JPH11335926A - 高弾性率ポリベンザゾール繊維及びその製造方法 - Google Patents

高弾性率ポリベンザゾール繊維及びその製造方法

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JPH11335926A
JPH11335926A JP14324798A JP14324798A JPH11335926A JP H11335926 A JPH11335926 A JP H11335926A JP 14324798 A JP14324798 A JP 14324798A JP 14324798 A JP14324798 A JP 14324798A JP H11335926 A JPH11335926 A JP H11335926A
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fiber
gpa
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elastic modulus
modulus
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Susumu Kitagawa
享 北河
Michio Ishitobi
三千夫 石飛
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリベンザゾール繊維の理論値により近い物
性を示し、かつ工業的に有利に製造できるポリベンザゾ
ール繊維を提供する。 【解決手段】 結晶配向パラメーターが0.005以下
であり、引張弾性率が290GPa以上、引張強度が
5.0GPa以上である高弾性率ポリベンザゾール繊
維、及び繊維中に水分を4〜100%含んだ状態の繊維
を一定張力下に熱処理する高弾性率ポリベンザゾール繊
維の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用資材として好
適な強度及び弾性率が著しく優れたポリベンザゾール繊
維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリベンザゾール繊維は現在市販されて
いるスーパー繊維の代表であるポリパラフェニレンテレ
フタルアミド繊維の2倍以上の強度と弾性率をもち、次
世代スーパー繊維として期待されている。
【0003】ポリベンザゾール重合体のポリ燐酸溶液か
ら繊維を製造することは公知であり、例えば紡糸条件に
ついては米国特許5296185号、米国特許5385
702号、水洗乾燥方法についてはW094/0472
6号、さらに熱処理方法については米国特許52961
85号にそれぞれ技術開示がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の製造
法による高強度ポリベンザゾール繊維の引張弾性率(以
下、単に弾性率と表記)は、米国特許5296185号
に記載されたような350℃以上の熱処理をしてもおお
むね290GPa止まりである。実験室レベルでは極め
て高い弾性率が報告されているが、5.0GPa以上の
強度を有しながら弾性率が290GPa以上の繊維糸条
(フィラメントの集合体)は、特殊な紡糸条件下に分子
緩和を抑制することにより実現した例(特開平8−32
5840号)を除き、未だ工業的技術と呼べるレベルで
の容易な生産技術は得られていない。
【0005】そこで本発明者らは、有機繊維材料として
究極の弾性率を有するポリベンザゾール繊維を容易に製
造する技術を開発すべく鋭意研究した。
【0006】繊維の究極物性を実現する手段としては、
いわゆるラダーポリマーなどの剛直ポリマーが考えられ
てきたが、こうした剛直なポリマーは可撓性が無く、有
機繊維としてのしなやかさや加工性を持たせるために
は、直線上のポリマーであることが必須条件である。
【0007】S.G.Wierschke らがMaterial Research So
ciety Symposium Proceedings Vol.134, p.313 (1989
年)に示したように、直線状のポリマーで最も高い理論
弾性率を持つのはシス型のポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾールである。この結果は田代らによっても確
認され(Macromolecules vol. 24, p.3706(1991年))、ポ
リベンザゾールのなかでも、シス型のポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾールが475GPaの結晶弾性率
