JP2003221778A - ポリベンザゾール繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリベンザゾール繊維およびその製造方法

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    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で生産性良好な方法で繊維表面に活性基を
有する従来になく接着性に優れたポリベンザゾール繊維
を提供すること。 【解決手段】光電子分光測定で得られるC1sピークをピ
ーク分離した際、主ピークがC1sスペクトル全体に占め
る割合が70%以下であり、エポキシ樹脂に対する界面接
着摩擦係数が0.5以上であるポリベンザゾール繊維を
大気圧近傍の圧力下でパルス電界を印加して処理するこ
とにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用資材として好
適な接着性が良好なポリベンザゾール繊維およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリベンザゾール繊維は現在市販されて
いるスーパー繊維の代表であるポリパラフェニレンテレ
フタルアミド繊維の2倍以上の強度と弾性率をもち、次
世代スーパー繊維として期待されている。その優れた特
性から、複合材料の強化材として注目されており、樹脂
およびゴム補強分野等で従来の有機繊維では性能的に不
十分であった、より高強度、高負荷耐久性または寸法安
定性が要求される用途での補強用繊維として使用が検討
されている。
【0003】ポリベンザゾール重合体のポリ燐酸溶液か
ら繊維を製造することは公知であり、例えば紡糸条件に
ついては米国特許5296185号、米国特許5385
702号、水洗乾燥方法についてはW094/0472
6号、さらに熱処理方法については米国特許52961
85号にそれぞれ技術開示がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の製造
法によるポリベンザゾール繊維は優れた機械的特性を有
するのに対し、樹脂およびゴムマトリックスとの接着性
が他の有機繊維と比較してやや劣るという欠点を有して
いた。このため、タイヤ、ホースやベルトなどのゴム補
強資材やコンポジット材などの工業資材として広く利用
をする上で障害となっている。ゴムマトリックスおよび
樹脂マトリックスとの接着性改善を目的とした表面処理
技術として、コロナ処理(特開平7−102473号公
報)等が検討されているが、十分に表面特性が改善され
ているとは言えない。また繊維中に存在するマイクロボ
イド内に樹脂層を形成せしめて接着強度を上げようとす
る提案もあるが(特開平11-335974号公報)、
この様な方法は結晶成長度や配向度の低いポリベンザゾ
ールにしか応用できず、大概150GPa以上の弾性率
を有する接着力の高いポリベンザゾール繊維フィラメン
トを得る事は出来ない。
【0005】一般的に知られている表面処理方法である
プラズマ処理は低圧下で行われる。例えば、特開平6−
57660号公報には1Torrの酸素雰囲気下で13.5
6MHzの高周波プラズマにより木綿の染色性改善を行
う方法が開示されている。低圧下での処理では、真空チ
ャンバー、大型真空ポンプなどが必要であり、真空チャ
ンバー内に巻き出し及び巻き取りロールの組み込みが必
要であるなど、設備の巨大化が避けられず、設備費が莫
大になる。さらに、真空の形成・解除を繰り返す必要が
有り、生産効率が悪いなどの問題が有る。
【0006】このために、大気圧近傍の圧力下でプラズ
マ処理を行うための試みが為されており、例えば、特開
平7−119021号公報に、セラミックで覆われた円
筒状電極を有する装置を用いて、ヘリウムとアルゴンの
混合雰囲気下で繊維製品を処理する方法が開示されてい
る。しかし、この方法では放電状態が不安定であるた
め、プラズマ発生領域が狭い範囲に限定される。また処
理の高速化が困難である等の問題が有る。また大量のヘ
リウムが必要であるため、ランニングコストが嵩むこと
も実用化を妨げる一因となっている。
【0007】そこで本発明者らは、有機繊維材料として
接着力の高い性質を有するポリベンザゾール繊維を安価
で容易に製造する技術を開発すべく鋭意研究した。
【0008】繊維の究極物性を実現する手段としては、
いわゆるラダーポリマーなどの剛直ポリマーが考えられ
てきたが、こうした剛直なポリマーは可撓性が無く、有
機繊維としてのしなやかさや加工性を持たせるために
は、直線上のポリマーであることが肝要である。
【0009】S .G.WierschkeらがMaterial Research S
ociety Symposium Proceedings Vol.134, p.313 (1989
年)に示したように、直線状のポリマーで最も高い理論
弾性率を持つのはシス型のポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール(シス型PBO)である。この結果は田代ら
