JPH1192656A - 耐黄変性に優れたポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた皮革様シート - Google Patents

耐黄変性に優れたポリウレタン樹脂組成物及びこれを用いた皮革様シート

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JPH1192656A
JPH1192656A JP25816197A JP25816197A JPH1192656A JP H1192656 A JPH1192656 A JP H1192656A JP 25816197 A JP25816197 A JP 25816197A JP 25816197 A JP25816197 A JP 25816197A JP H1192656 A JPH1192656 A JP H1192656A
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JP
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polyurethane resin
weight
sheet
leather
resin composition
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JP25816197A
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Yoshihiro Tanba
善博 丹波
Jiro Tanaka
次郎 田中
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光、熱、酸素、窒素酸化物および硫黄酸化物
等に対して良好な耐黄変性を示す、特定の構造を有する
ポリウレタン樹脂複合体、及び該ポリウレタン樹脂複合
体を利用した耐黄変性の良好な実質的に白色のスェード
調皮革様シートを提供する。 【解決手段】 ポリマーポリオール(A)、鎖伸長剤
(B)、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート(C)からなるポリウレタン樹脂(I)、特定の
構造を有するヒドラジン系化合物(II)及び二酸化チ
タン(III)からなり、(I)、(II)、(II
I)の重量組成比が下記関係を満足することを特徴とす
るポリウレタン樹脂複合体と該ポリウレタン樹脂複合体
が繊維質基体に含浸または塗布されていることを特徴と
する、実質的に白色のスェード調皮革様シート。 0.003 ≦(II)/[(I)+(II)+(I
II)]≦0.15 0.03 ≦(III)/[(I)+(II)+
(III)]≦0.50

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の添加剤の存
在下で良好な耐黄変性を示す、特定の構造を有するポリ
ウレタン樹脂組成物、及び該ポリウレタン樹脂組成物を
利用した良好な耐黄変性を示す皮革様シートに関するも
のであり、特に白色系のスェード調人工皮革に好適に適
用される。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンのハードセグメントを構成
するジイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートを使用したポリウレタン樹脂、及び
該ポリウレタン樹脂を使用した皮革様シートは、その良
好な力学的特性と低コストのため多くの用途に使用され
ている。とりわけ該ポリウレタンの溶液を繊維質基体に
含浸または塗布し、湿式凝固あるいは乾式造面して得た
繊維構造体の表面を毛羽立たせることにより表面に立毛
を形成したり、ポリウレタンを主体とする銀面仕上げ層
を付与して得られた皮革様シートは、外観や風合い等が
天然皮革に酷似しているため、天然皮革の代替品として
広く一般に使用されている。そして、このような皮革様
シートは使用目的やユーザーの要求に応じ、淡色から濃
色まで各種の色のものが生産されている。これらのう
ち、白色あるいは淡色の皮革様シートの場合には、その
皮革様シート自体や、それより作製した靴、鞄等の二次
製品が、保管または展示などしている間に、さらにはこ
れら二次商品を使用している間に、光、あるいは燃焼ガ
ス等の影響で黄色に変色し、商品価値を大きく損なう欠
点がある。このような欠点を改良する手段として、ポリ
ウレタンに連鎖開始阻害剤、ラジカル連鎖禁止剤あるい
は過酸化物分解剤等の安定剤等を単独または混合の形で
配合する方法、ポリウレタンに結合させる方法が多数提
案されている。例えば、特公昭57-49653号公報において
は、ヒンダードフェノール系化合物と亜燐酸エステルを
用いてポリウレタンの耐候性向上を図っているし、安定
剤としてヒンダードアミン化合物を使用することが特公
昭57-58469号公報、特公昭59-51632号公報、特公昭59-5
1633号公報、特公昭62-49883号公報などに提案されてい
る。
【0003】さらに特公昭61-30075号公報には、二酸化
チタンを含むポリウレタンにヒドロキシカルボン酸また
はジカルボン酸を含有させることにより耐黄変性が改良
されることが記載されており、また特公平5-65621号公
報には特定の構造を有するベンゾトリアゾール系化合物
とヒドラジン系化合物との混合物をポリウレタンまたは
繊維複合体シートに含浸または塗布することによる耐光
