JP2003303516A - 細径電線コード - Google Patents

細径電線コード

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JP2003303516A JP2002106893A JP2002106893A JP2003303516A JP 2003303516 A JP2003303516 A JP 2003303516A JP 2002106893 A JP2002106893 A JP 2002106893A JP 2002106893 A JP2002106893 A JP 2002106893A JP 2003303516 A JP2003303516 A JP 2003303516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で且つ高強力の新規な細径電線コードを提
供することである。 【解決手段】配向パラメーターが0.1以下のカーボンナ
ノチューブを含む実質的に炭素からなり1570-1610cm-1
の領域にラマン散乱ピークが現れるような芯部を導線と
し、当該導線の周りを熱可塑性樹脂で被覆してなる細径
電線コード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用、電子機器
用やオーディオ機器および電話コードさらにはスーパー
コンピューターを代表とする電子計算機、パソコン、電
話交換機、通信機器、携帯電話機、心臓ペースメーカ
ー、写真機、補聴器、ビデオカメラ、マイクロマシーン
などの精密電子機器用途に使用される電線コードに関す
る。さらに詳しくは細径で且つ高い破断強力を有する細
径電線コード関するものである。
【0002】
【従来の技術】電線コードの構造は比較的単純であるが
使用される分野が広く、また使用状態も多様であり、こ
れに対応すべく従来より芯部を構成する素材の検討が行
われてきた。例えば実開昭60−69420号公報では
金属撚線をポリエステルやケブラー(アラミド系繊維:
デュポン社製 商品名)等の繊維紐の上に横巻きした耐
屈曲用電線を、また実開平2−12113号公報ではア
ラミド繊維をテンションメンバーとし、この上に軟銅線
を同心撚りして導体を形成し、該導体の上をさらに合成
樹脂の絶縁体で被覆した細径電線を提案している。ま
た、特開昭63−175303号公報および特開平1−
107415号公報は高強力ポリオレフィン系繊維を芯
部に用いたハンダ付け作業性が改善された細径電線コー
ドを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の製造
法による細径伝導体は金属を用いるため、単位長さあた
りの重さが重くなる傾向にあった。微細径の電気伝導体
の応用分野の一つとして宇宙船や人工臓器の部材、さら
には超小型センサーへの利用が想定されるが、これらの
分野では特に、軽量性や屈曲性が要求される。今日では
回路基板(銅張り積層板)の軽量化への要請から、形状
としても1次元の線状コードだけでは不十分で、銅にか
わるフィルム状の電気伝導体の登場が期待されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで鋭意検討の結果、
カーボンナノチューブを繊維軸方向に配向せしめた実質
的にカーボンから成る芯線を利用することで、上記の問
題を解決する発明に至ったのである。
【0005】即ち、本発明は下記の構成からなる。 1.カーボンナノチューブを含む実質的に炭素から成る
芯部を導線とし、当該導線の周りを熱可塑性樹脂で被覆
してなることを特徴とする細径電線コード。 2.炭素の重量分率が90%以上であることを特徴とす
る上記第1に記載の細径電線コード。 3.カーボンナノチューブの配向パラメーターが0.1以
下であることを特徴とする上記第1に記載の細径電線コ
ード。 4.芯部が、1570-1610cm-1の領域にラマン散乱ピーク
が現れてなるものであることを特徴とする上記第1に記
載の細径電線コード。 5.芯部が、1570-1610cm-1の領域に存在するラマン散
乱ピークのうち最も線幅の小さいピークの半値幅が60cm
-1以下のものであることを特徴とする上記第1に記載の
細径電線コード。
【0006】以下、本発明を詳しく述べる。細径電線の
要求特性としては電気伝導性と強度を兼ね備えたしなや
かな材料が芯材として必要である。そのために、カーボ
ンナノチューブを含有した炭素材料を芯材に利用するの
である。
【0007】カーボンナノチューブとは実質的に炭素か
らなる管状の化合物で、層は単層でも多層でも層の数を
問わない。製造方法としては、アーク放電法、気相成長
法などが知られているが(特開2001-80913号公報)何れ
の方法で得たカーボンナノチューブを用いても良い。外
径は100nm以下。長さは0.005μm以上10μ
m以下、好ましくは1μm以上5μm以下である。外径
が50nmを越えると屈曲性が悪いため、完成糸の屈曲
疲労に対する耐久性の悪化を招き好ましくない。長さが
10μmを越えるとナノチューブ自体が機械的な延伸方
向に配向しないため好ましくない。長さが0.005μ
m未満の場合、電気伝導性能が出ず好ましくない。
【0008】電気伝導性能を発現せしめるためにはカー
ボンナノチューブの長軸が機械的な延伸方向に配向し、