によっても確認され(Macromolecules vol. 24, p.3706
(1991年))、ポリベンザゾールのなかでも、シス型のポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾールが475GP
aの結晶弾性率を持ち(P. GalenらMaterial Research S
ociety Symposium Proceedings Vol. 134, p.329 (1989
年))、究極の一次構造を持つと考えられた。従って究極
の弾性率を得るためには、ポリマーとしてポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾールを素材とするのが理論的
な帰結である。
【0010】該ポリマーの繊維化は米国特許52961
85号、米国特許5385702号に記載された方法で
行われ、熱処理方法は米国特許5296185号に提案
がなされている方法で行わるが、かかる方法で得られる
ヤーンの接着力はエポキシ樹脂に対する界面接着摩擦係
数にして0.45程度である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を鑑み、鋭意研究した結果、安価で生産性良好な方法
で繊維表面に活性基を有するポリベンザゾール繊維が上
記課題を達成することを見出し、発明を完成するに到っ
た。即ち、本発明は以下の通りである。 1.光電子分光測定で得られるC1sピークをピーク分離
した際、主ピークがC1sスペクトル全体に占める割合が7
0%以下であることを特徴とするポリベンザゾール繊維。 2.エポキシ樹脂に対する界面接着摩擦係数が0.5以
上であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾ
ール繊維。 3.エポキシ樹脂に対する層間ずり強度が10MPa以
上であることを特徴とする上記第1記載のポリベンザゾ
ール繊維。 4.繊維強度5.0GPa以上、繊維弾性率150GP
a以上であることを特徴とする上記第1に記載のポリベ
ンザゾール繊維。 5.大気圧近傍の圧力下でパルス電界を印加して処理す
ることを特徴とするポリベンザゾール繊維の製造方法。 6.対向電極の対向面に固体誘電体を設置し、固体誘電
体同士の間にポリベンザゾール繊維を配置し、対向電極
間にパルス電界を印加して処理することを特徴とする上
記第5記載のポリベンザゾール繊維の製造方法。 7.処理することにより光電子分光測定で得られるC1s
ピークをピーク分離した際、主ピークがC1sスペクトル
全体に占める割合が70%以下の繊維となすことを特徴と
する上記第5記載のポリベンザゾール繊維の製造方法。
【0012】上記の特徴を発現せしめることは、以下の
製造例により実現できる。即ち、ポリベンザゾールから
なるポリマーのドープを紡糸口金から非凝固性の気体中
に押し出して得られた紡出糸を凝固浴中に導入してドー
プ糸条が含有する燐酸を抽出した後、中和、水洗、乾
燥、熱処理を行うが、その際工程途中又は後工程におい
て反応基成分を繊維表面に生成させることで高い接着性
を有するポリベンザゾール繊維を得ることを見出した。
【0013】以下、更に本発明を詳述する。本発明にお
けるポリベンザゾール繊維とは、PBOホモポリマー、
及び実質的に85%以上のPBO成分を含みポリベンザ
ゾール(PBZ)類とのランダム、シーケンシャルある
いはブロック共重合ポリマーをいう。ここでポリベンザ
ゾール(PBZ)ポリマーは、例えばWolf等の「Liquid
Crystalline Polymer Compositions, Process and Pro
ducts」米国特許第4703103号(1987年10月27
日)、「Liquid Crystalline Polymer Compositions, P
rocess and Products」米国特許第4533692号(1985
年8月6日)、「Liquid Crystalline Poly(2,6-Benzot
hiazole) Compositions, Process and Products」米国
特許第4533724号(1985年8月6日)、「Liquid Cr
ystalline Polymer Compositions, Process and Produc
ts」米国特許第4533693号(1985年8月6日)、Eve
rsの「Thermooxidative-ly Stable Articulated p-Benz
obisoxazole and p-Benzobisoxazole Polymers」米国特
許第4539567号(1982年11月16日)、Tsaiらの
「Method for making Heterocyclic Block Copolymer」
米国特許第4578432号(1986年3月25日)、等に
記載されている。
【0014】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式(a)〜(h)に記載されてい
るモノマー単位から成り、更に好ましくは、本質的に構
