを含浸した後にアルカリ水溶液で処理して繊維の極細化を行っているが、ポリウレタンは一般的にアルカリ水溶液に対して加水分解されやすいため、ポリオールをポリエーテルやポリカーボネートとすることでアルカリ水溶液に対する耐加水分解性の向上を試みているが、ポリウレタンのウレタン結合やウレア結合は加水分解されやすい結合であることを考えると、アルカリ水溶液処理でのポリウレタンの脱落は抑制しきれず、シート状物の強力や耐摩耗性などが著しく低下することから実用上不十分である。
また、ポリウレタン水分散液に予め架橋剤を添加してから、不織布に含浸する製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。架橋剤を併用することにより、ポリウレタン含浸不織布の耐久性は向上するが、生産を考えた場合、ポリウレタン水分散液に架橋剤を添加して保存すると経時変化でゲル化しやすく、ポットライフは短いものとなる。
また、ポリウレタン含浸不織布の柔軟化を目的として、アルカリ脱海可能な繊維からなる不織布にポリビニルアルコールを付与し、その後、ポリウレタン水分散液を含浸する製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。ポリビニルアルコールを付与することで、加工時における不織布物性の補強と、ポリウレタン水分散液付与後の脱のり(該ポリビニルアルコールの除去)によるポリウレタン含浸不織布の柔軟化を達成しているのである。しかしながら、ポリビニルアルコールを付与する工程と脱のり(該ポリビニルアルコールの除去)する工程を経る必要があり、皮革様シート状物の製造工程が非常に長くなり、製造コストも高くなるという問題がある。
一方、特に耐光性が要求される用途へ展開されるシート状物については、ポリエステル系繊維が適用される場合が多く、中でも汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、好適に使用されている。
一般にポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコールから製造されるが、高分子量のポリマーを製造する商業的なプロセスでは、重縮合触媒としてアンチモン化合物が広く用いられている。しかしながら、アンチモン化合物を含有するポリマーは以下に述べるような幾つかの好ましくない特性を有している。
例えば、アンチモン触媒を使用して得られたポリマーを溶融紡糸して繊維とするときに、アンチモン触媒の残渣が口金孔周りに堆積することが知られている。この堆積が進行すると原綿に欠点が生じる原因となるため、適時除去する必要が生じる。アンチモン触媒残渣の堆積が生じるのは、ポリマー中のアンチモン化合物が口金近傍で変成し、一部が気化、散逸した後、アンチモンを主体とする成分が口金に残るためであると考えられている。
また、ポリマー中のアンチモン触媒残渣は比較的大きな粒子状となりやすく、異物となって成形加工時のフィルターの濾圧上昇、紡糸の際の糸切れの原因になるなどの好ましくない特性を有しており、操業性を低下させる一因となっている。
上記のような背景から、シート状物を得るための紡糸を含めた全工程における総合収率を改善することを考えた場合、紡糸の操業性を改善することの意味は大きく、アンチモン含有量が少ないか、あるいは含有しないポリエステルからなる原綿を用いたシート状物が求められている。
ところが、ポリマーの重合触媒としてアンチモンの代替は容易ではなく、技術的な課題をクリアするために代替検討が進められている。触媒としてのアンチモン系の代替としてはゲルマニウム系やチタン系、アルミニウム系が挙げられる。ところが、ゲルマニウム系触媒は、触媒活性はアンチモン系とほぼ同等であるが、存在する量が少ないため、非常に高価で、ポリマーの大量生産を考えた場合、コストが高くなるという課題がある。また、チタン系とアルミニウム系については、コストは比較的安価であるが、得られるポリマーの色調が黄味を帯びる、耐熱性に劣るといった課題がある。
ポリマーの生産を考えた場合、コストが比較的安価であることから、チタン系触媒での検討が主に進められている。例えば、チタン系触媒を用いたポリエステルを用いた長繊維不織布が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この提案はポリエステルとナイロンの分割型割繊糸を前提としており、溶出成分を含む極細繊維発生型繊維についての提案はされていない。また、不織布に高分子弾性体を含浸したシート状物に関する提案もされていない。
上記のとおり、環境負荷の低減の取り組みとして有機溶剤をほとんど使用しない製造工程において、製造工程全体での総合収率を改善したシート状物の製造方法、およびシート状物は得られていないのが現状である。
特開2001−55670号公報 特開2005−248415号公報 特開2002−317386号公報 特開2004−300652号公報
本発明の課題は、かかる従来技術の背景に鑑み、柔軟な風合いと良好な外観品位を有し、製造工程での有機溶剤の使用がほとんどない環境負荷の小さいシート状物の製造方法であって、紡糸からシート状物を得るまでの全工程での総合収率が良好なシート状物の製造方法、およびそれにより得られるシート状物を提供することにある。
本発明は、前記課題を達成するため、次の構成を有する。
すなわち、
[1]次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有することを特徴とするシート状物の製造方法。
(1)テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分としてなり、かつ、全酸成分に対し、5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有する共重合ポリエステルであって、該共重合ポリエステルがチタン原子またはアルミニウム原子を0.1ppm以上100ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する共重合ポリエステルを少なくとも1成分として用いてなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作製する工程、
(2)前記(1)で作製された不織布に自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸して、自己乳化型ポリウレタンを付与する工程、
(3)前記(2)で該自己乳化型ポリウレタンを付与した不織布をアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
[2]前記極細繊維がポリエステル系極細繊維であることを特徴とする前記[1]に記載のシート状物の製造方法。
[3]前記ポリエステル系極細繊維がチタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上150ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する極細繊維であることを特徴とする前記[2]に記載のシート状物の製造方法。
[4]前記極細繊維発生型繊維として、海島型複合繊維を用いることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
[5]前記自己乳化型ポリウレタン水分散液として、有機溶剤を含まないか、または1重量%以下含有するものを用いることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
[6]前記自己乳化型ポリウレタンが、その分子構造内のシリコン原子の含有量がポリウレタン重量に対して0重量%よりも多く、1重量%以下のものであることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
[7]前記自己乳化型ポリウレタンが、ポリウレタン全重量に対して3重量%以上30重量%以下のポリエチレングリコールを有するものであることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
[8]前記自己乳化型ポリウレタンが、その内部乳化剤がノニオン系のものであることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
[9]平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維からなる不織布に自己乳化型ポリウレタンが含有されたシート状物であって、該極細繊維がチタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上150ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まないか、または30ppm以下含有し、さらに該自己乳化型ポリウレタンと前記極細繊維は実質的に密着しておらず、かつ該自己乳化型ポリウレタン部分は無孔構造であることを特徴とするシート状物。
[10]前記自己乳化型ポリウレタン分子構造内にシロキサン結合による架橋構造を有することを特徴とする前記[9]に記載のシート状物。