を持ち(P. Galen らMaterial Research SocietySymposi
um Proceedings Vol. 134, p.329 (1989 年))、究極の
一次構造を持つと考えられた。従って究極の弾性率を得
るためには、ポリマーとしてポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾール(PBO)を素材とするのが理論的な
帰結である。
【0008】PBOポリマーの繊維化は米国特許529
6185号、米国特許5385702号に記載された方
法で行われ、熱処理方法は米国特許5296185号に
提案がなされている方法で行われるが、かかる方法で得
られるヤーンの弾性率は高々290GPaであり、結晶
弾性率の61%を実現しているにすぎない。従ってこれ
らの方法の改良について鋭意研究の結果、より高弾性率
で高強度で、より理論値に近づいた物性の繊維を工業的
に容易に達成出来ることを見いだした。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、結晶配向パラメー
ターが0.005以下であり、引張弾性率が290GP
a以上、引張強度が5.0GPa以上であることを特徴
とする高弾性率ポリベンザゾール繊維及び繊維中に水分
を4〜100%含んだ状態の繊維を一定張力下に熱処理
する事ことを特徴とする高弾性率ポリベンザゾール繊維
の製造法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明を詳述する。本
発明におけるポリベンザゾール繊維とは、PBOホモポ
リマー、及び実質的に85%以上のPBO成分を含みポ
リベンザゾール(PBZ)類とのランダム、シーケンシ
ャルあるいはブロック共重合ポリマーをいう。ここでポ
リベンザゾール(PBZ)ポリマーは、例えばWolf等の
「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process
and Products 」米国特許第4703103号(1987年
10月27日)、「Liquid Crystalline Polymer Compositi
ons, Process and Products 」米国特許第453369
2号(1985年8月6日)、「Liquid Crystalline Poly
(2,6-Benzothiazole) Compositions, Process andProdu
cts 」米国特許第433724号(1985年8月6日)、
「Liquid Crystalline Polymer Compositions, Process
and Products 」米国特許第4533693 号(1985年8月6
日)、Evers の「Thermooxidative-ly Stable Articula
ted p-Benzobisoxazole and p-Benzobisoxazole Polyme
rs」米国特許第4539567号(1982年11月16日)、
Tsaiらの「Method for making Heterocyclic Block Cop
olymer」米国特許第4578432号(1986年3月
25日)、等に記載されている。
【0011】PBZポリマーに含まれる構造単位として
は、好ましくはライオトロピック液晶ポリマーから選択
される。モノマー単位は構造式 (a)〜(h) に記載されて
いるモノマー単位から選択され、更に好ましくは、本質
的に構造式 (a)〜(d) から選択されたモノマー単位から
成る。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】本発明による高弾性率ポリベンザゾール繊
維は、従来技術に見られない特徴ある微細構造を呈す
る。即ち、特に広角X線回折法で測定した(200)回
折の方位角方向の散乱強度分布関数を測定して求めた結
晶配向パラメータが0.005以下であり、従来技術と
比べてきわめて特徴ある構造である。かかる繊維の強度
は5.0GPa以上で、弾性率は290GPa以上、好
ましくは300GPa以上であり、より好ましくは強度
が5.0GPa以上で弾性率は350GPa以上であ
り、さらに好ましくは強度は6.2GPa以上である。
【0015】上記の微細構造の構造的特徴を発現せしめ
るため、本発明のポイントは以下に示す比較的簡単な手
法により実現できる。即ち、ポリパラフェニレンベンゾ
ビスオキサゾールからなるポリマーのドープを紡糸口金
から非凝固性の気体中に押し出して得られた紡出糸を凝
固浴中に導入してドープ糸条が含有する燐酸を抽出した
