JP2020007539A - 車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物、及び車椅子用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立することが可能な車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物、並びに、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立した車椅子用タイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、充填剤と、を含み、前記ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部以上であり、前記充填剤として、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含むことを特徴とする、車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物、並びに、かかるゴム組成物をトレッドに用いたことを特徴とする、車椅子用タイヤである。【選択図】なし

Description

本発明は、車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物、及び車椅子用タイヤに関するものである。
従来、車いす用タイヤは、そのメンテナンスのし易さから、非空気圧式タイヤ、パンクレスタイヤが中心であった。例えば、該パンクレスタイヤとしては、樹脂タイヤが広く採用されている。また、下記特許文献1には、ゴムチューブの代わりに、軽くて弾力性があり網目状にしたプラスチック編組成型材を筒状に加工してタイヤ内に挿入したタイヤが開示されている。
特開2016−159899号公報
しかしながら、パンクレスタイヤとして広く採用される樹脂タイヤは、グリップ力が十分ではない。車椅子の操作者は、車椅子によって、直進、停止、回転を行うこととなるが、この内、回転方向の動きが多いのが車椅子の特徴であり、特に、椅子用タイヤには、回転方向のグリップ性に改善の余地があった。
また、車椅子においては、直進と停止とが頻繁に行われ、タイヤのトレッドが摩耗し易いため、トレッドの耐摩耗性についても改善の余地があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立することが可能な車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立した車椅子用タイヤを提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分と、充填剤と、を含み、
前記ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部以上であり、
前記充填剤として、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含むことを特徴とする。
かかる本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物によれば、車椅子用タイヤのトレッドに用いることで、椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立することができる。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物の好適例においては、前記充填剤中の、前記シリカの割合が75質量%以上である。この場合、該ゴム組成物をトレッドに適用したタイヤを車椅子に装着することで、車椅子の漕ぎが軽くなり、車椅子の操作性が向上する。
また、本発明の車椅子用タイヤは、上記の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いたことを特徴とする。
かかる本発明の車椅子用タイヤは、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立できる。
本発明の車椅子用タイヤは、競技用車椅子用タイヤとして好ましい。即ち、本発明の競技用車椅子用タイヤは、上記の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする。かかる本発明の競技用車椅子用タイヤは、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立でき、競技に用いた場合に、高い性能を発揮できる。
本発明によれば、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立することが可能な車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立した車椅子用タイヤを提供することができる。
以下に、本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物、及び車椅子用タイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物>
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分と、充填剤と、を含み、前記ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部以上であり、前記充填剤として、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含むことを特徴とする。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物においては、ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部以上であることで、該ゴム組成物をトレッドに適用した車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性が向上する。
また、本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物においては、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含むことで、該ゴム組成物をトレッドに適用した車椅子用タイヤの耐摩耗性が向上する。
そのため、本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物によれば、車椅子用タイヤのトレッドに用いることで、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立することができる。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分を含み、該ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の含有量が60質量部以上である。ゴム成分100質量部中の、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部未満では、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性を十分に向上させることができない。ここで、ゴム成分100質量部中の、スチレン−ブタジエンゴムの含有量は、好ましくは70〜100質量部であり、より好ましくは80〜100質量部である。ゴム成分100質量部中の、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が70質量部以上の場合、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性を向上させる効果が大きくなり、また、80質量部以上であれば、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性を向上させる効果がより一層大きくなる。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、前記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)として、スチレン含有量の異なる2種以上のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を含んでもよい。ここで、スチレン含有量の異なる2種以上のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)における、スチレン含有量の最大差[即ち、最もスチレン含有量の多いスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有量(Stmax)から、最もスチレン含有量の少ないスチレン−ブタジエンゴムのスチレン含有量(Stmin)を、差し引いた値(Stmax−Stmin)]は、10質量%以下であることが好ましい。スチレン含有量の最大差が10質量%を超える場合、ゴム組成物としてのガラス転移温度が下がるため、グリップ性が下がり、操作性とのバランスが維持できないためである。