本発明によれば、柔軟な風合いと外観品位良好なシート状物であって、製造工程での有機溶剤の使用がほとんどない環境負荷の小さいシート状物の製造方法において、紡糸からシート状物を得るまでの全工程での総合収率が良好なシート状物の製造方法、およびそれにより得られるシート状物を提供することができる。
本発明のシート状物の製造方法は、次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有するものである。
(1)テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分としてなり、かつ、全酸成分に対し、5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有する共重合ポリエステルであって、該共重合ポリエステルがチタン原子またはアルミニウム原子を0.1ppm以上100ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する共重合ポリエステルを少なくとも1成分として用いてなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作製する工程、
(2)前記(1)で作製された不織布に自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸して、自己乳化型ポリウレタンを付与する工程、
(3)該自己乳化型ポリウレタンを付与した前記(2)の不織布をアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
上記(1)〜(3)の工程を順に実施することで、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維は実質的に密着していない構造を形成し、非常に柔軟なシート状物を得ることができる。
本発明でいうシート状物とは、天然皮革のようなスエード、ヌバック、銀面などの優れた表面外観を有してなるものであり、好ましくはスエードやヌバックといった立毛調の外観において、滑らかなタッチと優れたライティングエフェクトを有するものである。
不織布を構成する極細繊維を得る手段としては極細繊維発生型繊維を用いる。極細繊維発生型繊維をあらかじめ絡合した後に繊維の極細化を行うことによって、極細繊維が絡合してなる不織布を得ることができる。
極細繊維発生型繊維としては、アルカリ水溶液に対する溶解性の異なる少なくとも2種類の熱可塑性高分子成分を海成分・島成分とし、海成分をアルカリ水溶液を用いて溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型複合繊維や、2成分の熱可塑性高分子成分を繊維断面を放射状または多層状に交互に配置し、各成分を剥離分割することによって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維などを採用することができる。中でも、海島型複合繊維は、海成分を除去することによって島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維間に適度な空隙を付与することができるので、基材の柔軟性や風合いの観点からも好ましい。
海島型複合繊維には、海島型複合用口金を用い、海・島の2成分を相互配列して紡糸する高分子相互配列体方式と、海・島の2成分を混合して紡糸する混合紡糸方式などを用いることができるが、均一な繊度の極細繊維が得られる点で高分子配列体方式による海島型複合繊維がより好ましい。
本発明におけるアルカリ水溶液に対する溶解性の異なるものとしては、極細繊維を発現せしめる条件下で溶解速度が20倍以上1000倍以下異なるものであることが好ましく、40倍以上1000倍以下異なるものであることがより好ましい。20倍未満であれば、極細繊維を発現せしめる際に溶解性の低い熱可塑性高分子成分の繊度を制御することが困難になるので好ましくない。
なお、アルカリ水溶液に対する溶解速度は、JIS K6911法(1995)の耐薬品性試験(試験液:水酸化ナトリウム10%)に準じて処理時間を1時間として得た重量比より算出できる。
アルカリ水溶液に対する溶解性の高い海島型複合繊維の海成分としては、アルカリ水溶液に対する溶解速度と紡糸安定性の観点から、テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分としてなり、かつ、全酸成分に対し、5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有する共重合ポリエステルを用いる。ここでいう「主たる構成成分とする」とは、全構成成分のうちの約50モル%以上がテレフタル酸とエチレングリコールとから構成されることをいう。該共重合ポリエステルはアルカリ水溶液に対する溶解性が本発明の製造方法に支障がない範囲であれば、2元のみならず、3元以上の多元共重合体であってもよい。共重合成分としては、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルに5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビスフェノールA化合物、イソフタル酸、アジピン酸、ドデカジオン酸、シクロヘキシルカルボン酸などを5〜12mol%共重合した共重合ポリエステルや、ポリ乳酸などを用いることができる。
本発明の前記共重合ポリエステルは、チタン原子またはアルミニウム原子を0.1ppm以上100ppm以下含有する。ここでいうチタン原子またはアルミニウム原子は、共重合ポリエステルを重合する際の触媒に由来するものである。共重合ポリエステルの耐熱性の点から、より好ましくは0.5ppm以上80ppm以下、さらに好ましくは1ppm以上50ppm以下である。
また、本発明の前記共重合ポリエステルは、アンチモン原子を含まないか、または30ppm以下含有するものである。この範囲とすることで、紡糸時の口金汚れの発生等が少なく、かつ比較的安価なポリマーを得ることができる。より好ましくはアンチモン原子を含まないか、または20ppm以下含有するものである。ここでいうアンチモン原子は、共重合ポリエステルを重合する際の触媒に由来するものである。
ポリマー中の金属元素含有量は蛍光X線分析またはICP(誘導結合型プラズマ)発光分析により求めたものである。
なお、対象となるポリマーが二酸化チタン粒子や酸化ケイ素粒子を含有している場合には、粒子の影響を除去するために次の前処理をした上で蛍光X線分析、またはICP発光分析を行う。すなわち、ポリマーをオルソクロロフェノールに溶解し、必要に応じてクロロホルムで該ポリマー溶液の粘性を調製した後、遠心分離器で粒子を沈降させる。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、アセトン添加によりポリマーを再析出、濾過、洗浄して粒子を除去したポリマーとする。以上の前処理を施して得られた粒子を除去したポリマーについて金属分析を行う。
本発明の共重合ポリエステルを重合する際の触媒としては、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘導体から合成されるポリマーにおいて、以下の(A)〜(C)の反応全て、または一部の素反応の反応促進に実質的に寄与する化合物を用いることができる。
(A)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応、
(B)ジカルボン酸のエステル形成性誘導体成分とジオール成分との反応であるエステル交換反応、
(C)実質的にエステル反応またはエステル交換反応が終了し、得られたポリエチレンテレフタレート低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応。
本発明におけるチタン化合物触媒としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコキシド化合物の他、主たる金属がチタンおよびケイ素からなる複合酸化物、チタン錯体化合物が好適に用いられる。
ここで複合酸化物とは、酸素とともに酸化物を形成する主たる元素が2種類以上である化合物のことであり、酸素原子に対してチタンおよびケイ素の2種類の元素があり、酸素を含めたこの3種の元素が一つの化合物を形成しているものである。
主たる金属がチタンおよびケイ素からなる複合酸化物の場合、TiとSiの比率は特に限定されないが、両者の金属のモル比率(Ti/Si)が20/80以上であると、重合触媒としての活性が高く、少量で重合可能となるため好ましい。より好ましくは、Ti/Si=98/2〜50/50である。