性改良方法が記載されている。一方、特公平6-37753号
公報には含金錯塩染料により染色したスェード調人工皮
革の表面に、耐光安定剤としてヒンダードフェノール系
化合物及びヒンダードアミン系化合物を付与する方法が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のポ
リウレタン樹脂組成物およびそれを使用した皮革様シー
トの黄変性の改良には、主に安定剤をポリウレタンや皮
革様シートに配合する方法と、ポリウレタンに安定剤を
結合させる方法が主に行われてきた。しかし、上記の安
定剤の多くは耐黄変性の効果が十分でない上に、ポリウ
レタンとの親和性がないため、ポリウレタンに配合した
安定剤が表面にマイグレーションして脱落したり、皮革
様シートを製造する工程、例えば、ポリウレタン溶液の
湿式凝固及び溶剤洗浄工程(脱溶剤工程)、柔軟、染色
及び仕上処理工程などにおける化学的作用あるいは物理
的作用による安定剤の変質等によって、安定剤の効果が
減少したり、あるいは安定剤自身の変質に伴う変色など
好ましくない状態を惹起することがある。
【0005】さらに繊維シートを構成する繊維が比表面
積の大きい極細繊維の場合には、繊維の黄変との相乗効
果のため、耐黄変性の向上には限界があった。例えば上
記記載の方法を、ナイロン繊維とポリウレタン樹脂を使
用した白色のスェード調の人工皮革に適用した場合、ブ
ラックパネル63℃での低温カーボンアーク法耐光試験
での耐光性が6級以上かつNOxガス暴露後(10000ppmに2
時間)の黄変性Δbが3.0以下であるようなスェード調
の皮革様シートは到底作製不可能であった。このような
状況に鑑み本発明は、特定の添加剤の存在下で光、熱、
酸素、窒素酸化物および硫黄酸化物等に対して良好な耐
黄変性を示す、特定の構造を有するポリウレタン樹脂組
成物、及び該ポリウレタン樹脂組成物を利用した耐黄変
性の良好な実質的に白色のスェード調皮革様シートを提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リマーポリオール(A)、鎖伸長剤(B)および4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(C)からな
るポリウレタン樹脂(I)、下記一般式化4で表される
基を含有するヒドラジン系化合物(II)及び二酸化チ
タン(III)からなり、(I)、(II)、(II
I)の重量組成比が下記関係を満足することを特徴とす
るポリウレタン樹脂組成物、好ましくは下記化4で表さ
れる単位を有するポリウレタン樹脂組成物であり、更に
該ポリウレタン樹脂組成物が、繊維質基体に含浸または
塗布されていることを特徴とする、実質的に白色のスェ
ード調皮革様シートに関するものである。 0.003 ≦(II)/[(I)+(II)+(I
II)]≦0.15 0.03 ≦(III)/[(I)+(II)+
(III)]≦0.50
【0007】
【化3】 R1 、R2 はアルキル基、アリール基、またはR1とR2
が一体化してアルキレン基またはアリーレン基を示す。
【0008】
【化4】 3はアルキル基またはアリール基をR4、R5はアルキ
レン基またはアリーレン基を示す。
【0009】本発明において、ポリウレタン樹脂を構成
するポリマーポリオール(A)としては、例えばポリカー
ボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリラクト
ンジオール、ポリエーテルジオール等のポリマージオー
ル(a)、あるいは上記ポリマージオール群より選ばれる
少なくとも一種と短鎖ジオール(d)の混合物を有機ジイ
ソシアネート(e)と反応させて得られる、実質的に末端
がOHである一種のセミプレポリマー(b)、または上記ポ
リマージオール(a)と該セミプレポリマー(b)との混合物
(f)があげられる。ポリマージオール(a)の数平均分子量
は500〜5000であるが、より好適には700〜2
500の範囲が選ばれる。500未満であるとポリウレ
タンの柔軟性が失われるとか、耐熱性が低下するとかの
傾向にあり、好ましくない。逆に、5000を越えたも
のは、必然的にウレタン基濃度が低下するためか、力学
的物性、柔軟性、耐寒性、耐熱性、耐久性のバランスの
とれたウレタンが得にくいのみならず、該ポリマージオ
ールの工業的製法に難点があり、好ましくない。
【0010】ポリカーボネートジオールは、例えばカー
ボネート化合物とジオールとを反応させて得ることがで
きる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネ
ート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート
などを用いることができる。ジオールとしては低級アル
コールで、置換されていても良いエチレングリコール、
プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ
ール、デカンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族
ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレング
リコールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール
などの芳香族ジオールなどの一種もしくは2種以上の混
合物が用いられるが、中でも脂肪族ジオールが、とりわ
