JP3128372B2 - カチオン染料染色性の皮革様シート - Google Patents

カチオン染料染色性の皮革様シート

Info

Publication number
JP3128372B2
JP3128372B2 JP05002504A JP250493A JP3128372B2 JP 3128372 B2 JP3128372 B2 JP 3128372B2 JP 05002504 A JP05002504 A JP 05002504A JP 250493 A JP250493 A JP 250493A JP 3128372 B2 JP3128372 B2 JP 3128372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diol
weight
parts
group
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05002504A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06192968A (ja
Inventor
敏幸 赤沢
昭信 溝口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP05002504A priority Critical patent/JP3128372B2/ja
Publication of JPH06192968A publication Critical patent/JPH06192968A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3128372B2 publication Critical patent/JP3128372B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06NWALL, FLOOR, OR LIKE COVERING MATERIALS, e.g. LINOLEUM, OILCLOTH, ARTIFICIAL LEATHER, ROOFING FELT, CONSISTING OF A FIBROUS WEB COATED WITH A LAYER OF MACROMOLECULAR MATERIAL; FLEXIBLE SHEET MATERIAL NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06N3/00Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
    • D06N3/12Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof with macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. gelatine proteins
    • D06N3/14Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof with macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. gelatine proteins with polyurethanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/08Processes
    • C08G18/0804Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups
    • C08G18/0819Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups containing anionic or anionogenic groups
    • C08G18/0828Manufacture of polymers containing ionic or ionogenic groups containing anionic or anionogenic groups containing sulfonate groups or groups forming them
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/08Processes
    • C08G18/10Prepolymer processes involving reaction of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen in a first reaction step
    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06NWALL, FLOOR, OR LIKE COVERING MATERIALS, e.g. LINOLEUM, OILCLOTH, ARTIFICIAL LEATHER, ROOFING FELT, CONSISTING OF A FIBROUS WEB COATED WITH A LAYER OF MACROMOLECULAR MATERIAL; FLEXIBLE SHEET MATERIAL NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06N3/00Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
    • D06N3/0056Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof characterised by the compounding ingredients of the macro-molecular coating
    • D06N3/0065Organic pigments, e.g. dyes, brighteners

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は染色性の良い皮革様シー
トに関する。さらに詳しくは、ポリウレタン樹脂を構成
する特定成分を特定の配合組成で特定の順序で配合、反
応せしむる事により得た力学特性、耐久性などの諸物
性、加工適性に優れ、かつカチオン染料に染色可能なポ
リウレタン樹脂を用いる事を特徴とする染色性の良い皮
革様シートに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは力学性能に優れ、ポリウ
レタンの溶液を繊維構造体に含浸および/または塗布
し、湿式凝固あるいは乾式凝固して得た繊維構造体の表
面に立毛を形成したり、ポリウレタンを主体とする表面
仕上げ層を付与して得られた皮革様シート状物は多方面
に使用されている。しかしながら、従来のポリウレタン
樹脂は酸性染料、カチオン染料などの染色に必要な染着
座席を有さないので良好な染色は出来なかった。また、
分散染料にあっては染色は可能であるが、ポリウレタン
の非晶性構造のルーズ性の為、染料が樹脂内部に留まり
にくく、すなわち染色堅牢度が極めて不良で、洗濯や摩
擦などにより、容易に色落ちや退色が見られた。
【0003】これらの欠点を改良ための試みとしてポリ
ウレタン樹脂中に染着座席を導入する事が行われ、たと
えばスルホン酸基を含有する化合物を用いる事により、
カチオン染料に可染性のポリウレタンを得る事が知られ
ている。たとえば、特開昭55−34815号公報には
二官能プレポリマーとアニリンモノマーまたはポリスル
ホン酸金属塩とを反応させることにより染色性の良いポ
リウレタンが得られる事が開示されている。しかしなが
ら、該公報の方法によっては染着座席を有するアニリン
は1官能性でありポリウレタン重合体分子の末端に導入
される。そこで染色性を高める為に多量のアニリンを使
用するとポリウレタンの分子量が小さくなりすぎて、該
ポリウレタン溶液の粘度が低くなりすぎ、工程通過性が
悪くなるだけでなく、樹脂の力学的性能が低下し、好ま
しくない。また、力学的性能、工程通過性(溶液粘度)
を満足するだけポリウレタンの分子を大きくすると十分
な染着座席を確保するに必要なだけのアニリンを導入す
る事が出来ないものであり、工業的に実施するには難点
が有った。
【0004】特公昭46−2356号公報には、2,5
−ジ(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ソ
ーダ、3−(β−ヒドロキシエトキシ)−5カルボキシ
ベンゼンスルホン酸ソーダ、2−アミノ−4−(β−ヒ
ドロキシエトキシカルボ)ベンゼンスルホン酸ソーダ、
などの二官能性化合物をポリウレタンまたはポリウレア
の製造段階の任意の時点で添加反応する事が出来、その
方法によって得られた共重合体は水乳濁化できる事が開
示されている。しかしながら、該公報の方法によって得
られたポリウレタンは水乳濁化には好適であるが、人工
皮革への適用に際し水とDMFからなる凝固浴に投入し
た時とか染色時に溶出するとか膨潤し、形態保持性が悪
いなど工程通過性に難点があり、人工皮革の工業的製造
に適用出来ない物であった。
【0005】特開昭59−6210号公報には、(A)
少なくとも一成分がテレフタル酸及び/またはイソフタ
ル酸を全カルボン酸中30モル%以上有し、かつスルホ
ン酸基を含有するポリエステルポリオールからなる高分
子量ポリオール、(B)ジイソシアネート、及び(C)
鎖連結剤からなるポリウレタン樹脂組成物が開示されて