チタン錯体としては、アルコキシチタン化合物を基材としてこれに種々の錯化剤を結合せしめたものなどが挙げられる。ここで錯化剤としては、具体的には、乳酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸、グリシン、ビスヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチルグリシン、ニトリロ三プロピオン酸、カルボキシイミノ二酢酸、カルボキシメチルイミノ二プロピオン酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラミノ六酢酸、イミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二プロピオン酸、メトキシエチルイミノ二酢酸、アラニン−N−酢酸、アラニン−N、N−二酢酸、β−アラニン−N−酢酸、β−アラニン−N、N−二酢酸、セリン−N−酢酸、セリン−N、N−二酢酸、イソセリン−N、N−二酢酸、アスパラギン酸−N−酢酸、アスパラギン酸−N、N−二酢酸、グルタミン酸−N−酢酸、グルタミン酸−N、N−二酢酸などのアミノカルボン酸やアスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、イソロイシン、トリエタノールアミンなどの含窒素化合物、アセチルアセトネート、アセトアセテートなどを挙げることができる。
さらにチタン錯体のなかでも、1分子中に2個以上のカルボン酸を有する化合物を錯化剤とするチタン錯体は、得られる共重合ポリエステルの色調が良好となり好ましい。
本発明におけるアルミニウム化合物触媒としては、無機アルミニウム化合物として、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム等が挙げられ、アルミニウムアルコレートとして、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリ−n−ブチレート、アルミニウムトリ−sec−ブチレート、アルミニウムトリ−tert−ブチレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、アルミニウムキレートとして、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、アルミニウムアセチルアセトネート等が挙げられ、カルボン酸アルミニウム塩として、酢酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
本発明におけるアンチモン化合物触媒としては、アンチモンの酸化物として、3酸化アンチモン、5酸化アンチモン等が挙げられ、アンチモンカルボン酸として、酢酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリウム等が挙げられ、アンチモンアルコキシドとして、アンチモントリ−n−ブトキシド、アンチモントリエトキシド等が挙げられる。
前記共重合ポリエステルは、成形加工工程での各種ガイド、ローラーなどの接触物との摩擦を低減し、工程通過性を向上させる目的で粒子を添加しても構わない。粒子の種類は特に限定されず、従来公知の粒子のいずれでも用いることができる。具体的には、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの無機粒子や、架橋ポリスチレンなどの有機高分子粒子を用いることができる。これらの粒子の中でも二酸化チタン粒子は、ポリマー中での分散性が良好で、比較的低コストであることから好ましい。
本発明における粒子のポリマーに対する添加量や粒子径は特に限定されないが、ポリエステル組成物に対し0.01〜10重量%、平均粒子径として0.05〜5μmの範囲であると、工程通過性が良好となり好ましい。
また、前記共重合ポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラックなどの顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤などが添加されても良い。
本発明で極細繊維発生型繊維において、アルカリ水溶液処理後に発現する極細繊維のポリマー(海島型複合繊維の場合は島成分)としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどのポリエステル、6−ナイロン、66−ナイロンなどのポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。中でも、極細繊維の強度やシート状物の寸法安定性、耐光性、染色性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル系ポリマーを用いることがより好ましく、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
前記ポリエステル系ポリマーは、チタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上150ppm以下含有することが好ましい。ここでいうチタン原子またはアルミニウム原子は、ポリエステル系ポリマーを重合する際の触媒に由来するものである。ポリエステル系ポリマーの耐熱性の点から、より好ましくはチタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上80ppm以下、さらに好ましくは1ppm以上50ppm以下含有するものである。
また、前記ポリエステル系ポリマーは、アンチモン原子を含まないか、または30ppm以下含有することが好ましい。この範囲とすることで、紡糸時の口金汚れの発生等が少なく、かつ比較的安価なポリマーを得ることができる。より好ましくはアンチモン原子を含まないか、または20ppm以下含有するものである。ここでいうアンチモン原子は、ポリエステル系ポリマーを重合する際の触媒に由来するものである。
前述した極細繊維発生型繊維を紡糸後、好ましくは捲縮加工を施し、所定長にカットして不織布の原綿を得る。捲縮加工やカット加工は通常の方法を用いることができる。得られた原綿を、クロスラッパーなどによりウェブとし、次いで繊維を絡合して不織布とする。
繊維を絡合させ不織布を得る方法としては、ニードルパンチ、ウォータージェットパンチなどの通常の方法を用いることができる。また、繊維を絡合して不織布を得る工程において、異なる素材の極細繊維を混合して不織布を構成してもよく、また織物や編物を挿入して不織布の強度を向上させてもよい。織物や編物を構成する繊維の平均単繊維繊度は特に限定はなく、0.001dtex以上1dtex以下の極細繊維であってもよい。
得られた前記不織布には、繊維の緻密感向上のために、温水やスチーム処理、熱プレスなどによって収縮処理を施してもよい。
また、前記不織布は、自己乳化型ポリウレタン水分散液を付与する前に、不織布厚み方向に半裁(2枚に分割すること)、ないしは数枚に分割されて得られるものでもよい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液を前記不織布に付与するにあたっては、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸、または付与し乾熱凝固する方法、不織布に当該ポリウレタン水分散液を含浸後、湿熱凝固して加熱乾燥する方法、熱水中で湿式凝固して加熱乾燥する方法、およびその組み合わせがあるが、特に限定することはない。
なお、乾燥温度は低すぎると乾燥時間が長時間となり、高すぎると自己乳化型ポリウレタンの熱劣化の原因となる可能性があることから、80℃以上180℃以下が好ましい。より好ましくは90℃以上160℃以下である。
本発明の製造に使用するポリウレタン水分散液は水中に分散してエマルジョンとしてあるポリウレタン水分散液であり、界面活性剤などの乳化剤を含有しない自己乳化型のポリウレタン水分散液であることが好ましい。
界面活性剤などの乳化剤を含有する強制乳化型のポリウレタン水分散液を用いた場合、得られたシート状物の表面は乳化剤に起因するベトツキなどが発生するため、洗浄工程が必要となり、加工工程が増加してコストアップに繋がる。さらには、強制乳化型のポリウレタン水分散液では、乳化剤の存在により、皮膜化したポリウレタン膜の耐水性が低下するため、ポリウレタンを含有するシート状物の染色において、ポリウレタンの染色液への脱落が発生するため、好ましくない。
本発明に使用するポリウレタン水分散液は自己乳化型ポリウレタン水分散液であるが、自己乳化型ポリウレタン水分散液とは、界面活性剤などの乳化剤を用いなくても安定に水分散しているポリウレタン水分散液のことであり、自己乳化型ポリウレタン分子構造内に親水性の、いわゆる内部乳化剤を有するものである。
なお、自己乳化型ポリウレタンは、通常、水に分散した状態で取り扱われ、メーカーからもこの状態で入手できるが、これは一旦乾燥すると再度水に分散させることが不可能となるためである。
内部乳化剤は、4級アミン塩などのカチオン系、スルホン酸塩、カルボン酸塩などのアニオン系、ポリエチレングリコールなどのノニオン系、およびカチオン系とノニオン系の組み合わせ、アニオン系とノニオン系の組み合わせのいずれでもよいが、光による黄変などの心配がなく、中和剤による弊害が発生する可能性のないノニオン系内部乳化剤であることが最も好ましい。