且つ均一に分散している必要がある。そうなってはじめ
てカーボンナノチューブが電気伝導体としての働きを発
揮するのである。通常この構造は液晶ポリマーのドープ
中にカーボンナノチューブを均一に分散できたとき、通
常の紡糸工程を通すことでポリマーの配向に伴いカーボ
ンナノチューブが自発的に配向することを鋭意検討の結
果今回初めて見出したのである。
【0009】即ち、カーボンナノチューブを液晶を示す
ポリマー中に分散させた後、紡糸、延伸、焼成工程を通
して導線を作製するのである。液晶性ポリマーの条件と
しては、該ポリマー鎖の持続長が1nm以上1000nm未満、
好ましくは1.5nm以上800nm未満、さらに好ましくは2nm
以上500nm未満であれば良い。このようなポリマーの例
としては、ポリアクリロニトリル、ポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリベンザゾールなどがあげられ
る。
【0010】本発明におけるポリベンザゾールとは、P
BOホモポリマー、及び実質的に85%以上のPBO成
分を含みポリベンザゾール(PBZ)類とのランダム、
シーケンシャルあるいはブロック共重合ポリマーをい
う。ここでポリベンザゾール(PBZ)ポリマーは、例
えばWolf等の「Liquid Crystalline Polymer Compositi
ons, Process and Products」米国特許第4703103号(1
987年10月27日)、「Liquid Crystalline Polym
er Compositions, Process and Products」米国特許第4
533692号(1985年8月6日)、「Liquid Crystalli
ne Poly(2,6-Benzothiazole) Compositions, Process a
nd Products」米国特許第4533724号(1985年8月6
日)、「Liquid Crystalline Polymer Compositions, P
rocess and Products」米国特許第4533693号(1985
年8月6日)、Eversの「Thermooxidative-ly Stable A
rticulated p-Benzobisoxazole and p-Benzobisoxazole
Polymers」米国特許第4539567号(1982年11月1
6日)、Tsaiらの「Methodfor making Heterocyclic Bl
ock Copolymer」米国特許第4578432号(1986年3月
25日)、等に記載されている。
【0011】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式(a)〜(h)に記載されてい
るモノマー単位から成り、更に好ましくは、本質的に構
造式(a)〜(d)から選択されたモノマー単位から成る。
【0012】
【化1】
【0013】実質的にPBOから成るポリマーのドープ
を形成するための好適溶媒としては、クレゾールやその
ポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含まれる。好適な
酸溶媒の例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸及
び高濃度の硫酸或いはそれ等の混合物があげられる。更
に適する溶媒は、ポリ燐酸及びメタンスルフォン酸であ
る。また最も適する溶媒は、ポリ燐酸である。
【0014】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10
重量%、最も好ましくは14重量%である。最大濃度は、
例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際上の
取り扱い性により限定される。それらの限界要因のため
に、ポリマー濃度は20重量%を越えることはない。
【0015】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えばWolfe等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sybert等
の米国特許第4772678号(1988年9月20日)、Har
risの米国特許第4847350号(1989年7月11日)に
記載される方法で合成される。実質的にPBOから成る
ポリマーはGregory等の米国特許第5089591号(1992
年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒中での比較的
高温、高剪断条件下において高い反応速度での高分子量
化が可能である。
【0016】添加するカーボンナノチューブはドープを
合成するときにドープ原料と同時に配合しておく。良好
な電気物性を発現せしめるためには、カーボンナノチュ
ーブがドープ中に均一に混合分散している必要がある。
この目的のためには、ドープを重合する前に原料を投入
した後80℃以下の温度にて一旦原料同士を攪拌混合し
た後定法に従ってドープを調製すると良い。添加量はモ
ノマー仕込量に対して重量分率にして1%以上60%未
満、好ましくは2%以上50%未満である。この量より