けブタンジオール、メチルペンタンジオール、ヘキサン
ジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナ
ンジオールなどの炭素鎖長が4〜9の脂肪族ジオールの
1種もしくは2種以上の混合物が耐寒性、柔軟性の点で
好適に用いられる。
【0011】本発明に使用されるポリエステルジオール
は、例えば二塩基酸とジオールとを反応させて得ること
ができる。二塩基酸としてはコハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ブラシル酸のような脂肪族二塩基酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族二塩基酸の1種もしくはそれらの組み合わせで用
いることができる。なかでも脂肪族二塩基酸が、とりわ
けアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸などのメチレン鎖長が4〜8の二塩基酸
が柔軟性、経済性の点で更に好適に用いられる。ジオー
ルとしては、低級ジオールで、置換されていても良いエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオー
ル、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジ
オール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジ
オールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジオー
ル、水添キシリレングリコールなどの脂環式ジオール、
キシリレングリコールなどの芳香族ジオールなどの1種
もしくはそれらから選ばれる2種以上の混合物が耐寒
性、柔軟性、耐久性の点で用いられるが、中でも脂肪族
ジオールが、とりわけブタンジオール、メチルペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オク
タンジオール、ノナンジオールなどの炭素鎖長が4〜9
の脂肪族ジオールの1種もしくはそれらから選ばれる2
種以上の混合物が耐寒性、柔軟性、耐久性の点で好適に
用いられる。
【0012】ポリラクトンジオールとしては、例えばポ
リ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ−トリメチル−
ε−カプロラクトンジオール、ポリ−β−メチル−δ−
バレロラクトンジオールなどが挙げられる。ポリエーテ
ルジオールとしては、例えばポリテトラメチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等が挙げられる。
【0013】セミプレポリマー(b)は短鎖ジオール(d)と
ポリマージオール(a)の混合物を有機ジイソシアネート
(e)とNCO/OHの当量比が0.3〜0.99となるような
量的関係で反応させて得られる。NCO/OHの当量比が0.
3未満であると、セミプレポリマー(b)に組み込まれる
ウレタン結合量が少なすぎたり、さらには分子量が小さ
くなりすぎるためか、得られたポリウレタン樹脂複合体
の柔軟性、耐寒性、耐熱性のバランスがとれにくく、本
発明の効果が十分に得られない。
【0014】セミプレポリマー(b)に使用される短鎖ジ
オール(d)としては、低級アルコールで置換されていて
も良いエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタ
ンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オ
クタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ド
デカンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサン
ジオール、水添キシリレングリコールなどの脂環式ジオ
ール、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールなど
の一種もしくは2種以上の混合物が用いられるが、中で
も脂肪族ジオールが、とりわけブタンジオール、メチル
ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオー
ル、オクタンジオール、ノナンジオールなどの炭素鎖長
が4〜9の脂肪族ジオールの1種もしくは2種以上の混
合物が耐寒性、柔軟性、耐久性の点で好適に用いられ
る。また短鎖ジオール(d)とポリマージオール(a)の混合
比は特に制限はないが、短鎖ジオール(d)とポリマージ
オール(a)がモル比で(d):(a)=1:10〜10:1の範囲が耐寒
性、柔軟性の点で選ばれる。
【0015】セミプレポリマー(b)を構成する有機ジイ
ソシアネート(e)としては、例えば、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4−または2,6−
トリレンジイソシアネート、メタまたはパラフェニレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
トなどの非芳香族ジイソシアネートなどが用いられる
が、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが、黄変
性、低温特性の点で好適に使用される。
【0016】セミプレポリマー(b)を作製する場合に溶