すなわち、アニオン系内部乳化剤を使用する場合は中和剤が必要となるが、例えば、中和剤がアンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどの第3級アミンである場合は、製膜・乾燥時の熱によってアミンが発生・揮発し、系外へ放出される。そのため、大気放出や作業環境の悪化を抑制するために揮発するアミンを回収する装置の導入が必須となる。また、アミンは加熱によって揮発せずに最終製品であるシート状物中に残留した場合、製品の焼却時などに環境へ排出されることも考えられるが、ノニオン系内部乳化剤は中和剤を使用しないため、アミン回収装置を導入する必要はなく、アミンのシート状物中への残留の心配もない。また、中和剤が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の水酸化物などである場合、自己乳化型ポリウレタン部分が水に濡れるとアルカリ性を示すこととなるが、ノニオン系内部乳化剤は中和剤を使用しないため、自己乳化型ポリウレタンの加水分解による劣化を心配する必要もない。
本発明に使用する自己乳化型ポリウレタンは、内部乳化剤以外にポリオール、ポリイソシアネート、鎖伸長剤を適宜反応させた構造を有するものを用いることができる。
ポリオールとしては、ポリカーボネート系ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオール、シリコーン系ジオール、フッ素系ジオールや、これらを組み合わせた共重合体を用いてもよい。中でも耐加水分解性の観点から、ポリカーボネート系ジオール、ポリエーテル系ジオールを用いることが好ましく、さらに耐光性、耐熱性といった観点から、ポリカーボネート系ジオールがより好ましい。
ポリカーボネート系ジオールは、アルキレングリコールと炭酸エステルのエステル交換反応、あるいはホスゲンまたはクロル蟻酸エステルとアルキレングリコールとの反応などによって製造することができる。アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、などの直鎖アルキレングリコールや、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールなどの分岐アルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどの脂環族ジオール、ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。それぞれ単独のアルキレングリコールから得られるポリカーボネートジオールでも2種類以上のアルキレングリコールから得られる共重合ポリカーボネートジオールのいずれでも良い。
ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの脂肪族系、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの芳香族系が挙げられ、またこれらを組み合わせて用いてもよい。中でも、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネートなどの脂肪族系が好ましい。
鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、メチレンビスアニリンなどのアミン系、エチレングリコールなどのジオール系、さらにはポリイソシアネートと水を反応させて得られるポリアミンを用いることができる。
また、自己乳化型ポリウレタンは架橋成分を含むことが好ましい。架橋成分を含むことで、自己乳化型ポリウレタンの耐久性は飛躍的に向上する。架橋成分は自己乳化型ポリウレタン水分散液に添加剤として架橋剤を用いたものでもよく、自己乳化型ポリウレタンの合成時に分子構造内にあらかじめ導入しておく架橋反応可能な官能基を有する化合物、すなわち内部架橋剤を用いるものでもよいが、より均一に自己乳化型ポリウレタンを架橋でき、少量で耐久性を向上することができる内部架橋剤を用いることがより好ましい。
架橋剤、および内部架橋剤は、特に限定はなく、イソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基、メラミン樹脂、シラノール基などを有する化合物を用いることができるが、架橋構造の種類によって自己乳化型ポリウレタンは硬化しやすく、シート状物の風合いが硬くなることから、反応性と柔軟性のバランスの観点でシラノール基を有する化合物であることが好ましい。
シラノール基を内部架橋剤として自己乳化型ポリウレタン分子構造内に導入した場合、不織布の内部空間に含浸・凝固させた自己乳化型ポリウレタンはシロキサン結合による架橋構造を有することになり、自己乳化型ポリウレタンの耐加水分解性などの耐久性を飛躍的に向上することができ、好ましい。
なお、シラノール基を含有する自己乳化型ポリウレタン中のシラノール基は、自己乳化型ポリウレタン水分散液において、周囲に十分な水が存在するので、シラノール基同士が反応してシロキサン結合を形成する段階には到らず、水中で安定に存在する。
シラノール基を自己乳化型ポリウレタン分子構造内に導入するために用いる化合物としては、1分子内に少なくとも1個のイソシアネート基と反応可能な活性水素基と加水分解性ケイ素基とを含有する化合物が挙げられる。
加水分解性ケイ素基とは、水分により加水分解を受ける加水分解性基がケイ素原子に結合している基のことをいい、加水分解性基の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基が挙げられる。中でも、加水分解性が低く、比較的取扱が容易なアルコキシ基が好ましい。加水分解性基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合しているが、加水分解性シリル基の反応性、耐水性などから、2〜3個結合しているものが好ましい。
イソシアネート基と反応可能な活性水素基とは、メルカプト基、水酸基、アミノ基などが挙げられる。
活性水素基としてメルカプト基を有し、加水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物は、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ―メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられ、活性水素基としてアミノ基を有し、加水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物は、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシランなどが挙げられる。中でも耐候性、耐加水分解性の観点から、自己乳化型ポリウレタン分子の中間部分に加水分解性ケイ素基を導入することが好ましく、さらに2個以上の活性水素基を有する加水分解性ケイ素基含有化合物が好ましい。
前記加水分解性ケイ素基含有化合物が導入された自己乳化型ポリウレタンは、不織布の内部空間に含浸・凝固した状態でシロキサン結合による架橋構造を含有する。この架橋構造により、耐久性は飛躍的に向上し、さらにはアルカリ水溶液による処理においてシート状物からのポリウレタンの脱落を抑制することができる。
ここで、シロキサン結合となるためにはポリマーに直接結合しているシラノール基同士が縮合する必要がある。従って、シロキサン結合が存在するということは、シラノール基同士が縮合したものであり、ポリマー間を結合する架橋構造であることがわかる。
シラノール基含有自己乳化型ポリウレタン中に含まれるシラノール基の量を示すポリウレタン分子構造内のシリコン原子の含有量はポリウレタン重量に対して0重量%よりも多く、1重量%以下であることが好ましい。シロキサン結合による架橋構造は多いほど自己乳化型ポリウレタンの耐加水分解性などの耐久性は向上するが、多すぎると自己乳化型ポリウレタンの柔軟性は低下することから、好ましくは0.05重量%以上0.5重量%以下である。なお、シリコン原子の含有量は、自己乳化型ポリウレタン液自体やシート状物から抽出したポリウレタン成分の元素分析を行うことで、定量できる。
また、シロキサン結合の存在有無は、ポリウレタンのNMRによる測定において、シロキサン結合に起因するピークにより、確認できる。
本発明に使用する自己乳化型ポリウレタン水分散液には、貯蔵安定性や製膜性向上のために水溶性有機溶剤を水分散液に対して1重量%以下含有していてもよいが、製膜時の加熱による大気中への有機溶剤の放出や最終製品への有機溶剤の残留などの懸念から、有機溶剤は含まないことが好ましい。
なお、ポリウレタン水分散液の含有有機溶剤量は、含浸に使用する固形分濃度のポリウレタン水分散液において、分散媒のガスクロマトグラフィー分析(HITACHI製263−50、カラム:有機溶剤の種類によって異なるが、N,N−ジメチルホルムアミドの場合はPEG20Mを使用。)により定量できる。
自己乳化型ポリウレタン水分散液の濃度(自己乳化型ポリウレタン水分散液に対する自己乳化型ポリウレタンの含有量)は、自己乳化型ポリウレタン水分散液の貯蔵安定性の観点から、10重量%以上50重量%以下が好ましい。
また、自己乳化型ポリウレタン水分散液は感熱ゲル化温度を有することが好ましい。感熱ゲル化温度を有することで、シートに含浸し、乾燥する際のポリウレタンのマイグレーション現象を抑制することができる。ただ、感熱ゲル化温度は低すぎるとポリウレタン水分散液の貯蔵においてゲル化する可能性が高く、高すぎるとマイグレーション現象を抑制することができなくなることから、55℃以上90℃以下であることが好ましい。