少ないと完成糸中に含有されるカーボンナノチューブが
少なくなり電気伝導性の発現が期待できない。反対に多
すぎるとカーボンナノチューブの繊維中での分散製が悪
くなり、完成糸の繊維強度が低下するため好ましくな
い。
【0017】この様にして重合されるドープは紡糸部に
供給され、紡糸口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。口金細孔の配列は通常円周状、格子状に複数個
配列されるが、その他の配列であっても良い。口金細孔
数は特に限定されないが、紡糸口金面における紡糸細孔
の配列は、吐出糸条間の融着などが発生しないような孔
密度を保つことが肝要である。
【0018】紡出糸条は十分な延伸比(SDR)を得る
ため、米国特許第5296185号に記載されたように十分な
長さのドローゾーン長が必要で、かつ比較的高温度(ド
ープの固化温度以上で紡糸温度以下)の整流された冷却
風で均一に冷却されることが望ましい。ドローゾーンの
長さ(L)は非凝固性の気体中で固化が完了する長さが
要求され、大雑把には単孔吐出量(Q)によって決定さ
れる。良好な繊維物性を得るにはドローゾーンの取り出
し応力がポリマー換算で(ポリマーのみに応力がかかる
として)2g/d以上が望ましい。
【0019】ドローゾーンで延伸された糸条は次に抽出
(凝固)浴に導かれる。紡糸張力が高いため、抽出浴の
乱れなどに対する配慮は必要でなく如何なる形式の抽出
浴でも良い。例えばファンネル型、水槽型、アスピレー
タ型あるいは滝型などが使用出来る。抽出液は燐酸水溶
液や水が望ましい。最終的に抽出浴において糸条が含有
する燐酸を99.0%以上、好ましくは99.5%以上抽出する。
本発明における抽出媒体として用いられる液体に特に限
定はないが好ましくはポリベンザゾールに対して実質的
に相溶性を有しない水、メタノール、エタノール、アセ
トン、エチレングリコール等である。また抽出(凝固)
浴を多段に分離し燐酸水溶液の濃度を順次薄くし最終的
に水で水洗しても良い。さらに該繊維束を水酸化ナトリ
ウム水溶液などで中和し、水洗することが望ましい。こ
の後乾燥、焼成を施して繊維を製造する。
【0020】乾燥方法は、オーブンを用いたオフライン
乾燥、ローラー乾燥など任意に方法を用いればよい。乾
燥温度も60℃以上500℃未満、好ましくは70℃以
上400℃未満である。乾燥の後焼成工程を通してポリ
マー成分を炭素化する。焼成工程は不活性ガス中で該繊
維を蒸し焼きにするのである。不活性ガスの例としては
アルゴン、窒素、ヘリウムなどが上げられる。焼成温度
は700℃以上2000℃未満、好ましくは750℃以
上1700℃未満である。温度が低いと炭素化率が低く
なり好ましくない。温度が高すぎると繊維強度の低下を
招き好ましくない。
【0021】出来あがった導体に周りを樹脂で被覆して
細径電線コードを完成する。好適な被覆材としては軽く
てフレキシブルなものが良く、一般には柔軟な高分子材
料が選ばれる。そのなかでも、特に、ポリイミドやポリ
パラフェニレンテレフタルアミド、ポリベンザゾールが
適している。
【0022】<配向パラメーターの測定方法>以下、電
子線回折の測定法並びに結晶配向パラメーター<sin
2φ>の評価法を詳述する。芯線をエポキシ樹脂に包埋
したものをダイアモンドナイフ(例えばDiatome)を用
いて電子顕微鏡観察用の超薄切片を作製した。作製した
切片をメッシュ上に回収し、電子顕微鏡を用いて電子線
回折像を撮影した。用いる電子顕微鏡としては例えば日
本電子JEM-2010を加速電圧200kVにて運転すればよ
い。回折像の記録はフジ写真フィルム(株)製イメージ
ングプレート(FDL UR―V)を用いて実施した。
さらに、フジ写真フィルム(株)製デジタルミクログラ
フィー(FDL5000)を用いた日本電子(株)製P
IXsysTEM20にて信号強度を読み出した。結晶
配向パラメーターは、(002)回折面のデバイ環に沿った
方位角方向の回折強度分布からバックグラウンド散乱の
補正を施した後数1で定義される式に従って算出した。
【0023】
【数1】
【0024】ここでI(φ)は(002)回折面のデバイ環に沿
って測ったバックグラウンド補正後の回折強度の方位角
分布、φは方位角方向回折強度プロファイルの極大点を
原点として測った方位角である。
【0025】(ラマン散乱測定)ラマン散乱スペクトル
は、下記の方法で測定を行った。ラマン測定装置(分光
器)はレニショー社のシステム1000を用いて測定し
た。光源はヘリウムーネオンレーザー(波長633n
m)を用い、偏光方向に繊維軸が平行になるように繊維
を設置して測定した。ヤーンから単繊維(モノフィラメ
ント)を分繊し、矩形(縦50mm横10mm)の穴が
空いたボール紙の穴の中心線上に、長軸が繊維軸と一致
するように貼り、両端をエポキシ系接着剤(アラルダイ
ト)で止めて2日間以上放置した。その後マイクロメー
ターで長さが調節できる治具に該繊維を取り付け、単繊
維を保持するボール紙を注意深く切り取った後所定の歪
みを繊維に与え、該ラマン散乱装置の顕微鏡ステージに
のせ、ラマンスペクトルを測定した。このとき、繊維に
働く応力をロードセルを用いて同時に測定した。
【0026】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが
勿論本発明はこれらに限定されるものではない。本発明
の評価に用いた各尺度は下記の手順で求めた。
【0027】<繊維の繊度>単糸繊度は温度20℃、湿
度65RH%の雰囲気中で24時間調整した試料につき
デニコン[サーチ(株)製]を使用して試料長50m
m、本数20で測定を行い、算術平均値を求めた。総繊
度は前記条件で調整された試料をラップリールに10m
巻きとって重量を測定し、これを9000mの重量に換
算して求めた。
【0028】<繊維束ならびにコードの引張特性>JI
S L−1013に準拠してオリエンテック(株)社製
テンシロンを用い、つかみ間隔20cm、引張速度10
0%/min、n=10の測定を行い、パソコン処理に
よって引張特性を求めた。
【0029】<結節強度の測定方法>試料のつかみ間隔
の中央にZ撚りの本結びを1個作った状態で、上述の引
っ張り強度試験法に準拠して測定して結節強度を評価し
た。
【0030】<炭素含有量の測定方法>炭素含有量は有
機元素分析法(例えばヤナコMT−5型 CHNコーダ
ー)に従って求めた。
【0031】電気伝導度の測定は、一般的な測定装置を
用いればよい。例えば、HUSO ELECTRO C
HEMICAL SYSTEM モデル 1116など
を用いればよい。
【0032】
【実施例】(実施例1〜4、比較例1〜2)カーボンナ
ノチューブをポリベンザゾールモノマーと同時に投入し
て米国特許第4533693号に示される方法によって得られ
た、30℃のメタンスルホン酸溶液で測定した固有粘度
が24.4dL/gのポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル14.0(重量)%と五酸化リン含有率83.17%のポリ燐酸
から成る紡糸ドープを紡糸に用いた。ドープは金属網状
の濾材を通過させ、次いで2軸から成る混練り装置で混
練りと脱泡を行った後、昇圧させ、重合体溶液温度を1
70℃に保ち、孔数33を有する紡糸口金から170℃
で紡出し、温度60℃の冷却風を用いて吐出糸条を冷却
した後、ゴゼットロールに巻き付け紡糸条速度を与え、
温度を20±2℃に保った20%の燐酸水溶液から成る
抽出(凝固)浴中に導入した。引き続いて第2の抽出浴
中でイオン交換水で糸条を洗浄した後、0.1規定の水酸
化ナトリウム溶液中に浸せきし。中和処理を施した。更
に水洗浴で水洗した後、巻き取り、80℃の乾燥オーブ
ン中で乾燥した。さらに所定の焼成温度に熱した電気炉
中で窒素雰囲気下にて焼成した。この様にして製造した
芯線にポリイミド原液を塗布した後250℃にて重合反
応を芯線の表面で進行させることにより被覆を施した。
最後に該複合導線にポリ塩化ビニル樹脂(PVC)被覆
を施してイヤホーンコードを作成した。得られたイヤホ
ーンコードにつきハンダ付け性、コード径等を評価し
た。評価結果を表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】(比較例3)カーボンナノチューブ/ポリ
カーボネート/トルエン(配合重量比=10/40/50)を良
く攪拌して紡糸口金から押し出した後100度のオーブ
ン中で溶媒を乾燥させて繊維を得た。さらに窒素気流下
で1000℃に加熱して焼成した。コードを実施例1と
同じ方法で作成した。結果を表1に示す。
【0035】
【発明の効果】ポリベンザゾール繊維を細径電線コード
のテンションメンバーに用いることで、強度に優れたコ
ードを得ることが出来た。特に屈曲性(結節強度)に優
れていることで今後の回路の高集積化、複雑化に資す
る。さらに、細繊度且つ高強度の繊維を用いることでハ
ンダ付け性が改善できる。高強度を有することから電線
コードのより高度な細径化の要求に対応できる。以上の
様に従来ない細径で且つ高強力の電線コードを工業的に
効率よく製造することでき、産業界に寄与すること大で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G309 LA05 LA20 5G313 AB01 AC01 AD07 AE01 AE07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンナノチューブを含む実質的に炭
    素から成る芯部を導線とし、当該導線の周りを熱可塑性
    樹脂で被覆してなることを特徴とする細径電線コード。
  2. 【請求項2】炭素の重量分率が90%以上であることを
    特徴とする請求項1に記載の細径電線コード。
  3. 【請求項3】カーボンナノチューブの配向パラメーター
    が0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の細
    径電線コード。
  4. 【請求項4】芯部が、1570-1610cm-1の領域にラマン散
    乱ピークが現れてなるものであることを特徴とする請求
    項1に記載の細径電線コード。
  5. 【請求項5】芯部が、1570-1610cm-1の領域に存在する
    ラマン散乱ピークのうち最も線幅の小さいピークの半値
    幅が60cm-1以下のものであることを特徴とする請求項1
    に記載の細径電線コード。
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