剤は特に必要ないが、NCO/OHが1に近い場合などセミプ
レポリマー(b)の粘度が高く、取り扱いにくい場合には
溶剤中で反応させてもよい。そのような溶剤としては、
例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
Nーメチルピロリドン、トルエン、酢酸エチル、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフランなど通常使用されて
いる溶剤が用いられる。
【0017】また本発明では、分子量が500未満の低
分子ジオールを、本発明の目的を損なわない範囲で、ポ
リマージオール(a)、セミプレポリマー(b)、ポリマージ
オール(a)とセミプレポリマー(b)との混合物(f)のそれ
ぞれに対して混合して用いることは何ら制限はないが、
エチレングリコール、ブタンジオール、へキサンジオー
ルなどの低分子直鎖ジオール、キシリレングリコールな
どの芳香族ジオ−ルのごとき通常は鎖伸長剤として使用
される成分は、実質的には含まない方がポリウレタン樹
脂の力学的物性、柔軟性、耐寒性などの点で好ましい。
【0018】本発明のポリウレタン樹脂のハードセグメ
ントに使用されるジイソシアネートの種類は、経済性、
工程通過性の点から 4,4−ジフェニルメタンジイソ
シアネート(C)が望ましい。4,4−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(C)の使用量には特に制限はな
く、ポリウレタン溶液の粘度、ポリマージオールの分子
量、反応溶媒、ポリマージオール、低分子ジオール中に
含まれる水分などにもよって異なるが、通常は得られる
ポリウレタンの樹脂の機械的強度やポリウレタンの樹脂
溶液の貯蔵安定性の点でNCO/OH当量比が0.90〜
1.2、より好ましくは0.95〜1.10である。ま
た、本発明の効果を損なわない範囲で、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(C)と他のイソシアネー
トを併用することも可能である。そのようなイソシアネ
ートとしては、2,4−または2,6−トリレンジイソ
シアネート、メタまたはパラフェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの非芳香族
ジイソシアネートなどが用いられる。
【0019】鎖伸長剤(B)としては、低級アルコール
で置換されていても良いエチレングリコール、プロピレ
ングルコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプ
タンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デ
カンジオール、ドデカンジオールなどの脂肪族ジオー
ル、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリコー
ルなどの脂環式ジオール、キシリレングリコールなどの
芳香族ジオール、さらにはジエチレングリコールなどの
一種もしくは二種以上の混合物が用いられるが、中でも
脂肪族ジオールが、とりわけエチレングリコール、ブタ
ンジオールが、得られるポリウレタン樹脂組成物及び皮
革様シートの風合い、柔軟性、耐熱性などのバランス面
で好適に使用される。その使用量は特に制限はないが、
その分子構造、ポリマーポリオール(A)成分の配合
量、分子量、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(C)の使用量、NCO/OH当量比によっても異なる
が、通常はポリマーポリオール(A)に対し、(B)/
(A)の当量比で0.4〜20程度が、得られるポリウ
レタン樹脂複合体及び皮革様シートの風合い、柔軟性、
耐寒性、耐熱性の面で好適である場合が多い。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂中には下記一般
式化5で表される3級アミノ基が含有されていることが
耐光性の点で望ましい。3級アミノ基をポリウレタンに
導入する方法としては特に制限はないが、次の(1)〜(3)
の方法が代表例として挙げられる。 (1)ポリマーポリオール(A)として使用しても良いポ
リマージオール(a)のうち、ポリエステルジオールまた
はポリカーボネートジオール製造時に二塩基酸と反応さ
せるべき低分子ジオールの全部あるいは一部として、3
級アミノ基含有ジオール(g)を使用する方法。 (2)ポリマーポリオール(A)として使用しても良いセ
ミプレポリマー(b)製造時に、ポリマージオール(a)と混
合して有機ジイソシアネート(e)と反応させるべき短鎖
ジオール(d)の全部あるいは一部として3級アミノ基含
有ジオール(g)を使用する方法。 (3)鎖伸長剤(B)の全部あるいは一部に3級アミノ基
含有ジオール(g)を使用する方法。 この中でも特に上記(2)の方法が、得られるポリウレタ
ン樹脂組成物及び皮革様シートの柔軟性、耐寒性、耐熱
性の面で好適である。
【0021】
【化5】 (ただし、R3はアルキル基またはアリール基、R4、R
5はアルキレン基又はアリーレン基を示す)
【0022】上記化5においてR3としては1〜6の低
級アルキル基又はフェニル基が好ましく、R4、R5とし
ては炭素数1から6の直鎖アルキレン基が好ましい。こ
のような3級アミノ基含有ジオール(g)の例としては、
例えば次のようなものが挙げられる。
【0023】