造式(a)〜(d)から選択されたモノマー単位から成る。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】実質的にPBZから成るポリマーのドープ
を形成するための好適溶媒としては、クレゾールやその
ポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な
酸溶媒の例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸及
び高濃度の硫酸或いはそれ等の混合物があげられる。更
に適する溶媒は、ポリ燐酸及びメタンスルフォン酸であ
る。また最も適する溶媒は、ポリ燐酸である。
【0018】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10
重量%、最も好ましくは14重量%である。最大濃度は、
例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の
取り扱い性により限定される。それらの限界要因のため
に、ポリマー濃度は20重量%を越えることはない。
【0019】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えばWolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sybert等
の米国特許第4772678号(1988年9月20日)、Har
risの米国特許第4847350号(1989年7月11日)に
記載される方法で合成される。実質的にPBOから成る
ポリマーはGregory等の米国特許第5089591号(1992
年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒中での比較的
高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量
化が可能である。
【0020】この様にして重合されるドープは紡糸部に
供給され、紡糸口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。口金細孔の配列は通常円周状、格子状に複数個
配列されるが、その他の配列であっても良い。口金細孔
数は特に限定されないが、紡糸口金面における紡糸細孔
の配列は、吐出糸条間の融着などが発生しないような孔
密度を保つ必要がある。
【0021】紡出糸条は十分な延伸比(SDR)を得る
ため、米国特許第5296185号に記載されたように十分な
長さのドローゾーン長が必要で、かつ比較的高温度(ド
ープの固化温度以上で紡糸温度以下)の整流された冷却
風で均一に冷却されることが望ましい。ドローゾーンの
長さ(L)は非凝固性の気体中で固化が完了する長さが
必要であり大雑把には単孔吐出量(Q)によって決定さ
れる。良好な繊維物性を得るにはドローゾーンの取り出
し応力がポリマー換算で(ポリマーのみに応力がかかる
として)2g/d以上が必要である。
【0022】ドローゾーンで延伸された糸条は次に抽出
(凝固)浴に導かれる。紡糸張力が高いため、抽出浴の
乱れなどに対する配慮は必要でなく如何なる形式の抽出
浴でも良い。例えばファンネル型、水槽型、アスピレー
タ型あるいは滝型などが使用出来る。抽出液は燐酸水溶
液や水が望ましい。最終的に抽出浴において糸条が含有
する燐酸を99.0%以上、好ましくは99.5%以上抽出する。
本発明における抽出媒体として用いられる液体に特に限
定はないが好ましくはポリベンザゾールに対して実質的
に相溶性を有しない水、メタノール、エタノール、アセ
トン、エチレングリコール等である。また抽出(凝固)
浴を多段に分離し燐酸水溶液の濃度を順次薄くし最終的
に水で水洗しても良い。さらに該繊維束を水酸化ナトリ
ウム水溶液などで中和し、水洗することが望ましい。
【0023】該水洗糸は乾燥後巻き上げる。乾燥方法と
しては一般のローラー乾燥若しくはオフライン乾燥を用
いると良い。この時乾燥温度は200℃以上300℃以
下、好ましくは220℃以上280℃以下、更に好まし
くは230℃以上270℃以下である。乾燥時の張力に
もよるが乾燥上がりの繊維で概ね150GPa以上の弾
性率を示す。
【0024】更に張力下に熱処理を施すことにより弾性
率250GPa以上の繊維糸条を得ることが出来る。この時
熱処理温度は500℃以上700℃以下、好ましくは5
50℃以上650℃以下、更に好ましくは580℃以上
630℃以下である。与える張力は1g/d以上8g/d以下、
好ましくは3g/d以上7g/d以下、更に好ましくは4g/d以上
6g/d以下である。
【0025】ここでは特に重要な、ポリベンザゾール繊
維に接着力を発現せしめる方法について述べる。これを
実現するためには、例えば次のような方法が推奨される
がこれに限定されるものではない。
【0026】ポリベンザゾール繊維表面に反応基成分を
生成させる方法として、大気圧近傍の圧力下でパルス電
界を印加して処理を行う。具体的には、対向電極の対向
面に固体誘電体を設置し、固体誘電体同士の間にポリベ
ンザゾール繊維を配置し、対向電極間にパルス電界を印
加して処理を行う。
【0027】上記パルス電界を発生させるために、発振