自己乳化型ポリウレタン水分散液は、単独で感熱ゲル化性を有することが好ましいが、自己乳化型ポリウレタン水分散液に感熱ゲル化性を付与する、または感熱ゲル化温度を低下させる目的で、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなどの無機塩を添加してもよい。
自己乳化型ポリウレタンはポリウレタン全重量に対して3重量%以上30重量%以下のポリエチレングリコールを有していると、自己乳化型ポリウレタン水分散液が単独で感熱ゲル化性を発現できるため好ましい。また、ポリエチレングリコールはノニオン系内部乳化剤として自己乳化型ポリウレタンに導入されていることが好ましい。ポリエチレングリコールの含有量は少なすぎると自己乳化しにくくなり、多すぎると耐水性の低下やポリウレタン膜の強力などの物性の低下が発生しやすいことから、ポリウレタン全重量に対するポリエチレングリコールの含有量はより好ましくは5重量%以上20重量%以下である。
本発明において、自己乳化型ポリウレタン液は単独で用いても複数種を併用してもよく、また、他のポリマーの水分散液などを併用してもよい。他のポリマー水分散液としては、例えば、アクリル系やシリコーン系などの水分散液や水溶性のポリマーが挙げられる。
また、自己乳化型ポリウレタンは、濃度15g/L水酸化ナトリウム水溶液中浸漬90℃30分処理後の重量減少率が0重量%以上5重量%以下であることが好ましい。本発明のシート状物の製造方法では、アルカリ水溶液への溶解、脱落による自己乳化型ポリウレタンの重量減少は少ない方が好ましいため、重量減少率はより好ましくは0重量%、または0重量%より多く、4重量%以下である。
なお、アルカリ水溶液処理での重量減少率(耐加水分解性)は、次のようにして算出した。ポリウレタン水分散液をタテ10cm×ヨコ10cmのポリエチレン製不織布(タテ糸15本/cm、ヨコ糸20本/cmの密度)に含浸し、120℃30分乾燥することで、不織布重量に対して75重量%のポリウレタンを付与したシートを得る。次に、得られたシートを濃度15g/L水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して90℃30分処理後の重量を測定し、浸漬処理前の重量と比較して重量減少率を算出した。
また、自己乳化型ポリウレタン水分散液を付与するにあたっては、必要に応じてカーボンブラックなどの顔料、染料、防カビ剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの耐光剤、難燃剤、浸透剤や滑剤、シリカや酸化チタンなどのアンチブロッキング剤、帯電防止剤、シリコーンなどの消泡剤、セルロースなどの充填剤、ポリウレタン凝固調整剤などを添加して用いることができる。
本発明のシート状物の製造方法は、極細繊維発生型繊維からなる不織布に自己乳化型ポリウレタンを付与した後、アルカリ水溶液で処理することで極細繊維を発現せしめる。アルカリ水溶液は、特に限定はないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液、アンモニア塩などを用いることができる。
アルカリ水溶液の濃度は極細繊維が発現できれば特に限定はないが、0.05mol/L以上10mol/L以下が好ましい。
アルカリ水溶液での処理は、自己乳化型ポリウレタン付与後の極細繊維発生型繊維からなる不織布を浸漬し、窄液を行うものであり、剥離型複合繊維の場合は、アルカリ水溶液処理と揉み作用などの物理力で分割し、海島型複合繊維の場合は、アルカリ水に溶解する海成分を溶出して極細繊維を発生させるものであることから、方法に特に限定はないが、例えば液流染色機や精練装置など、さらにはそれらの組み合わせを用いての処理が挙げられる。液流染色機を用いた処理での温度、時間はそれぞれ50℃以上140℃以下、5分以上90分以下であることが好ましい。
なお、極細繊維の発現を効率化する目的で、適宜加熱処理やスチーム処理、界面活性剤などの浸透剤を添加しての処理を行ってもよく、さらにはpH3以下の酸性水溶液による処理をあらかじめ行った後にアルカリ水溶液で処理してもよい。
本発明のシート状物の製造方法では、シート状物の少なくとも片面を起毛処理し、極細繊維の立毛を発現させた立毛調のシート状物としてもよい。シート状物表面に立毛を形成するための起毛処理は、サンドペーパーやロールサンダーなどを用いて、研削する方法などにより施すことができる。
起毛処理の前にシリコーンエマルジョンなどの滑剤を付与してもよい。また、起毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、研削によってシート状物から発生した研削粉がサンドペーパー上に堆積しにくくなる傾向にあり好ましい。
また、シート状物は、起毛処理を行う前に、シート厚み方向に半裁、ないしは数枚に分割してもよい。
本発明のシート状物の製造方法では、染色してもよい。染色方法は、シート状物を染色すると同時に揉み効果を与えてシート状物を柔軟化することができることから、液流染色機を用いることが好ましい。液流染色機としては、通常の液流染色機を使用することができる。
染色温度は高すぎると自己乳化型ポリウレタンが劣化する場合があり、逆に低すぎると繊維への染着が不十分となるため、繊維の種類により変更するのがよく、一般に80℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上130℃以下がより好ましい。
染料の種類は特に限定するものではなく、不織布を構成する極細繊維にあわせて選択すればよいが、例えば、ポリエステル系極細繊維であれば分散染料、ポリアミド系極細繊維であれば酸性染料や含金染料といった染料、およびそれらを組み合わせた染料を用いることができる。
分散染料で染色した場合は、染色後に還元洗浄を行ってもよい。また、染色の均一性や再現性をアップする目的で染色時に染色助剤を使用することは好ましい。さらにシリコーンなどの柔軟剤、帯電防止剤、撥水剤、難燃剤、耐光剤などの仕上げ剤処理を施してもよく、仕上げ処理は染色後でも、染色と同浴でもよい。
次に上記した製造方法によって得られる本発明のシート状物について説明する。
本発明のシート状物は、極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布と、その内部空間に存在する自己乳化型ポリウレタンとからなる。
不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度としては、シート状物の柔軟性や立毛品位の観点から0.001dtex以上0.5dtex以下であることが重要である。好ましくは0.3dtex以下、より好ましくは0.2dtex以下である。一方、染色後の発色性やサンドペーパーなどによる研削など立毛処理時の束状繊維の分散性、さばけ易さの観点からは、0.005dtex以上であることが好ましく、より好ましくは0.01dtex以上である。
なお、不織布を構成する極細繊維の平均単繊維繊度は、極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形の場合は、シート状物(もしくは不織布)表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、極細繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらにその100本の平均値を計算することで算出される。一方、不織布を構成する極細繊維が異形断面の場合は、同様にして、異形断面の外周円直径を繊維径として算出する。さらに、円形断面と異形断面が混合している場合、繊度が大きく異なるものが混合している場合などは、それぞれが同数程度となるように100本を選び、算出する。
不織布を構成する極細繊維の繊度の均一性に関しては、繊維束内の繊度CVが10%以下であることが好ましい。ここで繊度CVとは、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)表示したものであり、値が小さいほど均一であることを示すものである。繊度CVを10%以下とすることで、シート状物表面の立毛の外観は優美となり、また染色も均質で良好なものとすることができる。極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形でない場合の繊度CVは、平均単繊維繊度の算出と同様の方法による。
極細繊維の断面形状としては、丸断面でよいが、楕円、扁平、三角などの多角形、扇形、十字型などの異形断面のものを採用してもよい。
本発明のシート状物を構成する不織布は、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよいが、風合いや品位を重視する場合には、短繊維不織布が好ましい。また、不織布の内部には、強度を向上させるなどの目的で、織物や編物が挿入されていてもよい。
本発明にかかる該不織布においては、その内部空間に存在する自己乳化型ポリウレタンは、該不織布を構成する極細繊維と実質的に密着せず、また、自己乳化型ポリウレタンは無孔構造であることが好ましい。すなわち、極細繊維と自己乳化型ポリウレタンが実質的に密着していないことにより、自己乳化型ポリウレタンが極細繊維の動きを阻害することがないため、シート状物は非常に柔軟となる。