いる。しかしながら、該公報の方法によって得られたポ
リウレタンは、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸
を全カルボン酸中30モル%以上含むので、樹脂の柔軟
性、耐寒性などに劣り、人工皮革に適用するにはまった
く不良なものである。
【0006】さらに特公昭63−43507号公報には
エチレンイソフタル酸スルホネートを含有した共重合ポ
リエチレンテレフタレートを含む極細繊維と−SO3
を含有するポリウレタンからなる銀面層からなる皮革様
シート状物が開示されている。 該公報による方法で
は、−SO3Xを含有するポリウレタンは特公昭55−
34815号公報に示されたポリウレタンを用いた時が
特に優れていることを示しその優位性を主張している
が、同公報に示されたポリウレタンを用いた時は前述の
ごとく工業的に実施するには難点が有った。
【0007】特開平4−248825号公報には、マク
ロモノマーから調整したビニルスルホン化及び非スルホ
ン化、ヒドロキシ官能性ポリウレタンコポリマー並びに
磁気記録媒体におけるその利用が開示されている。該公
報には、スルホン化ビニルスルホン化ヒドロキシ官能性
ポリウレタンコポリマーを製造する方法の例としてジメ
チルソジウムスルホイソフタレート1当量当たり約2か
ら約4当量の適当なジオールの反応により調製できる事
が示されている。最も好ましいジオールとしてはヒドロ
キシ当量が約200(分子量400)から約2000
(分子量4000)のポリカプロラクトンジオールがあ
げられている。さらにその他のジオールとして、ポリエ
ーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエス
テルジオールなどがあげられ、その優位性を主張してい
る。しかしながら、該公報による方法によって得られた
ポリウレタンは人工皮革への適用に際し水とDMFから
なる凝固浴に投入した時にスポンジが形成しないとか、
凝固、染色時に溶出するとか膨潤し、形態保持性が悪い
など工程通過性に難点があり、風合いの良い人工皮革を
工業的に製造する事は出来ない物であった。
【0008】特開平4−178416号公報および、特
開平4−178417号公報には2つ以上の水酸基およ
び1つのメルカプト基を有するメルカプタン系連鎖移動
剤の存在下にラジカル重合性不飽和結合を有する単量体
をラジカル重合して得られるマクロモノマー(A)とポ
リオール(B)とポリイソシアネート(C)とを反応さ
せるポリウレタン樹脂の製造方法及びその樹脂からなる
ポリウレタン樹脂組成物が開示されている。それらの公
報には2つ以上の水酸基および1つのメルカプト基を有
するメルカプタン系連鎖移動剤として3−メルカプト−
1,2−プロパンジオールをラジカル重合性不飽和結合
を有する単量体としてスチレンスルホン酸が例示されて
いる。しかしながら、それらの公報の方法により得られ
たポリウレタン樹脂はその反応順序は特に限定されたも
のでなく行うためか、樹脂中の各成分が制御された配列
構造をとってないためか、重合に際し、粘度が十分に上
がらないとか、得られたポリウレタン樹脂の耐熱性、耐
寒性、強度などの諸物性のバランスに十分なものが得ら
れ難く、たとえ接着剤とか塗料、コーチング用樹脂とし
ては使用できても人工皮革様シートの製造には適用実施
出来ないものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
ウレタンにカチオン染料の染着座席を導入し、染色性の
改良された工業的に適用が可能なポリウレタン樹脂を用
いた、表面ヌメリ性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性、
耐久性に優れたカチオン染料で染色することのできる皮
革様シートを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で示されるスルホン酸基含有化合物のX成分を、
一般式(II)で示されるジオールで実質的に置換して得
られた、あるいはジメチロールプロピオン酸および/ま
たは2個の水酸基および1個のチオール基を含有する化
合物の存在下にスルホン酸基含有ラジカル重合性モノマ
ーを重合して得られたスルホン酸基含有ジオール
(A)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクト
ンおよびポリエーテルよりなる群より選ばれた数平均分
子量が500〜3000のポリマージオール(B)と有
機ジイソシアネート(C1)とをNCO/OHの当量比
が0.5〜0.99となる様な量的関係で反応して得ら
れた末端OHの中間体ジオール(D)と、低分子ジオー
ル(E)、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネ
ート(C2)とを反応せしめる事により得られたポリウ
レタンの溶液と繊維構造体とからなる事を特徴とするカ
チオン染料染色性の皮革様シートである。
【化2】 (但し、XはOH基もしくはオキシアルキル基) HO−R−OH …………(II) (但し、Rは分子量400以下のアルキレン基もしくは
ポリオキシアルキレン基)
【0011】本発明においては、ポリウレタンの染色性
の改善のため、スルホン酸基含有ジオール(A)をポリ
ウレタンのハードセグメント(鎖伸長剤)や分子末端に
ではなく、実質的にソフトセグメントとなる中間体ジオ
ール(D)中に導入し、カチオン染料の染着座席とす
る。すなわち、本発明で用いるポリウレタンは分子量や
ハードセグメントの結晶性に悪影響を与えることなく必
要な量の染着座席を導入することができる。従って、ス
ルホン酸基含有ジオール(A)の配合量はとくに制限は
なく、その分子構造、必要とされる染色性、使用染料等
によって異なるが、ポリウレタンに対してスルホン酸基
として1〜1000μeq/g、中でも2〜500μe
q/gである事が好ましい。
【0012】一般式(I)で示されるスルホン酸基含有
化合物のXはOH基もしくはオキシアルキル基である。
オキシアルキル基の構造に特に制限はないが、オキシ低
級脂肪族基、なかでもメトキシ基が好ましく用いられ
る。一般式(II)で示されるジオールのRはアルキレン
基、もしくはポリオキシアルキレン基であれば特にその
構造に制限はないが、分子量は400以下が、中でも3
0〜300が好ましい。分子量が400を越えて大きい
と得られたスルホン酸基含有ジオールのスルホン酸基含
有率が小さくなり、必要とされる染色性、使用染料等に
よってことなるが、多量のスルホン酸基含有ジオールを
用いる必要が生じ、ポリウレタン樹脂の力学物性、柔軟
性、耐寒性などの面で好ましくない場合がある。一般式
(I)で示されるスルホン酸基含有化合物のX成分を、
一般式(II)で示されるジオールで実質的に置換する方
法に特に制限はなく公知の方法で得られる。すなわち、
スルホン酸基含有化合物とジオール触媒の存在下もしく
は不存在下に要すれば減圧下に120〜250℃に加
熱、攪伴して得られる。公知の触媒を用いる事が出来、
例えばチタンテトライソプロポキシド、酢酸亜鉛、酢酸
マンガンなどを10〜500ppm用いることが出来
る。
【0013】また、本発明で用いられるジメチロールプ
ロピオン酸および/または2個の水酸基および1個のチ
オール基を含有する化合物の存在下にスルホン酸基含有
ラジカル重合性モノマーを重合して得られるスルホン酸
基含有ジオール(A)は公知の方法によって得られる。
例えば3−メルカプト−1,2−プロパンジオールの存
在下に2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸とかスチレンスルホン酸の単量体をアゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、バンゾイ
ルパーオキサイドなどの開始剤を用いて、重合する事が
できる。また、本発明の目的を損なわない範囲でブチル
アクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、エチルアクリレートなどパーフルオロアルキル
を含有しないメタクリレート、アクリレート、さらには
共重合可能な他のビニルモノマーを併用する事は何等差
し支えない。このようにして得られるスルホン酸基含有
ジオール(A)の分子量に特に制限はなく、用いる単量
体にもよるが、400〜20000が、中でも500〜
4000であることが好ましい。20000を越えてあ
まりに大きいと製造に際し、水酸基を持たない重合体が
出来易く、ポリウレタンに有効に利用され難くなり、工
業的製造の難点となる場合がある。
【0014】本発明に用いられるポリマージオール
(B)はポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクト
ン、ポリエーテルよりなる群より選ばれる。その数平均
分子量は500〜3000であるが、より好適には70
0〜2500の範囲が選ばれる。500未満であると皮
革様シート状物の柔軟性が失われるとか、風合が低下す
るとかの傾向にあり好ましくない。3000を越えたも
のは、必然的にウレタン基濃度が減少するためか、風
合、柔軟性、耐寒性、耐熱性、耐久性のバランスのとれ
た皮革様シート状物が得にくいのみならず、該ポリマ−
ジオールの工業的製造に難点があり、好ましくない。
【0015】本発明に使用されるポリエステルジオール
は、例えば二塩基酸とジオールとを反応させて得る事が