周波数1〜200kHzの正負パルス式インパルス型高
周波高圧電源を用いる。交流パルス信号を高周波高圧ト
ランスに入力し、昇圧する事により、高周波高電圧イン
パルス出力が得られる。このインパルス電圧を、負荷で
ある誘電体に印加することにより、大気圧近傍の圧力下
でグロー放電または誘電体バリア放電が発生する。
【0028】従来のコロナ処理機、大気圧プラズマ処理
機、真空プラズマ処理機などでは、誘電体間に放電現象
を起させるために印可する電圧波形は、サイン波が使わ
れている。しかし、大気圧近傍の圧力で、連続したサイ
ン波の高周波信号を誘電体に印可した場合は、放電現象
がグロー放電とならない。
【0029】正負パルス式インパルス型高周波高圧電源
を用いると、出力波形を立上りの速いパルス信号で繰り
返しの周波数を連続的に可変させるような方法を取る事
により、単位面積当りの電界強度が強くなり、放電のプ
ラズマ密度が強く発生する。また、周波数を可変するこ
とによりアーク放電が起こらないように調整を行ってい
る。
【0030】以上のように、印可するパルス信号の立上
り/立ち下がり時間を限りなく短くし、単位面積当りの
電界強度を強く発生させ、ストリーマまたはアーク放電
にならないように間欠的に周波数を調整する事により、
大気圧近傍の圧力下でプラズマによるグロー放電を発生
させる事ができる。
【0031】上記雰囲気ガスには、非重合性ガス単体、
汎用の炭化水素ガス等の有機化合物ガス単体、または有
機化合物ガスと希釈用非重合性ガスとの混合物を使用で
きる。希釈用非重合性ガスには、He、Ne、Ar、C
O、N2、H2、O2、CO2、CF4、H2Oを使用でき
る。また空気中においても充分な効果が得られる。
【0032】上記大気圧近傍の圧力とは、760Torr近
傍を指し、装置が簡便で調整容易な700〜800Torr
が好ましい。
【0033】上記電極として、銅、アルミニウムやステ
ンレス、真鍮などの合金、金属間化合物などが上げられ
る。対向電極間の距離は、電界集中によるアーク放電発
生を避けるため、一定である事が望ましい。
【0034】上記固体誘電体は、電極と密着し、電極を
完全に覆うようにする。覆われていない部分が有ると、
アーク放電が生じるためである。
【0035】上記固体誘電体の厚みは、0.01〜4m
mである事が好ましい。厚すぎるとグロー放電や誘電体
バリア放電を発生させるのに高電圧が必要となり、薄す
ぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こり、アーク放電が発
生するためである。
【0036】上記固体誘電体の材質としては、石英、シ
リコンゴム、セラミック、カーボンなどが用いられる。
【0037】上記電極間距離は、利用目的や固体誘電体
厚み、印加電圧の大きさなどによって決定されるが、5
0mm以下であることが好ましい。50mm以上である
と、均一なグロー放電または誘電体バリア放電を発生さ
せる事が困難である。
【0038】上記処理おいて、ポリベンザゾール繊維の
形態としては、フィラメント、撚糸コード、組紐、紡績
糸、織物、編物、不織布などがある。
【0039】上記方法によって処理されたポリベンザゾ
ール繊維表面の接着力を最大限に発揮させるために、処
理前または処理後に過酸化水素水や1分子内に反応基を
2個以上有する化合物を水、油剤、若しくは有機溶剤に
分散溶解せしめた液を付着させても良い。該反応基含有
成分の付与の方法もガイドオイリング法やローラーオイ
リング法、浸漬法などの一般的な方法を用いると良い。
【0040】選択すべき反応基成分としては例えばエポ
キシモノマー分子中にエポキシ環を2個以上有する化合
物、若しくはポリイミド類、若しくはシランカップリン
グ類でー20℃から60℃の間で液体若しくは水、油
剤、若しくは有機溶剤に溶解又は分散出来る物であれば
何れの化合物であっても良い。
【0041】この様なエポキシの例としてグリシジルエ
ーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン
型、脂肪族エポキサイド、脂環族エポキサイド、ビスフ
ェノールA型エポキシがある。
【0042】ポリイミドの例としては、水や有機溶媒に
溶けるポリイミドを形成する事の出来るモノマーなら何
れでもよく、例えばPMR−15系、PMR−II系、
LARC−160系を挙げることが出来る。
【0043】シランカップリング剤の例としては水や有
機溶剤に溶けるシランカップリング剤なら何れでもよ
く、例えば3−トリエトキシシリル−N−(1,3ジメ
チルブチリデン)、3−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランを挙げ
ることが出来る。
【0044】エポキシの付与方法について述べる。付与
するエポキシ成分の量は繊維重量に対して多い方が良い
が、あまり多く付着させるとヤーン中のフィラメント同
士が固着してしまい好ましくない。また量が少ないと所
定の接着力が発現しない。好ましい付着量としては乾燥
繊維重量に対して0.1%乃至4.5%、更に好ましく
は0.2%乃至3%、最も好ましくは0.5%乃至1.