【化6】 (ただし、Yは水素原子又は同一もしくは異なる炭素数
1〜6の低級アルキル基、R6は同一又は異なる炭素数2
〜6の低級アルキレン基、R7は炭素数1〜6の低級アル
キル基又はフェニル基、nは1〜10の整数である。
【0024】
【化7】 (ただし、R8は炭素数1〜6の低級脂肪族アルキル基
又はフェニル基である)
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】 (ただし、R10は分岐を有していても良い炭素数2〜1
2のアルキレン鎖、R11は炭素数1〜6のアルキル基、R
12は炭素数1〜6のアルキル基、またはR11とR12が一
緒になって作られる炭素数2〜12のアルキレン基、R9
は分岐を有していても良い炭素数2〜12のアルキル
基、Xは2〜6の整数である)
【0027】3級アミノ基の含有量は、ポリウレタンに
対して3級アミノ基として1〜1000μeq/g含有す
ることが耐光性の点で望ましく、中でも1.5〜500
μeq/gであることが望ましい。
【0028】本発明におけるポリウレタン樹脂組成物に
は、下記一般式化10で表される基を含有するヒドラジ
ン系化合物(II)が含まれていることが耐光性、耐ガ
ス黄変性の点で必要である。
【0029】
【化10】 1 、R2 はアルキル基、アリール基、アルキレン基ま
たはアリーレン基を示す。
【0030】このような化合物の例としては、例えばビ
ュレットリートリ(ヘキサメチレンーN,Nージメチルセ
ミカルバジド)、1,6−ヘキサメチレンビス(N,Nジ
メチルセミカルバジド)、1,1,1',1'-テトラメチルー4,
4'(メチレンージーP−フェニレン)ジセミカルバジド
等のセミカルバジド系化合物があげられる。ヒドラジン
系化合物(II)の存在量は、得られるポリウレタン樹
脂組成物に対して0.3〜15重量%であることが必要であ
り、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。ヒドラジ
ン系化合物(II)の量が重量0.3%より少ないと、得ら
れるポリウレタン樹脂組成物、及び該ポリウレタン樹脂
組成物を使用した実質的に白色の皮革様シートの黄変性
が不良となるし、逆に15重量を越えると、黄変性は良好
であるが、ポリウレタン樹脂組成物及びそれを用いた実
質的に白色の皮革様シートの柔軟性、タッチに悪影響を
及ぼすため好ましくない。
【0031】本発明において白色系の色調を得る為にポ
リウレタン組成物には二酸化チタンが添加されるが、本
発明で使用する二酸化チタン(III)は、金鉱石、鋭
錐石、イルメナイトなどの原料から通常の硫酸法、塩素
法等で製造されるアナターゼ型またはルチル型二酸化チ
タンであるが、天然雲母と二酸化チタンから作られる二
酸化チタン皮膜雲母等の実質的に二酸化チタンを含有す
る白色顔料も使用できる。二酸化チタン(III)の存
在量は、得られるポリウレタン樹脂組成物に対して3〜5
0重量%であることが望ましく、より好ましくは5〜25重
量%の範囲である。二酸化チタン(III)の量が3重
量%より少ないと、得られるポリウレタン樹脂組成物、
及び実質的に白色の皮革様シートの黄変性が不良となる
し、逆に50重量%を越えると黄変性は良好であるが、ポ
リウレタン樹脂組成物、及び実質的に白色の皮革様シー
トの機械的強度、柔軟性、タッチに悪影響を及ぼすため
好ましくない。また、本発明で使用する二酸化チタン
(III)は、本発明の効果を損なわない範囲で亜鉛
華、鉛白、二酸化珪素等の無機白顔料と混合して使用す
ることができる。
【0032】本発明ではヒドラジン系化合物(II)と
二酸化チタン(III)の両成分が必須である。ヒドラ
ジン系化合物(II)だけを使用した場合は、耐光性は
良好であるがNOx黄変等のガス黄変に十分な効果が得ら
れにくく、逆に二酸化チタン(III)だけを使用した
場合には、耐光性に十分な効果が得られにくくなる。
【0033】本発明で得られるポリウレタン樹脂を重合
する際に触媒は必ずしも必要ではないが、通常のポリウ
レタンの製造に用いられる触媒類、例えばチタンテトラ
イソプロポキサイド、ジブチル錫ジラウリレート等の金
属化合物、テトラメチルブタンジアミン、1,4−ジア
ザビシクロ(2,2,2)オクタンなどの3級アミンな
どを用いることができる。
【0034】本発明で得られるポリウレタン樹脂組成物
の溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、Nーメチルピロリドン、トルエン、酢
酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランな
ど通常使用されている溶剤が用いられる。
【0035】本発明で得られるポリウレタン樹脂組成物
を使用する場合、本発明の効果を損なわない範囲で従来
のポリウレタンに使用される各種添加剤、例えば燐系化
合物、ハロゲン含有化合物などの難燃剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、顔料、染料、可塑剤、界面活性剤などを
添加することができる。
【0036】本発明ポリウレタン樹脂組成物を皮革様シ
ートに用いる際の、皮革様シートを構成する繊維質基体
は、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル等の合成
繊維、または羊毛などの天然繊維から得られる編布、織
布、不織布、3次元絡合した平均繊度0.1デニール以
下の極細繊維束などからなる布帛等のいずれも使用する