できる。二塩基酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ブラシル酸のごとき脂肪族二塩基酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族二塩基酸の一種またはそれらの組み合わせで用いる
事ができる。なかでも脂肪族二塩基酸が、とりわけアジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、などのメチレン鎖長が4〜8の二塩基酸がさら
に好適に用いられる。ジオールとしては低級アルコール
で置換されていてもよいエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプ
タンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デ
カンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジオー
ル、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングコリー
ル、などの脂環式ジオール、キシリレングリコール、な
どの芳香族ジオールなどの一種もしくは二種以上の混合
物が用いられるが、なかでも脂肪族ジオール、とりわけ
ブタンジオール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジ
オール、ヘプタンジオール、メチルオクタンジオール、
ノナンジオールなどの炭素鎖長が4〜9の脂肪族ジオー
ルの一種もしくは二種以上の混合物が好適に用いられ
る。
【0016】ポリカーボネートジオールは例えばカーボ
ネート化合物とジオールとを反応させて得る事ができ
る。カーボネート化合物としてはジメチルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートな
どを用いることができる。ジオールとしては低級アルコ
ールで置換されていてもよいエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオー
ル、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジ
オール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリ
コール、などの脂環式ジオール、キシリレングリコー
ル、などの芳香族ジオールなどの一種もしくは二種以上
の混合物が用いられるが、なかでも脂肪族ジオール、と
りわけブタンジオール、メチルペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、メチルオクタンジオ
ール、ノナンジオールなどの炭素鎖長が4〜9の脂肪族
ジオールの一種もしくは二種以上の混合物が好適に用い
られる。
【0017】ポリラクトンジオールは、たとえばポリ−
ε−カプロラクトンジオール、ポリ−トリメチル−ε−
カプロラクトンジオール、ポリ−β−メチル−δ−バレ
ロラクトンジオールなどが挙げられる。ポリエーテルジ
オールは、たとえばポリテトラメチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレングルコール等が
挙げられる。
【0018】有機ジイソシアネート(C1)はたとえ
ば、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、メ
タまたはパラフェニレンジイソシアネート、1,5ナフ
チレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、水添MDIなどの非芳香族ジ
イソシアネートなどが用いられる。なかでもジフェニル
メタン−4,4´−ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソ
シアネート、の場合が非溶剤で凝固させる事によって得
たシ−ト状物の表面性、風合が良いので好ましい。
【0019】実質的に末端がOHの中間体ジオール
(D)は、得られるポリウレタンの実質的にソフトセグ
メントを構成するものであり、(A)成分とポリマージ
オール(B)と有機ジイソシアネート(C1)とをNC
O/OHの当量比が0.5〜0.99となる様な量的関
係で反応して得られる。NCO/OHの当量比が0.5
未満であると(A)成分の配合量、ポリマージオール
(B)の分子量、有機ジイソシアネート(C1)の種類
によっても異なるが、実質的に末端がOHの中間体ジオ
ールに組み込まれるウレタン結合量が少なすぎたり、さ
らには分子量が小さくなり過ぎるためか、皮革様シート
状物の表面ヌメリ性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性の
バランスがとれにくく、本発明の効果が十分に得られな
い。またNCO/OHの当量比が0.99を越えると、
(A)成分の配合量、ポリマージオール(B)の分子
量、有機ジイソシアネート(C1)の種類によってもこ
となるが、実質的に末端がOHの中間体ジオールに組み
込まれるウレタン結合量が多すぎたり、さらには分子量
が大きくなり過ぎるためか、皮革様シート状物の表面
性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性のバランスがとれに
くく、好ましくない。
【0020】低分子ジオール(E)としては低級アルコ
ールで置換されていてもよいエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、
ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオー
ル、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジ
オール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリ
ール、などの脂環式ジオール、キシリレングリコー
ル、などの芳香族ジオール、さらにはジエチレングリコ
ールなどの一種もしくは二種以上の混合物が用いられる
が、なかでも脂肪族ジオールが、とりわけエチレングリ
コール、ブタンジオールが皮革様シート状物の風合、柔
軟性、耐寒性、耐熱性などのバランスの面で好適に用い
られる。低分子ジオール(E)の使用量はとくに制限は
ないが、その分子構造、(A)成分の配合量、ポリマー
ジオール(B)の分子量、有機ジイソシアネートの種
類、NCO/OH当量比によっても異なるが、通常はポ
リマージオール(B)に対し、(E)/(B)の当量比
で0.5〜7なかでも1〜5.5が得られた皮革様シー
ト状物の風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性の面で好適であ
る場合が多い。
【0021】ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート(C2)の使用量はとくに制限はないが、ポリウ
レタン溶液の粘度、スルホン酸基含有ジオール(A)、
ポリマージオール(B)の分子量、スルホン酸基含有ジ
オール(A)、ポリマージオール(B)と有機ジイソシ
アネート(C1)のNCO/OH当量比、反応溶媒、ス
ルホン酸基含有ジオール(A)、ポリマージオール
(B)、低分子ジオール(D)中に含まれる水分などに
よっても異なるが、通常は(C1)と(C2)よりのN
COと、スルホン酸基含有ジオール(A)、ポリマージ
オール(B)と低分子ジオール(D)よりの水酸基の当
量比(NCO/OH)が0.95〜1.2、なかんずく
0.97〜1.1で用いられることが好ましい。
【0022】また本発明に用いられる重合法を行うとき
に触媒は必ずしも必要ではないが、通常のポリウレタン
の製造に用いられる触媒類、例えばチタンテトライソプ
ロポキサイド、ジブチルスズジラウレート、スズオクテ
−トなどの金属化合物、テトラメチルブタンジアミン、
1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロオクタンなどの
三級アミンなどを用いる事ができる。本発明に用いられ
る方法で得られたポリウレタンの溶剤としては、たとえ
ばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフランなど通常使用されている
溶剤が用いられる。本発明に用いられる方法で得られた
ポリウレタンは、使用にあたって従来のポリウレタンに
使用される各種添加剤、例えばリン系化合物、ハロゲン
含有化合物などの難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
顔料、染料、可塑剤、界面活性剤などを添加する事がで
きる。
【0023】繊維構造体を構成する繊維は、表面に上記
ポリウレタンの被覆層を有する銀付皮革様シートの場合
には必ずしも構成繊維が染色されている必要がなく、特
にカチオン染料で染色される繊維に限定されるものでは
ないが、皮革様シートの切断面の異色感を生じさせない
ためにはカチオン染料で染色される繊維からなるものが
好ましい。一方、繊維立毛スエード調皮革様シートとす
る場合には、カチオン染料で染色可能な繊維からなるも
のであれば特に制限はなく、合成繊維、例えばポリアク
リロニトリル、スルホン酸基変性ポリエステルなど、ま
たは天然繊維例えば羊毛などを使用することができる。
繊維構造体は、織物や編物あるいは不織布が用いられる
が、均一な立毛の形成しやすさ、被覆層を形成するとき
の表面平滑性などの点から不織布が好ましい。不織布に
は必要に応じて補強用などの編織物を内部に積層したも
のであってもよい。中でも3次元絡合した平均繊度0.