5%である。
【0045】ポリベンザゾール繊維にエポキシ成分を付
着させた後直ちにエポキシ環が反応する温度に昇温し、
エポキシを部分重合させることが望ましい。好ましい反
応温度としては100℃以上300℃未満、更に好まし
くは150℃以上270℃未満、最も好ましくは200
℃以上250℃未満である。この様な反応温度に晒す時
間は0.1秒以上5分以下、好ましくは0.3秒以上2分
以下、最も好ましくは0.5秒以上1分以下である。
【0046】エポキシ成分の付与方法について述べる。
エポキシの効果反応を安定させるため、必要があれば硬
化剤や反応助剤を添加しても良い。この様な例として
は、アミン類、ポリアミン類、イミザゾール類、フェノ
ール類、酸無水物類、ポリメルカプタン類、BF3モノ
エチルアミン錯体類、イソシアネート類、ブロックドイ
ソシアネート類が挙げられる。添加量としてはエポキシ
成分に対して0.1%乃至55%、好ましくは1%乃至3
0%、更に好ましくは2%乃至15%である。添加の方
法はエポキシ分散液に混入しても良いが、長期間運転し
たときにエポキシ液自体が固化してしまう問題が生じ
る。この様なときはエポキシ液と硬化剤分散液を別々に
繊維に付与するようにすると良い。エポキシ分散液の濃
度(分散液中の固形成分重量をエポキシ分散液全体の重
量で割かえしたものに100をかけた)に特に限定はな
いが、好ましくは5%乃至80%、更に好ましくは8%
乃至55%に調整するのがよい。液濃度の粘度(濃度)
が高いとフィラメント全体に均一に塗布出来ない問題が
生じる。又液濃度が薄すぎると、硬化過程で加えた熱が
分散溶媒や水の蒸発に消費されてしまい、温度が上がら
ず所定のエポキシ反応度まで達しないことがある。分散
剤としては、エポキシを溶解若しくは分散する能力があ
り且つフィラメントに悪影響を与えない物であれば何れ
であっても良い。この様な例としては、水、アルコール
類、繊維用紡糸油剤(例えばエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、又はその混合物)、ケトン類などが
挙げられる。溶解や分散を助ける目的で界面活性剤を添
加しても良い。添加量はエポキシ成分重量に対して0.
1%乃至70%、好ましくは0.3%乃至45%、更に
好ましくは0.5%乃至32%である。
【0047】ポリイミドの付与方法について述べる。ポ
リイミドの原料となるモノマーを溶剤にとかした後加熱
して予備反応を進めポリイミドプレポリマーを作成す
る。反応温度はモノマーの種類にもよりが50℃から2
50℃。好ましくは100℃から180℃で反応を進め
る。反応時間は1分以上4時間以下好ましくは5分以上
2時間以下である。出来たポリマー溶液の濃度は5%か
ら60%、好ましくは10%から50%の濃度に調製す
る。プレポリイミド成分をポリベンザゾール繊維に付与
せしめる方法及び付着量はエポキシの場合と同様であ
る。プレポリイミド成分を付着せしめた繊維は一旦巻き
上げた後オーブンの中に放置し開環架橋反応をすすめ
る。オーブンの温度は250℃から400℃、好ましく
は280℃から370℃に調節する。反応時間は1分以
上4時間未満、好ましくは5分以上2時間未満にする。
【0048】シランカップリング剤とビニル基、エポキ
シ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、メトキ
シ基、エトキシ基、イソシアネート基などシランカップ
リング基と反応することが出来る部分を1分子内に2個
以上有する物質を水中に分散した液をポリベンザゾール
繊維に付着せしめたのち繊維を巻き上げた。シランカッ
プリング剤の水溶液中の固形物全体に対する割合は15
%から60%、好ましくは20%から50%に調節す
る。繊維に付着せしめる量は0.1%以上10%未満好
ましくは0.5%以上5%未満である。
【0049】(光電子分光測定方法)ポリベンザゾール
繊維表面の反応基成分の評価法として、光電子分光測定
(ESCA測定)を行った。ESCA測定はPHI製M
odel5800を使用した。X線源としてMgKα1,
2 を用い、試料チャンバー内を1×10-8Torr以下
の高真空下に保持した。測定のためのエネルギーステッ
プ値は0.05eV/step、パスエネルギー値は1
1.75eVとした。測定時に生じる帯電を補正するの
ため、C1sの主ピークの結合エネルギーB.E.値を28
4.6eVに合わせた。C1sピーク面積は281eV
から294eVの範囲でベースラインを引くことにより
算出した。C1sピークは284.6eVに生じる主ピ
ークとその他のピークに分離可能である。これは炭素原
子と結合する原子種により、C1sピークは化学シフト
を生じるためである。接着性改善のための表面処理を施
した場合、酸素原子等の表面活性を生じさせる原子種が