後、中和、水洗、乾燥、熱処理を行うが、熱処理前の繊
維が含む水分率を4%から100%に調整した繊維を一
定張力下で熱処理する事で高弾性率ポリベンザゾール繊
維を得ることができる。
【0016】ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾー
ル(PBO)繊維の従来の基本的な製造方法は、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾールとポリ燐酸からな
るドープを紡糸口金から紡出し、これ以後凝固、中和、
水洗、乾燥、張力下の熱処理を経て製造される。弾性率
をあげる手段として繊維を構成するポリマーの結晶配向
をあげる方法がある。しかしながらポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾールの場合、分子鎖自体が剛直で且
つ分子間の相互作用が小さいため、従来技術に於いては
熱処理工程を通しても、通常のポリマーで発生する融解
再結晶による構造の再配列は起こりにくく、結晶配向は
結晶配向パラメーターにして0.005以下になること
はなかった。このため得られた繊維の弾性率は理論弾性
率に比較して大幅に小さかった。そこで発明者らは、結
晶配向を向上させる方法を鋭意検討した結果、繊維中に
水分を含んだ状態の繊維を水分の除去のみを目的とした
いわゆる乾燥工程を通さず、直接500℃以上で熱処理
する事で結晶配向が従来技術を用いて作成した繊維に比
較して高くなることを見いだした。さらにこの方法で得
られる繊維は高強度を保つとともにこれまでに得られな
かったような高い弾性率を有するポリベンザゾール繊維
であることを見出したのである。
【0017】実質的にPBOから成るポリマーのドープ
を形成するための好適な溶媒としては、クレゾールやそ
のポリマーを溶解し得る非酸化性の酸が含まれる。好適
な酸溶媒の例としては、ポリ燐酸、メタンスルフォン酸
及び高濃度の硫酸或いはそれ等の混合物があげられる。
更に適する溶媒は、ポリ燐酸及びメタンスルフォン酸で
ある。また最も適する溶媒は、ポリ燐酸である。
【0018】溶媒中のポリマー濃度は好ましくは少なく
とも約7重量%であり、更に好ましくは少なくとも10
重量%、最も好ましくは14重量%である。最大濃度
は、例えばポリマーの溶解性やドープ粘度といった実際
上の取り扱い性により限定される。それらの限界要因の
ために、ポリマー濃度は20重量%を越えることはな
い。
【0019】好適なポリマーやコポリマーあるいはドー
プは公知の手法により合成される。例えばWolfe 等の米
国特許第4533693号(1985年8月6日)、Sybert
等の米国特許第4772678号(1988年9月20日)、
Harrisの米国特許第4847350号(1989年7月11
日)に記載される方法で合成される。実質的にPBOか
ら成るポリマーはGregory 等の米国特許第508959
1号(1992年2月18日)によると、脱水性の酸溶媒中で
の比較的高温、高剪断条件下において高い反応速度での
高分子量化が可能である。
【0020】この様にして重合されるドープは紡糸部に
供給され、紡糸口金から通常100℃以上の温度で吐出
される。口金細孔の配列は通常円周状、格子状に複数個
配列されるが、その他の配列であっても良い。口金細孔
数は特に限定されないが、紡糸口金面における紡糸細孔
の配列は、吐出糸条間の融着などが発生しないような孔
密度を保つ必要がある。
【0021】紡出糸条は十分な延伸比(SDR)を得る
ため、米国特許第5296185号に記載されたように
十分な長さのドローゾーン長が必要で、かつ比較的高温
度(ドープの固化温度以上で紡糸温度以下)の整流され
た冷却風で均一に冷却されることが望ましい。ドローゾ
ーンの長さ(L)は非凝固性の気体中で固化が完了する
長さが必要であり大雑把には単孔吐出量(Q)によって
決定される。良好な繊維物性を得るにはドローゾーンの
取り出し応力がポリマー換算で(ポリマーのみに応力が
かかるとして)2g/d以上にすることが望ましい。
【0022】ドローゾーンで延伸された糸条は次に抽出
(凝固)浴に導かれる。紡糸張力が高いため、抽出浴の
乱れなどに対する配慮は必要でなく如何なる形式の抽出
浴でも良い。例えばファンネル型、水槽型、アスピレー
タ型あるいは滝型などが使用出来る。抽出液は燐酸水溶
液や水が望ましい。最終的に抽出浴において糸条が含有
する燐酸を99.0%以上、好ましくは99.5%以上
抽出する。
【0023】本発明における抽出媒体として用いられる
液体に特に限定はないが好ましくはポリベンザゾールに
対して実質的に相溶性を有しない水、メタノ−ル、エタ