ことができる。中でも3次元絡合した平均繊度0.1デ
ニール以下の極細繊維からなる不織布が風合い、タッ
チ、外観の高級性の点で好適に適用できる。このような
極細繊維は、公知のポリアミド樹脂又はポリエステル樹
脂を含む2種類以上のポリマー成分よりなる極細繊維発
生型繊維から導くことができる。ここで極細繊維発生型
繊維に用いるポリアミド樹脂は、例えば6−ナイロン、
6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、その他芳香族
基を有する可紡糸性ポリアミドから選ばれた少なくとも
1種類のポリアミドであり、ポリエステル樹脂は、スル
ホイソフタル酸等で変性されていても良いポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートその他可
紡糸性ポリエステルから選ばれた少なくとも1種類のポ
リエステルである。
【0037】一方、極細繊維発生型繊維を構成する他の
ポリマーは、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂と溶
剤や分解剤に対する溶解性や分解性を異にし、ポリアミ
ド樹脂又はポリエステル樹脂と親和性の少ない樹脂であ
り、かつ紡糸条件下でポリアミド樹又はポリエステル樹
脂脂のそれより小さい溶融粘度を有する樹脂であれば特
に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンーアクリル酸エステル共重合
体、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体の水素添加物など
から選ばれる。そしてポリアミド又はポリエステル樹脂
と他のポリマーからなる繊維は、所定の混合比で混合
し、同一溶解系で溶解し、混合系を形成して紡糸する方
法、また別々の溶解系でそれぞれのポリマーを溶解し、
紡糸機ヘッド部で接合−分割を複数回繰り返して混合系
を形成して紡糸する方法、さらには別々の溶解系で溶解
し、紡糸機口金部で繊維形状を規定して紡糸する方法等
により、繊維中に占めるポリアミド樹脂成分が40〜8
0重量%であって、繊維中のポリアミド極細繊維成分が
5本以上、好ましくは50〜800本の範囲にあるポリ
アミド極細繊維発生型繊維を得る。極細繊維発生型繊維
は必要により、延伸、熱固定など通常の繊維の処理工程
を経て、繊度2〜15デニール、ポリアミド極細繊維成
分の平均繊度(計算値)0.2デニール以下、好ましく
は0.005〜0.1デニールの繊維とする。
【0038】極細繊維発生型繊維はカードで開繊し、ウ
エバーを通してランダムウエブまたはクロスラップウエ
ブを形成し、得られた繊維ウエブは所望の重さ、厚さに
積層する。ついで繊維ウエブは従来公知の方法でニード
ルパンチ、ウオータージェット、エアージェット等によ
る繊維の絡合処理を施して繊維絡合不織布とする。
【0039】ついで、該不織布は、上記で得られたポリ
ウレタン樹脂の溶液に要すれば凝固調節剤、離型剤、可
塑剤、安定剤、酸化防止剤、耐光防止剤、顔料、染料等
を本発明の効果を損なわない範囲で加えて得た組成液を
含浸または塗布し、湿式凝固あるいは乾式凝固する。極
細繊維発生型繊維の場合は、繊維絡合不織布への組成液
の含浸または塗布に先だって、あるいは含浸または塗布
後、極細繊維発生型繊維を構成する一方の樹脂の溶剤か
つ他方の樹脂の非溶剤で処理し極細繊維を得る。このよ
うにして得られたシート状物に占めるポリウレタン樹脂
の量は特に制限はないが、重量分率で10〜60%、な
かでも15〜45%で用いられる場合が多い。ポリウレ
タン樹脂の使用量が少ないとどちらかというと腰がない
風合いとなり10%未満であるとそれが顕著となる。一
方、ポリウレタン樹脂の使用量が多いと硬くなったり、
膨らみのない風合いとなりやすく、60%を越えて用い
られるとその傾向が顕著となる。
【0040】この様にして作られたシートは、少なくと
も一面にサンドペーパーなどによる起毛処理を施して、
実質的に白色の繊維立毛スェード調皮革様シートとす
る。また、任意の段階で厚さ方向に任意の厚さにスライ
ス分割することもできる。更に消費者の好みに合わせた
微妙な白度調整を行う場合には、蛍光染料、微量の酸性
染料、含金属錯塩染料、硫化染料、スレン染料または直
接染料で染色してもよいし、風合いのソフト化の目的
で、液流染色機等による柔軟加工を施してもよい。なお
本発明において、スェード調皮革様シートとして、L*a*
b*表色系で表現されたL*が70以上かつa*、b*の絶対値が
5を越えない物が、ポリウレタンが黄変した場合に変色
が顕著に目立つことより、このような白色程度を有する
スェード調皮革様シートが本発明において優れている。
【0041】以下に実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はそれに限定されるものではな
い。
【0042】実施例1 数平均分子量2000のポリヘキシレンカーボネートジ
オール500重量部と数平均分子量2000のポリメチ
ルペンタンアジペートジオール200重量部、3級アミ
ノ基含有ジオール(g)としてのN−メチルジエタノールア
ミン17.9重量部、有機ジイソシアネート(e)として
の1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート71.4重
量部(NCO/OH=0.85)、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)300重量部を反応器中に投入し、窒素気流