炭素原子と結合し、反応基を生成する。反応基の生成に
より、C1sピークの高結合エネルギー側への化学シフ
トが生じる。解析結果の例を図に挙げる。図1はポリベ
ンザゾール繊維(未処理)織物のESCA測定結果であ
る。ピーク分離した結果、C1sピーク中の主ピークの
面積比率は約80%である。主ピーク以外に分離される
ピークはポリベンザゾール繊維中の酸素と結合した炭素
による寄与が現れている。一方、図2は本発明に係る処
理後のポリベンザゾール繊維織物のESCA測定結果で
ある。少なくとも3つ以上のピークに分離され、反応基
の生成を意味する高結合エネルギー側へのC1sピーク
のシフトが生じている。本ピーク分離による検討の結
果、C1sピーク中の主ピークの面積比率は約56%で
ある。
【0050】(ラマン散乱を用いた接着力の評価方法)
接着性の判定はGrubbの方法に従って引き抜き法を
利用して評価した(Journal of Materials Science, 29,
189 (1994))。即ち、ポリベンザゾールのモノフィラメ
ントをエポキシ樹脂中に包埋し硬化せしめたエポキシ樹
脂片を作成した後、繊維に張力を与えた状態で繊維中に
働く応力分布をラマン散乱法を利用して測定し、界面接
着摩擦係数及び層間ずり強度を評価した。まず繊維から
モノフィラメントを取り出し、電子顕微鏡のエポキシ包
埋片作成用の平板包埋板(例えば常阪イーエム株式会社
製(京都市))に、エポキシ包埋後繊維が樹脂片の中心
線の直線上を通過するように貼り付けた。繊維が中心線
を通過するように、前もって包埋板に剃刀を使って切れ
目を入れておくと良い。包埋片を作るためのエポキシは
エピコート827(油化シェル)、HN5500(日立
化成)、BMI12(油化シェル)若しくはこれら相当
品を重量比にして100部85部1部の割合でよく混合
した後脱泡のため減圧下にて30分以上放置した。この
液をモノフィラメントを貼り付けた包埋板にエポキシ液
が泡をかまないように気をつけながら注いだ後、硬化せ
しめるために温度を80℃に調節したオーブン中で6時
間以上放置した。硬化させた後エポキシ片を包埋板から
取り外し、ロードセルとマイクロメーターが取り付けら
れたミニ応力歪み測定装置のマイクロメーター側に樹脂
片から飛び出したモノフィラメントをロードセル側に樹
脂片そのものを接着した後、マイクロメーターを用いて
所定の歪みを与えた。繊維に働く樹脂中での各部位にお
ける応力値はラマン散乱法を用いて測定した。ラマンバ
ンド即ち基準振動位置は繊維を構成する分子鎖の力の定
数と分子の形(内部座標)から構成される方程式を解く
ことにより決定されるが(E. B. Wilson, J. C. Decius,
P. C. Cross著Molecular Vibrations, Dover Publicat
ions (1980))、例えばWoolらが説明を与えたように繊維
が歪むにつれて該分子も歪み、結果として基準振動位置
が変化するのである(Macromolecules, 16, 1907 (198
3))。この原理を利用すれば、前もって繊維に与えた歪
みとそのときのラマンバンドを先に述べたミニ応力歪み
測定装置を用いて測っておくことにより、逆に樹脂中の
繊維からのラマンバンドの相関関係を測ることで繊維に
働く応力分布を知ることが出来る。ラマン散乱はレニシ
ョー社のシステム1000を用いて測定した。光源はヘ
リウムネオンレーザー(波長633nm)を用い、偏光
方向と繊維軸が一致するように繊維を設置して測定し
た。マイクロメーターを用いて単繊維に2.3GPaの
応力を与えたときの繊維の応力分布を樹脂の末端から樹
脂中に向かって繊維軸に沿って測った。測定結果をGrub
bの方法(Joural of Materials Science , 29,203 (199
4))に従って解析した。即ち理論に従えば応力分布σは
式1に従うが、実際測定データをよく記述できた。解析
結果の例を図2に示す。層間ずり強度τは式2を使って
算出した。
【0051】 σ(x) =γ ( 1 − exp [-α(leff + x)] ) 式1 ここで γ = (N0 Ef/Vf ) ( (1 + Vm)/Em + (1 − Vf)
/Ef ) α = 2 f N0 / rf γ x : 繊維軸に沿ってみた測定位置、 Ef : 繊維弾性
率、Em : マトリックスの弾性率、rf : 繊維の半径、vf
: 繊維のPoisson比、vm : マトリックスのPoisson比、
N0 : 層間に働く法線応力、 f : 界面接着摩擦係数、l
eff : 摩擦応力伝達長である。パラメーターとしてVf =
0.40, Em = 1.6 GPa, vm = 0.34を用いた。fが求める
摩擦係数である。
【0052】τ = F / 2π rf le 式2 ここでFは繊維にかけた張力、leは樹脂端から測って繊