ノール、アセトン、エチレングリコール等である。また
抽出(凝固)浴を多段に分離し燐酸水溶液の濃度を順次
薄くし最終的に水で水洗しても良い。さらに該繊維束を
水酸化ナトリウム水溶液などで中和し、水洗することが
望ましい。
【0024】水洗上がりの繊維は直ちに若しくは別途乾
燥し巻き取られる。このとき次の熱処理工程で高弾性率
を発現せしめるため、熱処理前に繊維中に含まれる水分
率を100%から4%の間に、好ましくは50%から1
0%の間に、最も好ましくは40%から15%の間に調
整しておく。熱処理前繊維の水分率調整法としては、電
気オーブン中に放置する方法、乾燥ローラー上を通過さ
せる方法などの一般的な方法を用いればよい。
【0025】熱処理前繊維が繊維表面の付着水も含めて
100%を超える水分を含んでいると、熱処理工程を通
過中、繊維糸条の実温が十分に上昇せず、所期物性が得
られない。反対に水分率が4%未満の場合は、結晶配向
が十分に上がらず高強度高弾性率が達成できない問題が
ある。完全に乾燥しきったPBO繊維表面に水分をただ
付着させただけで熱処理を施しても効果はない。
【0026】PBO繊維はポリマー結晶より構成されて
いると考えられるが、繊維中の水分は、この結晶−結晶
間に存在するアモルファス部分やキャピラリーと呼ばれ
る空間に微細に分割されて存在するものと考えられる。
このため、熱処理工程に於いて水は可塑剤の役目を果た
し、結晶の繊維軸方向への配向促進を司っているものと
考えられる。
【0027】熱処理条件は、加熱媒体や処理方法にもよ
るが、300〜700℃で1〜60秒でよく、好ましく
は、500〜600℃で2〜10秒である。繊維に与え
る張力は0.1〜10g/dが望ましい。このようにし
て製造した繊維は、驚くべきことに結晶配向パラメータ
ーは0.005以下になる微細構造的な特徴を有する。
尚、本特許に於いて用いた回折点の指数付けはFratini
ら(Material Reserach society Symposium Proceedings
Vol. 134, p.431 (1989年))により提案されている結晶
模型に従った。
【0028】<結晶配向パラメーターの測定法>以下、
広角X線回折の測定法並びに結晶配向パラメーター<s
in2 φ>の評価法を詳述する。(株)リガク製回転対
陰極型X線発生装置RU−200をX線の発生源として
用い、出力は管電圧40kV,管電流100mAにて運
転した。対陰極には銅を使用し、ニッケルフィルターを
用いて単色化したCuKα線を(株)リガク製3スリッ
ト系小角X線散乱装置を用いて取り出した。このとき、
第1スリットのピンホール直径は0.2mm、第2スリ
ットピンホール直径は0.15mmであった。取り出し
たX線を繊維糸条に照射し、繊維から80mm後方(X
線発生源とは逆方向)に置いたフジ写真フィルム(株)
製イメージングプレート(FDL UR−V)にて試料
繊維からの回折X線を測定した。十分な回折強度を得る
ために必要な測定時間は20分乃至120分であった。
イメージングプレートで測定した回折強度はフジ写真フ
ィルム(株)製デジタルミクログラフィー(FDL50
00)を用いた日本電子(株)製PIXsysTEM2
0にて解析した。結晶配向パラメーターは、(200)
回折面のデバイ環に沿った方位角方向の回折強度分布か
らバックグラウンド散乱の補正を施した後[数1]で定
義される式に従って算出した。
【0029】
【数1】 ここでI(φ)は(200)面のデバイ環に沿って測った
バックグラウンド補正後の回折強度の方位角分布、φは
赤道から測った方位角である。
【0030】<水分率の測定法>繊維に含まれる水分率
の測定は、重量法を用いた。即ち、水分率を測定したい
繊維の重量を化学天秤を用いて秤量した後該繊維を23
0℃に調節した電気オーブン中で30分間放置し繊維中
の水分をとばした後再度秤量した。水分率は水分をとば
した後の繊維重量に対するとばされた水分の重量%によ
り求めた。
【0031】
【実施例】次の実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。 <実施例1>米国特許第4533693号に示される方
法によって得られた、30℃のメタンスルホン酸溶液で
測定した固有粘度が24.4dl/gのポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール14.0重量%と五酸化リ
ン含有率83.17%のポリ燐酸から成る紡糸ドープを
紡糸に用いた。ドープは金属網状の濾材を通過させ、次
いで2軸から成る混練り装置で混練りと脱泡を行った
後、昇圧させ、重合体溶液温度を170℃に保ち、孔数