なお、前記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)のスチレン含有量は、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性の観点から、25〜50質量%の範囲が好ましい。ここで、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)におけるスチレン含有量は、H−NMRスペクトルの積分比より求める。
前記スチレン−ブタジエンゴム(SBR)は、未変性のスチレン−ブタジエンゴムであっても、変性スチレン−ブタジエンゴムであってもよい。また、未変性のスチレン−ブタジエンゴムと、変性スチレン−ブタジエンゴムと、を混合して用いてもよい。
前記変性スチレン−ブタジエンゴムにおける変性官能基としては、例えば、含窒素官能基、含ケイ素官能基、含酸素官能基等が挙げられる。
前記変性スチレン−ブタジエンゴムしては、市販品を利用することができる。また、前記変性スチレン−ブタジエンゴムは、合成して使用してもよく、例えば、該変性スチレン−ブタジエンゴムしては、(1)モノマーとしてスチレンとブタジエンを使用し、これらのモノマーを共重合させて得た共重合体の分子末端及び/又は主鎖を変性剤で変性して得たポリマー、(2)モノマーとしてスチレンとブタジエンを使用し、変性官能基を有する重合開始剤を用いて、これらのモノマーを共重合させて得たポリマー、(3)モノマーとしてスチレンとブタジエンを使用し、変性官能基を有する重合開始剤を用いて、これらのモノマーを共重合させて得た共重合体の分子末端及び/又は主鎖を更に変性剤で変性して得たポリマー、等を使用することができる。
前記変性剤としては、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)−3−[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピルアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
前記変性官能基を有する重合開始剤としては、リチウムアミド化合物が好ましい。該リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジへプチルアミド、リチウムジへキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルへキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、ゴム成分として、上述のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)以外のゴム成分を含んでもよい。スチレン−ブタジエンゴム以外のゴム成分としては、天然ゴム(NR)や、SBR以外の合成ジエン系ゴムが挙げられる。ここで、SBR以外の合成ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらの中でも、SBR以外のゴム成分としては、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性の観点から、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、及びブタジエンゴム(BR)が好ましい。これらSBR以外のゴム成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらSBR以外のゴム成分は、未変性のものであっても、変性されたものであってもよく、また、未変性のものと、変性されたものとのブレンドであってもよい。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、充填剤を含み、該充填剤として、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含む。シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して20質量部未満でも、90質量部を超えても、車椅子用タイヤの耐摩耗性が低下してしまう。ここで、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して40〜90質量部が好ましく、50〜80質量部が更に好ましい。シリカの含有量が、ゴム成分100質量部に対して40質量部以上であれば、車椅子用タイヤの耐摩耗性が更に向上し、50質量部以上であれば、車椅子用タイヤの耐摩耗性がより一層向上し、また、80質量部以下であることでも、車椅子用タイヤの耐摩耗性が更に向上する。
前記シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらシリカは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シリカは、窒素吸着比表面積(BET値)が40〜350m/gであることが好ましい。シリカの窒素吸着比表面積(BET値)が40m/g以上であれば、耐摩耗性が向上し、また、350m/g以下であれば、車椅子の漕ぎが軽くなり、車椅子の操作性が向上する。また、前記シリカは、窒素吸着比表面積(BET値)が150〜300m/gであるのがより好ましく、200〜250m/gであるのが更に好ましい。
ここで、シリカの窒素吸着比表面積は、JIS K 6430:2008に従いBET法で測定した値である。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、充填剤として、上述のシリカ以外の充填剤を含んでもよい。シリカ以外の充填剤としては、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これら充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、室内での防汚性の観点からは、本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを含まないことが好ましい。
また、本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物において、充填剤の総含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して20〜100質量部の範囲が好ましい。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物においては、前記充填剤中の、前記シリカの割合が30質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることが更に好ましく、90〜100質量%であることがより一層好ましい。充填剤中の、シリカの割合が30質量%以上であれば、車椅子の漕ぎが軽くなり、車椅子の操作性が向上する。また、充填剤中の、シリカの割合が75質量%以上であれば、車椅子の漕ぎが更に軽くなり、車椅子の操作性が更に向上する。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、前記シリカの効果を向上させるために、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。該シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられる。これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シランカップリング剤の含有量は、前記シリカ100質量部に対して2〜20質量部の範囲が好ましく、5〜15質量部の範囲が更に好ましい。シランカップリング剤の含有量がシリカ100質量部に対して2質量部以上であれば、シリカの効果が十分に向上し、また、シランカップリング剤の含有量がシリカ100質量部に対して20質量部以下であれば、ゴム成分のゲル化の可能性が低い。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、更に着色剤を含んでもよい。特に、ゴム組成物が、カーボンブラックを含まない、或いは、カーボンブラックを少量含む場合において、着色剤を含むことで、車椅子用タイヤのトレッドを黒以外の所望の色に着色することができる。