1デニール以下、さらには0.005〜0.1デニール
の極細繊維束からなる不織布が好ましい。
【0024】このような極細繊維束からなる絡合不織布
は、カチオン染料で染色可能な可紡性の熱可塑性樹脂、
たとえば、公知のスルホン酸基変性ポリエステル樹脂を
含む2種以上のポリマー成分よりなるスルホン酸基変性
ポリエステル極細繊維発生型繊維から導く事が出来る。
極細繊維発生型繊維を構成する他のポリマーは特に制限
はなく、スルホン酸基変性ポリエステル樹脂と溶剤ある
いは分解剤に対する溶解性あるいは分解性を異にし、ス
ルホン酸基変性ポリエステル樹脂と親和性の少ない樹脂
であり、かつ紡糸条件下でスルホン酸基変性ポリエステ
ル樹脂のそれより小さい溶融粘度を有する樹脂であれば
良い。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸エステ共重合体、エチレン
−α−オレフィン共重合体、ポリスチレン、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の
水添物、ステレン−ブタジエン共重合体、ステレン−ブ
タジエン共重合体の水添物などから選ばれる。そしてス
ルホン酸基変性ポリエステル樹脂と他のポリマーからな
る繊維は、所定の混合比で混合し、同一溶解系で溶解
し、混合系を形成して紡糸する方法、別々の溶解系で溶
解し、紡糸機ヘッド部で接合−分割を複数回繰り返して
混合系を形成して紡糸する方法、別々の溶解系で溶解
し、紡糸機口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法に
より、繊維中に占めるスルホン酸基変性ポリエステル樹
脂成分が40〜80重量%であって、繊維中のスルホン
酸基変性ポリエステル樹脂極細繊維成分が5本以上、好
ましくは50〜800本の範囲にあるスルホン酸基変性
ポリエステル極細繊維発生型繊維を得る。極細繊維発生
型繊維は必要により、延伸、熱固定など通常の繊維の処
理工程を経て繊度2〜15デニール、スルホン酸基変性
ポリエステル極細繊維成分の平均繊度(計算値)0.2
デニール以下、好ましくは0.005〜0.1デニール
の繊維とする。極細繊維発生型繊維はカードで解繊し、
ウエバーを通してランダムウエブまたはクロスラップウ
エブを形成し、得られた繊維ウエブは所望の重さ、厚さ
に積層する。ついで繊維ウエブは従来公知の方法でニー
ドルパンチ、ウオータージェット、エアージェット等に
よる繊維の絡合処理を施して繊維絡合不織布とする。
【0025】ついで、不織布に上記で得られたポリウレ
タンの溶液に要すれば凝固調節剤、離型剤、可塑剤、安
定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、着色剤等を加えて得た
組成液を含浸および/または塗布し、湿式凝固あるいは
乾式凝固する。極細繊維発生型繊維の場合は繊維絡合不
織布へのポリウレタン組成液の含浸、塗布に先だって、
あるいは含浸、塗布後、繊維を構成する他の樹脂の溶剤
かつ繊維の非溶剤で処理して極細繊維に変成する。繊維
構造体とポリウレタン樹脂よりなるシート状物に占める
ポリウレタン樹脂の量は特に制限はないが、重量分率で
10〜60%、なかでも15〜45%で用いられる場合
が多い。ポリウレタンの使用量がすくないとどちらかと
いうと腰のない風合いであり10%未満であるとそれが
顕著となる。ポリウレタンの量が多いと硬くなったり、
膨らみのない風合いとなり易い。60%を越えて用いら
れるとその傾向が顕著となる。
【0026】さらに、このシート状物は、必要に応じて
表面に更に上記ポリウレタンより得た多孔質あるいは無
孔質の被覆層を付与して銀付調皮革様シートとする、あ
るいは、少なくとも一面に起毛処理を施して繊維立毛ス
エード調皮革様シートとする事が出来る。また、要すれ
ば任意の段階で厚さ方向に任意の厚さにスライス分割す
ることもできる。得られた皮革様シートは、カチオン染
料で染色することにより、発色性、堅牢度、表面ヌメリ
性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性、耐久性などに優れ
た皮革様シートとする事ができる。
【0027】
【作用】この様にして得られた本発明の皮革シート状
物は衣料、靴、鞄、家具、車両内装材、雑貨などなど各
種用途に有用である。ポリウレタン樹脂がその望ましい
力学的諸物性、加工適正を失う事なくカチオン染料に染
色可能かつ、皮革様シート状物の製造工程においてその
望ましい性質を損なうことなく、良好な風合いの皮革様
シート状物がえられたその作用機構は 明確ではない
が、スルホン酸基含有ジオール(A)、500〜300
0のポリマージオール(B)と有機ジイソシアネート
(C1)とをNCO/OHの当量比が0.5〜0.99
となる様な量的関係で反応して得られた実質的に末端が
OHの中間体ジオール(D)と、低分子ジオール
(E)、を経て得られる事により、該ポリウレタン樹脂
を構成するソフトセグメントとハードセグメントが望ま
しいミクロ相分離状態を保ちつつ、カチオン染料の染着
座席となるスルホン酸が導入されたために該ポリウレタ
ン樹脂を含浸、コート層とする皮革用シート状物に上記
のごとき好ましい特性が付与されたのではないかと考え
られる。
【0028】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。 < スルホン酸基含有ジオール(A)の製造> 参考例1 ジメチルソジウムスルホイソフタレート296重量部、
1,9−ノナンジオールとメチルオクタンジオールの混
合物(重量比60:35)混合物656重量部、酢酸ナ
トリウム1.1重量部、およびチタンテトライソプロポ
キシド0.2重量部を三口フラスコに仕込み、攪伴しな
がらチッソ気流下に180℃に加熱する。メチルアルコ
ールの溜出速度に応じ、さらに220℃にまで昇温す
る。メチルアルコールの溜出量が63重量部になったと
ころで冷却し、得られた粘凋な反応物をNMRで分析し
たところメチル基は検出されず、実質的にスルホン酸基
含有ジオールが得られた。
【0029】参考例2 ジメチルソジウムスルホイソフタレート296重量部、
ジエチレングリコール371重量部、酢酸ナトリウム
0.85重量部、およびチタンテトライソプロポキシド
0.17重量部を三口フラスコに仕込み、参考例1と同
様にしてメチル基を有さないスルホン酸基含有ジオール
を得た。
【0030】参考例3 ジメチルソジウムスルホイソフタレート296重量部、
エチレングリコール254重量部、酢酸ナトリウム0.