ここでいう「実質的に密着していない」とは、シート状物の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率300倍で観察した際に、自己乳化型ポリウレタンが極細繊維と一体化がされておらず、自己乳化型ポリウレタンと極細繊維の間に空隙が存在することを確認できることをいう。部分的には接している場合もあるが、基本的には空隙がある状態をいうものである。
本発明におけるこの「極細繊維と自己乳化型ポリウレタンが実質的に密着していない状態」は、前述した共重合ポリエステルを少なくとも1成分として用いてなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作製し、該不織布にポリウレタン水分散液を含浸して自己乳化型ポリウレタンを付与した後、アルカリ水溶液で処理して前述した共重合ポリエステルを溶解、除去することで極細繊維を発現せしめることによりその状態を実現できるものである。なお、該手法により、極細繊維束内の極細繊維同士の間にも空隙が存在するようになる。ただし、部分的には極細繊維同士が接している部分が存在していても構わない。
また、自己乳化型ポリウレタン部分が無孔構造であることにより、多孔構造である場合に比べ、揉みなどの物理力に強くなることから、シート状物の耐ピリング性、耐摩耗性などは良好となる。
ここでいう「無孔構造」とは、シート状物の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率300倍で観察した際に、自己乳化型ポリウレタン部分において、5μm以上の孔が見えないこと、すなわち、存在が確認できないことをいう。
このように「該自己乳化型ポリウレタンを無孔構造とせしめること」は、例えば、不織布に該ポリウレタン水分散液を含浸、または付与し乾熱凝固する方法、不織布に該ポリウレタン水分散液を含浸後、湿熱凝固して加熱乾燥する方法、熱水中で湿式凝固して加熱乾燥する方法、およびそれらの組み合わせによりその状態を実現できるものである。
本発明のシート状物においては、基材全重量に対する該自己乳化型ポリウレタンの含有量は20重量%以上200重量%以下であることが好ましい。20重量%以上とすることにより、シート強度を得て、かつ繊維の脱落を防ぐことができ、200重量%以下とすることにより、風合いが必要以上に硬くなるのを防ぎ、目的とする良好な立毛品位を得ることができる。より好ましくは30重量%以上180重量%以下である。
本発明のシート状物は、各種の機能性薬剤、例えば、染料、顔料、柔軟剤、風合い調整剤、ピリング防止剤、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤、あるいは耐候剤などの機能性薬剤を含んでいてもよい。
本発明のシート状物は、少なくとも片面に極細繊維の立毛を有する立毛調シート状物として好適に用いてもよく、さらに、シート状物は、染色してあってもよい。
本発明のシート状物は、家具、椅子、壁材や、自動車、電車、航空機などの車輛室内における座席、天井、内装などの表皮材として非常に優美な外観を有する内装材、シャツ、ジャケット、カジュアルシューズ、スポーツシューズ、紳士靴、婦人靴などの靴のアッパー、トリムなど、鞄、ベルト、財布など、およびそれらの一部に使用した衣料用資材、ワイピングクロス、研磨布、CDカーテンなどの工業用資材として好適に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[評価方法]
(1)ポリマーの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)ポリマー中の金属元素含有量
ポリマー中の金属元素含有量は蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)、またはICP(誘導結合型プラズマ)発光分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、SPS1700)により求めた。
なお、対象となるポリマーが二酸化チタン粒子や酸化ケイ素粒子を含有している場合には、粒子の影響を除去するために次の前処理をした上で蛍光X線分析またはICP発光分析を行った。すなわち、ポリマーをオルソクロロフェノールに溶解し、必要に応じてクロロホルムで該ポリマー溶液の粘性を調製した後、遠心分離器で粒子を沈降させた。その後、傾斜法で上澄み液のみを回収し、アセトン添加によりポリマーを再析出、濾過、洗浄して粒子を除去したポリマーとした。以上の前処理を施して得られた粒子を除去したポリマーについて金属分析を行った。
(3)口金の堆積物の観察
繊維の紡出から72時間後の口金孔周辺の堆積物量を、長焦点顕微鏡を用いて観察した。
堆積物がほとんど認められない状態を○、堆積物は認められるものの操業可能な状態を△、堆積物が認められ頻繁に糸切れが発生する状態を×として判定した。
(4)ポリウレタン水分散液の含有有機溶剤量
含浸に使用する固形分濃度のポリウレタン水分散液において、分散媒のガスクロマトグラフィー分析(HITACHI製263−50、カラム:有機溶剤の種類によって異なるが、N,N−ジメチルホルムアミドの場合はPEG20Mを使用。)にて含有有機溶剤量を定量した。
(5)自己乳化型ポリウレタン中のシロキサン結合の確認とシリコン原子含有量の定量
ポリウレタンのNMRによる測定において、シロキサン結合に起因するピークにより、シロキサン結合の存在有無を確認した。また、シート状物、またはシート状物から抽出したポリウレタン、自己乳化型ポリウレタン水分散液の元素分析を行うことで、シリコン原子の含有量を定量した。
(6)ポリエチレングリコールの確認
ポリウレタンのNMRによる測定において、基準物質に起因するピークとポリエチレングリコールに起因するピーク(例えば、酸素原子隣のエチレン鎖部分のプロトン)の面積を比較することで、算出した。
(7)ポリウレタン水分散液の感熱ゲル化温度
試験管に固形分濃度10重量%のポリウレタン水分散液を10g入れ、95℃の恒温熱水浴中で昇温し、ポリウレタン水分散液が流動性を失ってゲル化・凝固するときの温度を感熱ゲル化温度とした。
(8)ポリウレタンの耐加水分解性(重量減少率)
ポリウレタン水分散液をタテ10cm×ヨコ10cmのポリエチレン製不織布(タテ糸15本/cm、ヨコ糸20本/cmの密度)に含浸し、120℃30分乾燥することで、不織布重量に対して75重量%のポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、得られたシートを濃度15g/L水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して90℃30分処理後の重量を測定し、浸漬処理前の重量と比較して重量減少率を算出した。
(9)平均単繊維繊度
極細繊維の断面が円形または円形に近い楕円形の場合は、シート状物(もしくは不織布)表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率2000倍で撮影し、極細繊維をランダムに100本選び、繊維径を測定して素材ポリマーの比重から繊度に換算し、さらにその100本の平均値を計算することで算出される。一方、不織布を構成する極細繊維が異形断面の場合は、同様にして、異形断面の外周円直径を繊維径として算出する。さらに、円形断面と異形断面が混合している場合、繊度が大きく異なるものが混合している場合などは、それぞれが同数程度となるように100本を選び、算出する。
(10)繊度CV
不織布、またはシート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率2000倍で観察し、その写真から、束状繊維の1つの束内を構成する極細繊維の繊維径を測定し、繊維径から各単繊維の繊度に換算して、繊維束を構成する繊維の繊度標準偏差を束内平均繊度で割った値を百分率(%)で表した。5つの束状繊維について、同様の測定を行い、平均値を繊度CVとした。
(11)シート状物構造
シート状物の内部の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率300倍で観察し、その写真から自己乳化型ポリウレタンと極細繊維の密着状態、自己乳化型ポリウレタン部分の構造を判断した。
(12)柔軟性
JIS L1096−8.19.1(2005年度版)記載のA法(45°カンチレバー法)に基づき、タテ方向とヨコ方向へそれぞれ2×15cmの試験片を5枚作製し45℃の斜面を有する水平台へ置き、試験片を滑らせて試験片の一端の中央点が斜面と接したときのスケールを読み、5枚の平均値を求めた。
(13)外観品位
シート状物の表面品位は目視と官能評価にて下記のように評価した。
○:立毛長・繊維の分散状態共に良好である。
△:立毛長は良好であるが、繊維の分散は不良である。
×:立毛がほとんど無く不良である。
[化学物質の表記]
各実施例・比較例で用いた化学物質の略号の意味は以下の通りである。
PET :ポリエチレンテレフタレート