維に働く張力が事実上無張力になるまでの距離である。
今回の場合結果的にleff = le であった。
【0053】ここで、横軸は樹脂の端面から測った測定
個所までの繊維軸に沿った距離で樹脂の中に奥深くはい
るほど小さくなる。縦軸はラマンバンド変化から求めた
応力を表す。白丸は実測値、実線は式1を用いてカーブ
フィットした計算値を示す。
【0054】以下、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0055】
【実施例】(原糸の製造方法)米国特許第4533693号に
示される方法によって得られた、30℃のメタンスルホ
ン酸溶液で測定した固有粘度が24.4dL/gのポリパラフェ
ニレンベンゾビスオキサゾール14.0(重量)%と五酸化
リン含有率83.17%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを紡糸
に用いた。ドープは金属網状の濾材を通過させ、次いで
2軸から成る混練り装置で混練りと脱泡を行った後、昇
圧させ、重合体溶液温度を170℃で紡出し、温度60
℃の冷却風を用いて吐出糸条を冷却した後、さらに自然
冷却で40℃まで吐出糸条を冷却した後、20℃の燐酸2
0%水溶液凝固浴中に導入した。次に繊維をゴゼットロ
ールに巻き付け一定速度を与えて第2の抽出浴中でイオ
ン交換水で糸条を洗浄した後、0.1規定の水酸化ナトリ
ウム溶液中に浸漬し中和処理を施した。更に水洗浴で水
洗した後、巻き取り、80℃の乾燥オーブン中で乾燥し
繊維中に含まれる水分率が2%以下になるまで放置した
(この繊維をASと呼ぶ)。更に一部の普通糸を張力5.0g
/d、温度600℃の状態で2.4秒間熱処理を行った(HM
と呼ぶ)。
【0056】(評価用サンプル)ラマン散乱を用いた接
着力の評価方法以外の接着評価用サンプルとして、ポリ
ベンザゾール繊維1670dtexに320tpmの下
撚りを掛けた糸を2本合せて、320tpmの上撚りを
掛けて1670dtex/2のコードを作製し、また、
これとは別にポリベンザゾール繊維1670dtexを
用いて平織物を作製した。
【0057】(樹脂接着評価用サンプル作製)マトリッ
クスにエポキシ樹脂を用いた。エポン91.03A、エ
ポン91.03B、エポン91.03C(油化シェル
製)を、100/76/1の重量比で混合した。織物を
樹脂に含浸し、130℃で2時間硬化した。得られたF
RPは、厚み0.88mm、Vf43%であった。
【0058】(ゴム接着評価用サンプル作製)SBRゴ
ムを用いた。処理したコードおよび織物に二段のディッ
プ処理を施した。一段目のディップ処理液は(1)エポ
キシ樹脂の水分散液であり、処理温度は200℃、二段
目のディップ処理液はRFL液であり、処理温度は20
0℃であった。ディップ処理サンプルを加硫前のSBR
ゴム3枚でサンドイッチし、150℃、30分加硫し、
評価用サンプルとした。
【0059】(剥離接着力の測定)処理したポリベンザ
ゾール繊維コードおよび織物を用いた剥離接着力の測定
は、JIS K6854に準じて、試験片幅を2.5c
m、長さを10cmとした。クロスヘッドの移動速度を
100mm/minとして接着力を測定した。
【0060】(実施例1)正負パルス式インパルス型高
周波高圧電源(株式会社ハイデン研究所製)を用いて、
対向電極の対向面に固体誘電体を設置した固体誘電体同
士の間にASフィラメントを通して、対向電極間にパル
ス電界を印加し、処理を施した。大気圧(760Tor
r)下で、出力900W、周波数5kHz、印可電圧1
0kV、滞留時間1分、空気雰囲気下で行った。結果を
表1に示す。
【0061】(実施例2)実施例1と同じ条件で、窒素
雰囲気下で処理を行った。結果を表1に示す。
【0062】(実施例3)実施例1と同じ条件で、アル
ゴン雰囲気下で処理を行った。結果を表1に示す。
【0063】(実施例4)濃度50%の3,3',4,4'-benz
ophenonetetracarboxylic acid (BTDE)をメタノール中
で2時間還流した後、5-norbornene-2,3-dicarboxylic
acid (NE)と4,4'-methylenedianiline (MDA)をモル比が
NE:MDA:BTDE = 2 : 2 : 1 になるまでくわえたのち更に
固形濃度が10%になるまでさらにメタノールを加えよ
く攪拌した。この液をオイリングガイドを用いて実施例
1記載のサンプルに繊維重量に対して1.2%付着せし
めたのち巻き上げたのち、オーブン中に放置した。オー
ブンはまず140℃に保って1時間放置した後更に温度
を340℃に上昇して1時間放置した。結果を表2に示
す。
【0064】(実施例5)実施例1と同じ条件で、HM
フィラメントを空気雰囲気下で処理を行った。結果を表
1に示す。