5重量部、およびチタンテトライソプロポキシド0.1
重量部を三口フラスコに仕込み、参考例1と同様にして
メチル基を有さないスルホン酸基含有ジオールを得た。
【0031】比較参考例1 ジメチルソジウムスルホイソフタレート296重量部、
数平均分子量1000のポリテトラメチレングリコール
4100重量部、酢酸ナトリウム4.4重量部、および
チタンテトライソプロポキシド0.9重量部を三口フラ
スコに仕込み、参考例1と同様にしてメチル基を有さな
いスルホン酸基含有ジオールを得た。
【0032】実施例1 スルホン酸基含有ジオール(A)として参考例1の反応
生成物57.4重量部、ポリマージオール(B)として
数平均分子量1000のポリヘキシレンカーボネート3
11重量部と数平均分子量1000のポリブチレンアジ
ペート489重量部、有機ジイソシアネート(C1)と
して2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリ
レンジイソシアネートの混合物(重量比80:20)1
65重量部(NCO/OH=0.95)、及びDMF4
760重量部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度
で所定時間反応させ、中間体ジオール(D)を得た。イ
ソシアネート基がなくなった事を確かめた後、該中間体
ジオールをGPCを用いて重量平均分子量(ポリスチレ
ン換算)を測定したところ6.7万であった。上記で得
た中間体ジオール(D)のDMF溶液に低分子ジオール
(E)としてエチレングリコール106重量部、ジフェ
ニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C2)45
8重量部を添加し反応させ、重量平均分子量39万のポ
リウレタン溶液を得た。 得られたポリウレタン溶液1
00重量部にDMF92重量部、クリスボンアシスター
SD7(商標:大日本インキ株式会社)1.5重量部、
クリスボンアシスターSD14(商標:大日本インキ株
式会社)1.5重量部を加え、含浸液とした。
【0033】一方、ソジウムスルホイソフタレート成分
を5モル%共重合したポリエチレンテレフタレート50
重量部と高流動性のポリエチレン50重量部を溶融紡糸
して得られた極細繊維発生型繊維(ソジウムスルホイソ
フタレート成分を5モル%共重合したポリエチレンテレ
フタレートが極細繊維成分)のステープル繊維を用いて
ウエブをつくり、ニードルパンチ絡合不織布とした。こ
の絡合不織布に上記の含浸液を含浸させた後、DMFの
25%水溶液中に投入し、凝固をおこなった。ついで熱
トルエン中で処理してポリエチレン成分を溶解除去し、
厚さ1.4mmのシート状物を得た。このシート状物を
二分割し、分割面をサンドペーパでバフィングして厚み
0.56mmに合わせた。さらに凝固時の表面をエメリ
ーバフ機で処理して繊維立毛面を形成した。上記繊維立
毛面を有したシート状物を下記条件で染色したところ、
鮮やかな色彩に染色され、良好な風合いの皮革様シート
状物が得られた。この皮革様シート状物の染色堅牢度
は、洗濯堅牢度、摩擦堅牢度共に5級以上と優れたもの
であった。 染料 カチロンブリルレッド4GH 染料濃度 5.0g/リットル 酢酸 0.2g/リットル 酢酸ナトリウム 0.1g/リットル 浴比 50:1 温度 130℃ 時間 60分
【0034】比較例1 実施例1と同一原料組成を一括して反応器に投入し、窒
素気流下に所定温度で所定時間反応させ、濃度25%、
重量平均分子量38万のポリウレタン溶液を得た。得ら
れたポリウレタン溶液を用い、実施例1と同様に調製し
て含浸液とした。実施例1に用いた絡合不織布に上記の
含浸液を含浸させた後、DMFの25%水溶液中に投入
し、凝固をおこなった。ついで熱トルエン中で処理して
ポリエチレン成分を溶解除去し、厚さ1.4mmのシー
ト状物を得た。得られたシート状物は硬く、手触りの極
めて悪いものであり、皮革様シートとは言い難いもので
あった。このように、スルホン酸基含有ジオール
(A)、ポリマージオール(B)、有機ジイソシアネー
ト(C1)を反応して得た中間体(D)を経る事なく得
られたポリウレタンを用いた場合は風合いの良いシート
は得られず、本発明の中間体(D)を経る技術の優位性
は実施例1との対比において明確である。
【0035】比較例2 実施例1において、有機ジイソシアネート(C1)とし
て2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレ
ンジイソシアネートの混合物(重量比80:20)を3
5重量部(NCO/0H=0.20)、及びDMFを5
135重量部に変更する以外は同様にして中間体ジオー
ル(D)を得た。イソシアネート基がなくなった事を確
かめた後、該中間体ジオールをGPCを用いて重量平均
分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ1.1万
であった。上記で得た中間体ジオール(D)のDMF溶
液に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール1
06重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート(C2)646重量部を添加し反応させ、重量平
均分子量37万のポリウレタン溶液を得た。 得られた
ポリウレタン溶液を用い、実施例1と同様に調製して含
浸液とした。
【0036】実施例1に用いた絡合不織布に上記の含浸
液を含浸させた後、DMFの25%水溶液中に投入し、
凝固をおこなった。ついで熱トルエン中で処理してポリ
エチレン成分を溶解除去し、厚さ1.4mmのシート状
物を得た。得られたシート状物は硬く、手触りの極めて
悪いものであり、皮革様シートとは言い難いものであっ
た。このように、スルホン酸基含有ジオール(A)、ポ
リマージオール(B)、有機ジイソシアネート(C1)
をNCO/OHが0.2で反応して得た中間体(D)を
経て得られたポリウレタンを用いた場合は風合いの良い
シートは得られず、本発明のスルホン酸基含有ジオール
(A)、ポリマージオール(B)、有機ジイソシアネー
ト(C1)をNCO/OHが0.5以上で反応して得た
中間体(D)を経る技術の優位性は実施例1との対比に
おいて明確である。
【0037】比較例3 スルホン酸基含有ジオール(A)として比較参考例の反
応生成物280重量部、ポリマージオール(B)として
数平均分子量1000のポリヘキシレンカーボネート3
11重量部と数平均分子量1000のポリブチレンアジ
ペート489重量部、有機ジイソシアネート(C1)と
して2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリ
レンジイソシアネートの混合物(80:20)165重
量部(NCO/OH=0.95)、及びDMF5430
重量部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度で所定
時間反応させ中間体ジオールを得た。イソシアネート基
がなくなった事を確かめた後、該中間体をGPCを用い
て重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したとこ
ろ7.1万であった。上記で得た中間体ジオール(D)
のDMF溶液に低分子ジオール(E)としてエチレング
リコール106重量部、ジフェニルメタン−4,4´−
ジイソシアネート(C2)458重量部を添加し反応さ
せ、重量平均分子量39万のポリウレタン溶液を得た。
上記で得たポリウレタン溶液を用いる以外は実施例1と
同様にしてシート状物を得、続いて染色を行った所、染
色性は良好であったが、得られたものは硬く硬く、ゴワ
ゴワした感じの風合いの悪い物であった。このように、
ジオールが1000の場合は風合いの良いシート状物は
得られず、分子量400以下のジオールを用いる効果は
実施例1との対比において明確である。
【0038】実施例2 スルホン酸基含有ジオール(A)として参考例2の反応
生成物48.3重量部、ポリマージオール(B)として
数平均分子量2000のポリヘキシレンカーボネート5
51重量部と数平均分子量2000のポリブチレンアジ
ペート516重量部、数平均分子量2000のポリテト
ラメチレングリコール533重量部、有機ジイソシアネ
ート(C1)としてジフェニルメタン−4,4´−ジイ
ソシアネートの188重量部(NCO/OH=0.7
5)、及びDMFの9553重量部を反応器に投入し、
窒素気流下に所定温度で所定時間反応させ中間体ジオー
ルを得た。イソシアネート基がなくなった事を確かめた
後、該中間体ジオールをGPCを用いて重量平均分子量