H12MDI:4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート
MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
NMP :N−メチルピロリドン
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
C5C6PC:1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから誘導される数平均分子量2,000の共重合ポリカーボネートポリオール
PHC :1,6−ヘキサンジオールから誘導される数平均分子量2,000のポリカーボネートジオール
3MPC :3−メチルペンタンジオールから誘導される数平均分子量2,000のポリカーボネートジオール
[ポリウレタン種]
実施例、比較例で用いたポリウレタン水分散液の組成は下記の通りである。各ポリウレタンの特性を表1に示した。
(1)自己乳化型ポリウレタン水分散液A(固形分濃度:30重量%)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :C5C6PC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :水
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.05重量%
(2)自己乳化型ポリウレタン水分散液B(固形分濃度:30重量%)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :C5C6PC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :水
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.04重量%
(3)自己乳化型ポリウレタン水分散液C(固形分濃度:30重量%)
ポリイソシアネート:HDI
ポリオール :C5C6PC
内部乳化剤 :ジメチロールプロピオン酸トリエチルアミン塩
鎖伸長剤 :水
内部架橋剤 :γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン
含有有機溶剤 :0.08重量%
(4)自己乳化型ポリウレタン水分散液D(固形分濃度:30重量%)
ポリイソシアネート:HDI
ポリオール :3MPC
内部乳化剤 :側鎖にポリエチレングリコールを有するジオール化合物
鎖伸長剤 :水
内部架橋剤 :なし
含有有機溶剤 :0.07重量%
(5)溶剤系ポリウレタンE(固形分濃度:10重量%)
ポリイソシアネート:MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :なし
鎖伸長剤 :水
内部架橋剤 :なし
含有有機溶剤 :100重量%(溶媒:DMF)
(6)強制乳化型ポリウレタンF(固形分濃度:30重量%)
ポリイソシアネート:H12MDI
ポリオール :PHC
内部乳化剤 :なし
外部乳化剤 :ノニオン系界面活性剤
内部架橋剤 :なし
含有有機溶剤 :0.09重量%。
[ポリマー種]
実施例、比較例で用いた極細繊維発生型繊維を構成するポリマーの組成は下記の通りである。
(1)共重合ポリエステルAの合成例
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造した、触媒を含有しない低重合体を250℃で溶融、攪拌し、該溶融物に、リン酸をリン原子換算で得られる共重合ポリエステル組成物に対して20ppmとなるように添加した。さらに酢酸リチウム2水和物の30重量%エチレングリコール溶液を、酢酸リチウム2水和物が共重合ポリエステル組成物に対して0.1重量%となるように添加した。次いで、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステルとエチレングリコールのエステル交換反応により合成したエステル交換反応率70%の40重量%エチレングリコール分散液を、5−ナトリウムスルホイソフタル酸が共重合成分として全酸成分に対して8モル%となるように添加し、さらにその後、ジメトキシジアセチルアセトナートチタネートの2重量%エチレングリコール溶液を、得られる共重合ポリエステル中でチタン原子の含有量が5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を15rpmで撹拌しながら、反応系を250℃から280℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の撹拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてIVが0.50dlg−1の共重合ポリエステルAのペレットを得た。
(2)共重合ポリエステルBの合成例
ジメトキシジアセチルアセトナートチタネートに替わり三酸化アンチモンを、得られる共重合ポリエステル中でアンチモン原子の含有量が300ppmとなるように添加した以外はポリエステルAの合成例と同様にして共重合ポリエステルBを得た。
(3)ポリエステルCの合成例
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法のエステル化反応に従って製造した、触媒を含有しない低重合体を250℃で溶融、攪拌し、該溶融物に、リン酸をリン原子換算で得られるポリエステル組成物に対して10ppmとなるように添加した。酸化チタン粒子の12重量%エチレングリコールスラリーを、酸化チタン粒子がポリエステル組成物に対して0.1重量%となるように添加、次いで、酢酸コバルト4水和物の5重量%エチレングリコール溶液をコバルト原子換算でポリエステル組成物に対して30ppm、酢酸マグネシウム4水和物の5重量%エチレングリコール溶液をマグネシウム原子換算でポリエステル組成物に対して20ppmとなるように添加し、さらにその後、ジメトキシジアセチルアセトナートチタネートの2重量%エチレングリコール溶液を、得られるポリエステル中でチタン原子の含有量が10ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで撹拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40 Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の撹拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてIVが0.72dlg−1のポリエステルCのペレットを得た。
(4)ポリエステルDの合成例
ジメトキシジアセチルアセトナートチタネートに替わり三酸化アンチモンを、得られるポリエステル中でアンチモン原子の含有量が300ppmとなるように添加した以外はポリエステルCの合成例と同様にしてポリエステルDを得た。
[実施例1]
共重合ポリエステルAを海成分として45部、島成分としてポリエステルCが55部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が36島含まれる形態であり、平均繊度が2.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布(1)とした。なお、溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はほとんど認められず、紡糸の操業性は良好であった。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、自己乳化型ポリウレタン水分散液Aを含浸し、100℃で5分湿熱処理後、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布の島成分重量に対するポリウレタン重量が80重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、このシートを90℃に加熱した濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.04dtex、繊度CVは7.4%であることを確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて分散染料により染色を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であり、製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であった。結果を表2に示す。
[実施例2]
自己乳化型ポリウレタン水分散液Aに替わり、自己乳化型ポリウレタン水分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にしてシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であり、製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であった。結果を表2に示す。
[実施例3]