【0065】(比較例1)AS糸を無処理のまま評価し
た。結果を表1に示す。
【0066】(比較例2)HM糸を無処理のまま評価し
た。結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】上記表1より本発明の繊維は従来の繊維に
比べて著しい接着力の向上が認められ、物性上、極めて
優れており、安価に製造できる。
【0069】本発明は、産業用資材として実用性を高め
利用分野を拡大する効果が絶大である。即ち、接着性を
特に必用とするタイヤコード、ベルト補強材、歯布、ホ
ース補強材などのゴム補強材分野は言うに及ばず、ケー
ブル、電線や光ファイバー等のテンションメンバー、ロ
ープ、等の緊張材、ロケットインシュレーション、ロケ
ットケイシング、圧力容器、宇宙服の紐、惑星探査気
球、等の航空、宇宙資材、耐弾材等の耐衝撃用部材、手
袋等の耐切創用部材、消防服、耐熱フェルト、プラント
用ガスケット、耐熱織物、各種シーリング、耐熱クッシ
ョン、フィルター、等の耐熱耐炎部材、釣り糸、釣竿、
テニスラケット、卓球ラケット、バトミントンラケッ
ト、ゴルフシャフト、クラブヘッド、ガット、弦、セイ
ルクロス、ランニングシューズ、マラソンシューズ、ス
パイクシューズ、スケートシューズ、バスケットボール
シューズ、バレーボールシューズ、等の運動靴、競技
(走)用自転車及びその車輪、ロードレーサー、ピスト
レーサー、マウンテンバイク、コンポジットホイール、
ディスクホイール、テンションディスク、スポーク、ブ
レーキワイヤー、変速機ワイヤー、競技(走)用車椅子
及びその車輪、プロテクター、レーシングスーツ、スキ
ー、ストック、ヘルメット、落下傘等のスポーツ関係資
材、アバンスベルト、クラッチファーシング等の耐摩擦
材、各種建築材料用補強剤及びその他ライダースーツ、
スピーカーコーン、軽量乳母車、軽量車椅子、軽量介護
用ベッド、救命ボート、ライフジャケット、等広範にわ
たる用途に使用出来る。
【0070】
【発明の効果】本発明によると、各種産業用資材として
有用な接着力のあるポリベンザゾール繊維を工業的に容
易に提供することを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のポリベンザゾール繊維織物のESCA測
定結果(実線:ピーク曲線、点線:分離ピーク)。
【図2】本発明に係るポリベンザゾール繊維織物のES
CA測定結果(実線:ピーク曲線、点線:分離ピー
ク)。
フロントページの続き (72)発明者 北河 享 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4L031 AA12 AB01 CB05 DA21 4L035 MD06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光電子分光測定で得られるC1sピークをピ
    ーク分離した際、主ピークがC1sスペクトル全体に占め
    る割合が70%以下であることを特徴とするポリベンザゾ
    ール繊維。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂に対する界面接着摩擦係数が
    0.5以上であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    ベンザゾール繊維。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂に対する層間ずり強度が10
    MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    ベンザゾール繊維。
  4. 【請求項4】繊維強度5.0GPa以上、繊維弾性率1
    50GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載
    のポリベンザゾール繊維。
  5. 【請求項5】大気圧近傍の圧力下でパルス電界を印加し
    て処理することを特徴とするポリベンザゾール繊維の製
    造方法。
  6. 【請求項6】対向電極の対向面に固体誘電体を設置し、
    固体誘電体同士の間にポリベンザゾール繊維を配置し、
    対向電極間にパルス電界を印加して処理することを特徴
    とする請求項5記載のポリベンザゾール繊維の製造方
    法。
  7. 【請求項7】処理することにより光電子分光測定で得ら
    れるC1sピークをピーク分離した際、主ピークがC1sスペ
    クトル全体に占める割合が70%以下の繊維となすことを
    特徴とする請求項5記載のポリベンザゾール繊維の製造
    方法。
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