(ポリスチレン換算)を測定したところ4.0万であっ
た。
【0039】上記で得た中間体ジオール(D)のDMF
溶液に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール
の248重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソ
シアネート(C−2)を1100重量部を添加反応し、
重量平均分子量38万のポリウレタン溶液を得た。 得
られたポリウレタン溶液100重量部にDMF19重量
部、クリスボンアシスターSD7(商標:大日本インキ
株式会社)1.5重量部、およびクリスボンアシスター
SD14(商標:大日本インキ株式会社)1.5重量部
を加え、コート液とした。実施例1に用いた絡合不織布
に上記の実施例1に用いた含浸液を含浸させた後、上記
のコート液を厚さ0.5mmになる様にコートし、続い
てDMFの25%水溶液中に投入し、凝固をおこなっ
た。ついで熱トルエン中で処理してポリエチレン成分を
溶解除去し、厚さ2.2mmの風合いの良い銀面付きの
シート状物を得た。得られたシート状物を実施例1と同
様にして染色したところ、鮮やかに染色され、本発明の
優位性は明らかである。
【0040】比較例4 スルホン酸基含有ジオール(A)として参考例2の反応
生成物48.3重量部、ポリマージオール(B)として
数平均分子量2000のポリヘキシレンカーボネート5
11重量部と数平均分子量2000のポリブチレンアジ
ペート516重量部、数平均分子量2000のポリテト
ラメチレングリコール533重量部、有機ジイソシアネ
ート(C1)としてジフェニルメタン−4,4´−ジイ
ソシアネート256重量部(NCO/OH=1.0
2)、及びDMF8818重量部を反応器に投入し、窒
素気流下に所定温度で所定時間反応させ中間体を得た。
イソシアネート基がなくなった事を確かめた後、該中間
体をGPCを用いて重量平均分子量(ポリスチレン換
算)を測定したところ22万であった。上記で得た中間
体のDMF溶液に低分子ジオール(E)として、エチレ
ングリコール248重量部、ジフェニルメタン−4,4
´−ジイソシアネート(C2)1043重量部を添加反
応し、重量平均分子量39万のポリウレタン溶液を得
た。上記で得たポリウレタン溶液を用いる以外は実施例
2と同様にして銀面付きのシート状物を得たが、銀面の
発泡状態は不良で硬く、風合いの悪い物であった。この
ように、スルホン酸基含有ジオール(A)、ポリマージ
オール(B)、有機ジイソシアネート(C1)をNCO
/OHが1.02で反応して得た中間体(D)を経て得
られたポリウレタンを用いた場合は風合いの良いシート
は得られず、本発明のスルホン酸基含有ジオール
(A)、ポリマージオール(B)、有機ジイソシアネー
ト(C1)をNCO/OHが0.99以下で反応して得
た中間体(D)を経る技術の優位性は実施例2との対比
において明確である。
【0041】実施例3 スルホン酸基含有ジオール(A)として参考例3の反応
生成物44.3重量部、ポリマージオール(B)として
数平均分子量2000のポリヘキシレンカーボネート6
00重量部と数平均分子量2000のポリブチレンアジ
ペート1000重量部、有機ジイソシアネート(C1)
としてジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート
200重量部(NCO/OH=0.80)、及びDMF
の8641重量部を反応器に投入し、窒素気流下に所定
温度で所定時間反応させ中間体ジオールを得た。イソシ
アネート基がなくなった事を確かめた後、該中間体ジオ
ールをGPCを用いて重量平均分子量(ポリスチレン換
算)を測定したところ4.8万であった。
【0042】上記で得た中間体ジオール(D)のDMF
溶液に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール
186重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシ
アネート(C2)841重量部を添加し反応させ、重量
平均分子量37万のポリウレタン溶液を得た。 得られ
たポリウレタン溶液100重量部にDMF92重量部、
クリスボンアシスターSD7(商標:大日本インキ株式
会社)1.5重量部、およびクリスボンアシスターSD
14(商標:大日本インキ株式会社)1.5重量部を加
え、コート液とした。実施例1に用いた絡合不織布に上
記の含浸液を含浸、続いてDMFの25%水溶液中に投
入し、凝固をおこなった。ついで熱トルエン中で処理し
てポリエチレン成分を溶解除去し、シート状物を得た。
得られたシート状物を実施例1と同様にして染色したと
ころ、やや硬めであったが、実用的には十分な風合いの
鮮やかに染色されたシート状物が得られ、本発明の優位
性は明らかである。
【0043】比較例5 スルホン酸基含有ジオール(A)を用いる事なく、ポリ
マージオール(B)として数平均分子量2000のポリ
ヘキシレンカーボネート750重量部と数平均分子量2
000のポリブチレンアジペート1250重量部、有機
ジイソシアネート(C1)としてジフェニルメタン−
4,4´−ジイソシアネート200重量部(NCO/O
H=0.8)、及びDMF9684重量部を反応器に投
入し、窒素気流下に所定温度で所定時間反応させ中間体
ジオールを得た。イソシアネート基がなくなった事を確
かめた後、該中間体をGPCを用いて重量平均分子量
(ポリスチレン換算)を測定したところ5.2万であっ
た。上記で得た中間体ジオールのDMF溶液に低分子ジ
オール(E)としてエチレングリコール186重量部、
ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C−
2)842重量部を添加し反応させ、重量平均分子量3
8万のポリウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン
溶液を用い、実施例3と同様にして含浸液とした。さら
に、絡合不織布に上記の含浸液を含浸した立毛面を有し
たシート状物を下記条件で染色したところ繊維部分は染
色されていたが、ポリウレタン部分は十分に染色されて
おらず、見栄えの悪いものであり、実施例3との比較に
おいて本発明のスルホン酸基含有ジオール(A)を用い
る効果は明白である。
【0044】実施例4 スルホン酸基含有ジオール(A)として2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムと酢酸
ビニルの1:1の混合物と3−メルカプト−1,2−プ
ロパンジオールより得られた平均分子量2000のジオ
ール200重量部、ポリマージオール(B)として数平
均分子量1000のポリヘキシレンカーボネート300
重量部と数平均分子量1000のポリブチレンアジペー
ト600重量部、有機ジイソシアネート(C1)として
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレン
ジイソシアネートの混合物(80:20)165重量部
(NCO/OH=0.95)、及びDMF5490重量
部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度で所定時間
反応させ、中間体を得た。イソシアネート基がなくなっ
た事を確かめた後、該中間体をGPCを用いて重量平均
分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ6.5万
であった。上記で得た中間体ジオール(D)のDMF溶
液に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール1
06重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート(C2)461重量部を添加反応し、重量平均分
子量40万のポリウレタン溶液を得た。得られたポリウ
レタン溶液を用いて実施例1と同様にして含浸液に調製
した。実施例1の絡合不織布に上記の含浸液を含浸させ
た後、以後同様にして立毛面を有したシート状物に加工
し染色したところ、鮮やかな色彩に染色され、良好な風
合いの皮革様シート状物が得られ、本発明の優位性は明
白である。
【0045】比較例6 スルホン酸基含有ジオール(A)を用いる事なく、ポリ
マージオール(B)として数平均分子量1000のポリ
ヘキシレンカーボネート333重量部と数平均分子量1
000のポリブチレンアジペート667重量部、有機ジ
イソシアネート(C1)として2,4−トリレンジイソ
シアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合