共重合ポリエステルAを海成分として20部、島成分としてポリエステルDが80部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が16島含まれる形態であり、平均繊度が3.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布(2)とした。なお、溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇はやや認められるものの紡糸の操業は可能であった。
この不織布を90℃の湯中で2分処理して収縮させ、100℃5分で乾燥した。次いで、自己乳化型ポリウレタン水分散液Cを含浸し、100℃で5分湿熱処理後、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布重量に対するポリウレタン重量が85重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た。
次に、このシートを90℃に加熱した濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海シートを得た。脱海シート表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、平均単繊維繊度は0.21dtex、繊度CVは7.8%であることを確認した。
そして、脱海シートを厚さ方向に半裁し、半裁面と反対となる面を240メッシュのエンドレスサンドペーパーを用いた研削によって起毛処理した後、サーキュラー染色機にて分散染料により染色を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であり、製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であった。結果を表2に示す。
[実施例4]
自己乳化型ポリウレタン水分散液Cに替わり、自己乳化型ポリウレタン水分散液Dを用いた以外は実施例3と同様にしてシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であり、製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であった。結果を表2に示す。
[比較例1]
共重合ポリエステルBを海成分として45部、島成分としてポリエステルDが55部からなる割合で、1フィラメント中に島成分が36島含まれる形態であり、平均繊度が2.8dtexの海島型繊維のステープル(繊維長51mm)を用いて、カード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、ニードルパンチ処理により、不織布(3)とした。なお、溶融紡糸工程においては、紡糸時の口金孔周辺の堆積物及び濾圧上昇が認められ、頻繁に糸切れが発生して操業性に劣っていた。
この不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてシート状物を得た。
得られたシート状物の外観品位、柔軟性は良好であり、製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であったが、紡糸の操業性は劣るものであった。結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例1において、ポリウレタンを付与する前の不織布(3)を濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海不織布を作製し、その後、自己乳化型ポリウレタン水分散液Aを含浸し、100℃で5分湿熱処理後、乾燥温度125℃で10分熱風乾燥することで、不織布の島成分重量に対するポリウレタン重量が80重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た以外は比較例1と同様に処理を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物は製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であったが、外観品位、柔軟性は悪く、紡糸の操業性は劣るものであった。結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例1において、ポリウレタンを付与する前の不織布(3)を濃度15g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して30分処理を行い、海島型繊維の海成分を除去した脱海不織布を作製し、その後、溶剤系ポリウレタンEを含浸し、40℃の水中に浸漬して60分間湿式凝固することで、不織布の島成分重量に対するポリウレタン重量が80重量%となるようにポリウレタンを付与したシートを得た以外は比較例1と同様に処理を行い、シート状物を得た。
得られたシート状物は外観品位、柔軟性は良好であったが、製造工程に有機溶剤を使用した環境負荷の高いシート状物であり、かつ紡糸の操業性は劣るものであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
自己乳化型ポリウレタン水分散液Aに替わり、強制乳化型ポリウレタン水分散液Fを用いた以外は比較例1と同様にしてシート状物を得た。
得られたシート状物は製造工程に有機溶剤を使用しない環境負荷の低いシート状物であり、柔軟性は良好であったが、外観品位は繊維の分散性が不良であり、さらに紡糸の操業性は劣るものであった。結果を表2に示す。
Figure 2008231638
Figure 2008231638

Claims (10)

  1. 次の(1)〜(3)の工程をこの順番で有することを特徴とするシート状物の製造方法。
    (1)テレフタル酸とエチレングリコールを主たる構成成分としてなり、かつ、全酸成分に対し、5〜12mol%の5−スルホイソフタル酸ナトリウムを含有する共重合ポリエステルであって、該共重合ポリエステルがチタン原子またはアルミニウム原子を0.1ppm以上100ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する共重合ポリエステルを少なくとも1成分として用いてなる極細繊維発生型繊維を用いて不織布を作製する工程、
    (2)前記(1)で作製された不織布に自己乳化型ポリウレタン水分散液を含浸して、自己乳化型ポリウレタンを付与する工程、
    (3)前記(2)で自己乳化型ポリウレタンを付与した不織布をアルカリ水溶液で処理して極細繊維を発現せしめる工程。
  2. 前記極細繊維がポリエステル系極細繊維であることを特徴とする請求項1に記載のシート状物の製造方法。
  3. 前記ポリエステル系極細繊維がチタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上150ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まない、または30ppm以下含有する極細繊維であることを特徴とする請求項2に記載のシート状物の製造方法。
  4. 前記極細繊維発生型繊維として、海島型複合繊維を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  5. 前記自己乳化型ポリウレタン水分散液として、有機溶剤を含まないか、または1重量%以下含有するものを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  6. 前記自己乳化型ポリウレタンが、その分子構造内のシリコン原子の含有量がポリウレタン重量に対して0重量%よりも多く、1重量%以下のものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  7. 前記自己乳化型ポリウレタンが、ポリウレタン全重量に対して3重量%以上30重量%以下のポリエチレングリコールを有するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  8. 前記自己乳化型ポリウレタンが、その内部乳化剤がノニオン系のものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシート状物の製造方法。
  9. 平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維からなる不織布に自己乳化型ポリウレタンが含有されたシート状物であって、該極細繊維がチタン原子またはアルミニウム原子を0.5ppm以上150ppm以下含有し、かつアンチモン原子を含まないか、または30ppm以下含有し、さらに該自己乳化型ポリウレタンと前記極細繊維は実質的に密着しておらず、かつ該自己乳化型ポリウレタン部分は無孔構造であることを特徴とするシート状物。
  10. 前記自己乳化型ポリウレタン分子構造内にシロキサン結合による架橋構造を有することを特徴とする請求項9に記載のシート状物。
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