34を有する紡糸口金から170℃で紡出し、温度60
℃の冷却風を用いて吐出糸条を冷却した後、さらに自然
冷却で40℃まで吐出糸条を冷却した後、温度を25±
2℃に保った水の凝固浴中に導入した。次に繊維をゴゼ
ットロールに巻き付け一定速度を与えて第2の抽出浴中
でイオン交換水で糸条を洗浄した後、0.1規定の水酸
化ナトリウム溶液中に浸漬し中和処理を施した。更に水
洗浴で水洗した後、巻き取り、80℃の乾燥オーブン中
で乾燥し繊維中に含まれる水分率が25%になるまで放
置した。更に張力7.0g/d、温度600℃の状態で
2.4秒間熱処理を行った。得られた繊維の測定結果を表
1に示す。
【0032】<実施例2>実施例1と同じ条件で製造し
た水洗上がり糸を水分率7%になるまで電気オーブン中
で乾燥した後実施例1と同じ条件の熱処理を施した。得
られた繊維の測定結果を表1に示す。
【0033】<実施例3>実施例1と同じ条件で製造し
た水洗上がり糸を水分率82%になるまで電気オーブン
中で乾燥した後、実施例1と同じ条件の熱処理を施し
た。得られた繊維の測定結果を表1に示す。
【0034】<比較例1>実施例1と同じ条件で製造し
た水洗上がり糸を水分率121%になるまで電気オーブ
ン中で乾燥した後実施例1と同じ条件の熱処理を施し
た。得られた繊維の測定結果を表1に示す。
【0035】<比較例2>実施例1と同じ条件で製造し
た水洗上がり糸を水分率3%になるまで電気オーブン中
で乾燥した後、実施例1と同じ条件の熱処理を施した。
得られた繊維の測定結果を表1に示す。
【0036】<比較例3>実施例1と同じ条件で製造し
た水洗上がり糸を水分率1%になるまで電気オーブン中
で乾燥した後キスロールで水分率が21%になるまで繊
維に水分を付着させた後、実施例1と同じ条件の熱処理
を施した。得られた繊維の測定結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1より本発明の繊維は従来の繊維に
比べて強度とともに著しい弾性率の向上が見られ、物性
上、極めて優れていることが理解される。同時に、特異
な微細構造を有することも認められる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のポリベンザ
ゾール繊維は、結晶の配向性が従来になく高い微細構造
であるため、ポリベンザゾール繊維の理論的な弾性率と
強度により近い高弾性率と高強度とを合わせ持ち、かつ
工業的に容易に製造することができる。このため、産業
用資材として実用性を高め利用分野を拡大する効果が絶
大である。その例としては、ケーブル、電線や光ファイ
バー等のテンションメンバー、ロープ、等の緊張材はも
とより、ロケットインシュレーション、ロケットケイシ
ング、圧力容器、宇宙服の紐、惑星探査気球、等の航
空、宇宙資材、耐弾材等の耐衝撃用部材、手袋等の耐切
創用部材、消防服、耐熱フェルト、プラント用ガスケッ
ト、耐熱織物、各種シーリング、耐熱クッション、フィ
ルター、等の耐熱耐炎部材、ベルト、タイヤ、靴底、ロ
ープ、ホース、等のゴム補強剤、釣り糸、釣竿、テニス
ラケット、卓球ラケット、バトミントンラケット、ゴル
フシャフト、クラブヘッド、ガット、弦、セイルクロ
ス、ランニングシューズ、マラソンシューズ、スパイク
シューズ、スケートシューズ、バスケットボールシュー
ズ、バレーボールシューズ、等の運動靴、競技(走)用
自転車及びその車輪、ロードレーサー、ピストレーサ
ー、マウンテンバイク、コンポジットホイール、ディス
クホイール、テンションディスク、スポーク、ブレーキ
ワイヤー、変速機ワイヤー、競技(走)用車椅子及びそ
の車輪、プロテクター、レーシングスーツ、スキー、ス
トック、ヘルメット、落下傘等のスポーツ関係資材、ア
バンスベルト、クラッチファーシング等の耐摩擦材、各
種建築材料用補強剤及びその他ライダースーツ、スピー
カーコーン、軽量乳母車、軽量車椅子、軽量介護用ベッ
ド、救命ボート、ライフジャケット、等広範にわたる用
途を挙げることが出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶配向パラメーターが0.005以下
    であり、引張弾性率が290GPa以上、引張強度が
    5.0GPa以上であることを特徴とする高弾性率ポリ
    ベンザゾール繊維。
  2. 【請求項2】 繊維中に水分を4〜100%含んだ状態
    の繊維を一定張力下に熱処理することを特徴とする高弾
    性率ポリベンザゾール繊維の製造法。
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