前記着色剤は、目的とする色に応じて適宜選択して使用することができる。ここで、該着色剤としては、有機又は無機の顔料又は染料が使用できる。例えば、白色着色剤としては、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられ、赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等が挙げられ、青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられ、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等が挙げられる。
前記着色剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲が好ましい。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、更に架橋剤を含んでもよい。該架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤等が挙げられる。なお、車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物としては、これらの中でも硫黄系架橋剤(加硫剤)が好ましく、硫黄が特に好ましい。
前記架橋剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲が好ましい。
前記加硫剤を用いる場合には、更に加硫促進剤を併用することもできる。該加硫促進剤としては、グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が挙げられる。
前記加硫促進剤の含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物には、前記ゴム成分、シリカ、その他の充填剤、シランカップリング剤、着色剤、架橋剤(加硫剤)、加硫促進剤の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物は、スチレン−ブタジエンゴムを含むゴム成分に、シリカと、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
<車椅子用タイヤ>
本発明の車椅子用タイヤは、上記の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする。
かかる本発明の車椅子用タイヤは、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立できる。
本発明の椅子用タイヤは、前記トレッドが、黒以外の色に着色されていることが好ましい。トレッドが黒以外の色に着色されている場合、該車椅子用タイヤを室内で使用しても、床を汚さない、という利点がある。
本発明の車椅子用タイヤは、競技用車椅子用タイヤとして好ましい。本発明の車椅子用タイヤは、回転方向のグリップ性と、耐摩耗性と、を両立できるため、競技に用いた場合に、高い性能を発揮できる。該競技用車椅子用タイヤは、車椅子テニス、車椅子バドミントン、車椅子バスケット等の競技に好適である。
本発明の車椅子用タイヤは、トレッドに上述の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物が用いられている限り特に制限はなく、任意の構造を採用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ゴム組成物の調製>
表1に示す配合処方に従い、通常のバンバリーミキサーを用いて、実施例2のゴム組成物を製造した。また、同様にして、表1に示す配合処方に従い、実施例1及び3〜9、並びに比較例1〜3のゴム組成物を製造する。
<タイヤの作製及び評価>
上記のようにして得られた実施例2のゴム組成物をトレッドに用いて、車椅子用タイヤを作製した。作製した供試タイヤを車椅子に装着し、下記の方法で、回転方向のグリップ性、耐摩耗性、操作性を評価した。また、実施例1及び3〜9、並びに比較例1〜3についても、同様の評価を行う。結果を表1に示す。
(1)回転方向のグリップ性
実施例2のゴム組成物をトレッドに用いた車椅子用タイヤについて、車いす使用者が乗った状態で、回転速度3.53Rad/secで車いすを回転させグリップ性を評価した。スマホアプリの加速度ロガーを使用し、測定した。また、実施例1及び3〜9、並びに比較例1〜3についても、同様の評価を行う。
各例について、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、回転方向のグリップ性が優れていることを示す。
(2)耐摩耗性
供試タイヤのトレッドから試験片を切り出し、該試験片に対して、ランボーン型摩耗試験機を使用して、スリップ率80%での摩耗量を測定し、該摩耗量の逆数を算出する。また、測定温度は室温とする。
各例について、比較例1を100として指数表示する。指数値が大きい程、耐摩耗性が優れていることを示す。
(3)操作性(漕ぎの軽さ)
実施例2のゴム組成物をトレッドに用いた車椅子用タイヤについて、初速ゼロから2回漕いで、トップスピードに到達するまでの加速度を測定し、5回の平均加速度で評価した。加速度の測定には、スマートフォンアプリの「加速度ロガー」を使用した。また、実施例1及び3〜9、並びに比較例1〜3についても、同様の評価を行う。
各例について、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、操作性(漕ぎの軽さ)が優れていることを示す。
*1 SBR−A: スチレン−ブタジエンゴム、未変性、JSR社製、スチレン含有量=45質量%、ブタジエン部分のビニル結合量=19質量%
*2 SBR−B: 下記の方法で合成した変性スチレン−ブタジエンゴム、スチレン含有量=35質量%
*3 SBR−C: 変性スチレン−ブタジエンゴム、旭化成(株)製、商品名「タフデンF3440」、スチレン含有量=35質量%
*4 NR: 天然ゴム、#RSS3
*5 シリカ: 東ソー・シリカ工業株式会社製、商品名「ニプシルAQ」、窒素吸着比表面積(BET値)=205m/g
*6 カーボンブラック: 旭カーボン株式会社製、商品名「#78」
*7 シランカップリング剤: ビス(3−トリエトシキシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75(登録商標)」
*8 加硫促進剤−A: 1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーD]
*9 加硫促進剤−B: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーDM」
<*2 SBR−Bの合成方法>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及びスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン70.2g及びスチレン39.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミンを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して、変性スチレン−ブタジエンゴムを得た。
表1に示す結果から、本発明に従う実施例のゴム組成物をトレッドに使用することで、車椅子用タイヤの回転方向のグリップ性と、耐摩耗性とを両立できることが分かる。

Claims (4)

  1. ゴム成分と、充填剤と、を含み、
    前記ゴム成分100質量部中、スチレン−ブタジエンゴムの含有量が60質量部以上であり、
    前記充填剤として、シリカを、前記ゴム成分100質量部に対して20〜90質量部含むことを特徴とする、車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記充填剤中の、前記シリカの割合が75質量%以上である、請求項1に記載の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする、車椅子用タイヤ。
  4. 請求項1又は2に記載の車椅子用タイヤのトレッド用ゴム組成物を、トレッドに用いたことを特徴とする、競技用車椅子用タイヤ。
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