化に110℃で2時間反応させ、ポリマーポリオール
(A)としての3級アミノ基含有セミプレポリマー(b)
のDMF溶液を得た。イソシアネート基がなくなったこ
とを確認後、該3級アミノ基含有セミプレポリマー
(b)のDMF溶液の粘度を測定したところ、70℃で6
80psであった。上記で得た3級アミノ基含有セミプ
レポリマー(b) のDMF溶液に、鎖伸長剤(B)としての
エチレングリコール58.9重量部 、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI) 257重量部、及
びDMF 3016重量部を添加し反応させ、濃度25重量
%、重量平均分子量(ポリスチレン換算;DMF溶液)4
0万のポリウレタン溶液を得た。
【0043】得られたポリウレタン溶液100重量部に
対して、DMFに分散させた固形分濃度60重量%の二
酸化チタンマスターバッチ(二酸化チタン含有量:50
重量%)を10重量部添加後、ポリエチレンシート上に
厚さ1mmとなるように流延し、DMFの25重量%水溶液中
に投入した。30分後、得られたポリウレタンシートを
ポリエチレンシートから離型させ、十分に水洗した後に
乾燥させた。次いでヒドラジン系化合物(II)として
の1,6−ヘキサメチレンビス(N,Nジメチルセミカル
バジド)の5重量%溶液中に浸漬し、固形分付着量が3
重量%となるように含液率を調整した後、乾燥した。上
記で得られた白色のポリウレタンシートをブラックパネ
ル温度63℃のカーボンアーク型フェード試験機中で8
0時間暴露し、変褪色の程度をグレースケール(JISL−
0804-74)にて判定した結果、十分に6級を確保してい
た。また、濃度10000ppmのNOxガスに2時間暴露後に黄
変性Δbを測定した結果は、Δb=1.6であった。
【0044】実施例2〜5 比較例1〜3 実施例1と同様の方法で作製したポリウレタン溶液を使
用し、二酸化チタンマスターバッチの量とヒドラジン系
化合物(II)の種類と量を表1に記載の量と種類だけ
使用する以外は実施例1と同様の方法でポリウレタンシ
ートを作製した。これらのポリウレタンシートの耐光
性、NOxガス黄変性を実施例1と同様の方法で測定し、
表1に示す結果を得たが、本発明品の優位性は明らかで
ある。
【0045】
【表1】
【0046】なお、表1において用いたヒドラジン化合
物A,B,Cはそれぞれ下記化11、化12、化13の
化合物を表わす。
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】実施例6 実施例1と同様の方法で作製した濃度25重量%、重量
平均分子量(ポリスチレン換算;DMF溶液)42万のポ
リウレタン溶液100部に、DMFに分散させた固形分
濃度60重量%の二酸化チタンマスターバッチ(二酸化
チタン含有量:50重量%)10重量部、ジメチルシロ
キサン含有ポリオキシエチレン系界面活性剤1重量部を
添加して含浸液とした。一方、6−ナイロン60重量部
と高流動性のポリエチレン40重量部を混合溶融紡糸し
て得られた極細繊維発生型繊維(6−ナイロンが極細繊
維成分)のステープル繊維を用いてウエブを作り、重量
650g/m2、厚さ2.2mmのニードルパンチ絡合不
織布とした。この絡合不織布に上記の含浸液を含浸させ
た後、DMFの25重量%水溶液中に投入し凝固を行っ
た。次いで熱トルエン中で処理してポリエチレン成分を
溶解除去し、厚さ1.35mmのシート状物を得た。この
シート状物をスライス2分割し、分割面をサンドペーパ
ーでバフィングして厚み0.54mmに調節した。さらに
凝固時の表面をエメリーバフ機で処理して繊維立毛面を
形成した。
【0051】上記繊維立毛面を有したシート状物を1,
6−ヘキサメチレンビス(N,Nジメチルセミカルバジ
ド)の5重量%溶液中に浸漬し、1,6−ヘキサメチレ
ンビス(N,Nジメチルセミカルバジド)の固形分付着量
が3重量%となるように含液率を調整後乾燥し、凝固時
の表面をエメリーバフ機で処理してスェード調外観に仕
上げた。このようにして作成した実質的に白色のスェー
ド調皮革様シートを実施例1と同様の方法で耐光性、NO
xガス黄変性を測定したところ、耐光性は7級以上、NOx
ガス暴露後のΔbは0.9と極めて優れた性能を有してい
た。
【0052】実施例7、8 比較例4〜6 実施例1と同様の方法で作製したポリウレタン溶液を使
用し、二酸化チタンマスターバッチの量とヒドラジン系
化合物(II)の種類と量を表2に記載の量と種類だけ
使用する以外は実施例6と同様の方法で白色のスェード
調皮革様シートを作成した。これらの皮革様シートの耐
光性、NOxガス黄変性を実施例1と同様の方法で測定
し、表2に示す結果を得たが、本発明品の優位性は明ら
かである。
【0053】
【表2】
【0054】実施例9 ポリマーポリオール(A)として数平均分子量2000の
ポリブチレンアジペート600重量部と数平均分子量2
000のポリエチレンアジペート400重量部の混合物
を使用し、鎖伸長剤(B)としてのエチレングリコール
93重量部、及びMDI501重量部をDMF 4780重量
部中で反応させ、濃度25重量%、重量平均分子量(ポ
リスチレン換算;DMF溶液)36万のポリウレタン溶液
を得た。このポリウレタン溶液100重量部に、DMF
に分散させた固形分濃度60重量%の二酸化チタンマス
ターバッチ(二酸化チタン含有量:50重量%)10重
量部、ジメチルシロキサン含有ポリオキシエチレン系界