物(80:20)165重量部(NCO/0H=0.9
5)、及びDMF5190重量部を反応器に投入し、窒
素気流下に所定温度で所定時間反応させ中間体を得た。
イソシアネート基がなくなった事を確かめた後、該中間
体をGPCを用いて重量平均分子量(ポリスチレン換
算)を測定したところ6.2万であった。上記で得た中
間体ジオールのDMF溶液に低分子ジオール(E)とし
てエチレングリコール106重量部、ジフェニルメタン
−4,4´−ジイソシアネート(C2)458重量部を
添加し反応させ、濃度25%、重量平均分子量39万の
ポリウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン溶液を
用い、実施例1と同様にして含浸液とした。さらに、絡
合不織布に上記の含浸液を含浸した立毛面を有したシー
ト状物を下記条件で染色したところ繊維部分は染色され
ていたが、ポリウレタン部分は十分に染色されておら
ず、見栄えの悪いものであり、実施例4との比較におい
て本発明のスルホン酸基含有ジオール(A)を用いる効
果は明白である。
【0046】比較例7 実施例4と同一原料組成を一括して反応器に投入し、窒
素気流下に所定温度で所定時間反応させ、濃度25%、
重量平均分子量40万のポリウレタン溶液を得た。得ら
れたポリウレタン溶液を用い、実施例1と同様に調製し
て含浸液とした。実施例4で用いた絡合不織布に上記の
含浸液を含浸させた後、DMFの25%水溶液中に投入
し、凝固をおこなった。ついで熱トルエン中で処理して
ポリエチレン成分を溶解除去し、厚さ1.4mmのシー
ト状物を得た。得られたシート状物は硬く、手触りの極
めて悪いものであり、皮革様シートとは言い難いもので
あった。このように、スルホン酸基含有ジオール
(A)、ポリマージオール(B)、有機ジイソシアネー
ト(C1)を反応して得た中間体(D)を経る事なく得
られたポリウレタンを用いた場合は風合いの良いシート
は得られず、本発明の中間体(D)を経る技術の優位性
は実施例4との対比において明確である。
【0047】比較例8 実施例4において、有機ジイソシアネート(C1)とし
て2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレ
ンジイソシアネートの混合物(80:20)を35重量
部(NCO/OH=0.20)、及びDMF5540重
量部に変更する以外は同様にして重量平均分子量(ポリ
スチレン換算)1.2万の中間体を得た。上記で得た中
間体ジオール(D)のDMF溶液に低分子ジオール
(E)としてエチレングリコール106重量部、ジフェ
ニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C2)64
7重量部を添加し反応させ、重量平均分子量40万のポ
リウレタン溶液を得た。得られたポリウレタン溶液を用
い、実施例1と同様に調製して含浸液とした。実施例4
で用いた絡合不織布に上記の含浸液を含浸させた後、D
MFの25%水溶液中に投入し、凝固をおこなった。つ
いで熱トルエン中で処理してポリエチレン成分を溶解除
去し、厚さ1.4mmのシート状物を得た。得られたシ
ート状物は硬く、手触りの極めて悪いものであり、皮革
様シートとは言い難いものであった。このように、スル
ホン酸基含有ジオール(A)、ポリマージオール
(B)、有機ジイソシアネート(C1)をNCO/OH
が0.2で反応して得た中間体(D)を経て得られたポ
リウレタンを用いた場合は風合いの良いシートは得られ
ず、本発明のスルホン酸基含有ジオール(A)、ポリマ
ージオール(B)、有機ジイソシアネート(C1)をN
CO/OHが0.5以上で反応して得た中間体(D)を
経る技術の優位性は実施例4との対比において明確であ
る。
【0048】実施例5 スルホン酸基含有ジオール(A)としてスチレンスルホ
ン酸ナトリウムと3−メルカプト−1,2−プロパンジ
オールより得られた平均分子量1100のジオール55
重量部、ポリマージオール(B)として数平均分子量2
000のポリヘキシレンカーボネート600重量部と数
平均分子量2000のポリブチレンアジペート1300
重量部、有機ジイソシアネート(C1)としてジフェニ
ルメタン−4,4´−ジイソシアネート188重量部
(NCO/OH=0.75)、及びDMF10490重
量部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度で所定時
間反応させ中間体を得た。イソシアネート基がなくなっ
た事を確かめた後、該中間体をGPCを用いて重量平均
分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ4.3万
であった。上記で得た中間体ジオール(D)のDMF溶
液に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール2
48重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシア
ネート(C2)1105重量部を添加し反応させ、重量
平均分子量43万のポリウレタン溶液を得た。 得られ
たポリウレタン溶液を用いて実施例2と同様にしてコー
ト液を調製した。実施例4に用いた絡合不織布に上記の
実施例4に用いた含浸液を含浸させた後、上記のコート
液を厚さ0.5mmになる様にコートし、続いてDMF
の25%水溶液中に投入し、凝固をおこなった。ついで
熱トルエン中で処理してポリエチレン成分を溶解除去
し、厚さ2.2mmの風合いの良い銀面付きのシート状
物を得た。えられたシート状物を実施例4と同様にして
染色したところ、鮮やかに染色され、本発明の優位性は
明らかである。
【0049】比較例9 実施例5において、ジフェニルメタン−4,4´−ジイ
ソシアネート(C1)を256重量部(NCO/OH=
1.02)及びDMFを10510重量部に変更する以
外は同様にして重量平均分子量(ポリスチレン換算)2
4万の中間体を得た。上記で得た中間体ジオール(D)
のDMF溶液に低分子ジオール(E)としてエチレング
リコール248重量部、ジフェニルメタン−4,4´−
ジイソシアネート(C2)1042重量部を添加し反応
させ、重量平均分子量41万のポリウレタン溶液を得
た。上記で得たポリウレタン溶液を用いる以外は実施例
5と同様にして銀面付きのシート状物を得たが、銀面の
発泡状態は不良で硬く、風合いの悪い物であった。この
ように、フッソ含有ジオール(A)、ポリマージオール
(B)、有機ジイソシアネート(C1)をNCO/OH
が1.02で反応して得た中間体(D)を経て得られた
ポリウレタンを用いた場合は風合いの良いシートは得ら
れず、本発明のスルホン酸基含有ジオール(A)、ポリ
マージオール(B)、有機ジイソシアネート(C1)を
NCO/OHが0.99以下で反応して得た中間体
(D)を経る技術の優位性は実施例5との対比において
明確である。
【0050】実施例6 スルホン酸基含有ジオール(A)として2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムと酢酸
ビニルの1:1の混合物と3−メルカプト−1,2−プ
ロパンジオールより得られた平均分子量2000のジオ
ール200重量部、ジオール(B)として数平均分子量
2000のポリヘキシレンカーボネート800重量部と
数平均分子量2000のポリブチレンアジペート100
0重量部、有機ジイソシアネート(C1)としてジフェ
ニルメタン−4,4´−ジイソシアネート200重量部
(NCO/OH=0.80)、及びDMF9680重量
部を反応器に投入し、窒素気流下に所定温度で所定時間
反応させ中間体を得た。イソシアネート基がなくなった
事を確かめた後、該中間体をGPCを用いて重量平均分
子量(ポリスチレン換算)を測定したところ4.8万で
あった。上記で得た中間体ジオール(D)のDMF溶液
に低分子ジオール(E)としてエチレングリコール18
6重量部、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネ
ート(C2)840重量部を添加し反応させ、重量平均
分子量39万のポリウレタン溶液を得た。得られたポリ
ウレタン溶液を用いて実施例1と同様にして含浸液を調
製した。実施例4に用いた絡合不織布に上記の含浸液を
含浸、続いてDMFの25%水溶液中に投入し、凝固を
おこなった。ついで熱トルエン中で処理してポリエチレ
ン成分を溶解除去し、シート状物を得た。得られたシー
ト状物はやや硬めであったが、実用的には十分であり、
実施例4と同様に染色試験を行ったところ鮮明に染色さ
れたシート状物が得られ、本発明の優位性は明らかであ
る。
【0051】