面活性剤1重量部を添加して含浸液とした。この含浸液
を使用して、実施例6と同様の方法で白色のスェード調
皮革様シートを作製した。これらのポリウレタンシート
の耐光性、NOxガス黄変性を実施例1と同様の方法で測
定したところ、耐光性は6−7級、NOxガス暴露後のΔ
bは2.1であった。
【0055】比較例7〜9 実施例9と同様の方法で作製したポリウレタン溶液を使
用し、二酸化チタンマスターバッチの量とヒドラジン系
化合物(II)の種類と量を表3に記載の量と種類だけ
使用する以外は実施例6と同様の方法で白色のスェード
調皮革様シートを作製した。これらの皮革様シートの耐
光性、NOxガス黄変性を実施例1と同様の方法で測定
し、表3に示す結果を得たが、本発明品の優位性は明ら
かである。
【0056】
【表3】
【0057】実施例10 鎖伸長剤(B)としてエチレングリコール56重量部と
N−メチルジエタノールアミン71.5重量部の混合物
を使用する以外は実施例9と同様の方法で反応させ、濃
度25.2重量%、重量平均分子量(ポリスチレン換
算;DMF溶液)41万のポリウレタン溶液を得た。この
ポリウレタン溶液100重量部に、DMFに分散させた
固形分濃度60重量%の二酸化チタンマスターバッチ
(二酸化チタン含有量:50重量%)8重量部、ジメチ
ルシロキサン含有ポリオキシエチレン系界面活性剤0.
8重量部を添加して含浸液とした。この含浸液を使用し
て、実施例6と同様の方法で白色のスェード調皮革様シ
ートを作成した。これらのポリウレタンシートの耐光
性、NOxガス黄変性を実施例1と同様の方法で測定した
ところ、耐光性は7級、NOxガス暴露後のΔbは1.1
であった。
【0058】比較例11〜13 実施例10と同様の方法で作製したポリウレタン溶液を
使用し、ヒドラジン系化合物(II)の代わりに表4に
記載の、一般式化1で表される基を含有しない非ヒドラ
ジン系耐候剤を使用する以外は実施例6と同様の方法で
白色のスェード調皮革様シートを作製した。これらの皮
革様シートの耐光性、NOxガス黄変性を実施例1と同様
の方法で測定し、表4に示す結果を得たが、本発明品の
優位性は明らかである。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明により得られるポリウレタン樹脂
複合体、及び該ポリウレタン樹脂複合体を利用した実質
的に白色のスェード調皮革様シートは光、熱、酸素、窒
素酸化物および硫黄酸化物等に対して良好な耐黄変性を
示し、しかも引っ張り強さなどの力学的性質、耐水性等
の耐久性、耐寒性などの特性においても良好であり、柔
軟性にも優れるため、スポーツ用品、靴、鞄、バッグ等
の袋状物、箱状物、家屋などの建築物、ボート等の輸送
機関の内装材、家具用の化粧材、衣料などの広範囲な用
途に有効に使用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマーポリオール(A)、鎖伸長剤
    (B)および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
    ート(C)からなるポリウレタン樹脂(I)、下記一般
    式化1で表される基を含有するヒドラジン系化合物(I
    I)及び二酸化チタン(III)からなり、(I)、
    (II)、(III)の重量組成比が下記関係を満足す
    ることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。 OaD 003 ≦(II)/[(I)+(II)+(I
    II)]≦0.15 0.03 ≦(III)/[(I)+(II)+
    (III)]≦0.50 【化1】 1 、R2 はアルキル基、アリール基、またはR1とR2
    が一体化してアルキレン基またはアリーレン基を示す。
  2. 【請求項2】ヒドラジン系化合物(II)が1,6−ヘ
    キサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)であ
    る請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】下記一般式化2で表される3級アミノ基を
    ポリウレタン樹脂に対して1〜1000μeq/g含有す
    る請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。 【化2】 R3はアルキル基またはアリール基をR4、R5はアルキレ
    ン基またはアリーレン基を示す。
  4. 【請求項4】請求項1のポリウレタン樹脂組成物が、繊
    維質基体に含浸または塗布されていることを特徴とす
    る、実質的に白色のスェード調皮革様シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007239157A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Asahi Kasei Fibers Corp ポリウレタン弾性繊維
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WO2024095846A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 東レ株式会社 人工皮革およびその製造方法

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