【発明の効果】本発明の皮革様シートは、力学特性、耐
久性などの諸物性、加工適性に優れ、かつカチオン染料
に染色可能なポリウレタン樹脂を用いているため、表面
ヌメリ性、風合、柔軟性、耐寒性、耐熱性、耐久性に優
れたカチオン染料で染色可能な皮革様シートであり、カ
チオン染料で染色することにより、優れた発色性と耐久
性を有し、衣料、靴、鞄、家具、車両内装材、雑貨など
など各種用途に有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるスルホン酸基
    含有化合物のX成分を一般式(II)で示されるジオール
    で実質的に置換して得られたスルホン酸基含有ジオール
    (A)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリラクト
    ンおよびポリエーテルよりなる群より選ばれた数平均分
    子量が500〜3000のポリマージオール(B)と有
    機ジイソシアネート(C1)とをNCO/OHの当量比
    が0.5〜0.99となる様な量的関係で反応して得ら
    れた末端OHの中間体ジオール(D)と、低分子ジオー
    ル(E)、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネ
    ート(C2)とを反応せしめる事により得られたポリウ
    レタンと繊維構造体とからなる事を特徴とするカチオン
    染料染色性の皮革様シート。 【化1】 (但し、XはOH基もしくはオキシアルキル基) HO−R−OH …………(II) (但し、Rは分子量400以下のアルキレン基もしくは
    ポリオキシアルキレン基)
  2. 【請求項2】ジメチロールプロピオン酸および/または
    2個の水酸基および1個のチオール基を含有する化合物
    の存在下にスルホン酸基含有ラジカル重合性モノマーを
    重合して得られたスルホン酸基含有ジオール(A)、ポ
    リエステル、ポリカーボネート、ポリラクトンおよびポ
    リエーテルよりなる群より選ばれた数平均分子量が50
    0〜3000のポリマージオール(B)と有機ジイソシ
    アネート(C1)とをNCO/OHの当量比が0.5〜
    0.99となる様な量的関係で反応して得られた末端O
    Hの中間体ジオール(D)と、低分子ジオール(E)、
    ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(C
    2)とを反応せしめる事により得られたポリウレタンと
    繊維構造体とからなる事を特徴とするカチオン染料染色
    性の皮革様シート。
JP05002504A 1992-10-28 1993-01-11 カチオン染料染色性の皮革様シート Expired - Fee Related JP3128372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05002504A JP3128372B2 (ja) 1992-10-28 1993-01-11 カチオン染料染色性の皮革様シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-289961 1992-10-28
JP28996192 1992-10-28
JP05002504A JP3128372B2 (ja) 1992-10-28 1993-01-11 カチオン染料染色性の皮革様シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06192968A JPH06192968A (ja) 1994-07-12
JP3128372B2 true JP3128372B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=26335889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05002504A Expired - Fee Related JP3128372B2 (ja) 1992-10-28 1993-01-11 カチオン染料染色性の皮革様シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128372B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4552133B2 (ja) * 2005-03-30 2010-09-29 東洋紡績株式会社 ポリウレタン樹脂を表面層に有する導電性ロールおよびそれを用いた電子写真装置
JP4941410B2 (ja) * 2007-06-18 2012-05-30 東レ・オペロンテックス株式会社 ポリウレタン系弾性糸およびそれを用いてなる伸縮性布帛
JP2009242523A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Asahi Kasei Corp イオン交換不織布
TWI655334B (zh) 2015-03-17 2019-04-01 日商可樂麗股份有限公司 經陽離子染料染色之絨毛狀人工皮革及其製造方法
WO2019159728A1 (ja) 2018-02-19 2019-08-22 株式会社クラレ 立毛調人工皮革
CN110498900B (zh) * 2019-09-10 2021-07-16 浙江华峰合成树脂有限公司 高黑色展色性革用聚氨酯树脂及其制备方法
CN115233331A (zh) * 2022-07-27 2022-10-25 连云港杜钟新奥神氨纶有限公司 一种生物基氨纶纤维及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06192968A (ja) 1994-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0673962B1 (en) Porous polyurethane sheet
GB2033445A (en) Method of preparing a composite sheet material
US3664979A (en) Polyurethane elastomer and method for preparation of same
JP3285583B2 (ja) ポリウレタン及び該ポリウレタンを使用した皮革様シート
JP3128372B2 (ja) カチオン染料染色性の皮革様シート
EP0584511B1 (en) Process for the preparation of a composite textile material
EP1323859B1 (en) Procedure for the preparation of a highly durable composite textile material workable at high temperature
JP4350261B2 (ja) 撥水・撥油・帯電防止性能に優れた皮革様シート
JP3128375B2 (ja) カチオン染料染色性皮革様シート
JP3142100B2 (ja) シート状物及びその製造方法
JP3128373B2 (ja) ポリウレタン及び皮革様シート
JP3209367B2 (ja) 透湿性防水布帛の製造方法
US5679418A (en) Polyurethane and leather-like sheet utilizing the same
JP3121457B2 (ja) 耐汚染性の良い皮革様シート
JP2001019735A (ja) ポリウレタン樹脂およびこれを用いた皮革様シート状物
JP3156942B2 (ja) 皮革様シート状物
JP2000303368A (ja) スエード調皮革様シート
JP3059259B2 (ja) 皮革様シート状物
JP3142102B2 (ja) ポリウレタン組成物および多孔質シート状物
JPH1192656A (ja) 耐黄変性に優れたポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた皮革様シート
JP3121460B2 (ja) 皮革様シート状物
JP3142097B2 (ja) 酸性染料により染色可能な銀面を有した皮革様シート状物
JP2000199184A (ja) 皮革様シ―トおよびその製造方法
JP3410602B2 (ja) シートおよびその製造方法
JP4083317B2 (ja) 銀面層付皮革様シートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees